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健常者におけるRhoキナーゼ阻害薬リパスジル塩酸塩水和物による視神経乳頭血流への影響

2016年8月31日 水曜日

《原著》あたらしい眼科33(8):1226?1230,2016c健常者におけるRhoキナーゼ阻害薬リパスジル塩酸塩水和物による視神経乳頭血流への影響酒井麻夫*1橋本りゅう也*1出口雄三*1富田剛司*2前野貴俊*1*1東邦大学医療センター佐倉病院眼科*2東邦大学医療センター大橋病院眼科InfluenceofRhoKinaseInhibitorRipasudilInstillationonOpticNerveHeadBloodFlowinHealthyVolunteersAsaoSakai1),RyuyaHashimoto1),YuzoDeguchi1),GojiTomita2)andTakatoshiMaeno1)1)DepartmentofOphthalmology,TohoUniversitySakuraMedicalCenter,2)DepartmentofOphthalmology,TohoUniversityOhashiMedicalCenter目的:健常者におけるリパスジル塩酸塩水和物点眼による視神経乳頭血流の変化を検討する.対象および方法:屈折異常以外の眼疾患を有しない健常者12例を対象とし,0.4%トロピカミドによる散瞳後,片眼にリパスジル点眼を,他眼に生理食塩水を点眼し,1,2,4,6時間後に体血圧,脈拍数,両眼圧および視神経乳頭血流の変化率(meanblurrate:MBR)をレーザースペックル法で測定した.MBRは,上方,下方,耳側,鼻側の4つの区域に分け,各領域の組織MBR(meanoftissuearea:MT),血管MBR(meanMBRinvesselarea:MV),全領域MBR(meanofallarea:MA)として測定し比較検討した.結果:視神経乳頭全体では,点眼6時間後のMTが点眼前と比べ有意に増加していた.耳側では,4時間後のMA,MTと,6時間後のMT,MVが点眼前と比べ有意に増加した.眼圧は対照側と比べ有意に低下した.全身血圧と脈拍数は開始前と比べ有意な変化はなかった.結論:健常者においてリパスジル点眼は眼圧下降のみならず視神経乳頭血流を増加させることが示された.Purpose:Toexaminewhethertherhokinaseinhibitorripasudilinfluencesopticnervehead(ONH)bloodflowinhealthyvolunteers.Patientsandmethods:Subjectscomprised12healthyvolunteers.Meanblurrate(MBR)wasmeasuredbylaserspecklemethodonONHandineachof4sectors(superior,temporal,inferior,nasal),beforeandat1,2,4and6hoursafterripasudilinstillationinoneeyeandsalineinthefelloweye.Systemicbloodpressure(SBP),pulserate(PR)andintraocularpressure(IOP)weremeasuredateachinstillation.Results:TherewerenosignificantchangesinSBPorPR.IOPshowedasignificantdecreaseat1hourcomparedtothatbeforeinstillation,andlowerlevelsweremaintained.ThechangeratesignificantlyincreasedforMTontheentireONHat6hours,MA/MTat4hoursandMT/MVat6hoursonthetemporalsectorafterripasudilinstillation.Conclusion:RipasudilincreasesONHbloodflowandisconsideredtobeaneuroprotectivedrug.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)33(8):1226?1230,2016〕Keywords:Rhoキナーゼ阻害薬,リパスジル,視神経乳頭血流,レーザースペックル.Rhokinaseinhibitor,ripasudil,opticnervebloodflow,laserspeckle.はじめにROCK(Rho-associatedcoiled-coilkinase)は,セリン・スレオニンリン酸化酵素で,アクチン細胞骨格再構成にかかわるRhoの下流シグナルを形成する分子量約160kDaの小分子グアノシン3リン酸(GTP)結合蛋白質であり1),他臓器での報告であるがROCKシグナル経路の異常活性がある病態へのROCK阻害薬の投与で血管拡張効果が示され,臨床応用されている2,3).リパスジル塩酸塩(以下,リパスジル)点眼薬は,緑内障患者に対して2014年10月に承認されたRhokinase阻害薬(以下,ROCK阻害薬)である.原発開放隅角緑内障における房水流出抵抗の主座である線維柱帯流出路のSchlemm管からの房水流出を促進することにより眼圧下降に貢献し,大規模臨床試験でも眼圧下降効果が示されている4).