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Dynamic Contour Tonometer を用いた緑内障視野障害様式の検討

2010年6月30日 水曜日

0910-1810/10/\100/頁/JCOPY(107)821《原著》あたらしい眼科27(6):821.825,2010cはじめに特徴的な視神経萎縮と視野欠損を生じ,他の疾患や先天異常が否定される開放隅角緑内障は,眼圧の測定値から一般的に20mmHg程度を境界として,正常眼圧緑内障(normaltensionglaucoma:NTG)と原発開放隅角緑内障(primaryopen-angleglaucoma:POAG,狭義の開放隅角緑内障)として,これまで便宜的に区別されてきた1).眼圧の程度と視野障害様式の違いについて,いくつかの検討がなされている.堀ら2)は,NTGは下方Bjerrum領域に,POAGは上方視野に障害が強いことを示した.Caprioliら3),Chausenら4)はPOAGに比べ,NTGはより局所性の障害であると報告をしている.しかし両疾患の差異,すなわち眼圧の程度と視野障害様式の関係についての明らかな結論は得られていない.そもそも眼圧には日内変動や季節変動なども知られており5,6),このように変動のある眼圧を,ある時点で計測した測定値を基準にして緑内障の分類を行うことに正当性がある〔別刷請求先〕山口泰孝:〒526-8580長浜市大戌亥町313市立長浜病院眼科Reprintrequests:YasutakaYamaguchi,M.D.,DepartmentofOphthalmology,NagahamaCityHospital,313Ohinui-cho,Nagahama526-8580,JAPANDynamicContourTonometerを用いた緑内障視野障害様式の検討山口泰孝*1白木幸彦*1梅基光良*1木村忠貴*2植田良樹*1*1市立長浜病院眼科*2北野病院眼科DynamicContourTonometerUseinComparingVisualFieldDefectsinGlaucomaYasutakaYamaguchi1),YukihikoShiraki1),MitsuyoshiUmemoto1),TadakiKimura2)andYoshikiUeda1)1)DepartmentofOphthalmology,NagahamaCityHospital,2)DepartmentofOphthalmology,KitanoHospital視野障害様式が上方と下方で異なる広義開放隅角緑内障眼について,眼圧,眼球脈波(OPA),中心角膜厚,眼圧下降剤(ラタノプロスト,チモロール)への反応性を比較した.眼圧測定には,Goldmann圧平眼圧計(GAT)とdynamiccontourtonometer(DCT)を用いた.対象は上半視野障害を有する緑内障眼114例142眼,下半視野障害を有する緑内障眼75例93眼と健常眼50例100眼である.視野障害様式によるGAT測定眼圧,DCT測定眼圧,OPAおよび中心角膜厚の有意差は認めなかった.両群ともチモロールはラタノプロストより眼圧下降効果が弱かった.チモロールのDCT測定による収縮期眼圧(DCT測定眼圧+OPA)下降率は,上方視野障害群が下方視野障害群より有意に低値であった.また,上方視野障害群はチモロールによるOPA下降が得られなかった.Toinvestigatethedifferenceofthenatureoftheeyesbetweenthevisualfielddefectsbroughtonbyprimaryopen-angleglaucoma,defectlocalizationwasclassifiedinto2groups:upperdefectpatternandlowerdefectpattern.Weanalyzedintraocularpressure(IOP),ocularpulseamplitude(OPA),centralcornealthickness,andtheeffectofeitherlatanoprostortimolol.IOPwasmeasuredusingtheGoldmannapplanationtonometer(GAT)andthedynamiccontourtonometer(DCT),whichalsogavetheOPAmeasurement.Thesubjectscomprised142eyesof114patientsthathadupperdefectpattern,93eyesof75patientsthatshowedlowerdefectpattern,and100eyesof50patientswithnosignsofglaucomaasnormalcontrol.DifferencebetweenthetwopatternswasnotsignificantforIOP,OPAorcentralcornealthickness.TimololwaslesseffectiveinreducingIOPthanwaslatanoprost,foreitherpattern.Timololwaslesseffectivefortheupperdefectpatterneyes;thesystolicIOPdecrease(DCT-IOP+OPA)waslessprominentthaninthelowerdefectpatterneyes,andOPAreductionwasnotsignificant.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)27(6):821.825,2010〕Keywords:ダイナミックカンタートノメーター,視野障害,眼圧,眼球脈波.dynamiccontourtonometer,visualfielddefect,intraocularpressure,ocularpulseamplitude.822あたらしい眼科Vol.27,No.6,2010(108)かは疑問のあるところである.加えて近年,緑内障視神経障害の機序について,眼圧のほかに眼循環の要素も提唱されている7)が,疫学的な結論が得られているとはいえない.いずれにしても,高眼圧は緑内障視神経障害の進行因子の一つであり8,9),眼圧の程度が緑内障による視神経障害の性質に関与するかは興味のあるところである.今回筆者らは,緑内障を視野障害様式の面から上半視野障害群と下半視野障害群に分類し,各症例の眼圧,眼球脈波(ocularpulseamplitude:OPA),中心角膜厚,眼圧下降剤への反応性について,比較検討した.眼圧測定には,Goldmann圧平眼圧計(GAT)とともにdynamiccontourtonometer(DCT)を用いた.DCTはセンサーによる測定装置であり,角膜剛性の影響を受けることなく眼圧を測定することができ,その値は小数点以下第1位まで表示される.筆者らは,緑内障治療においてDCTが眼圧の相対的変動の指標を測定する装置として,GATと同様に用いることができることを報告している10).また,DCTでは収縮期眼圧と拡張期眼圧の差であるOPAを同時に測定される11,12).OPAは脈絡膜循環に関与しているといわれている13)が,GATでは測定不可能である.眼圧降下剤は,眼圧下降機序が異なるとされるラタノプロストとチモロールの2剤の効果について,視野障害様式による差異を検討した.I対象および方法対象は,上半視野障害を有する緑内障眼114例142眼(男性57例,女性57例),平均年齢67.9±1.0(30.92)歳と,下半視野障害を有する緑内障眼75例93眼(男性43例,女性32例),平均年齢67.1±1.3(29.90)歳である.正常対照群として,白内障以外の内眼疾患を有さない健常眼50例100眼(男性22例,女性28例),平均年齢72.8±0.9(33.87)歳を用いた.対象から屈折度(等価球面度数)が.6D未満または眼軸長が26mmを超える強度近視眼は除外した.測定値は個人情報とまったく分離してデータ解析に用いられ,点眼薬の処方や変更については患者の同意のうえで行うなど,すべての手順はヘルシンキ宣言の指針に基づいて行われた.