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	<title>あたらしい眼科オンラインジャーナル &#187; 上皮成長因子「受容体」</title>
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		<title>ゲフィチニブが著効した転移性脈絡膜腫瘍の1例</title>
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		<pubDate>Tue, 29 Jun 2010 15:30:50 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[記事]]></category>
		<category><![CDATA[ゲフィチニブ]]></category>
		<category><![CDATA[上皮成長因子「受容体」]]></category>
		<category><![CDATA[肺癌]]></category>
		<category><![CDATA[転移性脈絡膜腫瘍]]></category>

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			<content:encoded><![CDATA[<p>0910-1810/10/\100/頁/JCOPY（137）851《原著》あたらしい眼科27（6）：851.855，2010cはじめに近年，癌患者の生命予後は改善し，転移性眼腫瘍の頻度は増加し従来にも増して眼科臨床の場で転移性眼腫瘍に遭遇する機会が増えてきている．悪性腫瘍による眼内への転移性腫瘍好発部位は，血管の豊富なぶどう膜，そのなかでも脈絡膜腫瘍が79.5.88％と大部分を占めている．その原発巣としては男性では肺癌，女性では乳癌が多いといわれて特に肺癌が原発巣の場合には，無症状である症例もあり，眼科受診をきっかけに原発巣が発見されることも少なくない1）．肺癌脈絡膜転移の治療法としては放射線療法，光凝固療法，眼球摘出術，全身化学療法のほか，最近ではphotodynamictherapy（PDT）などがあるが，患者の予後やqualityoflife（QOL）を熟慮した選択が望まれる．今回筆者らは，眼症状を初発症状し発見された肺癌を原発とした転移性脈絡膜腫瘍に対して保存的療法の有力なオプションとなりうるゲフィチニブ（イレッサR）を主体とした化学療法を行い，原発巣とともに脈絡膜の転移病変が色素上皮萎縮を伴い瘢痕化した1例を経験したので報告する．I症例患者：69歳，女性．主訴：右眼視野欠損．現病歴：平成18年7月中旬より，右眼視野欠損を自覚し近医受診．脈絡膜隆起性病変を認めたため，当科紹介受診となった．既往歴：特記すべきことなし．家族歴：特記すべきことなし．喫煙歴：なし．初診時所見：VD＝0.2（0.7×＋1.5D），VS＝0.3（0.9×＋1.75D（cyl.0.75DAx100°）．眼圧は右眼14mmHg，左眼20mmHg．前眼部に異常所見なく，中間透光体は両眼とも軽度白内障，眼底は右眼黄斑部耳側上方に5乳頭径大の隆起〔別刷請求先〕有村哲：〒143-8541東京都大田区大森西7-5-23東邦大学医学部眼科学講座Reprintrequests：TetsushiArimura,M.D.,DepartmentofOphthalmology,TohoUniversitySchoolofMedicine,7-5-23Omorinishi,Ota-ku,Tokyo143-8541,JAPANゲフィチニブが著効した転移性脈絡膜腫瘍の1例有村哲松本直飯野直樹杤久保哲男東邦大学医学部眼科学講座ACaseofMetastaticChoroidalTumorEffectivelyTreatedwithGefitinibTetsushiArimura，TadashiMatsumoto，NaokiIinoandTetsuoTochikuboDepartmentofOphthalmology,TohoUniversitySchoolofMedicine69歳，女性．右眼視野異常にて当科紹介受診．右眼黄斑部耳側上方に5乳頭径の脈絡膜腫瘍とその周囲に漿液性網膜.離認め，全身検索の結果，肺腺癌を認め，患者の希望もありゲフィチニブをfirstlineで投与したところ奏効し，腫瘍部は周囲に色素沈着を伴い，縮小・瘢痕化した．肺癌脈絡膜転移に対し，ゲフィチニブの有用性を認めた1例を経験した．A69-year-oldfemalevisitedanearbyhospitalforabnormalvisualfieldinherrighteye.Abnormalocularfunduswasdetected,andshewasreferredtoourdepartment.Sizeofthechoroidaltumorwasapproximately5timesasmuchasopticnerve.Thetumorappearedintheupperlateralrightareaofthemacula,withserousretinaldetachmentaroundit.Systemicexaminationrevealedadenocarcinomaofthelung；Gefitinibwasusedasthefirstlineoftreatment,thepatientreadilyagreeing.Themedicationwashighlyeffective,thetumorareadecreasing/cicatrizing,withaccompanyingpigmentationinthesurroundingarea.Thiscaseconfirmstheeffectivenessofgefitinibinthetreatmentoflungcancermetastasistothechoroid.