緑内障治療で現在,唯一エビデンスのある治療は眼圧を下げることであるが,眼圧下降を示しても緑内障が進行する症例も存在し,眼圧以外に影響を与える因子が研究されている.正常眼圧緑内障患者では,非眼圧因子として視神経乳頭部血流の低下が緑内障進行と関係があるといわれ,以前より注目を集めており,b遮断薬やPG製剤点眼薬,炭酸脱水酵素阻害薬では眼圧下降以外に血流増加作用をもつことが報告されている5?7).ROCK阻害薬であるリパスジルは,血管平滑筋内のRhokinaseを阻害することで,Ca2+流入の抑制を介して血管を拡張させることが基礎実験でも示されており,invivoにおいても血流を増加させる報告がある8).しかし,正常人において血流の変動に関する報告例はこれまでにはない.今回,筆者らは正常健常人においてROCK阻害薬が視神経乳頭血流に影響を与えるかどうかについて検討したので報告する.I対象および方法対象は,2014年10月?2015年4月に,本研究に同意された健常成人12例12眼とした.対象症例は,男性5例,女性7例で,23?44歳,平均年齢31.6歳であった.糖尿病,高血圧を含めた全身の基礎疾患を有するもの,?6.0D以上の強度近視,眼疾患の既往を有するもの,1週間以内の喫煙を有するものは除外とした.測定項目は,視神経乳頭血流変化率,眼灌流圧,眼圧,体血圧,脈拍で,各測定時間に測定した.両眼にミドリンMR(参天製薬)にて散瞳後,片眼に0.4%グラナテックR(リパスジル塩酸塩水和物,興和創薬)点眼を,他眼はコントロールとして生理食塩水を点眼した.グラナテックR点眼直前,点眼1時間後,2時間後,4時間後,6時間後に両眼の視神経乳頭血流と眼圧および体血圧,脈拍を測定した.視神経乳頭血流の測定は,Laserspeckleflowgraphy(LFSG-NAVIR;ニデック社)およびLayerviewソフト(ソフトケア社)を用いてMBR(meanblurrate)を3回測定し,その平均値をとった.血圧や姿勢の変動による眼血流への影響を考慮し,5分間の安静座位の姿勢を保った後,視神経乳頭血流を測定した.解析部位は視神経乳頭を4つの部位,すなわち上方,下方,耳側,鼻側の区域に分け,各部位の組織領域のMBR(meanoftissuearea:MT),血管領域のMBR(meanofvesselarea:MV),全領域のMBR(meanofallarea:MA)を求めた.視神経乳頭血流の領域分割解析を図1に示す.つぎの計算式を用いて,血流変化率を算出し比較検討した.(各時間のリパスジル点眼眼MBR/リパスジル点眼眼の点眼前MBR)/(各時間のコントロール眼MBR/コントロール眼の点眼前MBR)×100(%).眼灌流圧は,2/3×(拡張期血圧+(収縮期血圧?拡張期血圧)×1/3)?眼圧として算出した.眼圧測定は,非圧平式眼圧計(Cannon,FullAutoTonometerTX-FR)を,血圧と脈拍は自動血圧計(日本COLIN社)を用いた.体血圧は,平均血圧を拡張期血圧+1/3×(収縮期血圧?拡張期血圧)として算出した.統計学的解析には,StateViewver7.0解析ソフトを用いて,repeatedmeasureanalysisofvariance(ANOVA検定)で統計学的有意差を検定し,p<0.05を有意水準とした.本研究は,ヘルシンキ宣言および厚生労働省の定める臨床研究に関する倫理指針に基づき,研究協力者には本研究の主旨を十分に説明し,文書による同意を得て実施した.II結果体血圧および脈拍,眼灌流圧は点眼後の経過で有意な変化を認めなかった(図2).両眼の眼圧推移を図3に示す.リパスジル点眼眼では,点眼開始前の眼圧と比べ点眼1時間後から有意に眼圧下降を示し(14.1±3.2mmHgvs10.9±2.9mmHg,p<0.05),6時間後においても眼圧下降を維持していた.一方,コントロール眼においては,有意な眼圧下降を認めなかった.各時間における視神経乳頭血流の変化率を表1に示す.視神経乳頭全体の血流変化率においては,点眼6時間後のMTが点眼前と比べ有意に増加していた.耳側は,点眼4時間後のMAおよびMTが有意に増加していた.また,点眼6時間後のMTおよびMVも点眼前と比べ有意に増加していた.上方においては,MT,MV,MAのいずれも有意な変化を認めなかった.下方・鼻側の血流は,各々点眼4時間後のMV,点眼6時間後のMTが点眼前と比べ有意に増加していた.III考按本研究は,正常健常人に対してROCK阻害薬リパスジル塩酸塩の視神経乳頭血流への影響を調べた初めての報告である.ROCK阻害薬の視神経乳頭血流への影響を調べた報告は,Sugiyamaらのファスジルでの検討9)とNakabayashiらのリパスジルでの検討8)の2報がある.前者では,ウサギの正常眼を用いて,ファスジルを静脈内に投与した結果,視神経乳頭血流には影響しなかったが一酸化窒素(NO)合成阻害薬のL-NAMEやET-1の投与下で血流改善を抑制したと報告している9).後者では,ネコ正常眼を用いてリパスジルを硝子体内に投与し,網膜血流速度が硝子体内濃度1μMでは投与後90分後に,100μMでは50分後から血流が増加したと報告している.しかし,緑内障患者および正常人を対象とした網膜血流への影響をみたものは,これまで調べた限りでは報告がない.視神経乳頭血流が増加する機序としては,①眼圧低下の結果,眼灌流圧が上昇することでauto-regulation(自動調節能)を超え間接的に血流量が増加する機序,②点眼薬自体のもつ直接的な薬理作用すなわち末梢血管拡張作用,があげられる.通常,自動調節能が働くと眼灌流圧の変動にかかわらず眼血流を一定に保つ,すなわち,眼圧が10?30mmHgの範囲では自動調節能により網膜血流は維持されるが,60mmHgから急に低下させると血流が増加する10).