緑内障眼は視神経乳頭所見および視野異常から診断され,Goldmann視野計で上方または下方に限局もしくは明らかにより進行した半視野障害を認め,湖崎分類a.bに相当する初期から中期の視野障害を有するものを対象とした.さらに光干渉断層計OCT3000(Zeiss社)を用いて視神経乳頭周囲の網膜神経線維層(RNFL)厚を測定し,RNFLthicknessaverageanalysisを用いて解析,上方下方それぞれの平均RNFL厚を求めた.黄斑部網膜厚も同時に測定し,網膜厚の局所的な菲薄化を認め過去の網膜局所循環障害(網膜分枝動脈閉塞など)が疑われる症例は除外した.また,各症例についてHumphrey視野計で得られた結果をHfaFilesVer.5(Beeline社)で解析し,上下視野別に感度閾値と年代別正常値との差であるtotaldeviation(TD)を求め,対応するRNFL厚との解析を行った.GAT(Haag-Streit社)とDCT(ZeimerOphthalmic社,PascalR)を用いて,GAT測定眼圧(GAT値),DCT測定眼圧(DCT値)とOPAを測定した.DCTの測定値はQ=1.5のうち精度が上位の1,2,3を用いた.中心角膜厚は超音波角膜厚測定装置(TOMEY社,AL-1000)を用いて測定した.DCT値を「DCT拡張期眼圧」,DCT値+OPAを「DCT収縮期眼圧」としても扱った.対象症例のうち,上方視野障害群91眼,下方視野障害群58眼について,ラタノプロスト点眼とチモロール点眼の点眼効果を調べた.効果の比較の際にはwashout後2.4週間の点眼期間を設け,その前後にGAT値,DCT値,OPAを測定した.比較検討にはt検定,ノンパラメトリック検定を用い,p<0.05を有意とした.II結果まず上方視野障害群,下方視野障害群について,上方視野,下方視野別のTDを求め図1に示した.Goldmann視野計で半視野障害の判定を行っているため,Humphrey視野計の結果と必ずしも一致しない症例も認めたが,図の分布からはおおむね半視野障害の選別は適切であったと考えられた.つぎに両群の上下視野別の視神経乳頭周囲平均RNFL厚とTDの関係を図2に示した.両群とも視野障害側に相当する視神経周囲RNFL厚が菲薄化しており,Ajtonyら14)の報告同様,RNFL厚とTDには正の相関があることが確認できた.GAT値(健常眼13.9±0.3mmHg,上方視野障害群16.4○:上半視野障害群+:下半視野障害群上半視野TD(dB)下半視野TD(dB)-5-15-25-35-35-25-15-5図1上方視野障害群と下方視野障害群の上下半視野別TD(109)あたらしい眼科Vol.27,No.6,2010823±0.3mmHg,下方視野障害群17.8±0.6mmHg),DCT値(健常眼18.9±0.3mmHg,上方視野障害群21.7±0.4mmHg,下方視野障害群23.2±0.7mmHg),OPA(健常眼2.4±0.1mmHg,上方視野障害群2.9±0.1mmHg,下方視野障害群2.8±0.1mmHg)はいずれも緑内障眼が健常眼より有意に高値であったが,視野障害様式による眼圧の有意差はなかった(表1).健常眼について,DCT拡張期眼圧とDCT収縮期眼圧の各値と,GAT値との関係を図3に示した.ともにGAT値と強い相関があり,その相関係数は近似していた(DCT拡張期眼圧r=0.61,DCT収縮期眼圧r=0.63).中心角膜厚は上方視野障害群(524.6±3.5μm),下方視野障害群(530.3±5.3μm)ともに健常眼(536.0±3.4μm)より表1対象症例の平均GAT値,DCT値,OPA,中心角膜厚健常眼上方視野障害群下方視野障害群2群間の有意差GAT値(mmHg)13.9±0.316.4±0.3*17.8±0.6*NSDCT値(mmHg)18.9±0.321.7±0.4*23.2±0.7*NSOPA(mmHg)2.4±0.12.9±0.1*2.8±0.1*NS中心角膜厚(μm)536.0±3.4524.6±3.5*530.3±5.3NS*健常眼との有意差あり(p<0.05).050100RNFL厚(μm)a:上方視野障害群○,太線:上方視野+,細線:下方視野○,太線:上方視野+,細線:下方視野TD(dB)150050100RNFL厚(μm)b:下方視野障害群1505-5-15-25-35TD(dB)5-5-15-25-35図2RNFL厚とTD+,細線:DCT収縮期眼圧○,太線:DCT収張期眼圧25155515GAT値(mmHg)DCT拡張期,収縮期眼圧(mmHg)25図3健常眼のGAT値とDCT拡張期眼圧,収縮期眼圧5040302010001020304050点眼後DCT値(mmHg)点眼前DCT値(mmHg)a:上方視野障害群5040302010001020304050点眼後DCT値(mmHg)点眼前DCT値(mmHg)b:下方視野障害群○,太線:ラタノプロスト+,細線:チモロール○,太線:ラタノプロスト+,細線:チモロール図4点眼前後のDCT値824あたらしい眼科Vol.27,No.6,2010(110)薄い傾向にあり,特に上方視野障害群は健常眼より有意に低値であった.視野障害様式による有意差はなかった(表1).上下視野障害別に緑内障点眼前後のDCT値を図4に示した.上方視野障害群の無点眼下での平均DCT値は21.6±0.4mmHgであり,ラタノプロスト点眼後は18.3±0.4mmHg,チモロール点眼後は20.1±0.4mmHgに有意に下降した(2剤間の有意差あり).下方視野障害群の無点眼下での平均DCT値は23.2±0.8mmHgであり,ラタノプロスト点眼後は19.2±0.5mmHg,チモロール点眼後は20.4±0.7mmHgに有意に下降した(2剤間の有意差あり).上方視野障害群で,ラタノプロストは点眼前DCT値が18mmHg以下,チモロールは22mmHg以下の症例において,点眼前後のDCT値に有意差はなかった.対して下方視野障害群では,ラタノプロストは点眼前DCT値が17mmHg以下,チモロールは18mmHg以下の症例において,点眼前後のDCT値に有意差はなかった.さらにDCT拡張期眼圧とDCT収縮期眼圧について,平均眼圧下降率を検討した.DCT拡張期眼圧は,上方視野障害群でラタノプロスト14.3±1.5%,チモロール5.8±1.7%(2剤間の有意差あり),下方視野障害群でラタノプロスト15.7±1.9%,チモロール11.1±1.6%(2剤間の有意差あり)であった.DCT収縮期眼圧は,上方視野障害群でラタノプロスト14.1±1.4%,チモロール5.6±1.7%(2剤間の有意差あり),下方視野障害群でラタノプロスト15.7±1.8%,チモロール11.1±1.5%(2剤間の有意差あり)であった.特にチモロール点眼によるDCT収縮期眼圧の下降率は,上方視野障害群よりも下方視野障害群で有意に高かった.点眼前後のOPAを図5に示した.無点眼下での平均値は2.8±0.1mmHgであったが,上方視野障害群のラタノプロスト点眼後は2.5±0.1mmHg,チモロール点眼後は2.8±0.1mmHg(2剤間の有意差あり)に,下方視野障害群のラタノプロスト点眼後は2.4±0.1mmHg,チモロール点眼後は2.5±0.1mmHg(2剤間の有意差なし)に変動を認めた.上方視野障害群のチモロール点眼後のみ,点眼前後の有意差を認めなかった.図6に,対象となった症例について,左右眼の視野障害様式を示した.同一症例でも左右眼で視野障害様式が上方視野障害と下方視野障害の異なるものが6%存在した.III考按健常眼の検討でGAT値はDCT拡張期眼圧ともDCT収縮期眼圧とも同程度に強く相関した.すなわち,通常得られるGAT値は,DCTから得られる細分化された値のいずれをもより反映することはないようである.これは,実際の計測手順を考慮すれば仕方のないことであろう.上下の視野障害様式によるGAT値,DCT値,OPAおよび中心角膜厚の有意差は認めなかった.症例の除外診断においては,視野欠損の自覚を得やすいと思われる下方視野に相当する上方の黄斑部網膜が明らかに局所性の循環障害で菲薄化した症例があり,過去においてNTGとされた症例にこのような症例が混在することで解析を混乱させた可能性があ点眼後OPA(mmHg)点眼前OPA(mmHg)64200246a:上方視野障害群点眼後OPA(mmHg)点眼前OPA(mmHg)64200246b:下方視野障害群○,太線:ラタノプロスト+,細線:チモロール○,太線:ラタノプロスト+,細線:チモロール図5点眼前後のOPA39%上-健下-健上:上方視野障害眼健:健常眼下:下方視野障害眼進:視野障害進行眼上-上上-進上-下下-進下-下25%15%6%6%2%7%図6対象緑内障眼の左右視野障害様式の内訳(111)あたらしい眼科Vol.27,No.6,2010825る.