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細菌性結膜炎および細菌性角膜炎に対する1.5%レボフロ キサシン点眼液(DE-108点眼液)の第III相臨床試験

2012年5月31日 木曜日

《原著》あたらしい眼科29(5):669.678,2012c細菌性結膜炎および細菌性角膜炎に対する1.5%レボフロキサシン点眼液(DE-108点眼液)の第III相臨床試験大橋裕一*1井上幸次*2秦野寛*3外園千恵*4*1愛媛大学大学院医学系研究科視機能外科学分野*2鳥取大学医学部視覚病態学*3ルミネはたの眼科*4京都府立医科大学大学院医学研究科視覚機能再生外科学PhaseIIIClinicalTrialof1.5%LevofloxacinOphthalmicSolution(DE-108)inBacterialConjunctivitisandBacterialKeratitisYuichiOhashi1),YoshitsuguInoue2),HiroshiHatano3)andChieSotozono4)1)DepartmentofOphthalmology,EhimeUniversityGraduateSchoolofMedicine,2)DivisionofOphthalmologyandVisualScience,FacultyofMedicine,TottoriUniversity,3)HatanoEyeClinic,4)DepartmentofOphthalmology,KyotoPrefecturalUniversityofMedicine目的:細菌性結膜炎および細菌性角膜炎患者における1.5%レボフロキサシン点眼液(1.5%LVFX点眼液,DE-108点眼液)の有効性と安全性を検討する.対象および方法:細菌性結膜炎患者221例,細菌性角膜炎患者17例を対象にオープンラベルで多施設共同試験を実施した.有効性は抗菌点眼薬臨床評価のガイドラインおよび日本眼感染症学会の効果判定基準に従い臨床効果より,安全性は副作用の発現率より評価した.結果:有効率は細菌性結膜炎で100.0%(170/170例),細菌性角膜炎でも100.0%(6/6例)であった.著効率は細菌性結膜炎で90.6%(154/170例),細菌性角膜炎で100.0%(6/6例)であった.副作用発現率は2.9%(7/238例)で,重篤な副作用は認められなかった.結論:1.5%LVFX点眼液は外眼部感染症に対して高い有効性と安全性を示した.また,高い著効率から,早期のqualityoflife改善が期待される.Purpose:Toevaluatetheefficacyandsafetyof1.5%levofloxacin(LVFX)ophthalmicsolutionintreatingbacterialconjunctivitis(BC)andbacterialkeratitis(BK).SubjectsandMethods:221patientswithBCand17patientswithBKenrolledinanopen-labeled,multicenterstudy.Efficacyandsafetywereevaluatedonthebasisofclinicalefficacyandtheincidenceofadversedrugreactions(ADR),respectively.Result:Theefficacyratewas100.0%forbothBCgroup(170/170)andBKgroup(6/6).Therespectivemarkedefficacyrateswere90.6%(154/170)and100.0%(6/6).TheoverallincidenceofADRwas2.9%(7/238).NoseriousADRwasobserved.Conclusion:Theseresultsindicatethat1.5%LVFXophthalmicsolutionishighlyeffectiveagainstmajorbacterialinfectionsoftheexternaleye,withgoodsafety.Inaddition,thehighmarkedefficacyratesuggeststhat1.5%LVFXophthalmicsolutionmightimprovepatientqualityoflifeduringtheearlyperiodofdisease.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)29(5):669.678,2012〕Keywords:細菌性結膜炎,細菌性角膜炎,レボフロキサシン,キノロン系,第III相臨床試験.bacterialconjunctivitis,bacterialkeratitis,levofloxacin,quinolone,phaseIIIclinicaltrial.はじめに広い抗菌スペクトル,強い抗菌力,そして良好な組織移行性から,キノロン系抗菌点眼薬が外眼部感染症治療の第一選択薬として使用されている.これまでに数多くのキノロン系抗菌点眼薬が開発されているが,そのなかでも,レボフロキサシン(levofloxacin:LVFX)は,中性付近での水溶性が高く,良好な眼内移行を示すことから最も点眼液に適しており1,2),0.5%LVFX点眼液(クラビットR点眼液0.5%)として2000年に発売されて以来,高い有効性と安全性をもとに汎用されてきた.