一方,眼圧がこの範囲を超え上昇すると網膜血流が低下する.正常眼圧緑内障患者においてはこの自動調節能の破綻が血流に影響を与えたとの報告11)もある.本研究ではリパスジルの前向き臨床試験の結果と同様に正常健常者においても眼圧下降を示したが,眼灌流圧については有意な変化がみられなかった.また,正常健常人を対象としており,今回の血流増加の原因としては,自動調節能を超えた間接的な関与は考えにくく,リパスジル本来の血管平滑筋に作用する直接的な血管拡張作用が関与していたものと考えられる.Nakabayashiらのネコを対象とした研究8)では,リパスジル硝子体内濃度が1μMから直接的な作用があったとしており,筆者らが使用した0.4%リパスジル単回点眼(50μl)による硝子体内濃度がどの程度であったかは不明であるが,直接作用するのに十分な濃度であったのではないかと考えられる.今回の筆者らの結果では,耳側の視神経乳頭において,他の領域(下方・鼻側・上方)と比べ血流量が増加している傾向があった.また,視神経乳頭全体でも組織血流が有意に増加しており,リパスジルによる直接的な血管拡張作用は,視神経乳頭表層の血管より篩状板付近の深層の微小血管に働いていたのではないかと推測される.梅田らはカルテオロール塩酸塩(ミケランLA2%R)の正常健常者の眼血流への影響を調べている12).筆者らと同様に乳頭近傍上耳側脈絡膜血流が増加しており,その機序として,薬理作用自体のもつ内因性交感神経刺激様作用による血管弛緩因子の分泌亢進,および血管収縮因子の分泌抑制作用による末梢血管抵抗の減少に伴って毛細血管の拡張をきたし,本検討と同様に耳側領域の血流が増加していたと報告している12).耳側においては視神経乳頭耳側の神経線維数が多く,正常者においても耳側での血流が多い13)ことから予備能が高いため,他の部位と比べ鋭敏に反応したのではないかと考えられる.緑内障の視野病期の進行とともに耳側の血流が低下することがこれまでの報告からわかっており,正常人においても有意な眼圧下降とともに耳側の血流を増加させたという本研究結果は,血流増加による神経保護を介して初期緑内障患者へのリスパジルの有効性を示唆するものである.今後,初期緑内障患者における血流への影響を検討した研究が必要と考えられる.利益相反:利益相反公表基準に該当なし文献1)IshizakiT,MaekawaM,FujisawaKetal:ThesmallGTP-bindingproteinRhobindstoandactivatesa160kDaSer/Thrproteinkinasehomologoustomyotonicdystrophykinase.EmboJ15:1885-1893,19962)InokuchiK,ItoA,FukumotoYetal:Usefulnessoffasudil,aRho-kinaseinhibitor,totreatintractableseverecoronaryspasmaftercoronaryarterybypasssurgery.JCardiovascPharmacol44:275-277,20043)SatoM,TaniE,FujikawaHetal:InvolvementofRhokinase-mediatedphosphorylationofmyosinlightchaininenhancementofcerebralvasospasm.CircRes87:195-200,20004)TaniharaH,InoueT,YamamotoTetal:Intra-ocularpressure-loweringeffectsofaRhokinaseinhibitor,ripasudil(K-115),over24hoursinprimaryopen-angleglaucomaandocularhypertension:arandomized,open-label,crossoverstudy.ActaOphthalmol93:e254-e260,20155)GrunwaldJE:Effectoftimololmaleateontheretinalcirculationofhumaneyeswithocularhypertension.InvestOphthalmolVisSci31:521-526,19906)OhguroI,OhguroH:Theeffectsofafixedcombinationof0.5%timololand1%dorzolamideonopticnerveheadbloodcirculation.JOculPharmacolTher28:392-396,20127)SugiyamaT,KojimaS,IshidaOetal:Changesinopticnerveheadbloodflowinducedbythecombinedtherapyoflatanoprostandbetablockers.ActaOphthalmol87:797-800,20098)NakabayashiS,KawaiM,YoshiokaTetal:EffectofintravitrealRhokinaseinhibitorripasudil(K-115)onfelineretinalmicrocirculation.ExpEyeRes139:132-135,20159)SugiyamaT,ShibataM,KajiuraSetal:Effectsoffasudil,aRho-associatedproteinkinaseinhibitor,onopticnerveheadbloodflowinrabbits.InvestOphthalmolVisSci52:64-69,201110)TakayamaJ,TomidokoroA,TamakiYetal:Timecourseofchangesinopticnerveheadcirculationafteracutereductioninintraocularpressure.InvestOphthalmolVisSci46:1409-1419,200511)GalambosP,VafiadisJ,VilchezSEetal:Compromisedautoregulatorycontrolofocularhemodynamicsinglaucomapatientsafterposturalchange.Ophthalmology113:1832-1836,200612)梅田和志,稲富周一郎,大黒幾代ほか:正常眼におけるカルテオロール塩酸塩(ミケランLA2%)の眼血流への影響.あたらしい眼科30:405-408,201313)FekeGT,TagawaH,DeupreeDMetal:Bloodflowinthenormalhumanretina.InvestOphthalmolVisSci30:58-65,1989〔別刷請求先〕酒井麻夫:〒285-8741千葉県佐倉市下志津564-1東邦大学医療センター佐倉病院眼科Reprintrequests:AsaoSakai,M.D.,Ph.D.,DepartmentofOphthalmology,TohoUniversitySakuraMedicalCenter,564-1Shimoshizu,Sakura-city,Chiba285-8741,JAPAN図1視神経乳頭血流の領域分割解析視神経乳頭部全体を覆うようにEllipseラバーバンドを設定した(図左).ラバーバンド内を4領域〔上方(S),耳側(T),下方(I),鼻側(N)〕に区域し,各領域別の組織領域のMBR(meanoftissuearea:MT),血管領域のMBR(meanofvesselarea:MV),全領域のMBR(meanofallarea:MA)を算出した(図右).(145)あたらしい眼科Vol.33,No.8,20161227図2体血圧,脈拍数,眼灌流圧の推移体血圧および脈拍数,眼灌流圧は点眼後も有意な変化を認めなかった.NS:NotSignificant,repeatedmeasureANOVA検定.平均値±標準偏差.図3眼圧の推移リパスジル点眼眼では,いずれの時間でも投与前と比較して有意に眼圧は下降した.(*:p<0.05,repeatedmeasureANOVA検定,─△─:リパスジル点眼眼,─〇─:コントロール眼,平均値±標準偏差)1228あたらしい眼科Vol.33,No.8,2016(146)表1各領域における視神経乳頭血流(MBR)変化率の推移視神経乳頭全体では,6時間後にMTが有意に増加した.耳側では2時間後にMVが,4時間後にMAおよびMTが,6時間後にMTおよびMVが有意に増加した.下方では4時間後にMVが有意に増加した.鼻側では6時間後にMTが有意に増加した.平均値±標準偏差(%)MA:meanofallarea,MT:meanoftissuearea,MV:meanofvesselarea,*:p<0.05,repeatedmeasureANOVA検定.MBR-A:meanblurrateofall,MBR-T:meanblurrateintissue,MBR-V:meanblurrateinvein,平均±標準偏差(%),repeatedmeasureANOVA検定,*p<0.05.あたらしい眼科Vol.33,No.8,201612291230あたらしい眼科Vol.33,No.8,2016(148)

Laser Speckle Flowgraphyを用いた新しい血流波形解析手法

2009年2月28日 土曜日

———————————————————————-Page1(131)2690910-1810/09/\100/頁/JCLSあたらしい眼科26(2):269275,2009cはじめに筆者らはこれまでLaserSpeckleFlowgrapy(LSFG)とよばれる眼底の血流分布をリアルタイムに測定するシステムを,国内外の研究機関と共同で開発・研究してきた116).LSFGの研究成果は眼撮影装置〔レーザースペックルフローグラフィーLSFG-NAVI,ソフトケア(有)社製〕として製品化され,2008年1月に医療機器認証を取得して,研究機関だけでなく病院など臨床の現場でも安全に利用できるようになった.LSFG-NAVIでは,750×350画素,毎秒30フレームの連続したスペックル画像を取り込み,4秒間(または6秒間)の連続した血流マップ120枚(または160枚)が得られる.一般にLSFGを用いた眼底血流測定では,ある患者の同一部位における血流速度の相対的変化は観測できるが,視神経乳頭と脈絡膜の血流など,組織の組成や散乱特性の異なる部位の血流を数値で直接比較したり,同じ視神経乳頭であっても別の患者のデータと直接数値で比較して論じることは困難とされてきた1,4).そのため学会発表などでは,薬効の確認や,測定領域の組成が大きく変化しないケースでの施術前後の血流改善など,比較可能な場合に限定された応用が報告されてきた.これまで発表されてきたものは,測定データから1心拍に合成した静止画の合成マップを用いることが多く,LSFGの特長である動画情報を直接取り扱った研究は,残念ながらあまり見受けられない.