<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<rss version="2.0"
	xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/"
	xmlns:wfw="http://wellformedweb.org/CommentAPI/"
	xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
	xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom"
	xmlns:sy="http://purl.org/rss/1.0/modules/syndication/"
	xmlns:slash="http://purl.org/rss/1.0/modules/slash/"
	>

<channel>
	<title>あたらしい眼科オンラインジャーナル &#187; バイオフィルム</title>
	<atom:link href="http://www.atagan.jp/tag/%e3%83%90%e3%82%a4%e3%82%aa%e3%83%95%e3%82%a3%e3%83%ab%e3%83%a0/feed" rel="self" type="application/rss+xml" />
	<link>https://www.atagan.jp</link>
	<description>Just another WordPress weblog</description>
	<lastBuildDate>Mon, 30 Mar 2026 15:21:49 +0000</lastBuildDate>
	<language>ja</language>
	<sy:updatePeriod>hourly</sy:updatePeriod>
	<sy:updateFrequency>1</sy:updateFrequency>
	<generator>http://wordpress.org/?v=3.1.3</generator>
		<item>
		<title>メチシリン耐性黄色ブドウ球菌涙囊炎の検討</title>
		<link>https://www.atagan.jp/article/20150421.htm</link>
		<comments>https://www.atagan.jp/article/20150421.htm#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 29 Apr 2015 15:21:39 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[記事]]></category>
		<category><![CDATA[バイオフィルム]]></category>
		<category><![CDATA[メチシリン耐性ブドウ球菌（MRSA）]]></category>
		<category><![CDATA[涙囊炎]]></category>
		<category><![CDATA[涙囊結石]]></category>
		<category><![CDATA[涙囊鼻腔吻合術]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.atagan.jp/?p=9938</guid>
		<description><![CDATA[《第51回日本眼感染症学会原著》あたらしい眼科32（4）：561.567，2015cメチシリン耐性黄色ブドウ球菌涙.炎の検討児玉俊夫＊1山本康明＊1首藤政親＊2＊1松山赤十字病院眼科＊2愛媛大学総合科学研究支援センター重 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>《第51回日本眼感染症学会原著》あたらしい眼科32（4）：561.567，2015cメチシリン耐性黄色ブドウ球菌涙.炎の検討児玉俊夫＊1山本康明＊1首藤政親＊2＊1松山赤十字病院眼科＊2愛媛大学総合科学研究支援センター重信ステーションAStudyofDacryocystitisDuetoMethicillin-ResistantStaphylococcusaureusToshioKodama1）,YasuakiYamamoto1）andMasachikaShudo2）1）DepartmentofOphthalmology,MatsuyamaRedCrossHospital,2）DepartmentofBioscience,IntegratedCenterforScience,ShigenobuStation,EhimeUniversity目的：メチシリン耐性黄色ブドウ球菌（MRSA）による涙.炎患者における年齢，手術治療と予後についての検討．方法：2004年4月1日.2014年9月30日に松山赤十字病院眼科において手術を施行したMRSA涙.炎13例と非MRSA涙.炎95例を比較，検討した．さらにMRSA感染症については治療および術後の転帰について検討した．結果：発症年齢を比較すると，MRSA涙.炎では84.2±6.2歳（平均±標準偏差），非MRSA涙.炎では72.1±12.5歳とMRSA感染者は有意に高齢であった（p＜0.001）．MRSA涙.炎の内訳は男性1例，女性12例，そのうち急性涙.炎は4例，慢性涙.炎は9例で，大多数の症例で抗菌点眼薬が処方されていた．手術は涙.切開1例，涙.摘出1例および涙.鼻腔吻合術（以下，DCR）11例で，DCRは観察期間1カ月.6年4カ月で涙.炎は再発していない．考按：MRSA涙.炎は発症背景として抗菌点眼薬を長期使用していた高齢者があげられるが，治療法としてDCRをはじめ手術治療が必要と考えられる．Purpose：ToreporttheaverageageofdacryocystitispatientsinfectedwithmethicillinresistantStaphylococcusaureus（MRSA）andtheresultsofsurgicaltreatments.PatientsandMethods：Inthisstudy,wereviewed13patientsofdacryocystitisduetoMRSA（MRSAgroup）and95patientsofdacryocystitisduetomicroorganismsotherthanMRSA（non-MRSAgroup）whoweretreatedbetweenApril1,2004andSeptember30,2014attheDepartmentofOphthalmology,MatsuyamaRedCrossHospital,Matsuyama,Japan.Inaddition,weanalyzedtheresultsofsurgicaltreatmentsinMRSAgroup.Results：ThemeanpatientageintheMRSAgroup（84.2±6.2years,mean±standarddeviation）wassignificantlygreaterthanthatinthenon-MRSAgroup（72.1±12.5years（p＜0.001）.TheMRSAgroupconsistedof1maleand12females（4acutedacryocystitiscasesand9chronicdacryocystitiscases）,andallpatientshadbeentreatedbylong-termtopicalantibioticinstillation.Surgicaltreatmentsconsistedoflacrimalsacincision（1case）,dacryocystectomy（1case）,anddacryocystorhinostomy（DCR,11cases）.InthecasesthatunderwentDCR,norecurrenceofdacryocystitiswasobservedduringthefollow-upperiodthatrangedfrom1-monthto6-yearsand4-monthspostoperative.Conclusions：ThefindingsofthisstudyshowthatMRSAdacryocystitisinelderlypatientsmayhaveinducedbytheprolongeduseofantibioticsandthatDCRisusefulfortreatingdacryocystitis〔AtarashiiGanka（JournaloftheEye）32（4）：561.567,2015〕Keywords：メチシリン耐性ブドウ球菌（MRSA），涙.炎，涙.結石，バイオフィルム，涙.鼻腔吻合術．methicillinresistantStaphylococcusaureus（MRSA）,dacryocystitis,dacryolith,biofilm,dacryocystorhinostomy（DCR）.はじめに涙.炎は，鼻涙管閉鎖により涙液が涙.内に貯留して病原微生物が増殖すると涙.壁に炎症を生じて発症する．涙.炎治療の原則は原因微生物の除菌に尽きるが，問題は抗菌薬の局所および全身投与を行っても涙.への移行はわずかであるために病原微生物の排除が困難という点である．さらに抗菌薬を長期間，漫然と投与することは耐性菌を増殖させることにもつながり，慢性涙.炎の起炎菌としてメチシリン耐性黄色ブドウ球菌（Methicillin-resistantStaphylococcusaureus：MRSA）の検出例が増加している1.3）ことが問題となっ〔別刷請求先〕児玉俊夫：〒790-8524愛媛県松山市文京町1松山赤十字病院眼科Reprintrequests：ToshioKodama,M.D.,Ph.D.,DepartmentofOphthalmology,MatsuyamaRedCrossHospital,1Bunkyo-cho,Matsuyama,Ehime790-8524,JAPAN0910-1810/15/\100/頁/JCOPY（97）561ている．MRSAは易感染性宿主において難治性感染症に移行しやすいが，涙.炎においてもMRSAは各種治療薬に抵抗性を示して重症化することが多いといわれている．今回，筆者らはMRSA起炎性涙.炎の治療成績について検討したので報告する．I対象および方法対象は2004年4月1日から2014年9月30日の10年6カ月間に松山赤十字病院眼科（以下，当科）において，涙.切開，涙.摘出および涙.鼻腔吻合術鼻外法（以下，dacryocystorhinostomy：DCR）を施行した108例121側で，その内訳としてDCRは97例110側，涙.摘出3例3側，涙.切開8例8側であった．なお，涙.切開の症例とは，涙.切開のみで寛解したがその後受診しなかったか，全身の重篤な合併症のためにDCRなどが施行できなかった患者である．今回検討したMRSA涙.炎は初診時に涙.洗浄によって排出された涙.内貯留液よりMRSAが検出された12例と，DCRの術後に再閉塞して経過観察中にMRSAが検出された1例である．なお，非MRSA涙.炎については児玉の報告4）に詳細を記載した．涙.洗浄によって排出された涙.内貯留液の採取はあらかじめ皮膚をアルコール面で清拭した後，結膜からの菌混入がないように注意した．今回はMRSA涙.炎13例と他の病原微生物による非MRSA涙.炎95例の間に，初診時の年齢に差があるかどうかを検討した．今回の検討においてさらにMRSA涙.炎を急性および慢性涙.炎に分類し，それぞれ前医での治療期間および投与された抗菌点眼薬の種類，当科での手術術式および予後について比較検討した．手術成績については，涙道通水試験において鼻腔への通水が良好なものを手術成功例，通水が認められなかったものを不成功例とした．涙.結石表面の微細構造の解析は，摘出した涙.結石を3％グルタールアルデヒド/リン酸緩衝液で固定後，臨界点乾燥と白金蒸着を行って走査型電子顕微鏡で観察した．涙.内貯留物の細菌分離は当院微生物検査室において通常培養で行い，薬剤感受性検査はCLSI〔ClinicalandLaboratoryStandardsInstitute（臨床検査標準協会）〕が認定した微量液体希釈法によりMicroScanTM（Siemens社）を用いて測定した．薬剤感受性は被検菌の発育阻止最小濃度（MIC）より各薬剤の判定基準に従い，感受性あり（S），中間感受性（I），耐性（R）と判定した．検査薬剤は，ペニシリン系はペニシリンG（PCG），アンピシリン（ABPC），オキサシリン（MPIP），セファロスポリン系はセファゾリン（CEZ），セフォチアム（CTM），セフジニル（CFDM），オキサセフェム系はフロモキセフ（FMOX），カルバペネム系はイミペネム（IPM），アミノグリコシド系はアルベカシン（ABK），ゲンタマイシン（GM），マクロライド系はエリスロマイシン562あたらしい眼科Vol.32，No.4，2015（EM），リンコマイシン系はクリンダマイシン（CLDM），テトラサイクリン系はミノサイクリン（MINO），キノロン系はレボフロキサシン（LVFX），ST合剤はスルファメトキサゾール・トリメトプリム（ST），グリコペプチド系はバンコマイシン（VCM）オキサゾリジノン系はリネゾリド（LZD），その他の抗生物質と(，)してテイコプラニン（TEIC），ホスホマイシン（FOM）である．なお，本論文におけるLVFX以外の抗菌点眼薬名と略語は以下のとおりである．オフロキサシン（OFLX），ガチフロキサシン（GFLX），シソマイシン（SISO），クロラムフェニコール（CP）．II症例および結果〔症例1：急性涙.炎の症例〕患者：89歳，女性．数日前より左眼）涙.部を中心とした発赤，腫脹が始まり，近医で処方されたCFDN内服とLVFX頻回点眼で改善せず，増悪してきたため当科を紹介された．初診時所見として左眼）涙.部に発赤して膨隆した腫瘤を認め（図1a），上下涙点より涙管洗浄針を挿入したが涙小管は途中で閉塞していた．眼窩CT撮影を行ったところ，涙.部は混濁して蜂巣炎に進展しており，鼻骨から離れた位置に石灰化陰影を認めた（図1b）．即日，涙.切開を行ったところ，排膿が認められ（図1c），CEZ点滴とLVFX頻回点眼を開始した．膿の塗抹標本では白血球に貪食されたグラム陽性球菌が検出された（図2a）．第3病日に細菌培養検査で分離された細菌は薬剤感受性検査の結果，MRSAと同定されたためにMRSA急性涙.炎と診断し（表1），全身投与をCEZからLZDに変え，点眼もVCM点眼薬に変更した．MRSAを標的とした薬物治療に変更しても涙.部の蜂巣炎は改善しなかったので第9病日に涙.摘出を施行した．皮下は壊死組織と膿瘍で充満しており，さらに切開を進めると8mmの大きさの涙.結石とその周囲に数個の小結石を認めた（図1d）．涙.を含め壊死組織を摘出し，皮膚縫合を行った．摘出組織の病理組織所見として一部に涙.上皮を伴う結合織がみられたものの，大部分は炎症細胞侵潤を伴う肉芽組織であった．小結石は好酸性の無構造な組織（図2b）で，結石の周囲にグラム陽性球菌が認められた（データは非呈示）．大きな涙.結石表面の走査電子顕微鏡による観察では，直径0.8.1.0μmの大きさの球菌が結石表面に存在する線維状の物質や微細な沈着物の上に散在していた（図2c，d）．左眼）涙.摘出後には同部位の発赤，腫脹は消失して術後7カ月で同部位の蜂巣炎は再発していない．〔症例5：慢性涙.炎の症例〕患者：73歳，女性．13年前より他院にて左眼）涙.炎と診断され，涙.洗浄が続けられていた．最近では涙.部を圧迫しても膿の排出ができなくなったために皮膚側より穿刺して排膿していた．DCRの適応について当科を紹介された．（98）abcdabcd図1症例1（急性涙.炎）a：術前の顔写真．左涙.部の蜂巣炎を認めた．b：眼窩CT撮影．涙.部は混濁しており，鼻骨から離れた位置に石灰化陰影（矢印）を認めた．c：涙.切開を行うと排膿が認められた．d：涙.摘出時，8mmの大きさの涙.結石（矢印）が認められた．患者は他院通院中に数種類の抗菌点眼薬を処方されていたが，最近ではLVFX点眼薬を継続して点眼していた．初診時，左眼涙.部の隆起性病変を認めた（図3a）ために眼窩CT検査を行ったところ，涙.部の隆起病変は比較的低吸収の内容物がみられた（図3b）．涙.造影撮影では拡張した涙.が認められた（図3c）が，涙.より下方の鼻涙管は造影されなかった（図3d）．涙.洗浄によって排出された涙.内貯留液よりMRSAが検出されたことより，MRSA慢性涙.炎と診断した（表2）．左眼）涙.鼻腔吻合術を施行して術後1年5カ月後に通過を確認している．当科において，涙.切開，涙.摘出およびDCRを施行した非MRSA涙.炎95例の年齢分布は39.98歳であったが，MRSA涙.炎患者は72.93歳と高齢者に多く発症していた（図4）．平均年齢を比較すると，MRSA涙.炎患者84.2±6.2歳（平均±標準偏差）で，非MRSA涙.炎では72.1±12.5歳であり，さらにWilcoxonの順位和検定でMRSA涙.炎は非MRSA涙.炎に比較すると有意に高齢であった（p＜0.001）．MRSA涙.炎の内訳は男性1例，女性12例で，そのうち急性涙.炎は4例，慢性涙.炎は9例であった．MRSA感染による涙.炎のうち，表3に急性涙.