〔別刷請求先〕大橋裕一:〒791-0295愛媛県東温市志津川愛媛大学大学院医学系研究科視機能外科学分野Reprintrequests:YuichiOhashi,M.D.,DepartmentofOphthalmology,EhimeUniversityGraduateSchoolofMedicine,Shitsukawa,Toon,Ehime791-0295,JAPAN0910-1810/12/\100/頁/JCOPY(89)669 キノロン系抗菌薬は,細菌のDNAジャイレースおよびト表2試験実施医療機関一覧(試験実施時,順不同,敬称略)ポイソメラーゼIVを阻害することによりDNA複製を阻止することで抗菌力を示す.PK-PD(PharmacokineicsPharmacodynamics)理論からは濃度依存的な薬剤に分類されており,安全性面で問題がない限りにおいて,眼組織中濃度を最大限に高めることで治療効果のさらなる向上と耐性菌の出現抑制も期待できるとされている3,4).1.5%LVFX点眼液は,LVFXの高い水溶性を活かし,従来の0.5%LVFX点眼液を高濃度化した製剤である.ウサギでの検討において用量依存的な眼組織移行を示すことが確認されており1),ヒトにおいても高い眼組織移行が期待されるほか,その非臨床試験結果から,クラビットR点眼液0.5%と同等の安全性を確保できると推察されている5).実際,アメリカではすでに,1.5%LVFX点眼液(販売名IQUIXR)が,2007年より角膜潰瘍を対象疾患として医療現場で使用されており,多数例において,その有効性および安全性が確認されているところである6).わが国ではこれまで治療効果の向上および耐性菌出現抑制を目的とした高濃度キノロン系抗菌点眼薬の臨床試験の報告はない.今回,高濃度製剤化した1.5%LVFX点眼液について,細菌性結膜炎および細菌性角膜炎を対象とし,有効性と安全性をオープンラベルの多施設共同試験で検討したので報告する.I対象および方法本試験は,ヘルシンキ宣言に基づく原則に従い,薬事法第14条第3項および第80条の2ならびに「医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP)」を遵守し,以下の対象および方法で実施された.1.対象おもな選択基準・除外基準は表1に示した.対象は全国24医療機関(表2)において受診した細菌性結医療機関名試験責任医師名医療法人社団さくら有鄰堂板橋眼科医院板橋隆三さど眼科佐渡一成堀之内駅前眼科黒田章仁医療法人社団博陽会おおたけ眼科つきみ野医院大竹博司医療法人湘陽会ルミネはたの眼科秦野寛医療法人社団秀光会かわばた眼科川端秀仁医療法人社団富士青陵会なかじま眼科中島徹むらまつ眼科医院村松知幸たはら眼科田原恭治医療法人仁志会西眼科病院岩西宏樹医療法人社団景和会大内眼科大内景子医療法人幸友会岡本眼科クリニック岡本茂樹医療法人聖光会鷹の子病院眼科島村一郎医療法人社団馨風会徳島診療所中川尚高田ようこアイクリニック高田洋子金井たかはし眼科高橋義徳東京女子医科大学東医療センター眼科松原正男医療法人社団シー・オー・アイいしだ眼科石田玲子医療法人創正会イワサキ眼科医院岩崎直樹杉浦眼科杉浦寅男医療法人財団神戸海星病院眼科片上千加子医療法人出田会出田眼科病院佐々木香る医療法人社団松六会道玄坂糸井眼科医院糸井素純特定医療法人財団明徳会総合新川橋病院眼科薄井紀夫膜炎および細菌性角膜炎患者であり,選択基準は7歳以上の性別および入院・外来を問わない患者で,細菌性結膜炎患者の場合は眼脂および結膜充血のスコアがそれぞれ(+)以上,細菌性角膜炎患者の場合は角膜浸潤のスコアが(+)以上の症例とした.試験開始前にすべての被験者に対して試験の内容および予想される副作用などを十分に説明し,理解を得たうえで,文書による同意を取得した.表1おもな選択基準および除外基準1)おもな選択基準(1)7歳以上である(2)臨床所見より細菌性結膜炎または細菌性角膜炎と診断された患者で,以下の基準を満たす①細菌性結膜炎:眼脂および結膜充血のスコアがそれぞれ(+)以上②細菌性角膜炎:角膜浸潤のスコアが(+)以上2)おもな除外基準(1)臨床所見より,細菌以外による眼感染またはこれらの混合感染が否定できない(2)臨床所見より,アレルギー性結膜炎が疑われる,または試験期間中に症状が発現する恐れがある(3)同意取得3カ月以内に内眼手術(レーザー治療を含む)および角膜屈折矯正手術の既往を有する(4)試験期間中に使用する予定の薬剤に対し,薬物アレルギーの既往歴がある(5)同意取得前1週間以内に抗生物質,合成抗菌薬が投与された(6)同意取得前1週間以内に副腎皮質ステロイド剤(眼瞼以外への皮膚局所投与は可とする)が投与された(7)コンタクトレンズの装用が必要である670あたらしい眼科Vol.29,No.5,2012(90) 表3検査・観察スケジュール有害事象については,被験薬との因果関係は問わず,被験0日目3日目7日目14日目試験中止時薬投与後に観察されたすべての自覚症状の発現・悪化および試験責任医師・分担医師が医学的に有害と判断した他覚所見被験者背景○の発現・悪化を有害事象とした.また,有害事象のうち,被点眼遵守状況○○○○自覚症状○○○○○験薬との因果関係が明確に否定できないものを副作用とし他覚所見○○○○○た.視力検査○○○臨床検査については0日目および試験終了時または中止時臨床検査○○○に,血液学的検査,血液生化学検査および尿検査を実施し,細菌検査○○○○○臨床検査値の異常変動の有無を確認した.有害事象○○○○○眼科的検査については0日目および試験終了時または中止時に,5m試視力表(またはそれに相当するもの)を用いて2.試験方法視力を測定し,その推移について検討した.a.試験薬剤4.併用薬剤および併用療法被験薬である1.5%LVFX点眼液として,1ml中にLVFX試験期間中の併用薬剤に関しては,被験薬以外の抗菌薬水和物15mg含有する防腐剤を含まない微黄色.黄色澄明(抗生物質,合成抗菌薬),副腎皮質ステロイド剤(眼瞼を除な水性点眼液を用いた.く皮膚局所投与は可)およびすべての眼局所投与製剤を禁止b.