いまや緑内障の解析に網膜三次元画像診断は必須といえる.視野障害様式に関わりなく,DCT値下降作用ならびにOPA下降作用はチモロールよりラタノプロストが優位であった.特に上方視野障害群においては,ラタノプロストに比べてチモロールの効果が得られにくく,点眼前DCT値が22mmHg以下の症例(GAT値平均14.8mmHg以下)でよりその効果は認められなかった.下方視野障害群に関しては,下降度の有意差を示す作用点としてのDCT値は,ラタノプロストとチモロールにそれほどの違いはなかった.眼圧下降のみを主眼とするなら,上方視野障害を有する正常眼圧緑内障眼には,問題なくラタノプロストが第一選択といえる.ただし,実際の視野障害進行防止効果については長期的な解析が必要である.このように,視野障害様式によりb遮断薬に対する反応性が異なることが明らかになった.Nicolelaら15)は緑内障および高眼圧症患者にラタノプロストとチモロールを各々投与し,カラードップラーを用いて点眼後の球後血流への影響を比較している.そこでラタノプロストは球後血流に変化を及ぼさなかったが,チモロールは血流速度の低下を認めたと報告している.今後同様の検討を視野障害様式ごとに分類して行うことで,網膜血流と視野障害の関連について新たな考察が可能となるかもしれない.筆者らは以前に,OPAとDCT値の相関は決して高くないこと(健常眼r=0.31,緑内障眼r=0.26)を明らかにした10).すなわちDCT値に伴いOPAも変動するが,必ずしもその程度は同様ではない.眼圧下降によって緑内障の視野障害進行を阻止できることは示されている8,9).OPAは眼圧の一部である一方で,脈絡膜循環を反映するともいわれている13).OPAの低下が視野に関して与える影響については,今後OPAの値自体を分類の指標とし解析する必要がある.同一症例で視野障害様式が左右異なる場合があった.視野障害様式の決定は,眼球自体の要素がより強く関わるのかもしれない.文献1)日本緑内障学会緑内障診療ガイドライン作成委員会:緑内障診療ガイドライン第2版.日眼会誌110:777-814,20062)堀純子,相原一,鈴木康之ほか:正常眼圧緑内障と原発開放隅角緑内障の中.末期における視野障害様式の比較.日眼会誌98:968-973,19943)CaprioliJ,SearsM,MillerJM:Patternsofearlyvisualfieldlossinopenangleglaucoma.AmJOphthalmol103:512-517,19874)ChausenBC,DranceSM,DouglasGRetal:Visualfielddamageinnormal-tensionandhigh-tensionglaucoma.AmJOphthalmol108:636-642,19895)LiuJH,KripkeDF,TwaMDetal:Twenty-four-hourpatternofintraocularpressureintheagingpopulation.InvestOphthalmolVisSci40:2912-2917,19996)BlumenthalM,BlumenthalR,PeritzEetal:Seasonalvariationinintraocularpressure.AmJOphthalmol69:608-610,19707)HarringtonDO:Thepathogenesisoftheglaucomafield:Clinicalevidencethatcirculatoryinsufficiencyintheopticnerveistheprimarycauseofvisualfieldlossinglaucoma.AmJOphthalmol47:477-482,19598)CollaborativeNormal-TensionGlaucomaStudy:Comparisonofglaucomatousprogressionbetweenuntreatedpatientswithnormal-tensionglaucomaandpatientswiththerapeuticallyreducedintraocularpressures.AmJOphthalmol126:487-497,19989)CollaborativeNormal-TensionGlaucomaStudy:Theeffectivenessofintraocularpressurereductioninthetreatmentofnormal-tensionglaucoma.AmJOphthalmol126:498-505,199810)山口泰孝,梅基光良,木村忠貴ほか:DynamicContourTonometerによる眼圧測定と緑内障治療.あたらしい眼科26:695-699,200911)KaufmannC,BachmannLM,ThielMA:ComparisonofdynamiccontourtonometrywithGoldmannapplanationtonometry.InvestOphthalmolVisSci45:3118-3121,200412)冨山浩志,石川修作,新垣淑邦ほか:DynamicContourTonometer(DCT)とGoldmann圧平眼圧計,非接触型眼圧計の比較.あたらしい眼科25:1022-1026,200813)TrewDR,SmithSE:Postualstudiesinpulsatileocularbloodflow:II.Chronicopenangleglaucoma.BrJOphthalmol75:71-75,199114)AjtonyC,BallaZ,SomoskeoySetal:Relationshipbetweenvisualfieldsensitivityandretinalnervefiberlayerthicknessasmeasuredbyopticalcoherencetomography.InvestOphthalmolVisSci48:258-263,200715)NicolelaMT,BuckleyAR,WalmanBEetal:Acomparativestudyoftheeffectsoftimololandlatanoprostonbloodflowvelocityoftheretrobulbarvessels.AmJOphthalmol122:784-789,1996***

Dynamic Contour Tonometerによる眼圧測定と緑内障治療

2009年5月31日 日曜日

———————————————————————-Page1(115)6950910-1810/09/\100/頁/JCLS19回日本緑内障学会原著》あたらしい眼科26(5):695699,2009cはじめに現在,精密眼圧測定にはGoldmann圧平眼圧計(GAT)が一般的に使用されている.しかし,圧平式眼圧計は角膜厚や前眼部のさまざまな影響を受けることが知られている1,2).近年,角膜厚・形状の影響をほとんど受けない眼圧計としてdynamiccontourtonometer(DCT)が開発された.緑内障の視神経障害の機序は,いまだに詳細不明であるが,眼圧下降によって視野障害の進行を阻止することができるとされている35).現在の臨床において眼圧測定の標準はGATである.DCTがより真の眼内圧に近い眼圧を測定しても,GATと同様に緑内障治療において安定して眼圧を計測できなければ意味がない.これまでDCTの有用性についてGATと比較した報告はいくつかなされており,DCTはGATより高い眼圧値を示しさらに中心角膜厚の影響が少ないとされている69).また,角膜屈折矯正手術の術前後でDCTとGATの眼圧値を比較した報告もあり,GATでは術前と比べ術後低い眼圧値を示したがDCTでは術前後で差を認めなかったとされている10,11).今回筆者らは,DCTを用いて健常眼および緑内障眼の治療前後で眼圧を測定し,同時に測定したGATの眼圧値と比較し検討した.