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	<title>あたらしい眼科オンラインジャーナル &#187; マイボーム腺機能不全</title>
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		<title>絶対緑内障眼に生じた感染性角膜潰瘍の臨床的特徴</title>
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		<pubDate>Sat, 29 Nov 2025 15:22:57 +0000</pubDate>
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		<category><![CDATA[マイボーム腺機能不全]]></category>
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		<description><![CDATA[《原著》あたらしい眼科42（11）：1464.1467，2025c絶対緑内障眼に生じた感染性角膜潰瘍の臨床的特徴大久保寛＊1南泰明＊1鈴木智＊1,2＊1地方独立行政法人京都市立病院機構京都市立病院眼科＊2京都府立医科大学 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>《原著》あたらしい眼科42（11）：1464.1467，2025c絶対緑内障眼に生じた感染性角膜潰瘍の臨床的特徴大久保寛＊1南泰明＊1鈴木智＊1,2＊1地方独立行政法人京都市立病院機構京都市立病院眼科＊2京都府立医科大学眼科学教室CClinicalFeaturesofInfectiousCornealUlcersinAbsoluteGlaucomaEyesHiroshiOkubo1）,YasuakiMinami1）andTomoSuzuki1,2）1）DepartmentofOphthalmology,KyotoCityHospital,2）DepartmentofOphthalmology,KyotoPrefecturalUniversityofMedicineC目的：絶対緑内障眼に生じた感染性角膜潰瘍の臨床的特徴についてレトロスペクティブに検討する．対象および方法：京都市立病院においてC2012年C1月.2022年C7月のC10年C6カ月の期間に，絶対緑内障眼に感染性角膜潰瘍を生じたC8例C9眼を対象とし，患者背景，緑内障病型，感染前の眼圧，使用点眼薬，失明から発症までの期間，起炎菌，前房蓄膿の有無，マイボーム腺機能不全（MGD）および後部眼瞼炎の有無，上皮化までの日数について検討した．結果：患者の平均年齢はC77.8±8.8歳．男性C2例C2眼，女性C6例C7眼．緑内障の病型は血管新生緑内障C6眼，原発開放隅角緑内障C2眼，急性閉塞隅角緑内障C1眼で，失明から発症までの平均期間はC5.2±4.5年，発症時抗緑内障点眼の使用がC3眼，その他点眼薬の使用がC8眼であり，感染直前の平均眼圧はC54.9±25.7CmmHgであった．検出菌はブドウ球菌属C3眼（MSSA，MSSE，MRSE各C1眼），コリネバクテリウムC2眼，肺炎球菌C1眼で，角膜所見と臨床経過からC2眼でグラム陰性桿菌，1眼で真菌の関与が疑われた．前房蓄膿はC7眼に，MGDを伴う後部眼瞼炎はC8眼に認められ，上皮化までの平均日数はC66.6±57.9日であった．結論：絶対緑内障眼では失明後数年が経過して重篤な感染性角膜潰瘍を生じることがある．高眼圧に伴う角膜上皮浮腫の持続により上皮バリア機能が低下していること，MGDの合併や慢性炎症に伴う眼表面常在細菌叢の変化が感染性角膜潰瘍の発症要因となっている可能性が示唆された．CPurpose：ToCretrospectivelyCreviewCtheCclinicalCfeaturesCofCinfectiousCcornealCulcersCinCabsoluteCglaucomatousCeyes.CPatientsandMethods：WeCreviewedCtheCmedicalCrecordsCofC8Ccases（9eyes）ofCinfectiousCcornealCulcersCinCpatientsCwithCabsoluteCglaucomaCatCKyotoCCityCHospitalCoverCaCperiodCofC10CyearsCandC6Cmonths（i.e.,CfromCJanuaryC2012CtoCJuly2022）.CPatientCbackground,CtypeCofCglaucoma,Cpre-infectionCintraocularCpressure（IOP）,CeyedropCusage,CtimeCfromCblind-nessConsetCtoCinfection,CcausativeCmicroorganisms,CpresenceCofChypopyon,CpresenceCofCmeibomianCglandCdysfunction（MGD）andCposteriorCblepharitis,CandCtheCnumberCofCdaysCuntilCepithelializationCwereCinvestigated.CResults：ThisCstudyCinvolved2Cmale（n＝2eyes）and6female（n＝7eyes）patients（meanage：77.8±8.8years）.CTheCtypesCofCglaucomaCwereCneovascularCglaucomaCinC6Ceyes,primaryCopen-angleCglaucomaCinC2eyes,andCacuteCangle-closureCglaucomaCinC1Ceye.CTheCmeanCperiodCfromCblindnessConsetCtoCinfectionCwasC5.2±4.5Cyears.CAtCtheCtimeCofCinfection,C3CeyesCwereCbeingCtreatedCwithCanti-glaucomaCeyedropsCandC8CeyesCwereCbeingCtreatedCwithCotherCeyedrops.CMeanCIOPCbeforeCinfectionCwasC54.9±25.7CmmHg.CTheCdetectedCmicroorganismsCwereCStaphylococcusCspp.CinC3Ceyes（MSSA,CMSSE,CandCMRSECinC1Ceyeeach）,CCorynebacteriumCspp.CinC2Ceyes,CandCStreptococcusCpneumoniaeCinC1Ceye.CGram-negativeCrodsCwereCsuspect-edCtoCbeCinvolvedCinC2Ceyes,CandCfungiCwereCsuspectedCinC1CeyeCbasedConCcornealC.ndingsCandCclinicalCcourse.CHypopyonCwasCpresentCinC7Ceyes,CandCMGDCandCposteriorCblepharitisCwereCobservedCinC8Ceyes.CTheCmeanCperiodCuntilCepithelializa-tionCwasC66.6±57.9Cdays.Conclusions：SevereCinfectiousCcornealCulcersCmayCoccurCinCabsoluteCglaucomaCeyesCseveralCyearsCafterCblindness.CItChasCbeenCsuggestedCthatCtheCepithelialCbarrierCfunctionCisCimpairedCdueCtoCpersistentCcornealCepithelialCedemaCassociatedCwithChighCIOP,CandCchangesCinCtheCocularCsurfaceCindigenousCbacterialC.oraCassociatedCwithCMGDCcomplicationsCandCchronicCin.ammationCmayCbeCfactorsCinCtheCdevelopmentCofCinfectiousCcornealCulcers.〔AtarashiiGanka（JournaloftheEye）42（11）：1464.1467,C2025〕Keywords：感染性角膜潰瘍，絶対緑内障，起炎菌，マイボーム腺機能不全．infectiouscornealulcer,absoluteglaucoma,causativebacteria,meibomianglanddysfunction（MGD）．〔別刷請求先〕鈴木智：〒604-8845京都市中京区壬生東高田町C1-2京都市立病院眼科Reprintrequests：TomoSuzuki,M.D.,Ph.D.,DepartmentofOphthalmology,KyotoCityHospital,1-2MibuHigashitakadacho,Nakagyo-ku,Kyoto-city,604-8845,JAPANC1464（100）はじめに絶対緑内障とは，緑内障の病型にかかわらず眼圧が高いまま失明した状態である．薬物治療により眼圧下降が得られず眼痛が著明な場合は，眼痛軽減の目的で濾過手術や毛様体冷凍凝固術などが行われることが報告されているが1），実際の臨床では自覚症状がなければ放置されていることが多いのではないかと想像される．高眼圧が持続すると，眼表面では慢性炎症が持続し，角膜は上皮浮腫によりバリア機能の低下をきたす2）．一方，長期にわたる緑内障点眼の使用は，角膜知覚の低下を引き起こし3），薬剤性角膜上皮障害を生じやすい状況になる．そのため，絶対緑内障眼は易感染状態にあると考えられる．外傷や眼手術の既往，ドライアイや眼瞼炎など眼表面疾患が感染性角膜潰瘍の誘因となることが多く4），細菌性または真菌性であれば，軽症なら異物感，重症なら眼痛を訴えるほか，充血や眼脂，流涙，視力低下を訴えることも多いとされる5）．しかし，絶対緑内障眼では自覚症状が乏しく受診が遅れがちで重症化しやすいため，治療に難渋することが多い．筆者らが知る限り，過去に絶対緑内障眼に発症した感染性角膜潰瘍についてまとめた報告はない．そこで今回筆者らは，過去C10年間に当院で経験した絶対緑内障眼に生じた感染性角膜潰瘍の臨床的特徴についてレトロスペクティブに検討した．CI対象および方法対象は，2012年1月.2022年7月の10年6カ月に，絶対緑内障眼に感染性角膜潰瘍を生じたC8例C9眼である．診断の契機，緑内障の病型，感染前の眼圧，使用点眼薬，失明から感染性角膜潰瘍の診断までの期間，起炎菌，前房蓄膿の有無，マイボーム腺機能不全（meibomianCglandCdysfunc-tion：MGD）および後部眼瞼炎の有無，上皮化までの日数を診療録によりレトロスペクティブに検討した．感染前の眼圧については前回受診時（感染所見を認めない時点）の値とした．失明から感染性角膜潰瘍の診断までの期間は，診療録によって「光覚弁なし」を最初に確認できた時点からの期間とした．起炎菌については細隙灯顕微鏡による角結膜所見，角膜潰瘍および結膜.擦過物の塗抹鏡検，培養検査，抗菌薬治療効果から総合的に同定・推定した．MGDはC2023年に発表されたCMGD診療ガイドライン6）の分泌減少型CMGDの診断に基づいて，マイボーム腺開口部の閉塞所見，圧出低下から診断した．CII結果症例の臨床像を表1に示す．8例C9眼の平均年齢はC77.8C±8.8歳で，男性がC2例C2眼，女性がC6例C7眼であった．診療録上で確認できる明らかな認知症をC2例で認めた．受診の契機は，眼痛がC5眼，充血と眼脂（他者に指摘された）がC2眼，角膜混濁（他者に指摘された）がC1眼あり，自覚症状がなく定期受診時に診断された症例がC1眼であった．失明に至った緑内障の病型は，血管新生緑内障（neovascularglaucoma：NVG）がC9眼中C6眼と最多であり，ついで原発開放隅角緑内障（primaryopenangleglaucoma：POAG）がC2眼，原発閉塞隅角緑内障（primaryangleclosureglaucoma：PACG）が1眼であった（図1）．感染症発症前の眼圧はC54.9C±25.7mmHgと非常に高値であった．緑内障点眼薬の使用はC3眼（3剤併用，2剤併用，単剤それぞれC1眼ずつ），ステロイド点眼の使用はC2眼に認められた．失明から感染性角膜潰瘍の診断までの期間は平均C5.2C±4.5年と幅広く分布していた．感染性角膜潰瘍の起炎菌は，メチシリン感受性黄色ブドウ球菌（methicillin-sensitiveCStaphylococcusaureus：MSSA），メチシリン感受性表皮ブドウ球菌（methicillin-sensitivestaphylococcusCepidermidis：MSSE），メチシリン耐性表皮ブドウ球菌（methicillin-resistantStaphylococcusepidermid-is：MRSE）各C1眼，コリネバクテリウム属をC2眼で認め，9眼中C5眼が結膜.やマイボーム腺の常在細菌であった．そのほかは角膜所見と治療効果からグラム陰性桿菌（gramnega-tiverod：GNR）がC2眼，肺炎球菌がC1眼，真菌と考えられた症例がC1眼であった（図2）．前房蓄膿はC9眼中C7眼で認めた．MGDおよび後部眼瞼炎の合併をC9眼中C8眼で認めた．治療開始から上皮化までに平均C66.6C±57.9日を要した．治療は，起炎菌がグラム陽性菌ならセフメノキシム点眼とC1.5％レボフロキサシン点眼の頻回点眼＋オフロキサシン眼軟膏，グラム陰性桿菌ならC1.5％レボフロキサシン点眼の頻回点眼＋オフロキサシン眼軟膏，真菌なら自家調整したC1％ボリコナゾール頻回点眼＋ピマリシン眼軟膏で加療した．薬剤感受性結果や治療に対する反応性からCMRSE/MRSA感染の関与が考えられた場合にはバンコマイシン眼軟膏を併用した．後部眼瞼炎が強い症例においてはテトラサイクリン系やマクロライド系抗菌薬の内服を併用した．上皮化後に眼圧コントロールのために毛様体冷凍凝固術をC2例，マイクロパルス経強膜毛様体光凝固術をC2例で施行した．CIII考案絶対緑内障眼では失明後数年が経過して重篤な感染性角膜潰瘍を生じることがあるが，患者の半数は自覚症状が乏しかった．起炎菌のうち半数は，結膜.やマイボーム腺内の常在細菌と考えられ，MGDを伴う後部眼瞼炎をほとんどの症例に合併していたことから，マイボーム腺内で増殖している細菌の関与が推測された．筆者らは，健常者の結膜.やマイボーム腺内の細菌叢は加齢とともにアクネ菌の存在量の低下し，高齢者ではコリネバクテリウムの存在量が増える個体が増加し，結果として細菌の多様性が減少することを報告して表1全患者の詳細No.発症年齢性別病型失明から発症までの期間眼圧起炎菌上皮化までの日数抗緑内障点眼数その他点眼数MGDの合併C186歳女性CNVG3.1年C.真菌62日2本1本＋276歳男性CNVG3.3年C46CmmHgCMSSA51日0本2本C.366歳女性CNVG1.75年C21CmmHgCCorynebacteriumsp15日0本1本＋468歳女性CNVG4.2年C91CmmHgCMRSE98日0本1本＋590歳男性CPACG不明C66CmmHgCCorynebacteriumsp23日0本0本＋679歳女性CPOAG4年以上C80CmmHg肺炎双球菌177日3本1本＋788歳女性CNVG不明C.GNR133日0本0本＋870歳女性CPOAG13年C51CmmHgCGNR25日0本2本＋977歳女性CNVG10年C29CmmHgCMSSE15日1本3本＋平均C77.8±8.8歳C5.2±4.5年C54.9±25.7CmmHgC66.6±57.9日起炎菌については細隙灯顕微鏡による角結膜所見，角膜潰瘍および結膜.擦過物の塗抹鏡検，培養検査，抗菌薬治療効果から総合的に同定・推定した．図1緑内障病型いる7）．また，筆者らが過去に行った検討では，感染性角膜潰瘍の発症年齢にはC20歳代とC70歳代のC2つのピークがあり，高齢者では緑内障点眼使用とCMGDが発症に関与していること，特に緑内障患者の起炎菌は耐性菌の割合が高いことなどを報告している8）．