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	<title>あたらしい眼科オンラインジャーナル</title>
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		<title>眼症状を主訴としたセネストパチーの1例</title>
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		<pubDate>Sun, 29 Apr 2012 15:29:42 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[記事]]></category>
		<category><![CDATA[セネストパチー]]></category>
		<category><![CDATA[ドクターショッピング]]></category>
		<category><![CDATA[眼科- 精神科連携]]></category>

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		<description><![CDATA[《原著》あたらしい眼科29（4）：573.575，2012c眼症状を主訴としたセネストパチーの1例松本識子中馬秀樹直井信久宮崎大学医学部感覚運動医学講座眼科学分野ACaseofOcularCenesthopathySat [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>《原著》あたらしい眼科29（4）：573.575，2012c眼症状を主訴としたセネストパチーの1例松本識子中馬秀樹直井信久宮崎大学医学部感覚運動医学講座眼科学分野ACaseofOcularCenesthopathySatokoMatsumoto,HidekiChumanandNobuhisaNaoiDepartmentofOphthalmology,FacultyofMedicine,UniversityofMiyazaki眼症状を訴えるセネストパチーの1例を経験した．51歳，女性．2年前に義母が使用した洗面器で洗顔した．翌日より両眼脂が出現，その後両眼の中を虫がもそもそ這うようになった．多数の眼科を受診するも有意な異常所見を指摘されず，ドクターショッピングを繰り返していた．当科受診され，特に眼科所見に問題ないため精神科・心療内科受診を勧めたところ立腹し，帰宅した．眼症状を訴えるセネストパチーは珍しいが，眼科医もセネストパチーの概念を認識して対応していくことが大切である．Weexperiencedacaseofocularcenesthopathy.Thepatient,a51-year-oldfemale,wasseenwithchiefcomplaintoftinyinsectscreepinginhereyes.Shehadsufferedeyedischargeandocularinfestationfromthedayaftershehadwashedherfaceusinghermother-in-law’swashbashin.Shehadconsultednumerousophthalmologists,butnonefoundanyevidenceofinfectiousdisease.However,convincedthatshehadaninfection,shehadcontinued“doctorshopping.”Whensheconsultedus,wefoundnoevidenceofinfectiousdiseaseandadvisedhertoconsultapsychiatrist.Shereactedangrilyanddidnotreturnforfurtherfollow-up.Ophthalmologistsshouldtoknowwhatcenesthopathyisandhowtohandlesuchpatients.〔AtarashiiGanka（JournaloftheEye）29（4）：573.575,2012〕Keywords：セネストパチー，ドクターショッピング，眼科-精神科連携．cenesthopathy,doctorshopping,cooperationbetweenophthalmologistsandpsychiatrists.はじめに日常診療のなかで，強い自覚的異常を訴えるが他覚的検査で異常所見を認めない症例にしばしば遭遇する．そのなかに奇妙な異常体感を主症状とするセネストパチー（cenesthopathy）がある1）．セネストパチーは，ありえない異物感を執拗に訴え，しばしば手術を要求するという非常に扱いにくい疾患で，その存在を知らないと，患者との間で大きなトラブルになる2）．しかし，眼症状を主訴とするセネストパチーの報告例は少なく3），眼科医の間ではまだ十分に認識されていない．今回「両眼の中を虫がもそもそ這う」と訴えるセネストパチーの1例を経験したので報告する．I症例患者：51歳，女性．主訴：頻繁に両眼の中を虫がもそもそ這う，ティッシュで拭いても虫が取れない．現病歴：X-2年11月，義母が使用した洗面器で洗顔した翌日より，両眼性の眼脂が出た．その後，両眼の痒み，霧視，虫が眼の中をもそもそ動く感じが出現した．翌12月，近医眼科を受診した．以後数カ月ごとに居住県内の眼科を回り，慢性結膜炎やドライアイや異常なしの診断で点眼を次々に変更していった．X-1年5月，眼脂は改善したが，虫が動く感じは変わらなかった．X年9月，寄生虫の血液検査受けるも，異常なしであった．同月，某大学医学部附属病院眼科を受診し，異常なしと診断された．X年11月25日，症状が継続するため，当科を自己初診した．病歴を聴取中も「同居している義父母に眼脂・充血が強かった．同居している息子も眼脂があり，よく眼を擦っていて近視になった．別居している実母にも自分の眼脂が移ってしまい，申し訳なく思っている．虫が取れずにこんなに自分が〔別刷請求先〕松本識子：〒889-1602宮崎市清武町木原5200宮崎大学医学部感覚運動医学講座眼科学分野Reprintrequests：SatokoMatsumoto,M.D.,DepartmentofOphthalmology,FacultyofMedicine,UniversityofMiyazaki,5200Kihara,Kiyotake-cho,Miyazaki889-1602,JAPAN0910-1810/12/\100/頁/JCOPY（139）573苦しんでいるのに，今まで受診した眼科の医者は誰も理解してくれない．」涙を流しながら30分間以上訴えた．また，眼の中に寄生虫がいるに違いないから一部とって検査をしてくれと執拗に訴えた．既往歴：47歳時，左膝粉砕骨折手術時に心因性の喘息．家族歴：特記事項はなかった．眼科的所見：視力は右眼0.1（1.5×sph.3.25D（cyl.0.75DAx180°），左眼0.15（1.2×sph.2.50D（cyl.1.00DAx145°）．対光反射，眼球運動に異常なし．前眼部・中間部透光体に異常なし，虫は観察されなかった．眼圧は両眼14mmHg．眼底は両眼異常なし．以上より，眼科的異常所見はないことを説明し，精神科・心療内科受診を勧めたところ「ここでも精神疾患で済ませようとするのですか．精神疾患のはずがない．」と立腹して帰宅した．以後当科は受診していない．II考察本症例は，両眼の中を虫がもそもそ這うという独特な体感異常の訴えが強いにもかかわらず眼科的異常所見を認めない，診断に納得されずドクターショッピングを繰り返している，精神科・心療内科受診を頑なに拒否し精神疾患であることを認めない，といった特徴より，セネストパチーと診断した4,5）．セネストパチー（cenesthopathy）は，E.DupreとP.Camusによって1907年に初めて提唱された奇妙な異常体感を主症状とする病態である．米国精神医学会の疾患分類，DSM（TheDiagnosticandStatisticalManualofMentalDisorders）-IVではセネストパチーという病名は存在せず，あえて最も近いものをあてはめるとすると，妄想的要素に焦点を当てれば妄想性障害・身体型となり，異常感覚要素に焦点を当てれば鑑別不能型身体表現性障害となるだろう（表1，2）1,3,6）．セネストパチー患者は身体の異常な感覚を，奇妙な得体のしれないものとしてさまざまな表現によって訴える．しかしその感覚は患者にとっても異様であるため表現しにくく，正確な言葉が見つからないため種々の言い回しを用いて，何とか自己の体験を伝えようと必死になる1）．表1DSM.IV.TRの297.1妄想性障害の診断基準A.奇異でない内容の妄想（すなわち，現実生活で起こる状況に関するもの，例えば，追跡されている，毒を盛られる，病気をうつされる，遠く離れた人に愛される，配偶者や恋人に裏切られる，病気にかかっている）が少なくとも1カ月間持続する．B.統合失調症の基準Aを満たしたことがないこと注：妄想性障害において，妄想主題に関連したものならば幻触や幻嗅が出現してもよい．C.妄想またはその発展の直接的影響以外に，機能は著しく障害されておらず，行動も目立って風変りであったり奇妙ではないD.気分エピソードが妄想と同時に生じていたとしても，その持続期間の合計は，妄想の持続期間と比べて短い．E.その障害は物質（例：乱用薬物，投薬）や一般身体疾患による直接的な生理学的作用によるものではない．.病型を特定せよ（以下の各病型は優勢な妄想主題に基づいてのものである）色情型妄想が他の誰か，通常社会的地位が高い人が自分と恋愛関係にあるというもの誇大型妄想が，肥大した価値，権力，知識，身分，あるいは神や有名な人物との特別なつながりに関するもの嫉妬型妄想が，自分の性的伴侶が不実であるというもの被害型妄想が，自分（もしくは身近な誰か）がなんらかの方法で悪意をもって扱われているというもの身体型妄想が，自分に何か身体的欠陥がある，あるいは自分が一般身体疾患にかかっているというもの混合型妄想が上記の病型の中の2つ以上によって特徴づけられるが，どの主題も優勢ではないもの特定不能型表2DSM.IV.TRの300.82鑑別不能型身体表現性障害の診断基準A1つまたはそれ以上の身体的愁訴（例：倦怠感，食欲減退，胃腸系または泌尿器系の愁訴）B（1）か（2）のどちらか（1）適切な検索を行っても，その症状は，既知の一般身体疾患または物質（例：乱用薬物，投薬）の直接的な作用によって十分に説明できない（2）関連する一般身体疾患がある場合，身体的愁訴または結果として生じている職業的障害が，既往歴，身体診察所見または臨床検査所見から予測されるものをはるかに超えているC症状が，臨床的に著しい苦痛，または社会的，職業的，または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしているD障害の持続期間は少なくとも6カ月であるEその障害は，他の精神疾患（例：他の身体表現性障害，性障害，気分障害，不安障害，睡眠障害，または精神病性障害）ではうまく説明されないF症状は，（虚偽性障害または詐病のように）意図的に作り出されたり捏造されたりしたものではない574あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012（140）患者は精神障害とは決して考えず，器質的な異常として確信する．そのため可視的な検査方法を求める．ドクターショッピングをし，満足することができない．異常体感は生活の中心に居座り，それを周囲に向かって訴え続けるが，理解されず人格は保たれたまま社会から逸脱していくとされる3）．本症例でも，義母からの眼脂が自分に移り，それを息子や実母に移してしまったという誤った妄想を信じ込んでおり，修正不能であった．義母への不満という精神的問題が背景にあるのであろう．「両眼の中を虫がもそもそ這う」という異常感覚を確信しており，症状を詳細に説明した．多数の病院をドクターショッピングして，眼科検査・寄生虫検査の他覚検査の異常なしという結果を否定し続けており，当科でも眼科検査を希望した．検査所見に異常がないことを不服とし，精神疾患であることを断固として拒否した．セネストパチーに対する効果的な治療法はまだ確立されていない．定期的な身体的診察，傾聴，薬物療法にて加療を行う．薬物はおもに抗うつ薬，抗精神病薬の報告が多いため，やはりこのような症例はいかにして精神科への受診をさせるかが困難で，重要であると考える．稲田は，精神科との連携がうまくいくためのポイントとして，患者と眼科医の間で信頼関係をもつということと，眼科医と精神科医が知り合いであるということをあげている（表3）7）．まとめとして，眼症状を主訴とするセネストパチーの報告例は少ないが，眼科医もその疾患概念を認識しておくことが必要であろう．また，加療にあたっては精神科との連携が必要であるため，患者と良好な関係を構築したうえで精神科受診を勧めることが重要であると考えた．表3精神科との連携がうまくいくためのちょっとしたポイント患者と眼科医の間で信頼関係をもつ・患者に“見捨てられた”という印象を抱かせない・眼科での診療を続ける，あるいは戻ってきて良いと保証する眼科医と精神科医が知り合いである・精神科のアプローチ（原因を追求するよりも対処法を考える）を理解している・過大な期待を抱かせない．「別のアプローチを試してみましょう」くらいの説明が良い・どのように説明したか，精神科受診をどのようにとらえているかを知らせてほしい・心理的要因でわかっていることがあれば知らせてほしい文献1）松下正明：精神症候と疾患分類・疫学第1巻．p130-131，中山書店，19982）若倉雅登：心療眼科とは．実践！心療眼科，p3-9，銀海舎，20113）気賀沢一輝：長期経過を観察し得た眼科領域セネストパチーの1例．神経眼科25：358-364,20084）ShermanMD,HollandGN,HolsclawDSetal：Delusionsofocularparasitosis.AmJOpthalmol125：852-856,19985）大野京子：眼の周りに虫がいる．実践！心療眼科，p155156，銀海舎，20116）高橋三郎，大野裕，染矢俊幸（訳）：DSM-Ⅳ-TR精神疾患の診断・統計マニュアル．医学書院，20027）稲田健：連携がうまくいった例．実践！心療眼科，p157160，銀海舎，2011＊＊＊（141）あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012575</p>
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		<title>白内障水晶体前囊片の過酸化物質総量の測定</title>
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		<pubDate>Sun, 29 Apr 2012 15:28:24 +0000</pubDate>
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		<description><![CDATA[《原著》あたらしい眼科29（4）：563.571，2012c白内障水晶体前.片の過酸化物質総量の測定岡本洋幸新井清美筑田眞獨協医科大学越谷病院眼科ConcentrationofHydroperoxideinCatarac [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>《原著》あたらしい眼科29（4）：563.571，2012c白内障水晶体前.片の過酸化物質総量の測定岡本洋幸新井清美筑田眞獨協医科大学越谷病院眼科ConcentrationofHydroperoxideinCataractousLensHiroyukiOkamoto,KiyomiAraiandMakotoChikudaDepartmentofOphthalmology,DokkyoMedicalUniversityKoshigayaHospital目的：水晶体の過酸化度の判定に，過酸化水素，過酸化脂質の他，核酸や蛋白質の過酸化物も含めた過酸化物質総量を測定し，全身状態との関係を検討した．方法：白内障水晶体前.片の過酸化物質総量は，Freed-ROMs変法で測定し，糖尿病の有無，術前の総コレステロール，中性脂肪，尿酸，尿素窒素，蛋白質総量，年齢との関係を検討した．結果：水晶体前.中の過酸化物質総量は，diabetesmellitus（DM）＞非DM，中性脂肪高値群＞正常値群，尿酸高値群＞正常値群で，各々有意差（各p＜0.01）があった．水晶体の過酸化物質総量は，中性脂肪（r＝0.41,p＜0.05），尿酸値（r＝0.50,p＜0.01）と正の相関があった．その他は有意な相関および正常値群との差はなかった．結論：DM，中性脂肪高値群，尿酸高値群では水晶体への過酸化反応の密接な影響が今回新たに明らかになった．Weinvestigatedhydroperoxideconcentrationinanteriorcapsulesamples,includinglensepithelialcells（LECs）ofhumancataractouslenses.Theconcentrationofhydroperoxide,whosetotaloxidizedproductsincludehydrogenperoxide,lipidperoxide,oxidizedproteinandpolypeptide,oxidizednucleicacidandnucleotide,wasmeasuredusingaminormodificationoftheFreed-ROMstest（DiacronSrl）.Westudieditinrelationtodiabetesmellitus（DM）,cholesterol,triglyceride,uricacid,ureanitrogen,totalprotein,agebeforecataractsurgeryandhydroperoxideinthecataractouslens.ThehydroperoxideconcentrationwassignificantlyhigherintheDMgroupthaninthenon-DMgroup.Thehydroperoxideconcentrationinthehightriglycerideandinternaluseofhyperlipidemiatherapeuticagentgroup,andthehighuricacidandinternaluseofantipodagricgroupwerebothsignificantlyhigherthanineachnormalgroup（p＜0.01）.Thehydroperoxideconcentrationweresignificantlycorrelatedwithtriglyceride（r＝0.41,p＜0.05）anduricacid（r＝0.50,p＜0.01）.Inothers,therewasnosignificantdifferenceorcorrelation.Itissuggestedthathydroperoxideinthehumancataractouslensisrelatedtopathologicallysystemicoxidation,suchasinDM；hightriglycerideandhighuricacidincreasesystemichydroperoxide.〔AtarashiiGanka（JournaloftheEye）29（4）：563.571,2012〕Keywords：過酸化物質，白内障水晶体，糖尿病，中性脂肪，尿酸，過酸化反応．hydroperoxide,cataractouslens,diabetesmellitus,triglyceride,uricacid,oxidation.はじめに白内障の発症と進行には過酸化反応が関与し1.4），水晶体における過酸化反応についての種々の報告がなされている．しかし，これまでの報告では，過酸化水素・superoxideなど活性酵素や，過酸化脂質，あるいはそれらに対する消去酵素などについて各々ターゲットを絞っての検討であり，全体的な過酸化の程度はいまだ判定されていない．近年，多価不飽和脂肪酸の過酸化物質の分解産物であるアルデヒドのmalondialdehyde（MDA）や4-hydroxyalkenal（HAE），4-hydroxynonenal（HNE）などを，組織中の酸化ストレスの誘導因子や過酸化脂質のマーカーとして使用した報告5,6）もあるが，水晶体中に存在するHNE，HAEの報告は筆者の知る限りヒトではなく，動物モデルのラットのみでの報告である．しかも，MDAやHAE，HNEは，あくまでも脂質過酸化由来のアルデヒド類（-COH）であり，脂質ではないため，過酸化脂質そのものの測定ではなく，また過酸化物質（-OOH）でもないため，脂質の過酸化を間接的に反映する物質にすぎず，過酸化反応全体を反映している物質で〔別刷請求先〕岡本洋幸：〒343-8555越谷市南越谷2-1-50獨協医科大学越谷病院眼科Reprintrequests：HiroyukiOkamoto,M.D.,DepartmentofOphthalmology,DokkyoMedicalUniversityKoshigayaHospital,2-1-50Minami-Koshigaya,KoshigayaCity,Saitama343-8555,JAPAN0910-1810/12/\100/頁/JCOPY（129）563はない．また，水晶体のMDAやHAE，HNEと，血液中の脂質，尿酸などの値との関係を検討した報告はない．過酸化反応は脂質だけでなく，蛋白質・核酸など多様な物質に生じることが知られており7），水晶体の過酸化の程度を判定するためには，過酸化水素・過酸化脂質の他，核酸や蛋白質・ポリペプチドの過酸化物質も含めた過酸化物質総量の測定もまた重要と考えられる．そこで，過酸化水素，過酸化脂質の他，核酸・蛋白質・ポリペプチド・ペプチド・アミノ酸などの過酸化物質の総量の測定が可能な方法を用い，一部の過酸化物質に注目するのではなく過酸化物質総量を測定することで，白内障と過酸化反応の関連性の精査を目的とし，白内障眼の水晶体前.片における過酸化物質総量と，術前の糖尿病の有無，総コレステロール，中性脂肪，尿酸，尿素窒素，蛋白質総量，年齢との関係について，それぞれ検討を行った．I対象および方法1.対象対象は，超音波乳化吸引術および眼内レンズ挿入術を施行した白内障眼の水晶体33例（71.3±8.1歳）で，研究の趣旨を説明し本人の同意を得たうえで研究を行った（獨協医科大学越谷病院生命倫理委員会承諾番号越谷22025）．2型糖尿病（diabetesmellitus：以下DM）の有無の2群について，また総コレステロール，中性脂肪，尿酸，尿素窒素については，正常値群と，高値および治療薬内服群の2群に分けて比較検討した．術前に採血し，DM群は空腹時血糖126mg/dl以上，コレステロールの高値群は220mg/dl以上，中性脂肪の高値群はトリグリセライド150mg/dl以上，尿酸の高値群は8.5mg/dl以上，尿素窒素の高値群は22mg/dl以上とした．内訳はDM16例（69.6±8.1歳）・非DM17例（72.9±8.0歳），コレステロール高値および高脂血症薬内服16例（66.7±8.3歳）（そのうち高脂血症薬内服5例71.4±7.3歳，高脂血症薬非内服のコレステロール高値11例64.5±8.2歳）・正常値17例（75.7±4.8歳），中性脂肪高値および高脂血症薬内服20例（71.2±8.2歳）（そのうち高脂血症薬内服5例71.4±7.3歳，高脂血症薬の非内服の中性脂肪高値15例71.1±8.7歳）・正常値13例（71.5±8.2歳），尿酸高値および痛風治療薬内服5例（73.6±5.9歳）（そのうち痛風治療薬内服2例71.0±7.1歳，痛風治療薬非内服の尿酸高値3例75.3±5.8歳）・正常値28例（70.9±8.4歳），尿素窒素高値7例（71.1±7.7歳）・正常値26例（71.4±8.3歳）である．2.方法白内障手術時に摘出した水晶体の前.片は，速やかに窒素ガス充.し，.40℃で測定まで保管した．水晶体の前.片はビーズホモジナイザーのMagNALyser（ロシュ・ダイアグノスティックス社）でホモジナイズ後，遠心分離し，上清564あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012前.片に生理食塩水を500μl分注↓MagNALyserで破砕（6,500rpm50秒，1分冷却，6,500rpm50秒，2分冷却）↓17,000×g，4℃にて5分遠心分離↓上清を分取↓Freed-ROMs試薬（DiacronSrl社）で過酸化物質総量を測定上清（20μl）＋Buffer（125μl）を注入し混和↓Roomtemp.,5分↓クロモゲン呈色液（2μl）注入し1.2秒混和↓37℃，経時的（0,3,5,10,20,30,45,60分）にOD545で測定図1水晶体前.片の過酸化物質総量の測定方法を過酸化物質総量の測定に供した．過酸化物質総量はFreed-ROMstest試薬（DiacronSrl社，Grosseto,Italy）8.10）を用いて測定した．この試薬は過酸化物質に反応して発色するクロモゲン（N,N-ジエチルパラフェニレンジアミン）10）呈色液を用い，血清中の過酸化物質の測定用に開発されているが，20μlの微量容量および5UCARR以下の微量の過酸化物質用に測定方法を一部改変し測定を行った．詳しい測定プロトコルは図1に記載した．この発色色素のクロモゲンは，過酸化水素・過酸化脂質の他，核酸や蛋白質およびポリペプチドの過酸化物も含めた過酸化物質全般に反応し，この原理を応用して過酸化物質総量の測定をしている．水晶体前.片の過酸化物質総量は，術前の糖尿病の有無，総コレステロール，中性脂肪，尿酸，尿素窒素，蛋白質総量，年齢との関係について検討を行った．術前血糖値はヘキソキナーゼ・グルコース-6-リン酸脱水素酵素法（リキテックRグルコース・HK・テスト，ロシュ・ダイアグノスティックス社）11），総コレステロールはコレステロールエステラーゼ・コレステロールオキシダーゼ・ペルオキシダーゼ法（コレステストRCHO，積水メディカル社）12,13），中性脂肪のトリグリセライドはリポプロテインリパーゼ・グリセロールキナーゼ・グリセロール-3-リン酸オキシダーゼ・ペルオキシダーゼ法（コレステストRTG，積水メディカル社）14），尿酸はウリカーゼ・ペルオキシダーゼ法（デタミナーLUAR，協和メデックス社）15），尿素窒素はウレアーゼUV・アンモニア消去法（デタミナーLUNR，協和メデックス社）16），蛋白質総量はビウレット法（アクアオートRTP-II試薬，カイノス社）17）で各々測定した．結果の解析については，2群の比較は対応のないt検定とPearsonの相関係数を用い，3群比較はKruskal-Wallisの検定を用い，その後の多重比較は（130）Scheffeによる分析を行い，危険率5％以下を有意とした．過酸化物質総量との相関関係ついては，治療薬の内服によりコレステロール，中性脂肪，尿酸の値は内服していない場合より低く抑えられている可能性があるため，コレステロールと中性脂肪は高脂血症薬内服の5例，尿酸は痛風治療薬内服の2例を各々除外して検討した．そのため，過酸化物質総量とコレステロールあるいは中性脂肪との相関関係についての対象は，高脂血症薬内服例を除いた28例（71.3±8.3歳），過酸化物質総量と尿酸との相関関係についての対象は，痛風治療薬内服例を除いた31例（71.4±8.2歳）である．II結果1.水晶体前.における過酸化物質総量の量的比較a.DMの有無での比較水晶体前.中の過酸化物質総量および術前血糖値は，非DM群に比べDM群で有意に高値を示した（p＜0.01）（図2-a，b）．b.血中脂質の異常の有無での比較①コレステロールコレステロール高値および高脂血症薬内服群の水晶体前.中の過酸化物質総量は，正常値群との有意差はなかった〔図a：過酸化物質総量b：術前血糖値＊＊＊＊3.03000.5500DM＋DM－＊＊：p＜0.010DM＋DM＊＊：p＜0.01Mean±SD2.5250血糖値（mg/dl）d-ROMs（UCARR）2.0200図2DMの有無による水晶体前.中の過酸化物質総量（a）および術前血糖値（b）の変化1.51501.0100（1）a：過酸化物質総量b：コレステロール濃度＊＊3.02.52.01.51.00.5300250200150100500コレステロール（mg/dl）d-ROMs（UCARR）図3コレステロールの違いによる水晶体前.中の過酸化物質総量0高値および高脂正常値群高値および高脂正常値群（a）および各群の血液中のコレ血症薬内服群血症薬内服群＊＊：p＜0.01ステロール濃度（b）の変化コレステロールMean±SD（1）コレステロール高値および高脂血症薬内服群と，コレステロール正（2）a：過酸化物質総量b：コレステロール濃度常値群との2群比較．＊＊＊＊（2）コレステロール高値群（高脂血症3.0コレステロール（mg/dl）300＊薬内服例），高脂血症薬内服群，コレステロール正常値群との3群比較．