〔別刷請求先〕山口泰孝:〒526-8580長浜市大戌亥町313市立長浜病院眼科Reprintrequests:YasutakaYamaguchi,M.D.,DepartmentofOphthalmology,NagahamaCityHospital,313Ohinui-cho,Nagahama526-8580,JAPANDynamicContourTonometerによる眼圧測定と緑内障治療山口泰孝梅基光良木村忠貴植田良樹市立長浜病院眼科DynamicContourTonometerUseinGlaucomaTherapyYasutakaYamaguchi,MitsuyoshiUmemoto,TadakiKimuraandYoshikiUedaDepartmentofOphthalmology,NagahamaCityHospitalDynamiccontourtonometer(DCT)で測定した眼圧値の緑内障治療における有用性につき,Goldmann圧平眼圧計(GAT)と比較し検討した.対象は,健常眼50例100眼,トラベクロトミーを施行した緑内障16例18眼および緑内障点眼(ラタノプロスト,チモロール)を使用する緑内障72例125眼である.緑内障治療眼ではDCT眼圧測定値はGATと同様に有意な下降を認めた.健常眼と比較し無治療緑内障眼で眼球脈波(OPA)は有意に高値を示し,トラベクロトミー術後とラタノプロスト点眼後に有意に下降した.チモロール点眼後は有意な変動を示さなかった.DCTは緑内障眼の眼圧測定において,GATと同様に用いることができた.Theaimofthisstudywastoinvestigatethereliabilityofintraocularpressuremeasurementusingthedynamiccontourtonometer(DCT),incomparisontotheGoldmannapplanationtonometer(GAT),specicallyasusedinglaucomatherapy.Thesubjectscomprised50normaleyesof100patients,18glaucomatouseyesof16patientsthathadundergonetrabeculotomyand125glaucomatouseyesof72patientsthathadreceivedmonotherapywithlatanoprostortimolol.Followingtreatmentbyallmethods,bothDCTandGATmeasurementsshowedsignicantlowering.Theocularpulseamplitude(OPA)oftheglaucomatouseyeswasremarkablyhigherthanthatofthenor-maleyes.OPAdecreasedsignicantlyaftertrabeculotomyortreatmentwithlatanoprost,whiletimololelicitednosignicantchange.BothDCTandGATwereusefulinmeasuringintraocularpressureinglaucomatouseyes.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)26(5):695699,2009〕Keywords:ダイナミックカンタートノメーター,Goldmann圧平眼圧計,トラベクロトミー,ラタノプロスト,チモロール.dynamiccontourtonometer,Goldmannapplanationtonometer,trabeculotomy,latanoprost,timolol.———————————————————————-Page2696あたらしい眼科Vol.26,No.5,2009(116)I対象および方法対象は,白内障以外の内眼疾患を有さない健常眼50例100眼(男性22例,女性28例,平均年齢72.4±1.1歳),トラベクロトミーを施行した緑内障16例18眼(男性8例,女性8例,平均年齢69.2±3.8歳)および緑内障点眼(ラタノプロスト,チモロール)を使用する隅角の開放した緑内障72例125眼(男性36例,女性36例,平均年齢68.5±1.0歳)である.緑内障眼は視神経乳頭所見および視野から診断された.各症例でdynamiccontourtonometer(PascalR,ZeimerOphthalmic社)を用いて眼圧ならびに眼球脈波(ocularpulseamplitude:OPA)を測定し(信頼度の高いQ=13を用いた),同時にGAT(Haag-Streit社)でも眼圧を測定し比較した.また,各症例の角膜厚は,超音波角膜厚測定装置(AL-1000,TOMEY社)によって測定した.各値の相関は直線回帰分析によって解析し,Pearsonの相関係数を求めた.検定はt検定を用い,有意水準は5%とした.トラベクロトミー症例は術前日と術翌日午前に眼圧を測定した.術前点眼数は平均2.2±0.3剤で,術後は無点眼下で測定した.症例の内訳は,正常眼圧緑内障3眼,原発開放隅角緑内障4眼,落屑緑内障5眼,ステロイド緑内障4眼および続発緑内障2眼であった.緑内障点眼はwashout後,24週間の点眼期間を設け,その前後で眼圧を測定した.症例の内訳は,正常眼圧緑内障89眼,狭義の原発性開放隅角緑内障26眼および落屑緑内障10眼であった.また,視野欠損の進行した症例はすでに緑内障手術を施行されているものが多いため,今回はGold-mann型動的視野計において湖崎分類IIaIIIbを示す内眼手術の既往のない症例103眼と偽水晶体眼22眼とを対象とした.II結果1.健常眼におけるDCT今回筆者らの計測した健常眼100眼の平均値はGAT眼圧測定値13.9±0.3mmHg,DCT眼圧測定値18.9±0.3mmHg,OPA2.4±0.1mmHg,中心角膜厚536.0±3.4μmであった.GATとDCTの眼圧測定値は強い相関(r=0.61,p<0.0001,図1a)があった.中心角膜厚はGAT測定値に影響(r=0.29,p=0.003,図1b)したが,DCT測定値には影響しないようであった(r=0.002,p=0.98,図1c).中心角膜厚値が小さいほど,DCT測定値はGAT測定値より高くなった(図1d).また,OPAは1.53.0mmHgに多く分布し,DCT測3025201510551015GAT測定値(mmHg)202530DCT測定値(mmHg)図1a健常眼のGAT測定値とDCT測定値中心角膜厚測定値図1c健常眼の中心角膜厚とDCT測定値測定値図1e健常眼のDCT測定値とOPA30252015105400450500m550600650GAT測定mm図1b健常眼の中心角膜厚とGAT測定値中心角膜厚測定値図1d健常眼の中心角膜厚とDCT,GAT測定値の差———————————————————————-Page3あたらしい眼科Vol.26,No.5,2009697(117)定値と弱い相関があった(r=0.31,p=0.02,図1e).2.緑内障眼におけるDCT今回緑内障点眼の対象となった125眼の無点眼下での値について検討した.平均値はGAT眼圧測定値17.9±0.4mmHg,DCT眼圧測定値23.6±0.4mmHg,OPA2.9±0.1mmHgであり,いずれの値も健常眼より有意に高かった(p<0.0001,p<0.0001,p<0.0001).中心角膜厚は521.1±3.5μmであり,健常眼より角膜は有意に薄かった(p<0.0001).健常眼と同様に,GATとDCTの測定値は強い相関(r=0.85,p<0.0001,図2a)があった.無治療緑内障眼でもOPAはDCT測定値と弱い相関があった(r=0.26,p=0.003,図2b).DCT測定値の同一範囲内(26.8mmHg以下)で比較しても健常眼に比べ緑内障眼は有意にOPAが高値であり(p=0.0007),これは特に眼圧の低い症例で顕著であった.3.緑内障治療前後の比較DCTによる眼圧測定値は,トラベクロトミー術前31.7±2.4mmHgから術後20.6±1.3mmHg(p<0.0001)に,緑内障点眼は点眼前23.6±0.5mmHgからラタノプロスト点眼後19.5±0.4mmHg(p<0.0001)に,またチモロール点眼後20.7±0.4mmHg(p<0.0001)に,いずれの治療でも治療後で有意な下降を認めた(図3a).GAT測定でも各治療で有意な眼圧下降を認めた(図3b).OPAはトラベクロトミー術前3.6±0.3mmHgから術後2.6±0.3mmHg(p=0.0006)に有意に下降した.