試験デザイン・投与方法した.ただし,細菌性角膜炎に対する散瞳剤の点眼は認め本試験はオープンラベルによる多施設共同試験として実施た.した.また,試験期間中の併用療法に関しては,眼に対するレー被験者から文書による同意取得後,試験期間に移行した.ザー手術,観血的手術およびコンタクトレンズの装用を禁止被験薬の用法用量は細菌性結膜炎については1回1滴,1した.日3回とし,細菌性角膜炎については1回1滴,1日3.85.評価方法回(症状に応じて適宜増減可)とした.点眼期間は14日間a.有効性(許容範囲17日以内)とした.ただし,すべての自覚症状・主要評価項目は,臨床効果とし,抗菌点眼薬臨床評価のガ他覚所見が消失した場合には7日目で終了可とした.イドライン(案)および日本眼感染症学会の制定した効果判試験開始時(0日目),3日目,7日目,14日目の来院時に定基準(1985年)に基づき,「著効」,「有効」,「無効」,「悪表3のスケジュールに定められた検査・観察を実施した.化」の4段階に分類し,本剤の評価を行った(表4).3.検査・観察項目および検査・観察時期副次評価項目は,検出菌の消失日数,主症状の消失日数,被験者背景については年齢,性別および眼の合併症の有無主症状,自覚症状・他覚所見の合計スコアの推移とした.などに関する情報を収集した.両眼が細菌性結膜炎または細菌性角膜炎を罹患していた場自覚症状については異物感,流涙,眼痛,眼掻痒感および合には,選択基準を満たし,かつ主症状の点数が高いほうの羞明について,その症状の程度を確認し(.).(+++)点で点眼を評価対象眼とし,主症状の点数が同じ場合には,自覚症数化した.他覚所見については眼脂,結膜充血,結膜浮腫,状・他覚所見の点数の合計が高いほうの眼とした.また,合眼瞼腫脹,角膜浸潤,角膜上皮欠損,前房内炎症,角膜浮腫計スコアも同じ場合には,右眼を評価対象眼とした.および毛様充血について,その所見の程度を確認し(.).初診時の細菌検査で複数の菌が検出された場合において(+++)点で点数化した.自覚症状,他覚所見の点数化の基準は,特定菌(Haemophilusinfluenzae,Moraxellaspecies,は以下のとおりとした.Pseudomonasaeruginosa,Streptococcuspneumoniae,(+++):症状・所見が高度のものStaphylococcusaureus)が検出された場合はこれを起炎菌と(++):症状・所見が中等度のものし,特定菌以外の菌のみが検出された場合は検出された菌す(+):症状・所見が軽度のものべてを起炎菌として取り扱った.(±):症状・所見がほぼないものb.安全性(.):症状・所見がないもの安全性は,有害事象および副作用,臨床検査値の異常変細菌検査については評価対象眼の患部を綿棒で擦過して検動,眼科的検査(視力検査)結果の推移をもとに評価した.体を採取し,カルチャースワブに封入し,三菱化学メディエ6.解析方法ンス株式会社が分離,同定および薬剤感受性試験を実施し有効性の解析対象集団の検討には,最大の解析対象集団た.(FAS:FullAnalysisSet)を対象とし,診断名別に解析を(91)あたらしい眼科Vol.29,No.5,2012671 表4臨床効果判定基準著効:3日目の観察までに検出菌が消失し,かつ7日目の観察までに主症状が消失しているもの.ただし7日目の観察までに自覚症状・他覚所見の合計スコアが1/4以下にならないものは有効とする.有効:以下1.3のいずれかを満たすもの.1.7日目の観察までに検出菌が消失し,かつ14日目の観察までに主症状が消失しているもの.ただし14日目の観察までに自覚症状・他覚所見の合計スコアが1/4以下にならないものは無効とする.2.3日目の観察までに検出菌が消失し,かつ7日目の観察までに自覚症状・他覚所見の合計スコアが1/2以下になったもの.3.検出菌が消失しなくても,7日目の観察までに自覚症状・他覚所見の合計スコアが1/3以下になったもの.無効:有効以上に該当する効果を示さなかったもの.悪化:有効以上に該当する効果を示さず,かつ主症状または自覚症状・他覚所見の合計スコアが0日目の観察より悪化したもの.検出菌の消失とは,以下のいずれかを満たす場合とする.①0日目の細菌検査で,特定菌(インフルエンザ菌,モラクセラ菌,緑膿菌,肺炎球菌,黄色ブドウ球菌)が検出され,以降の細菌検査でその特定菌が検出されなかった場合(特定菌以外の菌の有無は問わない).②0日目の細菌検査で,特定菌が検出されないが,特定菌以外の菌が検出され,以降の細菌検査でその菌が検出されなかった場合.行った.主要評価項目である臨床効果については,分布を集計し,有効率の95%信頼区間を算出した.副次評価項目のうち,検出菌の消失日数および主症状の消失日数については,3日目,7日目,14日目,消失せずに分類し,分布を集計した.主症状および自覚症状・他覚所見の合計スコアの推移については,時期別の測定値を示し,0日目に対する前後比率の集計を行い,対応あるt検定を行った.安全性の解析対象集団の検討には,被験薬を少なくとも1回点眼し,安全性に関する何らかの情報が得られている被験者を対象とし,診断名別に解析を行った.安全性の解析のうち,有害事象および副作用については,発現例数と発現率を集計した.また,臨床検査値については,各検査項目別の異常変動の発現例数と発現率を集計し,連続量データについては,対応のあるt検定を,順序尺度データに関しては符号検定を行った.視力検査については,対応のあるt検定を行った.検定の有意水準は両側5%とし,信頼区間は両側95%とした.解析ソフトはSASversion9.1(SASInstituteInc.,Cary,NC)を用いた.II結果1.被験者背景文書同意が得られ,試験に組み入れられた症例は238例(細菌性結膜炎221例,細菌性角膜炎17例)であった.