炎，表4に慢性涙.表1症例1のMRSAの薬剤感受性MICMIC薬剤（μg/ml）判定薬剤（μg/ml）判定PCG8REM＞4RABPC＞8RCLDM＞2RMPIP＞2RMINO＜2SCEZ＞8RLVFX＞4RCTM＞8RST＜1SCFDN＞2RVCM1SFMOX8RLZD＜2SIPM2RTEIC＜2SABK＜1SFOM＜4SGM＜1S炎の症例を示す．前医の治療では抗菌点眼薬の治療が継続されていた例が12例存在していた．MRSAによる急性涙.炎のうちVCM点滴で寛解し，慢性涙.炎に移行したのは症例3，症例4の2例であった．涙.内に結石を認めた急性涙.炎（症例1）は涙.摘出を行ったが，症例2では涙.切開後，蜂巣炎は軽快したものの消炎には長時間を要した．急性涙.炎の寛解例2例を含む慢性涙.炎11例でDCRを行ったが，観察期間1カ月.6年4カ月で全例において涙.炎は再発しなかった．（99）あたらしい眼科Vol.32，No.4，2015563ababcd図2症例1の病理組織a：涙.切開時の排膿塗抹標本．グラム染色で白血球に貪食されたグラム陽性球菌（矢印）が認められた．b：摘出した涙.の小結石．ヘマトキシリン・エオジン染色で好酸性の無構造な組織像を示した．バーは100μm．c：涙.結石の走査型電子顕微鏡写真（×4,500）．線維素に絡みつくように散在する直径1μmの球菌を認めた．縮尺は10μm．d：涙.結石の走査型電子顕微鏡写真（×13,000）．バイオフィルムの表面に球菌が付着していた．縮尺は4μm．表2症例5のMRSAの薬剤感受性MICMIC薬剤（μg/ml）判定薬剤（μg/ml）判定PCG8RGM＞8RABPC8REM＞4RMPIP＞2RCLDM＞2RCEZ＞16RLVFX＞4RCTM＞16RST＜2SCFDN＞2RVCM＜2SFMOX＞16RLZD＜2SIPM＞8RTEIC＜2SABK2SFOM＞16R検出されたMRSA13株の薬剤感受性を調べると，PCG，ABPC，MPIP，CEZ，CTM，FDN，FMOX，IPM，LVFXはすべて100％の耐性率を示していた．逆に薬剤感受性を示していた抗菌薬としては図5に示すように，EMは7％，CLDNは23％，FOMは31％，GMは38％，MINOに対して60％の分離株が感受性を示していた．100％の感受性を示564あたらしい眼科Vol.32，No.4，2015していたのはABK，TEIC，ST，VCM，LZDの5種類の抗菌薬であった．III考按MRSAと非MRSA涙.炎患者の平均年齢を比較すると，MRSA涙.炎は84.2±6.2歳，非MRSA涙.炎は72.1±12.5歳であり，MRSA涙.炎は非MRSAに比較すると有意に高齢であった（p＜0.001）．さらにMRSA涙.炎の年齢分布をみると85歳以上の超高齢者は，急性涙.炎では4例中3例，慢性涙.炎では9例中3例であり，免疫力の低下している超高齢者は易感染性宿主と考えられた．MRSA涙.炎の男女比をみると男性1例，女性12例で，ほとんどが女性であった．前報1）で考察したように，その理由として日本人では解剖学的に男性よりも女性のほうが鼻涙管の内径が狭く，鼻涙管と下鼻道のなす角度が小さいために涙.内に涙液が貯留しやすくなるためと考えられる5）．MRSA涙.炎患者のうち紹介なしで受診した1例を除き，他院で抗菌点眼薬の（100）abbcdabbcd図3症例5（慢性涙.炎）a：術前の顔写真．左涙.部の隆起性病変を認めた．b：眼窩CT撮影．涙.部は被膜に包まれるように比較的低吸収の内容物（矢印）が認められた．c：涙.造影正面像．拡張した涙.（矢印）を認めた．d：涙.造影側面像．拡張した涙.（矢印）と途絶した鼻涙管が認められた．表3MRSA急性涙.炎の症例症例性別年齢患側前医の治療手術転帰189歳女性左数日前より急性涙.炎LVFX点眼涙.切開後，LZDが奏効せず，涙.摘出涙.摘出後7カ月で涙.周囲炎は認めず293歳女性左3カ月前より急性涙.炎の診断で前医にて涙.切開LVFX点眼涙.切開後，VCMを投与拡張型心筋症のため追加手術不能1年2カ月後は慢性涙.炎373歳女性左10年前から左眼）慢性涙.炎放置していたが，7日前より急性涙.炎で当科に直接受診VCM投与により急性涙.炎が寛解．DCRDCR後，6年6カ月で涙.洗浄にて通水可493歳女性左3カ月前より他院で急性涙.炎LVFX点眼VCM投与により急性涙.炎が寛解．DCRDCR後，3年10カ月で涙.洗浄にて通水可治療が継続されていたことより，長期間の抗菌点眼薬は涙.における常在菌の耐性化をもたらすと考えられた．ただしMRSA感染についは，涙.内で黄色ブドウ球菌が抗菌薬に対して多剤耐性化を獲得したのか，医療機関においてMRSAの二次感染を生じたのかは不明である．最近，一般社会の健常者からもMRSAが分離され，菌の性状をみると院内感染を起こすMRSAとは細菌学的に異なる特徴を有していることから，従来の院内感染型MRSAとは区別して市中感染型MRSAとよばれるようになった．多くの抗菌薬に耐性を有している院内感染型MRSAとは異なり，市中感染型MRSAの多くはマクロライドやフルオロキノロン系抗菌薬などに感受性を示す傾向があり，多剤耐性に至っていないことが特徴である6）．市中感染型MRSAによる感染症はおもに皮膚や軟部組織に生じることが多いといわれている．今回検討したMRSA涙.炎のうち，皮膚および皮下に蜂巣炎を生じていた急性涙.炎のMRSA4株について，市中感染型MRSAである可能性について検討した．まず今回検出されたMRSA13株において薬剤感受性を示すかどうかをみたところ，ABK，TEIC，ST，VCM，LZDでは100％，MINOに対しては60％の分離株が感受性を有してい（101）あたらしい眼科Vol.32，No.4，2015565表4MRSA慢性涙.炎の症例症例年齢性別患側前医の治療手術転帰573歳女性左13年前より左眼）涙.洗浄，最近は皮膚側より穿刺，吸引LVFX点眼DCR術後2年4カ月通水可685歳女性左約10年前より左眼）慢性涙.炎SISO,CP,LVFX点眼DCR術後2年7カ月通水可777歳女性右5年前より右眼）涙.洗浄LVFX点眼DCR術後6カ月通水可877歳女性左3年前より左眼）涙.洗浄LVFX点眼DCR術後3年11カ月通水可986歳女性左10年前より左眼）涙.洗浄GFLX点眼DCR術後3年10カ月通水可1081歳男性左当科にてDCR後，1カ月で閉鎖してMRSA検出．LVFX点眼DCR再手術再手術術後1年6カ月通水可1181歳女性左発症は不明．当科にて右眼）DCR術後，左眼）眼脂を認め，MRSA検出．LVFX点眼DCR術後4年10カ月通水可1288歳女性右3年前より左眼）涙.洗浄OFLX点眼DCR術後6カ月通水可1372歳女性右右眼）上下涙点閉鎖に対して涙点を開放すると慢性涙.炎が判明し，MRSA検出．DCR術後1カ月通水可05101520253035404550～10～20～30～40～50～60～70～80～90～100■：非MRSA■：MRSA症例数（人）年齢（歳）図4涙.炎の年齢分布涙.炎患者の年齢分布として30歳代より発症して70歳代をピークとしていたが，MRSA涙.炎では71歳以上の高齢者のみに発症を認めた．た．さらにEM，CLDN，FOM，GMに対しては7.38％が薬剤感受性を有していたために市中感染型MRSAが含まれている可能性が出てきたが，個々の症例をみると症例1ではGMに感受性を示していたが，EMやLVFXには耐性を示していた．症例2.4も同様にEMやLVFXには耐性を示していたことより，当科のMRSA涙.炎の分離株は市中感染型MRSAとは考えにくく，全例，院内感染型MRSAと考えられた．つぎにMRSAの増殖メカニズムについて考えてみたい．566あたらしい眼科Vol.32，No.4，2015100％90％80％70％60％50％40％30％20％10％0％■：耐性■：感受性ABKSTVCMTEICLZDMINOGMFOMCLDMEM図5MRSA13菌株において抗菌薬に感受性を有する割合MRSAに対して，薬剤感受性を有する抗菌薬としてはEM，CLDN，GM，MINO，FOMがあげられ，7.60％のMRSAが感受性を示していた．100％の感受性を示していたのはABK，TEIC，ST，VCM，LZDの5種類の抗菌薬であった．細菌は液層中でプランクトンとして浮遊するよりも固相に付着，定着して集団として存在しているが，その際に固相─液層界面に形成されるのがバイオフィルムである7）．症例1において涙.摘出時に摘出された涙.結石の表面を走査型電子顕微鏡で観察すると，多数のブドウ球菌が線維素や無構造物質から形成されるバイオフィルムに絡みつくように群生していた．涙.結石は内層のムコ蛋白質に石灰沈着を生じると，眼窩CT検査で周囲が高吸収となるために米粒様（ricekernelappearance）とも称される特徴ある画像を呈すると報告（102）されている8,9）．すなわち，涙.結石における石灰沈着は細菌がより定着しやすくなるためにバイオフィルムの形成，成熟が容易となる．バイオフィルムの構成成分としては付着する細菌より産生される細胞外多糖類，蛋白質や死滅した細菌より放出された粘性の高いDNAが含まれておりいわゆる細胞外マトリックスとして存在している10）．細菌にとってバイオフィルムを形成することは，生体の免疫作用や抗菌薬から逃れることができるためにMRSAをはじめ難治性の慢性感染症となりうる．その具体例として症例1があげられる．MRSAに対して薬物療法が奏効せず涙.を摘出せざるをえなかったのは，表層にバイオフィルムが形成された涙.結石を増殖の場としたことでMRSAは抗菌薬に対する防御が可能になったと思われる．今回は手術として涙.切開（1例），涙.摘出（1例）およびDCR（11例）を行ったが，DCRの手術成績として観察期間1カ月.6年4カ月で涙.炎は再発していない．MRSA涙.炎は発症背景として抗菌点眼薬を長期使用していた高齢者があげられるが，DCRの手術成績は良好であったことより通常の黄色ブドウ球菌感染症と病原性は変わらないと考えられる．いわゆる院内感染型MRSAは健常人ではその感染に対してかなり抵抗性を示すが，免疫機能の低下した高齢者ではMRSA涙.炎を発症すると考えられるために，眼科医を含めて医療スタッフは高齢者に対しMRSAの感染源になる可能性を常に念頭に置く必要がある．利益相反：利益相反公表基準に該当なし文献1）児玉俊夫，宇野敏彦，山西茂喜ほか：乳幼児および成人に発症した涙.炎の検出菌の比較．臨眼64：1269-1275,20102）KuboM,SakurabaT,AraiYetal：Dacryocystorhinostomyfordacryocystitiscausedbymethicillin-resistantStaphylococcusaureus：reportoffourcases.JpnJOphthalmol46：177-182,20023）田中朋子，小堀朗，吉田和代ほか：メチシリン耐性ブドウ球菌による急性涙.炎の2例．眼科手術13：629-632,20004）児玉俊夫：松山赤十字病院における涙.鼻腔吻合術の手術成績．松山日赤誌39：15-20,20145）ShigetaK,TakegoshiH,KikuchiS：Sexandagedifferencesinthebonynasolacrimalcanal.Ananatomicalstudy.ArchOphthalmol125：1677-1681,20076）松本哲哉：MRSA感染症（市中感染型MRSAを含む）．最新医学63：1225-1239,20087）米澤英雄，神谷茂：バイオフィルム形成と細胞外マトリックス．臨床と微生物36：411-416,20098）YaziciB,HammadAM,MeyerDR：Lacrimalsacdacryoliths.Ophthalmology108：1308-1312,20019）AsheimJ,SpicklerE：CTdemonstrationofdacryolithiasiscomplicatedbydacryocystitis.AJNRAmJNeuroradiol26：2640-2641,200510）PerryLJP,JakobiecFA,ZakkaFR：Bacterialandmucopeptideconcretionsofthelacrimaldrainagesystem：Ananalysisof30cases.OphthalPlastReconstrSurg28：126133,2012＊＊＊（103）あたらしい眼科Vol.32，No.4，2015567</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>https://www.atagan.jp/article/20150421.htm/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>眼感染症由来Staphylococcus aureusの In Viroバイオフィルム形成に及ぼすグルコースの影響と抗菌点眼薬の殺菌効果</title>
		<link>https://www.atagan.jp/article/20140427.htm</link>
		<comments>https://www.atagan.jp/article/20140427.htm#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 29 Apr 2014 15:27:31 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[記事]]></category>
		<category><![CDATA[グルコース]]></category>
		<category><![CDATA[トスフロキサシン]]></category>
		<category><![CDATA[バイオフィルム]]></category>
		<category><![CDATA[殺菌効果]]></category>
		<category><![CDATA[点眼薬]]></category>
		<category><![CDATA[黄色ブドウ球菌]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.atagan.jp/?p=8751</guid>
		<description><![CDATA[《第50回日本眼感染症学会原著》あたらしい眼科31（4）：571.580，2014c眼感染症由来StaphylococcusaureusのInVitroバイオフィルム形成に及ぼすグルコースの影響と抗菌点眼薬の殺菌効果神鳥 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>《第50回日本眼感染症学会原著》あたらしい眼科31（4）：571.580，2014c眼感染症由来StaphylococcusaureusのInVitroバイオフィルム形成に及ぼすグルコースの影響と抗菌点眼薬の殺菌効果神鳥美智子＊1井上幸次＊1池田欣史＊1藤原弘光＊2高畑正裕＊3髙倉真理子＊3＊1鳥取大学医学部視覚病態学＊2鳥取大学医学部附属病院検査部＊3富山化学工業株式会社綜合研究所InfluenceofGlucoseonInVitroBiofilmFormationbyStaphylococcusaureusIsolatedfromOcularInfection；BactericidalActivityofAntibacterialOphthalmicSolutionMichikoKandori1）,YoshitsuguInoue1）,YoshifumiIkeda1）,HiromitsuFujiwara2）,MasahiroTakahata3）andMarikoTakakura3）1）DivisionofOphthalmologyandVisualScience,FacultyofMedicine,TottoriUniversity,2）3）ResearchLaboratoriesToyamaChemicalCo.,Ltd.TottoriUniversityHospital,目的：糖尿病患者の涙液中グルコース濃度は健常人に比べ高く，結膜.常在菌に影響している可能性がある．そこで，眼感染症由来Staphylococcusaureus（S.aureus）のinvitroバイオフィルム形成に及ぼすグルコースの影響を調べるとともに，バイオフィルム形成菌に対する抗菌点眼薬の殺菌効果を検討した．方法：鳥取大学医学部附属病院の眼感染症患者から分離されたキノロン感受性S.aureus3株を用い，メンブレンフィルター（MF）上のバイオフィルム形成に及ぼすグルコースの影響をMF静置寒天平板培地にこれを添加することで検討した．また，トスフロキサシン，レボフロキサシン，セフメノキシムの各点眼液を最小発育阻止濃度（minimuminhibitoryconcentration：MIC）の30倍濃度（30MIC）でバイオフィルム形成菌に24時間作用させ，生菌数変化，さらに走査型電子顕微鏡による形態観察で殺菌効果を評価した．結果：S.aureusバイオフィルムの成熟度はグルコース濃度（0％，0.01％，0.1％および1.0％）に比例し増大した．0.1％グルコース存在下，バイオフィルム形成菌に対するトスフロキサシン点眼液30MIC作用時の殺菌効果は，いずれの場合も比較点眼液より有意に強かった．