加齢に伴いマイボーム腺機能は低下しCMGD有病率が増加すること9），緑内障点眼薬の使用によりCMGDの有病率が増加するという報告などもあり10,11），緑内障点眼を使用している高齢者はCMGDを生じていることを念頭に診療にあたる必要がある．本検討でもCMGDの合併は9眼中C8眼で認められ，マイボーム腺開口部周囲の充血や腫脹などを伴った後部眼瞼炎を生じており，マイボーム腺内の細菌増殖が絶対緑内障眼の感染性角膜潰瘍に関与している可能性が推測された．MGDを合併していなかったC1例では，防腐剤を含まない人工涙液と眼軟膏を使用しており，緑内障点眼の使用はなかった．絶対緑内障眼では，持続的な高眼圧による角膜上皮浮腫や，長期間に及ぶ複数の緑内障点眼薬の使用による角膜知覚低下が上皮障害の原因となり，充血に対して漫然と使用されるステロイド点眼は易感染性を助長すると考えられる．本検討では，失明後も継続して緑内障点眼薬使用していた症例は3例で，使用期間は（診療録で確認できる範囲で），2年，3年C9カ月，47年と長期間であった．また，多くの緑内障点眼薬に防腐剤として添加されている塩化ベンザルコニウムは，角膜上皮障害12），結膜杯細胞の減少13），角膜創傷治癒の遅延14）などの影響を及ぼすため，絶対緑内障眼では複数の緑内障点眼を継続使用していると薬剤毒性による角膜上皮障害により易感染状態となり，いったん感染が成立すると，上皮修復に長期間を要すると考えられる．本研究の症例は，感染性角膜潰瘍発症前に高眼圧による眼痛の訴えはなかった．絶対緑内障眼のおもな治療は疼痛コントロールを目的とした眼圧下降が中心とされるが，長期に及ぶ複数の点眼治療は感染性角膜潰瘍の発症リスクともなりうるため，点眼薬の使用を極力減らした状態で管理をすることが重要である．そのため，濾過手術（線維柱帯切除術やインプラント手術）や，房水産制を低下させる毛様体冷凍凝固術や毛様体光凝固術が適応となる場合がある1）．また，減圧手術が無効あるいは適応にならず疼痛コントロールができない場合は，眼痛を軽減するための最終手段として眼球摘出術や眼球内容除去術が選択肢となる．しかし，眼球摘出は心理面の負担も大きく患者の理解が得られないことも多い．当院ではマイクロパルス経強膜毛様体光凝固術（Iridex社，CCYCLOG6）を行い15），角膜上皮浮腫が生じない程度の眼圧コントロールを得ることで将来的な再感染の予防にもなると考えている．一方で，本研究は単一施設の後ろ向き研究であり，サンプルサイズが限られているため，統計学的な検出力には限界があり，絶対緑内障眼における感染性角膜潰瘍の臨床的特徴についてさらなるデータの蓄積が必要である．絶対緑内障眼は，受診していても診察そのものが行われていない症例も多いのではないかと想像される．高眼圧に伴う角膜上皮浮腫の持続による上皮バリア機能の低下，緑内障点眼使用による角膜知覚の低下，薬剤性角膜上皮障害，さらにはCMGDの合併や慢性炎症に伴う眼表面やマイボーム腺の常在細菌叢の変化が感染性角膜潰瘍の発症要因となっている可能性が示唆された．絶対緑内障眼こそ，眼圧測定とともに眼瞼縁を含めた眼表面全体の診察を丁寧に行うことが不可欠であり，点眼薬を整理し，角膜上皮障害がない状態を維持することが重篤な感染性角膜潰瘍の予防において重要であると考えられた．利益相反：利益相反公表基準に該当なし文献1）阿部春樹，白柏基宏：高齢患者の眼科手術緑内障絶対緑内障眼球摘出も含めて．臨眼48：120-121,C19942）小室青，横井則彦，西田幸二ほか：角膜上皮浮腫における角膜上皮バリアー機能の評価．日眼会誌C99：683-686,C19953）VanWentC,AlalwaniH,BrasnuEetal：［Cornealsensi-tivityinpatientstreatedmedicallyforglaucomaorocularhypertension］.JFrOphtalmolC34：684-690,C20114）感染性角膜炎全国サーベイランス・スタディグループ：感染性角膜炎全国サーベイランス分離菌・患者背景・治療の現況．日眼会誌110：961-972,C20065）鈴木崇，江口洋，戸所大輔ほか：感染性角膜炎診療ガイドライン（第C3版）．日眼会誌127：859-895,C20236）天野史郎，島崎潤，横井則彦ほか：マイボーム腺機能不全診療ガイドライン．日眼会誌127：109-228,C20237）SuzukiCT,CSutaniCT,CNakaiCHCetal：TheCMicrobiomeCofCtheCMeibumCandCOcularCSurfaceCinCHealthyCSubjects.CInvestOphthalmolVisSciC61：18,C20208）柴田学，張佑子，曽田里奈ほか：当科におけるC10年間の感染性角膜潰瘍の起炎菌と薬剤感受性．あたらしい眼科C40：243-247,C20239）AritaCR,CMizoguchiCT,CKawashimaCMCetal：MeibomianCglandCdysfunctionCandCdryCeyeCareCsimilarCbutCdi.erentCbasedonapopulation-basedstudy：TheHirado-TakushiC-maStudyinJapan.AmJOphthalmolC207：410-418,C201910）KimJ.H.,ShinY.U.,SeongMetal：Eyelidchangesrelat-edCtoCmeibomianCglandCdysfunctionCinCearlyCmiddle-agedCpatientsCusingCtopicalCglaucomaCmedications.CCorneaC37：C421-425,C201811）UzunosmanogluE,MocanMC,KocabeyogluSetal：Mei-bomianglanddysfunctioninpatientsreceivinglong-termglaucomamedications.CorneaC35：1112-1116,C201612）KimCYH,CJungCJC,CJungCSYCetal：ComparisonCofCtheCe.cacyCofC.uorometholoneCwithCandCwithoutCbenzalkoni-umCchlorideCinCocularCsurfaceCdisease.CCorneaC35：234-242,C201613）KahookMY,NoeckerRJ：Comparisonofcornealandcon-junctivalCchangesCafterCdosingCofCtravoprostCpreservedCwithCsofZia,ClatanoprostCwith0.02％CbenzalkoniumCchlo-ride,CandCpreservative-freeCarti.cialCtears.CCorneaC27：C339-343,C200814）NagaiN,MuraoT,OkamotoNetal：Comparisonofcor-nealwoundhealingratesafterinstillationofcommerciallyavailableClatanoprostCandCtravoprostCinCratCdebridedCcor-nealepithelium.JOleoSciC59：135-141,C201015）SinhaCA,CRahmanA：CyclocryotherapyCinCabsoluteCglau-coma.IndianJOphthalmolC32：77-80,C1984＊＊＊</p>
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		<title>当科における10 年間の感染性角膜潰瘍の起炎菌と薬剤感受性</title>
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		<pubDate>Mon, 27 Feb 2023 15:22:45 +0000</pubDate>
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		<description><![CDATA[当科における10年間の感染性角膜潰瘍の起炎菌と薬剤感受性柴田学張佑子曽田里奈塚本倫子中路進之介南泰明鈴木智地方独立行政法人京都市立病院機構京都市立病院眼科CAlterationofCausativeBacteriaand [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>当科における10年間の感染性角膜潰瘍の起炎菌と薬剤感受性柴田学張佑子曽田里奈塚本倫子中路進之介南泰明鈴木智地方独立行政法人京都市立病院機構京都市立病院眼科CAlterationofCausativeBacteriaandDrugSusceptibilityinCasesofInfectiousCornealUlcerGakuShibata,YukoCho,RinaSoda,MichikoTsukamoto,ShinnosukeNakaji,YasuakiMinamiandTomoSuzukiCDepartmentofOphthalmology,KyotoCityHospitalC目的：感染性角膜潰瘍（ICU）の起炎菌と薬剤感受性についての検討．対象および方法：2010年C4月.10年間にICUと診断したC97例C101眼を対象に，患者背景，起炎菌とその薬剤感受性，臨床的特徴を診療録によりレトロスペクティブに検討した．結果：50歳未満（46例）は，コンタクトレンズ装用者がC91.3％を占め，起炎菌はメチシリン感受性表皮ブドウ球菌（MSSE）が最多であった．50歳以上（51例）では，起炎菌は角膜上下方の感染ではCMSSE（27.6％），中央部ではメチシリン耐性黄色ブドウ球菌が最多であった（17.4％）．耐性菌は検出菌のC4割以上を占め，緑内障点眼使用者でその割合が有意に高かった（p＜0.05）．緑内障とマイボーム腺機能不全（MGD）の双方を合併したC6例中，4例で耐性菌が検出された．結論：ICUでは，常在細菌叢の加齢性変化に加え，緑内障やCMGDなどの患者背景，耐性菌を念頭において診療にあたることが重要である．CPurpose：ToCinvestigateCtheCcausativeCbacteriaCandCdrugCsusceptibilityCinCcasesCofCinfectiousCcornealCulcer（ICU）C.Methods：InC101CeyesCofC97CpatientsCdiagnosedCwithCICUCfromCAprilC2010CtoCMarchC2020,CpatientCback-ground,CcausativeCbacteriaCandCtheirCdrugCsusceptibility,CandCocularC.ndingsCwereCretrospectivelyCinvestigated.CResults：InCpatientsCunderC50Cyearsold（n＝46cases）C,91.3％CwereCcontactClensCwearers,CandCtheCmostCcommonCcausativebacteriumwasMethicillin-susceptibleStaphylococcusepidermidis（MSSE）C.Inpatientsover50yearsold（n＝51cases）C,themostcommoncausativebacteriuminupperandlowerregioncornealinfectionswasMSSE（27.6％）C,CwhileCinCcentralCcornealCregionCtheCinfectionCwasCMethicillin-resistantCStaphylococcusaureus（17.4％）C.Morethan40％CofCtheCcausativeCbacteriaCwereCresistantCtoCantibiotics,CandCtheCproportionCofCdrug-resistantCorganismsCwasCsigni.cantlyChigherCinCglaucomaCeyeCdropusers（p＜0.05）C.CInC4CofC6CpatientsCwithCglaucomaCandCmeibomianCglanddysfunction,drug-resistantbacteriaweredetected.Conclusion：InICUcases,itisimportanttounderstandtheage-relatedalterationofcommensalbacteriaandthepatientbackground.〔AtarashiiGanka（JournaloftheEye）C40（2）：243.247,C2023〕Keywords：感染性角膜潰瘍，起炎菌，薬剤感受性，緑内障，マイボーム腺機能不全．infectiouscornealulcer,causativebacteria,drugsusceptibility,glaucoma,meibomianglanddysfunction（MGD）C.Cはじめに角膜感染症は，早期に診断し効果的な治療ができなければ永続的な視力低下を生じうる疾患である．若年者ではコンタクトレンズ（contactlens：CL）の不適切な使用に伴う角膜上皮障害をきっかけとするケースが多い一方，高齢者では，ドライアイ，マイボーム腺機能不全（meibomianglanddys-function：MGD），眼瞼内反症，緑内障点眼の長期使用など，さまざまな患者背景に起因する角膜上皮障害をきっかけに感染を生じることが多いと考えられている1）．近年，周術期を含めた抗菌薬の過度な使用は，メチシリン耐性黄色ブドウ球菌（methicillin-resistantStaphylococcusaureus：MRSA）やキノロン耐性コリネバクテリウム属をはじめとする薬剤耐性菌を生じ，これらの細菌に起因した重症の角膜感染症へとつながることが報告されている2,3）．一方，健常者のマイボーム腺，結膜.，眼瞼皮膚の常在細菌叢は加齢とともに変化し4），とくにCMGD患者では結膜.の常在細菌叢が変化する〔別刷請求先〕柴田学：〒604-8845京都市中京区壬生東高田町C1-2京都市立病院眼科Reprintrequests：GakuShibata,M.D.,DepartmentofOphthalmology,KyotoCityHospital,1-2MibuHigashitakadacho,Nakagyo-ku,Kyoto-shi,Kyoto604-8845,JAPANC50歳未満50歳以上症例数，眼数46例49眼51例52眼年齢C30.4±9.4歳C70.2±11.5歳性別（男性/女性）C21/25C23/28マイボーム腺機能不全合併9例（1C9.6％）23例（C45.1％）（p＝0.008）コンタクトレンズ装用42例（C91.3％）10例（C19.6％）（p＜0C.001）緑内障点眼使用0例（0％）12例（C23.5％）（p＜0C.001）（例）25201510500～910～1920～2930～3940～4950～5960～6970～79■症例数■MGD合併症例数■緑内障点眼使用症例数図1年代別感染性角膜潰瘍症例数80～8990～99（歳）各年代におけるマイボーム腺機能不全（MGD）合併症例数，緑内障点眼使用症例数を合わせて表示した．と報告されている5）．また，緑内障点眼を使用している患者のC82％はCMGDを合併し6），長期間の緑内障点眼治療により眼表面常在細菌叢が変化することも報告されている7）．そこで，今回筆者らは，当院で過去C10年間に経験した感染性角膜潰瘍の患者について，起炎菌とその薬剤感受性，患者背景（とくにCMGDの合併や緑内障点眼使用の有無）についてレトロスペクティブに検討したので報告する．CI対象および方法対象は，2010年4月1日.2020年3月31日の10年間に当院で感染性角膜潰瘍と診断されたC97例である．感染性角膜潰瘍の診断は細隙灯顕微鏡による角結膜所見（角膜細胞浸潤・潰瘍の部位，形状，深さ，前房蓄膿の有無，結膜充血など）から行った．ウイルス性角膜炎，慢性移植片対宿主病（graft-versus-hostdisease：GVHD）による重症ドライアイを合併した症例は除外した．結膜.