そのうち,菌陰性例などを除く176例(細菌性結膜炎170例,細菌性角膜炎6例)が有効性解析対象集団としてFASに採用された.また,238例(細菌性結膜炎221例,細菌性角膜炎17例)すべてが安全性解析対象集団として採用された(図1).FASにおける被験者背景を表5に示す.年齢の平均は50.8±22.2歳,8.87歳の幅広い患者層が組み入れられた.2.有効性a.臨床効果本剤の点眼による臨床効果を疾患別に図2に示した.有効率(著効または有効であった症例の割合)は,細菌性有効性解析対象(FAS)の被験者:176例細菌性結膜炎:170例細菌性角膜炎:6例安全性解析対象の被験者:238例細菌性結膜炎:221例細菌性角膜炎:17例文書同意を得た被験者:238例細菌性結膜炎:221例細菌性角膜炎:17例安全性解析対象除外:0例細菌性結膜炎:0例細菌性角膜炎:0例有効性解析対象(FAS)除外:62例細菌性結膜炎:51例細菌性角膜炎:11例図1有効性および安全性の解析対象集団の内訳672あたらしい眼科Vol.29,No.5,2012(92) 表5被験者背景項目分類細菌性結膜炎細菌性角膜炎合計例数1706176性別男性女性83(48.8)87(51.2)2(33.3)4(66.7)85(48.3)91(51.7)年齢Minimum.MaximumMean±SD15歳未満(小児)15歳以上(非小児)65歳未満(非高齢者)65歳以上(高齢者)8.8750.4±22.14(2.4)166(97.6)105(61.8)65(38.2)27.8362.8±24.20(0.0)6(100.0)2(33.3)4(66.7)8.8750.8±22.24(2.3)172(97.7)107(60.8)69(39.2)眼の合併症の有無なしあり122(71.8)48(28.2)4(66.7)2(33.3)126(71.6)50(28.4)例数(%).■:著効:有効全体(n=176)90.9%9.1%細菌性結膜炎90.6%9.4%(n=170)細菌性角膜炎(n=6)100.0%0102030405060708090100割合(%)図2臨床効果細菌性結膜炎および細菌性角膜炎の著効率はそれぞれ90.6%および100.0%,有効率はいずれも100.0%であった.結膜炎で100.0%(170/170例),細菌性角膜炎でも100.0%(6/6例)であり,無効例および悪化例は認められなかった.著効率(著効であった症例の割合)は,細菌性結膜炎で90.6%(154/170例),細菌性角膜炎で100.0%(6/6例)であった.b.初診時検出菌消失日数初診時検出菌の消失日数を表6に示した.3日目までに検出菌が消失した症例の割合は,細菌性結膜炎で95.3%(162/170例),細菌性角膜炎で100.0%(6/6例)であった.細菌性結膜炎の1例(検出菌:Corynebacteriumspecies,a-hemolyticstreptococci)を除くすべての症例において,7日目までに検出菌の消失を認めた.c.主症状消失日数主症状の消失日数を表7に示した.7日目までに主症状が消失した症例の割合は,細菌性結膜炎で96.5%(164/170例),細菌性角膜炎で100.0%(6/6例)であった.細菌性結膜炎の2例を除くすべての症例において,14日目までに主症状の消失を認めた.(93)表6初診時検出菌消失日数分類例数3日目7日目14日目消失せず細菌性結膜炎170162(95.3)7(4.1)0(0.0)1(0.6)細菌性角膜炎66(100.0)0(0.0)0(0.0)0(0.0)全体176168(95.5)7(4.0)0(0.0)1(0.6)例数(%).表7主症状消失日数分類例数3日目7日目14日目消失せず細菌性結膜炎170115(67.6)49(28.8)4(2.4)2(1.2)細菌性角膜炎64(66.7)2(33.3)0(0.0)0(0.0)全体176119(67.6)51(29.0)4(2.3)2(1.1)例数(%).d.主症状スコア,自覚症状・他覚所見の合計スコアの推移主症状スコアの推移を図3に示した.細菌性結膜炎および細菌性角膜炎のいずれにおいても,主症状スコアは,0日目と比較して3日目から有意な改善を認めた.(細菌性結膜炎:3日目,7日目および14日目いずれもp<0.001,細菌性角膜炎:3日目および7日目ではp<0.001,14日目ではp値算出不能)自覚症状・他覚所見の合計スコアの推移を図4に示した.細菌性結膜炎および細菌性角膜炎のいずれにおいても,自覚症状・他覚所見の合計のスコアは,0日目と比較して3日目から有意な改善を認めた.(細菌性結膜炎:3日目,7日目および14日目いずれもp<0.001,細菌性角膜炎:3日目および7日目ではp<0.001,14日目ではp=0.007)e.臨床分離株の薬剤感受性試験に登録された238例より分離された菌株数は330株であった.おもな検出菌はグラム陽性球菌が44.5%(147/330株),グラム陽性桿菌が27.3%(90/330株)であった.臨床あたらしい眼科Vol.29,No.5,2012673 ***************:細菌性結膜炎:細菌性角膜炎***************:細菌性結膜炎:細菌性角膜炎162.014120日目***********:細菌性結膜炎:細菌性角膜炎合計スコア1.5主症状スコア108641.00.520******0.03日目7日目14日目0日目3日目7日目14日目n=(170)(170)(167)(70)(6)(6)(6)(2)図3主症状スコアの推移(実測値)細菌性結膜炎および細菌性角膜炎のいずれにおいても,主症状スコアは,0日目と比較して3日目から有意な改善を認めた.(***:p<0.001,対応あるt検定)分離株のLVFXに対する薬剤感受性を表8に示した.