結論：S.aureusによるバイオフィルムの成熟度はグルコース濃度の影響を受けることから，糖尿病患者に対する抗菌点眼薬の選択においては，バイオフィルムにより効果のある薬剤を考慮する必要があると考えられた．Purpose：Tearglucoseconcentrationishigherindiabeticpatientsthaninhealthysubjectsandmayinfluenceconjunctivalflora.TheinfluenceofglucoseoninvitrobiofilmformationwasexaminedusingStaphylococcusaureusisolatedfrompatientswithocularinfection.Alsoinvestigatedwerethebactericidaleffectsofantibacterialophthalmicsolutionsagainstbiofilmbacteria.MaterialsandMethods：Usingthreequinolone-susceptibleS.aureusisolatesfrompatientswithocularinfectionatTottoriUniversityHospital,weexaminedtheinfluenceofglucoseonbiofilmformationonmembranefilter（MF）byaddingglucosetotheagarplateontheMF.Bactericidalactivitiesoftosufloxacin（TFLX）,levofloxacin（LVFX）andcefmenoxime（CMX）ophthalmicsolutionswereexaminedbycountingviablecellsremainingafterexposureofS.aureusbiofilmtothoseagentsatconcentrations30-foldtheirrespectiveminimuminhibitoryconcentrations（MIC）,andbyobservationunderascanningelectronmicroscope（SEM）Results：ThedegreeofS.aureusbiofilmmaturationincreasewasdependentontheglucoseconcentration（0％,(.)0.01％,0.1％and1.0％）.With0.1％glucose,thebactericidaleffectofthetosufloxacinophthalmicsolutionwassignificantlymorepotentthantheotherophthalmicsolutions.Conclusion：SincethedegreeofS.aureusbiofilmmaturationwasaffectedbyglucoseconcentration,itissuggestedthattheantibacterialophthalmicsolutionmostpotentagainstbiofilmbeselectedfordiabeticpatients.〔AtarashiiGanka（JournaloftheEye）31（4）：571.580,2014〕〔別刷請求先〕井上幸次：〒683-8504米子市西町36-1鳥取大学医学部視覚病態学教室Reprintrequests：YoshitsuguInoue,M.D.,Ph.D.,DivisionofOphthalmologyandVisualScience,FacultyofMedicine,TottoriUniversity,36-1Nishi-cho,Yonago,Tottori683-8504,JAPAN0910-1810/14/\100/頁/JCOPY（93）571Keywords：黄色ブドウ球菌，グルコース，バイオフィルム，トスフロキサシン，点眼薬，殺菌効果．Staphylococcusaureus,glucose,biofilm,tosufloxacin,ophthalmicsolution,bactericidaleffect.はじめにグラム陽性菌のStaphylococcusaureus（S.aureus）は眼感染症の代表的な疾患である結膜炎や角膜炎の主要な起因菌である1）．また，発症頻度は低いものの，急性術後眼内炎の起因菌としてもStaphylococcusepidermidis（S.epidermidis）を含むコアグラーゼ陰性ブドウ球菌やS.aureusの割合が高い2,3）．S.epidermidisやS.aureusはヒトの結膜.内細菌叢に常在しており，このことが多くの眼感染症の起因菌になる理由と考えられる．分離比率はS.epidermidisが常に最も高いが，糖尿病患者ではS.epidermidisに次ぐS.aureusの比率が健常人より高いとの報告がある4）．眼感染症では周術期創部などから常在菌が侵入し，縫合糸などへの菌の定着の後，バイオフィルムを形成するケースや，治療に用いられる眼内レンズなどのバイオマテリアルに形成されたバイオフィルム菌などが発症に関与している場合がある5.7）．バイオフィルム形成後の菌の生育はslow-growingあるいはnondividinggrowthの状態にあると同時に，菌体を覆うexopolysaccharidematrixの薬剤低透過性などにより，抗菌薬の殺菌作用を回避すること，また，その成熟度が増した場合，抗菌薬の殺菌作用はさらに減弱されるので，治療の難渋化を招いていることが報告されている5,8,9）．筆者らは先に，メチシリンおよびキノロン感受性S.epidermidisを用いてinvitroで作製したバイオフィルム形成菌に対するフルオロキノロン系点眼薬とb-ラクタム系点眼薬の殺菌効果を検討した．その結果，いずれの薬剤もバイオフィルム形成菌に対する殺菌効果は浮遊菌（planktonic菌）の場合より減弱すること，また，バイオフィルム形成菌に対する殺菌効果はb-ラクタム系点眼薬よりフルオロキノロン系点眼薬が強いが，その作用はフルオロキノロン系点眼薬間でも差異が認められるとの成績を得た10）．眼感染症起因菌においてS.epidermidisと並び分離頻度の高いS.aureusでは，バイオフィルム形成時，生育環境に存在するグルコースによりバイオフィルム成熟度が変化することが報告されている11,12）．ヒト涙液にはグルコース（tearglucose）が正常人で0.004.0.008％含まれているが，糖尿病患者ではこれより高く13.15），眼表面や眼内におけるS.aureusのバイオフィルム形成は正常人の場合と異なるものと考えられる．このため，定着したS.aureusが形成したバイオフィルムに対する抗菌点眼薬の殺菌作用も何らかの影響を受けている可能性が推察される．現在，眼感染症におけるバイオフィルム形成菌について，涙液中のグルコースの影響や生理的なグルコース濃度存在下での，抗菌点眼薬の殺菌効果についての報告は見当たらない．そこで，今回，眼感染症由来S.aureusのinvitroバイオフィルム形成に及ぼすグルコースの影響を調べるとともに，先回報告10）したS.epidermidisに引き続き，S.aureusバイオフィルム形成菌に対する抗菌点眼薬の殺菌効果を検討した．すなわち，2011年から2012年に鳥取大学医学部附属病院の眼感染症患者から分離されたS.aureusのうち，icaA,D遺伝子，薬剤感受性などを検討した3株を用いてinvitroバイオフィルム形成に及ぼすグルコースの影響を調べるとともに，トスフロキサシン，レボフロキサシンおよびセフメノキシム各点眼液の殺菌効果を検討した．I実験材料および方法1.使用菌株鳥取大学医学部附属病院の眼感染症患者から2011.2012年に分離されたS.aureus31株を用いた．これら分離株すべてについて，各種薬剤に対する感受性，キノロン薬耐性決定領域（quinoloneresistant-determiningregion：QRDR）遺伝子の変異およびicaA,D遺伝子の有無を調べた．2.QRDR遺伝子およびicaA，icaD遺伝子の解析DNAジャイレースおよびトポイソメラーゼIV蛋白のそれぞれのsubunitA蛋白，GyrAならびにGrlAのQRDR部位をcodeするgyrA，grlA遺伝子の主要な変異部位の解析（GyrA：Ser84,Ser85,Glu88.GrlA：Ser80,Glu84）をSreedharanら16），Ferreroら17）の報告に基づいたPCR（polymerasechainreaction）法で行った．また，バイオフィルム形成に関連するslimeの主要成分，polysaccharideintercellularadhesin（PIA）の生合成に関わるicaA，icaD遺伝子の有無をArciolaら18）の方法に基づき検討した．3.使用薬剤薬剤感受性の測定にはトスフロキサシン（富山化学工業株式会社），レボフロキサシン（LKTLaboratories,Inc），セフメノキシム（ベストコールR静注用，武田薬品工業株式会社）を用いた．また，S.aureusのメチシリン耐性の判別のため，オキサシリン（シグマアルドリッチジャパン株式会社）を使用した．Invitroバイオフィルム形成菌およびplanktonic菌に対する殺菌効果の検討には市販のトスフロキサシン点眼液（オゼックスR点眼液0.3％，大塚製薬株式会社），レボフロキサシン点眼液（クラビットR点眼液0.5％，参天製薬株式会社），セフメノキシム点眼液（ベストロンR点眼用0.5％，千寿製薬株式会社）を目的の作用濃度になるよう25％cation-572あたらしい眼科Vol.31，No.4，2014（94）adjustedMueller-Hintonbroth（CAMHB；日本ベクトン・ディッキンソン株式会社）で適宜希釈し用いた．いずれの薬剤も純度あるいは含量が明らかなものを使用し，濃度は活性本体の値として示した．4.薬剤感受性の測定抗菌薬に対する感受性の測定にはCAMHBを用い，ClinicalandLaboratoryStandardsInstitute（CLSI）の微量液体希釈法に基づき行った19）．メチシリンに対する感受性/耐性はCLSIの判定基準に基づき，オキサシリンに対する最小発育阻止濃度（MIC）（≦2μg/ml：感受性，≧4μg/ml：耐性）によって分類した20）．また，キノロン薬に対する感受性/耐性は同判定基準に基づき，レボフロキサシンに対するMIC（≦1μg/ml：感受性，≧4μg/ml：耐性）によって分類した．5.Planktonic菌に対する抗菌点眼薬の殺菌効果今回使用の臨床分離S.aureus31株のうち，キノロン感受性でicaA,icaD遺伝子を保有するメチシリン感受性S.aureus（methicillin-susceptibleS.aureus：MSSA）のF5820およびF-5829株，メチシリン耐性S.aureus（methicillin-resistantS.aureus：MRSA）のF-5809株を用いた（表1）．CAMHBにて37℃で一夜培養した菌を新鮮なCAMHBに接種し，さらに4時間前培養した菌液0.5mlに，リン酸緩衝液（PB：1/15mol/l,pH7.0）で5倍濃度に調整した各薬液1ml（終濃度，30MIC），10％グルコース溶液5μlまたは50μl（グルコース終濃度，0.01％または0.1％）を加え，PBで全量5mlにした培養液（CAMHB濃度：通常の10％濃度）を作製した．37℃で振盪培養し，24時間後に生菌数測定を行った（n＝1）．対照として薬剤不含の同様な10％CAMHB5mlを用い，生菌数を測定した．6.Invitroバイオフィルムの作製とグルコースの影響Planktonic菌に対する殺菌効果の試験に用いたMSSAのF-5820およびF-5829とMRSAのF-5809株の3株で検討した．Websterら21）の方法に基づき，CAMHBで一夜培養したS.aureusの菌液100μlを新鮮なCAMHB10mlに接種し，さらに3.5時間培養した．本菌液100μlを0.01％または0.1％グルコースを含み，通常の10％培地成分濃度になるよう作製したCAMHB10mlに懸濁した．その25μlを0.01％および0.1％のグルコースを含んだ10％培地成分濃度のMueller-Hintonagar（MHA,日本ベクトン・ディッキンソン株式会社）を平板上に置いたmembranefilter（MF,DuraporeRMembraneFilter0.45μmHV；Millipore）に滴下した（n＝3）．グルコース濃度0.01％は健常人涙液中濃度，0.1％は糖尿病患者涙液中に含まれるグルコース濃度に近似すると考え検討した13.15）．なお，別にバイオフィルム形成に及ぼす詳細なグルコース濃度（0，0.01，0.1および1％）の影響はMSSAF-5820株を用い調べた．（95）37℃，48時間培養後，走査型電子顕微鏡（SEM：HITACHIS-3400）を用いてバイオフィルム像を観察した．SEM像の観察に当たっては，試料を1.5％glutaraldehyde（和光純薬工業株式会社）にて1時間，さらに1％osmiumtetroxide（TAABLaboratories）に18時間浸漬し固定した．アルコール脱水-酢酸イソアミル（和光純薬工業株式会社）置換を経た後，臨界点乾燥を行った試料を白金-パナジウム蒸着した．7.Invitroバイオフィルム形成菌に対する抗菌点眼薬の殺菌効果0.01％あるいは0.1％グルコースを含む10％培地成分濃度のMHA上に静置したMFに菌液を滴下し，37℃，24時間培養した後，MFを各薬剤30MICを含む新しいMHA上に移した．さらに37℃，24時間培養した後，生菌数を測定した．作用濃度（30MIC）はトスフロキサシン頻回反復点眼時の結膜.内濃度などを参考にした22）．なお，MRSAF-5809株の場合はセフメノキシム点眼液の溶解必要濃度が高すぎることから薬剤含有MHAが作製できず，トスフロキサシン点眼液とレボフロキサシン点眼液のみで殺菌効果を検討した．生菌数の測定に当たっては上述のMFをMulti-BeadsShockerR（安井器械株式会社）で破砕，ホモジナイズした試料を適宜希釈し，MHA平板に塗布し，生育コロニー数を計測した．得られた生菌数は各比較群間でパラメトリックDunnett型多重比較による有意差検定を行った．また，SEMでバイオフィルムに対する薬剤作用像を観察した．II結果1.使用菌株の各種抗菌薬に対する感受性，GyrAおよびGrlA蛋白におけるQRDR部位のアミノ酸変異，icaA，icaD遺伝子の解析S.aureus31株に対するトスフロキサシンとレボフロキサシン，またはセフメノキシムとのMIC相関図を図1に示す．トスフロキサシンは試験株すべてに対し，レボフロキサシンおよびセフメノキシムと同等か，2.512倍以上強い抗菌活性を示した．31株中，MRSAは22株（71.0％），キノロン耐性S.aureusは18株（58.1％）であった．また，キノロン耐性S.aureus18株のQRDR部位における最も頻度の高い変異株はGyrAのSer84Leu,Glu88Gly変異およびGrlAのSer80Tyr,Glu84Lys変異を同時に保有する株であった（7株/18株，38.9％）．icaA,icaD遺伝子については今回使用した眼由来臨床分離株は31株すべて両遺伝子を保有していた．バイオフィルム形成菌に対する殺菌効果の検討に使用した3菌株の各遺伝子の解析および薬剤感受性の結果を表1に示す．GyrA，GrlAのQRDR主要部位に変異は認められず，キノロン薬に感受性で，MICはトスフロキサシンが0.0313あたらしい眼科Vol.31，No.4，2014573トスフロキサシMIC（μg/ml）≧1684210.50.250.1250.06≦0.03111136311114315533≦0.030.1250.528≦0.030.1250.5280.060.2514≧160.060.2514≧16レボフロキサシンMIC（μg/ml）セフメノキシムMIC（μg/ml）図1Staphylococcusaureus31株に対するトスフロキサシンとレボフロキサシン，またはセフメノキシムとのMIC相関図相関図中の数値は株数．いずれの株もトスフロキサシンのMICはレボフロキサシン，セフメノキシムのMICと同等か，低かった．表1使用菌株の各種抗菌薬に対する感受性，icaA，icaD遺伝子の有無，およびGyrA，GrlAのアミノ酸変異菌株トスフロキサシンMIC（μg/ml）レボフロキサシンセフメノキシムオキサシリンicaA，icaD遺伝子の有無icaAicaDQRDRアミノ酸変異GyrASer84,Ser85,Glu88GrlASer80,Glu84F-58200.06250.2520.5＋＋──F-58290.03130.12521＋＋──F-58090.06250.25832＋＋──＋/─：検出/非検出．μg/mlあるいは0.0625μg/ml，レボフロキサシンは0.125μg/mlあるいは0.25μg/mlであった．また，F-5820およびF-5829株はMSSA，F-5809株はMRSAであり，セフメノキシムのMICは前2株が2μg/ml，F-5809株は8μg/mlであった（表1）．2.Planktonic菌に対する抗菌点眼薬の殺菌効果Planktonic菌に対する薬剤30MIC，24時間作用後の生菌数を図2に示す．いずれの薬剤も30MIC作用後の生菌数は薬剤無添加の場合に比べ，10.6以上減少し，検出限界以下（LogCFU/ml：≦1.30）であった（図2）．