緑内障点眼は点眼前2.9±0.1mmHgからラタノプロスト点眼後2.5±0.1mmHgに下降した(p<0.0001).一方,チモロール点眼後は2.8±0.1mmHgと下降する傾向があったが有意差はなかった(p=0.08,図3c).また,各治療前後のDCT測定値とOPAの関係を比較した(図3d,各症例の分布は数が多く煩雑なため,回帰線のみ示した).トラベクロトミー術後およびラタノプロスト点眼後は健常眼の分布に近づく傾向にあった.チモロール点眼後はDCT測定値は下降するもののOPAの明らかな変化はみられなかった.4.緑内障点眼の比較ラタノプロスト点眼とチモロール点眼について,DCTお453525155515GAT測定値(mmHg)253545DCT測定値(mmHg)図2a緑内障眼のGAT測定値とDCT測定値測定値図2b緑内障眼のDCT測定値とOPA403020100治療治療<0.0001p<0.0001p<0.0001チモロールGAT測定値(mmHg)図3b各治療前後のGAT測定値治療前治療後<0.0001p<0.0001NSチモロールOPA(mmHg)図3c各治療前後のOPA403020100治療治療<0.0001p<0.0001p<0.0001チモロールDCT測定値(mmHg)図3a各治療前後のDCT測定値———————————————————————-Page4698あたらしい眼科Vol.26,No.5,2009(118)よびGATによる眼圧測定値の眼圧下降率を図4a,bに示した.ほぼ同様の分布と思われた.DCT測定での30%および20%眼圧下降の達成率は,ラタノプロスト単剤使用でそれぞれ17%と41%,チモロール単剤使用では8%と21%であった(図4c,d).また,2剤とも有効がそれぞれ5%と14%であり,2剤とも無効が80%と52%であった.III考按DCTは角膜カーブに合わせた凹型のセンサーチップを用いることで,圧平時の角膜の歪みや変形を最小限にし,角膜厚・角膜剛性の影響を受けずに眼圧を直接測定するよう理論づけられている.Kniestedtら12)は,摘出眼の検討で直接測定した真の眼内圧は,GAT測定値よりもDCT測定値により近かったと報告している.角膜形状とチップ先端形状の完全な一致は困難と考えられるが,今回の筆者らの検討でもDCTによる眼圧測定値はGATに比べ角膜厚の影響が少ないことが改めて確認され,DCTはより正確に眼内圧を計測していると考えられる.今回の検討で,DCTは緑内障治療前後における眼圧の相対的変動の指標として,GATと同様に用いることができた.緑内障眼の眼圧管理において,視野の欠損に応じた目標眼圧の設定が望ましいといわれており13,14),DCTの眼圧測定値86420OPA(mmHg)5103020405060DCT測定値(mmHg)トラベクロトミー:健常眼:治療前:治療後86420OPA(mmHg)5103020405060DCT測定値(mmHg)ラタノプロスト:健常眼:治療前:治療後6420OPA(mmHg)5103020405060DCT測定値(mmHg)チモロール:健常眼:治療前:治療後図3d各治療前後のDCTOPA分布60-400-20ラタノプロストチモロール2040606040020-20-40-60図4aDCT測定による眼圧下降率(%)ラタノプロストチモロール有効有効1280(%)35n=125無効無効図4c30%眼圧下降達成率(DCT)60-400-20ラタノプロストチモロール2040606040020-20-40-60図4bGAT測定による眼圧下降率(%)ラタノプロストチモロール有効有効2752(%)714n=125無効無効図4d20%眼圧下降達成率(DCT)———————————————————————-Page5あたらしい眼科Vol.26,No.5,2009699(119)がより真の眼内圧に近い値であるのならば,DCTを用いて,改めて視神経障害の程度に合わせた目標眼圧を検討せねばならない.今後もDCTのデータを重ねて,長期的に眼圧の変動と視野の変化の関わりを解析することで,さらにDCTを有効に利用できると考えられる.ただし,眼圧は緑内障のリスクファクターとして大きい35)とはいえ,特に日本人において正常眼圧緑内障が多いとの報告15)もあり,今後はより症例の状態を細分化したうえでの検討にならざるをえないと思われる.DCTは眼圧と同時にOPAも測定できる.今回の検討では,緑内障眼のOPAは健常眼より有意に高値を示した.またOPAの変動は治療法により異なることが明らかになった.血液動態や循環系に作用があると考えられるb-blockerでOPAへの作用がより少なかったが,その機序は不明である.各種薬剤の眼圧下降機構は詳細に解析されているわけではなく,OPAへの作用を介して点眼の作用機構や治療効果の解析が可能となるかもしれない.文献1)WolfsRC,KlaverCC,VingerlingJRetal:Distributionofcentralcornealthicknessanditsassociationwithintraocu-larpressure.TheRotterdamStudy.AmJOphthalmol123:767-772,19972)GunvantP,BaskaranM,VijayaLetal:EfectofcornealparametersonmeasurementsusingthepulsatileocularbloodlowtonographandGoldmannapplanationtonome-ter.BrJOphthalmol88:518-522,20043)CollaborativeNormal-TensionGlaucomaStudy:Compari-sonofglaucomatousprogressionbetweenuntreatedpatientswithnormal-tensionglaucomaandpatientswith-therapeuticallyreducedintraocularpressures.AmJOph-thalmol126:487-497,19984)CollaborativeNormal-TensionGlaucomaStudy:Theeffectivenessofintraocularpressurereductioninthetreatmentofnormal-tensionglaucoma.AmJOphthalmol126:498-505,19985)GordonMO,KassMA:TheOcularHypertensionTreat-mentStudy:designandbaselinedescriptionofthepar-ticipants.ArchOphthalmol117:573-583,19996)KaufmannC,BachmannLM,ThielMA:ComparisonofdynamiccontourtonometrywithGoldmannapplanationtonometry.InvestOphthalmolVisSci45:3118-3121,20047)KotechaA,WhiteET,ShewryJMetal:TherelativeefectsofcornealthicknessandageonGoldmannapplana-tiontonometryanddynamiccontourtonometry.BrJOphthalmol89:1572-1575,20058)FrancisBA,HsiehA,LaiMYetal:Efectsofcornealthickness,cornealcarvature,andintraocularpressurelevelonGoldmannapplanationtonometryanddynamiccontourtonometry.Ophthalmology114:20-26,20079)冨山浩志,石川修作,新垣淑邦ほか:DynamicContourTonometer(DCT)とGoldmann圧平眼圧計,非接触型眼圧計の比較.