特定菌に分類される菌種に対するLVFXのMIC90(90%最小発育阻止濃度)は,Staphylococcusaureus(MSSA)で0.5μg/ml,Streptococcuspneumoniaeで1μg/ml,Haemophilusinfluenzaeで≦0.06μg/mlであった.また,Corynebacteriumspecies,Staphylococcusepidermidis(MRSE)およびStaphylococcusepidermidis(MSSE)に対するLVFXのMIC90について,Corynebacteriumspeciesで128μg/ml,Staphylococcusepidermidis(MRSE)で4μg/ml,Staphylococcusepidermidis(MSSE)で0.25μg/mlであった.f.初診時検出菌別の臨床効果本試験より初診時に検出された菌の初診時検出菌別の臨床効果を表9に示した.MIC90が比較的高値であったCorynebacteriumspeciesを含め,検出されたすべての菌種において有効率100.0%であった.3.安全性a.有害事象および副作用本試験に登録した238例,全例が安全性解析対象集団として採用された.試験期間中に発現した有害事象および副作用の発現率を表10に,副作用一覧を表11に示した.有害事象の発現率は10.9%(26/238例,28件)で,副作用の発現率は2.9%(7/238例,7件)であった.最も多く認められた副作用は「眼刺激」1.3%(3/238例,3件)であった.0.5%LVFX点眼液から1.5%LVFX点眼液に高濃度化することにより新たに認められた副作用は,軽度の「味覚異常(苦味)」0.8%(2/238例,2件)のみであった.有害事象の発現による中止例は2.1%(5/238例,5件)で認められた.そのうち副作用の発現による中止例は「じんま674あたらしい眼科Vol.29,No.5,2012n=(170)(170)(167)(70)(6)(6)(6)(2)図4自覚症状・他覚所見の合計スコアの推移(実測値)細菌性結膜炎および細菌性角膜炎のいずれにおいても,自覚症状・他覚所見の合計のスコアは,0日目と比較して3日目から有意な改善を認めた.(***:p<0.001,**:p<0.01,対応あるt検定)疹(両大腿部の湿疹および四肢の掻痒感)」の1例のみであった.本事象は軽度であり被験薬投与中止後に速やかに消失した.本事象を含め,認められたすべての副作用の程度は軽度であり,試験期間中または試験期間終了後に速やかに回復した.また,年齢や性別による,副作用の発現率および重症度の差はみられなかった.b.臨床検査値の異常変動薬剤との因果関係が否定できない臨床検査値の異常変動は認められなかった.c.眼科的検査(視力検査)臨床的に問題となる視力の変動は認められなかった.III考察今回,0.5%LVFX点眼液を高濃度製剤化した1.5%LVFX点眼液の有効性と安全性を,細菌性結膜炎および細菌性角膜炎を対象としたオープンラベルの多施設共同試験により検討した.細菌性結膜炎および細菌性角膜炎に対する有効率は,いずれも100.0%であり,高い臨床効果が認められた.細菌性結膜炎および細菌性角膜炎でそれぞれ90.6%および100.0%と非常に高い著効率を示し,早期からQOL(qualityoflife)の改善が期待できる薬剤であることがうかがわれた.過去にも,本試験と同様の有効性評価基準を用いて,多くのキノロン系抗菌点眼薬が臨床試験において評価されてきた7.19)が,小児対象の試験のように患者層が限定されているケースや症例数が少数のケースを除き,有効率100.0%を示した報告はこれまでにない.過去に実施された臨床試験(第II相試験,第III相試験,一般臨床試験の累計)での0.5%(94) 表8臨床分離株のLVFXに対する薬剤感受性分類菌名株数薬剤MICrangeMIC50MIC80MIC90Staphylococcusaureus(MSSA)35LVFX0.12.0.50.250.250.5Staphylococcusaureus(MRSA)1LVFX8.8───Staphylococcusepidermidis(MSSE)32LVFX≦0.06.20.250.250.25Staphylococcusepidermidis(MRSE)26LVFX0.12.8444グラム陽性球菌Coagulasenegativestaphylococci10LVFX0.12.10.250.50.5Streptococcuspneumoniae27LVFX0.25.10.511GroupGstreptococci2LVFX0.25.0.5───a-hemolyticstreptococci10LVFX0.12.2111Enterococcusfaecalis4LVFX0.5.1111グラム陽性桿菌Corynebacteriumspecies90LVFX≦0.06.>1280.564128Klebsiellaoxytoca2LVFX≦0.06.≦0.06───Enterobacteraerogenes1LVFX≦0.06.≦0.06───Enterobacterspecies1LVFX≦0.06.≦0.06───Serratiamarcescens2LVFX≦0.06.0.12───Proteusmirabilis1LVFX1.1───Proteusvulgaris1LVFX≦0.06.≦0.06───Providenciarettgeri1LVFX0.25.0.25───Pantoeaagglomerans5LVFX≦0.06.≦0.06≦0.06≦0.06≦0.06Citrobacterkoseri1LVFX≦0.06.≦0.06───グラム陰性桿菌Burkholderiacepacia1LVFX0.5.0.5───Stenotrophomonasmaltophilia1LVFX1.1───Acinetobactercalcoaceticus1LVFX≦0.06.