培養および角膜擦過培養検査，検出菌の薬剤感受性，前眼部所見（角膜感染巣の部位，MGDの有無），CL装用歴，緑内障点眼使用の有無，診断日から治癒までの期間を診療録によりレトロスペクティブに検討した．感染巣の部位は，瞳孔径によらず角膜を上方・中央・下方と三つの部位に均等に分け，上方・下方をまとめて上下方とした．MGDは，2010年に日本で制定された分泌減少型CMGDの診断基準8）に基づいて，マイボーム腺開口部周囲異常所見（血管拡張，粘膜皮膚移行部の前方または後方移動，眼瞼縁不整），マイボーム腺開口部の閉塞所見，マイボーム腺分泌物の圧出低下から診断した．CL使用歴は発症時に装用していた症例を対象とし，緑内障点眼使用については，発症時より遡ってC1年間以上緑内障点眼を継続していた症例を対象とした．各数値は平均値C±標準偏差（standarddeviation：SD）で表記し，統計学的検討にはCt検定を行い，p＜0.05を有意水準とした．CII結果対象の詳細を表1に示す．97例C101眼の平均年齢はC51.0C±22.6歳であった．50歳未満（46例C49眼）とC50歳以上（51例C52眼）の各群の平均年齢はそれぞれC30.4C±9.4歳とC70.2C±11.5歳であり，両群とも性差を認めなかった．MGDの合併は全体のC33.0％（32例）で認め，50歳未満のC19.6％（9例），50歳以上のC45.1％（23例）であった．CL装用歴は全体の53.6％（52例）で認め，50歳未満のC91.3％（42例），50歳以上のC19.6％（10例）であった．緑内障点眼の使用症例は全例がC50歳以上であり，23.5％（12例）を占めていた．診断か陰性51.2％MSSE30.2％陰性32.6％MSSE32.6％MSSA4.7％その他8.7％CCorynebacteriumその他S.lugdunensis4.7％CMSSACMRSA8.7％7.0％Corynebacterium2.3％6.5％8.7％MRSE2.2％図2結膜.培養検出菌MSSE：メチシリン感受性表皮ブドウ球菌，MSSA：メチシリン感受性黄色ブドウ球菌，MRSE；メチシリン耐性表皮ブドウ球菌，MRSA：メチシリン耐性黄色ブドウ球菌．Ca上下方（n＝27）中央（n＝23）CMSSE18.5％CMSSE不明不明26.1％51.9％CMSSA34.8％7.4％CPseudomonasaeruginosaCSerratia7.4％8.7％CSteptococcusspecies7.4％アカントアメーバCMRSECMRSA8.7％Corynebacterium3.7％4.3％4.3％CSteptococcusspeciesS.lugdunensis3.7％4.3％Moraxellacatarrhalis4.3％Enterococcusfaecalis4.3％Cb上下方（n＝29）中央（n＝23）CMRSA不明CMSSE不明17.4％27.6％27.6％26.1％CMSSECStaphylococcushaemolyticus13.0％CStenotrophomonasmaltophilia3.4％CMSSA4.3％CMRSEC.acnes3.4％13.8％肺炎球菌4.3％8.7％Serratia3.4％CMRSECMRSACMoraxellacatarrhalis真菌10.3％10.3％4.3％CMSSA8.7％CCorynebacterium4.3％8.7％図3角膜の感染部位別起炎菌a：50歳未満，Cb：50歳以上．MSSE：メチシリン感受性表皮ブドウ球菌，MSSA：メチシリン感受性黄色ブドウ球菌，MRSE；メチシリン耐性表皮ブドウ球菌，MRSA：メチシリン耐性黄色ブドウ球菌．ら治癒までの平均日数はC47.6C±57.7日で，50歳未満では症例数および各年齢層におけるCMGD合併症例数と緑内障点C27.9±26.7日，50歳以上ではC65.5C±70.0日であり，50歳以眼使用症例数を図1に示した．年代別症例数では，20歳代上の群でC2倍以上長い結果となった．10歳ごとの年代別のとC70歳代に二峰性のピークを認めた．また，MGD合併症例数はC60.70歳代で，緑内障点眼使用症例数はC70歳代でピークを示した．50歳未満50歳以上上下方中央上下方中央診断から治癒までの日数Cマイボーム腺機能不全合併コンタクトレンズ装用緑内障点眼使用19.2±17.1日C38.3±33.0日C（p＝0.05）3例（1C2.5％）6例（2C7.3％）21例（C87.5％）20例（C90.9％）0例（0C.0％）0例（0C.0％）34.9±47.3日C91.7±74.8日（p＝0.04）15例（C53.6％）9例（3C9.1％）5例（1C7.9％）5例（2C1.7％）4例（1C4.3％）8例（3C4.8％）結膜.培養検査による検出菌の割合を図2に示す．細菌は50歳未満の群のC48.8％，50歳以上の群のC67.4％から検出され，検出菌は，両群ともメチシリン感受性表皮ブドウ球菌（methicillin-susceptibleCStaphylococcusCepidermidis：MSSE）が最多となり，50歳以上の群ではコリネバクテリウム属，MRSA，メチシリン感受性黄色ブドウ球菌（methicil-lin-susceptibleCStaphylococcusaureus：MSSA），メチシリン耐性表皮ブドウ球菌（methicillin-resistantCStaphylococcusepidermidis：MRSE）と続き，ブドウ球菌属がC52.2％を占めた．一方で，角膜擦過培養検査では，50歳未満ではC16人中2人，50歳以上ではC24人中C10人が陰性であった．50歳以上からの検出菌のうちC60％がブドウ球菌属，20％がコリネバクテリウム属であった．50歳未満，50歳以上の症例において，各種培養結果や臨床経過から推察された起炎菌を感染部位別にまとめたものをそれぞれ図3に，部位別の臨床像の比較を表2に示す．起炎菌は，各症例の角膜潰瘍擦過塗抹鏡検および培養検査結果（角膜潰瘍部，結膜.，CL，CLケースなど）や，細隙灯顕微鏡による角膜所見（角膜潰瘍の部位，程度，前房蓄膿の有無）および結膜，眼瞼縁の所見，当科受診までの抗菌薬治療歴，当科での抗菌薬治療効果から総合的に推測した．50歳未満では（図3a），上下方，中心とも起炎菌はCMSSEがもっとも多く，中央部の感染でC2例アカントアメーバ角膜炎を認めた．50歳以上では（図3b），上下方の感染の起炎菌はCMSSEがもっとも多く，その他のブドウ球菌属を含めると全体のC60％以上を占めた．中央部の感染の起炎菌はMRSAがもっとも多く，ブドウ球菌属のほか，コリネバクテリウム属や真菌によるものも認めた．50歳以上の症例における診断から治癒までの日数の平均は，上下方の感染ではC34.9±47.3日，中央部の感染ではC91.7C±74.8日であり，中央部の感染で有意に長い結果となった（p＝0.004）．これら起炎菌のうち薬剤感受性が明らかとなった細菌はC31例から検出され，そのうちレボフロキサシン，ガチフロキサシン，セフメノキシムのいずれかに耐性を有する細菌はC14例で検出された．感染部位の違いやCMGDの有無では耐性菌の割合に明らかな差異を認めなかった．しかし，緑内障点眼の使用群では未使用群と比較して耐性菌の割合が有意に高い結果となった（p＝0.049）．また，緑内障とCMGDの双方を合併したC6例中，4例で耐性菌（うち，3例でCMRSA）が検出された．CIII考按正常角膜では角膜表面を重層扁平上皮細胞が覆い，上皮細胞間は多数のデスモゾームで連なり，とくに最表層上皮細胞はCZO-1やCclaudineなどのCtightCjunction関連蛋白の発現さらには膜結合型ムチンにより強固なバリア機能を保持している9,10）．さらに角膜上皮細胞はCdefensinなどの抗菌物質の発現により細菌微生物の侵入を阻止しているが，何らかの原因で上皮細胞が障害を受けると，微生物の侵入，付着が起こりやすくなり感染症発症の誘引となる11）．今回，年代別の検討では，既報と同様にC20歳代とC70歳代に二峰性のピークを認めた12,13）．50歳以下の群のC91.3％にCCL装用歴を認め，検出菌はCMSSEが最多であったことから，若年者ではCCL装用による上皮障害をきっかけとした常在細菌による感染症がおもなものであることが再確認された．CL装用者に生じる重傷の感染性角膜潰瘍ではC35％程度でアカントアメーバが原因とされるが14），本検討では，放射状角膜神経炎など典型所見を認め，アカントアメーバ角膜炎の治療が奏効した症例はC2例のみであり，その他の症例では放射状角膜神経炎は認めず，抗菌治療が奏効したことからアカントアメーバの関与はないと考えた．一方，70歳代では，MGD合併例や緑内障点眼使用例の割合が高く（37.5％），コリネバクテリウムやMRSAの検出も増加していた．加齢に伴いマイボーム腺機能は低下しCMGD有病率が増加すること15），緑内障点眼使用によりCMGDの有病率が増加することも報告されている6）．加齢や緑内障点眼に合併するCMGDによって常在細菌叢が変化し，角膜感染症の発症に影響している可能性が推測された．今回，結膜.培養検査で細菌が検出された症例では，50歳未満の症例のC90.5％，50歳以上の症例のC80.6％がグラム陽性球菌であり，既報（51.7％）と比べても割合が高く12），この結果も眼表面の常在細菌による角膜感染の割合が増加している可能性を示していると考えられた．一方，角膜擦過培養の検出率はC30.0％であり，既報（36.1％）と比べてやや低い結果であった12）．当院では，感染性角膜潰瘍の患者の多くが紹介患者であり，すでに前医で抗菌点眼薬の処方が開始されており細菌の検出率が低くなった可能性が考えられた．角膜の感染部位別では，中央部の感染でキノロン系，セフェム系抗菌薬への耐性菌の割合が高く，上下方の感染と比べ治癒までの日数が有意に長い結果となった．これは，既報と同様に16），角膜中央部は，無血管なため生体反応が生じにくく，感染が成立，拡大しやすいためと考えられた．一方，角膜上方および下方は眼瞼縁との距離が近く，前部眼瞼縁の睫毛や皮膚，後部眼瞼縁のマイボーム腺や眼瞼結膜などの常在細菌叢の変化の影響を受けやすいと想像された．また，ドライアイやCMGDで生じうる角膜下方の慢性的な点状表層角膜症には17），細菌が感染しうると考えられる．緑内障患者では，緑内障点眼による角膜上皮バリア機能障害1）が感染のきっかけになる可能性，緑内障点眼によるCMGDの影響でマイボーム腺内常在細菌叢の変化が生じている可能性などが考えられる．ただし，緑内障点眼薬の長期使用による眼表面常在細菌叢の変化6）については，緑内障点眼の多くに防腐剤として添加されている塩化ベンザルコニウムの影響である可能性が指摘されている2）．一般的に緑内障に対する点眼治療は両眼に点眼されている場合が多く，片眼の細菌性角膜潰瘍として治療を開始する際，僚眼のCMGDの有無や角膜上皮障害の有無などの所見が患眼の治療の手がかりとなる．今回の検討により，とくに高齢者の角膜感染症では，加齢に伴う常在細菌叢の変化に加え，緑内障点眼やCMGDなどの患者背景を考慮し，常に耐性菌の可能性を念頭において診療にあたることが重要であると考えられた．利益相反：利益相反公表基準に該当なし文献1）InoueCK,COkugawaCK,CKatoCSCetal：OcularCfactorsCrele-vanttoanti-glaucomatouseyedrop-relatedkeratoepitheli-opathy.JGlaucomaC12：480-485,C20032）DeguchiH,KitagawaK,KayukawaKetal：ThetrendofresistanceCtoCantibioticsCforCocularCinfectionCofCStaphylo-coccusCaureus,Ccoagulase-negativeCstaphylococci,CandCCorynebacteriumCcomparedCwithC10-yearsprevious：ACretrospectiveCobservationalCstudy.CPLoSCOneC13：Ce0203705,C20183）AokiCT,CKitazawaCK,CDeguchiCHCetal：CurrentCevidenceCforCCorynebacteriumConCtheCocularCsurface.CMicroorgan-isms9：254,C20214）SuzukiCT,CSutaniCT,CNakaiCHCetal：TheCmicrobiomeCofCthemeibumandocularsurfaceinhealthysubjects.InvestOphthalmolVisSciC61：18,C20205）DongX,WangY,WangWetal：Compositionanddiver-sityCofCbacterialCcommunityConCtheCocularCsurfaceCofCpatientsCwithCmeibomianCglandCdysfunction.CInvestCOph-thalmolVisSci60：4774-4783,C20196）KimJH,ShinYU,SeongMetal：EyelidchangesrelatedtoCmeibomianCglandCdysfunctionCinCearlyCmiddle-agedCpatientsCusingCtopicalCglaucomaCmedications.CCorneaC37：C421-425,C20187）OhtaniS,ShimizuK,NejimaRetal：Conjunctivalbacte-riaC.oraCofCglaucomaCpatientsCduringClong-termCadminis-trationCofCprostaglandinCanalogCdrops.CInvestCOphthalmolCVisSciC58：3991-3996,C20178）天野史郎：マイボーム腺機能不全の定義と診断基準．あたらしい眼科C27：627-631,C20109）木下茂：OcularSurfaceの神秘を探る．臨眼58：2086-2994,C200410）BanCY,CDotaCA,CCooperCLJCetal：TightCjunction-relatedCproteinexpressionanddistributioninhumancornealepi-thelium.ExpEyeResC76：663-669,C200311）FleiszigCSMJ,CKrokenCAR,CNietoCVCetal：ContactClens-relatedcornealinfection：Intrinsicresistanceanditscom-promise.ProgRetinEyeResC76：100804,C202012）阿久根穂高，佛坂扶美，門田遊ほか：2012年からC2年間の久留米大学眼科における感染性角膜炎の報告．あたらしい眼科37：220-222,C202013）感染性角膜炎全国サーベイランス・スタディグループ：感染性角膜炎全国サーベイランス─分離菌・患者背景・治療の現状─．日眼会誌110：961-971,C200614）宇野敏彦，福田昌彦，大橋裕一ほか：重症コンタクトレンズ関連角膜感染症全国調査．日眼会誌115：107-115,C201115）DenCS,CShimizuCK,CIkedaCTCetal：AssociationCbetweenCmeibomianglandchangesandaging,sex,ortearfunction.CorneaC25：651-655,C200616）稲富勉：角膜感染所見を見落とさない所見の見方と考え方．あたらしい眼科19：971-977,C200217）鈴木智：マイボーム腺機能不全に関連した角膜症．COCULISTAC59：42-47,C2018＊＊＊</p>
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		<title>著明なマイボーム腺脱落を認めた前立腺肥大症患者の1例</title>
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		<pubDate>Wed, 29 Apr 2020 15:22:08 +0000</pubDate>
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		<category><![CDATA[マイボーム腺機能不全]]></category>