これはプレゼンテーションなどでは動画は迫力のある映像であるため見る者に強い印象を残すが,じっくり理解しようとする第三者に理解されづらく,1枚のマップ上に血流の変動率として動画情報〔別刷請求先〕岡本兼児:〒820-0066飯塚市幸袋576-14飯塚リサーチパーク内トライバレーセンターB209ソフトケア有限会社Reprintrequests:KenjiOkamoto,SoftcareLtd.,TryvalleyCenterB209,IizukaResearchPark,576-14Kobukuro,Iizuka-city,Fukuoka820-0066,JAPANLaserSpeckleFlowgraphyを用いた新しい血流波形解析手法岡本兼児*1高橋則善*1藤居仁*2*1ソフトケア有限会社*2九州工業大学情報工学部電子情報工学科NewMethodofTemporalBloodFlowAnalysisUsingLaserSpeckleFlowgraphyKenjiOkamoto1),NoriyoshiTakahashi1)andHitoshiFujii2)1)SoftcareLtd.,2)DepartmentofComputerScienceandElectronics,KyushuInstituteofTechnologyレーザースペックルフローグラフィー(LSFG)で測定したヒト眼の眼底血流動画マップについて,新たな時間的解析手法を導入し,各部位の血流が動脈性か静脈性かを区別して1枚のマップに表示できるようにした.判定結果の確認のため,17例17眼からデータをサンプルし,判定を行った結果,網膜上の大きな血管の動静脈の分離では有意な差が得られ,動静脈の判定に有効であることが認められた.従来のLSFGが備えていた血流速度を相対値で表示する機能に,新たに血流波形の歪度を表示する機能を加え,眼底血流の拍動の強弱をある程度数値化できる指標BeatRatioofArterytoVein(BRAV:仮称)として提案している.AnewtechniquehasbeendevelopedforusingLaserSpeckleFlowgraphytovisualizethepulsationcharacter-isticsofbloodowina2-Dmap,byanalyzingtheskewnessofthetime-varyingbloodowvelocityobservedateachpixelpoint.Weconductedmeasurementsin17eyes(17cases)toconrmtheskewnessresult.Thetechniqueisusefulfordistinguishingbetweenretinalarteryandvein,onthebasisoftheirsignicantdierence.Skewnessisfoundtobeusefulforevaluatingbloodcirculationinretinalvessels,aswellasinchoroidsvessels.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)26(2):269275,2009〕Keywords:血流計,血流可視化,レーザースペックル,眼撮影装置,血流波形解析.bloodowmetry,bloodowvisualization,laserspeckles,medicalinstruments,heartbeatanalysis.———————————————————————-Page2270あたらしい眼科Vol.26,No.2,2009(132)を集約したとしても,変化の激しい血流の経時変化をわかりやすく的確に表現することがむずかしいからと思われる.特定の部位間の経時変化を観察する際には,マップ上に矩形の指定領域(以下,ラバーバンド)を設定して,グラフからその変化の様子を観察していたが,マップ上の大血管や視神経乳頭上の組織血流など,異なる部位を同じグラフ上に並べても,MBR(meanblurrate)の振幅が異なることから血流のピーク位置の違いを認識する程度で,血流波形の概形などまで比較しているわけではなかった.また同一部位にラバーバンドを設定し,時間変化について波形を比較するといっても,拍動に同期して刻々と変化する血流動態の様子を客観的に判断できる指標値などはなく,比較しづらいものであった.I目的LSFGで測定した領域すべてについて部位ごとに血流速度(指標)を正規化し,部位間で波形のピークのみならず波形自体を比較できるようにし,客観的な指標値である歪度を用いた時間解析手法を構築する.さらにLSFGから得られた血流速度の経時変化から動静脈を判断したものと比較し,構築した手法の妥当性を検証した結果を報告し,本解析手法の今後の可能性について述べる.II方法:時間的解析手法で用いる評価量と妥当性の確認方法1血流マップは粒状のノイズを多く含んだ画像であるが,通常の解析では,統計的誤差を抑えるため,複数心拍の血流マップを1心拍の血流マップに集積した後(心拍マップ),さらに平均化し(合成マップ),画質の向上を図っている.4秒間のデータを取得した場合,通常の心拍数の人であれば大体46心拍程度あり,心拍マップは46個のデータを平均化した動画マップとなる.これらをさらに平均した合成マップの一例を図1に示す.図1上に設定したラバーバンドでの血流の経時変化の波形をわかりやすくするため,正規化した血流速度(指標)の経時変化をプロットし,動静脈の波形の違いを確認する.方法2血流波形の時間的な変化の様子を表す数値として,新たに歪度(skewness)を導入する.