d-ROMs（UCARR）2.52.01.51.00.52502001501005000高値群高脂血症薬正常値群高値群高脂血症薬正常値群（内服例削除）内服群（内服例削除）内服群＊：p＜0.05＊：p＜0.05.＊＊：p＜0.01Mean±SDコレステロール（131）あたらしい眼科Vol.29，No.4，20125653（1）-a〕．しかし，高脂血症薬内服の有無について分け，コレステロール高値群，高脂血症薬内服群，コレステロール正常値群の3群比較を行ったところ有意差があり（p＜0.05）〔図3（2）-a〕，その後の多重比較で，コレステロール高値群と高脂血症薬内服群，コレステロール正常値群と高脂血症薬内服群で有意差があり（各p＜0.05），高脂血症薬内服群で水晶体前.中の過酸化物質総量が有意に高値であった〔図3（2）-a〕．各群のコレステロール濃度は，コレステロール高値および高脂血症薬内服群と正常値群の2群比較で有意差があり（p＜0.01）〔図3（1）-b〕，コレステロール高値群，高脂血症薬内服群，正常値群の3群比較でもp＜0.01で有意差があり，その後の多重比較で，コレステロール高値群と正常値群（p＜0.01），高脂血症薬内服群と正常値群（p＜0.05）で有意差があった〔図3（2）-b）．②中性脂肪中性脂肪高値および高脂血症薬内服群の水晶体前.中の過酸化物質総量は，正常値群に比べ有意に高値を示した（p＜0.01）〔図4（1）-a〕．また，高脂血症薬内服の有無についても分けて，中性脂肪高値群，高脂血症薬内服群，中性脂肪正常値群の3群比較では有意差があり（p＜0.01）（図4（2）-a〕，（1）a：過酸化物質総量＊＊3.0350その後の多重比較で，中性脂肪正常値群と中性脂肪高値群（p＜0.01），中性脂肪正常値群と高脂血症薬内服群（p＜0.05）の水晶体前.中の過酸化物質総量に有意差があった〔図4（2）-a〕．各群の中性脂肪の濃度は，中性脂肪高値および高脂血症薬内服群と中性脂肪正常値群の2群比較では，中性脂肪高値および高脂血症薬内服群が，中性脂肪正常値群に比べ有意に高値であった（p＜0.01）〔図4（1）-b〕．中性脂肪高値群，高脂血症薬内服群，中性脂肪正常値群の3群比較で有意差があり（p＜0.01）〔図4（2）-b〕，その後の多重比較で，中性脂肪正常値群と高脂血症薬内服群は有意差はないが，高脂血症薬内服群と中性脂肪高値群（p＜0.05），中性脂肪正常値群と中性脂肪高値群（p＜0.01）で有意差があった〔図4（2）-b〕．c.血中尿酸および尿素窒素の異常の有無での比較①尿酸尿酸高値および痛風薬内服群の水晶体前.中の過酸化物質総量は，正常値群に比べ有意に高値を示した（p＜0.01）（図5（1）-a〕．尿酸高値および通風薬内服群のうち，尿酸高値群（痛風薬内服例削除）と，通風薬内服群では，過酸化物質総量の有意差はなく，尿酸高値群，通風薬内服群，尿酸正常値群の3群比較では，有意差があった（p＜0.05）（図5（2）-a〕．b：中性脂肪濃度＊＊中性脂肪（mg/dl）d-ROMs（UCARR）2.52.01.51.00.530025020015010050高値および高脂正常値群0高値および高脂正常値群図4中性脂肪の違いによる水晶体前血症薬内服群＊＊：p＜0.01血症薬内服群＊＊：p＜0.01.中の過酸化物質総量（a）およMean±SDび各群の血液中の中性脂肪濃度中性脂肪（b）の変化（2）a：過酸化物質総量b：中性脂肪濃度（1）中性脂肪高値および高脂血症薬内服群と，中性脂肪正常値群との2＊＊＊＊群比較．＊＊（2）中性脂肪高値群（高脂血症薬内服3.0350中性脂肪（mg/dl）d-ROMs（UCARR）例削除），高脂血症薬内服群，中300性脂肪正常値群との3群比較．25020015010050高値群高脂血症薬正常値群0高値群高脂血症薬正常値群（内服例削除）内服群（内服例削除）内服群＊：p＜0.05.＊＊：p＜0.01＊：p＜0.05.＊＊：p＜0.01Mean±SD中性脂肪566あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012（132）（1）a：過酸化物質総量b：尿酸濃度3.5＊＊3.02.52.01.51.00.5高値および121086420尿酸（mg/dl）d-ROMs（UCARR）0高値および正常値群正常値群図5尿酸の違いによる水晶体前.中の痛風薬内服群＊＊：p＜0.01痛風薬内服群過酸化物質総量（a）および各群のMean±SD血液中の尿酸濃度（b）の変化尿酸（1）尿酸高値および痛風薬内服群と，尿酸正常値群との2群比較．（2）a：過酸化物質総量b：尿酸濃度（2）尿酸高値群（痛風薬内服例削除），痛3.5＊＊0高値群痛風薬内服群正常値群121086420尿酸（mg/dl）高値群d-ROMs（UCARR）d-ROMs（UCARR）風薬内服群，正常値群との3群比較．図6尿素窒素の違いによる水晶体前.中の過酸化物質総量（a）および各群の血液中の尿素窒素濃度（b）の変化3.02.52.01.51.00.5痛風薬内服群正常値群（内服例削除）＊：p＜0.05（内服例削除）＊：p＜0.05Mean±SD尿酸a：過酸化物質総量b：尿酸窒素濃度3.035＊＊尿素窒素（mg/dl）302.52.01.51.00.52520151050高値群各群の尿酸濃度は，高値および痛風薬内服群と正常値群の2群比較では有意差はなかった〔図5（1）-b〕が，尿酸高値群，痛風薬内服群，正常値群の3群比較では有意差があり（p＜0.05）〔図5（2）-b〕，その後の多重比較で，尿酸高値群（痛風薬内服例削除）が正常値群に比べ有意に高値であった〔図5（2）-b〕．②尿素窒素尿素窒素については，血液中の尿素窒素の濃度は，尿素窒素高値群と正常値群で有意差があった（p＜0.01）が，水晶体前.中の過酸化物質総量は，尿素窒素高値群と正常値群で有意差はなかった（図6-a，b）．（133）正常値群0高値群正常値群＊＊：p＜0.01Mean±SD尿素窒素2.水晶体前.中の過酸化物質総量と，血液中の脂質・尿酸など各測定項目および年齢との相関関係水晶体前.中の過酸化物質総量と血液中の各測定項目および年齢との相関関係については，水晶体前.中の過酸化物質総量と血液中の中性脂肪（r＝0.41,p＜0.05），過酸化物質総量と尿酸値（r＝0.50,p＜0.01）は，各々正の相関がみられた（図7-b,c）．水晶体前.中の過酸化物質総量は，血液中の総コレステロール，尿素窒素，蛋白質総量，年齢との相関はなかった（図7-a，d.f）．あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012567abcd-ROMs（UCARR）3.02.52.01.51.00.500100200300400コレステロール（mg/dl）3.02.52.01.51.00.50d-ROMs（UCARR）0100200300400中性脂肪（mg/dl）3.53.02.52.01.51.00.50d-ROMs（UCARR）0246810246810尿酸（mg/dl）00102030403.02.52.01.51.00.50d-ROMs（UCARR）0e3.02.52.01.51.00.50d-ROMs（UCARR）405060708090100fr＝0.41p＜0.05r＝0.50p＜0.01d3.0d-ROMs（UCARR）2.52.01.51.00.5尿素窒素（mg/dl）蛋白質総量（g/dl）年齢（歳）図7血液中のコレステロール（a），中性脂肪（b），尿酸（c），尿素窒素（d），蛋白質総量（e）および年齢（f）と，水晶体前.中の過酸化物質総量との相関関係III考按糖尿病白内障の水晶体では高血糖の持続によりglycationが進行し，スーパーオキシドディスムターゼ（SOD）など抗酸化酵素もglycationされて不活性化するため過酸化反応が進行しやすく，glycationの後期反応産物であるadvancedglycationendproducts（AGEs）のうち，glycationにoxidationが関与して産生されるglycoxidationの産物であるペントシジンの増加が報告されている18）．また，糖尿病白内障では加齢白内障に比べ過酸化脂質や過酸化水素が高値であること1,19）や，水晶体の過酸化脂質は，糖尿病白内障では同年齢層の加齢白内障に比較して約2倍に増量している報告もある20）．核酸も過酸化反応により非特異的な切断・変異などが生じることが知られており，核酸の過酸化物質としては，DNAの構成塩基の一種であるデオキシグアノシンの過酸化物の一種である8-OHdG（8-hydroxydeoxyguanosine）がよく知られている．8-OHdGは過酸化反応によるDNA損傷の指標としてさまざまな報告があり，ヒト水晶体上皮細胞でもDNA損傷のマーカーとして用いられている21）．蛋白質・ポリペプチド・ペプチド・アミノ酸の過酸化物質については，システイン・メチオニン・チロシン・トリプトファン残基が，活性酸素による非酵素的・非特異的な変成，切断，凝集などによりさまざまな過酸化物が生じる．血液中には血漿蛋白質由来のadvancedoxidationproteinproducts（AOPP）11）などの他，さまざまな蛋白質の過酸化物が存在し，過酸化反応によるリジン・アルギニン残基のカルボニル化修飾も知られ，蛋白質だけでなく，酸化型のポリペプチドやアミノ酸も存在する．水晶体では，SH基を含む含硫アミノ酸のシステイン・メチオニン残基については，コントロール群に比べ白内障群のSH基の有意な低下22）や，過酸化反応による蛋白質・ペプチドの含硫アミノ酸の低下とS-S結合性架橋の増加と蛋白質の不水溶化，トリペプチドの還元型グルタチオン（GSH）から酸化型グルタチオン（GS-SG）への移行など，SH基の過酸化によるさまざまな報告23）がある．その他，トリプトファン残基の過酸化などによる水晶体の自発蛍光の増加と不水溶性蛋白質の増加23,24）や，リジン・アルギニン残基の過酸化によるカルボニル化修飾としてAGEs性架橋物質の一種のペントシジンも白内障眼の水晶体に存在18）し，過酸化反応によりS-S結合性架橋に加えAGEs性架橋も増加することが蛋白質の凝集による不水溶化など酸化変性を生じる一因と考えられている．このようにさまざまな過酸化反応の指標や現象が，各々個別あるいは数種を組み合わせての報告はなされているが，脂質・蛋白質・ペプチド・核酸などに生じたさまざまな過酸化物質の各々の値ではなく，totalとして全体的な過酸化の程度を捉えることも非常に重要であると考え，今回筆者らは白内障水晶体の過酸化物質の総量を初568あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012（134）めて明らかにした．本研究結果から，DM群では，水晶体前.片における過酸化物質総量が非DM群に比較し有意に高値であることが確認された．そのため，水晶体の前.においても過酸化反応が進行し，過酸化脂質・過酸化水素だけでなく，核酸や蛋白質・ポリペプチドの過酸化物質も増加している可能性が高いと考えられる．「はじめに」に記載した水晶体中に存在するHNE，HAEについての動物モデルのラットの報告では，ストレプトゾトシン誘発の糖尿病ラットの水晶体中のMDA，あるいはMDAとHAEは，双方ともコントロールに比べ有意に高値であること5）や，抗酸化酵素の低下により活性酸素が発生しやすいラットで，水晶体中のHNEがコントロールに比べて有意に多く存在すること6）などが報告されている．そのラットは，ガラクトース白内障モデルのラットからグルコースの調節を上昇させて血糖値は正常であるが，ヘキソース輸送ポートの変異機能があり，活性酸素の亢進により細胞内にグルコースその他の六単糖が蓄積するといわれている．これらの報告と本検討では種が異なり，また前述のようにMDA，HNE，HAEは過酸化脂質の代謝産物のアルデヒドで，過酸化物質そのものではないため，過酸化物質の全体の量について検討した本研究結果と直接の比較はできないが，同様の傾向を示し，特に，その抗酸化酵素の低下しているラットでは，過酸化反応により断片化し変性したDNAの増加も確認されていて，細胞内の高レベルの活性酸素により，酸化された蛋白質，過酸化脂質，DNAの酸化変性によって細胞の構造や機能が障害され白内障になると考えられており6），本研究結果を裏付ける報告と考えられる．つぎに全身状態の水晶体に与える影響についてであるが，中性脂肪が高値である高脂血症や動脈硬化などでは過酸化反応が進行することが知られており25），今回の水晶体前.片の過酸化物質総量が血中の中性脂肪と正の相関を示し，中性脂肪高値・高脂血症薬内服群で正常値群に比べ有意に高値であるという結果は，血中の中性脂肪が高値であるほど水晶体前.片の過酸化物質総量が高値であり，水晶体の過酸化の程度は全身の過酸化反応の影響を密接に受けているものと考えられた．コレステロールについては，対象全体の検討では水晶体前.中の過酸化物質総量との相関はなかったが，高脂血症薬内服群で水晶体前.中の過酸化物質総量が有意に高値であるという興味深い結果が得られた〔図3（2）-a〕．高脂血症薬内服群では，中性脂肪に着目して分けた場合も，水晶体前.中の過酸化物質総量が正常値群に比較して有意に高値であるという同様の結果が得られており，高脂血症薬の内服が必要となるほど血中脂質が高値であった場合は，水晶体前.でも過酸化がかなり進行していることが示唆された．脂質の組織への輸送は正常な視機能の維持のために必須であるといわれ（135）ており，血液中の脂質は水溶性のアポ蛋白質と結合したリポ蛋白質として輸送され，リポ蛋白質のうちのHDL（高比重リポ蛋白質）はヒト房水中で存在が確認されている26）．本学でも白内障眼の房水と水晶体でリポ蛋白質の一種のLp（a）の存在27）や，水晶体では加齢白内障に比べ糖尿病白内障でLDL（低比重リポ蛋白質）とVLDL（超低比重リポ蛋白質）が増加していることを報告している28）．ヒトの血漿リポ蛋白質のおもな脂質はすべて房水中にも存在し，ヒト白内障眼の房水中では，中性脂肪のトリグリセライド2.0mg/dl，遊離型とエステル型を含めた総コレステロール10.7mg/dlの他，リン脂質2.5mg/dlや脂肪酸1.1mg/dlの存在が報告されている29）．糖尿病では血液中の中性脂肪のコントロールが悪い例が多く30），高頻度に高脂血症を伴い，動脈硬化性疾患を合併しやすいこと31），健常者に比べトリグリセライドが有意に高いことも報告されており32），高カロリー・高脂質の状態では，肥大した脂肪細胞から遊離脂肪酸，TNF-a（腫瘍壊死因子a），resistenなどのインスリン抵抗性を惹起する分子の大量生産と分泌が生じ，肝細胞への脂肪蓄積によりインスリン抵抗性が増して肝機能および脂質代謝の異常を惹起することが知られ，糖尿病における高脂血症および肝機能障害33）も報告されており，これらの生活習慣病が水晶体においても，単独あるいは相互に水晶体の過酸化状態に影響を与えていることが本研究結果から明らかとなった．痛風など尿酸が高値であるものでは，過酸化反応の進行が報告されており34），本研究結果においても，水晶体の前.片の過酸化物質総量と血中の尿酸値が有意な正の相関を示し，尿酸高値・痛風薬内服群が正常値群に比べ過酸化物質総量が有意に高値であったことは，糖尿病，中性脂肪と同様に，尿酸についても全身の過酸化反応の影響が水晶体にも及んでいることが考えられる．例数が少ないため，参考資料としてであるが，尿酸高値群，痛風薬内服群，尿酸正常値群で有意差があったことも，尿酸と水晶体の過酸化反応との関連を支持する結果であると考えられる．一方，尿酸は抗酸化物質の一種ともいわれていて，尿酸の抗酸化の機序としては，尿酸はFe3＋の鉄イオンと安定な複合体を形成して遊離のFe3＋が触媒するl-アスコルビン酸の酸化や脂質の過酸化を阻止し35），遊離の鉄イオンが触媒するフェントン反応により発生するHO･や，一重項酸素などの生成の抑制も示唆されている．しかし，尿酸の抗酸化作用の報告はほとんどがinvitroの系であり，生体内でのinvivoの系としてはまだ見解が定まっていない．その大きな要因としては，尿酸はその生成段階で，フリーラジカルの一種のsuperoxideを産生してしまうため，単純に抗酸化物質として捉えることはできない．尿酸は，血液・尿・肝臓などに含まれる酸化プリンを尿酸に変化させる酸化酵素のキサンチンあたらしい眼科Vol.29，No.4，2012569オキシダーゼによってヒポキサンチンやキサンチンから生成され，この過程で同時に産生されるsuperoxideや，さらにsuperoxideから派生した一重項酸素の過酸化反応により過酸化脂質の生成が認められており36），血清過酸化脂質量が多いほど血清尿酸値も高値を示すと報告されている34）．水晶体では，鉄イオンだけでなく，同様に過酸化反応を進行させる銅イオンと白内障の混濁部位との関係が報告されており37），糖尿病者の白内障水晶体では，銅イオンの増加も報告されている38）．銅イオンはグルタチオンと錯体を形成し，そのグルタチオンの銅錯体は糖尿病者の白内障水晶体からも検出されている39）．遊離の銅イオンは，鉄イオンと同様に，HO･を生成するフェントン様反応やl-アスコルビン酸の酸化や脂質の過酸化反応を触媒するが，グルタチオンによる銅との錯体の形成でこれらの過酸化反応の進行が阻止され，尿酸による鉄イオンとの複合体形成による抗酸化作用と似ている．しかし，決定的に異なる点は，尿酸はその形成過程でsuperoxideが産生されてしまうが，還元型グルタチオンはそれ自体がsuperoxide消去物質の一種で，グルタチオン-銅錯体になるとさらに高いsuperoxide消去能をもつ強力な抗酸化剤である40）というところで，糖尿病白内障では還元型グルタチオンの低下も報告されている1,19）．これらの報告から，尿酸は房水を介して，水晶体内で増加した鉄イオンに対処するため能動輸送，あるいは非能動的な流入が考えられるが，尿酸の形成過程でsuperoxideが産生され，そこから派生した一重項酸素などによりさらに過酸化反応が進行し，水晶体前.の過酸化物質総量と正の相関を示した可能性が考えられる．また，水晶体では尿酸だけでは増加した鉄イオンと複合体を形成しきれなくて遊離のFe3＋が発生し，そのFe3＋を介してl-アスコルビン酸の酸化や脂質の過酸化，フェントン反応によるHO･の発生や，一重項酸素の増加により，過酸化反応が脂質・核酸・蛋白質・ポリペプチドなど広範囲に進行した可能性も推察された．このことから，血液中の尿酸値と水晶体の過酸化物質総量が有意な相関を示したと考えられる．一方，血液中の尿酸がどのようにして血液を介さない水晶体に影響するかであるが，水晶体は，代謝維持のために物質を水晶体内で生合成するほかに，硝子体や房水の影響を強く受けている1）．白内障ではなく，正常値群での検討であるが，尿酸の血漿中濃度は3.3.6.5mMで，房水中の濃度は4.1mMと報告されており41），正常時には，房水中の尿酸濃度は血漿濃度の範囲内にあるようである．また，正常者では房水中のグルコース濃度は血漿中の60.70％と報告されている41）．しかし，房水は血液の影響を強く受けるため，種々の病的因子により血液成分が変動すると房水の組成も変化する42）．血液網膜柵や血液房水柵が老化や炎症などにより破綻すると，硝子体，570あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012房水への物質移動調整機構は崩壊し，糖尿病では血液房水柵が破綻していることが多く，房水中に移行しやすいとも報告されている38），非糖尿病でも過酸化反応が進行すると，oxidationにより血液房水柵が破綻する可能性が高いと考えられるため，今回，血液中の尿酸値が高値であった例では，同様に房水中の尿酸値も高くなっている可能性が高いと考えられる．一方，血液房水柵が破綻していない場合としては，房水内あるいは水晶体内での過酸化反応消去過程の一環として尿酸が関与し，眼外への排出過程として血液中に尿酸が排出されている可能性も考えられる．水晶体内で進行した過酸化反応の程度を反映して水晶体における過酸化物質の総量が増加し，その過酸化反応に対するフィードバック作用として，l-アスコルビン酸の酸化や脂質過酸化を抑制するためにFe3＋の鉄イオンと複合体を形成する尿酸の水晶体中の濃度が増加し，鉄イオンと複合体を形成した尿酸を，房水-血液を介して体外へ排出するための過程として，血液中の尿酸の濃度が増加していることも考えられ，水晶体中の過酸化反応の程度と血液中の尿酸の関連性がみられた可能性も推察される．以上，水晶体での過酸化物質総量は，DM群，中性脂肪・尿酸の高値群で有意に高値で，中性脂肪・尿酸値と正の相関があり，DM32）や中性脂肪25）・尿酸36）の高い例では，全身的に過酸化反応が進行しているといわれているため，全身的な過酸化の状態と，水晶体前.における過酸化物質の変動は密接に関与していることを本研究にて新たに明らかにした．稿を終えるにあたり，本研究において御教示賜りました獨協医科大学越谷病院眼科門屋講司准教授，原眼科病院原岳先生，ローマ大学のEugenioLuigiIorio名誉教授に深謝致します．本論文の要旨は第49回日本白内障学会総会において報告した．文献1）小原喜隆：活性酵素・フリーラジカルと白内障．日眼会誌99：1303-1341,19952）TruscottRJ：Age-relatednuclearcataract-oxidationisthekey.ExpEyeRes80：709-725,20053）BosciaF,GrattaglianoI,VendemialeGetal：Proteinoxidationandlensopacityinhumans.InvestOphthalmolVisSci41：2461-2465,20004）門屋講司：酸化ストレスと水晶体混濁．あたらしい眼科15：631-634,19985）ObrosovaIG,FathallahL：Evaluationofanaldosereductaseinhibitoronlensmetabolism,ATPasesandantioxidativedefenseinstreptozotocin-diabeticrats：aninterventionstudy.Diabetologia43：1048-1055,20006）StefaniaM,RudolfIS,CraigAetal：Cataractformationinastrainofratsselectedforhighoxidativestress.ExpEyeRes79：595-612,2004（136）7）HalliwellB,GutteridgeJMC：FreeRadicalsinBiologyandMedicine.OxfordUniversityPress,England,19898）CesaroneMR,BelcaroG,CarratelliMetal：Asimpletesttomonitoroxidativestress.IntAngiol18：127-130,19999）BuonocoreG,PerroneS,LonginiMetal：Totalhydroperoxideandadvancedoxidationproteinsproductsinpretermhypoxicbabies.PediatricRes47：221-224,200010）AlbertiA,BologniniL,MacciantelliDetal：TheradicalcationofN,N-diethyl-para-phenylendiamine：Apossibleindicatorofoxidativestressinbiologicalsamples.ResChemIntermed26：253-267,200011）SchmidtFH：Enzymaticdeterminationofglucoseandfructosesimultaneously.KlinWschr39：1244-1247,196112）田村慶一，岡田光世，中田恵理香ほか：トリグリセライド測定用「オートセラSTG-N」の改良試薬「コレステストTG」に関する基礎的検討．医学と薬学49：791-795,200313）正路喜代実：酵素法による血清コレステロールの測定．衛生検査24：461-466,197514）正路喜代実：血清コレステロール．MedicalTechnology11：918-926,198315）守田政宣，武田展幸，佐伯裕二ほか：液状尿酸測定試薬の基礎的検討．臨床検査機械・試薬16：1153-1161,199316）浦田香代美，清水みち子：アンモニア消去法・回避法を用いた尿素窒素測定試薬の比較検討．日本臨床検査自動化学会誌23：472,199817）菅原潔：ビウレット法による定量．臨床検査30：514520,198618）橋本浩隆，新井清美，筑田眞ほか：グリケーションと白内障．眼臨紀3：567-579,201019）小原喜隆：白内障と活性酵素・フリーラジカルb.糖尿病性白内障．JActOxygFreeRad3：450-456,199220）小原喜隆：水晶体の過酸化反応と混濁機構．眼紀34：1842-1844,198321）KimJ,KimNH,SohnEetal：MethylglyoxalinducescellulardamagebyincreasingargpyrimidineaccumulationandoxidativeDNAdamageinhumanlensepithelialcells.BiochemBiophysResCommun391：346-351,201022）CekicS,ZlatanovicG,CvetkovicTetal：Oxidativestressincataractogenesis.BosnJBasicMedSci10：265-269,201023）岩田修造（編著）：水晶体─その生化学的機構．メディカル葵出版，200324）SatohK,BandoM,NakajimaA：Fluoresceneinhumanlens.ExpEyeRes16：167-172,197325）荒井秀典，北徹：高脂血症最近のトピックス過酸化脂質と変性リポ蛋白．臨床消化器ChronicDisease4：575577,199026）CenedellaRJ：Lipoproteinsandlipidsincowandhumanaqueoushumor.BiochimBiophysActa793：448-454,198427）小林豊重：ヒト白内障水晶体におけるリポ蛋白質（a）の変動．日眼会誌104：306-311,200028）小原喜隆，平野清美，森吉臣：ヒト糖尿病白内障におけるリポ蛋白質の変動．日眼会誌98：481-486,199429）JahnCE,LeissO,vonBergmannK：Lipidcompositionofhumanaqueoushumor.OphthalmicRes15：220-224,198330）永田鐵二：2型糖尿病患者の脂質異常について．神奈川医学会雑誌37：1-5,201031）厚生省・日本医師会：高脂血症診断のてびき．日本医師会雑誌106：61-63,199132）HaticeP,BanuS,NeslihanB：Lipidperoxidationandresistancetooxidationinpatientswithtype2diabetesmellitus.TohokuJExpMed203：211-218,200433）吉田彩子，浦上建彦，麦島秀雄ほか：2型糖尿病診断時の血清脂質と肝機能の検討─糖代謝異常，高インスリン血症との関係．ホルモンと臨床12：39-55,200734）井奈波良一，中村秀喜，古野利夫：血清尿酸と血清過酸化脂質の関連について．尿酸8：165-167,198535）DaviesKJA,SevanianA,Muakkassah-KellySFetal：Uricacid-ironioncomplexesanewaspectoftheantioxidantfunctionsofuricacid.BiochemJ225：747-754,198636）OhmoriH,KomoriyaK,AzumaAetal：Xanthineoxidase-inducedfoot-edemainrats：Involvementofoxygenradicals.BiochemPharmacol27：1397-1400,197837）林振民，田中寧，新井清美ほか：ヒト白内障における銅イオン，鉄イオンと過酸化反応の混濁部位別変化．BiomedResTraceElements7：63-64,199638）林振民：糖尿病における白内障の銅イオンと過酸化反応の関係．日眼会誌100：672-679,199639）林振民，田中寧，新井清美ほか：糖尿病者の白内障におけるグルタチオン銅錯体．BiomedResTraceElements9：69-70,199840）三好清徳，石津和久，田中久：グルタチオン-銅（II）錯体とSOD活性．石津和彦，古川敏一（編）．磁気共鳴と医学1：69-73,199041）丸尾敏夫，臼井正彦，本田孔士ほか（編）：眼科診療プラクティス（22）やさしい眼の細胞・分子生物学．p202-204，文光堂，199642）小原喜隆：病因（白内障）．増田寛次郎（編）：眼科学大系2B水晶体．中山書店，p113-126，1993＊＊＊（137）あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012571</p>
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		<title>緑内障点眼薬使用状況のアンケート調査“第二報”</title>