		<category><![CDATA[前立腺肥大症]]></category>
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		<description><![CDATA[《原著》あたらしい眼科37（4）：480.483，2020c著明なマイボーム腺脱落を認めた前立腺肥大症患者の1例清水翔太＊1有田玲子＊1,2,3井上佐智子＊1,4伊藤耕三＊2川島素子＊1,3坪田一男＊1＊1慶應義塾大学医 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>《原著》あたらしい眼科37（4）：480.483，2020c著明なマイボーム腺脱落を認めた前立腺肥大症患者の1例清水翔太＊1有田玲子＊1,2,3井上佐智子＊1,4伊藤耕三＊2川島素子＊1,3坪田一男＊1＊1慶應義塾大学医学部眼科学教室＊2伊藤医院＊3CLidCandCMeibomianGlandCWorkingCGroup＊4羽根木の森アイクリニックCACaseofBenignProstaticHyperplasiaPatientwithSevereMeibomianGlandDysfunctionShotaShimizu1）,ReikoArita1,2,3）,SachikoInoue1,4）,KozoItoh2）,MotokoKawashima1,3）CandKazuoTsubota1）1）DepartmentofOphthalmology,KeioUniversitySchoolofMedicine,2）ItohClinic,3）LidandMeibomianGlandWorkingGroup,4）HaneginomoriEyeClinicCマイボーム腺機能不全（MGD）は加齢，環境，ホルモン障害などさまざまな因子の影響を受けている．非接触型マイボグラフィー（NCM）で，著明なマイボーム腺脱落を認めた前立腺肥大症（BPH）患者を経験したので報告する．症例は72歳，男性．BPHでCa1交感神経遮断薬をC7年間内服していた．眼科的自覚症状は軽度の眼精疲労と乾燥感であった．細隙灯顕微鏡では，眼瞼に軽度のCpluggingとCvascularityを認め，meibumスコアはC3であった．フルオレセイン染色では，角結膜上皮障害（SPK）スコアはC1で，涙液層破壊時間（BUT）1秒と短縮していた．NCMでは，上下眼瞼ともにマイボスコアはC3で，マイボーム腺は高度に脱落しており，DR-1aでは非侵襲的涙液層破壊時間（NIBUT）はC2秒で涙液の状態は非常に不安定だった．また，Schirmer値はC9Cmm，男性型脱毛症のCNorwood-Hamilton（N-H）分類はCVであった．BPHを含め，MGDの危険因子を有する患者のマイボーム腺を観察することは重要である．CThisCisCaCcaseCofCaC72-year-oldCmaleCpatient,CwhoChadCabenignCprostateChypertrophy（BPH）andCtookCa1blockerfor7years.Hisophthalmicsymptomsweremildeyestrainanddryeye.Ophthalmicexaminationshowedalittlepluggingandvascularityinhiseyelid.However,meibumscorewasgrade3.InC.uoresceinstaining,super.cialpunctatekeratopathy（SPK）scorewas1andbreakuptimeoftear.lm（BUT）was1second.Non-contactinfraredmeibography（NCM）revealedCextensiveClossCofCbothCupperCandClowerCmeibomianCglandsCandCnon-invasiveCbreakCuptime（NIBUT）wasC2secondsCbyCDR-1a.CAlso,CSchirmerCvalueCwasC9CmmCandandrogeneticCalopecia（AGA）CscoreCwasCgradeC5.CItCmayCbeCimportantCtoCobserveCtheCmeibomianCglandsCofCpatientsCwithCtheCriskCfactorsCforCMGD,includingBPH.〔AtarashiiGanka（JournaloftheEye）37（4）：480.483,C2020〕Keywords：前立腺肥大症，マイボーム腺機能不全，ドライアイ，非接触型マイボグラフィー，DR-1a．benignprostatehypertrophy,meibomianglanddysfunction,dryeye,non-contactinfraredmeibography,DR-1a.Cはじめにマイボーム腺は，上下の眼瞼に存在する外分泌腺で，瞬目により開口部から脂質を分泌して眼球表面の水分の蒸発を防いでいる．このマイボーム腺の機能や形態は，加齢，環境，ホルモン障害などさまざまな因子によって影響を受けている．たとえば，マイボーム腺を構成する腺細胞は，加齢や炎症などにより萎縮を引き起こす1）．また，腺細胞はアンドロゲンやエストロゲンなどの性ホルモンのレセプターを発現しており2），性ホルモンがマイボーム腺機能に影響を及ぼしていることが示されている3）．したがって，前立腺肥大症（benignprostaticChyperplasia：BPH）や閉経などといった性に関連する体内の変化が，マイボーム腺の変化とそれに伴うドライアイ症状に相関していると推測される．これらのさまざまな要因によって異常をきたした状態をマイボーム腺機能不全（meibomiangrandCdysfunction：MGD）と称し，MGDを有する患者は眼不快感や乾燥感などの自覚症状をしばしば訴える．MGDの診断は，細隙灯顕微鏡での眼瞼・眼表面の詳細な観察がもっとも重要である．加えて，補助診断や重症度評価方法のために，マイボグラフィーやドライアイ観察装置CDR-1a（興和）などを用いることで病態〔別刷請求先〕有田玲子：〒337-0042さいたま市見沼区南中野C626-11伊藤医院Reprintrequests：ReikoArita,M.D.,Ph.D.,ItoClinic,626-11Minaminakano,Minuma-ku,Saitama-shi,Saitama337-0042,CJAPANC480（104）が可視化され，より本質的な眼表面症状の原因究明が可能となる．今回，筆者らは，BPHで長期間内服治療中の患者を診察し，マイボーム腺の著明な脱落を認めたので報告する．CI症例患者：72歳，男性．主訴：軽度の眼精疲労，乾燥感．既往歴：BPH．治療のため，Ca1交感神経遮断薬をC7年間内服．初診時所見：2016年受診時，軽度の眼精疲労と乾燥感があった．進行した男性型脱毛症（androgeneticCalopecia：AGA）を認め，Norwood-Hamilton（N-H）分類はCV（I.VII）であった．細隙灯顕微鏡では，眼瞼スコアはC1（0.3）と軽度で，眼瞼縁に軽度のCpluggingや瞼縁の不整がみられ，一部Cvascularityがみられた．フルオレセイン染色で，角結膜上皮障害（super.cialCpunctateCkeratopathy：SPK）のスコアはC1（0.9）であり，涙液層破壊時間（tearC.lmCbreakCuptime：BUT）はC1秒と短縮していた．また，マイボーム腺圧迫検査によるCmeibumスコアはC3（0.3）で，meibumの質は悪化していた．非接触型マイボグラフィー（non-contactinfraredmeibography：NCM）によるマイボスコアは上下眼瞼ともにC3（0.3）であり，全体的にマイボーム腺の消失領域がかなり広範囲であった．DR-1Ca（興和）で涙液動態を確認したところ，非侵襲的涙液層破壊時間（non-invasiveCbreakuptime：NIBUT）はC2秒で涙液の状態は非常に不安定であり，油層の干渉縞がまったくみられなかった．しかし，SchirmerI法による涙液機能の評価では，Schirmer値9Cmmで，涙液量はある程度保たれていた．CII考按MGDは「さまざまな原因によってマイボーム腺の機能がびまん性に異常をきたした状態であり，慢性の眼不快感を伴う」と定義されている4）．ところが，軽度のマイボーム腺の変化では自覚症状を伴わないことも多く，症状をきたしていないものは臨床的定義から外そうということになっている．しかし，機能の異常があっても自覚症状が伴わない場合，眼科を受診する可能性は低く，予防や治療を介することなくMGDが重症化する可能性がある．今回，眼科的自覚症状の軽度な患者を診察したが，MGDのリスクファクターであるCBPH5）で治療中であった．細隙灯顕微鏡における眼瞼縁の形態学的評価では，本患者に眼瞼縁の慢性炎症所見やマイボーム腺開口部の閉塞を一部認めたが，いずれも比較的軽症なCMGD所見であった．しかし，フルオレセイン染色による涙液層の評価では，BUT1秒の蒸発亢進型ドライアイを認め，眼表面の安定性は悪かった（図1）．このため，さらに詳細に眼瞼を観察することとし，NCMを用いて形態学的な評価を行ったところ，本症例は，上下眼瞼ともにマイボスコアC3であり，広範囲で高度にマイボーム腺が脱落，短縮している像が観察された（図1）．これらのことから眼瞼縁の形態学的変化以上にマイボーム腺構造の破壊は重度であることが示唆された．つぎに，DR-1Caを使用して機能的な評価を行った．DR-1Caは，中央部を含む角膜全体の涙液動態の観察，油層の定性的観察が可能であり，健常者，水分減少型ドライアイ患者，およびCMGD患者によって干渉縞のパターンが異なる6）．本患者の涙液は不安定であり，油層の干渉縞がまったくみられなかった（図2）．これは，マイボーム腺からのCmeibumの量が絶対的に不足していることを意味しており，NCMで観察したマイボーム腺の形態学的な異常所見を裏付けしているものといえる．検査結果から，マイボーム腺の広範囲な形態異常が考えられ，それに伴いマイボーム腺からのCmeibumの絶対量が不足して眼表面の油層が減少し，蒸発亢進型のドライアイになっていることが考えられた．Schirmer値の明らかな減少は認めておらず，水分層の絶対量不足ではないことからも，油層の減少による水分の蒸発が原因であることが強く示唆される．眼瞼縁周囲の形態学的な異常所見は軽症であったため，マイボーム腺からのCmeibum排出口の閉塞には影響がなかったものと考えられる．NCMは，マイボーム腺内のCmeibumを可視化する．したがって，腺構造は破壊されずに保たれ，腺細胞のCmeibum分泌が抑制されている可能性も考えられる．マイボーム腺からのCmeibum分泌機構は不明の部分が多い．マイボーム腺には神経支配があり，交感神経，副交感神経，あるいはこれらに関連する神経伝達物質の受容体が存在することが組織学的に示されており，性ホルモンの受容体も存在している2,7）．しかし，神経系やホルモンがどのようにマイボーム腺の分泌制御にかかわっているのかはよくわかっていない．本患者はBPHやCAGAを発症していたため，性ホルモンのバランスが崩れていた可能性があることや，Ca1交感神経遮断薬を内服していたため，薬剤の作用がマイボームの分泌制御に関与していた可能性がある．本症例は，眼表面の機能が悪化しているにもかかわらず，自覚症状が軽度であった．眼瞼縁の異常が軽症であることが要因と考えられたが，自覚症状と眼瞼縁の異常所見に関する相関はCStudyによってばらつきがあり，はっきりしたことは不明である8,9）．ドライアイにおける眼痛や眼不快感の発生メカニズムとしては角膜神経による知覚が源流であり，角膜神経と性ホルモンやCa1交感神経遮断薬との関連性が予想される．今後，検討していきたい．今回，眼科的に自覚症状や眼瞼周囲所見の異常が明らかでないにもかかわらず，NCMやCDR-1Caなどの診断検査機器図1症例患者の前眼部所見a：plugging（.），vascularity（.）．b：BUT（1秒），SPK（＋）．c：上眼瞼所見（マイボスコア3）．d：下眼瞼所見（マイボスコア3）．機能に影響を及ぼす疾患，あるいは薬剤使用の患者に対し，これらの機器を用いて前向きに検討することは，MGDの重症化予防に貢献するかもしれない．実際，BPHに有意にドライアイが多いことは大規模な疫学調査で報告があり10,11），閉経に伴うドライアイ症状の変化も報告されている12）．また，国内のCBPHの患者数は高齢化や食の西洋化に伴い増加の一途であり13），経産婦女性人口の減少により14），以前と比べて女性の性ホルモンのバランスに変化が生じている可能性がある．このような変化は，将来的に，多人数のマイボーム腺機能に影響を与え，MGDの有病率が増加することが予測される．今後，日常診療で細隙灯顕微鏡に加え，NCMやCDR-1aなどの機器を合わせて使用することで，MGDのより本質的な症状の原因究明が可能となり，病態に合わせた適切な治療に結びつくことが期待される．文献1）AritaCR,CItohCK,CInoueCKCetal：NoncontactCinfraredCmei-bographytodocumentage-relatedchangesofthemeibo-を用いたことで，マイボーム腺の萎縮や眼表面の涙液層動態Cmianglandsinanormalpopulation.OphthalmologyC115：の異常を確認する結果となった．このことは，MGDの患者C911-915,C2008が報告数以上に潜伏していることを示唆するものと考えられ2）WickhamLA,OnoM,SullivanDAetal：Identi.cationofandrogen,estrogen,andprogesteronereceptormRNAsinる．したがって，性ホルモン関連疾患のようなマイボーム腺図2DR.1aによる眼表面涙液動態の観察NIBUT2秒．不安定な涙液で，まったく油層の干渉縞がみられない．theeye.ActaOphthalmolScandC78：146-153,C20003）SullivanDA,SullivanRM,DanaMRetal：Androgende.-ciency,meibomianglanddysfunction,andevaporativedryeye.AnnNYAcadSciC966：211-222,C20024）天野史郎，有田玲子，木下茂ほか；マイボーム腺機能不全ワーキンググループ：マイボーム腺機能不全の定義と診断基準．あたらしい眼科27：627-31,C20105）SchaumbergDA,NicholsJJ,PapasEBetal：Theinterna-tionalCworkshopConCmeibomianglandCdysfunction：reportCofthesubcommitteeontheepidemiologyof,andassociat-edCriskCfactorsCfor,CMGD.CInvestCOphthalmolCVisCSciC52：C1994-2005,C20116）AritaR,FukuokaS,MorishigeN：FunctionalmorphologyofCtheClipidClayerCofCtheCtearC.lm.CCorneaC36（Suppl1）：CS60-S66,C20177）LeDouxMS,ZhouQ,RyanPetal：Parasympatheticinner-vationCofthemeibomianglandsinrats.InvestOphthalmolVisSciC42：2434-2441,C20018）LekhanontCK,CRojanapornCD,CChuckCRSCetal：PrevalenceCofCdryCeyeCinCBangkok,CThailand.CCorneaC10：1162-1167,C20069）JieY,XuL,WuYYetal：PrevalenceofdryeyeamongadultCChineseCinCtheBeijingCEyeCStudy.CEye（Lond）C23：C688-693,C200910）SchaumbergCDA,CDanaCR,CSullivanCDACetal：PrevalenceCofCdryCeyeCdiseaseCamongCUSmen：estimatesCfromCtheCPhysicians’CHealthCStudies.CArchCOphthalmolC127：763-768,C200911）AlghamdiCYA,CKarpCCL,CGalorCACetal：EpidemiologyCofCmeibomianCglandCdysfunctionCinCanCelderlyCpopulation.CCorneaC35：731-735,C201612）SuzukiCT,CMinamiCY,CKomuroCACetal：MeibomianCglandCphysiologyCinCpre-andCpostmenopausalCwomen.CInvestCOphthalmolVisSciC58：763-771,C201713）厚生統計協会：「患者調査」2002年14）厚生労働省：人口動態統計月報年計．2018年＊＊＊</p>