歪度は統計学で確率密度関数の偏りの違いを示す統計量で,確率変数の三次モーメントで定義されている.歪度の一例として図2aのように確率密度関数が左に偏るほど歪度はプラスの値に,図2bのように左②②①①図1血流合成マップの測定例(グレースケール表示)ラバーバンド①はartery,②はvein.a:skew>0b:skew=0c:skew<0図2波形による歪度(skewness)の変化LSFG-NAVI機で得られる血流波形に適用した場合,動脈性の拍動であれば正の大きい値になり,静脈性の拍動であれば小さい値になる.———————————————————————-Page3あたらしい眼科Vol.26,No.2,2009271(133)右対称に分布する場合は歪度=0,逆に図2cのように分布が右に偏るほどマイナスの値になる.実際のLSFG-NAVIでは血流マップで得られる血流画像は非常に粗いため,歪度の計算はつぎの手順で行っている.まず当該ピクセル周辺で空間的に平均し(5×5ピクセル),複数心拍のマップを1心拍にまとめる心拍解析を行い,各点の統計的誤差を抑えた心拍マップを作成する.つぎにマップ上の各点は振幅が異なるので,時間的な上昇・下降を見やすくするため,各点での最大値,最小値をもとに正規化し,1心拍の正規化した血流速度(指標)を求める.この正規化した血流速度(指標)を元に,歪度をつぎの式で求めている.SkewmnkAvemnStdevmnpk(,)(,)(,)()=(){}ꀀ3=∑kh1(1)Avemnkpkkh(,)()=()=1(2)h(,)(,)()={}ꀀ=∑21(3)h()(,,)(,,)==1(4)ここで,NH(k,m,n)は,一心拍に正規化した血流速度(指標)(MBR)であり,正規化した心拍マップ群の先頭からk番目のマップの(m,n)ピクセルの値,hは1心拍のマップ数を表す定数である.(3)式で求めたSkew(m,n)はまだ値がばらついているため,さらに当該ピクセルの周辺7×7ピクセルの領域で空間的に平均し,歪度<SK(m,n)>を出力している.mnCSkewmxnyxy(,)(,)=()++==773333(5)ここでCは定数で,歪度マップを血流マップと同じカラースケールで見やすくするため,便宜的に=25に設定している.このため一般的な歪度と数字は一致しないが,比例関係は保持されている.方法3網膜上の比較的太い血管の動静脈の判別について歪度<SK>が有効であるか調べるため,健康成人17名(年齢38.8±13.1歳)について歪度<SK>を用いて網膜血管の動静脈分離を行った結果と,LSFGを用いて血流速度(指標)の経時変化のピーク位置から動静脈を判断した結果を比較した.比較実験では,一人の被験者につき血管が重なっていない動脈3カ所,静脈3カ所を選択し,歪度<SK>を測定した.歪度<SK>はマップ状に観察されるが,まずLSFG-NAVIを使用して得られる血流合成マップから血管と識別できる領域をラバーバンドで設定し,つぎに歪度<SK>マップ上のラバーバンド内平均値を測定した.III結果結果1正規化した血流速度(指標)の経時変化をプロットしたものを図3に示す.波形のピーク位置から図1の①は動脈であり,②は静脈と判断できる.詳細に観察すると,動脈は立ち上がりが急峻で,ピークを過ぎると早く落ち込んでいく特徴があり,静脈は動脈に比べ立ち上がりがゆるく,ピーク後も緩やかに下降する特徴がある.すなわち,動静脈の違いは血流波形のピークまでの立ち上がり方とピーク後の下降の様子に違いがあることがわかる.結果2歪度をLSFG-NAVI機で得られる血流波形に適用した場合,動脈性の拍動であれば正の大きい値になり,静脈性の拍動であれば小さい値になる.実際に図1の血流マップについて歪度を計算しマップ表示した結果を図4に示す.図において,大きな血管と重なる赤い部分は動脈性の拍動部分であり,青い部分は静脈性の拍動部位であると推定される.太い血管部位以外でも,色が暖系色の部位ほど動脈性の拍動部分であり,寒系色の部位は静脈性の拍動部位であると考えられる.図4で①で囲まれた領域は,暖系色の部位のつながりとして血管のように連なっており,この部分が動脈であると考えられ,先の経時変化のグラフ図3の結果と一致している.また同様に寒系色の部位のつながりが静脈であると考えられ,図3の②と一致している.結果3網膜血管上で動静脈分離判別した比較位置について,ラバーバンドの設定例を示す.眼底写真を図5aに,LSFG上でのラバーバンド設定位置を図5bに,ラバーバンド設定位置での血流速度(指標)の経時変化を図5cに,歪度<SK>のマップ例を図5dに示す.図5cから,①,④,⑤が動脈であり,0246810121416182000.20.40.60.8Time(sec)MBR(arb.unit)①:artery②:vein図3図1のラバーバンド内の正規化した血流速度(指標)の経時変化①:arteryのピークが②:veinに先行していることが確認できる.ピーク後の下り方にも違いがあり,arteryではveinよりも速く低下する傾向がある.———————————————————————-Page4272あたらしい眼科Vol.26,No.2,2009(134)①①②②図4歪度マップの例色が赤く暖系色の部位ほど動脈性の拍動部分であり,青など寒系色の部位は静脈性の拍動部位と考えられる.