あたらしい眼科25:1022-1026,200810)KaufmannC,BachmannLM,ThielMA:Intraocularpres-suremeasurementsusingdynamiccontourtonometryafterlaserinsitukeratomileusis.InvestOphthalmolVisSci44:3790-3794,200311)SiganosDS,PapastegioiuGI,MoedasC:AssessmentofthePascaldynamiccontourtonometerinmonitouringintraocularpressureinunoperatedeyesandeyesafterLASIK.JCataractRefractSurg30:746-751,200412)KniestedtC,MichelleN,StamperRL:Dynamiccontourtonometry:acomparativestudyonhumancadavereyes.ArchOphthalmol122:1287-1293,200413)岩田和雄:低眼圧緑内障および原発開放隅角緑内障の病態と視神経障害機構.日眼会誌96:1501-1531,199214)TheAdvancedGlaucomaInterventionStudyInvestiga-tors:AdvancedGlaucomaInterventionStudy:2.Visualeldtestscoringandreliability.Ophthalmology101:1445-1455,199415)IwaseA,SuzukiY,AraieMetal:Theprevalenceofpri-maryopen-angleglaucomainJapanese:theTajimiStudy.Ophthalmology111:1641-1648,2004***

Dynamic Contour Tonometer(DCT)とGoldmann 圧平眼圧計,非接触型眼圧計の比較

2008年7月31日 木曜日

———————————————————————-Page11022あたらしい眼科Vol.25,No.7,2008(00)18回日本緑内障学会原著》あたらしい眼科25(7):10221026,2008cはじめに現在,眼圧測定のゴールデンスタンダードはGoldmann圧平眼圧計(GAT)を用いた測定である.しかしながらGATによる眼圧測定は角膜厚,眼球壁剛性など角膜の物理的特性の影響を受けることが知られている.また日常臨床で広く用いられている非接触型眼圧計(NCT)による眼圧測定〔別刷請求先〕冨山浩志:〒903-0215沖縄県中頭郡西原町字上原207琉球大学医学部高次機能医科学講座視覚機能制御学分野Reprintrequests:HiroshiTomiyama,M.D.,DepartmentofOphthalmology,FacultyofMedicine,RyukyuUniversity,207Uehara,Nishihara,Nakagami,Okinawa903-0215,JAPANDynamicContourTonometer(DCT)とGoldmann圧平眼圧計,非接触型眼圧計の比較冨山浩志*1,2石川修作*2新垣淑邦*1酒井寛*1澤口昭一*1*1琉球大学医学部高次機能医科学講座視覚機能制御学分野*2中頭病院眼科ComparisonofIntraocularPressureasMeasuredbyDynamicContourTonometer,GoldmannApplanationTonometerandNon-ContactTonometerHiroshiTomiyama1,2),ShusakuIshikawa2),YoshikuniArakaki1),HiroshiSakai1)andShoichiSawaguchi1)1)DepartmentofOphthalmology,FacultyofMedicine,RyukyuUniversity,2)DepartmentofOphthalmology,NakagamiHospital目的:Dynamiccontourtonometer(DCT)とGoldmann圧平眼圧計(GAT),非接触型眼圧計(NCT)で測定した各眼圧値を比較し,影響する因子について検討した.対象および方法:内眼手術の既往のない105例,207眼を対象とし,眼圧をDCT,GAT,NCTで測定した.角膜曲率半径,等価球面度数,中心角膜厚についても測定した.GATで測定した眼圧値はさらに中心角膜厚でも補正し検討した.結果:眼圧値はそれぞれDCTで18.4±3.0mmHg,NCTで16.1±4.2mmHg,GATで16.8±4.0mmHg,補正GATでは16.9±3.6mmHgであった.DCTで測定した眼圧値は有意に高値を示した.DCT,NCT,GAT,補正GATの各眼圧間にはそれぞれ相関を認めた.NCT,GATにおける眼圧値は中心角膜厚との間に有意な相関を認めたが,DCT測定値は中心角膜厚と相関を認めなかった.NCTとGAT(および補正GAT)測定値は等価球面度数,角膜曲率半径と相関を認めなかったが,DCT測定値は角膜曲率半径と負の相関(r=0.25,p=0.0002)を認めた.結論:GAT,NCT測定眼圧値は中心角膜厚の影響を受けるが,DCTによる測定はその影響を受けない.Wecomparedintraocularpressure(IOP)measurementstakenby3instruments:Dynamiccontourtonometer(DCT),Goldmannapplanationtonometer(GAT)andnon-contacttonometer(NCT).Thesubjectscomprised207eyesof105outdoorpatientswithnohistoryofeyesurgery.TheIOPofeachsubjectswasmeasuredbyDCT,GATandNCT.Centralcornealthickness(CCT),refractivesphericalequivalentandcornealradialcurvaturewerealsomeasuredforfurtheranalysis.GAT-measuredIOPvalueswerealsocorrectedbyCCT(correctedGAT).MeanIOPsmeasuredwere18.4±3.0mmHgbyDCT,16.1±4.2mmHgbyNCT,16.8±4.0mmHgbyGATand16.9±3.6mmHgbycorrectedGAT.IOPsasmeasuredbyNCTandGATweresignicantlycorrelatedwithCCT,whileDCTmeasurementswerenot.NeithersphericalequivalentvaluenorcornealradialcurvatureaectedIOPwhenmeasuredbyNCT,GATandcorrectedGAT.IOPmeasuredbyDCTwasalsonotaectedbysphericalequivalentvalue,thoughweakcorrelationwasnotedwithcornealradialcurvature(r=0.25,p=0.0002).IOPasmeasuredbyGATandNCTwereaectedbyCCT,whileDCTmeasurementswerenot.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)25(7):10221026,2008〕Keywords:中心角膜厚,ダイナミックカンタートノメーター,Goldmann圧平眼圧計,非接触型眼圧計.centralcornealthickness,Dynamiccontourtonometer,Goldmannapplanationtonometer,non-contacttonometer.0910-1810/08/\100/頁/JCLS1022(118)———————————————————————-Page2あたらしい眼科Vol.25,No.7,20081023(119)も同様に影響を受けるとされている.近年開発され,臨床応用されたZeimerOphthalmic社のdynamiccontourtonom-eter(PascalR,以下,DCT)はこのような角膜の物理的特性に影響を受けずに眼圧測定が行える検査機器として注目,期待されている.