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		<title>眼瞼温罨法の眼瞼および涙液層に対する効果の検討</title>
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		<pubDate>Mon, 30 Jan 2017 15:23:45 +0000</pubDate>
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		<category><![CDATA[マイボーム腺]]></category>
		<category><![CDATA[マイボーム腺機能不全]]></category>
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		<description><![CDATA[《原著》あたらしい眼科34（1）：115.119，2017c眼瞼温罨法の眼瞼および涙液層に対する効果の検討佐々木美帆＊1,2鎌田さや花＊1,2木下茂＊3鈴木智＊1,2＊1京都市立病院機構＊2京都府立医科大学眼科学教室＊3 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>《原著》あたらしい眼科34（1）：115.119，2017c眼瞼温罨法の眼瞼および涙液層に対する効果の検討佐々木美帆＊1,2鎌田さや花＊1,2木下茂＊3鈴木智＊1,2＊1京都市立病院機構＊2京都府立医科大学眼科学教室＊3京都府立医科大学感覚器未来医療学講座EvaluationofWarmCompressionE.ectsonEyelidsandTearFilmMihoSasaki1,2）,SayakaKamada1,2）,ShigeruKinoshita3）andTomoSuzuki1,2）1）KyotoCityHospitalOrganization,2）DepartmentofOphthalmology,KyotoPrefecturalUniversityofMedicine,3）DepartmentofFrontierMedicalScienceandTechnologyforOphthalmology,KyotoPrefecturalUniversityofMedicine目的：眼瞼非接触式温罨法の眼瞼，マイボーム腺および涙液に対する効果を検討した．方法：健常な男女各6名を対象に，眼瞼に接触せず閉鎖空間で加温が可能な電気機器［目もとエステR（Panasonic）］を用いて，40℃で10分間，14日間連日温罨法を施行した．開始前および15日目の自覚症状（DEQS），サーモグラフィーによる上下眼瞼皮膚温度および角膜温度，涙液層破壊時間（BUT），SchirmerI法，涙液スペキュラー検査（DR-1R）について検討した．結果：単回使用によって上下眼瞼皮膚温度，角膜温度は平均0.8℃.1.7℃上昇し，DR-1Rのgradeが1段階上昇した．開始前，15日目においてDEQSは有意に改善し（平均5.2±3.7→1.9±2.2点，p＜0.05），BUTは延長し（平均5.1±3.8が6.2±3.5秒，p＝0.053），Schirmer値は有意に低下した（21.2±7.7が17.3±7.4mm，p＜0.05）．結論：今回の眼瞼温罨法は，自覚症状，BUT，涙液油層の厚みの改善に有用と考えられた．Purpose：Toevaluatethee.ectsofanon-contact,warmcompressiondeviceoneyelids,meibomianglandsandtear.lm.SubjectsandMethods：Inthisstudy,12healthyvolunteers（6malesand6females）wereenrolled.Anon-contact,warmcompressiondevice（MemotoEstheTM,Panasonic）wasappliedat40°Cfor10minutes,oncedailyfor14days.Subjectivesymptomassessmentusingthedryeyequalityoflifescore（DEQS）,temperaturesoftheupperandlowereyelidaswellasthecentralcornea,.uoresceinbreak-uptime（BUT,inseconds）oftear.lm,SchirmerItestandDR-1TM（Kowa）tear.lmlipidlayer（TFLL）interferometrywereevaluatedbeforeandafter14daysofwarmcompression.Results：AftertheinitialMemotoEstheTMapplication,meaneyelidandcorneatem-peratureswereelevatedby0.8.1.7°CandDR-1TMgradewaselevatedonegrade.After14-days’application,theDEQSsigni.cantlyimproved（5.2±3.8to1.9±2.2,p＜0.05）,meanBUTwasprolonged（5.1±3.8to6.2±3.5sec,p＝0.05）andmeanSchirmerItestvaluewassigni.cantlydecreased（21.2±7.7to17.3±7.4mm,p＜0.05）.Conclu-sion：OurresultssuggestthatwarmcompressionviaMemotoEstheTMimprovessubjectivesymptoms,BUTandTFLLthickness.〔AtarashiiGanka（JournaloftheEye）34（1）：115.119,2017〕Keywords：眼瞼温罨法，マイボーム腺，マイボーム腺機能不全，涙液層破壊時間，涙液油層．eyelidwarmcom-pression,meibomianglands,meibomianglanddysfunction（MGD）,break-uptimeoftear.lm（BUT）,tear.lmlipidlayer.はじめにマイボーム腺機能不全（meibomianglanddysfunction：MGD）は，「さまざまな原因によってマイボーム腺の機能がびまん性に異常をきたした状態であり，慢性の眼不快感を伴う」と定義される1）．MGDのうち日本人で頻度の高い閉塞性MGDでは，マイボーム腺導管内に過剰角化物が蓄積し，マイボーム腺脂（meibum）の分泌が低下し，腺房の萎縮が徐々に進行する2）．閉塞性MGDでは，meibumの粘度上昇・固形化などが生じることで涙液油層が菲薄化し，涙液蒸発亢進型ドライアイを生じる3）．最近の疫学調査では，60歳以上〔別刷請求先〕鈴木智：〒604-8845京都市中京区壬生東高田町1-2京都市立病院機構Reprintrequests：TomoSuzuki.,M.D.,Ph.D.,KyotoCityHospitalOrganization,Higasitakadacho1-2,Nakagyou-ku,Kyoto604-8845,JAPAN図1a目もとエステRの内側給水プレートを装着することでスチーム効果が得られる表1Day0およびDay15の京都市立病院における検査手順Day0（当院）1）DR-1TM（涙液スペキュラー検査）2）スリットランプ（BUTの測定）3）ドライアイQOL質問表（DEQS）の記載4）SchirmerI法（反射性涙液分泌の測定）5）サーモグラフィー（上下眼瞼皮膚温/角膜中央表面温度の測定）6）サーモグラフィー7）DR-1TMDay1.14（自宅）Day15（当院）Day0と同じの日本人の62％がMGDを有しており4），高齢者で眼不快感を訴える患者の65％がMGDを合併している5），VDT作業従事者のドライアイの重症度にはMGDの程度が関与している6）という報告などがあり，MGDが高齢者の眼不快感やドライアイの主要な原因であることが示唆されている．閉塞性MGD患者のmeibumの融点はおよそ35℃で健常者より約3℃高く，眼瞼温罨法による治療が有効とされている7）．過去に報告されている温罨法の機器のほとんどは直接眼瞼皮膚に接触して加温する接触式であるが，接触式温罨法では角膜形状に変化を与える可能性が報告されている8,9）．そこで，筆者らは，非接触式温罨法の効果を検討するため，目もとエステREH-SW52（Panasonic）（図1）を使用し眼瞼，マイボーム腺および涙液に対する影響について検討した．この機器は，眼瞼皮膚に接触せず，閉鎖空間で一定温度を保ち，両眼の上下眼瞼を同時に加温することが可能である．なお，本研究は京都市立病院倫理委員会の承認を得て施行した．I対象および方法対象は，屈折異常以外の眼科的疾患および全身疾患を有さない健常者12例12眼（男性6例，女性6例）で，全例右眼のデータを使用した．なお，今回の対象者には涙液層破壊時間（break-uptimeoftear.lm：BUT）は5秒未満であるが，角結膜上皮障害がなく自覚症状もない症例を含んでいる．MGD確定診断例は含んでいない．また，コンタクトレンズ使用者や使用歴のある者は除外した．平均年齢は39.1±5.4歳（平均±SD，29.46歳），男性：36.5±4.0歳，女性：41.7±5.5歳である．目もとエステREH-SW52（Panasonic）を使用し，40℃で10分間，1日1回，連日14日間眼瞼温罨法を施行した．温罨法施行にあたって対象者を湿熱群と乾熱群の2群に分け，湿熱群は給水プレートを使用して蒸気によるスチーム効果を併用した．一方，乾熱群は給水プレートを使用せず，温熱のみで温罨法を行った．検査項目および手順は，表1に示すとおりである．具体的には，温罨法開始前日（Day0），京都市立病院（以下，当院）にて，1）DR-1Rによる涙液スペキュラー検査，2）BUTの測定，3）ドライアイQOL質問票（DEQS：DryEye-relatedQualityofLifeScore10））の記載，4）SchirmerI法による反射性涙液分泌の測定，5）サーモグラフィー（Ebx40R,FLIR）による上下眼瞼皮膚温度（眼瞼縁中央から2mm）および角膜中央表面温度の測定を施行し，ついで目もとエステRによる眼瞼温罨法（40℃×10分）を施行した後，ただちに再度5）サーモグラフィー，1）DR-1Rの順で施行した．翌日より，14日間各自自宅で1日1回眼瞼温罨法を行い，15日目（Day15）にDay0と同様の項目を同様の手順で測定した．自宅での温罨法施行にあたっては，対象者が毎日行っていることを口頭にて確認した．今回，涙液油層の観察装置としてDR-1Rを用いたが，この装置の観察原理は，角膜上の涙液表面に白色光を投射すると，涙液油層薄膜の表面と裏面からの反射光の光路差から干表2各群のDay0とDay15における検査結果の比較検査項目Day0Day15p値DEQS全体男性5.2±3.72.7±3.51.9±2.20.7±0.8＜0.050.20女性7.7±2.73.2±2.4＜0.05湿熱4.7±3.11.8±2.4＜0.05乾熱5.7±4.22.0±1.90.08温度変化（℃）上眼瞼.＋0.8±0.9＋1.1±1.20.63角膜.＋1.5±1.2＋1.8±1.50.58下眼瞼.＋1.7±1.2＋2.2±1.50.49BUT（秒）全体男性5.1±3.87.0±3.86.2±3.57.6±4.20.050.35女性3.3±2.64.8±1.60.11湿熱5.8±3.66.1±4.00.47乾熱4.4±3.86.3±2.90.08Schirmer値（mm）全体男性21.2±7.722.8±9.617.3±7.418.7±9.6＜0.050.20女性19.5±4.515.8±3.70.05湿熱23.6±6.021.0±8.90.34乾熱19.5±8.914.0±4.70.06DR-1R（grade）施行前施行後1.6±0.6＊2.3±0.41.8±0.8＊＊2.3±0.60.080.67＊p＜0.01＊＊p＜0.05ただし，DR-1Rの平均gradeについては，温罨法単回施行前後における比較も行った．＊：p＜0.01（Day0），＊＊：p＜0.05（Day15）．渉像が得られることに基づいており，涙液油層所見を非侵襲的に観察することが可能である．DR-1Rによる涙液油層所見は，5つのgradeに分類される．Grade1は，干渉色が灰色一色で縞模様が認められないもの，Grade2は，干渉色は灰色一色だが縞模様が認められるもの，Grade3は灰色以外の干渉色が認められるもの，Grade4は観察視野全体に多彩な干渉色が認められるもの，Grade5は角膜表面の少なくとも一部が露出しているものであり，ドライアイのスクリーニングや重症度の評価に有用である11）．なお，統計学的検討にはt-testを用い，有意水準0.05％未満を有意差ありと評価した．II結果結果のまとめを表2に示す．DEQSは，14日間の温罨法によって平均5.17±3.74点（Day0）から1.92±2.18点（Day15）へ有意な改善を認めた（p＜0.05）．男女別では女性群のほうが，湿熱群と乾熱群では，湿熱群のほうが改善が大きかった．DEQSの15項目のうちDay0に頻度が高かったのは，「目が乾く」「目が痛い」「目が疲れる」「目を開けていられない」の4項目であったが，とくに「目が乾く」「目が痛い」の2項目についてはDay15で有意な改善を認めた（p＜0.05）．温罨法単回施行前後の平均温度変化は，Day0では上眼瞼：＋0.80±0.91℃，角膜：＋1.5±1.17，下眼瞼：＋1.73±1.23℃であったが，Day15では上眼瞼：＋1.07±1.21℃，角膜：＋1.80±1.48℃，下眼瞼：＋2.22±1.50℃であった．Day0とDay15を比較すると1回の目もとエステRによる変化量は有意差がなかったものの，すべての部位においてDay15のほうが大きかった．さらに温度上昇幅は下眼瞼がもっとも大きく，ついで角膜，上眼瞼の順であった．また，この温度上昇幅は，Day0においてはいずれの部位でも女性群および湿熱群のほうが大きかった．BUTは，12例中11例で延長を認め，平均5.1±3.8秒（Day0）から6.2±3.5秒（Day0）に変化した（p＝0.053）．男女別にみると，男性では平均7.0±3.8秒から7.6±4.2秒に，女性では平均3.3±2.6秒から4.8±1.6秒に変化した．また，湿熱群では平均5.8±3.6秒から6.1±4.0秒に，乾熱群では平均4.4±3.8秒から6.3±2.9秒に変化した．Schirmer値は，平均21.2±7.7mm（Day0）から17.3±7.4mm（Day15）に有意に低下した（p＜0.05）．12例の内訳は低下9例，不変1例，増加2例であった．男女別にみると，男性では平均22.8±9.6mmから18.7±9.6mmに変化し，女性では19.5±4.5mmから15.8±3.7mmへ低下した（p＝0.05）．また，湿熱群では平均23.6±6.0mmから21.0±8.9mm，乾熱群では平均19.5±8.9mmから14.0±4.7mmに変化した．温罨法1回施行前後におけるDR-1Rの平均gradeは，Day0では1.58±0.64から2.25±0.43に有意に上昇し（p＜0.01），Day15では1.83±0.80から2.33±0.62に有意に上昇した（p＜0.05）．また，温罨法施行前のgradeはDay0に比べてDay15のほうが高い傾向にあった（p＜0.1）．なお，性別および湿熱・乾熱には有意差を認めなかった．