≦0.06───Acinetobacterspecies2LVFX0.5.0.5───Alcaligenesxylosoxidans10LVFX1.2122Alcaligenesfaecalis1LVFX1.1───Comamonasacidovorans4LVFX0.12.0.120.120.120.12Sphingomonaspaucimobilis1LVFX0.25.0.25───Nonglucosefermentativegram-negativerods6LVFX≦0.06.20.250.52Haemophilusinfluenzae19LVFX≦0.06.≦0.06≦0.06≦0.06≦0.06嫌気性グラム陽性菌Propionibacteriumacnes30LVFX0.5.0.50.50.50.5Anaerobicgram-positiverods1LVFX0.25.0.25───嫌気性グラム陰性菌Prevotellaspecies1LVFX0.25.0.25───全体330LVFX≦0.06.>1280.518※3株未満の場合はMIC値を算出せず.LVFX点眼液(クラビットR点眼液0.5%)の著効率は,細菌性結膜炎および細菌性角膜炎に対して,それぞれ64.5%および71.4%であり,今回の1.5%LVFX点眼液の著効率はこれらの値を大きく上回っている.さらに,これまでに報告されている他のキノロン系抗菌点眼薬の著効率についてみても,0.3%ガチフロキサシン点眼液の細菌性結膜炎に対する57.6%10),細菌性角膜炎に対する44.4%11),0.5%モキシフ(95)ロキサシン点眼液の細菌性結膜炎に対する46.0%17)および53.8%19),細菌性角膜炎に対する30.0%18),0.3%トスフロキサシン点眼液の細菌性結膜炎に対する37.5%14)および38.0%15),細菌性角膜炎に対する36.4%14)の数値を1.5%LVFX点眼液の著効率は凌駕している.同様の傾向は,菌あるいは症状消失率にもうかがえる.たとえば,1.5%LVFX点眼液の場合,初診時検出菌が3日目あたらしい眼科Vol.29,No.5,2012675 表9初診時検出菌別臨床効果臨床効果疾患名菌名例数著効有効無効悪化有効率Staphylococcusaureus(MSSA)3433(97.1)1(2.9)0(0.0)0(0.0)100.0Staphylococcusaureus(MRSA)11(100.0)0(0.0)0(0.0)0(0.0)100.0Staphylococcusepidermidis(MSSE)3028(93.3)2(6.7)0(0.0)0(0.0)100.0Staphylococcusepidermidis(MRSE)2322(95.7)1(4.3)0(0.0)0(0.0)100.0Coagulasenegativestaphylococci87(87.5)1(12.5)0(0.0)0(0.0)100.0Streptococcuspneumoniae2520(80.0)5(20.0)0(0.0)0(0.0)100.0GroupGstreptococci22(100.0)0(0.0)0(0.0)0(0.0)100.0a-hemolyticstreptococci87(87.5)1(12.5)0(0.0)0(0.0)100.0Enterococcusfaecalis44(100.0)0(0.0)0(0.0)0(0.0)100.0Corynebacteriumspecies7463(85.1)11(14.9)0(0.0)0(0.0)100.0Klebsiellaoxytoca22(100.0)0(0.0)0(0.0)0(0.0)100.0Enterobacteraerogenes11(100.0)0(0.0)0(0.0)0(0.0)100.0Enterobacterspecies11(100.0)0(0.0)0(0.0)0(0.0)100.0細菌性結膜炎Serratiamarcescens11(100.0)0(0.0)0(0.0)0(0.0)100.0Proteusmirabilis11(100.0)0(0.0)0(0.0)0(0.0)100.0Proteusvulgaris11(100.0)0(0.0)0(0.0)0(0.0)100.0Pantoeaagglomerans44(100.0)0(0.0)0(0.0)0(0.0)100.0Citrobacterkoseri11(100.0)0(0.0)0(0.0)0(0.0)100.0Burkholderiacepacia11(100.0)0(0.0)0(0.0)0(0.0)100.0Acinetobactercalcoaceticus11(100.0)0(0.0)0(0.0)0(0.0)100.0Alcaligenesxylosoxidans77(100.0)0(0.0)0(0.0)0(0.0)100.0Comamonasacidovorans33(100.0)0(0.0)0(0.0)0(0.0)100.0Nonglucosefermentativegram-negativerods22(100.0)0(0.0)0(0.0)0(0.0)100.0Haemophilusinfluenzae1716(94.1)1(5.9)0(0.0)0(0.0)100.0Propionibacteriumacnes1310(76.9)3(23.1)0(0.0)0(0.0)100.0Anaerobicgram-positiverods10(0.0)1(100.0)0(0.0)0(0.0)100.0Prevotellaspecies11(100.0)0(0.0)0(0.0)0(0.0)100.0Staphylococcusaureus(MSSA)11(100.0)0(0.0)0(0.0)0(0.0)100.0細菌性角膜炎Staphylococcusepidermidis(MSSE)11(100.0)0(0.0)0(0.0)0(0.0)100.0Corynebacteriumspecies55(100.0)0(0.0)0(0.0)0(0.0)100.0Serratiamarcescens11(100.0)0(0.0)0(0.0)0(0.0)100.0例数(%).