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		<pubDate>Sun, 29 Apr 2012 15:27:45 +0000</pubDate>
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		<description><![CDATA[《原著》あたらしい眼科29（4）：555.561，2012c緑内障点眼薬使用状況のアンケート調査“第二報”高橋真紀子＊1,2内藤知子＊2溝上志朗＊3菅野誠＊4鈴村弘隆＊5吉川啓司＊6＊1笠岡第一病院眼科＊2岡山大学大学院 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>《原著》あたらしい眼科29（4）：555.561，2012c緑内障点眼薬使用状況のアンケート調査“第二報”高橋真紀子＊1,2内藤知子＊2溝上志朗＊3菅野誠＊4鈴村弘隆＊5吉川啓司＊6＊1笠岡第一病院眼科＊2岡山大学大学院医歯薬学総合研究科眼科学＊3愛媛大学大学院医学系研究科医学専攻高次機能制御部門感覚機能医学講座視機能外科学＊4山形大学医学部眼科学講座＊5中野総合病院眼科＊6吉川眼科クリニックQuestionnaireSurveyonUseofGlaucomaEyedrops：SecondReportMakikoTakahashi1,2）,TomokoNaitou2）,ShiroMizoue3）,MakotoKanno4）,HirotakaSuzumura5）KeijiYoshikawa6）and1）DepartmentofOphthalmology,KasaokaDaiichiHospital,2）DepartmentofOphthalmology,OkayamaUniversityGraduateSchoolofMedicine,DentistryandPharmaceuticalSciences,3）DepartmentofOphthalmology,MedicineofSensoryFunction,EhimeUniversityGraduateSchoolofMedicine,4）DepartmentofOphthalmologyandVisualSciences,YamagataUniversitySchoolofMedicine,5）DepartmentofOphthalmology,NakanoGeneralHospital,6）YoshikawaEyeClinic緑内障点眼治療のアドヒアランスに関連する要因を調査するため，広義原発開放隅角緑内障・高眼圧症を対象にアンケートを実施した．同時に年齢，性別，使用薬剤，眼圧，平均偏差（MD）などの背景因子も調べた．236例（男性106例，女性130例），平均年齢65.1±13.0歳が対象となった．点眼忘れは男性（p＝0.0204），若年（p＜0.0001），薬剤変更歴がない症例（p＝0.0025）に多くみられた．点眼回数に負担は感じないと回答した症例では，眼圧が高く（p＝0.0086），MDが低い（病期進行例）（p＝0.0496）ほど点眼忘れは少なかった．しかし，薬剤数が増加すると，点眼回数に負担を感じる症例が有意に増え（p＜0.0001），点眼を忘れる頻度は高くなった（p＝0.0296）．薬剤数ならびに点眼回数の増加は，アドヒアランスに影響を及ぼす可能性がある．Toevaluatethefactorsrelatingtoregimenadherenceinglaucomatreatment,weconductedaquestionnairesurveyofpatientswithprimaryopen-angleglaucomaorocularhypertension.Backgroundfactorssuchasage,sex,medicineused,intraocularpressure（IOP）andmeandeviation（MD）wereexaminedatthesametime.Thesubjectscomprised106malesand130females,averageage65.1±13.0years.Eyedropinstillationwasneglectedmoreinmalesthaninfemales（p＝0.0204）,youngerpatients（p＜0.0001）andpatientswithnohistoryofdrugchanges（p＝0.0025）.Inpatientswhodidn’tfeelburdenedduringtimesofeyedropuse,eyedropinstillationwaslessneglectedinthosewithhigherIOP（p＝0.0086）,andlowerMD（p＝0.0496）.Withincreasingnumberofeyedropinstillations,thosewhofeltburdenedduringtimesofeyedropuseincreased（p＜0.0001）andmorefrequentlyneglectedeyedropinstillation（p＝0.0296）.〔AtarashiiGanka（JournaloftheEye）29（4）：555.561,2012〕Keywords：緑内障，高眼圧症，アンケート調査，アドヒアランス．glaucoma,ocularhypertension,questionnaire,adherence.はじめに緑内障治療においてエビデンスに基づいた唯一確実な治療法は眼圧下降のみである1）．最近ではその進歩により有意な眼圧下降が得られるようになったため，緑内障点眼薬が治療の第一選択となっている．一方，緑内障は慢性進行性であるため，点眼薬は長期にわたり使用する必要がある．しかし，自覚症状に乏しい緑内障では点眼の継続は必ずしも容易ではない．ここで，最近，慢性進行性疾患の治療の成否に影響する要因として，患者の積極的な医療への参加，すなわち，アドヒアランスが注目されている．緑内障点眼治療においてもアドヒアランスが良好であれば治療効果に直結しうる2,3）．さて，アドヒアランスを確保するための第一段階は患者の病態理解だが，このためには医療側から患者への情報提供が〔別刷請求先〕高橋真紀子：〒714-0043笠岡市横島1945笠岡第一病院眼科Reprintrequests：MakikoTakahashi,M.D.,DepartmentofOphthalmology,KasaokaDaiichiHospital,1945Yokoshima,Kasaoka,Okayama714-0043,JAPAN0910-1810/12/\100/頁/JCOPY（121）555必要である．ここで，情報提供の具体化にはアドヒアランスに関連する要因の分析が求められる．そこで，筆者らは緑内障点眼薬使用に関するアンケート調査を行い，「指示通りの点眼の実施」をアドヒアランスの目安とした際に，65歳以上の男性で「眼圧を認知」していれば「指示通りの点眼」の実施率が高く，他方，若年の男性では「指示通りの点眼」の実施率が低値に留まることを報告した4）．すなわち，アドヒアランスには病状認知や性別，年齢などが影響する可能性が示唆された．一方，使用薬剤数5.8）などの点眼薬に関わる要因や緑内障の重症度8）もアドヒアランスに関連することが報告されている．そこで，今回，アンケート調査時に調べた症例ごとの使用薬剤数別に「指示通りの点眼」との関連を調べ，さらに，アドヒアランスの一面を反映すると考えられる「点眼の負担」や「点眼忘れ」に関するアンケート結果と，眼圧や視野障害の程度など背景因子の影響についても検討したので報告する．I対象および方法緑内障点眼治療開始後少なくとも3カ月以上を経過した，広義原発開放隅角緑内障・高眼圧症患者のうち，年齢満20歳以上で，かつ，アンケート調査に書面での同意を得られた症例を対象に，笠岡第一病院，岡山大学病院，愛媛大学病院，山形大学病院，中野総合病院の5施設においてアンケート調査を施行した．なお，1カ月以内に薬剤変更・追加あるいは緑内障手術・レーザーの予定がある患者，過去1年以内に内眼手術・レーザーの既往がある患者，圧平眼圧測定に支障をきたす患者は対象から除外した．調査方法は既報4）のごとく，診察終了後にアンケート用紙を配布，無記名式とし，質問項目への記入を求めた．性別，年齢，眼圧，使用薬剤などは，アンケート回収後にカルテより調査した．なお，両眼で使用薬剤が異なる場合は，薬剤数が多い側の情報を選択した．また，緑内障点眼薬以外の点眼薬使用の有無についても調べた．さらに，アンケート調査日前6カ月以内にHumphrey自動視野計のSITA（Swedishinteractivethresholdalgorithm）Standardプログラム中心30-2あるいは24-2による視野検査を施行された症例のうち，少なくとも3回以上の視野検査経験があり，信頼性良好な検査データ（信頼度視標の固視不良が20％未満，偽陽性15％未満，偽陰性33％未満9））が入手可能な症例では，その平均偏差（meandeviation：MD）も調査した．なお，罹患眼が両眼の場合は，MDが低いほうの眼の値を解析データとした．一方，罹患眼が両眼の症例で，組み入れ基準を満たした検査データが片眼のみだった場合は，解析の対象から除外した．データ収集施設において，回収したアンケートの記載内容に不備がある症例を除外し，あらかじめ作成したデータ入力用のエクセルシートに結果を入力した．入力結果はデータ収集施設とは別に収集し（Y.K.），さらに，アンケートの質問5（緑内障の目薬を指示通りに点眼できないことがありますか？），質問6（今の緑内障の目薬の回数にご負担を感じますか？）および質問8（緑内障の目薬をさすのを忘れたことはありませんか？）のそれぞれの回答結果と薬剤数，MDなど背景因子との関連をJMP8.0（SAS東京）を用い，c2検定，t検定，分散分析，Tukey法により検討した．有意水準は5％未満とした．なお，本研究は笠岡第一病院，山形大学医学部の倫理委員会の承認を得たうえで，ヘルシンキ宣言に沿って実施した．II結果1.背景因子と薬剤関連要因アンケートに有効回答が得られた236例（男性106例，女性130例）の平均年齢は65.1±13.0（22.90）歳であった．平均眼圧は13.8±2.9（8.0.23.0）mmHgであったが，男性は14.3±2.9mmHgで女性の13.4±2.9mmHgに比べ有意に高かった（p＝0.0267）（表1）．信頼性のある視野検査結果が得られたのは236例中226例（95.8％）で，その平均MDは.10.08±8.29（.33.00.0.99）dBであった（図1）．なお，平均MDは性別（男性：.11.03±8.39dB，女性：.9.27±8.14dB，p＝0.1127）や年齢層（65歳未満：.9.39±7.83dB，65歳以上：.10.61±8.62dB，p＝0.2720）間で明らかな差は認めなかった（表1）．対象の平均緑内障点眼薬剤数は1.7±0.8剤〔1剤：120例（50.8％），2剤：62例（26.3％），3剤：53例（22.5％），4剤：1例（0.4％）〕であった．また，緑内障以外の点眼薬剤を使用していたのは55例（23.3％）であった．平均緑内障点眼回数は2.3±1.5（1.6）回/日（図2）で，薬剤追加歴のある症例は96例（40.7％）であった．なお，平均緑内障点眼薬剤数と性別・年齢との関連はなかった（男性：1.8±0.8剤，女性：1.7±0.8剤，p＝0.1931，65歳未満：1.6±0.8剤，653102029374674807060504030201007症例数（例）－35－30－25－20－15－10－505MD（dB）図1MDの分布556あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012（122）表1性別・年齢層別比較性別年齢層別背景因子男性（n＝106）女性（n＝130）p値65歳未満（n＝102）65歳以上（n＝134）p値眼圧14.3±2.9mmHg13.4±2.9mmHg0.0267＊13.8±2.8mmHg13.7±3.1mmHg0.7822＊MD.11.03±8.39dB※1.9.27±8.14dB※20.1127＊.9.39±7.83dB※3.10.61±8.62dB※40.2720＊緑内障点眼薬剤数1.8±0.8剤1.7±0.8剤0.1931＊1.6±0.8剤1.8±0.8剤0.2074＊緑内障点眼回数2.4±1.5回/日2.2±1.4回/日0.3229＊2.1±1.4回/日2.4±1.5回/日0.0884＊薬剤追加歴有42例（39.6％）無64例（60.4％）有54例（41.5％）無76例（58.5％）0.7657＊＊有31例（30.4％）無71例（69.6％）有65例（48.5％）無69例（51.5％）0.0050＊＊※1：n＝104，※2：n＝122，※3：n＝99，※4：n＝127．5回/日6回/日23例（9.7％）3例（1.3％）3回/日24例（10.2％）図2緑内障点眼回数1回/日109例（46.2％）2回/日45例（19.1％）4回/日32例（13.6％）歳以上：1.8±0.8剤，p＝0.2074）．薬剤追加歴がある症例は65歳以上134例中65例（48.5％）で，65歳未満102例中31例（30.4％）に比べ有意に高率であった（p＝0.0050）（表1）．2.アンケート質問5（緑内障の目薬を指示通りに点眼できないことがありますか？）との関連236例中236例（100％）で，アンケート質問5に対し回答が得られた．236例中185例（78.4％）が，指示通りに点眼できないことは「ほとんどない」と回答した．一方，「時々ある」は47例（19.9％），「しばしばある」は4例（1.7％）であった．すなわち，「ほとんど指示通りに点眼できていた」のは236例中185例（78.4％），「指示通りに点眼できないことがあった」のは51例（21.6％）であった（図3）．緑内障点眼薬剤数と指示通りの点眼の関連を検討した．「ほとんど指示通りに点眼できていた」185例における薬剤数は1剤：98例（53.0％），2剤：44例（23.8％），3剤以上：43例（23.2％）に対し，「指示通りに点眼できないことがあった」51例では1剤：22例（43.1％），2剤：18例（35.3％），3剤以上：11例（21.6％）で，両群間に有意差はなかった（p＝0.2434）（表2）．「指示通りに点眼できないことがあった」のは薬剤変更歴がある103例中18例（17.5％），変更歴がなかった133例中33例（24.8％）で，両群間に明らかな差はなかった（p＝0.1745）．同様に，薬剤追加歴がある96例中25例（26.0％），追加歴がなかった140例中26例（18.6％）が「指示通りに点（123）＊：t検定，＊＊：c2検定．時々ある47例（19.9％）ほとんどない185例（78.4％）指示通りに点眼できないことがあった51例（21.6％）ほとんど指示通りに点眼できていた185例（78.4％）しばしばある4例（1.7％）図3質問5（緑内障の目薬を指示通りに点眼できないことがありますか？）への回答結果表2緑内障点眼薬剤数と「指示通りの点眼」の関連薬剤数ほとんど指示通りに点眼できていた（n＝185）指示通りに点眼できないことがあった（n＝51）p値1剤98例（53.0％）22例（43.1％）0.24342剤44例（23.8％）18例（35.3％）3剤以上43例（23.2％）11例（21.6％）c2検定．：ほとんど指示通りに点眼できていた■：指示通りに点眼できないことがあった薬剤変更歴なし（n＝133）薬剤変更歴あり（n＝103）75.224.882.517.5薬剤追加歴なし（n＝140）薬剤追加歴あり（n＝96）050100（％）81.418.674.026.0図4薬剤変更・追加歴と「指示通りの点眼」の関連あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012557眼できないことがあった」が，有意差はみられなかった（p＝0.1708）（図4）．3.アンケート質問6（今の緑内障の目薬の回数にご負担を感じますか？）との関連アンケート質問6に対し回答が得られた236例中「負担は感じない」は196例（83.1％），「どちらともいえない」は28例（11.9％），「負担を感じる」は12例（5.1％）であった（図5）．「負担は感じない」と回答した196例の使用薬剤数は1剤：112例（57.1％），2剤：49例（25.0％），3剤以上：35例（17.9％）であり，「どちらともいえない」と回答した28例では1剤：8例（28.6％），2剤：11例（39.3％），3剤以上：9例（32.1％）であった．これに対し，「負担を感じる」と回答した12例中には，3剤以上使用者が10例（83.3％）負担を感じる12例（5.1％）どちらともいえない28例（11.9％）負担は感じない196例（83.1％）図5質問6（今の緑内障の目薬の回数にご負担を感じますか？）への回答結果：負担は感じない■：どちらともいえないを占め，1剤使用で負担を感じた症例はなかった．薬剤数が増えるほど有意に「負担を感じる」症例は増加した（p＜0.0001）（表3）．一方，薬剤変更歴と点眼負担に有意な関連はみられなかった（p＝0.5286）（図6）．薬剤追加歴がある96例中「負担を感じる」と回答したのは11例（11.5％）で，追加歴がなかった症例140例中1例（0.7％）に比べ有意に高率であった（p＝0.0002）（図6）．4.アンケート質問8（緑内障の目薬をさすのを忘れたことはありませんか？）との関連アンケート質問8に対し回答が得られたのは236例中233例（回答率98.7％）で，そのうち127例（54.5％）が「忘れたことはない」と回答した．一方，「忘れたことがある」と回答した106例（45.5％）に対する付問（どの程度忘れられましたか？）については，「3日に1度程度」8例（3.4％），「1週間に1度程度」22例（9.4％），「2週間に1度程度」26例（11.2％），「1カ月に1度程度」50例（21.5％）であった（図7）．緑内障点眼薬剤数と点眼忘れの有無には有意な関連はなかった（p＝0.1587）．しかし，「点眼忘れ」の頻度が「週1回以上」の30例の使用薬剤数は1剤：11例（36.7％），2剤：10例（33.3％），3剤以上：9例（30.0％）であったのに対し，「2週間に1回以下」の76例では1剤：47例（61.8％），23日に1度程度1週間に1度程度8例（3.4％）■：負担を感じる2週間に1度程度＊p＝0.0002：c2検定3.826例（11.2％）1カ月に1度程度50例（21.5％）22例（9.4％）忘れたことはない127例（54.5％）忘れたことがある106例（45.5％）薬剤変更歴なし（n＝133）薬剤変更歴あり（n＝103）85.011.380.612.66.80.7薬剤追加歴なし（n＝140）90.09.372.915.611.5＊忘れたことはない薬剤追加歴あり127例（54.5％）（n＝96）050100（％）図7質問8（緑内障の目薬をさすのを忘れたことが図6薬剤変更・追加歴と「点眼負担」の関連ありませんか？）への回答結果表3緑内障点眼薬剤数と「点眼負担」の関連薬剤数1剤2剤3剤以上負担は感じない（n＝196）112例（57.1％）49例（25.0％）35例（17.9％）どちらともいえない（n＝28）8例（28.6％）11例（39.3％）9例（32.1％）負担を感じる（n＝12）0例（0.0％）2例（16.7％）10例（83.3％）p値＜0.0001c2検定．558あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012（124）剤：20例（26.3％），3剤以上：9例（11.8％）であり，薬剤数が増えるほど有意に「点眼忘れ」の頻度は増加した（p＝0.0296）（表4）．薬剤変更歴がない131例中「忘れたことがある」と回答したのは71例（54.2％）であり，変更歴があった症例102例中35例（34.3％）に比べ有意に高率であった（p＝0.0025）．一方，薬剤追加歴との有意な関連はなかった（p＝0.8377）（図8）．5.背景因子との関連（p＜0.0001），眼圧低値（p＝0.0086），MD高値（p＝0.0496）の症例は点眼忘れが多かった（表5）．点眼負担の回答別にも背景因子との関連を検討したが，性別（p＝0.6240），年齢（p＝0.4672）との関連は明らかでなかった．一方，「負担を感じる」と回答した症例のMD（.：忘れたことはない■：忘れたことがある＊p＝0.0025：c2検定薬剤変更歴なし「点眼忘れ」は，男性（p＝0.0204）および若年（p＜0.0001）（n＝131）45.854.265.734.3＊で有意に高率に認めたが，眼圧（p＝0.0536）やMD（p＝薬剤変更歴あり0.2368）との間に有意な関連は認めなかった（表5）．（n＝102）点眼回数に「負担は感じない」と回答した196例中，質問8（緑内障の目薬をさすのを忘れたことはありませんか？）薬剤追加歴なし（n＝139）に対する回答が得られた194例（回答率99.0％）のうち，84薬剤追加歴あり例（43.3％）が点眼を「忘れたことがある」と回答した．点（n＝94）54.046.055.344.7眼忘れの有無により分けて背景因子を比較したところ，若年050100（％）図8薬剤変更・追加歴と「点眼忘れ」の関連表4緑内障点眼薬剤数と「点眼忘れ」の関連点眼忘れ忘れる頻度薬剤数忘れたことはない忘れたことがある2週間に1回以下週1回以上（n＝127）（n＝106）p値（n＝76）（n＝30）p値1剤61例（48.0％）58例（54.7％）0.158747例（61.8％）11例（36.7％）0.02962剤31例（24.4％）30例（28.3％）20例（26.3％）10例（33.3％）3剤以上35例（27.6％）18例（17.0％）9例（11.8％）9例（30.0％）c2検定．表5「点眼忘れ」と背景因子の関連全症例「点眼回数に負担は感じない」と回答した症例背景因子忘れたことはない忘れたことがある忘れたことはない忘れたことがある（n＝127）（n＝106）p値（n＝110）（n＝84）p値性別男性49例（38.6％）男性57例（53.8％）0.0204＊男性43例（39.1％）男性44例（52.4％）0.0652＊女性78例（61.4％）女性49例（46.2％）女性67例（60.9％）女性40例（47.6％）年齢69.4±11.0歳59.8±13.3歳＜0.0001＊＊69.9±10.8歳59.6±13.7歳＜0.0001＊＊眼圧14.1±3.0mmHg13.4±2.9mmHg0.0536＊＊14.2±3.1mmHg13.0±2.8mmHg0.0086＊＊MD.10.72±8.48dB※1.9.40±8.11dB※20.2368＊＊.10.46±8.63dB※3.8.12±7.18dB※40.0496＊＊※1：n＝120，※2：n＝103，※3：n＝104，※4：n＝83．＊：c2検定，＊＊：t検定．表6「点眼負担」と背景因子の関連負担は感じないどちらともいえない負担を感じる背景因子（n＝196）（n＝28）（n＝12）p値性別男性87例（44.4％）男性12例（42.9％）男性7例（58.3％）0.6240＊女性109例（55.6％）女性16例（57.1％）女性5例（41.7％）年齢65.6±13.1歳62.5±12.0歳63.8±12.9歳0.4672＊＊眼圧13.7±3.0mmHg14.4±2.7mmHg14.1±2.3mmHg0.4789＊＊MD.9.38±8.06dB※1.10.25±6.68dB※2.20.77±7.93dB＜0.0001＊＊※1：n＝189，※2：n＝25．＊：c2検定，＊＊：分散分析．分散分析で有意差がみられた項目については，Tukey法により多重比較を行った．（125）あたらしい眼科Vol.29，No.4，201255920.77±7.93dB）は「負担は感じない」，「どちらともいえない」と回答した症例のMD（.9.38±8.06dB，.10.25±6.68dB）に比べ有意に低値であった（p＜0.0001,p＝0.0006）（表6）．III考按緑内障点眼治療のアドヒアランスに関わる要因について多施設でアンケート調査を行い，病状認知度を高めることが良好なアドヒアランスを確保するうえで有用であることを前報で報告した4）．患者の病状認知度を高めるにはask-tell-ask（聞いて話して聞く）方式により10）患者の理解度を確認しながら医療側から情報提供を行うが，その前提となるのがアドヒアランスに関わる諸要因の客観的な評価と考えられる．さて，アドヒアランスの良否に影響を及ぼす因子は多数報告されている4.8,11.16）が，点眼薬剤数も重要な要因の一つとしてあげられる．そこで，今回，まず点眼薬剤数とアンケート質問中，アドヒアランスの現状を反映すると考えられる「緑内障の目薬を指示通りに点眼できないことがありますか？」および「今の緑内障の目薬の回数にご負担を感じますか？」，「緑内障の目薬をさすのを忘れたことはありませんか？」の各項目との関連を検討した．その結果，薬剤数が増えるほど，点眼回数に負担を感じ，また，点眼を忘れる頻度は有意に高かった．このことから，薬剤数の増加により「患者負担」が増し，「点眼忘れ」の頻度も増加する可能性が示唆された．アンケート調査結果を評価・解釈するにあたっては，バイアスを考慮に入れる必要がある．まず，本研究は同意を得られた症例を対象としたため，調査に協力的な，比較的アドヒアランスの良い症例が抽出された可能性（抽出バイアス）が否めない．また，アンケートによるアドヒアランス評価は自己申告となるため，報告バイアスにより点眼遵守率が高値を示すことが報告17）されている．これは調査を無記名式で行うことにより，その影響を低減するよう企図した．さらに，点眼忘れを申告した症例は確実に「点眼忘れ」があると思われたため，今回はそのなかで解析し，薬剤数と点眼忘れの頻度の相関は確かであると考えた．一方，薬剤数の増加とアドヒアランスの関連は必ずしも直線関係にはないことが報告されており5.8），今回の検討でも，3剤以上の点眼使用例では「点眼忘れ」が少ない傾向にあった．これは，3剤以上処方する症例は眼圧高値，病期進行例が多く，結果的に「病状の認知」が高まり，アドヒアランスに反映されたものと考えた．しかし，「点眼回数に負担を感じる」と回答した症例のMDはそれ以外の症例に比べ有意に低値を示し，病期の進行に伴う薬剤数の増加が「患者負担」となっていることも確かであった．背景因子のうちで，性別，年齢がアドヒアランスに影響す560あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012る可能性についてはすでに報告した4）．今回の結果でも「点眼忘れ」は男性，若年に有意に多かったが，眼圧，MDとの関連はみられなかった．しかし，「点眼回数に負担は感じない」と回答した症例に限ると「点眼忘れ」の有無に性別による差はなく，一方で，眼圧が高く，MDが低い症例（視野進行例）ほど有意に「点眼忘れ」は少なかった．すなわち，少なくとも「患者負担」が少なければ「病状の認知」は「点眼忘れ」を減少させ，アドヒアランスに好影響を与える可能性が示された．ここで，興味深かったのは薬剤変更歴がある症例は「点眼忘れ」が有意に少なかったことである．指示通りの点眼に関しても，統計学的な有意差はなかったが，薬剤変更歴がある症例は変更歴がない症例に比べ，「ほとんど指示通りに点眼できていた」症例の割合が高かった．同等の眼圧下降効果を有する点眼薬間の前向き薬剤切り替え試験で，切り替えにより眼圧が下降し18,19），さらに元薬剤に戻しても眼圧下降は維持された19）ことが報告されている．「前向き試験」では対象患者には特別な注意が向けられ，これを反映して患者自身の行動が変化し，薬効が過大評価される傾向がある（ホーソン効果：Hawthorneeffect）20,21）ためと考えられている．今回は後ろ向きに調査した結果であるが「薬剤変更」が治療に対して積極的に取り組む動機付けとなり，アドヒアランスにも好影響を及ぼしたものと考えた．一方，眼圧上昇や視野進行のために薬剤を切り替えた場合も多く，病状の進行が治療への前向きな取り組みを促進した可能性も否定できない．しかし，薬剤の追加群では「患者負担」が有意に増加し，アドヒアランスの改善もなかったことから，薬剤数の増加はアドヒアランスに対する阻害要因であることが推察された．さて，前報4）において高齢者のアドヒアランスは良好であるとの結果を得ているが，今回の検討では薬剤追加歴が65歳以上で65歳未満に比べ有意に多く，薬剤追加歴がある症例のアドヒアランスが過大評価されている可能性も考慮すべきと考えられた．しかし，薬剤追加によるアドヒアランスの改善はみられず，つまり，薬剤数の増加による「患者負担」の増加が影響を及ぼしたことは確実と考えた．点眼モニターを用いた過去の研究においても，プロスタグランジン製剤単剤投与でのアドヒアランス不良が3.3％であったのに対し，追加投与でアドヒアランス不良が10.0％に増加した6）と報告されている．薬剤の追加，薬剤数の増加はアドヒアランスを低下させる可能性があるため，慎重を期するべきと考えた．今回の検討により，薬剤数の増加ならびに点眼回数の増加が，アドヒアランスに影響を及ぼす可能性が示唆された．