今回筆者らはDCTとGAT,さらにNCTを用いてそれぞれ眼圧測定を行い,測定方法の違いによる眼圧値の比較,眼圧値に影響を与える因子について検討した.I対象および方法2006年11月から2007年4月の間に,中頭病院眼科外来を受診した内眼手術の既往のない105例,207眼(男性55例108眼,女性50例99眼)を対象とした.対象者の年齢は2590歳で平均60.9±11.2歳(平均±標準偏差)であった.対象の内訳は,緑内障と緑内障疑い(視神経乳頭陥凹拡大,高眼圧症,閉塞隅角症)が93%(189眼),非緑内障が9%(8眼)であった.緑内障患者のなかには点眼加療中の者も含まれていた.測定検査項目として眼圧値はDCT,GAT(Haag-Streit社),NCT(TOPCON,CT90-A)で測定した.NCT,GAT,DCTは同日測定し,NCT,GAT,DCTの順で測定した.各測定は10分以上の間隔をあけて測定し,NCTは3回の平均測定結果,GATとDCTは1回の測定結果を使用した.DCTは信頼性高い(Q値が13の)測定結果が得られなければ計測し直し,測定不能であった患者は検討から除外した.角膜曲率半径(NIDEK,ARK-730A)と屈折値(NIDEK,ARK-730A)を測定し,屈折値は等価球面度数を算出し検討に用いた.中心角膜厚(CCT)は超音波角膜厚測定装置(TOMEY,SP-3000)により測定した.GATで測定した眼圧値は「補正GAT=実測GAT(CCT平均CCT)×回帰係数」により補正した眼圧値(以下,補正GAT)とし,比較・検討に用いた.なお,回帰係数は直線回帰分析より求めた.いずれの統計学的解析において検定の有意水準は5%とした.II結果1.各測定方法による眼圧についての検討眼圧値はDCTでは18.4±3.0mmHg(平均+標準偏差),NCTでは16.1±4.2mmHg,GATでは16.8±4.0mmHgであった.また前述の式により求められた補正GATは16.9±3.6mmHgであった.NCT,GAT,DCT,補正GATの各眼圧値の相関を直線回帰分析によって解析し,Pearsonの相関係数を求めた.NCT-GATは強い有意な相関を認めた(ra)NCT-GAT0510152025303505101520253035NCT(mmHg)GAT(mmHg)b)NCT-DCT0510152025303505101520253035NCT(mmHg)DCT(mmHg)c)GAT-DCT0510152025303505101520253035GAT(mmHg)DCT(mmHg)d)補正GAT-DCT0510152025303505101520253035補正GAT(mmHg)DCT(mmHg)y=0.505x+9.8855r2=0.4363y=0.4604x+9.7704r2=0.2843y=0.3545x+12.664r2=0.2463y=0.6884x+5.7211r2=0.5428図1各眼圧の相関———————————————————————-Page31024あたらしい眼科Vol.25,No.7,2008(120)=0.74,p<0.0001,図1a).NCT-DCT,GAT-DCT,補正GAT-DCTは中等度の有意な相関を認めた(それぞれr=0.50,p<0.0001,r=0.66,p<0.0001,r=0.66,p<0.0001,図1bd).NCT,GAT,補正GAT,DCTのそれぞれの眼圧値の比較ではDCTがNCT,GAT,補正GATに対して有意に高値であった(Turkey-Kramer法,p<0.05).またNCT,GAT,補正GATの間にそれぞれ有意差は認めなかった.2.中心角膜厚と各眼圧値の相関対象のCCTは543±36μm(平均±標準偏差)であった.CCTとNCT,GAT,DCTの各眼圧値の相関を直線回帰分析によって解析し,Pearsonの相関係数を求めた.NCT,GATの眼圧値とCCTはそれぞれ有意な相関を認めた(それぞれr=0.54,p<0.0001,r=0.39,p<0.0001,図2a,b).しかしCCTとDCTの眼圧値は有意な相関を認めなかった(r=0.12,p=0.0875,図2c).3.各眼圧値に影響する中心角膜厚以外の因子の検討CCT以外の因子として等価球面度数と角膜曲率半径を測定し,NCT,GAT,DCTの各眼圧値の相関を直線回帰分析にて解析し,Pearsonの相関係数を求めた.対象の等価球面度数は0.58±2.52D(平均±標準偏差),角膜曲率半径は7.71±0.24mm(平均±標準偏差)であった.等価球面度数はNCT,GAT,DCTによる測定眼圧値といずれも有意な相関を認めなかった.角膜曲率半径はNCT,GATとは有意な相関を認めなかった(それぞれr=0.08,p=0.23,r=0.11,p=0.12)が,DCT測定値とは弱いが有意な相関を認めた(r=0.25,p=0.0002).III考按現在,臨床上最も標準とされている眼圧測定装置はGold-mann圧平眼圧計(GAT)である.GATは角膜を直径3.06mmで圧平したときにImbert-Fickの法則が成立すると仮定し,眼圧値を求めるものである.そのため中心角膜厚などの要因に測定値が影響されることが指摘されている1,2).角膜厚に関しては高眼圧症では正常者や緑内障患者に比べCCTが厚く,一方,正常眼圧緑内障患者ではCCTが薄いことが報告されている27).今回得られた中心角膜厚(平均543μm)はIwaseらの報告7)とほぼ同様であった.近年,緑内障患者におけるCCTの重要性,CCTによる眼圧値の補正の重要性が評価されはじめている.しかしながらCCTのGAT測定眼圧値への影響についてこれまでの報告は0.17mmHg/10μm0.71mmHg/10μmと非常にばらつきが大きく問題となっている2,4,812).DCTは角膜形状に合わせた凹型のチップを用いることで圧平時の角膜の歪みや変形を最小限にして,角膜厚・角膜剛性といった角膜の物理的特性に影響されにくい眼圧測定装置として開発された.今回の検討ではDCT,GAT,NCTの測定に加えてCCTの平均値と,GATとCCTの回帰係数による補正式を用いて算出した補正GATによる眼圧値も比較した.今回の検討では,NCT,GAT,DCTの各測定機器の眼圧値はそれぞれ有意に相関した.対象患者のCCTの平均は543±36μm(平均±標準偏差)でGATとCCTの関係は0.43mmHg/10μmとなった(図2b).この値より「補正GAT=実測GAT(CCT543)×0.043」という補正式から補正GAT値を計算した.DCTの眼圧値はNCT,GAT,補正GATの眼圧値に比べ有意に高値となり,DCTとの平均値の差はNCT(+2.3mmHg),GAT(+1.6mmHg),補正GAT(+1.5mmHg)であった.DCTとGATの測定値では有意にDCTが高いとする報告が多く911,1320),その差も0.73.9mmHgと幅があるが,その差は約2mmHg前後という報告が大部分であり,今回の筆者らの検討とほぼ同等であった.DCTは開発時に死体眼を用いてキャリブレーションされてa)NCT05101520253035NCT(mmHg)b)GAT051015202530400450500550600650400450500550600650400450500550600650中心角膜厚(?m)中心角膜厚(?m)中心角膜厚(?m)GAT(mmHg)y=0.0639x-18.524r2=0.2914y=0.0429x-6.4352r2=0.1504c)DCTy=0.0101x+12.924r2=0.014205101520253035DCT(mmHg)図2各眼圧と中心角膜厚の相関———————————————————————-Page4あたらしい眼科Vol.25,No.7,20081025(121)おり,Kniestedtら21)は同様の摘出眼を用いた検討で,直接測定した内眼圧とDCTの差は+0.58mmHgで有意差が認められなかったのに対し,GATとpneumatonometry(PTG)ではそれぞれ4.01mmHg,5.09mmHgであったと報告している.これらのことからDCTはGATより高い眼圧値を示していることがわかる.また補正GATの値とDCTの間に有意差が認められたことに関しては角膜剛性などCCT以外の要因や,補正式そのものの問題が影響していることが考えられた.