表10有害事象および副作用の発現率項目細菌性結膜炎細菌性角膜炎合計例数22117238有害事象24(10.9)2(11.8)26(10.9)副作用6(2.7)1(5.9)7(2.9)例数(%).676あたらしい眼科Vol.29,No.5,2012までに消失した症例の割合は,細菌性結膜炎で95.3%,細菌性角膜炎で100.0%,主症状が7日目までに消失した症例の割合は,細菌性結膜炎で96.5%,細菌性角膜炎で100.0%であったが,他方で,過去に実施されたクラビットR点眼液0.5%の臨床試験(第II相試験,第III相試験,一般臨床試験の累計)における,3日目までに初診時検出菌が消失した症例の割合は,細菌性結膜炎で84.1%,細菌性角膜炎で90.0%,主症状が7日目までに消失した症例の割合は,細菌性結(96) 表11副作用発現率一覧細菌性結膜炎細菌性角膜炎全体器官大分類(SOC)基本語(PT)発現率:6/221(2.7)重症度発現率:1/17(5.9)重症度発現率:7/238(2.9)重症度軽度中等度高度軽度中等度高度軽度中等度高度眼刺激2(0.9)──1(5.9)──3(1.3)──眼障害眼掻痒症1(0.5)─────1(0.4)──小計3(1.4)──1(5.9)──4(1.7)──味覚異常2(0.9)─────2(0.8)──神経系障害小計2(0.9)─────2(0.8)──皮膚およびじんま疹1(0.5)─────1(0.4)──皮下組織障害小計1(0.5)─────1(0.4)──合計(件数)6──1──7──例数(%).膜炎で78.0%,細菌性角膜炎で86.7%にとどまっている.また,0.5%モキシフロキサシン点眼液についても,3日目までに初診時検出菌が消失した症例の割合は,細菌性結膜炎で76.3%17)および82.3%19),細菌性角膜炎で70.0%18),主症状が7日目までに消失した症例の割合は,細菌性結膜炎で60.4%17)および70.0%19),細菌性角膜炎で40.0%18)であり,1.5%LVFX点眼液には及ばない.このように,1.5%LVFX点眼液による早期の菌消失は視機能の維持・改善に,早期の症状消失は患者のQOL向上につながることが大いに期待される.本試験における初診時検出菌については,グラム陽性菌の割合が高く,細菌性結膜炎の場合,Corynebacteriumspecies,Staphylococcusepidermidis,Staphylococcusaureus,Propionibacteriumacnes,Streptococcuspneumoniae,Haemophilusinfluenzaeが上位を占めた.1.5%LVFX点眼液はグラム陰性菌のほか,MIC90が比較的高値を示したCorynebacteriumspeciesを含むグラム陽性菌に対しても高い臨床効果を示しており,すべての菌種に対して有効以上であった.なお,本試験で臨床分離された菌株の薬剤感受性を,クラビットR点眼液0.5%の発売後の5年間(2000年5月から2004年12月まで)で実施された全国サーベイランスの薬剤感受性結果20.22),ならびにCOI(Core-NetworkofOcularInfection)による細菌性結膜炎における検出菌・薬剤感受性に関する5年間(2004年11月から2009年12月まで)の動向調査23)と比較しても顕著な低下はない.ただし,MICが高値を示す菌種も一部検出されており,これについては引き続きその動向を慎重に追跡していく必要がある.1.5%LVFX点眼液の副作用の発現頻度は2.9%であり,他の抗菌点眼薬の副作用発現率(1.69.5.83%:クラビットR(97)点眼液0.5%,ガチフロR点眼液0.3%,ベガモックスR点眼液0.5%およびオゼックスR点眼液0.3%の添付文書より)と比較して同程度の安全性であった.投与中止に至った副作用として「じんま疹」1例がみられたが,これは,クラビットR点眼液0.5%およびその他のキノロン系抗菌点眼薬でもこれまで認められている範疇のものである.その他の副作用の程度はすべて軽度であり,高濃度化することにより新たに認められた副作用は,LVFXの原薬の苦味に由来すると思われる軽度の「味覚異常(苦味)」2例のみであり,また,副作用の発現率や重症度について,年齢および性別による差はみられなかった.米国ではすでに2007年より,角膜潰瘍を対象疾患として1.5%LVFX点眼液(販売名IQUIXR)が,医療現場で使用されているが,安全性に関する問題は特に認められていない.一方で,今回の対象疾患は細菌性結膜炎および細菌性角膜炎に限定されているため,今後は,他の疾患での安全性の確認は必要である.近年,PK-PD理論のもと,抗菌薬の有効性は薬物動態と密接に関連することが示されている.全身薬の領域では,高用量製剤であるクラビットR錠500mgが2009年7月より販売されており,PK-PDの観点から,高い治療効果と耐性菌の出現抑制に期待が寄せられている.本剤についても,invitroシミュレーションモデルにおいて,0.5%LVFX点眼液よりも優れた,Staphylococcusaureus(MSSA)およびPseudomonasaeruginosaに対する耐性化の抑制効果を有することが確認されている.細菌性眼感染症の診療においては,起炎菌が特定できない場合,疾患・菌種によっては症状の進行が急速で予後不良の場合もあるため24.27),重症化を阻止するには,早期診断に加えて早期治療を確実かつ効果的に行うことが肝要である.