一方で，良好なアドヒアランスが保たれている症例のなかにも負担を感じながら点眼している症例がみられたことも軽視できない．視機能障害は患者のQOL（qualityoflife）を大きく損なうことになるが，他方，QOLを保つために行う薬物治（126）療がQOLを低下させる原因ともなりかねない．今回の結果から，薬剤追加の前にはまず薬剤の変更を試みる原則1）を踏まえることの必要性が再確認され，また，追加投与の際にも薬剤数の増加を伴わない配合剤などを選択することが良好なアドヒアランスの確保につながる可能性が示唆されたため報告した．文献1）日本緑内障学会緑内障診療ガイドライン作成委員会：緑内障診療ガイドライン（第3版）．日眼会誌116：14-46,20122）ChenPP：Blindnessinpatientswithtreatedopen-angleglaucoma.Ophthalmology110：726-733,20033）JuzychMS,RandhawaS,ShukairyAetal：Functionalhealthliteracyinpatientswithglaucomainurbansettings.ArchOphthalmol126：718-724,20084）高橋真紀子，内藤知子，溝上志朗ほか：緑内障点眼薬使用状況のアンケート調査“第一報”．あたらしい眼科28：1166-1171,20115）池田博昭，佐藤幹子，佐藤英治ほか：点眼アドヒアランスに影響する各種要因の解析．薬学雑誌121：799-806,20016）RobinAL,NovackGD,CovertDWetal：Adherenceinglaucoma：objectivemeasurementsofonce-dailyandadjunctivemedicationuse.AmJOphthalmol144：533540,20077）DjafariF,LeskMR,HarasymowyczPJetal：Determinantsofadherencetoglaucomamedicaltherapyinalong-termpatientpopulation.JGlaucoma18：238-243,20098）仲村優子，仲村佳巳，酒井寛ほか：緑内障患者の点眼薬に関する意識調査．あたらしい眼科20：701-704,20039）鈴村弘隆，吉川啓司，木村泰朗：SITA-Standardプログラムの信頼度指標．あたらしい眼科27：95-98,201010）HahnSR,FriedmanDS,QuigleyHAetal：Effectofpatient-centeredcommunicationtrainingondiscussionanddetectionofnonadherenceinglaucoma.Ophthalmology117：1339-1347,201011）吉川啓司：開放隅角緑内障の点眼薬使用状況調査．臨眼57：35-40,200312）TsaiJC：Medicationadherenceinglaucoma：approachesforoptimizingpatientcompliance.CurrOpinOphthalmol17：190-195,200613）兵頭涼子，溝上志朗，川﨑史朗ほか：高齢者が使いやすい緑内障点眼容器の検討．あたらしい眼科24：371-376,200714）FriedmanDS,OkekeCO,JampelHDetal：Riskfactorsforpooradherencetoeyedropsinelectronicallymonitoredpatientswithglaucoma.Ophthalmology116：10971105,200915）LaceyJ,CateH,BroadwayDC：Barrierstoadherencewithglaucomamedications：aqualitativeresearchstudy.Eye23：924-932,200916）高橋真紀子，内藤知子，大月洋ほか：点眼容器の形状のハンドリングに対する影響．あたらしい眼科27：11071111,201017）OkekeCO,QuigleyHA,JampelHDetal：Adherencewithtopicalglaucomamedicationmonitoredelectronically.Ophthalmology116：191-199,200918）NovackGD,DavidR,LeePFetal：Effectofchangingmedicationregimensinglaucomapatients.Ophthalmologica196：23-28,198819）今井浩二郎，森和彦，池田陽子ほか：2種の炭酸脱水酵素阻害点眼薬の相互切り替えにおける眼圧下降効果の検討．あたらしい眼科22：987-990,200520）FrankeRH,KaulJD：TheHawthorneexperiments：Firststatisticalinterpretation.AmSociolRev43：623-643,197821）FletcherRH,FletcherSW,WagnerEH（福井次矢監訳）：臨床疫学．p148-149，医学書院，1999＊＊＊（127）あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012561</p>
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		<title>治癒までに長期経過を辿った水痘角膜炎の2 症例</title>
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		<pubDate>Sun, 29 Apr 2012 15:26:22 +0000</pubDate>
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		<description><![CDATA[《原著》あたらしい眼科29（4）：549.553，2012c治癒までに長期経過を辿った水痘角膜炎の2症例萩原健太＊1,2北川和子＊1佐々木洋＊1＊1金沢医科大学眼科学＊2公立宇出津総合病院眼科TwoCasesofVari [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>《原著》あたらしい眼科29（4）：549.553，2012c治癒までに長期経過を辿った水痘角膜炎の2症例萩原健太＊1,2北川和子＊1佐々木洋＊1＊1金沢医科大学眼科学＊2公立宇出津総合病院眼科TwoCasesofVaricellaKeratitisRequiringLong-termTreatmentforCureKentaHagihara1,2）,KazukoKitagawa1）andHiroshiSasaki1）1）DepartmentofOphthalmology，KanazawaMedicalUniversity,2）DepartmentofOphthalmology,UshitsuGeneralHospital水痘角膜炎の2症例を経験した．水痘発症後1カ月以内に2例とも右眼に発症している．症例1は3歳，女児で，眼瞼腫脹，結膜充血・濾胞，表層点状角膜症，円板状角膜浮腫がみられた．症例2は4歳，女児で，毛様充血，円板状角膜浮腫，虹彩炎がみられた．抗ウイルスIgG（免疫グロブリンG）抗体価は，単純ヘルペスウイルスは陰性で，水痘・帯状ヘルペスウイルスは陽性であった．水痘角膜炎と診断し，ステロイド，アシクロビル局所投与を主体に治療を行ったが，ステロイド漸減とともに再燃を繰り返した．治癒までに症例1では11年，症例2では2年間を要した．角膜病変はその後両者ともリング状となり，長期治療を要した症例1では瘢痕残存による不正乱視が残存し，ハードコンタクトレンズ装用で視力の改善をみた．2例とも最終矯正視力は1.0以上となった．経過中を含め角膜内皮細胞には異常はみられず，細胞減少もなかった．Wereport2casesofvaricellakeratitis,occurringinthepatient’srighteyeslessthan1monthaftersufferingvaricella.Case1,a3year-oldfemale,developedlidswelling,conjunctivalhyperemiaandfollicleformation,superficialpunctuatekeratopathyanddisciformcornealedema.Case2,a4-year-oldfemale,developedciliaryinjection,disciformcornealedemaandiritis.Sincetheanti-viralimmunoglobulinG（IgG）antibodytovaricella-zosterviruswaspositive,thoughthattoherpessimplexviruswasnegative,bothcaseswerediagnosedasvaricellakeratitisandtreatedmainlywithtopicalacyclovirandcorticosteroid.However,bothpatientsrepeatedlysufferedrecurrencesasthecorticosteroidwastaperedoff；ittook11yearsforcase1tobecuredand2yearsforcase2.Althoughthedisciformedemasresultedinring-shapedscar,bothpatientsrecoveredgoodcorrectedvision.Still,case1hadtowearahardcontactlensduetoremainingsevereirregularastigmatism.Specularmicroscopicstudiesshowednoabnormalitiesintheircornealendothelialcells.〔AtarashiiGanka（JournaloftheEye）29（4）：549.553,2012〕Keywords：水痘，円板状角膜炎，小児，ステロイド，再燃．varicella,disciformkeratitis,children,corticosteroids,recurrence.はじめに水痘は一般的な疾患であり，種々の眼合併症が報告されている．結膜炎（4％），眼瞼炎（7％），点状角膜症（12％），虹彩炎（25％）などが多い1）が，水痘に合併する角膜炎はきわめてまれであり，報告例も少ない3.8,10.12）．水痘角膜炎は水痘罹患後に三叉神経節に潜伏した水痘・帯状疱疹ウイルス（varicella-zostervirus：VZV）が1.4カ月後に再活性化し12），神経向性に角膜中央で免疫反応による病変をひき起こす病態であると考えられている．筆者らは，これまでに2例の水痘角膜炎を経験した．症例1は1999年に初期経過を報告9）したが，ステロイドの漸減による再燃を繰り返し，その後10年以上に及ぶ治療が必要であった．症例2も再燃を繰り返したが約2年間の経過で治癒した．この2症例の臨床経過とともに，わが国における水痘角膜炎の発症状況について考察したので報告する．I症例〔症例1〕3歳，女児．主訴：右眼瞼腫脹，流涙．初診：1997年11月21日．〔別刷請求先〕萩原健太：〒920-0293石川県河北郡内灘町大学1-1金沢医科大学眼科学Reprintrequests：KentaHagihara,M.D.,DepartmentofOphthalmology,KanazawaMedicalUniversity,1-1Daigaku,Uchinada,Kahoku,Ishikawa920-0293,JAPAN0910-1810/12/\100/頁/JCOPY（115）549既往歴：アレルギーなし．現病歴：1997年10月に水痘に罹患．11月6日より発熱，両側耳下腺の腫脹を認め，小児科で流行性耳下腺炎（以下，ムンプス）と診断され治療を受けていた．11月8日より右眼の羞明・眼痛・眼瞼腫脹・充血を自覚し，11月15日に近医眼科を受診．右眼中心部角膜混濁および毛様充血を認めオフロキサシン，プロラノプロフェンの点眼を受けたが改善しないため，金沢医科大学病院眼科（以下，当科）へ紹介された．初診時所見：視力は右眼：0.5（0.6×＋0.5D），左眼：0.7（矯正不能）．左眼は特に異常がなかったが，右眼には眼瞼腫脹，結膜の濾胞・乳頭，毛様充血，角膜実質全層にわたる広範囲の円板状混濁，びまん性表層角膜炎を認めた．前房，中間透光体，眼底には異常はみられなかった．検査所見：血清ウイルス抗体価は，抗VZV抗体価（蛍光抗体法）：Ig（免疫グロブリン）M抗体10倍未満（陰性），IgG抗体640倍（陽性），抗ムンプスウイルス抗体価（enzymeimmunoassay：EIA法）：IgM抗体13.01（陽性），IgG抗体40.5（陽性），補体結合法：8倍（陽性）であった．抗単純ヘルペスウイルス（HSV）抗体はIgG抗体，IgM抗体ともに陰性であった．経過：まず，角膜炎が水痘によるものか，ムンプスによるものかの鑑別を行った．ムンプスでは罹患後5日程度で発症し1カ月以内に自然治癒傾向があるのに対して，水痘では罹患後1カ月くらい後に円板状角膜混濁と浮腫が出現し，リング状瘢痕を残すことが多く，ステロイドが有効だが再燃傾向を認めることより，本例は水痘角膜炎と診断した．前報9）で詳細に鑑別を行っているが，今回はその後の長期経過の観察により，より確定的となった．抗体は両者とも陽性であり，感染既往の証拠とはなるが，鑑別の手段にはならなかった．治療としてベタメタゾン点眼1日4回，硫酸アトロピン点眼1日2回，アシクロビル眼軟膏1日4回を投与した．しかし角膜浮腫が出現してきたため（図1左），プレドニゾロン20mg，アシクロビル400mg全身投与追加した．その後角図1症例1の右眼前眼部写真（右：初診時，左：退院後）図2症例1における退院後の角膜内皮所見患眼（右眼）は左眼と比較して角膜内皮細胞数の減少は認めなかった．また変動係数（CV）の増大や，六角形細胞の出現頻度（6M）の減少も認めなかった．550あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012（116）図3症例1の治癒時の角膜形状リング状の混濁が残存し，強い角膜乱視が存在．膜混濁，角膜浮腫が徐々に改善したため，プレドニゾロン漸減中止し，治療開始1カ月後に退院となった．退院後，ステロイド点眼・アシクロビル眼軟膏漸減時に再燃を繰り返し，その都度，ステロイド局所投与の増量で対処したが，浸潤と瘢痕の混在するリング状病変となった（図1右）．ステロイド緑内障の発症はなかった．また，右眼の弱視予防目的として健眼遮閉を一時併用した．経過中，角膜内皮細胞の異常や減少は認めなかった（図2）．2009年になり点眼薬を中止しても炎症が消退した状態となり，治癒と判断したが，角膜にリング状の瘢痕による強い不正乱視（図3）が残存した．角膜不正乱視に対してハードコンタクトレンズ（HCL）装用を開始した（ニチコンうるるUV8.05mm/.3.00D/8.9mm）．2011年現在まで再発はなく，視力は0.15（1.0×HCL）と安定している．〔症例2〕4歳，女児．主訴：右眼の充血．初診日：2002年7月27日．既往歴：気管支喘息．現病歴：2002年6月中旬水痘に罹患．2002年7月上旬より右眼の充血，右眼を擦るようになり，2週間経っても症状が改善しないことから近医眼科を受診，右眼内の炎症を指摘されレボフロキサシン点眼・ベタメタゾン点眼・トロピカミド点眼処方されたが，改善しないため当科へ初診となった．初診時所見：視力は右眼0.03（矯正不能），左眼0.4（0.6×cyl.1.5DAx20°）．左眼に特に異常はなかった．右眼結膜に毛様充血，角膜中央部に円板状混濁，角膜裏面沈着物，角膜内皮障害，前房に中等度の炎症細胞の出現を認めた．中間透光体・眼底に異常はみられなかった．検査所見：血清抗VZV抗体価（蛍光抗体法）は，IgM抗体10倍未満（陰性），IgG抗体160倍（陽性）であった．抗図4症例2の右眼前眼部写真（退院後）図5症例2における治癒時の角膜内皮所見患眼（右眼）は左眼と比較して角膜内皮細胞数の減少は認めなかった．CV，6Mについても健眼との差はなかった．（117）あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012551HSV抗体はIgM抗体，IgG抗体ともに陰性であった．経過：本例も症例1と同様に水痘発症後1カ月程度で発症した円板状角膜炎であり，水痘角膜炎と診断した．抗VZVIgG抗体も陽性であった．入院後，治療としてベタメタゾン点眼1日4回，アシクロビル眼軟膏1日4回を開始した．円板状混濁および毛様充血が軽快したため，5日後退院となった．退院後はアシクロビル内服2週間併用し，ステロイド点眼・アシクロビル眼軟膏漸減を行っていったが，円板状混濁が改善するとともにリング状混濁が出現してきた（図4）．ステロイド漸減により再燃が認められ，一時的にステロイド点眼を増量し，その後ゆっくり漸減を行ったところ，2004年10月に浸潤は消失した．その後，点眼治療を中止したが，2011年現在まで再発はみられていない．なお，経過中，ステロイド緑内障はみられなかった．角膜瘢痕や不正乱視はなく，最終視力は0.4p（1.2×＋0.75D（cyl.2.0DAx170°）であった．経過中角膜内皮細胞の浮腫や減少は認めなかった（図5）．II考按水痘罹患後数週間.数カ月に発症する円板状角膜炎はまれな疾患である．水痘罹患後約1週間に角膜実質浮腫を主体とし短期間で治癒する急性期発症の角膜炎とは区別される17,18）．水痘罹患の既往が必ずあり，眼瞼周囲の水痘の皮疹の瘢痕が鑑別の助けとなることがある1,2,14）．症例1はムンプスの罹患もあったが，それ以前に水痘に罹患していることが判明し，両疾患の鑑別が重要であると考えられた．ムンプスは通常角膜に瘢痕形成など残さず，平均20日以内に速やかに回復し，病変の再燃がみられることはない．また，病変の主座が水痘では角膜実質であるのに対して，ムンプスによる角膜炎では内皮炎であり，角膜内皮細胞密度の減少を認める点でも鑑別となる13）．症例1では，発症時期，角膜所見，ステロイド治療依存性の長期間に及ぶ角膜炎があり，角膜内皮細胞の減少がないことから，水痘によるものと考えられた．症例2は発症の約3週間前に水痘の罹患の既往があり，VZVに対する抗体価も陽性であったこと，円板状混濁を認めたこと，再燃を繰り返したことから水痘角膜炎と診断した．角膜内皮細胞密度の減少もみられなかった．同様な円板状角膜炎をきたすHSVによる角膜炎との鑑別はむずかしいが，涙液PCR（polymerasechainreaction）や抗体血清価が鑑別の助けとなる1）．今回は2症例とも抗HSV抗体価は陰性であり，その感染は否定された．水痘角膜炎の病態の主体はウイルスに対する免疫反応であると考えられる．症例1，症例2ともに，慢性期に角膜にリング状浸潤が出現しており，免疫輪と考えられることからⅢ表1わが国での水痘角膜炎における他施設との比較ステロイドアシクロビル発症までの期間発表年症例局所投与内服局所投与初診時視力治療期間治療後視力文献19885歳女児○──1カ月0.4約4カ月1.23）19925歳○──2カ月0.67年9カ月不明6）19922歳○──3カ月0.027年7カ月不明6）19925歳○──3週0.66年2カ月不明6）19929歳○──3週0.64年不明6）19923歳○──1カ月測定不能2年不明6）19924歳○──3週0.31年6カ月不明6）19925歳○──1カ月0.51年4カ月不明6）19923歳○──1カ月0.021年不明6）19881歳女児○○─2日測定不能不明※4）19905歳男児○──4日測定不能不明1.05）19902歳女児○─○1カ月測定不能不明0.055）199313歳女児─○○2週0.9約2週間1.27）19983歳女児○○○6カ月不明約2カ月0.98）20013歳女児○○○2カ月不明約1カ月1.010）20027歳女児○○○4カ月0.3約2週間2.011）20113歳女児○○○1カ月約11年1.5症例120114歳女児○─○1カ月約2年1.2症例2※10m先の母親の顔を同定できる．552あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012（118）型免疫反応の関連も示唆される．治療にはステロイド局所投与が有効との報告があるが，再発を繰り返し角膜混濁を残す症例も認められる12）．治療は，アシクロビル眼軟膏とステロイド点眼の併用療法が推奨されている1）．上皮病変を伴う場合には角膜上皮から蛍光抗体法によりVZVが検出されたとする報告もあり14），アシクロビル眼軟膏も必要であると考えられる．しかし，症例1のように炎症が重篤な場合にはステロイドの全身投与が必要となる場合もある．急性期以降ではステロイド点眼漸減時に再燃を繰り返し，ステロイド点眼からの離脱に難渋した．ステロイド離脱が困難となる場合もあり，漸減は慎重にゆっくり行うことが必要と思われた．表1にこれまでわが国で発表された水痘角膜炎についてまとめてみた3.5,7,8,10.12）．性別は判明しているなかでは女児に多く（11例中10例），年齢は3歳前後が多かった．治療ではステロイドの局所および全身投与，アシクロビルの局所投与により治療期間は2週間.2年で，再発により視力低下を認める症例もあった．また，中川ら6）の水痘角膜炎症例8例8眼では，角膜所見の改善とともにステロイド点眼を漸減していったが，8例中4例において角膜実質の浸潤と浮腫の再燃を認めている．4回の再燃をきたした症例もあった．再燃時にはステロイド点眼増量が著効するが，ステロイドからの離脱時には再燃が多いため慎重を要する．角膜内皮細胞の減少を伴った強い障害例の報告6）もある．今回の2症例では治療期間は長期を要し，比較的強い実質病変を認めたが，角膜内皮細胞数の減少はなく，症例により内皮あるいは実質と炎症の首座が異なる可能性も考えられる15,16）．また，消炎しても，瘢痕性の混濁やそれに伴う不正乱視による弱視の可能性もあり，アイパッチを用いた弱視訓練が必要となる．本症例1においても健眼遮閉とHCLの使用で不正乱視を矯正して良好な視力を得ることができたと考えられる．本症例は第47回日本眼感染症学会で発表した．文献1）井上幸次：〔眼感染症の謎を解く〕眼感染症事典強角膜炎水痘角膜炎．眼科プラクティス28：114-115,20092）石倉涼子：〔眼感染症Now!〕まれな眼感染症も覚えておこう水痘角膜炎について教えてください．あたらしい眼科26（臨増）：118-119,20103）釣巻穰，大原國俊：水痘によると思われる小児角膜実質炎の1例．眼臨82：1092-1095,19884）八重康夫：眼障害のみられた小児水痘症の1例．眼臨82：1668,19885）井上克洋，秦野寛：水痘性角膜炎の2例．眼臨84：1443-1445,19906）中川裕子：水痘による円板状角膜炎─臨床像と角膜内皮所見─．眼臨86：1017-1021,19927）遠藤こずえ，津田久仁子，北川文彦ほか：水痘後に発症した角膜実質炎の1症例．眼臨87：904,19938）小野寺毅，吉田憲史，小林貴樹ほか：水痘性角膜炎の1例．眼臨92：1664,19989）永井康太，藤沢来人，北川和子：水痘，流行性耳下腺炎罹患後に出現した角膜実質炎の1症例．眼科41：101-106,199910）柴原玲子，皆本敦，中村弘佳ほか：水痘罹患後遅発性角膜炎．眼紀52：228-230,200111）中村曜祐，佐野雄太，北原健二：水痘罹患後に生じた角膜実質炎の1例．あたらしい眼科19：1203-1205,200212）井上幸次：VaricellaKeratitis．あたらしい眼科21：13571358,200413）笠置裕子：MumpsKeratitisの小児の角膜内皮細胞．眼紀35：198-202,198414）UchidaY,KanekoM,HayashiK：Varicelladendritickeratitis.AmJOphthalmol89：259-262,198015）KhodabandeA：Varicellaendotheliitis：acasereport.EurJOphthalmol19：1076-1078,200916）KhanAO,Al-AssiriA,WagonerMD：Ringcornealinfiltrateandprogressiveringthinningfollowingprimaryvaricellainfection.JPediatrOphthalmolStrabismus45：116-117,200817）Pavam-LangstonD：PrinciplesandPracticeofOphthalmology.JakobiecAed,Thirdedition,p661-663,Elsevier,Philadelphia,200818）ArffaRC：Grayson’sDiseasesoftheCornea.Fourthedition,p306-307,Mosby,StLouis,1997＊＊＊（119）あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012553</p>
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		<title>東北大学病院における深層前部層状角膜移植の術後成績</title>
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		<pubDate>Sun, 29 Apr 2012 15:25:30 +0000</pubDate>