今回の検討ではNCT,GATの眼圧値とCCTの間にそれぞれ有意な相関を認めたが,CCTとDCT値に関しては有意な相関を認めず,DCTの測定値は角膜の厚みに影響されないことがこれまでの報告1013,20,2224)と同様明らかであった.一方,GATより弱いがDCTもCCTと相関するという報告もある9,14,16,17).角膜屈折矯正(LASIK)術前・後の眼圧を比較したSiganosら25)の研究ではGATで術後1週目に平均4.9mmHg,術後4週目で平均5.4mmHg低い値を示し,NCTでも同様の低値を示すのに対し,DCTでは術前,術後の眼圧値に有意差を認めなかったと報告しており,他のLASIKの術前・後でも同様の報告が相ついでいる26,27).今回,CCT以外の因子として屈折値(等価球眼度数)と角膜曲率半径を検討した.DCTと屈折値は相関を認めなかったが,角膜曲率半径とは有意な負の相関を認めた(r=0.25,p=0.0002).これまで角膜曲率半径とDCTは相関がないとする報告11,13,21)と,今回の筆者らの結果と同様に負の相関を認めるという報告14,23)がみられる.後者ではその理由として曲率半径の短い(急峻な)角膜では圧平する力が強くなり,結果として眼圧が高く測定される可能性が示唆されている.しかしながらこれまでの報告を含めて,その相関は強くなく,臨床的に問題になるかどうかは今後の検討が必要と考えられる.また今回は検討していないが角膜乱視,前房深度,眼軸長,屈折とDCTとの間に相関はなかったとの報告もある13,21).以上から,DCTはNCT,GATと比較して角膜厚に影響を受けにくく,より正確に眼内圧を反映している眼圧計であると考えられた.実際の診療に関してDCTはおよそ510秒の連続した角膜への接触が必要であり,視力低下例,若年者や高齢者などで中心固視不良者や協力が得にくい症例ではGATで測定可能例でもDCTでは困難な場合も多い.GATより眼圧値が平均して高く測定されるため,現状ではこれまで眼圧測定の標準であるGATにとって代わるのは困難と考えられる.しかしながらLASIK術後などで角膜厚が変化している症例や,高眼圧症例,正常眼圧緑内障患者など角膜厚によりGAT測定値が影響されるような症例ではDCTによる眼圧測定は有用と考えられる.文献1)GunvantP,BaskaranM,VijayaLetal:EectofcornealparametersonmeasurementsusingthepulsatileocularbloodowtonographandGoldmannapplanationtonome-ter.BrJOphthalmol88:518-522,20042)WolfsRC,KlaverCC,VingerlingJRetal:Distributionofcentralcornealthicknessanditsassociationwithintraocu-larpressure:TheRotterdamStudy.AmJOphthalmol123:767-772,19973)GordonMO,BeiserJA,BrandtJDetal,TheOcularHypertensionTreatmentStudy:baselinefactorsthatpre-dicttheonsetofprimaryopen-angleglaucoma.ArchOphthalmol120:714-720,20024)ShahS,ChatterjeeA,MathaiMetal:Relationshipbetweencornealthicknessandmeasuredintraocularpres-sureinageneralophthalmologyclinic.Ophthalmology106:2154-2160,19995)HerndonLW,WeiserJS,StinnettSS:Centralcornealthicknessasariskfactorforadvancedglaucomadamage.ArchOphthalmol122:17-21,20046)CoptRP,ThomasR,MermoudA:Cornealthicknessinocularhypertension,primaryopen-angleglaucoma,andnormaltensionglaucoma.ArchOphthalmol117:14-16,19997)IwaseA,SuzukiY,AraieMetal:Theprevalenceofpri-maryopen-angleglaucomainJapanese.Ophthalmology111:1641-1648,20048)StodtmeisterR:Applanationtonometryandcorrectionaccordingtocornealthickness.ActaOphthalmolScand76:319-324,19989)KotechaA,WhiteET,ShewryJMetal:TherelativeeectsofcornealthicknessandageonGoldmannapplana-tiontonometryanddynamiccontourtonometry.BrJOphthalmol89:1572-1575,200510)KniestedtC,LinS,ChoeJetal:Clinicalcomparisonofcontourandapplanationtonometryandtheirrelationtopachymetry.ArchOphthalmol123:1532-1537,200511)SchneiderE,GrehnF:Intraocularpressuremeasure-ment-comparisonofdynamiccontourtonometryandGoldmannapplanationtonometry.JGlaucoma15:471-474,200612)KniestedtC,LinS,ChoeJetal:Correlationbetweenintraocularpressure,centralcornealthickness,stageofglaucoma,anddemographicpatientdata:prospectiveanalysisofbiophysicalparametersintertiaryglaucomapracticepopulations.JGlaucoma15:91-97,200613)KaufmannC,BachmannLM,ThielMA:ComaprisonofdynamiccontourtonometrywithGoldmannapplanationtonometry.InvestOphthalmolVisSci45:3118-3121,200414)FrancisBA,HsiehA,LaiMYetal:Eectsofcornealthickness,cornealcarvature,andintraocularpressurelevelonGoldmannapplanationtonometryanddynamiccontourtonometry.Ophthalmology114:20-26,200715)OzbekZ,CohenEJ,HammersmithKMetal:Dynamiccontourtonometry:anewwaytoassessintraocular———————————————————————-Page51026あたらしい眼科Vol.25,No.7,2008(122)pressureinectaticcorneas.Cornea25:890-894,200616)WeizerJS,AsraniS,StinnettSSetal:Theclinicalutilityofdynamiccontourtonometryandocularpilseamplitude.JGlaucoma16:700-703,200717)GrieshaberMC,SchoetsauA,ZawinkaCetal:EectofcentralcornealthicknessondynamiccontourtonometryandGoldmannapplanationtonometryinprimaryopen-anglegla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