3.Invitroバイオフィルム形成に及ぼすグルコースの影響MSSAF-5820株において，培地にグルコースを0.01％，0.1％，1％濃度になるよう添加し，バイオフィルム形成能をグルコース無添加の場合と比較した結果，培養48時間後の成熟度は濃度依存的に増大した．バイオフィルム形成能は0.01％添加から影響がみられたが，0.1％，1％添加時にはMF構造に沿って多くのslime様物質が付着し，これらに覆われた球菌の数も多かった（図3）．4.Invitroバイオフィルム形成菌に対する抗菌点眼薬の殺菌効果バイオフィルムを形成した各株に対する抗菌点眼薬30MIC，24時間作用後の生菌数を図4に示す．グルコース0.01％存在下，MSSAF-5820株におけるトスフロキサシン点眼液30MICの24時間作用時の殺菌効果は，同MIC濃度のレボフロキサシン点眼液と同等，セフメノキシム点眼液より有意（p＜0.001）に強かった．グルコース0.1％存在下での24時間作用時の殺菌効果は，同MIC濃度のレボフロキサシンおよびセフメノキシム点眼液より有意（p＜0.001）に強かった．また，グルコース0.01％と0.1％存在下での殺菌効果を比較すると，トスフロキサシンおよびセフメノキシム点眼液では差異がみられなかったが，レボフロキサシン点眼液では，0.1％存在下の殺菌効果は0.01％の場合より有意（p＜0.001）に弱かった．グルコース0.01％存在下，MSSAF-5829株におけるトスフロキサシン点眼液30MICの24時間作用時の殺菌効果は，同MIC濃度のレボフロキサシン点眼液およびセフメノキシム点眼液より有意（p＜0.001）に強かった．また，グルコース0.1％存在下での24時間作用時の殺菌効果は，同MIC濃574あたらしい眼科Vol.31，No.4，2014（96）Glucose0.01％Glucose0.1％Viablecellscount（LogofCFU/ml）108642010864201086420F-5820MSSAF-5829MSSAF-5809MRSANT108642010864201086420F-5820MSSAF-5829MSSAF-5809MRSANT検出限界（≦1.30）ControlトスフロキサシンレボフロキシサンセフメノキシムControlトスフロキサシンレボフロキシサン点眼液点眼液点眼液点眼液点眼液図2Staphylococcusaureusのplanktonic菌に対する各種抗菌点眼薬の殺菌効果NT：試験せず．Planktonic菌に対してはいずれの点眼液も強い殺菌効果を示した．セフメノキシム点眼液度のレボフロキサシンおよびセフメノキシム点眼液より有意（p＜0.001）に強かった．また，グルコース0.01％あるいは0.1％存在下での殺菌効果はセフメノキシム点眼液では差異がなかったが，トスフロキサシンおよびレボフロキサシン点眼液では，0.1％存在下のほうが0.01％の場合より有意（p＜0.01，p＜0.001）に弱かった．グルコース0.01％および0.1％存在下，MRSAF-5809株におけるトスフロキサシン点眼液30MICの24時間作用時の殺菌効果は，同MIC濃度のレボフロキサシン点眼液より有意（p＜0.01）に強かった．また，トスフロキサシンおよびレボフロキサシン点眼液ともに，グルコース0.1％での殺菌効果は0.01％の場合より有意（p＜0.01，p＜0.001）に弱かった．5.MSSAF.5820株が形成したinvitroバイオフィルムに対する抗菌点眼薬の作用像0.1％グルコース存在下，invitroでMSSAF-5820株が形成したバイオフィルムに対する各点眼液30MIC作用時のSEM像を図5に示す．セフメノキシム点眼液作用後のバイオフィルム像（図5G，図5H）は薬剤無添加群（図5A，図5B）とほぼ同様であった．トスフロキサシン点眼液作用時（図5C，図5D）では，バイオフィルム構造の消失や，これを構成する菌塊構造の軽度化が観察された．レボフロキサシ（97）ン点眼液の場合は薬剤無添加群に比べ，低倍でバイオフィルム構造が若干消失した像が観察されたが，バイオフィルム上部の菌塊構造の厚みの変化はトスフロキサシン点眼液作用時より小さかった（図5E，図5F）．なお，今回の試験では，他の2株でもMSSAF-5820株と同様なバイオフィルム形成像，また各抗菌点眼薬作用像がSEMで観察された（データ示さず）．III考按結膜.における検出菌の分離比率はS.epidermidisが最も高いが，糖尿病患者では本菌種に次いでS.aureusの比率が健常人より高いとの報告がある4）．眼感染症ではバイオフィルム形成菌がその発症に関与することが報告されており，S.aureusやS.epidermidisもコンタクトレンズ，眼内レンズ，手術時縫合糸，涙道形成用チューブ等の医療材料に付着してバイオフィルムを形成することが知られている5,6）．近年，眼感染症においては，Staphylococcus属以外にも，Pseudomonasaeruginosa（P.aeruginosa）などによるバイオフィルム形成が臨床的に問題となっているが，さまざまな菌種でバイオフィルム形成菌はその成熟度によって抗菌薬の殺菌作用が影響を受けることが報告されている8,9）．S.aureusではバイオフィルムの成熟度は生育環境に存在するグルコーあたらしい眼科Vol.31，No.4，2014575ABCDEFGHIJKLIJKABCDEFGHIJKLIJK図3StaphylococcusaureusF.5820株のバイオフィルム形成に及ぼすグルコースの影響培養時間：48時間，A,E,I：glucose0％，×100,×3,000,×10,000，B,F,J：glucose0.01％，×100,×3,000,×10,000，C,G,K：glucose0.1％，×100,×3,000,×10,000，D,H,L：glucose1％，×100,×3,000,×10,000．グルコース0.1％，1％添加時には多くのslime様物質が産生され，これに覆われた球菌の数も多かった．スの影響を受け，濃度依存的にその成熟度が増大するとの報告がある11,12）．糖尿病患者の涙液中グルコース（tearglucose）濃度は健常人に比べ高く，正常人では0.004.0.008％であるのに対し，糖尿病患者ではこれより5.10倍以上高く，0.03.0.13％以上含まれると報告されている13.15）．また，糖尿病患者では急性結膜炎を含む各種細菌感染症のリスクが高いこと，網膜症，白内障など，さまざまな眼の組織における病態に高血糖が悪影響を与えるとの報告がある23,24）．これらのことから，糖尿病患者では眼表面や眼内に定着したS.aureusがバイオフィルムを形成する場合，その成熟度が増し，抗菌点眼薬の殺菌作用が何らかの影響を受ける可能性が考えられ，今回の検討を行った．眼感染症由来S.aureusのバイオフィルム形成に及ぼすグルコースの影響をSEMで形態観察した報告や，バイオフィルム形成菌に対する抗菌点眼薬の殺菌効果などを検討した報告はこれまでなかった．今回，眼感染症由来S.aureusのinvitroバイオフィルム形成に及ぼすグルコースの影響を調べた結果，これまでの報告11,12）に記述されているようにその成熟度はグルコース濃度の影響を受けており，糖尿病患者の涙576あたらしい眼科Vol.31，No.4，2014液中グルコース濃度に想定した0.1％添加時では，無添加時に比べ，slime様物質が多く産生され，これらがMF構造や菌体表面に付着したバイオフィルム像が観察された．S.epidermidisではPIAの生合成はica遺伝子locusが関連し，icaA,DはN-acetylgulcosaminetransferase，icaBはPIAdeacetylase，icaCはPIAのexporter遺伝子とされ25），ソフトコンタクトレンズ装用者における急性結膜炎患者から分離されたブドウ球菌ではicaA，D遺伝子保有率が高いとの報告がある26）．しかしながら，S.aureusではicaA，D遺伝子はほとんどすべての株が保有しており，本遺伝子のバイオフィルム形成時における意義は両菌種で異なる可能性が考えられた．Izanoら27）はブドウ球菌属のバイオフィルムにおける主要な2つの構成ポリマーはPIAとextracellularDNA（ecDNA）であり，S.aureusではPIAがバイオフィルムの主要な構成成分ではなく，ecDNAがその主成分としている．また，別の報告でS.aureusの臨床株ではグルコースが調節するバイオフィルム形成はicaADBC遺伝子の発現に関係しないとされ，同じブドウ球菌属ながら，バイオフィルム形成，発現様式について違いが存在する可能（98）Glucose0.01％Glucose0.1％Viablecellscount（LogofCFU/MF）109876510987651098765F-5820MSSA10＊＊＊98765＊＊＊NS†††＊＊＊F-5820MSSA＊＊＊＊＊＊F-5829MSSA†††††＊＊＊1098765F-5829MSSA＊＊＊F-5809MRSAF-5809MRSA10＊＊＊＊98†††††76NTNT5ControlトスフロキサシンレボフロキシサンセフメノキシムControlトスフロキサシンレボフロキシサンセフメノキシム点眼液点眼液点眼液点眼液点眼液点眼液図4Staphylococcusaureusのinvitroバイオフィルム形成菌に対する各種抗菌点眼薬の殺菌効果薬剤作用時間：24時間，n＝3,有意差：＊＊＊：p＜0.001，＊＊：p＜0.01vs.トスフロキサシン点眼液，†††：p＜0.001，††：p＜0.01vs.0.1％glucose,NS：notsignificant,（Dunnetttest），NT：試験せず，MF：membranefilter0.1％グルコース存在下では，いずれの場合もトスフロキサシン点眼液は同じ30MIC濃度で比較したレボフロキサシンあるいはセフメノキシム点眼液より有意に強い殺菌効果を示した．性があり，現在，詳細は明らかでない28）．眼感染症由来S.aureusはレボフロキサシン，セフメノキシムに対する感受性が高い1）．今回の使用菌株に対する抗菌活性はトスフロキサシンがレボフロキサシン，セフメノキシムと同等か，2.512倍以上強く，2009年分離の外眼部感染症由来S.aureusの成績とほぼ同様であった29）．現在S.aureusのバイオフィルム形成菌に対するこれら抗菌点眼薬の殺菌効果に関する成績は見当たらない．そこでinvitroバイオフィルムを作製し，汎用されている市販抗菌点眼薬，トスフロキサシン，レボフロキサシンおよびセフメノキシム各点眼液の殺菌効果を検討した．トスフロキサシンについては健康成人男子を対象に1回1滴，1日8回14日間点眼し，結膜.内濃度を測定した成績があり，点眼14日目の初回点眼24時間後の濃度は2.0±2.69μg/mlであったとの報告がある22）．この24時間値（約2.0μg/ml）は今回invitroでバイオフィルムを作製したS.aureus3株に対するトスフロキサシンのMIC値（0.0313μg/mlおよび0.0625μg/ml）の約32あるいは64倍に相当する．このことから，作用濃度および作用時間はいずれの点眼液も30MIC，24時間とした．その結果，0.01％グルコース存在下では，invitroでバイ（99）オフィルムを形成したS.aureusに対し，トスフロキサシン点眼液はMSSAF-5820株では，レボフロキサシン点眼液と同等，MSSAF-5829株，MRSAF-5809株ではレボフロキサシンあるいはセフメノキシム点眼液より有意に強い殺菌効果を示した．0.1％グルコース存在下では，いずれの場合もトスフロキサシン点眼液は同MIC濃度で比較したレボフロキサシンあるいはセフメノキシム点眼液より有意に強い殺菌効果を示し，SEMによる形態観察でも，MSSAF-5820株のバイオフィルム形成菌に対し，トスフロキサシン点眼液作用時，強い殺菌像が観察された．また，フルオロキノロン系抗菌点眼薬の殺菌効果はMSSAF-5820株バイオフィルムに対するトスフロキサシン点眼液の場合を除き，いずれも糖尿病患者の涙液中グルコース濃度を想定した0.1％グルコース存在下のほうが0.01％グルコース存在下より弱く，バイオフィルムの成熟度がフルオロキノロン系抗菌点眼薬の殺菌効果に影響を及ぼす可能性が考えられた．バイオフィルムを形成した細菌がplanktonic菌に比べ抗菌薬抵抗性を示すこと，また，その抵抗性には薬剤系統差があることが知られている8）．S.aureusにおいてフルオロキノロン系抗菌薬レボフロキサシンはplanktonic菌よりバイあたらしい眼科Vol.31，No.4，2014577ABCDEFGHABCDEFGHABCDEFGHABCDEFGH図5StaphylococcusaureusF.5820株が形成したinvitroバイオフィルム形成菌に対する各種抗菌点眼薬作用時の走査型電子顕微鏡像A,B：control,×100,×3,000，C,D：トスフロキサシン点眼液，×100,×3,000，E,F：レボフロキサシン点眼液，×100,×3,000，G,H：セフメノキシム点眼液，×100,×3,000．低倍率でもトスフロキサシン点眼液の作用により，バイオフィルム構造の大部分が消失している像が観察された．オフィルム形成菌に対する殺菌効果が弱いとの報告があム形成菌に対する殺菌作用では，フルオロキノロン系抗菌る30）．今回の試験でもplanktonic菌に比べ，バイオフィル薬，アミノ配糖体系抗菌薬，b-ラクタム系抗菌薬の順に強ムを形成した菌に対する殺菌作用はいずれの薬剤も弱かっいことも報告されている8）．さらに，S.aureusのバイオフィた．薬剤系統差については，P.aeruginosaのバイオフィルルムにおける薬剤透過性はb-ラクタム系抗菌薬のオキサシ578あたらしい眼科Vol.31，No.4，2014（100）リン，セフォタキシム，またグリコペプチド薬であるバンコマイシンより，アミノ配糖体のアミカシンやフルオロキノロン系抗菌薬のシプロフロキサシンのほうが良好との報告がある31）．これらのことから，S.aureusのバイオフィルム形成菌に対しては，b-ラクタム系抗菌薬よりもフルオロキノロン系抗菌薬を，また，そのなかでも目標とする菌種に対して，より強い抗菌活性を示すフルオロキノロン系抗菌薬を選択すべきと考えられた．今回の成績は，先に報告10）したS.epidermidisのバイオフィルム形成菌における結果と近似しており，殺菌効果はb-ラクタム系点眼薬よりフルオロキノロン系点眼薬が強いが，その効果はフルオロキノロン系点眼薬間でも差異が認められる点では同様の成績が得られた．術後感染症としての眼内炎の起因菌は60％以上をStaphylococcus属が占める．S.epidermidisの比率が最も高いものの，MRSAを含むS.aureusが起因菌の場合も多い3）．眼内炎は重篤な感染症であり，手術前後に眼瞼および結膜.内を十分殺菌することが重要である．フルオロキノロン系点眼薬の周術期における無菌化率は高く，トスフロキサシン点眼液の場合も手術14日後に判定した術後感染症の発症は全例（108例）において認めず，また，術後無菌化率は95.1％で，類薬と同程度であった32,33）．これらの成績におけるバイオフィルム形成菌関与の程度は不明であるが，そのような場合にも殺菌効果が十分期待できる抗菌点眼薬の使用が望ましいことから，その選択には十分な配慮が必要と考えられた．以上，トスフロキサシン点眼液はレボフロキサシン点眼液およびb-ラクタム系のセフメノキシム点眼液より，バイオフィルムを形成したS.aureusに強い殺菌効果を示した．トスフロキサシン点眼液はバイオフィルムを形成したキノロン感受性S.aureusによる眼感染症の治療，予防において有用と考えられた．利益相反：高畑正裕（カテゴリーE：富山化学工業株式会社社員），髙倉真理子（カテゴリーE：富山化学工業株式会社社員）文献1）小早川信一郎，井上幸次，大橋裕一ほか：細菌性結膜炎における検出菌・薬剤感受性に関する5年間の動向調査（多施設共同研究）．あたらしい眼科28：679-687,20112）DurandML：Endophthalmitis.ClinMicrobiolInfect19：227-234,20133）薄井紀夫，宇野敏彦，大木孝太郎ほか：白内障に関連する術後眼内炎全国症例調査．眼科手術19：73-79,20064）BilenH,AtesO,AstamNetal：Conjunctivalflorainpatientswithtype1ortype2diabetesmellitus.AdvTher24：1028-1035,20075）亀井裕子：眼感染症とバイオフィルム．