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		<description><![CDATA[《原著》あたらしい眼科29（4）：545.548，2012c東北大学病院における深層前部層状角膜移植の術後成績針谷威寛＊1,2横倉俊二＊2植松恵＊2目黒泰彦＊2佐藤肇＊1西田幸二＊3中澤徹＊2＊1東北労災病院眼科＊2東北 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>《原著》あたらしい眼科29（4）：545.548，2012c東北大学病院における深層前部層状角膜移植の術後成績針谷威寛＊1,2横倉俊二＊2植松恵＊2目黒泰彦＊2佐藤肇＊1西田幸二＊3中澤徹＊2＊1東北労災病院眼科＊2東北大学大学院医学系研究科神経感覚器病態学講座・眼科学分野＊3大阪大学大学院医学系研究科眼科学教室PostoperativeResultsofDeepAnteriorLamellarKeratoplasty（DALK）atTohokuUniversityHospitalTakehiroHariya1,2）,ShunjiYokokura2）,MegumiUematsu2）,YasuhikoMeguro2）,HajimeSato1）,KohjiNishida3）andToruNakazawa2）1）DepartmentofOphthalmology,TohokuRosaiHospital,2）DepartmentofOphthalmology,TohokuUniversityGraduateSchoolofMedicine,3）DepartmentofOphthalmology,OsakaUniversityGraduateSchoolofMedicine目的：東北大学病院（以下，当院）にて深層前部層状角膜移植（deepanteriorlamellarkeratoplasty：DALK）を施行した症例について術後成績と合併症について報告する．方法：対象は2006年3月から2009年8月までの期間に当院にてDALKを試みて3カ月以上経過観察できた連続症例48例49眼．平均観察期間は19.0±9.78カ月（3.37カ月），手術時平均年齢は56.4±18.4歳（20.80歳）．疾患の内訳は，感染後角膜混濁20例20眼，円錐角膜14例14眼，角膜ジストロフィ9例10眼，翼状片術後角膜混濁1例1眼，原因不明角膜混濁4例4眼であった．術中Descemet膜穿孔率，術前術後の視力，角膜内皮細胞密度，合併症について検討した．結果：術中Descemet膜穿孔は49眼中12眼（24％）に生じ，11眼が術中に全層角膜移植術にコンバートした．つぎにDALK成功例38眼について解析した．透明治癒率は38眼中34眼（89％）であった．術前視力と比較して最終視力が改善したのが30眼（79％），不変が8眼（21％）であり，悪化した症例はなかった．角膜内皮細胞密度は術前平均が2,549±542/mm2，6カ月後で1,953±801/mm2，1年後で1,892±733/mm2であった．合併症では，一時的な眼圧上昇が8眼（21％），二重前房が3眼（8％）でみられた．結論：当院でのDALKの術後成績を報告した．これまでの報告とおおむね同程度の成績が得られており，有用な術式であると考えられる．Purpose：Toreportpostoperativeresultsandcomplicationswithdeepanteriorlamellarkeratoplasty（DALK）performedatTohokuUniversityHospital.Methods：Aretrospectivestudyof49consecutiveeyesof48patientsthattriedDALKbetweenMarch2006andAugust2009.Theaverageobservationperiodwas19.0±9.78months；averageagewas56.4±18.4years.Cornealopacitywasobservedafterinfectionin20eyes,keratoconusin14eyes,cornealdystrophyin10eyes,cornealopacitywasobservedaftersurgeryforpterygiumin1eyeandunknowncornealopacityin4eyes.Result：Descemet’smembraneruptureoccurredin12of49eyes（24％）.WeperformedDALKin38of49eyes.Thegraftsurvivalratewas89％.Visualacuityimprovedin30eyes（79％）,remainedunchangedin8eyes（21％）andworsenedinnone.Theaveragedensityofendothelialcellsatpre-operation,6monthafteroperationand1yearafteroperationwas2,549±542/mm2,1,953±801/mm2and1,892±733mm2,respectively.Elevationofintraocularpressureoccurredin8eyes（21％）；doublechamberoccurredin3eyes（8％）.Conclusions：Weachievedgoodresults,asinourotherreportonDALK.〔AtarashiiGanka（JournaloftheEye）29（4）：545.548,2012〕Keywords：深層前部層状角膜移植，Descemet膜，hooking法，全層角膜移植術．deepanteriorlamellarkeratoplasty（DALK）,Descemet’smembrane,hookingtechnique,penetratingkeratoplasty（PK）.〔別刷請求先〕針谷威寛：〒980-8574仙台市青葉区星陵町1-1東北大学大学院医学系研究科神経感覚器病態学講座・眼科学分野Reprintrequests：TakehiroHariya,M.D.,DepartmentofOphthalmology,TohokuUniversityGraduateSchoolofMedicine,1-1Seiryoucho,Aoba-ku,Sendai980-8574,JAPAN0910-1810/12/\100/頁/JCOPY（111）545はじめに角膜移植は長い歴史があり，他の組織と比べると高い成功率を誇ることから，多くの症例で行われてきた．角膜を全層にわたって打ち抜いてドナー角膜を縫合する全層角膜移植術（penetratingkeratoplasty：PK）は広く行われきたが，いくつかの問題点を抱えた術式である．一つは約20％で起こるといわれている拒絶反応で，そのほとんどは角膜内皮細胞に対するものである1,2）．術中にopenskyの状態になるという問題もあり，術後の炎症などにより虹彩前癒着が起こり不可逆的な眼圧上昇を生じたり，拒絶反応を抑えるためステロイドを長期間使用せざるをえなく，そのためステロイド緑内障をきたすこともある3）．近年，角膜の上皮，実質，内皮の悪い部分だけを移植する角膜パーツ移植という考えが広まってきた．この考え方に基づいた術式の一つとして，ホスト角膜のDescemet膜と角膜内皮細胞のみを残して，ドナー角膜を移植する深層前部層状角膜移植術（deepanteriorlamellarkeratoplasty：DALK）が近年行われるようになった4）．たとえば，円錐角膜では，DALKはPKと同等の視力が得られるといわれ5），その一方で角膜内皮細胞はレシピエント由来のものであるため，内皮型拒絶反応が起こりえない．術後の炎症も少ないため，早期にステロイドを離脱することが可能であるなどさまざまな利点がある3,6）．しかし，Descemet膜と角膜内皮を合わせても厚さがせいぜい15.20μm程度の薄い膜であり，角膜をDescemet膜に至るまで深く削って切除し，そこにドナー角膜を載せるという手技は非常にむずかしい．術中Descemet膜穿孔率も10.30％といわれていて，決して低いとはいえない4,7,8）．そのため，Descemet膜を露出するためのさまざまなアプローチの方法が考案され，治療成績の向上が図られている8.10）．今回，筆者らは東北大学病院（以下，当院）にてDALKを施行された症例の術後の成績，合併症の種類や頻度について報告する．I対象および方法2006年4月から2009年8月までの間に，光学的手術を目的にDALKを試み，術後3カ月以上の経過観察が可能であった連続症例48例49眼を解析対象とした．平均観察期間は19.0±9.78（3.37）カ月，男女比は29例：19例，手術時平均年齢は56.4±18.4（20.80）歳であった．麻酔方法としては全身麻酔にて行ったのが5例5眼，局所麻酔にて行ったのが44例44眼であった．なお，女性の1例は両眼を手術されており，片眼を全身麻酔下にて，もう片眼を局所麻酔下にて行った．同時手術として，水晶体再建術を5例5眼，角膜輪部移植術を2例2眼に行った．術後経過中に，水晶体再建術を2例2眼に，YAGレーザーによる後発白内障手術546あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012翼状片術後角膜混濁，1感染後角膜混濁，20角膜ジストロフィ・格子状9眼・斑状1眼・アカントアメーバ1眼・不明1眼図1対象疾患を1例1眼に行った．対象疾患としては，感染後角膜混濁が20例20眼，円錐角膜は14例14眼，角膜ジストロフィ9例10眼，翼状片術後角膜混濁1例1眼，原因不明角膜混濁4例4眼であった．内訳としては，感染後角膜混濁のうち，角膜実質炎後9例9眼，ヘルペス後6例6眼，トラコーマ後2例2眼，麻疹後1例1眼，アカントアメーバ後1例1眼，原因菌不明1例1眼であった．角膜ジストロフィのうち，格子状角膜ジストロフィ8例9眼，斑状角膜ジストロフィ1例1眼であった（図1）．DALKの術式としては，当初はhydro-delamination法を用いた．ゴルフ刀を用いて角膜に切れ込みを入れて，角膜層間に27ゲージハイドロ針などを用いて人工房水（BSSPLUSR）を注入し，角膜実質を混濁・膨化させ，これを目安に深部実質を切除していく方法である．その後はhooking法を用いて手術を行った11）．これは2008年にYaoらによって提唱された術式であり，当院ではこれを一部改良して用いた．厚さ4分の3程度の角膜実質トレパンおよびゴルフ刀を用いて切除し，ボン大学式虹彩有鈎鑷子の先をhookのように使い角膜実質線維をより分けてDescemet膜を露出させ，ポケットを作製する．そこから前田式DLKスパーテルRを挿入してトンネル状に実質をDescemet膜から引き.がし，そこに粘弾性物質（ヒーロンVR）を注入して移植予定部位全体の角膜実質とDescemet膜を分離し，実質を剪刃で除去するという方法である．当院でのステロイド使用のプロトコールとして，リン酸ベタメタゾン10mg/日を術当日から点滴で3日間，その後内服で1カ月程度を目安に漸減中止している．リン酸ベタメタゾン点眼4回/日を術翌日から3カ月程度を目安に，0.1％フ（112）円錐角膜，14角膜ジストロフィ，10不明，4感染後角膜混濁・角膜実質炎9眼・ヘルペス6眼・トラコーマ2眼・麻疹1眼ルオメトロン点眼4回/日に変更し使用し続けている．状況により適宜，コハク酸メチルプレドニゾロン点滴を追加したり，リン酸ベタメタゾン軟膏を使用している．基本的にDALKとPKによってプロトコールを変えてはいない．統計学的解析は，Fisher検定，およびMann-WhitneyU検定を用いて，p値が0.05未満を有意とした．II結果DALKを試みた全症例49眼のうち，術中Descemet膜穿孔は12眼（24％）に起こった．1眼については小穿孔であったため，そのままDALKを完遂した．その他11眼はPKにコンバートした．2007年12月までhydro-delamination法を用いて，2008年1月からhooking法を用いてDALKを行ったが，Descemet膜穿孔は前者が27眼中6眼（22％），後者が22眼中6眼（27％）と術式の変更にて穿孔率を下げる0.5000.511.522.5術後最終視力図3術前視力vs術後最終視力21.51術前視力結果ではなかった．両者に統計学的には有意差はなかった（Fisher検定p＝0.76）．つぎにDALK成功例37例38眼に対して，角膜透明治癒率，術後logMAR（logarithmicminimumangleofresolution）視力，術後角膜内皮細胞密度の変化について解析した．移植された角膜の透明治癒率は，38眼中34眼（89％）であった．角膜透明性を維持できなかった4眼の詳細につき以下に述べる．原因菌不明の感染後角膜混濁1眼は術後にカンジダによる角膜感染症を起こした．トラコーマ感染後の角膜混濁1眼は術後カンジダによる角膜感染を起こした．角膜実質炎後の角膜混濁1眼は術後に外傷のため前房が消失し内皮機能不全に至り，移植片拒絶反応をきたしたためPKを行った．円錐角膜1眼は術後に上皮型移植片拒絶反応を起こし保存加療を行った．術前の視力に比べて，術後の最終視力がlogMAR視力に換算して2段階以上視力が改善したのは30眼（79％），不変が8眼（21％）であり，2段階以上悪化した症例はなかった（図2，3）．なお，小数視力で指数弁を0.004，手動弁を0.002，4,0003,5003,0002,5002,0001,5001,0005000角膜内皮細胞密度（/mm2）n＝12n＝19n＝22n＝13n＝20＊＊術前1M3M6M1Y光覚弁を0.001とした．角膜内皮細胞密度は，術前2,549±542/mm2（n＝19），術1カ月後2,378±981/mm2（n＝12），術3カ月後2,352±761/mm2（n＝13），術6カ月後1,953±801/mm2（n＝22），術1年後1,892±733/mm2（n＝20）であった（図4）．術前の角膜内皮細胞密度と比べて，6カ月後と1年後の時点で有意に角膜内皮細胞密度が減少した（Mann-WhitneyU検定それぞれp＝0.01,p＝0.003）．合併症として，22mmHg以上の眼圧上昇は38眼中8眼（21％）に起こった．いずれも一時的なものであったか，もしくは緑内障点眼により1カ月程度で正常化した．二重前房は38眼中3眼（8％）に起こった．2眼は自然軽快したが，1眼は自然軽快せずに，前房内に空気を注入し軽快した．0％20％40％60％80％100％1Mn＝383Mn＝386Mn＝341Yn＝262Yn＝14■：改善■：不変■：悪化図2術後視力の変化32.5図4角膜内細胞密度＊p＜0.05．III考察DALKの術後の眼圧についてHanらによると，PK群では10％に緑内障手術が必要であったが，DALK群では緑内障手術が必要な症例はなかったとのことであった12）．当院でも21％に術後眼圧上昇がみられたが，いずれも一時的なものか，もしくは保存的にコントロールが可能であり，緑内障手術が必要であった症例はなかった．術後の二重前房はほとんどが自然軽快したが，前房内空気注入が必要であった症例もあり，初回手術時に二重前房がみられた場合は，前房内に（113）あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012547空気を入れて手術を終了することで，術後二重前房の出現を抑えることができるかもしれないと考えられた．当院でのDescemet膜の穿孔率は49眼中12眼で24％であった．他施設の報告によると，Sugitaらはhydro-delamination法を用いてDescemet膜穿孔した症例は120眼中47眼で穿孔率は39.2％であった4）．Mellesらは鏡面法を用いて7眼中1眼で14.3％7），Shimazakiらはhydro-delamination法を用いて11眼中2眼で18.2％13），Anwarらはbig-bubble法を用いて186眼中16眼で9％8），Senooらは妹尾法を用いて22眼中5眼で23％9），Leccisottiらはbig-bubble法を用いて35眼中8眼で23％10），Yaoらはhooking法を用いて172眼中20眼で11.6％11）であった．当院での成績はこれらと比べても大差はなかった．また，術式の選択によってDescemet膜の穿孔率を下げることはできなかったが，生理食塩液の注入のみで実質とDescemet膜を選り分けていくhydro-delamination法に比べて，hooking法ではDescemet膜の露出と粘弾性物質による実質・Descemet膜間の.離は比較的容易であると考えられる．術前視力と術後最終視力を比べるとほとんどの症例で改善もしくは不変であり，2段階以上悪化した症例はなかった．角膜内皮細胞密度は術前に比べて有意に減少した．6カ月以降では角膜内皮細胞の減少率が緩やかになっていく可能性がある．杉田らの報告によるとDALKでは手術操作がDescemet膜まで及ぶからか，表層角膜移植などと比べると角膜細胞密度は減少しているという14）．ShimmuraらによるとDescemet膜と角膜実質を.離する際に，粘弾性物質が残存することで角膜内皮細胞を保護する作用があるとしている15）．いずれにしても，DALKではPKに比べて角膜内皮細胞の減少が緩やかであり，内皮機能不全による再移植の可能性を大幅に減らすことが可能であると考えられる．IV結論当院でのDALKの術後成績を報告した．これまでの報告とおおむね同程度の成績が得られており，有用な術式であると考えられる．文献1）BrieflySC,IzquierdoLJr,MannisMJ：Penetratingkeratoplastyforkeratoconus.Cornea19：329-332,20002）KirknessCM,FickerLA,SteeleADetal：Thesuccessofpenetratingkeratoplastyforkeratoconus.Eye4：（Pt5）673-688,19903）ShimmuraS,TsubotaK：Deepanteriorlamellarkeratoplasty.CurrOpinOphthalmol17：349-355,20064）SugitaJ,KondoJ：Deeplamellarkeratoplastywithcompleteremovalofpathologicalstromaforvisionimprovement.BrJOphthalmol81：184-188,19975）CohenAW,GoinsKM,SutpinJEetal：Penetratingkeratoplastyversusdeeplamellarkeratoplastyforthetreatmentofkeratoconus.IntOphthalmol30：675-681,20106）WilliamJR,DavidCM,DeborahSJetal：Deepanteriorlamellarkeratoplastyasanalternativetopenetratingkeratoplasty.Ophthalmology118：209-218,20117）MellesGR,LanderF,vanDoorenBTetal：Anewsurgicaltechniquefordeepstromal,anteriorlamellarkeratoplasty.BrJOphthalmol83：327-333,19998）AnwarM,TeichmannK：Big-bubbletechniquetobareDescemet’smembraneinanteriorlamellarkeratoplasty.JCataractRefractSurg28：398-403,20029）SenooT,ChibaK,TeradaOetal：Deeplamellarkeratoplastybydeepparenchymadetachmentfromthecorneallimbus.BrJOphthalmol89：1597-1600,200510）LeccisottiA：Descemet’smembraneperforationduringdeepanteriorlamellarkeratoplasty：Progress.JCataractRefractSurg33：825-829,200711）YaoYF：Anoveltechniqueforperformingfull-beddeeplamellarkeratoplasty.Cornea27：19-24,200812）HanDC,MehtaJS,PorYMetal：Comparisonofoutcomesoflamellarkeratoplastyandpenetratingketatoplastyinkeratoconus.AmJOphthalmol148：629-631,200913）ShimazakiJ,ShimmuraS,IshiokaMetal：Randomizedclinicaltrialofdeeplamellarkeratoplastyvspenetratingkeratoplasty.AmJOphthalmol134：159-165,200214）杉田潤太郎，近藤順子：表層角膜移植と深層角膜移植．眼紀45：1-3,199415）ShimmuraS,ShimazakiJ,OtomoMetal：Deeplamellarkeratoplasty（DLKP）inkeratoconuspatientsusingviscoadaptiveviscoelastics.Cornea24：178-181,2005＊＊＊548あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012（114）</p>
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		<title>中心角膜厚測定値の測定方法による違い</title>
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		<pubDate>Sun, 29 Apr 2012 15:24:16 +0000</pubDate>
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		<description><![CDATA[《原著》あたらしい眼科29（4）：541.544，2012c中心角膜厚測定値の測定方法による違い古橋未帆福地健郎市村美香栂野哲哉樺沢優長谷川真理小林美穂本間友里恵阿部春樹新潟大学大学院医歯学総合研究科視覚病態学分野（眼科 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>《原著》あたらしい眼科29（4）：541.544，2012c中心角膜厚測定値の測定方法による違い古橋未帆福地健郎市村美香栂野哲哉樺沢優長谷川真理小林美穂本間友里恵阿部春樹新潟大学大学院医歯学総合研究科視覚病態学分野（眼科学）CentralCornealThicknessMeasuredby3DifferentInstrumentsMihoFuruhashi,TakeoFukuchi,MikaIchimura,TetsuyaTogano,YuuKabasawa,MariHasegawa,MihoKobayashi,YurieHonmaandHarukiAbeDivisionofOphthalmologyandVisualScience,GraduatedSchoolofMedicalandDentalSciences,NiigataUniversity目的：3種類の異なった測定方法による中心角膜厚測定値の差について検討した．対象および方法：対象は明らかな眼疾患をもたない正常眼62例124眼である．平均年齢は33.6±10.5歳で，男性60眼，女性64眼である．各眼の中心角膜厚を超音波法，スペキュラーマイクロスコープ（スペキュラー）法，前眼部光干渉断層（OCT）法の3種類の方法で測定した．すべての症例について同一機会に3種類の方法による測定を連続して行った．いずれの測定値も3回の平均値とした．結果：各方法による中心角膜厚測定値は，超音波法558.1±34.8μm，スペキュラー法553.8±33.7μm，OCT法538.2±32.0μmであった．OCT法では超音波法，スペキュラー法よりも薄く計測され有意な差がみられた（p＝0.001および＜0.001，Tukey法による多重比較検定）．各測定方法間の相関に関する決定係数は0.5195，0.4532，0.7054と高度から中等度の相関を示した．角膜が厚いほど各測定方法間の差が大きくなる傾向がみられた．各方法の測定再現性は，変動係数でみると超音波法1.8％，スペキュラー法4.2％，OCT法2.4％と良好であった．結論：中心角膜厚測定値には3種類の測定方法で差がみられた．各測定方法の特徴を理解し，その測定値を評価する際には，それがいずれの方法を用いたものなのかという点にも留意する必要がある．Purpose：Tomeasureandcomparecentralcornealthickness（CCT）using3differentinstruments.Patientsandmethods：Subjectsofthisstudycomprised124eyesof62normalvolunteers（60males,64females）withnooculardiseases.Meanagewas33.6±10.5years.CCTwasmeasuredviaultrasoundpachymeter（UP）,specularmicroscope（SP）andanteriorsegmentopticalcoherencetomograph（OCT）inrandomturnsatthesameexamination.Eachmeasurementwasrepeated3timesandaveraged.Results：CCTmeasurementwas558.1±34.8μmwithUP,553.8±33.7μmwithSPand538.2±32.0μmwithOCT.MeasurementswithOCTweresmallerstatisticallysignificantlythanthosewithSP（p＝0.001,Tukey’smethod）andUP（p＜0.001）.Coefficientsofdeterminationforthemethodswere0.5195,0.4532and0.7054,respectively,showinghighormiddlecorrelationamongthe3methods.Differencestendedtobecomegreaterasthecorneabecamethicker.Reproducibilitywas1.8％withUP,4.2％withSPand2.4％withOCT.Conclusions：CCTmeasurementsdifferedamongthe3instruments.WemustunderstandthecharacteristicsofeachmethodandtakecareastowhichinstrumentisusedformeasurementinCCTevaluation.〔AtarashiiGanka（JournaloftheEye）29（4）：541.544,2012〕Keywords：中心角膜厚，超音波法，スぺキュラーマイクロスコープ法，前眼部光干渉断層法．centralcornealthickness,ultrasoundpachymeter,specularmicroscope,anteriorsegmentopticalcoherencetomography.はじめに価，角膜内皮細胞機能の評価などの点で臨床的に重要であ中心角膜厚は角膜屈折矯正手術時の手術適応の決定，る1）．緑内障に関しては，眼圧測定値のずれにかかわるだけGoldmann型圧平式眼圧計を用いた眼圧測定値のずれの評でなく，薄い中心角膜厚が開放隅角緑内障の発症や進行のリ〔別刷請求先〕福地健郎：〒951-8510新潟市中央区旭町通1-757新潟大学大学院医歯学総合研究科視覚病態学分野（眼科学）Reprintrequests：TakeoFukuchi,M.D.,DivisionofOphthalmologyandVisualScience,GraduatedSchoolofMedicalandDentalSciences,NiigataUniversity,1-757Asahimachi-dori,Chuo-ku,Niigata951-8510,JAPAN0910-1810/12/\100/頁/JCOPY（107）541スクファクターの一つである，との報告2,3）が散見され，その測定は緑内障診療の標準検査の一つとなっている．当初は中心角膜厚の測定に関して，超音波パキメータを標準として測定された．その後Scheimpflug法によるペンタカムR（OCULUSOptikgerateGmbH.，Wetzlar，Deutschland）やスリットスキャン方式を用いたオーブスキャンR（Bausch&#038;LombTechnolasGmbH，Feldkirchen，Deutschland）などの新規の測定方法・機器が紹介され，これらによる測定値は超音波パキメータの測定値とほぼ一致し，中心角膜厚の測定方法として適している，という多数の報告がみられた4.8）．しかし，最近では同一被検者の中心角膜厚を測定すると，測定方法によって測定値が異なる，という報告がされている9）．そこで，今回，筆者らは，同一被検者の中心角膜厚を，3種類の異なった測定方法で測定し，測定値の差，およびその傾向について検討した．I対象および方法対象は正常被検者62例で，男性30例，女性32例である．平均年齢33.6±10.5（21.64歳），他覚的屈折値（等価球面値）.3.8±3.2（＋1.25..12.0）ジオプトリーである．いずれの被検者も視力は矯正1.2以上で，眼圧測定に影響を及ぼす角膜疾患，およびその既往はない．また，白内障などの中間透光体の混濁や，視神経乳頭，黄斑部を含む眼底の異常は認められなかった．同一被検者に対し，1）超音波法，2）スペキュラーマイクロスコープ法（以下，スペキュラー法），3）前眼部光干渉断層法（以下，OCT法）の3種類の測定方法により，中心角膜厚の測定を行った．同一検者が同一機会にそれぞれ3回以上測定し，全測定値のなかから無作為に選択した3種類の測定値の平均値を測定値とした．3種類の方法による測定の順番は，まず，非接触検査であるスペキュラー法もしくはOCT法による測定を行い，最後に接触検査である超音波法で計測を行った．スペキュラー法とOCT法の順番は症例によって異なり，ランダムに行われた．超音波法にはTOMEYPACHYMETER-2000R（トーメー社，日本）を，スペキュラー法にはTOMEYEM-3000R（トーメー社，日本）を，OCT法にはSL-OCT（HeidelbergEngineering，Heidelberg，Deutschland）を用いた．超音波法は点眼麻酔を行ったうえでプローブを角膜表面に対し垂直に当て測定し，スペキュラー法は撮影光の涙液層の反射と角膜内皮層の反射との距離で測定し，OCT法は計測光と参照光の干渉現象によって測定している．まず，3種類の測定方法による測定値の再現性を検討した．つぎに各測定方法間の相関と比較を行った．3群の平均の比較はTukey法による多重比較検定によって行った．危険率5％未満を統計学的有意差とした．II結果中心角膜厚測定値は，超音波法で558.1±34.8μm，スペキュラー法で553.8±33.7μm，OCT法で538.2±32.0μmであった（表1）．Tukey法による多重比較検定の結果で，スペキュラー法と超音波法の間でp＝0.501，超音波法とOCT法の間でp＜0.001，OCT法とスペキュラー法との間でp＝0.001で，超音波法とOCT法の間，OCT法とスペキュラー法の間で統計学的に有意な差がみられた．各測定方法間の相関に関する決定係数はスペキュラー法と超音波法の間でR2＝0.4532，超音波法とOCT法の間でR2＝0.7054，OCT法とスペキュラー法の間でR2＝0.5195と，超音波法とOCT法の間では高い相関を示したが，スペキュラー法と超音波法，OCT法とスペキュラー法の間の相関は中等度であった（表2）．回帰直線は，スペキュラー法と超音波法の間でy＝0.6963x＋172.52，超音波法とOCT法の間でy＝0.915x＋65.727，OCT法とスペキュラー法の間でy＝0.7592x＋145.24であった（図1）．いずれの測定方法の間でも中心角膜厚のいわゆる正常範囲内では，角膜厚が厚くなるほど，違いが大きくなる傾向がみられ，その傾向はスペキュラー法と超音波法の間で最も顕著であった．