III考按閉塞性MGDの治療として，抗菌薬を用いた薬物療法12）や閉塞した開口部のプロービング13），瞼縁の清拭とともに眼瞼温罨法の有効性がこれまでに報告されている14,15）．眼瞼温罨法はマイボーム腺の温度を上げて内容物の脂質を柔らかくして排出する温熱療法であり，Olsonら15）によると，閉塞性MGD患者に対し5分間蒸しタオルによる温罨法を行うことで涙液油層の厚みが80％以上増加し，15分間行うとさらに20％増加すると報告されている．この報告ではスペキュラーマイクロスコープを用いて干渉色のパターンから涙液油層の厚みを算出しており，涙液油層の厚みの増加により自覚症状が著明に改善したと考察している．温罨法の機器は現在複数市販されているが，各々の機器の発熱の原理は異なっている．鉄の酸化反応を利用したもの16），温熱器による加熱とアイカップによる加圧を併用したもの17），赤色光照射によって血行を促進するもの18）などがあるが，これらはいずれも直接眼瞼皮膚に接触してマイボーム腺を温める接触式機器である．有田ら19）は，複数の温罨法機器の健常者およびMGD患者に対する効果を比較検討している．このなかで，接触式・乾熱型機器の代表例であるアズキノチカラRによって，BUT，瞼結膜温度，マイボグラフィー所見が目もとエステRなどの湿熱式機器に比べ有意な改善を認めたとしている．有田らの検討では，機器の使用時間が一律5分間であるが，目もとエステRは設定温度に到達するまでに2分間を要するため，5分間では十分な温罨法効果が得られなかった可能性が推測される．今回の筆者らの検討では，被験者に40℃に到達するまでの2分間を含め，計12分間目もとエステRを装着することで十分な温罨法効果を得られた結果，非接触式・湿熱式である目もとエステRでも，自覚症状（DEQS），眼表面温度，涙液油層所見の改善を認めることができたと考えられる．既報の多くが接触式機器を用いて眼瞼温罨法の効果を検討しているが，接触式機器は，角膜形状に変化を与え，視力や屈折値に影響を及ぼす可能性が示唆されている8,9）．一方，今回筆者らが眼瞼温罨法に用いた目もとエステRは，40℃×10分間の加温とともに，蒸気による保湿が可能なゴーグル型であり，直接眼瞼皮膚には接触しない機器である．目もとエステRによる眼瞼温罨法を1回施行することで上下眼瞼皮膚温および角膜温が有意に上昇した．動物モデルでは，水晶体蛋白は40℃の熱に2分間直接接触すると変性を生じ始めることが報告されている20）．また，44.4.45℃で30分間温罨法を施行した場合，角膜上皮障害（Fischer-Schweitzerpolygonalre.ex）や一過性の視力低下を生じるとされている21）．さらに皮膚に関しては，45℃に35.5分間直接接触し続けると組織浮腫が生じるという報告22）がある．今回の対象症例では角膜表面温度が37.9℃を超えるものはなく，眼瞼皮膚温度が38.5℃を超えるものもなく，施行前後で視力変化の訴えもなかったことから，目もとエステRを用いた温罨法は安全に施行できると考えられた．さらに，温罨法を2週間継続することで「眼が乾く」「眼が痛い」「眼が疲れる」といった眼症状に関する自覚症状が有意に改善し，QOLの向上につながる可能性が考えられた．有田ら23）は，涙液油層と水層が相補的な関係にあり，MGD患者では涙液分泌が増加していることを報告している．今回，Day15ではDay0に比べて有意にSchirmer値が低下する一方で，DR-1Rのgradeは上昇していた．DR-1Rのgrade上昇は，マイボーム腺からのmeibumの分泌が増加し，結果として涙液油層の厚みが増加した可能性が推測される．今回のSchirmer値の低下は涙液水層の減少と捉えられるが，温罨法に伴う涙液油層の増加と相補的な関係にある変化と考えられる．また，涙液油層の厚みが増加して涙液の蒸発が抑制されることによりBUTが延長し，その結果，自覚症状が改善した可能性が示唆された．今回の検討の対象は正常者であるが，MGD患者に対して目もとエステRを用いた温罨法を行った場合も涙液油層が増加することで自覚症状，BUT，涙液油層の厚みを改善する効果が期待できると考えられた．利益相反：佐々木美帆，鎌田さや花，鈴木智：利益相反公表基準に該当なし．木下茂：利益相反公表基準に該当あり（目もとエステR機器の供与を得た）文献1）天野史郎，有田玲子，木下茂ほか：マイボーム腺機能不全の定義と診断基準．あたらしい眼科27：627-631,20102）小幡博人，堀内啓，宮田和典ほか：剖検例72例におけるマイボーム腺の病理組織学的検討．日眼会誌98：765-771,19943）BronAJ,Ti.anyJM.：Thecontributionofmeibomiandis-easetodryeye.OculSurf2：149-164,20044）UchinoM,DogruM,YagiYetal：ThefeaturesofdryeyediseaseinaJapaneseelderlypopulation.OptomVisSci83：688-693,20065）ShimazakiJ,SakataM,TsubotaK.：Ocularsurfacechang-esanddiscomfortinpatientswithmeibomianglanddys-function.ArchOphthalmol113：1266-1270,19956）WuH,WangY,DongNetal：Meibomianglanddysfunc-tiondeterminestheseverityofthedryeyeconditionsinvisualdisplayterminalworkers.PLosOne9：e105575,20147）McCulleyJP,ShineWE：Thelipidlayeroftears：depen-dentonmeibomianglandfunction.ExpEyeRes78：361-365,20048）McMonniesCW,KorbDR,BlackieCA：Theroleofheatinrubbingandmassage-relatedcornealdeformation.ContLensAnteriorEye35：148-154,20129）SolomonJD,CaseCL,GreinerJVetal：WarmcompressinducedvisualdegradationandFischer-Schweitzerpolyg-onalre.ex.OptomVisSci84：580-587,200710）SakaneY,YamaguchiM,YokoiN：Developmentandvali-dationoftheDryEye-RelatedQuality-of-LifeScoreques-tionnaire.JAMAOphthalmol131：1331-1338,201311）YokoiN,TakehisaY,KinoshitaS：Correlationoftearlipidlayerinterferencepatternswiththediagnosisandseverityofdryeye.AmJOphthalmol122：818-824,199612）FoulksGN,BorchmanD,YappertMetal：Topicalazithro-mycinandoraldoxycyclinetherapyofmeibomianglanddysfunction：acomparativeclinicalandspectroscopicpilotstudy.Cornea32：44-53,201313）MaskinSL：Intraductalmeibomianglandprobingrelievessymptomsofobstructivemeibomianglanddysfunction.Cornea29：1145-1152,201014）GotoE,MondenY,TakanoYetal：Treatmentofnon-in.amedobstructivemeibomianglanddysfunctionbyinfraredwarmcompressiondevice.BrJOphthalmol86：1403-1407,200215）OlsonMC,KorbDR,GreinerJV：Increaseintear.lmlipidlayerthicknessfollowingtreatmentwithwarmcom-pressesinpatientswithmeibomianglanddysfunction.EyeContactLens29：96-99,200316）MoriA,ShimazakiJ,ShimmuraSetal：Disposableeye-lid-war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		<title>難治性角膜フリクテンの1例</title>
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		<pubDate>Mon, 30 Mar 2015 15:21:53 +0000</pubDate>
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		<category><![CDATA[プロピオニバクテリウムアクネス]]></category>
		<category><![CDATA[マイボーム腺機能不全]]></category>
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		<description><![CDATA[《原著》あたらしい眼科32（3）：405.408，2015c難治性角膜フリクテンの1例新澤恵＊1冨田隆太郎＊1伊勢重之＊1齋藤昌晃＊1伊藤健＊1,2石龍鉄樹＊1＊1福島県立医科大学医学部眼科学講座＊2伊藤眼科ACaseo [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>《原著》あたらしい眼科32（3）：405.408，2015c難治性角膜フリクテンの1例新澤恵＊1冨田隆太郎＊1伊勢重之＊1齋藤昌晃＊1伊藤健＊1,2石龍鉄樹＊1＊1福島県立医科大学医学部眼科学講座＊2伊藤眼科ACaseofSeverePhlyctenularKeratitisMegumiShinzawa1）,RyutaroTomita1）,ShigeyukiIse1）,MasaakiSaito1）,TakeshiIto1,2）andTetsujuSekiryu1）1）DepartmentofOphthalmology,FukushimaMedicalUniversitySchoolofMedicine,2）ItoEyeClinic難治性角膜フリクテンに，抗菌薬の局所および全身投与が有効であった症例を経験した．症例は14歳，女児．4年前から結膜炎・霰粒腫を繰り返していた．複数の医療機関を受診し，確定診断がつかないまま点眼による加療が行われたが，眼痛と視力低下が進行し福島県立医科大学眼科へ紹介された．初診時，視力は右眼矯正0.4，左眼矯正1.0，両眼に球結膜の充血・角膜周辺に複数の小円型の浸潤病巣を，右眼には角膜耳側に結節性細胞浸潤とそれに向かう血管侵入，瞳孔領に及ぶ角膜上皮下混濁を認め，角膜フリクテンと診断した．また，マイボーム腺開口部に閉塞を認めた．抗菌薬とステロイド薬の点眼にて加療したが改善せず，ステロイド薬の中止と抗菌薬の頻回点眼，ミノマイシンの内服で加療したところ，治療に反応し右眼矯正視力は1.2に改善した．本症例はマイボーム腺炎に関連した病態を呈しており，マイボーム腺炎角結膜上皮症を示唆する症例と考えられた．A14-year-oldfemalewithoverfouryears’historyofrecurrentconjunctivitisandchalazionwasreferredtoourhospital.Shealsocomplainedofeyepainandblurredvisionatpresentation.Althoughshehadbeentreatedwitheyedropsatseveralclinics,herconditionhadnotimproved.Oninitialexamination,herbest-correctedvisualacuity（BCVA）was20/50righteyeand20/20lefteye.Shehadbilateralconjunctivalhyperemiaandinfiltrations,withanoduleinherrighteyeconsistingofsub-epithelialtostromalcellularinfiltration,andsuperficialcornealneovascularization.Meibomianglandorificeobstructionswerealsoobserved.Shewasthereforediagnosedwithphlyctenularkeratitisandtreatedwithtopicalantibioticsandcorticosteroids,netherofwhich,however,waseffective.Wechangedthetreatmenttotopicalandoralantibioticswithoutcorticosteroids.Finally,theinflammationsubsided.Inthisparticularcase,mibomitismayhavebeenstronglyrelatedtothephlyctenularkeratitis.〔AtarashiiGanka（JournaloftheEye）32（3）：405.408,2015〕Keywords：角膜フリクテン，マイボーム腺炎角結膜上皮症，マイボーム腺機能不全，プロピオニバクテリウムアクネス，抗菌薬．phlyctenularkeratitis,meibomitis-relatedkeratoconjunctivitis,meibomianglanddysfunction,Propionibacteriumacnes,antibiotictherapy.はじめに角膜フリクテンは，マイボーム腺炎を高率に合併し再発を繰り返すことが知られている．近年，細菌増殖によると考えられるマイボーム腺炎に関連した角膜上皮障害を生じる疾患群を，マイボーム腺炎角結膜上皮症として捉えることが提唱されている1,2）．その病型は，角膜に結節性細胞浸潤と血管侵入を伴う「フリクテン型」と，点状表層角膜症を主体とした「非フリクテン型」の2つに大別される1,2）．両病型ともに，マイボーム腺内における細菌増殖がその病因であると考えられている1,3）．今回，フリクテン型のマイボーム腺炎角結膜上皮症に対し，抗菌薬を使用し改善をみたが，抗菌薬減量とステロイド薬点眼の追加により悪化した症例を経験したので報告する．I症例患者：14歳，女性．主訴：右眼視力低下，眼痛，流涙．既往歴：アレルギー性鼻炎．現病歴：2009年頃から，結膜炎・霰粒腫を繰り返し，複数の医療機関を受診していた．2013年1月頃より，眼痛と〔別刷請求先〕新澤恵：〒960-1295福島県福島市光が丘1番地福島県立医科大学医学部眼科学講座Reprintrequests：MegumiShinzawa,M.D.,DepartmentofOphthalmology,FukushimaMedicalUniversity,1Hikarigaoka,Fukushima960-1295,JAPAN0910-1810/15/\100/頁/JCOPY（95）405abcdeabcde図1初診時の右眼前眼部写真a：著明な球結膜充血，角膜耳側に結節性細胞浸潤と血管侵入．b,c：上下眼瞼縁全体に，マイボーム腺開口部の閉塞と炎症．d,e：角膜上皮下混濁は瞳孔領に及び，一部潰瘍を形成．e：フルオレセイン染色．abcde図2初診時の左眼前眼部写真a：球結膜充血．b,c：眼瞼縁の不整と瞼結膜の充血．d,e：輪部中心に角膜浸潤病巣が多発．e：フルオレセイン染色．視力低下が進行したため，近医眼科より福島県立医科大学眼科（以下，当科）へ紹介され，2013年7月，当科を受診した．初診時所見：視力は右眼0.4（n.c.），左眼0.8（1.0）であった．右眼前眼部は，球結膜の著明な充血と，角膜耳側に結節性細胞浸潤と血管侵入を認めたため，角膜フリクテンと診断した（図1）．角膜上皮下混濁は瞳孔領に及び，一部潰瘍を形成しており，視力低下の原因と考えられた．