①:arteryが暖系色,②:veinが寒系色になっている.ab①①②②⑤⑤⑥⑥③③④④⑦⑦①①⑤⑤⑥⑥④④⑦⑦③③②②0246810121416182000.20.40.60.81Time(sec)cMBR(arb.unit):①:②:③:④:⑤:⑥図5動脈・静脈の分離測定例―a,b,c(図説明はp.273参照)———————————————————————-Page5あたらしい眼科Vol.26,No.2,2009273(135)②,③,⑥が静脈であることが確認できる.図5aの眼底写真から,動脈の血管色が静脈に比べ鮮やかに見えることから,上記判断が正しいことを確認できる.図5bでは,乳頭辺縁部の背景血流の少ない部位を選んで①⑥のようにラバーバンドを設定しているが,測定サンプルのなかには視神経乳頭上のはっきりとした太い血管を選択した場合もあった.参考のため,脈絡膜についても図5b⑦のような黄斑部を含むやや広い領域を設定し,歪度<SK>を求めた.健康成人17名のデータをもとにラバーバンドを設定した部位の血流速度の経時変化からそれぞれ動脈・静脈と判定した部位に対して,歪度<SK>を測定した結果を図6に示す.動脈では歪度<SK>=17.9±3.6で,静脈では=6.0±3.6であった.動脈と静脈の分離では有意な差(p<0.0001:t-test)を示した.これらの結果から太い血管について動脈・静脈が分離できていることが認められる.図5において黄斑部を含む脈絡膜血流に対して,同様にラバーバンド⑦を設定し,歪度を求めると,図6のように網膜動脈・静脈血管の中間的な値になっていた.これは脈絡膜では動脈・静脈が複雑に混在するため,波形が平均化された結果と考えられる.脈絡膜の歪度マップには細かい斑点模様が重畳しているが,この模様は測定のたびに変化しているので,統計的ばらつきと考えられる.健常者では脈絡膜の歪度はどの部位でもほぼ一様な値になっているが,被験者によっては脈絡膜の太い血管の走行を反映した歪度のむらが見えるときもあり,今後も詳しい分析を進める必要がある.IV考察:血流速度の経時変化から得られる歪度指標値の可能性について歪度がさまざまな血流波形に対してどのような応答を示すか確認するため,血流波形に見立てた模擬的な入力波形を作成し,歪度の変化をシミュレーションにより調べた.実際の血流波形は,人によりさまざまな波形パターンを形成するが,ここではまず血流波形を単純な三角波に近似し,波形のピーク位置を前後にずらしたときに,歪度の値がどのように変化するかを調べた.図7aに入力波形を,図7bにそれぞれの歪度をプロットしている.波形のピークが後に移動するに従って,歪度の値が下降していることが確認できる.実際d①①⑤⑤⑥⑥④④⑦⑦③③②②図5動脈・静脈の分離測定例a:眼底写真,b:合成マップ.ラバーバンド設定例①⑦,c:各ラバーバンドの血流速度経時変化.グラフよりartery:①④⑤,vein:②③⑥と判別できる.d:歪度マップ.眼底写真,合成マップ,歪度マップから動脈・静脈判別のため設定したラバーバンド位置の対応が確認できる.0510152025ArteryVeinChoroid歪度<SK>(arb.unit)17.96.013.8図6網膜上の動脈・静脈の分離結果Arteryとveinの分離では有意な差(p<0.0001:t-test)を示した.脈絡膜については,動脈と静脈の中間的な値を示した.———————————————————————-Page6274あたらしい眼科Vol.26,No.2,2009(136)の血流を想定すると,マップ全域を観察し,太い血管に重なった部分について平均値に比べ,高い値の部位は動脈,低い値は静脈であると推測できる.眼底血流波形を調べていくと,収縮期と拡張期のそれぞれにさまざまな特徴があることがわかってきた.たとえば,高齢者になるほど血流の立ち上がりは鋭く,下降も急速になる傾向がみられた.図7から前者については立ち上がりが急峻になるほど歪度が増加することを示している.一方,歪度が波形の非対称性を示すことから,その値に大きく影響するのは後者であり,波形の下降時の形が重要と考えられる.実際図8aのように適当に数値を配列して下降曲線を何種類か作り,それぞれについて歪度を求めると,図8bのように下降曲線が下に凸の場合は歪度は高く,上に凸になるに従ってほぼ線形に低下する結果を得た.図3に示したように,実際の血流波形は図7,8の要素を組み合わせたものになっており,動脈の血流波形には二次ピークが出る場合もある.歪度のみですべてを論じることはできないが,ここでは歪度に影響する要因として,以下の諸点について考察を加える.まず加齢とともに動脈硬化が進めば,収縮期に動脈系に突入する血流が眼内にも急速に流れ込み,血流の立ち上がりが急峻になる.この結果,歪度は高く表示される.動脈硬化は末梢抵抗と連動していると考えられるので,血流がピークを過ぎると末梢の流れが悪いため,速度は急に減少すると考えられ,波形の立ち下がりも急になる.これらの要因により歪度は増加すると考えられる.脈絡膜は動脈・静脈が混在しているため,両方を合算した波形が得られる.このときもし血管抵抗などの要因により,動脈側の押しに比べて静脈側の引きが悪ければ,拡張期の血流が低めに推移し,歪度は上昇すると推察できる.逆に動脈側の流入路に問題がある場合は,拍動による立ち上がりが緩やかになり,歪度は減少することが予想される.このように眼底血流波形を示す指標として今回導入した歪度は,循環系全体の拍動による流速変化と密接に関係しているものと推察されるので,今後この歪度をBeatRatioofArterytoVein(BRAV:仮称)と見なして詳細な研究を続けていけば,眼循環に新たな情報を提供できるものと思われる.まとめ測定点ごとに血流速度(指標)を正規化した複数の動画情報にさらに統計的な処理を加え,各部位の経時変化の違いを1枚のわかりやすい静止画で出力できるようなった.