3種類の方法の再現性は，超音波法1.8％，スペキュラー法4.2％，OCT法2.4％と，スペキュラー法が若干低いものの，比較的良好であった（表1）．表1各測定方法の結果測定法超音波法スペキュラー法OCT法測定機器PACHYMETER-2000EM-3000SL-OCT測定値（μm）558.1±34.8553.8±33.7538.2±32.0再現性1.8％4.2％2.4％表2各測定方法間の相関・比較測定方法スペキュラー法と超音波法超音波法とOCT法OCT法とスペキュラー法回帰直線y＝0.6963x＋172.52y＝0.915x＋65.727y＝0.7592x＋145.24決定係数0.45320.70540.5195多重比較検定（Tukey法）p＝0.501p＜0.001p＝0.001542あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012（108）a：スペキュラー法と超音波法法の間の相関は中等度であった．また，それぞれの間の回帰y＝0.6963x＋172.52R2＝0.4532直線の傾きは0.7592，0.6963，0.915であり，各方法によっ650.0て測定値に差がみられるだけでなく，各測定装置の特性と測超音波法（μm）定原理の違いを考慮する必要を示唆していると考えられた．今回，検討した3種類の測定方法の原理には以下のような600.0550.0違いがある．まず超音波法は，測定プローブの先端から超音波を発信し，角膜後面で反射した超音波エコーを測定してい500.0る．スペキュラー法は，涙液層の反射と角膜内皮層の反射と450.0450.0500.0550.0の距離で測定している．OCT法は，計測光と参照光の干渉現象によって測定される．いずれも角膜厚の測定原理がまったく異なる．超音波法には，プローブを当てる位置によっ600.0650.0スペキュラー法（μm）b：超音波法とOCT法て，周辺部を含めたさまざまな部位での測定ができる，測定y＝0.915x＋65.727R2＝0.7054650.0に可視光を用いないため角膜混濁があっても測定可能であOCT法（μm）600.0550.0500.0450.0450.0500.0550.0c：OCT法とスペキュラー法600.0650.0超音波法（μm）スペキュラー法（μm）る，機器が比較的安価である，などの利点がある．スペキュラー法では，現在では非接触のオート撮影の機種が一般的であり，測定は簡便であるという利点がある．さらに，OCT法は，測定に赤外光を用いているため，羞明を最小限に抑えて測定することができ，混濁の影響を受けにくいことが利点としてあげられる．また，角膜厚だけでなく，前房深度や隅角の角度などの計測が可能な点も利点としてあげられる．一方，欠点としては，超音波法は接触検査であり，点眼薬による麻酔を要し，感染や角膜上皮障害の危険性を考慮する必要がある．正確な測定には角膜に対してプローブを垂直に接触させることが必須で，プローブの接触位置や角度によって測定値が変動する可能性がある．つまり，正確で安定した測定値を得るためには，ある程度の熟練が必要である．スペキュラー法は，角膜全層を透過する必要があり，したがって角膜混濁，浮腫のある症例では測定が不可能，もしくは不正確となることが欠点としてあげられる．また，OCT法は測定角度や位置のずれによって誤差が生ずる可能性がある．特に今回用いたSL-OCTは一般の細隙灯に付属し操作が容易である反面，患者が正面視していること，角膜中央を，かつ垂直に測定していることをモニターする装置は付属しておらず，650.0y＝0.7592x＋145.24R2＝0.5195600.0550.0500.0450.0450.0500.0550.0600.0650.0OCT法（μm）図1各測定方法間の相関と比較相関は各機種間の相関係数を算出し，プロット．回帰直線，決定係数を示す．測定精度保証の点で若干の問題がある．これまでにも超音波パキメータを始めとするさまざまな測定方法，測定装置による中心角膜厚に関する報告がみられる．これらの報告のほとんどで，超音波法によって測定した正常眼の中心角膜厚は478.8.545.6μm8.11）で，スペキュラIII考按今回の研究では，正常眼の中心角膜厚を超音波法，スペキュラー法，OCT法の3種類の異なる方法で測定し，その測定値の差について検討した．結果として中心角膜厚測定値は3種類の測定方法によって差がみられ，特に超音波法に対してスペキュラー法では統計学的に明らかに有意に薄く計測された．いずれの方法の測定値の間に，当然，相関がみられるものの，超音波法とOCT法では0.7054と高い相関がみられ，スペキュラー法と超音波法，OCT法とスペキュラー（109）ー法では薄めに測定されるとの報告がある12,13）．また，筆者らと類似の研究として，細田らは同様に3種類の測定方法で正常眼の中心角膜厚を測定，比較した．結果，超音波法では526.5±33.9μmに対して，スペキュラー法512.7±38.7μm，Scheimpflug法534.3±35.6μmで，やはりスペキュラー法で薄く測定されていた1）．結果として，中心角膜厚測定値は測定方法によって異なると認識する必要がある．その理由としてはどのようなことがあたらしい眼科Vol.29，No.4，2012543考えられるだろうか？厳密に考えると，これらの測定装置のいずれを用いたとしても，実際に測定されたポイントや角度のずれの再現性を保証する方法は付属していない．また，測定方法や装置に対する検者の慣れや熟練度が影響する可能性がある．たとえば，説田らは，超音波法はOCT法に比較して再現性が低いと報告している10）．しかし，今回の筆者らの結果ではむしろ超音波法で最も再現性が高かった．同じ測定原理，方法でも装置（機種）の違いや検者の熟練度の差によって結果が異なる可能性がある．それぞれの方法の測定原理の特徴についても考慮する必要がある．たとえば，超音波法は測定プローブで涙液層を圧排し，角膜上皮層から角膜内皮層までを測定していると考えられている．それに対してスペキュラー法とOCT法は，涙液層から角膜内皮層までを測定すると考えられている．しかし，スペキュラー法に対して超音波法のほうが厚めに測定されるとの報告が多く，この理由の正否には疑問が残る．おそらく，測定方法や装置ごとの測定原理の差とともに，キャリブレーションの方法の違いなども考慮する必要があるかもしれない．さらに厚い角膜ほど測定値の誤差が大きい傾向がみられた．最後に，臨床の現場においては，中心角膜厚測定値は測定方法によって差があること，各方法の特性に違いがあることについて理解し，意識しながら中心角膜厚の評価を行うことが勧められる．可能ならば自ら用いている測定装置による平均値と正常値を自ら測定し，算出したうえで使用していくことが望ましい．文献1）細田進悟，結城賢弥，佐伯めぐみほか：非接触型前眼部測定装置ペンタカムRと超音波法，スペキュラ法による開放隅角緑内障患者の中心角膜厚測定値の比較．臨眼63：1777-1781,20092）BrandtJD：Centralcornealthicknessasariskfactorforglaucoma.FrontiersinGlaucoma10：198,20103）LinW,AoyamaY,KawaseKetal：Relationshipbetweencentralcornealthicknessandvisualfielddefectinopen-angleglaucoma.JpnJOphthalmol53：477-481,20094）坂西良彦，坂西涼子，坂西三枝子：Scheimpflug式前眼部3D解析装置と超音波測定法による角膜厚の比較．眼臨100：719,20065）田口浩司：各種中心角膜厚測定の比較．あたらしい眼科23：477-478,20066）鈴木茂伸：角膜厚の評価．眼科診療プラクティス89：98-99,20027）本田紀彦，天野史郎：角膜厚測定．眼科49：1307-1311,20078）川名啓介，加治優一，大鹿哲郎ほか：3種類の角膜厚測定方式の比較．眼臨97：1044,20039）相良健，高橋典久，小林泰子ほか：レーザー光線による非接触型角膜厚測定器の精度について．日眼会誌108（臨増）：288,200410）説田雅典，吉田有岐，青木喬司ほか：4種類の角膜厚測定機器の比較．眼科52：1721-1725,201011）徳江裕佳，北善幸，北律子ほか：スペクトラルドメイン光干渉断層計と超音波角膜厚測定装置による中心角膜厚の比較．あたらしい眼科27：91-94,201012）藤岡美幸，辰巳泰子，楠原あづさほか：前房深度に対する機種間中心角膜厚の一致性．日眼会誌110（臨増）：170,200613）天野由紀，本田紀彦，天野史郎ほか：各種角膜厚測定法の比較．日眼会誌109（臨増）：172,2005＊＊＊544あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012（110）</p>
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		<title>電気生理学的手法を用いたチモロールマレイン酸塩点眼液の角膜上皮障害性の検討</title>
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		<pubDate>Sun, 29 Apr 2012 15:23:18 +0000</pubDate>
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		<description><![CDATA[《原著》あたらしい眼科29（4）：536.540，2012c電気生理学的手法を用いたチモロールマレイン酸塩点眼液の角膜上皮障害性の検討中嶋幹郎＊1手嶋無限＊1中嶋弥穂子＊1上松聖典＊2北岡隆＊2＊1長崎大学大学院医歯薬学 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>《原著》あたらしい眼科29（4）：536.540，2012c電気生理学的手法を用いたチモロールマレイン酸塩点眼液の角膜上皮障害性の検討中嶋幹郎＊1手嶋無限＊1中嶋弥穂子＊1上松聖典＊2北岡隆＊2＊1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科臨床薬学講座＊2同眼科・視覚科学講座EvaluationofCornealEpithelialBarrierBreakdownCausedbyTimololMaleateEyedropsUsinganElectrophysiologicMethodMikiroNakashima1）,MugenTeshima1）,MihokoNNakashima1）,MasafumiUematsu2）andTakashiKitaoka2）1）DepartmentofClinicalPharmacy,2）DepartmentofOphthalmologyandVisualSciences,GraduateSchoolofBiomedicalSciences,NagasakiUniversityドナー相ターンオーバーシステムと家兎角膜を用いた電気生理学的手法により，チモロールマレイン酸塩点眼液の角膜上皮障害性を検討した．塩化ベンザルコニウム（BK）を防腐剤として含有するチモロールマレイン酸塩の3種類の点眼液〔チモプトールR点眼液0.5％，リズモンTGR点眼液0.5％，リズモンTGR点眼液0.5％（BK減量製剤：0.001％BKを含有）〕とBK以外の防腐剤を含有する1種類のチモロールマレイン酸塩の点眼液（チモプトールXER点眼液0.5％）を試験薬として用いた．各点眼液を摘出家兎角膜に添加し，ヒト涙液の代謝回転を再現したドナー相ターンオーバーシステムを用いた電気生理学的手法により，角膜表面の経上皮電気抵抗（TEER）の変化を測定した．点眼液の角膜上皮障害性はTEERの低下を指標として評価した．その結果，点眼液添加後の角膜TEERの低下は，防腐剤のBK濃度に依存し，リズモンTGR点眼液0.5％（BK減量製剤：0.001％BKを含有）添加後の値が最も小さかった．また，BK以外の防腐剤を含有する点眼液もBKを含有する点眼液と同様に角膜TEERの低下が認められた．Cornealepithelialdisorderscausedbytimololmaleateeyedropswerereviewedbytheelectrophysiologicmethod,usingadonor-phaseturnoversystemandrabbitcorneas.Usedinthisstudywerethreekindsoftimololmaleateeyedropscontainingbenzalkoniumchloride（BK）asanophthalmicpreservative：TIMOPTOLROphthalmicSolution0.5％,RYSMONTGROphthalmicSolution0.5％andRYSMONTGROphthalmicSolution0.5％（alow-BKpreparationcontaining0.001％BK）,andatimololmaleateeyedropcontaininganophthalmicpreservativeotherthanBK：TIMOPTOLXEROphthalmicSolution0.5％．Eacheyedropswereappliedtoexcisedrabbitcorneas,andchangesintransepithelialelectricalresistance（TEER）inthecornealsurfaceweremonitoredbytheelectrophysiologicmethod,withdonor-phaseturnoversystem,tomimichumantearturnover.CornealepithelialdisorderscausedbytheeyedropswereassessedusingTEERdecreaseasanindex.ResultsshowedthattheextentofdecreaseincornealTEERaftereyedropapplicationwasdependentonBKcontent,thedecreasebeingleastafterapplyingRYSMONTGROphthalmicSolution0.5％（alow-BKpreservativecontaining0.001％BK）.TheeyedropcontainingapreservativeotherthanBK,liketheeyedropscontainingBK,alsoshowedadecreaseincornealTEER.〔AtarashiiGanka（JournaloftheEye）29（4）：536.540,2012〕Keywords：角膜上皮障害，防腐剤，塩化ベンザルコニウム，チモロールマレイン酸塩点眼液，電気生理学的手法．cornealepithelialdisorders,preservative,benzalkoniumchloride,timololmaleateeyedrops,electrophysiologicmethod.〔別刷請求先〕中嶋幹郎：〒852-8521長崎市文教町1-14長崎大学大学院医歯薬学総合研究科臨床薬学講座Reprintrequests：MikiroNakashima,DepartmentofClinicalPharmacy,GraduateSchoolofBiomedicalSciences,NagasakiUniversity,1-14Bunkyo-machi,Nagasaki852-8521,JAPAN536536536あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012（102）（00）0910-1810/12/\100/頁/JCOPYはじめに緑内障はわが国の失明原因の上位に位置する疾患として知られている．国内で40歳以上の緑内障の有病率は5.0％とされ，300万人近い罹患患者が存在すると推定されている1,2）．緑内障治療は，患者の視機能維持が主目的となり，長期間の点眼液による治療が必要となるため，目に優しく安全に使用できる点眼液の有用性は高い．最近，点眼液に含まれる防腐剤の塩化ベンザルコニウム（以下，BK）によるさまざまな副作用が報告されており，臨床における点眼液治療の問題となっている3）．このBKは角膜表面の上皮層のバリア機能に悪影響を及ぼすことが知られている4）．したがって，点眼液の角膜上皮バリア能に対する影響を検討し，角膜障害性の少ない点眼液を用いた治療を選択することは，患者のQOL（qualityoflife）やアドヒアランス向上のために重要な取り組みといえる．筆者らは，角膜表面の経上皮電気抵抗（TEER）が，点眼液適用時に現れる角膜上皮バリア機能の変化を検出できる感度の高いパラメータであると考え，8種類の抗アレルギー点眼液について摘出角膜を用いた電気生理学的試験と角膜上皮の培養細胞を用いた細胞毒性試験を行ったところ，角膜TEERの低下の程度が角膜上皮の細胞障害性の強度と有意な相関性を示したことから，角膜TEERの低下を指標として角膜上皮障害性を評価できることを報告した5）．最近，緑内障点眼液として汎用されているチモロールマレイン酸塩点眼液では，防腐剤の種類やその添加濃度が異なるゲル化製剤が市販されている．そこで本研究では，筆者らが考案した電気生理学的手法5,6）を用いて，チモロールマレイン酸塩点眼液の各種製剤の角膜上皮障害性を検討し，得られた結果を比較した．I実験材料1.実験動物空調および温度管理を行った個別のケージにて標準実験動物用飼料（ORC4，オリエンタルイースト）で飼育された2.0.2.5kgの雄性日本白色家兎（KBT：JW系，KBTオリエンタル）を用いた．家兎は自由に飼料と水の摂取できる状態で飼育した．なお，すべての実験は，動物の飼育と使用の指針となる原則（DHEWPublication,NIH80-23），動物の研究利用に関するARVO（TheAssociationforResearchinVisionandOphthalmology）決議およびヘルシンキ宣言に従った．2.チモロールマレイン酸塩点眼液の試験薬防腐剤としてBKを含む3種類のチモロールマレイン酸塩点眼液ならびに防腐剤として臭化ベンゾドデシニウムを使用している1種類のチモロールマレイン酸塩点眼液を用いた．チモプトールR点眼液0.5％（防腐剤として0.005％BKを含有）およびチモプトールXER点眼液0.5％（防腐剤として0.012％臭化ベンゾドデシニウムを含有）は参天製薬から入手した．一方，リズモンTGR点眼液0.5％（防腐剤として0.005％BKを含有）およびリズモンTGR点眼液0.5％（BK減量製剤）（防腐剤として0.001％BKを含有）はわかもと製薬から入手した．II実験方法1.電気生理学的手法前報5,6）の方法に準拠し，ドナー相にヒト涙液の代謝回転速度と同じ16％/minのターンオーバーシステムを備えたUssingチャンバーシステム（CHM1，WorldPrecisionInstruments）を用いて実験を行った（図1）．Ussingチャンバーシステムのドナー相とレシーバー相に取り付けたAg/AgCl電極によって電流および電圧の測定を行った．各チャンバーは，グルタチオン重炭酸加リンゲル液7）（以下，GBR）で満たし，95％O2と5％CO2の混合気によって曝気し，37℃に保ったGBRを循環させた．すべての実験は37℃に保ったUssingチャンバーで行った．家兎をペントバルビタールナトリウムの投与により屠殺した後，角膜を摘出し，ゴム製アダプターとO-リングを取り付けたUssingチャンバーのドナー相とレシーバー相の接合部（面積0.53cm2）に装着し，ドナー相とレシーバー相の容量がそれぞれ6mlと7mlとなるようにGBRを加えた．Ag/AgCl電極の電流は自動電圧測定装置（CEZ-9100，日本光電）につなぎ測定した．摘出した角膜の上皮細胞のアピカル側細胞膜とベーサル側細胞膜の電位差（PD）を2対のAg/AgCl電極で測定した．直流電流は1対のAg/AgCl電極（角膜組織と遠位の電極）で測定した．また，ドナー相─角膜─レシーバー相を流れる短絡回路電流（Isc）は0V（ゼロボルト）の状態で測定を行った．角膜TEERは，60秒間隔で10mVのパルス電圧を1秒間かけたときに流れる最大電流量より角膜の単位面積当たりの電気抵抗値として計算した．摘出角膜を実験装置に装着後，80分間プレインキュベーションを行った後，角膜TEERが約1,000W・cm2の定常状態に達した後にドナー相のGBRの半量を試験薬の各種点眼液で置換し，実験を開始した．点眼液をドナー相に添加した後，ドナー相はただちにぺリスタポンプにより新鮮なGBRを0.96ml/min（16％/min）の速度で100分間にわたりターンオーバーさせた．その際，電気生理学的パラメータは5分間隔で100分間測定した．点眼液添加後に低下した角膜TEERを定量的に評価するため，初期値を100％として点眼液添加後の60分間における低下面積を5分間隔で台形法を用いて算出し，その合計を計算した5）．2.統計解析統計学的解析は，分散分析とScheffeの検定により行い危険率は5％未満とした．（103）あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012537チモプトールXE.チモプトール.（0.012％臭化ベンゾドデシニウム）150（0.005％BK）150拡散セルAg/AgCl電極Ussingチャンバーシステム自動電圧測定装置UssingチャンバーシステムぺリスタポンプTEERの変化（％）TEERの変化（％）TEERの変化（％）TEERの変化（％）1005010050080080120160120160時間（分）時間（分）リズモンTG.リズモンTG.（0.005％BK）（0.001％BK）1501005015010050080080120160120160時間（分）時間（分）図2ドナー相の代謝回転を有する電気生理学的実験システムで測定した4種類のチモロールマレイン酸塩点眼液の角膜表面の経上皮電気抵抗（TEER）に与える影響摘出角膜を実験装置に装着80分後の角膜TEER値を100％とし，点眼液添加後のTEER値の変化を測定した．各値は実験3回の平均値±標準誤差を表す．し，製剤改良によりBK濃度が1/5に減量されたリズモン摘出角膜添加試料ドナー相レシーバー相Ag／AgCl電極16％／minターンオーバーぺリスタポンプ直流電流FlowFlow自動電圧測定装置図1電気生理学的実験装置III結果防腐剤としてBKを含む3種類のチモロールマレイン酸塩点眼液ならびに防腐剤として臭化ベンゾドデシニウムを使用している1種類のチモロールマレイン酸塩点眼液の角膜上皮バリア能へ及ぼす影響を調べた結果を図2に示す．チモプトールR点眼液0.5％とリズモンTGR点眼液0.5％では，角膜TEERの低下パターンに違いが認められたものの，ともに不可逆的な角膜TEERの中等度の低下が観察された．しか538あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012TGR点眼液0.5％（BK減量製剤：0.001％BKを含有）では，添加直後に一過性の角膜TEERの低下がみられたが，その後角膜TEERは初期値近くにまで回復した．また，BK以外の防腐剤を含有するチモプトールXER点眼液0.5％でも不可逆的な角膜TEERの中等度の低下が観察された．そこで，各種点眼液の角膜TEERの添加直後から初期の60分間における低下面積を算出した．算出結果はチモプトールR点眼液0.5％（1,921±137％・min），リズモンTGR点眼液0.5％（1,742±579％・min），チモプトールXER点眼液0.5％（1,412±639％・min），リズモンTGR点眼液0.5％（BK減量製剤：0.001％BKを含有）（1,269±651％・min）の順で，試験薬のなかではチモプトールR点眼液0.5％の角膜TEER低下面積が最も大きく，それに比べてリズモンTGR点眼液0.5％（BK減量製剤：0.001％BKを含有）の値は有意に小さかった（p＜0.05）．IV考按角膜は，点眼液が眼球を透過する際の主要な経路である．角膜上皮のうち，表層上皮細胞の間の頂端側タイトジャンクションが傍細胞経路を通過する際の拡散に対する強い抵抗を生じ，親水性薬物が傍細胞経路を通過するのを制限している．上皮組織の傍細胞経路は，通常，電気生理学的パラメー（104）タによる評価が可能である．一般的に，角膜TEERは，上皮組織の傍細胞経路の透過性により生じる変化に最も感受性が高い8）．Rojanasakulら9）は，家兎の各組織の上皮細胞についてTEERを比較し，他の組織と比べて角膜上皮細胞は互いに非常に緊密な結合組織であることを報告している．その報告でのTEERは以下のとおりであった．皮膚（9,703W・cm2）＞口腔（1,803W・cm2）＞角膜（1,012W・cm2）＞直腸（406W・cm2）＞腟（372W・cm2）＞気管（291W・cm2）＞気管支（266W・cm2）＞鼻（261W・cm2）＞小腸（211W・cm2）．この報告での角膜TEERの値は，筆者らの前報の結果5）とほぼ一致している．筆者らは角膜TEERの低下を指標として角膜上皮障害性を評価できる新しい評価系を報告した5）が，一方，BursteinとKlyce10）は，点眼液によって角膜TEERが低下する程度が，角膜上皮の形態学的な障害度を示すことを明らかにしている．ヒトの結膜.に保持されている涙液は通常7μlであるが，その16％が1分間に入れ替わると報告されており，この涙液の代謝回転により，点眼液は点眼後速やかに外眼部から排出される11）．Ussingチャンバーシステムを用いた今回の実験方法では，ヒト涙液の代謝回転を考慮し，ドナー相の溶液がぺリスタポンプにより16％/minの交換率でGBRを灌流して実際に点眼した状態のクリアランスを再現している．この方法により，4種類のチモロールマレイン酸塩点眼液の角膜上皮に対する影響を検討した結果，角膜TEERの低下はBKの濃度変化に依存することが示された．また，臭化ベンゾドデシニウムを含有する点眼液も，BKを含有する点眼液と同様に角膜TEERが低下することがわかった（図2）．BKは，静菌性と殺菌性の作用があるため，眼科用保存剤として市販点眼液に0.001.0.02％の濃度で広く使用されている．しかし，その一方で角膜上皮障害など眼組織への影響が懸念されている12）．筆者らは，Ussingチャンバーのドナー相ターンオーバーシステムによる電気生理学的手法を用いて摘出家兎角膜の電気生理学的特性を測定し，キサラタンR点眼液0.005％（0.02％BK含有0.005％ラタノプロスト点眼液）が角膜TEERを不可逆的に大きく低下させることを明らかにした13）．また，そのなかで角膜TEERが，0.005％ラタノプロストのみを添加しただけでは変化しないものの，0.02％BKを添加すると不可逆的に大きく低下することを示した．近年，福田らは，角膜抵抗測定装置を用いて家兎生体眼に対する4種類のプロスタグランジン点眼液の角膜障害性を検討し，BK添加濃度が高いキサラタンR点眼液の角膜障害性が最も高かったことを報告している14）．Wangらは，家兎角膜上皮の培養細胞を用いて，レスキュラR点眼液0.12％（0.01％BK含有0.12％イソプロピルウノプロストン点眼液）の添加が角膜バリア機能を障害することに加え，0.12％イソプロピルウノプロストンのみではバリア機能に障害を与え（105）ないことを報告している15）．したがって，キサラタンR点眼液0.005％およびレスキュラR点眼液0.12％による角膜TEERの低下は，点眼液に含有される高いBK濃度（0.01.0.02％）が影響した可能性が考えられる．今回の検討の結果，BK添加濃度を0.001％に大きく減量したリズモンTGR点眼液0.5％（BK減量製剤）では，BKを0.005％含有する他の2製剤に比べて角膜TEERの低下率が少なかったが，これはBKの角膜に対する影響が軽減されていることを示す結果である．本研究では，BK添加濃度が同じ0.005％のチモプトールR点眼液0.5％とリズモンTGR点眼液0.5％で角膜TEERの低下パターンに違いが認められた．これは点眼液に含まれるBK以外の添加剤により，角膜TEERの変化が影響を受けることを示唆している．また，BK以外の防腐剤を含有するチモプトールXER点眼液0.5％もBKを0.005％含有する2製剤と同程度の角膜TEERの低下を認めた．筆者らが抗アレルギー点眼液の角膜TEERに対する影響を検討した結果では，防腐剤にクロロブタノールとパラベン類（パラオキシ安息香酸エステルの総称）を含有するゼペリンR点眼液0.1％では，角膜TEERの低下はわずかであったことから5），BK以外の防腐剤でも，その種類により角膜上皮バリア機能に対する影響が異なることが示唆された．以上の結果から，ドナー相ターンオーバーシステムと家兎角膜を用いた電気生理学的手法により観察された角膜TEERの変化は，点眼液によって生じる角膜上皮障害を予測する指標として有用であると考える．