また，上下眼瞼縁全体に，マイボーム腺開口部の閉塞と炎症所見を認めた（図1b,c）．左眼前眼部にも球結膜充血を認め，角膜輪部を主体に角膜浸潤病巣が多発しており，上下眼瞼縁の不整と瞼結膜の充血を認めた（図2）．また，顔面には著明な皮疹を認めた．結膜.ぬぐい液，マイボーム腺分泌物の培養を施行したが，結果は陰性であった．顔面の皮疹に関しては，皮膚科専門医により.瘡と診断された．皮膚膿疱の培養も施行したが，結果は陰性であった．406あたらしい眼科Vol.32，No.3，2015経過：マイボーム腺炎が原因の角膜フリクテンと考えられたため，抗菌薬の局所投与による治療を開始した．0.5％セフメノキシム点眼，0.3％トブラマイシン点眼，エリスロマイシン眼軟膏を投与したところ，初診より10日目には，球結膜充血と角膜浸潤所見が軽快したため，抗菌薬の減量と0.1％フルオロメトロン点眼を追加したところ，19日目，マイボーム腺炎および角膜病変が悪化した（図3）．そこで，0.1％フルオロメトロン点眼の中止，上下眼瞼縁全体のマイボーム腺梗塞に対しマイボーム腺圧迫鉗子での圧出を，マイボーム腺炎の強いところには開口部にメスでの小切開を加え圧出を施行，および抗菌薬を，0.5％セフメノキシムと0.5％モキシフロキサシンの頻回点眼（1時間毎），0.3％オフロキサシン眼軟膏に変更し，ミノマイシン200mgの内服を追加したところ，数日で速やかに眼表面の炎症は軽減し，右眼視力は24日目には（0.9），39日目には1.2（n.c.）に改善した（図4）．その後は点眼を漸減継続し，寛解を維持している（96）（図5）．II考按角膜フリクテンは若年女性に好発し，再発を繰り返す難治性の疾患である．その所見は，角膜に結節性細胞浸潤とそれに向かう表層性血管侵入を認め，対応する球結膜に充血を認ab図3悪化時の右眼前眼部写真（病日19）a：マイボーム腺炎の悪化と同期して，角膜病変も悪化した．b：マイボーム腺部の拡大．開口部にメスでの小切開を加えた．めるのが特徴的である1）．フリクテンの発症には，遅延型過敏反応（IV型アレルギー反応）が関与すると考えられており，種々の細菌をはじめとする病原体成分が抗原になると考えられてきた4）．1950年代の結核蔓延期には，非衛生的な環境で暮らすツベルクリン反応陽性の小児に多いとされ，抗原として結核菌が注目された5）．また，1951年には，Thygesonにより非結核性のフリクテン症例でStaphylococcusaureusによるものが報告されている5）．他にも，Candida，Chlamydia，Coccidioides，線虫などさまざまな報告がある6,7）．わが国でも，結膜.および眼瞼縁などの細菌培養から，Corynebacterium，a-Streptococcus，coagulasepositiveStaphylococcus，Staphylococcusaureus，Staphylococcusepidermidis，Neisseriaなどが報告されているが，各菌種の検出率は11.75％とばらつきがあり，いずれも症例数が4.8例と少ない8.10）．角膜フリクテンではマイボーム腺炎を高率に合併し，マイ図4寛解時の右眼前眼部写真（病日39）マイボーム腺炎は改善し，結節病巣は瘢痕化した．図5治療経過抗菌薬の点眼を開始し一旦軽快したが，抗菌薬の減量とステロイド薬点眼の追加で悪化した．ステロイド薬点眼の中止とマイボーム腺の切開・圧出，および抗菌薬の頻回点眼と全身投与で速やかに改善し，その後は寛解を維持している．（97）あたらしい眼科Vol.32，No.3，2015407ボーム腺炎の改善に伴って角膜病変も改善することが知られており，稲毛らは，自験例15眼において，マイボーム腺梗塞や霰粒腫の合併または既往は73％にみられたと報告している8）．2005年，鈴木らは，角膜フリクテン患者20例におけるマイボーム腺分泌物の細菌培養において，12例（60％）でPropionibacteriumacnesが検出され，コントロール群に比べ有意差があったことから，P.acnesが角膜フリクテンの起炎菌となりうる可能性を報告し，角膜フリクテンを含めたマイボーム腺炎に関連した角膜上皮障害を主体とする疾患群を「マイボーム腺炎角結膜上皮症」と呼ぶことを提唱した1,3）．本症例は，若年女性の角膜フリクテンで，霰粒腫の既往があり，マイボーム腺炎と角膜病変の増悪と軽快が同期していたことから，マイボーム腺炎角結膜上皮症（フリクテン型）と考えられた．起因菌としてP.acnesを疑い培養などを行ったが，同定には至らなかった．培養が陰性であった理由には，採取できる検体量が少なかったこと，嫌気培養ができなかったことなどが考えられ，採取および培養条件の再検討が必要であると考えられた．筆者らは，培養が陰性であることから，カタル性角膜浸潤，ブドウ球菌性眼瞼炎，酒.性眼瞼炎なども鑑別し治療を行った．角膜フリクテンは，前眼部感染アレルギーと認識されており，治療には病巣の消炎療法としてのステロイド薬と，感染病巣の治療としての抗菌療法に分けて考えられている4）．ステロイド薬の使用は，一見，遅延型過敏反応の病態の理に沿うものと考えられるが，一時的な効果はみられるものの，遷延化する症例も多いことや感染症を悪化させることが報告されている11）．本症例の経過から，初診時には結節および潰瘍が形成され細胞浸潤が角膜実質深層に及んでおり，旺盛な結節形成期であったと考えられる．抗菌薬の点眼を開始し一旦軽快したが，抗菌薬の減量とステロイド薬点眼の追加で悪化した．ステロイド薬点眼の中止とマイボーム腺の切開・圧出，および抗菌薬の頻回点眼と全身投与で改善を得るに至った．既報でも，ステロイド薬の併用は必須ではなく，ステロイド薬単独あるいは不十分な抗菌薬とステロイド薬の併用投与では再発あるいは遷延化を促す可能性について報告されていることからも，注意を要する12）．しかしながら本症例では，当初，培養結果の確認までの間，前医よりの抗菌薬をそのまま継続してしまったこと，培養が陰性であったことより，鑑別疾患を広くカバーしようと抗菌薬の選択に一貫性を欠く結果となった．初期の段階で，的を絞った抗菌薬の投与ができなかったところに，ステロイド薬を併用したため，マイボーム腺内の除菌が不十分となり，細菌関連抗原が残留したことで再燃に至り，難治性となったものと推測される．ステロイド薬を併用する際には，抗菌薬の適切な使用による十分な除菌が重要であると考えられた．この経過は，マイボーム腺内における細菌増殖がその病因と捉える「マイボーム腺炎角結膜上皮症」の定義を裏付けるものと考えられた．既報にも，難治性角膜フリクテンの治療として，抗生物質点滴大量療法が有効であったとする報告もあり13），本症例においても，十分な抗菌薬投与によりアレルギー反応を引き起こす起因菌を除去することが治療の鍵であったと考えられた．本症例は，2014年3月現在も経過観察を続けているが，寛解を維持し，視力も良好に保たれている．寛解増悪を繰り返す若年女性の角膜フリクテンでは，マイボーム腺炎角結膜上皮症を念頭に置き，本症例のような重症例では抗菌薬の頻回点眼，全身投与が有効であると考える．文献1）鈴木智，横井則彦，佐野洋一郎ほか：マイボーム腺炎に関連した角膜上皮障害（マイボーム腺炎角膜上皮症）の検討．あたらしい眼科17：423-427,20002）SuzukiT：Meibomitis-relatedkeratoconjunctivitis：implicationsandclinicalsignificanceofmeibomianglandinflammation.Cornea31：S41-S44,20123）SuzukiT,MitsuishiY,SanoYetal：Phlyctenularkeratitisassociatedwithmeibomitisinyoungpatients.AmJOphthalmol140：77-82,20054）齋藤圭子：フリクテン．眼科46：667-673,20045）ThygesonP：Theetiologyandtreatmentofphlyctenularkeratoconjunctivitis.AmJOphthalmol34：1217-1236,19516）ThygesonP：Observationsonnontuberculousphlyctenularkeratoconjunctivitis.TransAmAcadOphthalmolOtolaryngol58：128-132,19547）JefferyMP：Oculardiseasescausedbynematodes.AmJOphthalmol40：41-53,19558）稲毛佐知子，齋藤圭子，伊東眞由美ほか：角膜フリクテン10例の臨床的検討．日眼会誌102：173-178,19989）西信亮子，原英徳，日比野剛ほか：角膜フリクテンの起炎菌に関する検討．眼紀49：821-825,199810）窪野裕久，水野嘉信，重安千花ほか：難治性とされたフリクテン性角結膜炎，カタル性角膜潰瘍の要因．あたらしい眼科27：809-813,201011）金指功，秦野寛，内尾英一ほか：フリクテン性角膜炎の臨床的検討．眼臨88：1222-1227,199412）高橋順子，外園千恵，丸山邦夫ほか：免疫不全症に合併したマイボーム腺炎角膜上皮症に抗菌薬投与が奏功した1例．眼紀55：364-368,200413）鈴木智，横井則彦，木下茂：角膜フリクテンに対する抗生物質点滴大量投与の試み．あたらしい眼科15：11431145,1998408あたらしい眼科Vol.32，No.3，2015（98）</p>
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		<title>マイボーム腺機能不全の定義と診断基準</title>
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		<pubDate>Sun, 30 May 2010 15:10:04 +0000</pubDate>
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		<description><![CDATA[0910-1810/10/\100/頁/JCOPY発の抑制，涙液安定性の促進，涙液の眼表面への伸展の促進，眼瞼縁における涙液の皮膚への流出の抑制，などの働きをしている（表1）1）．マイボーム腺機能不全（meibomian [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>0910-1810/10/\100/頁/JCOPY発の抑制，涙液安定性の促進，涙液の眼表面への伸展の促進，眼瞼縁における涙液の皮膚への流出の抑制，などの働きをしている（表1）1）．マイボーム腺機能不全（meibomianglanddysfunction：MGD）という言葉は，1982年にGutgeselによりI背景マイボーム腺は瞼板内にあり上下の眼瞼縁に開口部を持つ脂腺である．マイボーム腺から分泌される脂質（meibum）は，眼瞼縁や涙液最表層に分布して，涙液蒸（55）627＊ShiroAmano：マイボーム腺機能不全ワーキンググループ，東京大学大学院医学系研究科外科学専攻眼科学〔別刷請求先〕天野史郎：〒113-8655東京都文京区本郷7-3-1東京大学大学院医学系研究科外科学専攻眼科学あたらしい眼科27（5）：627.631，2010c総説マイボーム腺機能不全の定義と診断基準DefinitionandDiagnosticCriteriaforMeibomianGlandDysfunction天野史郎＊（マイボーム腺機能不全ワーキンググループ＊＊）＊＊マイボーム腺機能不全ワーキンググループ：天野史郎・有田玲子（東京大学），木下茂・横井則彦・外園千恵・小室青・鈴木智（京都府立医科大学）・島.潤・田聖花（東京歯科大学），前田直之・高静花（大阪大学），堀裕一（東邦大学），西田幸二・久保田久世（東北大学），後藤英樹（鶴見大学），山口昌彦（愛媛大学），小幡博人（自治医科大学），山田昌和（東京医療センター），村戸ドール・小川葉子・松本幸裕・坪田一男（慶應義塾大学）（順不同）〔本研究は，ドライアイ研究会の下に作られたMGDワーキンググループによる研究成果である．〕マイボーム腺機能不全（meibomianglanddysfunction：MGD）は重要な疾患であるが，定義や診断基準が定められていない．今回，MGDの定義，分類，診断基準を作成した．MGDの定義は，「さまざまな原因によってマイボーム腺の機能が瀰漫性に異常をきたした状態であり，慢性の眼不快感を伴う」である．MGDの分類としては，分泌減少型と分泌増加型がある．①自覚症状，②マイボーム腺開口部周囲異常所見，③マイボーム腺開口部閉塞所見，の3項目すべてを満たす場合に，分泌減少型MGDと診断する．②は血管拡張，粘膜皮膚移行部の前方または後方移動，眼瞼縁不整のうち少なくとも1つがある場合に陽性とする．③は，マイボーム腺開口部閉塞所見（plugging，pouting，ridge）があり，かつ拇指による眼瞼の中等度圧迫でマイボーム腺から油脂の圧出が低下している場合に陽性とする．Althoughmeibomianglanddysfunction（MGD）isanimportantdisease,itsdefinitionanddiagnosticcriteriaarenotdefinedasyet.JapanesespecialistsinMGDhavedeterminedthedefinition,classificationanddiagnosticcriteriaofMGD,thedefinitionbeingasfollows：Meibomianglanddysfunctionisadiseaseinwhichmeibomianglandfunctionisdiffuselyabnormal,duetovariouscauses,withaccompanyingchronicoculardiscomfort.MGDisclassifiedintohypo-secretoryandhyper-secretorytypes.Hypo-secretoryMGDshouldbediagnosedwhenallofthreecriteria（symptoms,abnormalfindingsaroundtheorificesandfindingsindicatingorificeobstruction）arepositive.Abnormalfindingsaroundtheorificesshouldbejudgedpositivewhenatleastoneofthreefindings（irregularlidmargin,vascularengorgementandanteriororposteriorreplacementofthemucocutaneousjunction）isrecognized.Findingsindicatingorificeobstructionshouldbejudgedpositivewhenbothfindingsindicatingmeibomianglandorificeobstruction（plugging,poutingandridging）anddecreasedmeibomiansecretionarerecognized.〔AtarashiiGanka（JournaloftheEye）27（5）：627.631,2010〕Keywords：マイボーム腺機能不全，定義，診断基準，ドライアイ．meibomianglanddysfunction,definition,diagnosticcriteria,dryeye.628あたらしい眼科Vol.27，No.5，2010（56）初めて使われて以来2），マイボーム腺機能に異常をきたした状態を呼称する際に臨床で使用されるようになっている．実際に眼不快感などの症状を主訴に眼科を訪れる患者のうちのかなりの割合でMGDがその原因となっており，多くの患者でqualityoflifeの低下をひき起こしていると考えられる．このようにMGDは臨床的に重要な疾患であるにもかかわらず，①炎症や常在細菌の関与を伴う場合と伴わない場合があり臨床像が多様である，②軽症例から重症例まで重症度が広範囲にわたる，③これまで定義や診断基準がなかった，④効果的な治療が少ない，などの理由で，眼科一般臨床においてあまり大きな注意を払われてこなかった．