これまで測定部位に依存していた血流速度(指標)だけを扱ってい024681000.20.40.60.81Time(sec)NormalizedMBR(arb.unit)12345024681012141612345ShapeNo歪度<SK>(arb.unit)ab図7ピーク位置を変化させたときの歪度の応答a:入力波形,b:出力結果,ピークが後退するにつれ歪度は低下する.0510152025ba12345ShapeNo歪度<SK>(arb.unit)024681000.20.40.60.81Time(sec)12345NormalizedMBR(arb.unit)図8血流下降時の波形を変えたときの歪度の応答a:入力波形,b:出力結果,下降曲線が上に凸になるほど,歪度は低下する.———————————————————————-Page7あたらしい眼科Vol.26,No.2,2009275(137)たため,部位間の比較はむずかしかったが,血流速度(指標)を正規化し,血流波形の偏りの度合いを新しい尺度にすることで,同一人の部位間の比較はもとより,他人間でも血流波形については比較できるようになった.実際の血流速度の経時変化をもとに判断した結果と歪度<SK>の比較から,太い血管については動静脈分離が可能であることが確認できた.歪度=BRAVと言えるかどうかは,今後の研究で明らかになると思われるが,この仮説が正しければ,眼疾患のメカニズムの解明のみならず,高血圧症や動脈硬化症など循環系疾患の診断にも利用の道が拓かれる.LSFGであまり利用されてこなかった動画情報の応用が,今後進展することを切望する.本研究の一部は久留米リサーチパーク・バイオベンチャー等育成事業,NEDO大学発事業創出実用化研究開発事業,および科研費(18300173)などの助成を受けたものである.文献1)KonishiN,TokimotoY,KohraKetal:NewlaserspeckleowgraphyusingCCDcamera.OptRev9:163-169,20022)SugiyamaT,UtsumiT,AzumaIetal:Measurementofopticnerveheadcirculation:comparisonoflaserspeckleandhydrogenclearancemethods.JpnJOphthalmol40:339-343,19963)TamakiY,AraieM,TomitaKetal:Real-Timemeasure-mentofhumanopticnerveheadandchoroidcirculationusingthelaserspecklephenomenon.JpnJOphthalmol41:49-54,19974)藤居仁:レーザースペックルフローグラフィーの原理.あたらしい眼科15:175-180,19985)永谷建,高橋広,秋谷忍ほか:正常眼視神経乳頭循環への加齢の影響─レーザースペックル法による検討.あたらしい眼科15:1465-1469,19986)新家眞,玉置泰裕,永原幸ほか:レーザースペックル法による生体眼循環測定.日眼会誌103:871-909,19997)YaoedaK,ShirakashiM,FunakiSetal:Measurementofmicrocirculationinopticnerveheadbylaserspeckleowgraphyinnormalvolunteers.AmJOphthalmol130:606-610,20008)前田貴美人,鈴木純一,田川博ほか:網膜動脈閉塞症の治療成績.眼紀51:148-152,20009)YamanaY,MatsuoM,KokersuYetal:Dysregulationofthepostprandialretinalbloodowintype2diabetes.22ndEuro.Soc.Microcircul18:95-98,200210)IsonoH,KishiS,KimuraYetal:Observationofchoroi-dalcirculationusingindexoferythrocyticvelocity.ArchOphthalmol121:225-231,200311)今野伸介,田川博,大塚賢二:ラタノプロスト点眼と正常人視神経乳頭および脈絡膜─網膜循環に及ぼす影響.あたらしい眼科21:695-698,200412)SugiyamaT,OkuH,KomoriAetal:EectofP2X7receptoractivationontheretinalbloodvelocityofdiabeticrabbits.ArchOphthalmol124:1143-1149,200613)前田祥恵,今野伸介,松本奈緒美ほか:CCDカメラを用いた新しいレーザースペックルフローグラフィーによる健常人における視神経乳頭および網脈絡膜組織血流測定.眼科48:129-133,200614)廣石悟朗,廣石雄二郎,長谷川裕平ほか:炭酸脱水酵素阻害点眼薬による視神経乳頭循環への影響.臨眼62:733-737,200815)江内田寛:新しいレーザースペックルフローグラフィー(LSFG-NAVI)による網脈絡膜の血流測定.あたらしい眼科25:827-829,200816)WatanabeG,FujiiH,KishiS:Imagingofchoroidalhemo-dynamicsineyeswithpolypoidalchoroidalvasculopathyusinglaserspecklephenomenon.JpnJOphthalmol52:204-210,2008***