文献1）IwaseA,SuzukiY,AraieMetal：TheTajimiStudy,Theprevalenceofprimaryopen-angleglaucomainJapanese.Ophthalmology111：1641-1648,20042）YamamotoT,IwaseA,AraieMetal：TheTajimiStudyreport2,PrevalenceofprimaryangleclosureandsecondaryglaucomainaJapanesepopulation.Ophthalmology112：1661-1669,20053）BaudouinC：Detrimentaleffectofpreservativesineyedrops：implicationsforthetreatmentofglaucoma.ActaOphthalmol86：716-726,20084）相良健：オキュラーサーフェスへの影響：防腐剤の功罪．あたらしい眼科25：789-794,20085）NakashimaM,NakamuraT,TeshimaMetal：Breakdownevaluationofcornealepithelialbarriercausedbyantiallergiceyedropsusinganelectrophysiologicmethod.JOculPharmTherap24：43-51,20086）NakamuraT,TeshimaM,KitaharaTetal：Sensitiveandreal-timemethodforevaluatingcornealbarrierconsideringtearflow.BiolPharmBull33：107-110,2010,7）SchoenwaldRD,HuangH-S：Cornealpenetrationbehaviorofbeta-blockingagentI：Physiochemicalfactors.Jあたらしい眼科Vol.29，No.4，2012539PharmSci72：1266-1272,19838）KlyceSD：Relationshipofepithelialmembranepotentialstocornealpotential.ExpEyeRes15：567-575,19739）RojanasakulY,WangLY,BhatMetal：Thetransportbarrierofepithelia：acomparativestudyonmembranepermeabilityandchargeselectivityintherabbit.PharmRes9：1029-1034,199210）BursteinNL,KlyceSD：Electrophysiologicandmorphologiceffectsofophthalmicpreparationsonrabbitcorneaepithelium.InvestOphthalmolVisSci16：899-911,197711）ChraiSS,MakoidMC,EriksenSPetal：Dropsizeandinitialdosingfrequencyproblemsoftopicallyappliedophthalmicdrugs.JPharmSci63：333-338,197412）PisellaPJ,PouliquenP,BaudouinC：Prevalenceofocularsymptomsandsignswithpreservedandpreservative-freeglaucomamedication.BrJOphthalmol86：418-423,200213）NakashimaM,MurataS,SakanakaKetal：Electrophysiologicalstudyofestimationofcornealepithelialdisordersafterinstillationofantiglaucomatouseyedrops.InThe2ndWorldCongressoftheBoardofPharmaceuticalSciencesofFIP.2004,Kyoto,abstracts39414）福田正道，佐々木洋，高橋信夫ほか：角膜抵抗測定装置によるプロスタグランンジン関連点眼薬の角膜障害性の評価．あたらしい眼科27：1581-1585,201015）WangYD,KashiwagiK,ChenHBetal：Effectsofisopropylunoprostoneophthalmicsolutiononculturedrabbitcornealepithelialcells.Ophthalmologica215：229-234,2001＊＊＊540あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012（106）</p>
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		<title>3％ジクアホソルナトリウム点眼液のドライアイを対象としたオープンラベルによる長期投与試験</title>
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		<pubDate>Sun, 29 Apr 2012 15:22:28 +0000</pubDate>
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		<description><![CDATA[《原著》あたらしい眼科29（4）：527.535，2012c3％ジクアホソルナトリウム点眼液のドライアイを対象としたオープンラベルによる長期投与試験山口昌彦＊1坪田一男＊2渡辺仁＊3大橋裕一＊1＊1愛媛大学大学院高次機能 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>《原著》あたらしい眼科29（4）：527.535，2012c3％ジクアホソルナトリウム点眼液のドライアイを対象としたオープンラベルによる長期投与試験山口昌彦＊1坪田一男＊2渡辺仁＊3大橋裕一＊1＊1愛媛大学大学院高次機能制御部門感覚機能医学講座視機能外科学分野（眼科学）＊2慶應義塾大学医学部眼科学教室＊3関西ろうさい病院眼科TheSafetyandEfficacyofLong-termTreatmentwith3％DiquafosolOphthalmicSolutionforDryEyeMasahikoYamaguchi1）,KazuoTsubota2）,HitoshiWatanabe3）andYuichiOhashi1）1）DepartmentofOphthalmology,EhimeUniversitySchoolofMedicine,2）DepartmentofOphthalmology,KeioUniversitySchoolofMedicine,3）DepartmentofOphthalmology,KansaiRosaiHospital3％ジクアホソルナトリウム点眼液の長期投与時の安全性と有効性を検討するため，ドライアイ患者を対象としたオープンラベルによる多施設共同試験を実施した．被験薬は1回1滴，1日6回，28または52週間点眼とした．Sjogren症候群患者11例，Stevens-Johnson症候群患者2例を含む365例に被験薬が投与された．安全性では，発現率が高かった副作用は，眼脂（6.6％），結膜充血（5.5％），眼刺激（4.4％）および眼痛（3.3％）であった．副作用の程度については，ほとんどが軽度であり，被験薬投与継続中または終了後に，試験開始時と同程度か医学的に問題のない程度まで回復した．有効性では，角膜におけるフルオレセイン染色スコア，角結膜におけるローズベンガル染色スコアおよび涙液層破壊時間（BUT）は，治療期のすべての評価時点においてベースライン値と比較して有意なスコアの低下，もしくはBUTの延長を示し，28週間または52週間の点眼により効果が減弱することはなかった．自覚症状については，治療期のすべての評価時点で異物感，羞明感，.痒感，眼痛，乾燥感，鈍重感，霧視，眼疲労感および眼不快感は投与4週目までに改善し，28週間または52週間まで改善した状態を維持した．眼脂と流涙は改善効果が認められなかったが，投与期間中の悪化も認められなかった．以上より，3％ジクアホソルナトリウム点眼液のドライアイ患者に対する長期投与における安全性および有効性が確認された．Thesafetyandefficacyoflong-termtreatmentwith3％diquafosolophthalmicsolutionwereevaluatedin365patientswithdryeyediseaseinanopen-labelstudy（onedrop,6×-dayinstillationfor28or52weeks）.Oftheadversedrugreactionsthatoccurredduringthetreatmentperiod,themostfrequentwere“eyedischarge”（6.6％）,“conjunctivalhyperemia”（5.5％）,“eyeirritation”（4.4％）and“eyepain”（3.3％）.Mostoftheadversedrugreactionsweremild,allresolvingtoalevelequivalenttobaselineortoamedicallynon-problematiclevel,eitherduringcontinuanceofthestudydrugorafteritsdiscontinuance.Meanchangeinfluoresceincornealstainingscoreandrosebengalcorneal/conjunctivalstainingscoreshowedasignificantdecreasecomparedtobaseline（Week0）atallevaluationpointsduringthetreatmentperiod.MeanchangeinBUTwasfoundtoextendsignificantlycomparedtobaseline（Week0）atallevaluationpointsduringthetreatmentperiod.Regardingmeanchangeinsubjectivesymptoms,althoughnoimprovingtendencywasseenineyedischargeorlacrimationscores,scoresforforeignbodysensation,eyepain,dryfeeling,dullsensation,blurredvision,eyefatigue,oculardiscomfortandtotalsubjectivesymptomsshowedsignificantdecreasescomparedtobaseline（Week0）atallevaluationpointsduringthetreatmentperiod.Theaboveresultsconfirmthesafetyandefficacyoflong-termtreatmentwith3％diquafosolophthalmicsolutionindryeyepatients.〔AtarashiiGanka（JournaloftheEye）29（4）：527.535,2012〕〔別刷請求先〕山口昌彦：〒791-0295愛媛県東温市志津川愛媛大学大学院高次機能制御部門感覚機能医学講座視機能外科学分野（眼科学）Reprintrequests：MasahikoYamaguchi,M.D.,DepartmentofOphthalmology,EhimeUniversityGraduateSchoolofMedicine,Shitsukawa,Touon-shi,Ehime791-0295,JAPAN0910-1810/12/\100/頁/JCOPY（93）527〔AtarashiiGanka（JournaloftheEye）29（4）：000.000,2012〕Keywords：ジクアホソルナトリウム点眼液，安全性，有効性，ドライアイ，長期試験，ムチン．diquafosolophthalmicsolution,safety,efficacy,dryeye,long-termstudy,mucin.はじめにドライアイは，2006年ドライアイ診断基準によれば，「さまざまな要因による涙液および角結膜上皮の慢性疾患であり，眼不快感や視機能異常を伴う」と定義されている1）．わが国の疫学調査では，visualdisplayterminals（VDT）作業者におけるドライアイ罹患率は男性で10.1％，女性で21.5％とされている2）が，近年，VDT作業者，エアコン使用機会，コンタクトレンズ装用者や屈折矯正手術の増加などによってドライアイ患者数は増加傾向にあり3.8），日常臨床において最も遭遇する機会が多い疾患の一つになってきている．涙液層は，マイボーム腺より分泌される脂質，涙腺・結膜上皮より分泌される涙液水層，おもに結膜杯細胞より分泌される分泌型ムチンから構成されている9,10）．分泌型ムチンは涙液水層中に濃度勾配をもって存在し，涙液水層の表面張力を低下させることによって涙液水層が角結膜上皮表面に広がりやすくしている11）．また，角膜および結膜上皮表層には膜結合型ムチンが存在し，陰性に帯電していることによって，陽性に帯電している水分子を角結膜上皮表層にとどめる作用をもっていると考えられており10），分泌型と膜結合型の両方のムチンの働きによって涙液層は角結膜上皮の上に安定して存在することが可能になっている．したがって，涙液水層や分泌型および膜結合型ムチンの減少は，涙液の安定性を低下させ，ドライアイを発症させる要因となる12）．ドライアイ治療の点眼薬としては，人工涙液や精製ヒアルロン酸ナトリウム点眼液がこれまで用いられてきたが，近年，新たなドライアイ治療薬として，水分およびムチンの分泌を促進する3％ジクアホソルナトリウム点眼液（ジクアスR点眼液3％）が開発され，すでに臨床使用されている．ジクアホソルナトリウムは，P2Y2受容体に対してアゴニスト作用を有するジヌクレオチド誘導体で，細胞内のカルシウムイオン濃度を上昇させた結果，結膜上皮細胞からの水分分泌および結膜杯細胞からのムチン分泌を促進させる作用を示し13,14），涙液水層と涙液中ムチンを改善させることにより，ドライアイに対する治療効果を発揮すると考えられる．慢性疾患であるドライアイの治療では，長期間の点眼治療が必要となる場合が多く，点眼の安全性と有効性の確保はきわめて重要である．本報告では，ドライアイ患者を対象に3％ジクアホソルナトリウム点眼液の長期投与による安全性および有効性を検討した．なお，本試験はヘルシンキ宣言に基づく原則に従い，薬事法第14条第3項および第80条の2ならびに「医薬品の臨床試験の実施の基準（GCP）」を遵守し実施された．I対象および方法1.対象本臨床試験は全国30医療機関において実施された（表1）．試験の実施に先立ち，各医療機関の治験審査委員会において試験の倫理的および科学的妥当性が審査され，承認を得た．対象はドライアイと診断された患者であり，選択基準は年齢20歳以上の性別を問わない外来患者で，観察期開始時に両眼が1995年のドライアイ研究会による診断基準においてのドライアイ確定例でフルオレセイン染色スコアが1点以上の症例とし，除外基準とともに表2に示した．試験開始前に，すべての被検者に対して試験の内容および予想される副作用などを十分に説明し，理解を得たうえで，文書による同意を取得した．表1試験実施医療機関一覧医療機関名試験責任医師名医療法人社団深相会青木眼科青木繁医療法人平心会大阪治験病院安藤誠医療法人社団アイクリニック静岡菊川眼科池田宏一郎医療法人社団さくら有鄰堂板橋眼科医院板橋隆三医療法人社団博陽会おおたけ眼科つきみ野医院大竹博司医療法人健究社スマイル眼科クリニック岡野敬医療法人社団明医会上野眼科医院木村泰朗堀之内駅前眼科黒田章仁医療法人朔夏会さっか眼科医院属佑二さど眼科佐渡一成東京歯科大学市川総合病院眼科島﨑潤清水眼科清水裕子医療法人社団高友会立飛ビルクリニック眼科髙橋義徳医療法人社団もとい会谷津駅前あじさい眼科田中まりたはら眼科田原恭治慶應義塾大学病院眼科坪田一男医療法人社団聖愛会中込眼科中込豊医療法人社団富士青陵会中島眼科クリニック中島徹たなし中村眼科クリニック中村邦彦スカイビル眼科医院秦誠一郎医療法人知世会林眼科林直樹大阪大学医学部附属病院眼科前田直之医療法人社団真愛会真鍋クリニック眼科真鍋勉三橋眼科医院三橋正忠医療法人社団ルチア会みやざき眼科宮崎明子医療法人社団平和会葛西眼科医院村瀬洋子むらまつ眼科医院村松知幸国立大学法人愛媛大学医学部附属病院眼科山口昌彦独立行政法人国立病院機構東京医療センター眼科山田昌和渡辺眼科医院渡邉広己528あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012（94）表2選択基準および除外基準1）選択基準1．20歳以上2．観察期開始時において，両眼ともにドライアイ研究会による診断基準（1995年）に沿ってドライアイ確定例＊と診断，かつ，フルオレセイン染色スコアが1点以上3．少なくとも片眼において，観察期終了時にフルオレセイン染色スコアが1点以上＊ドライアイ確定例診断基準（1995年）に沿って，次の①および②を満たす患者をドライアイ確定例とする．①無麻酔下Schirmer試験で5分間に5mm以下または涙液層破壊時間（BUT）が5秒以下②フルオレセイン染色スコアが1点以上（3点満点）またはローズベンガル染色スコアが3点以上（9点満点）2）除外基準1．眼類天疱瘡と診断されている2．角結膜化学腐食または熱腐食と診断されている3．ドライアイ以外の治療を必要とする眼疾患を有する4．眼瞼が解剖学的および機能的に異常である（閉瞼不全など）5．同種造血幹細胞移植の既往を有する6．角膜屈折矯正手術の既往を有する7．アレルギー性結膜炎を有し，試験期間中に症状が増悪する恐れがあり，薬効評価上不適当と判断された8．観察期開始前3カ月以内に内眼手術（レーザー治療を含む）の既往を有する9．涙点の閉塞を目的とした治療（涙点プラグ挿入術，外科的涙点閉鎖術など）を観察期開始前1カ月以内まで継続していた10．心，肝，腎，血液疾患，その他の中等度以上の合併症をもち，薬効評価上不適当と判断された（中等度以上とは，例えば「1992年薬安第80号医薬品等の副作用の重篤度分類の基準について」のグレード2以上に相当）11．妊娠中，授乳中または妊娠している可能性がある，または予定の試験期間終了後1カ月以内に妊娠を希望する12．試験期間中に使用する予定の薬剤（フルオレセイン，ローズベンガル，塩酸オキシブプロカインなどの点眼麻酔剤）に対し，アレルギーの既往がある13．試験期間中にコンタクトレンズの装用を必要とする14．試験期間中に併用禁止薬を使用する予定および/または併用禁止療法を実施する予定がある15．過去にジクアホソルナトリウム点眼液の治験に参加した（ただし，被験薬を点眼しなかった被検者は可とする）16．観察期開始前1カ月以内に他の治験に参加した2.被験薬被験薬である3％ジクアホソルナトリウム点眼液は，1ml中にジクアホソルナトリウム（図1）を30mg含有する無色澄明の水性点眼液である．観察期用プラセボ点眼液は，3％ジクアホソルナトリウム点眼液の基剤点眼液（有効成分を含有しない点眼液）である．3.用法・用量被験薬は1回1滴，1日6回（2.3時間毎），観察期2週間および治療期28週間または52週間，両眼に点眼した．観察期間中は観察期用プラセボ点眼液を，治療期間中は3％ジクアホソルナトリウム点眼液を，それぞれ点眼した．4.検査・観察項目試験期間中は表3のごとく検査・観察を行った．5.併用薬および併用療法試験期間を通じて，すべての眼科疾患に対する治療薬，副腎皮質ステロイド剤（眼瞼以外への皮膚局所投与は可とする），他の治験薬の併用は投与経路を問わず禁止した．併用禁止薬を除く薬剤の併用は可とした．試験期間を通じて涙点プラグ，外科的涙点閉鎖術，ドライアイ保護用眼鏡などの薬効評価に影響を及ぼす併用療法は行わないこととした．（95）OHNOOONNaOPOOOHHNaOPHHOOOHOOHNaOPOOHNNaOPOONOHHHHHOOH図1ジクアホソルナトリウムの構造式6.評価項目a.安全性の評価有害事象および副作用，臨床検査，眼科的検査をもとに安全性を評価した．あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012529表3検査・観察項目観察項目観察期治療期観察期開始時（.2週）0週2週4週8.28または52週（4週ごとに来院）被検者背景，文書同意●点眼遵守状況●●●●自覚症状●●●●●前眼部所見●●●●●涙液層破壊時間（BUT）●●●●●フルオレセイン染色●●●●●Schirmer試験Ⅰ法（麻酔なし）●ローズベンガル染色●●●●眼科検査（眼底，視力，眼圧）●●●臨床検査●結果判定▲有害事象●●●●▲：治療期12週，28週および52週に実施．0～30～30～30点障害なし1点一部に障害あり2点半分以上に障害あり3点全体に障害あり図2フルオレセイン染色スコアの評価基準角膜の上部，中央部および下部の3箇所をそれぞれ0.3点の4段階でスコア化した（9点満点）．0～30～30～30～30～30点障害なし1点一部に障害あり2点半分以上に障害あり3点全体に障害あり図3ローズベンガル染色スコアの評価基準角膜の上部，中央部および下部，結膜の耳側および鼻側の5箇所をそれぞれ0.3点の4段階でスコア化した（15点満点）．b.有効性の評価評価対象眼はフルオレセイン染色スコアのベースライン値（0週評価時スコア）が高いほうの眼とした．左右眼のフルオレセイン染色スコアが同じ場合は，右眼を評価対象眼とした．なお，本試験におけるフルオレセイン染色スコアおよびローズベンガル染色スコアの評価基準を図2，3に示した．評価項目は，フルオレセイン染色スコア変化量，ローズベンガル染色スコア変化量，涙液層破壊時間（BUT）の変化量，自覚症状（11項目：異物感，羞明感，.痒感，眼痛，乾燥感，鈍重感，霧視，眼疲労感，眼不快感，眼脂，流涙，および11項目の合計スコア）の変化量の推移とした．530あたらしい眼科Vol.29，No.4，20127.解析方法安全性の解析では，被験薬を1回でも点眼し，安全性に関する何らかの情報が得られている被検者を安全性解析対象集団とした．有効性の解析では，最大の解析対象集団（FullAnalysisSet）を有効性の検討に使用し，投与前後の比較には対応のあるt検定を用いた．安全性および有効性に関する検定の有意水準は両側5％とした．解析ソフトはSAS（SASInstitute,Cary,NC）を用いた．II結果1.症例の内訳症例の内訳を図4に示した．文書同意を得た症例は395例で，そのうち30例が観察期中に中止・脱落し，治療期用被験薬が投与された症例は365例であった．治療期用被験薬投与開始後，28週以前の中止・脱落例は24例で，治療期用被験薬が28週間投与された症例は341例であった．そのうち，222例が28週間で投与を終了し，119例が52週までの延長登録を実施した．延長登録後，7例が中止・脱落し，治療期用被験薬が52週間投与された症例は112例であった．2.被検者背景安全性解析対象集団における被検者背景を表4に示した．3.安全性に関する成績a.有害事象および副作用治療期には有害事象が365例中245例に認められ，そのうち被験薬との因果関係が否定できない副作用は92例であった．治療期に認められた副作用（1％以上）を表5に示した．おもな副作用は，眼脂（6.6％），結膜充血（5.5％），眼刺激（4.4％），眼痛（3.3％）であり，これら以外はすべて3％以下であった．4週までに発現した副作用のうち，発現率（96）が高かった事象は眼脂（3.6％），眼刺激（3.3％）であり，その他の事象の発現率は3％未満であった．これら副作用の発現率は4週以降に減少し，長期投与により発現率が上昇することはなかった．他の副作用に関しても，長期投与により発現率が上昇することはなく，投与期間後期に多く発現する遅発性の副作用も認められなかった．b.臨床検査被験薬との因果関係が否定できない臨床検査値の異常変動は3.8％に認められた．すべての臨床検査値の異常変動は，治療期中止・脱落例24例治療期用被験薬が28週投与された症例341例文書同意を得た症例395例治療期用被験薬が投与された症例365例52週延長の登録症例119例治療期用被験薬が52週投与された症例112例観察期中止・脱落例30例28週で投与を終了した症例222例治療期中止・脱落例（28週以降）7例図4被検者の構成被験薬投与継続中または被験薬投与終了後に，試験開始時と同じ程度か医学的に問題のない程度まで回復した．c.眼科検査前眼部所見，眼圧値，眼底所見，矯正視力については，各群とも被験薬投与前後で医学的に問題となる変動は認められなかった．4.有効性に関する成績フルオレセイン染色スコアの0週からの平均実測値の推移を図5に示した．フルオレセイン染色スコアのベースライン値からの平均変化量（平均値±標準誤差）は，4週で.1.32±0.07，28週で.1.83±0.08，52週で.1.83±0.13と，いずれもスコアの有意な低下が52週間にわたり認められた．ローズベンガル染色スコアの0週からの平均実測値の推移を図6に示した．ベースライン値からの平均変化量（平均値±標準誤差）は，4週で.1.58±0.10，28週で.2.22±0.12，表4被検者背景例数安全性解析対象集団365年齢（歳）平均±標準偏差49.8±17.6性別男性女性79（21.6％）286（78.4％）Sjogren症候群の合併なしあり354（97.0％）11（3.0％）Stevens-Johnsonなし363（99.4％）症候群の合併あり2（0.6％）0週フルオレセイン染色スコア平均±標準偏差2.6±1.60週ローズベンガル染色スコア平均±標準偏差3.3±2.70週BUT平均±標準偏差3.0±1.2観察期Schirmer試験平均±標準偏差7.4±8.0表5治療期に認められた副作用（1％以上）例数（％）安全性解析対象集団：365発現時期0.4週4.8週8.12週12.16週16.20週20.24週24.28週28.36週36.44週44.52週合計眼障害結膜出血1（0.3）────1（0.3）1（0.3）1（0.3）2（0.5）─6（1.6）眼脂13（3.6）3（0.8）──2（0.5）─3（0.8）2（0.5）─1（0.3）24（6.6）眼刺激12（3.3）─2（0.5）1（0.3）1（0.3）─────16（4.4）眼痛4（1.1）2（0.5）2（0.5）1（0.3）─2（0.5）──1（0.3）─12（3.3）霧視2（0.5）─1（0.3）──1（0.3）────4（1.1）眼の異物感4（1.1）2（0.5）───1（0.3）─1（0.3）1（0.3）─9（2.5）結膜充血8（2.2）─3（0.8）1（0.3）2（0.5）─3（0.8）1（0.3）1（0.3）1（0.3）20（5.5）眼.痒感3（0.8）2（0.5）─1（0.3）1（0.3）2（0.5）─1（0.3）──10（2.7）眼部不快感3（0.8）1（0.3）──1（0.3）─────5（1.4）合計（件数）501084777652106（MedDRA/JVer.10.1より）（97）あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012531ScoreScoreScore3210：3％ジクアホソル＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊平均値±標準誤差＊＊＊：p＜0.001検定：対応のあるt検定（0週との比較）0481216202428323640444852Weekn＝（363）（361）（358）（354）（350）（345）（343）（341）（119）（118）（116）（114）（113）（112）図5フルオレセイン染色スコアの平均実測値の推移43210：3％ジクアホソル＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊平均値±標準誤差＊＊＊：p＜0.001検定：対応のあるt検定（0週との比較）0481216202428323640444852Weekn＝（363）（361）（358）（354）（350）（345）（343）（341）（119）（118）（116）（114）（113）（112）図6ローズベンガル染色スコアの平均実測値の推移532あたらしい眼科Vol.29，No.4，201252週で.1.54±0.17と，いずれもスコアの有意な低下が52週間にわたり認められた．BUTの0週からの平均変化量の推移を図7に示した．BUTのベースライン値からの平均変化量（平均値±標準誤差）は，4週で0.88±0.07，28週で1.72±0.12，52週で1.95±0.19と，いずれも有意なBUTの延長が52週間にわたり認められた．