こうした背景をもとにMGDの定義や診断基準を作成しようという動きが国内に生まれ，2008年からドライアイ研究会（世話人代表：坪田一男）のもとにMGDワーキンググループ（代表：天野史郎）が作られた．MGDワーキンググループはこれまでに数回にわたる全体会議を行い，以下に示すMGDの定義，分類，診断基準を作成した．IIMGDの定義MGDの定義を表2に示す．MGDは原発性のものと，アトピー，Stevens-Johnson症候群，移植片対宿主病，眼感染症などに続発する場合がある．マイボーム腺に発生する疾患としては，霰粒腫，内麦粒腫などがある．これらが局所的な疾患であるのに対して，MGDはマイボーム腺機能が瀰漫性に障害されている．そして，MGDは眼不快感，乾燥感などの自覚症状を伴う．IIIMGDの分類MGDの分類を表3に示す．MGDは大きく分泌減少型と分泌増加型に分けられる．臨床における頻度は分泌減少型のほうが分泌増加型よりもはるかに高い．分泌減少型MGDは閉塞性，萎縮性，先天性などの原発性のものと，アトピー，Stevens-Johnson症候群，移植片対宿主病，トラコーマなどに続発するものがある．分泌減少型MGDでは，原発性のなかの閉塞性のものが最も頻度が高い．原発性のなかの閉塞性ではマイボーム腺導管内に過剰角化物が蓄積し，マイボーム腺脂の分泌が低下し，マイボーム腺の腺房の萎縮が徐々に進行する3）．原発性のなかの萎縮性というのは導管の閉塞から続発するのではなく，腺房が原発性に萎縮するものを指す．続発性ではさまざまな原因によってマイボーム腺開口部の閉塞が起き，マイボーム腺脂の分泌が減少する．分泌増加型MGDも同様に，原発性のものと，眼感染症や脂漏性皮膚炎などに続発するものに分けられる．分泌増加型MGDではマイボーム腺からの油脂分泌が過剰になっているが，これを分泌減少型MGDの前段階と捉える考え方と，分泌減少型MGDとは別の疾患と捉える考え方があり，病態の理解に幅がある1）．また，臨床の場においては，分泌減少型MGDのほうが，分泌増加型MGDよりも圧倒的に症例数が多い．こうした理由から，今回の提案のなかでは，分泌減少型MGDの診断基準のみを提案する．今後，分泌増加型MGDの病態の理解に関するコンセンサスがある程度固まってきた段階で，分泌増加型MGDの診断基準を提案することを予定している．IV分泌減少型MGDの診断基準分泌減少型MGDの診断基準を表4に示す．一般の眼科外来で施行可能な検査項目のみを診断基準に組み込んだ．分泌減少型MGDの診断に必要な項目は大きく分けて3つあり，1．自覚症状，2．マイボーム腺開口部周囲異常所見，3．マイボーム腺開口部閉塞所見である．これら3項目すべてを満たす場合に，分泌減少型MGDと診断する．分泌減少型MGDの自覚症状としては，眼不表1マイボーム腺分泌脂の働き1．涙液の蒸発を抑制する．2．涙液の安定性を促進する．3．涙液の眼表面への伸展を助ける．4．眼瞼縁における涙液の皮膚への流出を抑制する．5．平滑な涙液表面の形成を助ける．6．潤滑油としてまばたきの摩擦を減らす．表2マイボーム腺機能不全の定義さまざまな原因によってマイボーム腺の機能が瀰漫性に異常をきたした状態であり，慢性の眼不快感を伴う．表3マイボーム腺機能不全の分類1．分泌減少型①原発性（閉塞性，萎縮性，先天性）②続発性（アトピー，Stevens-Johnson症候群，移植片対宿主病，トラコーマ，などに続発する）2．分泌増加型①原発性②続発性（眼感染症，脂漏性皮膚炎，などに続発する）（57）あたらしい眼科Vol.27，No.5，2010629表4分泌減少型マイボーム腺機能不全の診断基準以下の3項目（自覚症状，マイボーム腺開口部周囲異常所見，マイボーム腺開口部閉塞所見）が陽性のものを分泌減少性MGDと診断する．1．自覚症状眼不快感，異物感，乾燥感，圧迫感などの自覚症状がある．2．マイボーム腺開口部周囲異常所見①血管拡張②粘膜皮膚移行部の前方または後方移動③眼瞼縁不整①.③のうち1項目以上あるものを陽性とする．3．マイボーム腺開口部閉塞所見①マイボーム腺開口部閉塞所見（plugging，pouting，ridgeなど）②拇指による眼瞼の中等度圧迫でマイボーム腺から油脂の圧出が低下している．①，②の両方を満たすものを陽性とする．図1マイボーム腺開口部周囲の血管拡張図5マイボーム腺開口部のridgepluggingの間を橋渡しするような分泌物の所見がある．図3眼瞼縁の不整下眼瞼の角膜と接触するラインが所々へこんだ不整なラインとなっている．図2粘膜皮膚移行部の前方移動リサミングリーンで染色される結膜が上眼瞼鼻側で前方移動している．図4マイボーム腺開口部のpluggingマイボーム腺開口部の閉塞所見．630あたらしい眼科Vol.27，No.5，2010（58）快感，異物感，乾燥感，圧迫感などが多い．分泌減少型MGDのマイボーム腺開口部周囲異常所見は血管拡張（図1），粘膜皮膚移行部の前方4）または後方移動5）（図2），眼瞼縁不整（図3）があり，これら3つの所見のうち少なくとも1つがある場合，マイボーム腺開口部周囲異常所見陽性とする．マイボーム腺開口部閉塞所見の判定においては，まず細隙灯顕微鏡でマイボーム腺開口部閉塞所見（plugging，pouting，ridgeなど．図4，5）があることを確認し，さらに拇指による眼瞼の中等度圧迫でマイボーム腺から油脂の圧出が低下していることを確認する．この2つの所見が両者ともあるときにマイボーム腺開口部閉塞所見が陽性であると判定する．眼瞼を圧迫して出てくるマイボーム腺脂の量や性状に関しては，半定量的な判定法が提案されてきた5.7）．たとえば島.分類では，上眼瞼を拇指で圧迫して出るmeibumを，grade0：透明なmeibumが容易に出る，grade1：軽い圧迫で混濁したmeibumが出る，grade2：中等度以上の強さの圧迫で混濁したmeibumが出る，grade3：強い圧迫でもmeibumが出ない，の4段階に評価し，grade2以上を異常と考える．拇指による眼瞼の中等度圧迫でマイボーム腺から油脂の圧出が低下していること，という今回提案している判定を正しく行うためには，普段から正常者やMGD疑い患者などでの，圧迫時のマイボーム腺脂の分泌のされ方を観察し，マイボーム腺脂の分泌の程度を判定する目を養う必要がある．また，正常者や分泌減少型MGDでの眼瞼圧迫時のマイボーム腺脂の分泌のされ方を提示するビデオを，ドライアイ研究会のホームページ内に掲載したので，参考のためにご覧いただきたい．V分泌減少型MGDの診断に関する他の参考所見分泌減少型MGDの診断に必要な項目として，自覚症状，マイボーム腺開口部周囲異常所見，マイボーム腺開口部閉塞所見の3項目をあげたが，これ以外にも分泌減少型MGDの診断の参考となる検査所見があり，それらを表5に示した．マイボグラフィーは，翻転した瞼の裏から光を透過させたり，赤外線カメラや赤外線フィルターを用いて眼瞼を観察したりして，マイボーム腺の形態を観察する装置である8.12）．分泌減少型MGDではマイボーム腺の脱落や短縮が観察され，分泌減少型MGDの診断に有用な検査である．涙液スペキュラーは涙液油層の分布や伸展動態を評価できる13,14）．マイボメトリーは眼瞼縁にある貯留した油脂の量を定量的に評価できる15）．涙液蒸発率測定は眼を密閉されたゴーグルで覆い，涙液の蒸発量を測定する検査で，分泌減少型MGDでは涙液油層の減少から涙液蒸発量の増加がみられる16.18）．コンフォーカルマイクロスコープによる観察では，分泌減少型MGDでマイボーム腺房の拡大，密度減少がみられる19）．以上の5項目の検査は，分泌減少型MGDの診断に有用な検査であるが，通常の眼科外来には置かれていない特殊な検査機器が必要であるため，今回の診断基準には含めなかった．今後これらの検査機器のうち一般の眼科外来に広まるものが現れれば，診断基準に組み込まれていく可能性がある．分泌減少型MGDは涙液油層の減少から蒸発亢進型ドライアイになる．その結果として現れる角膜中央より下方の上皮障害や涙液層破壊時間の短縮といった蒸発亢進型ドライアイとしての所見も分泌減少型MGDの診断の参考となる．診断基準に含まれる自覚症状，細隙灯顕微鏡検査に加えて，この項で述べた各種検査のMGD診断における有効性を検討したこれまでの研究に関して，本ワークショップの参加者が各項目を担当して調査を行った．その結果は，本稿に含めるには量が大部なため，ドライアイ研究会のホームページに掲載した．VIMGDと他疾患概念との関係MGDには，涙液油層減少から生じる蒸発亢進型ドライアイとしての側面20）と，マイボーム腺開口部周囲の炎症や導管内脂質過剰蓄積などの側面がある．ただし，涙液量や病期や重症度によってドライアイあるいは炎症を伴わない場合もある．MGDと後部眼瞼炎とは互いに重なり合う部分が大きい．一方ドライアイは，蒸発亢進型と涙液分泌減少型がありMGDは主として蒸発亢進型の原因となるのでドライアイのうちの半分も重ならないであろう．したがってMGD，ドライアイ，後部眼瞼炎の関表5分泌低下型MGDの診断に関する他の参考所見1．マイボグラフィーでマイボーム腺が脱落，短縮．2．涙液スペキュラー油層所見が欠損．3．マイボメトリーで貯留油脂量が減少．4．涙液蒸発率測定で蒸発量亢進．5．コンフォーカルマイクロスコープで腺房拡大，腺房密度減少．6．角膜中央より下方の上皮障害．7．涙液層破壊時間が減少．（59）あたらしい眼科Vol.27，No.5，2010631係を概念図として表すと図6のようになる．一方，マイボーム腺炎（meibomitis）という呼称もある．この呼称の指す内容は研究者によって違っており，たとえば海外の一部の研究者はほぼmeibomitis＝MGDと考えているのに対して，国内の研究者の一部は，マイボーム腺炎を，マイボーム腺での細菌増殖を基盤としフリクテンやマイボーム腺炎角膜上皮症に結びつく概念と捉えている21.23）．VII今後の展望今回，MGDの定義・分類，分泌減少型MGDの診断基準について提案した．これらはevidenceを提供する臨床研究の結果ならびにこれまでの臨床経験に基づくものである．ただ今回の提案が必ずしも不変のものとは考えていない．今回提案の内容を広く眼科一般臨床で使用していただき，そのフィードバックをうけて改定すべき点が発生した場合は改定していきたいと考えている．また，本ワーキンググループでは今回の診断基準に基づいてMGDの診断を行い，一般人口でのMGDの罹病率の調査やMGD患者とドライアイ患者の関係の調査などを予定している．さらなる活動として，MGDの病態に応じた治療法の提案，分泌増加型MGDの診断基準の提案などを近い将来行っていく予定である．文献1）FoulksGN,BronAJ：Meibomianglanddysfunction：Aclinicalschemefordescription,diagnosis,classification,andgrading.OculSurf1：107-126,20032）GutgesellVJ,SternGA,HoodCI：Histopathologyofmeibomianglanddysfunction.AmJOphthalmol94：383-387,19823）小幡博人，堀内啓，宮田和典ほか：剖検例72例におけるマイボーム腺の病理組織学的検討．日眼会誌98：765-771,19944）YamaguchiM,KutsunaM,UnoTetal：Marxline：fluoresceinstaininglineontheinnerlidasindicatorofmeibomianglandfunction.AmJOphthalmol141：669-675,20065）BronAJ,BenjaminL,SnibsonGR：Meibomianglanddisease.Classificationandgradingoflidchanges.Eye5：395-411,19916）MathersWD,ShieldsWJ,SachdevMSetal：Meibomianglanddysfunctioninchronicblepharitis.Cornea10：277-285,19917）ShimazakiJ,GotoE,OnoMetal：MeibomianglanddysfunctioninpatientswithSjogrensyndrome.Ophthalmology105：1485-1488,19988）TapieR：BiomicroscopialstudyofMeibomianglands［inFrench］.AnnOcul（Paris）210：637-648,19779）RobinJB,JesterJV,NobeJetal：Invivotransilluminationbiomicroscopyandphotographyofmeibomianglanddysfunction：aclinicalstudy.Ophthalmology92：1423-1426,198510）MathersWD,DaleyT,VerdickR：Videoimagingofthemeibomiangland［letter］.ArchOphthalmol112：448-449,199411）YokoiN,KomuroA,YamadaHetal：Anewlydevelopedvideo-meibographysystemfeaturinganewlydesignedprobe.JpnJOphthalmol51：53-56,200712）AritaR,ItohK,InoueKetal：Non-contactinfraredmeibographytodocumentage-relatedchangesofthemeibomianglandsinanormalpopulation.Ophthalmology115：911-915,200813）GotoE,DogruM,KojimaTetal：Computer-synthesisofaninterferencecolorchartofhumantearlipidlayer,byacolorimetricapproach.InvestOphthalmolVisSci44：4693-4697,200314）YokoiN,KomuroA：Non-invasivemethodsofassessingthetearfilm.ExpEyeRes78：399-407,200415）YokoiN,MossaF,TiffanyJMetal：Assessmentofmeibomianglandfunctionindryeyebymeibometry.ArchOphthalmol117：723-729,199916）MathersWD：Ocularevaporationinmeibomianglanddysfunctionanddryeye.Ophthalmology100：347-351,199317）TsubotaK,YamadaM：Tearevaporationfromtheocularsurface.InvestOphthalmolVisSci33：2942-2950,199218）GotoE,EndoK,SuzukiAetal：Tearevaporationdynamicsinnormalsubjectsandsubjectswithobstructivemeibomianglanddysfunction.InvestOphthalmolVisSci44：533-539,200319）MatsumotoY,SatoEA,IbrahimOMetal：Theapplicationofinvivolaserconfocalmicroscopytothediagnosisandevaluationofmeibomianglanddysfunction.MolVis14：1263-1271,200820）BronAJ,TiffanyJM：Thecontributionofmeibomiandiseasetodryeye.OculSurf2：149-164,200421）横井則彦：眼瞼縁，マイボーム腺における細菌の増殖と眼疾患─細菌学から─．日本の眼科74：565-568,200322）鈴木智，横井則彦，佐野洋一郎ほか：マイボーム腺炎に関連した角膜上皮障害（マイボーム腺炎角膜上皮症）の検討．あたらしい眼科17：423-427,200023）鈴木智，横井則彦，佐野洋一郎ほか：角膜フリクテンの起因菌に関する検討．あたらしい眼科15：1151-1153,1998ドライアイMGD後部眼瞼炎図6マイボーム腺機能不全（MGD）と後部眼瞼炎，ドライアイとの関係図</p>
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