臨床と微生物36：439-444,20096）BehlauI,GilmoreMS：Microbialbiofilmsinophthalmologyandinfectiousdisease.ArchOphthalmol126：15721581,20087）KodjikianL,BurillonC,LinaGetal：Biofilmformationonintraocularlensesbyaclinicalstrainencodingtheicalocus：ascanningelectronmicroscopystudy.InvestOphthalmolVisSci44：4382-4387,20038）SpoeringAL,LewisK：BiofilmsandplanktoniccellsofPseudomonasaeruginosahavesimilarresistancetokillingbyantimicrobials.JBacteriol183：6746-6751,20019）AmorenaB,GraciaE,MonzonMetal：AntibioticsusceptibilityassayforStaphylococcusaureusinbiofilmsdevelopedinvitro.JAntimicrobChemother44：43-55,199910）井上幸次，池田欣史，藤原弘光ほか：眼感染症由来Staphylococcusepidermidisが形成したInVitroバイオフィルムに対するトスフロキサシン点眼液の殺菌効果．あたらしい眼科29：1681-1688,201211）LimY,JanaM,LuongTTetal：Controlofglucose-andNaCl-inducedbiofilmformationbyrbfinStaphylococcusaureus.JBacteriol186：722-729,200412）CroesS,DeurenbergRH,BoumansMLetal：StaphylococcusaureusbiofilmformationatthephysiologicglucoseconcentrationdependsontheS.aureuslineage.BMCMicrobiol9：229,200913）SenDK,SarinGS：Tearglucoselevelsinnormalpeopleandindiabeticpatients.BrJOphthalmol64：693-695,198014）DaumKM,HillRM：Humantearglucose.InvestOphthalmolVisSci22：509-514,198215）ChatterjeePR,DeS,DattaHetal：Estimationoftearglucoselevelanditsroleasapromptindicatorofbloodsugarlevel.JIndianMedAssoc101：481-483,200316）SreedharanS,OramM,JensenBetal：DNAgyrasegyrAmutationsinciprofloxacin-resistantstrainsofStaphylococcusaureus：closesimilaritywithquinoloneresistancemutationsinEscherichiacoli.JBacteriol72：72607262,199017）FerreroL,CameronB,ManseBetal：CloningandprimarystructureofStaphylococcusaureusDNAtopoisomeraseIV：aprimarytargetoffluoroquinolones.MolMicrobiol13：641-653,199418）ArciolaCR,BaldassarriL,MontanaroL：PresenceoficaAandicaDgenesandslimeproductioninacollectionofstaphylococcalstrainsfromcatheter-associatedinfections.JClinMicrobiol39：2151-2156,200119）ClinicalandLaboratoryStandardsInstitute：MethodsforDilutionAntimicrobialSusceptibilityTestsforBacteriaThatGrowAerobically；ApprovedStandard-EighthEditionM07-A8,ClincalandLaboratoryStandardsInstitutes,Wayne,PA,200920）ClinicalandLaboratoryStandardsInstitute：PerformanceStandardsforAntimicrobialSusceptibilityTesting；NineteenthInformationalSupplementM100-S22,201221）WebsterP,WuS,GomezGetal：Distributionofbacterialproteinsinbiofilmsformedbynon-typeableHaemophilusinfluenzae.JHistochemCytochem54：829-842,2006（101）あたらしい眼科Vol.31，No.4，201457922）北野周作，宮永嘉隆，東純一：新規ニューキノロン系抗菌点眼薬トシル酸トスフロキサシン点眼液の臨床薬理試験（単回・反復および頻回反復点眼試験）．あたらしい眼科23（別巻）：47-54,200623）KruseA,ThomsenRW,HundborgHHetal：Diabetesandriskofacuteinfectiousconjunctivitis─apopulation-basedcase-controlstudy.DiabetMed23：393-397,200624）SkarbezK,PriestleyY,HoepfMetal：Comprehensivereviewoftheeffectsofdiabetesonocularhealth.ExpertRevOphthalmol5：557-577,201025）OttoM：Staphylococcalbiofilms.CurrTopMicrobiolImmunol322：207-228,200826）CatalanottiP,LanzaM,DelPreteAetal：Slime-producingStaphylococcusepidermidisandS.aureusinacutebacterialconjunctivitisinsoftcontactlenswearers.NewMicrobiol28：345-354,200527）IzanoEA,AmaranteMA,KherWBetal：Differentialrolesofpoly-N-acetylglucosaminesurfacepolysaccharideandextracellularDNAinStaphylococcusaureusandStaphylococcusepidermidisbiofilms.ApplEnvironMicrobiol74：470-476,200828）FitzpatrickF,HumphreysH,O’GaraJP：EvidenceforicaADBC-independentbiofilmdevelopmentmechanisminmethicillin-resistantStaphylococcusaureusclinicalisolates.JClinMicrobiol43：1973-1976,200529）末信敏秀，石黒美香，松崎薫ほか：細菌性外眼部感染症分離菌株のGatifloxacinに対する感受性調査．あたらしい眼科28：1321-1329,201130）MurilloO,DomenechA,GarciaAetal：Efficacyofhighdosesoflevofloxacininexperimentalforeign-bodyinfectionbymethicillin-susceptibleStaphylococcusaureus.AntimicrobAgentsChemother50：4011-4017,200631）SinghR,RayP,DasAetal：PenetrationofantibioticsthroughStaphylococcusaureusandStaphylococcusepidermidisbiofilms.JAntimicrobChemother65：1955-1958,201032）秦野寛，大野重昭，北野周作：トスフロキサシン点眼液による眼科周術期の無菌化療法．眼科手術23：314-320,201033）大橋裕一，秦野寛，張野正誉ほか：ガチフロキサシン点眼液の眼科周術期の無菌化療法．あたらしい眼科22：267-271,2005＊＊＊580あたらしい眼科Vol.31，No.4，2014（102）</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>https://www.atagan.jp/article/20140427.htm/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>円蓋部基底線維柱帯切除術後における留置糸に関連した微小膿瘍様病変の検討</title>
		<link>https://www.atagan.jp/article/20130327.htm</link>
		<comments>https://www.atagan.jp/article/20130327.htm#comments</comments>
		<pubDate>Sat, 30 Mar 2013 15:27:29 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[記事]]></category>
		<category><![CDATA[バイオフィルム]]></category>
		<category><![CDATA[マイクロフォーカス]]></category>
		<category><![CDATA[円蓋部基底線維柱帯切除術]]></category>
		<category><![CDATA[微小膿瘍様病変]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.atagan.jp/?p=7493</guid>
		<description><![CDATA[《原著》あたらしい眼科30（3）：401.404，2013c円蓋部基底線維柱帯切除術後における留置糸に関連した微小膿瘍様病変の検討加藤弘明森和彦池田陽子生島徹小林ルミ今井浩二郎木下茂京都府立医科大学視覚機能再生外科学Ev [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>《原著》あたらしい眼科30（3）：401.404，2013c円蓋部基底線維柱帯切除術後における留置糸に関連した微小膿瘍様病変の検討加藤弘明森和彦池田陽子生島徹小林ルミ今井浩二郎木下茂京都府立医科大学視覚機能再生外科学EvaluationofNylon-Suture-RelatedMicro-Abscess-LikeLesionsinPostoperativePhaseofFornix-BasedTrabeculectomyHiroakiKato,KazuhikoMori,YokoIkeda,TohruIkushima,LumiKobayashi,KojirouImaiandShigeruKinoshitaDepartmentofOphthalmology,KyotoPrefecturalUniversityofMedicine目的：円蓋部基底線維柱帯切除術（TLE）後，留置糸近傍に白色の円形.楕円形をした微小膿瘍様病変（microfocus：MF）がみられることがある．今回筆者らはTLE術後早期のMF出現率と治療経過を検討した．対象および方法：平成18年1月からの1年間に当科にてTLE単独または白内障同時手術を行った79例93眼（男性48例55眼，女性31例38眼，平均年齢65.7歳）を対象とし，入院中に出現したMFの頻度，時期，部位，治療経過を後ろ向き研究で検討した．なお，MF出現時にはセフメノキシム（CMX）点眼を追加し，MFが改善しない場合には留置糸を抜去した．結果：全症例中MFは42眼（45.2％）にみられ，平均出現日は術後9.0±4.8日，出現部位は水平留置糸（上方）が19眼（45.2％）と最多であった．CMX点眼のみで消失した症例は4眼で，留置糸抜去後には全例で消失した．結論：円蓋部基底TLEでは平均術後9日に約半数の症例でMFが出現し，留置糸抜去にて速やかに消失した．Purpose：Followingfornix-basedtrabeculectomy（TLE）,white,round/ellipticalmicro-abscess-likelesions（microfoci：MF）areoftenobservednearthenylonsutures.Weinvestigatedthefrequency,timeandlocationofMFemergence,andtheirclinicalcourses.SubjectsandMethods：Enrolledinthisstudywere93eyesof79subjectswhounderwentTLEwithorwithoutcataractsurgery.ToeyesinwhichMFappearedafterTLE,cefmenoxim（CMX）eyedropswereinstilled.IfCMXwasineffective,thesuturewasremoved.Results：In42eyes（45.2％）,MFappearedin9.0±4.8daysafterTLE.In19ofthoseeyes（45.2％）,MFemergedatthesuperiorsiteofthehorizontalnylonsuture；in4eyes,MFdisappearedbyCMXinstillation；intheremainingeyes,MFdisappearedafternylonsutureremoval.Conclusion：InalmosthalfofthepatientswhounderwentTLE,MFappearedinapproximately9postoperativedays.Inallcases,however,MFdisappearedfollowingremovalofnylonsutures.〔AtarashiiGanka（JournaloftheEye）30（3）：401.404,2013〕Keywords：マイクロフォーカス，微小膿瘍様病変，円蓋部基底線維柱帯切除術，バイオフィルム．microfocus,micro-abscess-likelesion,fornix-basedtrabeculectomy,biofilm.はじめに線維柱帯切除術（trabeculectomy；TLE）の術式として，近年は輪部基底TLEにかわり，広い術野が得られ手術操作がしやすく，濾過胞の維持もよい円蓋部基底TLEが行われるようになっている1.4）．しかし，円蓋部基底TLEでは角膜輪部側からの房水漏出が一番の問題となり，それを防止するために角膜輪部に縫合が必要であり，その方法の一つとして輪部のcompressionsutureがある5）．術後，この留置糸の近傍に白色の円形.楕円形をした微小膿瘍様の病変が出現することがあり，筆者らの経験からこの病変は抗菌薬点眼の追加投与や，留置糸の抜去により消退することがわかっている．病変の外見からは細菌による微小膿瘍やバイオフィルム6,7）の可能性が高いと考え，筆者らはこの病変をmicrofocus（MF）とよぶことにした．これまで円蓋部基底TLE後にみられる本病変に関する報告は，筆者らの知る限りない．〔別刷請求先〕加藤弘明：〒602-8566京都市上京区河原町通広小路上ル梶井町465京都府立医科大学視覚機能再生外科学Reprintrequests：HiroakiKato,M.D.,DepartmentofOphthalmology,KyotoPrefecturalUniversityofMedicine,465Kajii-cho,Hirokoji-agaru,Kawaramachi-dori,Kamigyo-ku,Kyoto602-8566,JAPAN0910-1810/13/\100/頁/JCOPY（115）401表1対象の病型内訳病型症例数平均年齢（歳）TLE施行眼白内障併用TLE施行眼原発開放隅角緑内障（広義）44眼65.7±11.116眼28眼原発閉塞隅角緑内障11眼70.7±12.42眼9眼血管新生緑内障15眼62.5±10.114眼1眼落屑緑内障3眼71.7±4.622眼1眼その他の続発緑内障20眼64.9±13.013眼7眼今回，筆者らは円蓋部基底TLE術後早期におけるMF出現の頻度，時期，部位ならびにその後の治療経過についての検討を行ったので報告する．I対象および方法平成18年1月1日から12月31日までの1年間に，当科にて円蓋部基底TLE単独または白内障同時手術を行った症例79例93眼（男性48例55眼，女性31例38眼，年齢65.7±11.4歳）を対象とした．対象の病型内訳は表1に示すとおりであり，施行した円蓋部基底TLEの術式としては以下のとおりである．結膜円蓋部を切開後，半層強膜弁を作製し，0.04％マイトマイシンCを含ませたサージカルスポンジを3分留置させた．その後，生理食塩水300mlで洗浄し，線維柱帯を切除して強膜弁をwatertightに10-0ナイロン糸で5糸縫合した．さらに，輪部結膜を角膜輪部に対して10-0ナイロン糸で端々縫合し，角膜輪部に対して水平方向および子午線方向にcompressionsutureを留置した（図1）．なお，手術は3人の術者により行われ，術後全例にノルフロキサシン点眼および塩酸ベタメタゾン点眼を1日4回行った．