Stevens-Johnson症候群（以下，S-J症候群）合併例2例の評価眼におけるフルオレセイン染色スコア，ローズベンガル染色スコアおよびBUTは，いずれの症例でも点眼開始前後（0週→28週）で改善が認められた（フルオレセイン染色スコア：4→2〈症例1〉，6→3〈症例2〉，ローズベンガル（98）654321004812162024Week28323640444852（363）（361）（358）（354）（350）（345）（343）（341）（119）（118）（116）（114）（113）（112）n＝：3％ジクアホソル＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊平均値±標準誤差＊＊＊：p＜0.001検定：対応のあるt検定（0週との比較）図7涙液層破壊時間（BUT）の平均実測値の推移ScoreScoreScore1.51.00.50.004812162024Week28323640444852（236）（140）（235）（139）（234）（138）（233）（136）（230）（136）（226）（133）（225）（133）（224）（132）（84）（52）（84）（52）（83）（51）（81）（49）（81）（48）（81）（48）n＝：異物感：羞明感：.痒感：眼痛平均値（159）（158）（157）（156）（155）（153）（152）（153）（57）（56）（54）（53）（53）（53）（153）（153）（152）（151）（150）（146）（145）（143）（59）（58）（57）（56）（56）（56）図8自覚症状推移（異物感，羞明感，.痒感，眼痛）1.5：乾燥感：鈍重感：霧視：眼疲労感1.00.50.00481216202428323640444852Weekn＝（325）（324）（322）（318）（315）（310）（308）（306）（110）（109）（107）（105）（104）（103）（165）（164）（161）（160）（160）（158）（157）（157）（59）（59）（58）（57）（57）（57）平均値（129）（128）（127）（126）（123）（120）（120）（118）（47）（47）（46）（45）（44）（44）（248）（246）（244）（242）（241）（238）（237）（236）（82）（81）（79）（77）（77）（76）図9自覚症状推移（乾燥感，鈍重感，霧視，眼疲労感）1.5：眼不快感：眼脂：流涙平均値1.00.50.0n＝0481216202428323640444852Week（223）（222）（220）（218）（217）（215）（215）（213）（69）（69）（68）（66）（66）（65）（209）（209）（207）（206）（204）（201）（200）（200）（72）（71）（69）（68）（68）（67）（102）（101）（100）（99）（98）（97）（97）（97）（42）（42）（41）（40）（40）（39）図10自覚症状推移（眼不快感，眼脂，流涙）（99）あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012533Score7654321004812162024Week28323640444852：自覚症状合計スコア＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊平均値±標準誤差＊＊＊：p＜0.001検定：対応のあるt検定（0週との比較）n＝（360）（358）（355）（351）（347）（342）（340）（338）（118）（117）（115）（113）（112）（111）図11自覚症状合計スコアの平均実測値の推移染色スコア：6→1〈症例1〉，3→0〈症例2〉，BUT：3.3秒→6.0秒〈症例1〉，2.0秒→3.3秒〈症例2〉）．自覚症状の推移を図8.10に，自覚症状合計スコアの推移を図11に示した．異物感，羞明感，.痒感，眼痛，乾燥感，鈍重感，霧視，眼疲労感，眼不快感および自覚症状合計スコアは，投与4週目までに改善し，52週目まで改善した状態を維持した．眼脂と流涙については，改善効果が認められなかったが，長期投与期間中の悪化も認められなかった．III考察ジクアホソルナトリウム点眼液は水分およびムチンを含む涙液の分泌を促進し，涙液の量的・質的改善を図ることによって，ドライアイの病態に即した治療が期待できる点眼薬である．まず，本剤の安全性であるが，発現率の高かった副作用は，眼脂（6.6％），結膜充血（5.5％），眼刺激（4.4％）および眼痛（3.3％）であり，特に投与開始4週間以内に発現率の高かったのは眼脂（3.6％）と眼刺激（3.3％）で，その他の発現率はいずれも3％未満であった．また，ほとんどの有害事象および副作用は投与初期の4週までに発現し，すべての有害事象および副作用は長期投与により発現率が上昇することはなく，投与期間後期にのみ発現する遅発性の事象も認められなかった．ほとんどの副作用が軽度で点眼の継続が可能な程度であり，点眼継続中に消失するか，点眼終了もしくは中止することにより消失したことから，3％ジクアホソルナトリウム点眼液の長期投与における安全性および忍容性に問題はないと考えられた．つぎに，本剤の有効性であるが，フルオレセイン染色スコアおよびローズベンガル染色スコアのベースライン値からの平均変化量は，52週間にわたり有意なスコアの低下が認められた．すなわち，角結膜上皮障害に対する有効性は，長期投与において持続し減弱しないことが示された．本臨床試験534あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012では，ローズベンガル染色スコアを角膜および結膜上皮のムチン被覆障害の評価方法として用いた．涙液の異常や眼表面環境の悪化に起因して上皮細胞の分化異常が生じ，角膜や結膜上皮が変性あるいは角化してムチンの被覆が不十分となった箇所が，ローズベンガル染色により染色される15.17）．眼表面におけるムチンは，涙液の水分以外のおもな構成成分として存在しており，結膜上皮の杯細胞などから供給され，その作用としては，外界からのバリア機能，涙液の表面張力の低下，角結膜表面の潤滑作用，涙液の安定化などがあげられる．ドライアイでは，角結膜表面のムチン被覆障害により，涙液の眼表面への均一な伸展が阻害され，涙液層の厚みが不均一になることにより眼表面環境悪化の悪循環に陥ると考えられるため，ドライアイにおいてムチン被覆障害を改善させることは，治療においてきわめて重要である．本臨床試験での，ローズベンガル染色スコアの結果から，角膜および結膜上皮のムチン被覆障害に対する有効性は，長期投与において持続し減弱しないことが示された．また，海外における臨床試験では2％ジクアホソルナトリウム点眼液の投与6週における涙液分泌効果が示されており18），ジクアホソルナトリウム点眼液のムチンおよび涙液分泌促進作用により角結膜上皮改善効果が得られたと考えられる．さらに，BUTは，ベースラインからの平均変化量は，52週間にわたり有意な延長がみられた．BUTは，涙液層全体，すなわち油層，水層，分泌型ムチン，角膜上皮表層の膜型ムチンなどの状態を含めた涙液層の安定性を総合的に評価する検査である．よって，ジクアホソルナトリウムは涙液水層および分泌型ムチンの状態を改善させることによって，涙液層を長期にわたって安定させる効果があると考えられる．また，ジクアホソルナトリウムは膜型ムチンの遺伝子発現を促進させるという実験的報告もあり19），もし実際に本剤投与後にヒトでも膜型ムチンの改善が起こっているとすれば，BUTの改善に寄与している可能性がある．（100）また，今回，S-J症候群合併例が2例含まれていたが，2例とも角結膜上皮障害スコアおよびBUTともに本剤投与前後で改善傾向を示しており，S-J症候群に合併するドライアイにも有効である可能性が示された．自覚症状についても，多くの項目において投与4週目までに有意に改善し，52週目まで改善効果は持続した．このことは，角結膜上皮障害やBUTの改善する傾向と一致しており，他覚所見と自覚症状の改善において整合性のある結果といえる．結論として，ジクアホソルナトリウム点眼液は，ドライアイの病態に即した作用機序を示すことによって長期的にドライアイを改善させる点眼薬であり，長期投与における安全性についても問題がないことが確認された．文献1）島﨑潤，ドライアイ研究会：2006年ドライアイ診断基準．あたらしい眼科24：181-184,20072）UchinoM,SchaumbergDA,DogruMetal：Prevalenceofdryeyediseaseamongjapanesevisualdisplayterminalusers.Ophthalmology115：1982-1988,20083）UchinoM,DogruM,YagiYetal：ThefeaturesofdryeyediseaseinaJapaneseelderlypopulation.OptomVisSci83：797-802,20064）TsubotaK,NakamoriK：Dryeyesandvideodisplayterminals.NEnglJMed328：584,19935）HikichiT,YoshidaA,FukuiYetal：PrevalenceofdryeyeinJapaneseeyecenters.GraefesArchClinExpOphthalmol233：555-558,19956）MossSE,KleinR,KleinBEK：Prevalenceofandriskfactorsfordryeyesyndrome.ArchOphthalmol118：12641268,20007）UchinoM,DogruM,UchinoYetal：JapanMinistryofHealthstudyonprevalenceofdryeyediseaseamongJapanesehighschoolstudents.AmJOphthalmol146：925-929e2,20088）TodaI,Asano-KatoN,Komai-HoriYetal：Dryeyeafterlaserinsitukeratomileusis.AmJOphthalmol132：1-7,20019）WolffE：AnatomyoftheEyeandOrbit.Ed4,p207-209,BlakistonCo,NY,195410）ArguesoP,Gipson,IK：Epithelialmucinsoftheocularsurface：structure,biosynthesisandfunction.Exp.EyeRes73：281-289,200111）DillyPN：Structureandfunctionofthetearfilm.AdvExpMedBiol350：239-247,199412）DanjoY,WatanabeH,TisdaleASetal：Alterationofmucininhumanconjunctivalepitheliaindryeye.InvestOphthalmolVisSci39：2602-2609,199813）七條優子，村上忠弘，中村雅胤：正常ウサギにおけるジクアホソルナトリウムの涙液分泌促進作用．あたらしい眼科28：1029-1033,201114）七條優子，篠宮克彦，勝田修ほか：ジクアホソルナトリウムのウサギ結膜組織からのムチン様糖タンパク質分泌促進作用．あたらしい眼科28：543-548,201115）KinoshitaS,KiorpesTC,FriendJetal：Gobletcelldensityinocularsurfacedise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		<title>眼科医にすすめる100冊の本－4月の推薦図書－</title>
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		<pubDate>Sun, 29 Apr 2012 15:21:27 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
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		<description><![CDATA[シリーズ─100（最終回）◆■4月の推薦図書■脳を鍛えるには運動しかない！ジョンJ・レイティwithエリック・ヘイガーマン著坪田一男野中香方子訳慶應義塾大学医学部眼科（NHK出版）少し前になるが，最近読んだ本の中で一押し [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>シリーズ─100（最終回）◆■4月の推薦図書■脳を鍛えるには運動しかない！ジョンJ・レイティwithエリック・ヘイガーマン著坪田一男野中香方子訳慶應義塾大学医学部眼科（NHK出版）少し前になるが，最近読んだ本の中で一押しなのがジョンJ・レイティ（ハーバード大学医学部臨床精神医学准教授）の『脳を鍛えるには運動しかない！』である．僕の頭の中では“脳キタ本”としてブームになっており，すでに10冊以上購入してみんなにプレゼントして歩いている．題名が示すとおり，運動によって脳が鍛えられる！いや，脳を鍛えるには運動しかない！いや，運動がもたらす健康効果は実はすべて脳へ影響するのだ！と運動効果は絶大と力説するとてつもない本なのだ．世界的にもベストセラーになっており，日本でも数十万部が読まれたといわれているほど人気の本である．ご存知のように，現在のアンチエイジング医学でもっとも重要な介入としていえることは，1にカロリーを抑えた栄養バランスの良い食事，2に運動，そして3つめにはHappypeoplelivelonger，すなわちごきげんに生きるという姿勢だ．これらはすべてが重要だが，日本人の運動習慣は欧米人に比べて遅れていると指摘されており，僕としては運動の重要性は強調しても強調しすぎることはないと考えている．─運動は肥満を防止する─運動は筋肉量を増やす─運動は気分をよくする─運動は自己免疫疾患を予防する─運動は癌を予防する─運動はアルツハイマー病などの認知症も予防するさらに，この本に書かれているように，運動は脳を介して心身にさまざまな良い効果をもたらす．本書の冒頭に出てくるイリノイ州ネーパーヴィルの高校での話はとても衝撃的である．不良も多く，成績もぱっとしない高校がなんと突然，全米の数学の試験で第2位，世界の理科の試験でトップとなったのである．これはすごい数学（83）0910-1810/12/\100/頁/JCOPYと理科の先生が着任したのかと思いきや，なんとその要因はひとりの体育の先生にあった．彼は“0時間目”の授業として，通常の授業の前に，トラックを一周させる，ランニングマシーンで走らせるなど，生徒に運動させるプログラムを始めたのだ．普段は運動嫌いな生徒たちは走るのも遅く，劣等感もあるのでやりたがらない．ところがこの先生は“心拍数が上がった生徒ほどほめる”というおもしろい方法を導入した．すると普段運動しない生徒はぜいぜいと息が上がるものだから，ちょっと走っただけで心拍数があがる．するとほめられるので，またやる気になる．という循環でたくさんの生徒が運動習慣を身につけるようになった．数学と理科で突然成績が上がったことと，運動との因果関係はもちろん完全に証明されたわけではないが，明らかに運動をしたこと以外には考えられないという．たくさんの生徒が証言しているのも衝撃的だ．“私の高校生活で一番よかったことは運動の習慣を身につけたこと．私は一生運動を続けるわ”“僕の高校生活は運動をすることによって劇的に変わったよ．それまではやる気のないぐーたら生徒だったけど，運動を始めてからなんか気分もいいんだ．勉強もがんばったのでいい大学にも受かった．すべて運動のおかげと感謝しているよ．”というような具合である．運動がもたらした衝撃的な効果に驚いた全米の教育委員会の先生たちがみんなネーパーヴィルを訪れ，現在では全米の高校に運動習慣を導入するプロジェクトが始まりつつあるという．イリノイ州でも大きな予算を計上し，ネーパーヴィル高校では今では数十台のジョギングマシーンが並んでいるそうだ．僕の趣味のひとつが，“おもしろい本を読んだらその著者に会う”ことである．そこで，本書の著者であるあたらしい眼科Vol.29，No.4，2012517▲ジョンJ・レイティ先生といっしょに（お会いできたときは本当に感激した）ジョンJ・レイティ先生にも会いたいと強く思っていたところ，昨年，学生時代からの親友の佐久間啓先生，リーボック社社長のディエターさんのおかげで，レイティ先生に講演をお願いすることができた．本当に嬉しかった．僕はレイティ先生にお会いするとすぐにうちとけて，まるで昔からの親友のように話をしたのを今でも思い出す（写真）．彼はハーバード大学で学長を説得して“HarvardontheMove！（ハーバードを動かす！）”というユニークなプロジェクトを始めている．今まで運動をしてきている体育会系の学生たちはそれでいい．ただまったく運動をしていない秀才たちや，メタボリックシンドロームになりつつある教員たちに，とにかく運動をさせようというプログラムなのだ．“HarvardontheMove！”なんて素敵なプログラムなんだろう．ちょうど我々も慶應義塾大学において慶應ヘルスサイエンスプログラムを始動したところなので，“KeioontheMove（慶應を動か!す！）”プロジェクトをぜひともやってみたいと思う．文系の学生たちに運動習慣を身につけさせ，教員の肥満率を下げることができたら，こんなに素晴らしいことはない．さて，運動するとどうして脳が鍛えられるのか？その分子メカニズムも少しずつ解明されてきた．ひとつには脳の中でBDNF（脳由来成長因子）がたくさん発現するようになることである．BDNFは脳の若さを保つには大変重要と考えられており，これが増えることは脳にとって大きなプラスになる．運動することによって518あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012BDNFが増加することは確実視されており，ひとつのメカニズムとして大変重要だ．最近注目されている長寿遺伝子のサーチュインのメカニズムのひとつも脳におけるBDNFの増強が指摘され始めていることから，最重要なメカニズムといえるかも知れない．また運動することによって海馬の神経細胞の分裂能力が高まることもわかってきた．記憶の保持のためには海馬の働きが欠かせないことはよく知られているが，その海馬において神経が運動することにより分裂する．ネーパーヴィル高校において運動習慣を身につけることが成績を上げたとすると，まさにこのメカニズムが効いているのかもしれない．さらに運動することによって脳血流量が増大するとか，脳にとってマイナスに働くストレスホルモンの放出が抑制されるなど，さまざまなメカニズムが解明されつつある．とにかく運動は脳に良いのだ！運動が脳に良いとすれば，体育会系の学生のほうが成績も良いはずだ．しかし一般的には“色白で運動をしない，勉強をたくさんしている学生が優秀である”“運動ばかりしている体育会系の学生は勉強はイマイチ”というイメージが蔓延している．プラセボ効果がプラスに働くとしたら，このイメージはマイナスに働く．本当は運動している学生のほうがチャンスが大きいのに，自分で自分の能力を規定してしまっている可能性があると考えられるわけだ．そこでレイティ先生たちは，運動によって小学生の能力を開発するプログラムを開始した．運動がいかに脳を鍛えるかということを子どもばかりでなくご両親にも理解してもらい，毎日45分程度の運動を小学生の時代から始めるということである．すると，成績が格段に向上するという素晴らしい効果が確認され，全米で急激に運動ブームに火がついてきた．日本でもこのプログラムを慶應義塾大学や市川学園を中心に行いたいと考えており，レイティ先生にはまた訪日してもらう予定である．自分自身はもちろん，家族や友人，仕事仲間にも，ぜひ運動習慣を身につけてもらおう！それが脳を鍛えて幸せな人生を送るために最も大切なことなのだ！☆今回がちょうど100冊目の紹介となり，本連載は終了となります．ご執筆いただきました先生方，そして毎号お読みいただいた読者の皆様，ありがとうございました．（84）</p>
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		<title>後記臨床研修医日記 16．大阪大学医学部眼科学教室</title>
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		<pubDate>Sun, 29 Apr 2012 15:20:12 +0000</pubDate>
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		<description><![CDATA[●シリーズ⑯後期臨床研修医日記大阪大学医学部眼科学教室後藤聡藤本聡子三浦聡子ガツガツ阪大研修2010年より西田幸二先生が新教授として就任され，幸運にもわれわれ8名が西田教授初代後期研修医となりました．西田教授は“若手にチ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>●シリーズ⑯後期臨床研修医日記大阪大学医学部眼科学教室後藤聡藤本聡子三浦聡子ガツガツ阪大研修2010年より西田幸二先生が新教授として就任され，幸運にもわれわれ8名が西田教授初代後期研修医となりました．西田教授は“若手にチャンスを．若い力が大切や”と日頃からよくいわれます．世界を目指す環境作りと，その環境を生かすためにドンドン若手にチャンスを与えて，常に新しいことを創造していこうという医局の雰囲気のなかで，われわれは研修を開始することとなりました．現場は，それぞれの専門分野で活躍する沢山のスタッフがいる刺激ある職場となっています．そこで働くことで自然に診察方法や所見の理解，理論的な物事の考え方などが身についていくことは阪大研修の魅力の一つです．阪大での研修医業務は朝から夜までノンストップで働くことでなかなかハードな研修でしたが，多くの同期がいたからこそ日々支え合いながら大学での多忙な生活を乗り切ることができました．日中はバタバタと仕事をしているため，教科書をめくるのは夜になります．日常業務終了後に教科書を開いても，気付くと机の上で突っ伏してしまっていて，なかなか思うように勉強は進みません．でもその代わりに，阪大研修医はいつでもなんでも上級医に質問してOKという不文律があります．上級医も必ず質問に答えてくれます．阪大にいると，まるで幼い子供のように「なんで？なんで？」と，質問攻めにしている場面を頻繁に目の当たりにします．教育方針に「“なんで”を追求すること」が掲げられており，質問することでただちに解決できることが，阪大での多忙な毎日のなかで知識を増やし理解を深められる所以です．もちろん夜の時間を使い，教科書で知識を整理しなければいけませんが，それよりも日中はとにかく上級医の診療にへばり付き，疑問を解決していくことが勉強です．（79）0910-1810/12/\100/頁/JCOPY▲カンファレンス室での勉強会ではここで研修医の1週間日記をお楽しみください．ある研修医の1週間日記★月曜―緊張の教授回診―午前は車で30分の関連病院へ外勤に．早朝に入院患者さんを診察してからの出発で少し急ぎ足な朝から1週間は始まります．午後からは専門診（角膜）です．阪大きっての大所帯！14個の診察ブースもパンパンに埋まっていて，研修医は空きブースを探すのにも一苦労．外来は異様な雰囲気です．研修医は，さまざまな角膜疾患の患者さんを実際に診察することができ，先生方も教育熱心なので毎日教科書片手にメモをとりながら，予診，外来，質問のオンパレードです．夕方には教授回診があり，病棟入院患者50人ほどを順次暗室へ案内し，西田教授が回診をします．教授の前でのプレゼンテーションは鋭い質問が飛んでくるので，半年経っても油断できません．★火曜―ごった返しの外来業務に揉まれて―この日は一日外来（メディカル網膜・眼炎症）につきます．予診をとった患者さんを上級医が診察するときには即座に見学に行き，その場でFeedbackをもらいまあたらしい眼科Vol.29，No.4，2012513▲西田教授を中心に阪大眼科集合！す．阪大の特徴でもある，「なんで？を追求する」をモットーに疑問点をぶつけます．メディカル網膜は患者さんが多く，日中は昼食もとることができないほど外来業務に追われる日があります．外来終了後に開かれる勉強会では，その日に来院した気になる症例を提示し，五味文先生にご指導いただく時間です．非常に密度が濃い勉強会で研修医からの人気も高いです．眼炎症の先生方も教育熱心でとても優しいので，外来につく際は癒しのひと時です．一方，処置係の研修医はメディカル網膜患者20人弱のFA検査にテンヤワンヤの一日で予定終了時にはヘトヘトになっています．★水曜―高貴な気分で外来業務．病棟は手術準備にバタバタです―この日も専門診（斜視弱視）．毎夏休み，冬休みには子供たちが外来にわんさか溢れかえります．斜視弱視外来は阪大ORTの優秀さと不二門尚先生の紳士的な診察に，なんだか高貴な気分になれる日です．夕方には医局会があり研修医の発表，スタッフによるAdvancedlecture，たまにゲストによる講演会が行われ学術的な勉強の場です．病棟責任の研修医はこの間も病棟で点眼介助や翌日の手術患者の書類準備などの業務と闘います．★木曜―手術室は戦場だ！―研修医は火曜か木曜のうち片方がオペ日になります．部屋は3つで白内障，角膜移植，硝子体，斜視，緑内障，エキシマレーザーが同時に進行しており研修医は駆け回ります．気付けば昼の弁当のご飯はカッチカチにな514あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012▲教授診にて（右から西田教授と研修医の三浦先生・藤本先生）っており，夕食代わりに食べることも珍しくありません．朝に病棟患者診察を終えてから手術準備に向かうので，手術日はどうしても朝が早くなります．「眠いなぁ」という気持ちでオペ場に向かうと返り討ちに合いますの〈後期研修医8名のプロフィール（50音順）〉浅尾和伸（あさおかずのぶ）弘前大学医学部卒業，NTT西日本大阪病院にて初期臨床研修，平成22年4月より大阪大学医学部眼科学教室入局．河嶋瑠美（かわしまるみ）大阪大学医学部卒業，市立池田病院にて初期臨床研修，平成22年4月より大阪大学医学部眼科学教室入局．後藤聡（ごとうそう）金沢大学医学部卒業，国立行政法人東京医療センターにて初期臨床研修，平成22年4月より大阪大学医学部眼科学教室入局永原裕紀子（ながはらゆきこ）岡山大学医学部卒業，国立行政法人岩国医療センターにて初期臨床研修，平成22年4月より大阪大学医学部眼科学教室入局．春田真実（はるたまみ）近畿大学医学部卒業，大阪大学医学部附属病院にて初期臨床研修，平成22年4月より大阪大学医学部眼科学教室入局．藤本聡子（ふじもとさとこ）大阪大学医学部卒業，大阪大学医学部附属病院Cコース（公立学校共済組合近畿中央病院，大阪大学医学部附属病院）にて初期研修，平成22年4月より大阪大学医学部眼科学教室入局．三浦聡子（みうらさとこ）徳島大学医学部卒業，独立行政法人国立病院機構大阪医療センターにて初期臨床研修，平成22年4月より大阪大学医学部眼科学教室入局．森岡幸憲（もりおかゆきのり）平成22年4月より大阪大学医学部眼科学教室入局．（80）▲研修仲間とのつかの間の団欒（阪大庭園にて）で気をつけてください．手術場は戦場だと痛感する瞬間です．★金曜―緊急入院・手術だ！急げ！―この日は一般診．一般診は毎日開いている外来で，一般紹介の患者さんや，再診患者さんがメインです．隣ではサージカル網膜の専門診の研修医が汗水垂らしながら仕事をさばいていて，緊急入院・手術も多く，なにか手今年（2011年）もフレッシュな8名の研修医の先生が入局してくれました．眼科医として最初の一歩を踏み出したわけですが，研修医時代は診察や手術などの日常診療に加えて，勉強会や発表などがあり，覚えること，こなすべき業務，そして勉強と忙しい毎日が待っています．現在，みなさんは真っ白なキャンバスを手にして，眼科医としてどのような絵を描けるか，期待と不安が入り混じっていると思います．幸いなこと指導医からのメッセージ助けできないかとヒヤヒヤします．金曜は網膜回診があります．網膜の先生の前でのプレゼンは症例の理解度合いが試されるときであり，この準備もなかなか緊張です．網膜の先生方の間でもディスカッションしながら，一人ひとり症例を確認していきます．★土曜・日曜―つかの間の癒し―朝に入院患者さんを診察し平日にできなかった仕事をざっと終わらせ，後はフリー．好きなように過ごせます．日曜は，重症の受け持ち患者さんの診察に来る研修医と病棟日直以外は基本的にお休みの日です．普段の早起きをリセットするいい1日です．たまに日曜緊急手術とかあって，凹みます．おわりに以上のように1週間があっという間に過ぎていきます．新体制のなか，めまぐるしく変化していく阪大での研修はとても刺激的で，みな活き活きと過ごしております．学会発表や研究，外来や手術執刀など沢山の山を越えていかなければなりませんが，そのための土台造りを阪大でしっかりしたいと思います．ます．何を描こうか，どの色を使おうかと迷って立ち止まるのではなく，まずは手当たり次第に手にした絵の具で，自分のキャンバスに色を塗っていってください．続けていると，そのうち好きな色や描きたいものが自ずと見えてくると思います．研修医時代にさまざまなことを吸収して，将来立派な作品ができあがることを楽しみにしています．（大阪大学大学院医学系研究科眼科相馬剛至）に，阪大眼科にはいろいろな種類の絵の具が揃ってい☆☆☆（81）あたらしい眼科Vol.29，No.4，2012515</p>
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