幅広い菌種に対して高い有効性と安全性を併せ持つ1.5%あたらしい眼科Vol.29,No.5,2012677 LVFX点眼液の登場により,重症患者への治療もより効率的となり,結果として,医療現場での満足度が高まることが期待される.ただし,世界的に抗菌薬の創出が困難な状況下では,無用な耐性菌の出現を抑制するために,本剤の適正使用を推進していくことが重要である.文献1)河嶋洋一,高階秀雄,臼井正彦:オフロキサシンおよびレボフロキサシン点眼液の薬動力学的パラメーター.あたらしい眼科12:791-794,19952)佐々木一之,三井幸彦,福田正道ほか:点眼用抗菌薬の眼内薬動力学的パラメーターとしてのAQCmaxの測定.あたらしい眼科12:787-790,19953)佐藤玲子,谷川原祐介:2.抗菌薬のPK/PD.医薬ジャーナル41:67-74,20054)PrestonSL,DrusanoGL,BermanALetal:Pharmacodynamicsoflevofloxacin:anewparadigmforearlyclinicaltrials.JAMA279:125-129,19985)ClarkL,BezwadaP,HosoiKetal:Comprehensiveevaluationofoculartoxicityoftopicallevofloxacininrabbitandprimatemodels.JToxicolCutanOculToxicol23:1-18,20046)McDonaldMB:Researchreviewandupdate:IQUIX(levofloxacin1.5%).IntOphthalmolClin46:47-60,20067)臼井正彦:レボフロキサシン点眼液の臨床第二相試験─多施設二重盲検法─.あたらしい眼科14:299-307,19978)臼井正彦:レボフロキサシン点眼液の臨床第III相試験─多施設二重盲検法─.あたらしい眼科14:641-648,19979)臼井正彦:レボフロキサシン点眼液の第三相一般臨床試験.あたらしい眼科14:1113-1118,199710)大橋裕一,秦野寛:細菌性結膜炎に対するガチフロキサシン点眼液の臨床第III相試験(多施設無作為化二重盲検比較試験).あたらしい眼科22:123-131,200511)大橋裕一,秦野寛:0.3%ガチフロキサシン点眼液の多施設一般臨床試験.あたらしい眼科22:1155-1161,200512)秦野寛,大橋裕一,宮永嘉隆ほか:小児の細菌性外眼部感染症に対するガチフロキサシン点眼液の臨床成績.あたらしい眼科22:827-831,200513)北野周作,宮永嘉隆,大野重昭:新規ニューキノロン系抗菌点眼薬トシル酸トスフロキサシン点眼液の急性細菌性結膜炎を対象としたプラセボとの二重遮蔽比較試験.あたらしい眼科23(別巻):55-67,200614)北野周作,宮永嘉隆,大野重昭ほか:新規ニューキノロン系抗菌点眼薬トシル酸トスフロキサシン点眼液の細菌性外眼部感染症を対象とするオープン試験.あたらしい眼科23(別巻):68-80,200615)北野周作,宮永嘉隆,大野重昭ほか:ニューキノロン系抗菌点眼液TN-3262a(0.3%トシル酸トスフロキサシン点眼液)の細菌性結膜炎を対象としたレボフロキサシンとの二重遮蔽比較多施設共同試験.あたらしい眼科23(別巻):95-110,200616)北野周作,宮永嘉隆,大野重昭ほか:新規ニューキノロン系抗菌点眼薬トシル酸トスフロキサシン点眼液の小児の細菌性外眼部感染症を対象とする非対照非遮蔽多施設共同試験.あたらしい眼科23(別巻):118-129,200617)下村嘉一,大橋裕一,松本光希ほか:細菌性結膜炎に対するMoxifloxacin点眼液の臨床第III相比較試験─多施設無作為化二重遮蔽比較試験─.あたらしい眼科24:1381-1394,200718)松本光希,大橋裕一,臼井正彦ほか:細菌性角膜炎(角膜上皮炎,角膜潰瘍)に対するMoxifloxacin点眼液の臨床第III相試験─多施設共同試験─.あたらしい眼科24:13951405,200719)岡本茂樹,大橋裕一,臼井正彦ほか:細菌性外眼部感染症に対するMoxifloxacin点眼液の臨床第III相試験(多施設共同試験).あたらしい眼科24:1661-1674,200720)松崎薫,小山英明,渡部恵美子ほか:眼科領域における細菌感染症起炎菌のlevofloxacin感受性について.化学療法の領域19:431-440,200321)松崎薫,渡部恵美子,鹿野美奈ほか:2002年2月から2003年6月の期間に細菌性眼感染症患者より分離された各種新鮮臨床分離株のLevofloxacin感受性.あたらしい眼科21:1539-1546,200422)小林寅喆,松崎薫,志藤久美子ほか:細菌性眼感染症患者より分離された各種新鮮臨床分離株のLevofloxacin感受性動向について.あたらしい眼科23:237-243,200623)小早川信一郎,井上幸次,大橋裕一ほか:細菌性結膜炎における検出菌・薬剤感受性に関する5年間の動向調査(多施設共同研究).あたらしい眼科28:679-687,201124)松本光希:2.感染症細菌性角膜潰瘍.眼の感染・免疫疾患正しい診断と治療の手引き,p28-33,メジカルビュー社,199725)井上幸次,大橋裕一,浅利誠志ほか:感染性角膜炎診療ガイドライン.日眼会誌111:769-809,200726)松本光希:細菌性角膜炎の起炎菌別の特徴のポイントは?.あたらしい眼科26(臨増):20-22,200927)北川和子:細菌性角膜炎の治療のポイントは?あたらしい眼科26(臨増):32-34,2009***678あたらしい眼科Vol.29,No.5,2012(98)