これらの症例の術後早期（入院期間：16.4±7.3日）におけるMF（図2a.c）出現の頻度，時期，部位および出現後の治療経過を後ろ向き研究で検討した．水平留置糸端々縫合糸子午線留置糸強膜フラップ図1円蓋部基底線維柱帯切除術における糸の留置部位図2円蓋部基底線維柱帯切除術後に微小膿瘍様病変（microfocus：MF）がみられた3症例a.cのいずれも水平留置糸近傍に白色の円形.楕円形状のMFが複数みられる．402あたらしい眼科Vol.30，No.3，2013（116）II結果当科での円蓋部基底TLE術後眼におけるMFの出現数と出現時期の分布は図3のとおりであり，MFの出現頻度は45.2％（93眼中42眼），出現時期は術後9.3±4.8日であった．出現部位は水平留置糸部：34眼（81.0％）〔上方：19眼（45.2％），耳側：4眼（9.5％），全体：5眼（12.0％），不明：6眼（14.3％）〕，端々縫合糸・子午線留置糸部：3眼（7.1％），詳細不明：5眼（12.0％）と水平留置糸部が最も多く，そのうち約半数が結紮部のある水平留置糸部（上方）に生じた（図4）．MFが出現した42眼のうち，入院中に抜糸が可能であった3眼に関しては抜糸にてMFの消失を認めた．また，抜糸ができなかった39眼においてはセフメノキシム（CMX）点眼を追加することで，4眼でMFの消失を認めた．CMX点眼の追加でもMFが消失しなかった残り35眼においても，発生数（眼）76543210510152025術後日数（日）図3円蓋部基底線維柱帯切除術後における微小膿瘍様病変（MF）の出現数と出現日の分布MFの出現頻度は45.2％であり，出現時期は術後9.3±4.8日であった．水平留置糸部：34眼（81.0％）上方（①）：19眼（45.2％）耳側（②）：4眼（9.5％）全体（①＋②）：5眼（12.0％）不明：6眼（14.3％）①②端々縫合糸・子午線留置糸部：3眼（7.1％）詳細不明：5眼（12.0％）図4円蓋部基底線維柱帯切除術後における微小膿瘍様病変（MF）の出現部位MFの出現部位は，水平留置糸部：34眼（81.0％）〔上方：19眼（45.2％），耳側：4眼（9.5％），全体：5眼（12.0％）不明：6眼（14.3％）〕，端々縫合糸・子午線留置糸部：3眼(，)（7.1％），詳細不明：5眼（12.0％）と水平留置糸部（上方）が最も多かった．（117）MFの数や大きさの維持または減少を認め，最終的には退院後の外来通院中に抜糸を行うことでMFは消失した．また，今回の検討では濾過胞感染をきたした症例はみられなかった．III考按角膜移植術後において角膜の縫合糸の近傍に，MFと同様の白色病変がみられることがあり，それは縫合糸浸潤あるいは縫合糸感染（sutureabscess）とよばれる8）．その発症機序として，手術直後に縫合糸に対して細胞浸潤が起こる場合と，手術後の長期経過において縫合糸の弛緩や断裂が原因で病原体が侵入して感染症が成立する場合があるとされるが，前者において，その起源が感染症なのか，生体側の免疫反応なのか，はっきりとした結論は出されていない．円蓋部基底TLE術後にみられるMFの出現時期は術後9.3±4.8日と比較的早期であり，MFの起源についても，感染症の可能性と，縫合糸に対する生体側の免疫反応の可能性が考えられた．ただ，TLE術後の結膜縫合糸の培養から60％の症例において細菌が検出されることが報告されており9），抗菌薬点眼（CMX）を追加することでMFが消退していること，また今回の検討では術後すべての症例に免疫抑制薬であるリン酸ベタメタゾン点眼を併用していることから，MFの起源が縫合糸に対する生体側の免疫反応である可能性よりも，感染症（特にその外見からノルフロキサシンに耐性のある細菌によるバイオフィルム6,7））である可能性のほうが高いと考えられた．本来ならMFを採取して病理学的検討を行いたいところではあるが，MFは結膜上皮内に存在しており，術後早期の創部の接着が十分でない時期に，濾過胞近傍の結膜の処置を行うことは創部からの房水流出の危険性を高め，濾過胞感染症のリスクを高めると考えられたため，MFの採取および病理学的検討は困難と判断した．CMX点眼の追加によってMFが完全に消退したのは39眼中4眼だけであったが，残りの35眼においては，MFの数や大きさの維持または減少がみられた．CMX点眼の追加がない場合は日を追ってMFの数が増加し，大きさが増大していくため，完全に消退しないまでもCMX点眼にMFの抑制効果が認められたと考えられる．一般にバイオフィルムに対して抗菌薬投与のみでは奏効しにくく，またCMXが殺菌的にというよりは静菌的に作用していると考えると，MFの起源が感染症（細菌によるバイオフィルム）であると考えるほうが合理的であると考えられた．上記を踏まえてMFが水平留置糸部（上方）に多くみられた理由についても考察すると，水平留置糸部（上方）は常に上眼瞼によって覆われているうえに，結紮部が存在し，かつ瞬目による眼瞼の動きに対して垂直に糸が存在していることから，眼瞼の動きに対して平行に糸が存在する端々縫合糸・あたらしい眼科Vol.30，No.3，2013403子午線留置糸部と比較して，瞬目時に眼脂や涙液の滞留が起こりやすいため，細菌がバイオフィルムを形成しやすい環境にあると考えられ，もしMFの起源が生体側の免疫反応であるとすれば，MFは水平留置糸部だけでなく端々縫合糸・子午線留置糸部にも同頻度で出現するはずである．全層角膜移植術後に縫合糸に付着したバイオフィルムから縫合糸感染へ進展した報告があり10），MFが細菌によるバイオフィルムである可能性があることを考えると，円蓋部基底TLE術後においてもMFの出現から縫合糸感染，ひいては濾過胞感染症へと進展する危険性があることが推察される．TLE術後の縫合糸留置に関連して感染兆候を示した症例の報告もみられ5,11），円蓋部基底TLE術後は可及的速やかに留置糸を抜去すべきと考えられるが，早期の留置糸抜去は房水流出の危険性を高め，また房水流出が濾過胞感染症をひき起こす可能性を高めるとされている12.14）．そのため，留置糸を速やかに抜去することができない術後早期においてMFが出現した場合には，抗菌薬点眼（CMX）を追加して濾過胞感染症へと進展する危険性を軽減するよう対処することが望ましいと考えられる．今回の検討で円蓋部基底TLE術後眼の45.2％と比較的高頻度にMFの出現を認めたことから，円蓋部基底TLE術後においては，診察時に十分な注意を払い，MFを早期に発見するとともに，MFが出現した時点で濾過胞感染症につながる危険性を考慮して，速やかに抗菌薬点眼（CMX）を追加して対処することが望ましいと考えられた．文献1）吉野啓：線維柱帯切除術─輪部基底と円蓋部基底．眼科手術21：167-171,20082）AlwitryA,PatelV,KingAW：Fornixvslimbal-basedtrabeculectomywithmitomycinC.Eye19：631-636,20053）BrinckerP,KessingSV：Limbus-basedversusfornixbasedconjunctivalflapinglaucomafilteringsurgery.ActaOphthalmol70：641-644,19924）TraversoCE,TomeyKF,AntoniosS：Limbal-vsfornixbasedconjunctivaltrabeculectomyflaps.AmJOphthalmol104：28-32,19875）平井南海子，森和彦，青柳和加子ほか：緑内障術中・術後におけるCompressionSutureの有用性．眼科手術18：387-390,20056）亀井裕子：細菌バイオフィルムとスライム産生．あたらしい眼科17：175-180,20007）ZegansME,ShanksRMQ,O’TooleGA：Bacterialbiofilmsandocularinfections.OculSurf3：73-80,20058）LeaheyAB,AveryRL,GottschJDetal：Sutureabscessesafterpenetratingkeratoplasty.Cornea12：489-492,19939）大竹雄一郎，谷野富彦，山田昌和ほか：線維柱帯切除術後の結膜縫合糸における細菌付着．あたらしい眼科18：677680,200110）柿丸晶子，川口亜佐子，三原悦子ほか：レボフロキサシン耐性コリネバクテリウム縫合糸感染の1例．あたらしい眼科21：801-804,200411）BurchfieldJC,KolkerAE,CookSG：Endophthalmitisfollowingtrabeculectomywithreleasablesutures.ArchOphthalmol114：766,199612）堀暢栄，望月清文，石田恭子ほか：線維柱帯切除後の濾過胞感染症の危険因子と治療予後．日眼会誌113：951963,200913）HirookaK,MizoteM,BabaTetal：Riskfactorsfordevelopingavascularfilteringblebafterfornix-basedtrabeculectomywithmitomycinC.JGlaucoma18：301-304,200914）MochizukiK,JikiharaS,AndoYetal：IncidenceofdelayedonsetinfectionaftertrabeculectomywithadjunctivemitomycinCor5-fluorouraciltreatment.BrJOphthalmol81：877-883,1997＊＊＊404あたらしい眼科Vol.30，No.3，2013（118）</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>https://www.atagan.jp/article/20130327.htm/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>眼感染症由来Staphylococcus epidermidis が形成したIn Vitro バイオフィルムに対するトスフロキサシン点眼液の殺菌効果</title>
		<link>https://www.atagan.jp/article/20121224.htm</link>
		<comments>https://www.atagan.jp/article/20121224.htm#comments</comments>
		<pubDate>Sun, 30 Dec 2012 15:24:54 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[記事]]></category>
		<category><![CDATA[トスフロキサシン]]></category>
		<category><![CDATA[バイオフィルム]]></category>
		<category><![CDATA[殺菌効果]]></category>
		<category><![CDATA[点眼液]]></category>
		<category><![CDATA[表皮ブドウ球菌]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.atagan.jp/?p=7221</guid>
		<description><![CDATA[《原著》あたらしい眼科29（12）：1681.1688，2012c眼感染症由来Staphylococcusepidermidisが形成したInVitroバイオフィルムに対するトスフロキサシン点眼液の殺菌効果井上幸次＊1池 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>《原著》あたらしい眼科29（12）：1681.1688，2012c眼感染症由来Staphylococcusepidermidisが形成したInVitroバイオフィルムに対するトスフロキサシン点眼液の殺菌効果井上幸次＊1池田欣史＊1藤原弘光＊2高畑正裕＊3高倉真理子＊3＊1鳥取大学医学部視覚病態学＊2鳥取大学医学部附属病院検査部＊3富山化学工業株式会社綜合研究所BactericidalActivityofTosufloxacinOphthalmicSolutionagainstInVitroBiofilmFormedbyStaphylococcusepidermidisIsolatedfromOcularInfectionYoshitsuguInoue1）,YoshifumiIkeda1）,HiromitsuFujiwara2）,MasahiroTakahata3）andMarikoTakakura3）1）DivisionofOphthalmologyandVisualScience,FacultyofMedicine,TottoriUniversity,2）DivisionofClinicalLaboratory,ClinicalFacilities,TottoriUniversityHospital,3）ResearchLaboratories,ToyamaChemicalCo.,Ltd.目的：Staphylococcusepidermidisが形成したinvitroバイオフィルムに対する抗菌点眼薬の殺菌効果を検討する．対象および方法：鳥取大学医学部附属病院の眼感染症患者から分離されたS.epidermidisを用い，invitroバイオフィルムを作製し，市販点眼液の殺菌効果を検討した．トスフロキサシン，レボフロキサシン，セフメノキシムの各点眼液を最小発育阻止濃度（minimuminhibitoryconcentration：MIC）の10倍および30倍濃度（10MIC,30MIC）で24時間作用後の殺菌効果を，生菌数の変化，ならびに走査型電子顕微鏡（scanningelectronmicroscope：SEM）による観察で評価した．結果：バイオフィルムを形成したメチシリンおよびキノロン感受性S.epidermidis3株に対するキノロン系薬のトスフロキサシン点眼液10MICおよび30MIC作用時の殺菌効果はb-ラクタム系のセフメノキシム点眼液より有意に強かった．試験3株中2株におけるトスフロキサシン点眼液10MIC作用時の殺菌効果は同濃度のレボフロキサシン点眼液より有意に強かった．SEMによる形態観察においてもトスフロキサシン点眼液のバイオフィルム形成菌に対する強い殺菌効果が観察された．結論：トスフロキサシン点眼液はバイオフィルムを形成したメチシリンおよびキノロン感受性S.epidermidisによる眼感染症に対し，有用と考えられた．Purpose：TostudythebactericidaleffectofantibacterialophthalmicsolutiononinvitrobiofilmformedbyStaphylococcusepidermidis.MaterialsandMethods：Invitrobiofilmwasformedby3strainsofmethicillin-andquinolone-susceptibleS.epidermidis（quinolone-susceptibleMSSE）isolatedfrompatientswithocularinfectionatTottoriUniversityHospital.Bactericidalactivitiesoftosufloxacin（TFLX）,levofloxacin（LVFX）andcefmenoxime（CMX）ophthalmicsolutionswereexaminedbycountingviablecellsafterexposureofS.epidermidisbiofilmtothoseagentsat10-and30-foldtherespectiveminimuminhibitoryconcentrations（MIC）,andbyobservationunderascanningelectronmicroscope（SEM）.Results：Afterexposureofthe3biofilm-formingstrainstotheophthalmicsolutionsat10-foldand30-foldMIC,thebactericidaleffectsoftheTFLXophthalmicsolutionsweresignificantlymorepotentthanthoseofCMXophthalmicsolution.In2ofthe3testedstrains,thebactericidaleffectoftheTFLXophthalmicsolutionat10-foldMICwasalsosignificantlystrongerthanthatofLVFXophthalmicsolution.ThepotentbactericidaleffectofTFLXophthalmicsolutionwasalsoobservedviaSEM.Conclusion：TFLXophthalmicsolutionisconsideredavaluabletherapeuticagentinthetreatmentofophthalmicinfectioncausedbybiofilm-formingquinolone-susceptibleMSSE.〔AtarashiiGanka（JournaloftheEye）29（12）：1681.1688,2012〕Keywords：トスフロキサシン，点眼液，表皮ブドウ球菌，バイオフィルム，殺菌効果．tosufloxacin,ophthalmicsolution,Staphylococcusepidermidis,biofilm,bactericidaleffect.〔別刷請求先〕井上幸次：〒683-8504米子市西町36-1鳥取大学医学部視覚病態学Reprintrequests：YoshitsuguInoue,M.D.,Ph.D.,DivisionofOphthalmologyandVisualScience,FacultyofMedicine,TottoriUniversity,36-1Nishi-cho,Yonago,Tottori683-8504,JAPAN0910-1810/12/\100/頁/JCOPY（91）1681はじめに結膜炎や角膜炎は眼感染症の代表的な疾患であり，その検出菌はグラム陽性菌のStaphylococcusepidermidis，Staphylococcusaureusが高い比率を占めている1）．また，発症頻度は低いものの，重篤な感染症である急性術後眼内炎の起因菌はグラム陽性菌の占める割合が90％と高く，なかでもS.epidermidisをはじめとするコアグラーゼ陰性ブドウ球菌の分離率が高い2,3）．眼感染症では，各種コンタクトレンズ，治療に用いられる眼内レンズなどのバイオマテリアルに形成されたバイオフィルム形成菌がその発症に関与している場合があり，治療の遷延化を招いているとの報告がある4.6）．また，眼科周術期における創部からの常在菌の侵入，その後の縫合糸への菌の定着や，結膜瘻孔におけるバイオフィルム形成などが知られている4）．バイオフィルム形成菌は生育がnon-あるいはslowgrowing状態にあると同時に，菌体を覆うexopolysaccharidematrixの薬剤低透過性，さらにmultidrug-resistancepumpsの存在などにより，抗菌薬の殺菌作用を回避していると考えられている7,8）．眼感染症の原因菌として高い比率を占めるS.epidermidisやS.aureusでは菌により産生された粘液性物質（slime）がバイオフィルム形成に関与するとされ，その産生はicaA,D,Cなどの遺伝子に関連していて，ソフトコンタクトレンズ装用者における急性結膜炎患者ではslime産生株の分離頻度が高い（74.1％）との報告がある9,10）．また，術後眼内炎の主要な起因菌，S.epidermidis,S.aureus,Enterococcusfaecalis,Propionibacteriumacnesのうち，バイオフィルム形成が特に問題となるのはStaphylococcus属の2菌種であり，S.epidermidisについては1980.1990年代にinvitroの試験で眼内レンズに菌を定着させ眼内炎との関連を報告したものがある4,11）．当時の論文にはバイオフィルムとの記述はないが，定着菌は抗菌薬に対する感受性が低下していることもすでに明らかにされており，眼内炎とバイオフィルム形成との関連はこの頃より明らかにされてきたものと考えられる．以上のように眼感染症とバイオフィルム形成菌との関わりは深いが，抗菌点眼薬のこれに対する殺菌効果についての報告はほとんど見当たらない．今回，2010.2011年に鳥取大学医学部附属病院の眼感染症患者から分離されたS.epidermidisのうち，icaA,D,C遺伝子，薬剤感受性などを検討した3株を用いてinvitroバイオフィルムを作製し，トスフロキサシン，レボフロキサシンおよびセフメノキシム各点眼液の殺菌効果を検討した．I実験材料および方法1.使用菌株鳥取大学医学部附属病院において眼感染症患者から20101682あたらしい眼科Vol.29，No.12，2012.2011年に分離されたS.epidermidis28株を用いた．さらに，これらの株からキノロン薬耐性決定領域（quinoloneresistantdeterminingregion：QRDR）遺伝子およびica遺伝子の解析，また，各種薬剤に対する感受性を調べ，planktonic菌およびバイオフィルム形成菌に対する殺菌効果の検討に用いる菌株を選定した．今回，icaA,D遺伝子保有株，非保有株について，検討薬剤に対して感性を示す株での殺菌効果を調べるため，メチシリンおよびキノロン感受性S.epidermidis（methicillin-andquinolone-susceptibleS.epidermidis：quinolone-susceptibleMSSE）F-5519（icaA,D非保有株），F-5522およびF-5545（ともにicaA,D保有株）の3株を選択した．2.QRDR遺伝子およびicaA,icaD,icaC遺伝子の解析DNAジャイレース遺伝子gyrA,gyrBおよびトポイソメラーゼIV遺伝子parC,parEのQRDR部位における遺伝子変異の解析はYamadaら12），Haasら13）の報告に基づいたpolymerasechainreaction（PCR）法で行った．また，icaA,icaD遺伝子の有無，slime産生を抑制することが報告されているicaC遺伝子へのsequenceelementIS256挿入の有無をArciolaら14），Ziebuhrら15）の方法に基づき検討した．3.使用薬剤薬剤感受性の測定にはトスフロキサシン（富山化学工業株式会社），レボフロキサシン（LKTLaboratories,Inc），セフメノキシム（ベストコールR静注用，武田薬品工業株式会社）を用いた．また，S.epidermidisのメチシリン耐性の判別のため，オキサシリン（シグマアルドリッチジャパン株式会社）を使用した．Planktonic菌およびinvitroバイオフィルム形成菌に対する殺菌効果の検討には市販のトスフロキサシン点眼液（オゼックスR点眼液0.3％，大塚製薬株式会社），レボフロキサシン点眼液（クラビットR点眼液0.5％，参天製薬株式会社），セフメノキシム点眼液（ベストロンR点眼用0.5％，千寿製薬株式会社）を目的の作用濃度になるよう25％cation-adjustedMueller-Hintonbroth（CAMHB；日本ベクトン・ディッキンソン株式会社）で適宜希釈し用いた．いずれの薬剤も純度あるいは含量が明らかなものを使用し，濃度は活性本体の値として示した．4.薬剤感受性の測定抗菌薬に対する感受性の測定にはCAMHBを用い，ClinicalandLaboratoryStandardsInstitute（CLSI）の微量液体希釈法に基づき行った16）．メチシリンに対する感受性/耐性はCLSIの判定基準に基づき，オキサシリンに対する最小発育阻止濃度（minimuminhibitoryconcentration：MIC）（≦0.25μg/ml：感受性，≧0.5μg/ml：耐性）によって分類した17）．また，キノロン薬に対する感受性/耐性は同判定基準に基づき，レボフロキサシンに対するMIC（≦1μg/ml：感（92）受性，≧4μg/ml：耐性）によって分類した17）．5.Planktonic菌に対する抗菌点眼薬の殺菌効果CAMHBを用いて，37℃で一夜振盪培養した菌を用いた．これを25％CAMHBで80倍希釈した菌液4mlに25％CAMHBでMICの50および150倍濃度に調製した各薬液1mlを加え（終濃度，10および30MIC），37℃で振盪培養した．培養開始24時間後に生菌数測定を行った（n＝1）．対照として薬剤不含CAMHB5mlを用い，同様の操作にて薬剤非添加時の生菌数を測定した．6.Invitroバイオフィルムの作製とバイオフィルム形成菌に対する抗菌点眼薬の殺菌効果Websterら18）の方法に基づき，CAMHBで一夜培養したS.epidermidisの菌液を通常の10％培地成分濃度のMueller-Hintonagar（MHA,日本ベクトン・ディッキンソン株式会社）平板上に置いたmembranefilter（MF,DURAPORERMEMBRANEFILTER0.45μmHV；MILLIPORE）上に25μl滴下した（n＝3）．37℃，48時間培養後，各薬剤10および30MICを含む25％濃度のCAMHB1ml中に浸漬し，さらに37℃，24時間後，MF上とCAMHB1ml中の生菌数の総計を計測した．なお，作用濃度（10および30MIC）はトスフロキサシン頻回反復点眼時の結膜.内濃度などを参考にした19）．また，生菌数の測定にあたっては上述のMFと浸漬液〔薬剤含有あるいは不含（対照）CAMHB〕をMulti-BeadsShockerR（安井器械株式会社，大阪）で破砕，ホモジナイズした試料を適宜希釈し，MHA平板に塗布し，II結果1.使用菌株の各種抗菌薬に対する感受性，gyrA,gyrBおよびparC,parE遺伝子におけるQRDR部位およびicaA,icaD,icaC遺伝子の解析S.epidermidis28株に対するトスフロキサシンとレボフロキサシン，またはセフメノキシムとのMIC相関図を図1に示す．いずれの薬剤にも感受性を示した株は7株であり，28株中，メチシリン耐性S.epidermidis（methicillin-resistantS.epidermidis：MRSE）は19株（67.9％），キノロン耐性S.epidermidisは21株（75.0％）であった．Planktonic菌およびバイオフィルム形成菌に対する殺菌効果の検討に使用した菌株の各遺伝子の解析および薬剤感受性の結果を表1に示す．QRDR部位解析の結果，F-5545株のParEにIle575Thrの変異が認められたが，他の株ではいずれの部位にも変異は認められなかった（表1）．icaA,icaD遺伝子については，F-5522,F-5545株は両遺伝子を保有していたが，F-5519株ではいずれも認められなかった．さらにicaA,icaD遺伝子を保有していたF-5522,F-5545にicaC遺伝子におけるsequenceelementIS256の挿入は認められなかった（表1）．なお，今回の眼感染症由来のS.epidermidis28株中icaA,icaD遺伝子をともに保有していた株は8株（28.6％）であった．3336655110.25110.125113111トスフロキサシンMIC（μg/ml）≧16生育コロニー数を計測した．7.Invitroバイオフィルム形成菌に対する抗菌点眼薬の作用像薬剤作用後1.5％glutaraldehyde（和光純薬工業株式会社）にて1時間固定した後，さらに1％osmiumtetroxide（TAABLaboratories）に18時間浸漬し固定した．さらにアルコール814210.55230.0611≦0.03≦0.030.1250.528≦0.030.1250.528脱水-酢酸イソアミル（和光純薬工業株式会社）置換を経た後，臨界点乾燥を行った試料を白金-パナジウム蒸着した．0.060.2514≧160.060.2514≧16レボフロキサシンMICセフメノキシムMIC（μg/ml）（μg/ml）本試料を走査型電子顕微鏡（SEM：HITACHIS-4500）で形態観察した．図1Staphylococcusepidermidis28株に対するトスフロキサシンとレボフロキサシン，またはセフメノキシムとのMIC相関図相関図中の数値は株数．表1使用菌株のDNAジャイレース，トポイソメラーゼIV遺伝子のQRDR変異，ica遺伝子の解析，および各種抗菌薬に対する感受性QRDRにおける変異IntercellularadhesiongeneMIC（μg/ml）菌株トスフロレボフロセフメノオキサGyrAGyrBParCParEicaAicaDicaCキサシンキサシンキシムシリンF-5519──────NT0.06250.250.50.125F-5522────＋＋Normal0.06250.250.50.125F-5545───Ile575Thr＋＋Normal0.06250.250.50.125─/＋：非検出/検出，NT：試験せず，Normal：IS256挿入なし．（93）あたらしい眼科Vol.29，No.12，20121683109A887766510NSNS＊＊＊＊＊＊薬剤10MIC30MIC10MIC30MIC10MIC30MIC＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊NS＊＊＊＊＊＊ABC5Viablecellscount（LogofCFU/MF）Viablecellscount（LogofCFU/ml）410B98765410987654薬剤C無添加トスフロキサシンレボフロキサシンセフメノキシム点眼液点眼液点眼液図2Staphylococcusepidermidisのplanktonic菌に対する各種点眼薬の殺菌効果A：F-5519株，B：F-5522株，C：F-5545株．MIC（μg/ml）は3株とも同じ．トスフロキサシン0.0625，レボフロキサシン0.25，セフメノキシム0.5，薬剤作用時間：24時間，n＝1．F-5545株がparEに変異を保有していたものの，使用菌株はキノロン薬に感受性であり，MICはいずれもトスフロキサシンが0.0625μg/ml,レボフロキサシンは0.25μg/mlであった．また，オキサシリンに対するMICは，いずれの株も0.25μg/ml以下で，すべての株がMSSEであり，セフメノキシムのMICはいずれも0.5μg/mlであった（表1）17）．2.Planktonic菌に対する抗菌点眼薬の殺菌効果Planktonic菌に対する薬剤10および30MIC，24時間作用後の生菌数を図2に示す．いずれの薬剤も10および30MIC作用後の生菌数は薬剤無添加の場合に比べ，約10.3から10.5に減少し，強い殺菌効果が認められた．セフメノキシム点眼液作用時では生菌数減少と用量との相関性が認められなかった（図2）．3.Invitroバイオフィルム形成菌に対する抗菌点眼薬の殺菌効果バイオフィルムを形成した各株に対する薬剤10および30MIC，24時間作用後の生菌数を図3に示す．S.epidermidisF-5519株におけるトスフロキサシン点眼液10MICの241684あたらしい眼科Vol.29，No.12，201210MIC30MIC10MIC30MIC10MIC30MIC987654無添加トスフロキサシンレボフロキサシンセフメノキシム点眼液点眼液点眼液図3Staphylococcusepidermidisのinvitroバイオフィルム形成菌に対する各種点眼薬の殺菌効果A：F-5519株，B：F-5522株，C：F-5545株．薬剤作用時間：24時間，n＝3，同じ作用濃度間の有意差：＊＊＊：p＜0.001,＊＊：p＜0.01，＊p＜0.05vs.トスフロキサシン（Dunnetttest）．NS：notsignificant，MF：membranefilter．時間作用時の殺菌効果は，10MIC濃度のレボフロキサシン（p＜0.05）およびセフメノキシム点眼液（p＜0.001）より有意に強かった．トスフロキサシン点眼液30MICの24時間作用時の殺菌効果は，30MIC濃度のセフメノキシム点眼液（p＜0.001）より有意に強く，レボフロキサシン点眼液と同程度であった（図3A）．F-5522株におけるトスフロキサシン点眼液10および30MICの殺菌効果は，同濃度のレボフロキサシン（p＜0.01,図4StaphylococcusepidermidisF.5522株が形成したinvitroバイオフィルムに対する各点眼薬作用時の走査型電子顕微鏡像A：薬剤無添加，B：トスフロキサシン点眼液10MIC，C：レボフロキサシン点眼液10MIC，D：セフメノキシム点眼液10MIC，E：トスフロキサシン点眼液10MIC，F：トスフロキサシン点眼液30MIC，G：レボフロキサシン点眼液30MIC，H：セフメノキシム点眼液30MIC．矢印：破砕した菌体．MF：membranefilter．倍率＝A.D，F.H：3,000倍，E：10,000倍．（94）ABCDEMFMFMFMFMFMFMFMFFABCDEMFMFMFMFMFMFMFMFFGH〔図4〕図説明は前頁参照（95）あたらしい眼科Vol.29，No.12，20121685p＜0.05）およびセフメノキシム点眼液（p＜0.001,p＜0.001）より有意に強かった（図3B）．F-5545株におけるトスフロキサシン点眼液10および30MICの殺菌効果は，それぞれ同じ濃度のセフメノキシム点眼液（p＜0.001,p＜0.001）より有意に強く，レボフロキサシン点眼液と同程度であった（図3C）．4.F.5522株が形成したinvitroバイオフィルムに対する抗菌点眼薬の作用像F-5522株が形成したinvitroバイオフィルムに対する各点眼液10および30MIC作用時のSEM像を図4に示す．セフメノキシム点眼液24時間作用後のバイオフィルム像は10MICおよび30MIC作用時ともに薬剤無処理群（図4A）とほぼ同様であった（図4D,H）．トスフロキサシン点眼液およびレボフロキサシン点眼液作用時では10MIC（図4B，C）および30MIC作用時（図4F，G）ともに，バイオフィルム構造が消失し，破砕した菌体（各矢印）が観察されたが，その程度はトスフロキサシン点眼液のほうがレボフロキサシン点眼液より強かった．トスフロキサシン点眼液10MIC作用時の形態を高倍率で観察すると，球菌の形状を留めない，多くの破砕した菌体が見られた（図4E矢印）．なお，今回の試験ではicaA,D遺伝子の有無にかかわらず，他の2株でもF-5522株と同様なバイオフィルム形成像がSEMで観察された（データ示さず）．また，SEM試料作製時の操作がバイオフィルム像へ影響するとの報告もあるが，今回，薬剤無処理群の形態はPalmerらの報告に示されたものに近似していた20,21）．III考按臨床の多くの領域で，さまざまな感染症起因菌がバイオフィルムを形成し，病態の慢性化，治療の遷延化を招いている．バイオフィルムは細菌が付着材料とともに形成したマトリックスであり，付着材料には心臓弁，中耳や副鼻腔といった生体由来の組織，器官の場合と，生体内に留置された医療的なもの，カテーテル，ペースメーカー，人工関節などの場合がある22）．眼科領域では後者に相当するものとして，コンタクトレンズ，眼内レンズ，手術時縫合糸，涙点プラグ，涙道形成用チューブなど，多くの医療材料が付着材料として存在する．眼感染症起因菌では近年，Staphylococcus属やPseudomonasaeruginosaなどによるバイオフィルム形成が臨床的に問題となっており，このうち，Staphylococcus属では涙点プラグが関連した急性結膜炎や眼内レンズに付着した菌による術後眼内炎での報告が多い4,23,24）．S.epidermidisを含む眼由来分離菌における薬剤感受性を検討した報告ではレボフロキサシン，セフメノキシムに対する感受性が高いとの結果が示されている1）．しかし，これらの結果はplanktonic菌に対するものであり，バイオフィル1686あたらしい眼科Vol.29，No.12，2012ム形成菌に対して同じような抗菌作用が認められるかどうかは明らかでない．そこで今回，S.epidermidisのinvitroバイオフィルムを作製し，汎用されている市販抗菌点眼薬，トスフロキサシン，レボフロキサシンおよびセフメノキシム各点眼液の殺菌効果を検討した．検討にあたっては，用いたいずれの薬剤にも感受性の株を使用した．また，S.epidermidisのslime産生に関連9,10）があるとされるicaA,icaD遺伝子の有無をPCR法で確認し，非保有株1株，保有株2株で検討した．なお，icaA,icaD遺伝子を保有していた2株では，slime産生を抑制することが報告15）されているicaC遺伝子へのsequenceelementIS256の挿入は認められなかった．Staphylococciのpolysaccharideintercellularadhesin（PIA）はバイオフィルム形成との関連が報告されているslimeの主要構成成分と考えられており，その生合成にはica遺伝子locusが関連し，icaA,DはN-acetylgulcosaminetransferase,icaBはPIAdeacetylase,icaCはPIAのexporter遺伝子とされている25）．しかし近年，icaA,Dを保有していなくてもバイオフィルム形成が認められるS.epidermidisの存在が報告されており，今回用いたF-5519株もバイオフィルムを形成したことなどから，今後その詳細な解明が待たれる26）．使用菌株に対する抗菌活性はトスフロキサシンがレボフロキサシン，セフメノキシムに比べ4.8倍強く，2009年分離の外眼部感染症由来coagulase-negativeStaphylococcusの成績とほぼ同様であった27）．Invitroバイオフィルム形成菌に対する作用濃度は，作用が薬剤間で同等になるよう，それぞれの10および30MICとし，24時間作用させた．抗菌点眼薬のヒト眼内動態についての報告はきわめて少ないが，トスフロキサシンについては，健康成人男子を対象に1回1滴，1日8回14日間点眼し，結膜.内濃度を測定した成績がある19）．点眼1日目の初回点眼15分後の濃度は40.4±37.5μg/mlであり，点眼14日目の初回点眼24時間後の濃度は2.0±2.69μg/mlであった．涙液が絶え間なく流れる，限られた容量の結膜.内に局所投与された点眼液は，経口投与や，静脈内投与された抗菌薬の場合より，その眼内動態や薬効の推測はきわめて困難と考えられる．バイオフィルム形成による眼感染症であった場合，さらに薬効の推測はむずかしく，実験動物を用いたバイオフィルム感染モデルがその検討に適しているのかもしれない．しかし，現在その報告はなく，今回，invitroでバイオフィルムを作製し検討した．上述のトスフロキサシン点眼液の24時間値（約2.0μg/ml）はS.epidermidisMIC値（0.0625μg/mlとしたとき）の約32倍に相当することから，各点眼液についても，30MICおよびその1/3濃度の10MIC，24時間作用時のinvitroバイオフィルムに対する殺菌作用を検討した．（96）バイオフィルムを形成したS.epidermidisに対し，F5519,F-5522株では10MIC作用時，トスフロキサシン点眼液は同濃度で比較したレボフロキサシンおよびセフメノキシム点眼液より有意に強い殺菌効果を示した．また，F-5522株でのSEMによる形態観察ではトスフロキサシン点眼液ではバイオフィルム形成菌に対する強い殺菌像が観察された．バイオフィルムを形成した細菌がplanktonic菌に比べ抗菌薬抵抗性を示すこと，また，その抵抗性には薬剤系統差があることが知られている7）．S.epidermidisにおいてキノロン系抗菌薬シプロフロキサシンはplanktonic菌よりバイオフィルム形成菌に対する殺菌効果が弱いとの報告がある28）．今回の試験でもplanktonic菌に比べ，バイオフィルムを形成した菌に対する殺菌作用はいずれの薬剤も弱かった（図2，3）．薬剤系統差についてはP.aeruginosaバイオフィルムに対する殺菌作用が，キノロン系抗菌薬，アミノ配糖体系抗菌薬，b-ラクタム系抗菌薬の順に強いことが報告されている7）．これらのことから，バイオフィルム形成菌に対しては，b-ラクタム系抗菌薬よりもキノロン系抗菌薬を，また，キノロン系抗菌薬のなかでも目標とする菌に対して，より強い抗菌活性を示す薬剤を選択すべきと考えられた．術後感染症としての眼内炎は発症すれば失明や視力低下につながる重篤な感染症であり，これらの事態をひき起こさないために手術前後に眼瞼および結膜.内を十分殺菌しておくことは重要である．キノロン系点眼薬の眼科周術期における無菌化率は高く，トスフロキサシン点眼液の場合も手術14日後に判定した術後感染症の発症は全例（108例）において認めず，また，術後無菌化率は95.1％で，類薬と同程度であった29,30）．これらの成績におけるバイオフィルム形成菌関与の程度は不明であるが，感染時に菌がバイオフィルムを形成している場合の懸念を少しでも払拭する薬剤を使用することが望ましいことから，その薬剤選択には十分な配慮が必要と思われる．以上，キノロン系のトスフロキサシン点眼液はb-ラクタム系のセフメノキシム点眼液より，バイオフィルムを形成したS.epidermidisに強い殺菌効果を示した．また，試験3株中2株ではトスフロキサシン点眼液10MIC作用時の殺菌効果はレボフロキサシン点眼液の場合より強かった．トスフロキサシン点眼液はバイオフィルムを形成したメチシリンおよびキノロン感受性S.epidermidisによる眼感染症の治療，予防において有用と考えられた．文献1）小早川信一郎，井上幸次，大橋裕一ほか：細菌性結膜炎における検出菌・薬剤感受性に関する5年間の動向調査（多施設共同研究）．あたらしい眼科28：679-687,20112）EndophthalmitisVitrectomyStudyGroup：Resultsofthe（97）EndophthalmitisVitrectomyStudy：Arandomizedtrialofimmediatevitrectomyandofintravenousantibioticsforthetreatmentofpostoperativebacterialendophthalmitis.ArchOphthalmol113：1479-1496,19953）薄井紀夫，宇野敏彦，大木孝太郎ほか：白内障に関連する術後眼内炎全国症例調査．眼科手術19：73-79,20064）亀井裕子：眼感染症とバイオフィルム．臨床と微生物36：439-444,20095）BehlauI,GilmoreMS：Microbialbiofilmsinophthalmologyandinfectiousdisease.ArchOphthalmol126：15721581,20086）KodjikianL,BurillonC,LinaGetal：Biofilmformationonintraocularlensesbyaclinicalstrainencodingtheicalocus：ascanningelectronmicroscopystudy.InvestOphthalmolVisSci44：4382-4387,20037）SpoeringAL,LewisK：BiofilmsandplanktoniccellsofPseudomonasaeruginosahavesimilarresistancetokillingbyantimicrobials.JBacteriol183：6746-6751,20018）MayT,ItoA,OkabeS：InductionofmultidrugresistancemechanisminEscherichiacolibiofilmsbyinterplaybetweentetracyclineandampicillinresistancegenes.AntimicrobAgentsChemother53：4628-4639,20099）ChristensenGD,BaldassarriL,SimpsonWA：Colonizationofmedicaldevicesbycoagulase-negativestaphylococci.InBisnoALandWaldvogelFA（ed.）,InfectionsAssociatedwithIndwellingMedicalDevices,2nded.p45-78,AmericanSocietyforMicrobiology,Washington,D.C.,199410）CatalanottiP,LanzaM,DelPreteAetal：Slime-producingStaphylococcusepidermidisandS.aureusinacutebacterialconjunctivitisinsoftcontactlenswearers.NewMicrobiol28：345-354,200511）GriffithsPG,ElliotTS,McTaggartL：AdherenceofStaphylococcusepidermidistointraocularlenses.BrJOphthalmol73：402-406,198912）YamadaM,YoshidaJ,HatouSetal：MutationsinthequinoloneresistancedeterminingregioninStaphylococcusepidermidisrecoveredfromconjunctivaandtheirassociationwithsusceptibilitytovariousfluoroquinolones.BrJOphthalmol92：848-851,200813）HaasW,PillarCM,HesjeCKetal：Bactericidalactivityofbesifloxacinagainststaphylococci,StreptococcuspneumoniaeandHaemophilusinfluenzae.JAntimicrobChemother65：1441-1447,201014）ArciolaCR,BaldassarriL,MontanaroL：PresenceoficaAandicaDgenesandslimeproductioninacollectionofstaphylococcalstrainsfromcatheter-associatedinfections.JClinMicrobiol39：2151-2156,200115）ZiebuhrW,KrimmerV,RachidSetal：AnovelmechanismofphasevariationofvirulenceinStaphylococcusepidermidis：evidenceforcontrolofthepolysaccharideintercellularadhesinsynthesisbyalternatinginsertionandexcisionoftheinsertionsequenceelementIS256.MolecularMicrobiology32：345-356,199916）ClinicalandLaboratoryStandardsInstitute：MethodsforDilutionAntimicrobialSusceptibilityTestsforBacteriaThatGrowAerobically；ApprovedStandard-EighthEditionM07-A8,2009あたらしい眼科Vol.29，No.12，2012168717）ClinicalandLaboratoryStandardsInstitute：PerformanceStandardsforAntimicrobialSusceptibilityTesting；NineteenthInformationalSupplementM100-S22,201218）WebsterP,WuS,GomezGetal：Distributionofbacterialproteinsinbiofilmsformedbynon-typeableHaemophilusinfluenzae.JHistochemCytochem54：829-842,200619）北野周作，宮永嘉隆，東純一：新規ニューキノロン系抗菌点眼薬トシル酸トスフロキサシン点眼液の臨床薬理試験（単回・反復および頻回反復点眼試験）．あたらしい眼科23（別巻）：47-54,200620）DunneWMJr：Bacterialadhesion：seenanygoodbiofilmslately?ClinMicrobiolRev15：155-166,200221）PalmerRJJr,StoodleyP：Biofilms2007：broadenedhorizonsandnewemphases.JBacteriol189：7948-7960,200722）CostertonJW：Biofilmtheorycanguidethetreatmentofdevice-relatedorthopaedicinfections.ClinOrthopRelatRes437：7-11,200523）YokoiN,OkadaK,SugitaJetal：Acuteconjunctivitisassociatedwithbiofilmformationonapunctalplug.JpnJOphthalmol44：559-560,200024）SuzukiT,UnoT,KawamuraYetal：Postoperativelow-gradeendophthalmitiscausedbybiofilm-producingcoccusbacteriaattachedtoposteriorsurfaceofintraocularlens.JCataractRefractSurg31：2019-2020,200525）OttoM：Staphylococcalbiofilms.CurrTopMicrobiolImmunol322：207-228,200826）ArciolaCR,CampocciaD,BaldassarriLetal：DetectionofbiofilmformationinStaphylococcusepidermidisfromimplantinfections.ComparisonofaPCR-methodthatrecognizesthepresenceoficageneswithtwoclassicphenotypicmethods.JBiomedMaterRes76：425-430,200627）末信敏秀，石黒美香，松崎薫ほか：細菌性外眼部感染症分離菌株のGatifloxacinに対する感受性調査．あたらしい眼科28：1321-1329,201128）Hamilton-MillerJM,ShahS：Activityofquinupristin/dalfopristinagainstStaphylococcusepidermidisinbiofilms：acomparisonwithciprofloxacin.JAntimicrobChemother39：103-108,199729）秦野寛，大野重昭，北野周作：トスフロキサシン点眼液による眼科周術期の無菌化療法．眼科手術23：314-320,201030）大橋裕一，秦野寛，張野正誉ほか：ガチフロキサシン点眼液の眼科周術期の無菌化療法．あたらしい眼科22：2672712005＊＊＊1688あたらしい眼科Vol.29，No.12，2012（98）</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>https://www.atagan.jp/article/20121224.htm/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
	</channel>
</rss>