〔AtarashiiGanka（JournaloftheEye）27（6）：851.855,2010〕Keywords：転移性脈絡膜腫瘍，肺癌，ゲフィチニブ，上皮成長因子「受容体」．metastaticchoroidaltumor,lungcancer,gefitinib,epidermalgrowthfactorreceptor.852あたらしい眼科Vol.27，No.6，2010（138）AB図1初診時眼底所見（A：右眼，B：左眼）右眼に5乳頭径大の無色素性で黄色調の周囲に漿液性網膜.離を伴う腫瘤性病変を認めた．AB図2蛍光眼底造影写真A：右眼蛍光眼底造影写真においては，続発性網膜.離（矢印）に一致したフルオレセインの漏出と脈絡膜腫瘍を認めた．B：治療開始4カ月後においては，漏出は減少し腫瘍も瘢痕化し縮小傾向．AB図3超音波検査右眼の超音波検査においては，丈のある脈絡膜腫瘍（矢印）を認め（A），治療開始後4カ月においては消失していた（B）．（139）あたらしい眼科Vol.27，No.6，2010853性病変とその周囲に漿液性網膜.離がみられた（図1）．フルオレセイン蛍光眼底造影（FA）では造影早期に腫瘍に一致した低蛍光を認め，後期には輪状の低蛍光のなかに斑状の過蛍光を認めた（図2）．超音波Bモードにて腫瘤は実質性，内部反射は中等度，構造はやや不規則で高さは約2mm程度であった（図3）．II全身所見胸部X線写真では左中肺野に約30mm大の結節影を認め（図4），胸部CT（コンピュータ断層撮影）では左肺S3領域に24.9×17.0mm大の胸膜陥入像を伴う結節影と両肺野に肺内転移が疑われる小結節影を伴っていた．採血にて腫瘍マーカーはCEA（癌胎児性抗原）4.7ng/ml，シフラ2.6ng/ml，NSE（神経特異エノラーゼ）8.9ng/ml，ProGRP（ガストリン放出ペプチド前駆体）20.9pg/mlであり血清KL-6高値であったが，間質性肺炎は認めなかった（図5）．骨シンチでは左頭頂骨および，左第5肋骨に異常集積を認めた．肺生検組織所見では巣状ないし腺管状の異型細胞を認め（図6），中分化型腺癌と診断されその組織標本を用いた上皮成長因子受容体（EGFR）遺伝子検査（ダイレクトシークエンス法）ではexon21codon858CTG（Leu）からCGG（Arg）への遺伝子図4胸部X線写真入院時，胸部X線写真において左中肺野に腫瘤陰影（矢印）を認めた．ACBD図5胸部CTA，B：胸部CTでは左S3領域に胸膜嵌入像を認め，両肺野に散在する転移性小結節を認めた．C，D：ゲフィチニブ投与後，1カ月後の胸部CTでは転移性小結節は消失し，一次病巣は縮小傾向．854あたらしい眼科Vol.27，No.6，2010（140）変異を認めた．III経過左肺S3原発の肺腺癌（T4N0M1）で，EGFR遺伝子変異が同定されていることなどから通常の化学療法よりゲフィチニブが強い抗腫瘍作用を期待されることや，間質性肺炎などの重篤な副作用などについてのインフォームド・コンセントを十分に行ったうえで，本人・家族の強い希望および呼吸器内科医の判断にてfirstlineでゲフィチニブ投与を行った．2006年9月上旬よりゲフィチニブ250mg/日投与を開始され，視野異常はゲフィチニブ投与後数日で改善傾向を示し，脈絡膜腫瘍に伴う漿液性網膜.離は縮小傾向を認めた．1カ月後の胸部CTでは左肺S3の原発巣も32％の縮小を認め，肺内転移もほぼ消失していた．投与4カ月後のFA所見では脈絡膜転移の造影効果と，色素漏出が消失していた．また，Goldmann視野検査においても感度低下は残存するも暗点は改善しており（図7），超音波検査においても腫瘍の縮小が認められた．2009年3月当科最終受診時において，右眼矯正視力は0.7，視野検査においても暗点の改善を認めた．現在，眼症状としては明らかな症状はなく，原発巣もさらに縮小し外来経過観察中である．IV考按本症例は前眼部に異常所見なく，眼底において右眼黄斑部耳側上方に5乳頭径大の隆起性病変とその周囲に漿液性網膜.離を伴っており，FA所見として造影早期に腫瘍に一致した低蛍光を認め，後期には輪状の低蛍光内に腫瘍血管によると思われる斑状過蛍光を認めた点や，超音波検査においても実質性の隆起性病変を認めたため，転移性脈絡膜腫瘍，無色素性脈絡膜悪性黒色腫，脈絡膜母斑などの脈絡膜腫瘍が疑われた．全身検索を行いその結果，胸部X線写真，採血，胸部CT，肺生検において肺癌と診断されたことから転移性脈絡膜腫瘍と考えられた．転移性脈絡膜腫瘍の症状は視野異常，視力低下，眼痛，飛蚊症などがあるが，眼症状が出現せずに死亡する患者も多いため，剖検して初めて発見される症例も少なくない．Blochら2）は230例の剖検で12％に眼転移を認めたと報告しており，また転移性肺癌も含む肺癌症例では7.1％に脈絡膜転移を認めたとする報告もある．転移性脈絡膜腫瘍の原発巣としてはShieldsら3）の報告では乳癌が47％，ついで肺癌は21％，矢野ら9）の報告では乳癌が64％，肺癌が13％と報告している．そのほかは消化器系，腎細胞癌などが数％ずつの頻度で，原因不明癌も約17％認めている．原発巣と転移巣の発見の時間的関係は肺癌，乳癌で異なり，乳癌は原発巣発見図6病理組織所見経気管支生検においては，中分化型腺癌を認めた（ヘマトキシリン・エオジン染色，×400）．HE，×400AB図7Goldmann視野計A：眼底所見に一致した視野欠損を認めた．B：ゲフィチニブ治療開始後4カ月では視野改善傾向．（141）あたらしい眼科Vol.27，No.6，2010855から1.5年未満のことが多く，肺癌の場合は1年未満，もしくは本症例のように転移性脈絡膜腫瘍を契機として原発巣が発見されることも少なくない．肺癌脈絡膜転移の治療法としては放射線療法，光凝固療法，眼球摘出術，全身化学療法のほか，最近ではPDTなどがあるが，患者の予後やQOLを熟慮した選択が望まれる．一般に眼球摘出術が施行されることは少ないが，耐えがたい眼痛をきたした症例や二次性緑内障予防のために選択されることもある7）．発癌メカニズムとして，EGFRの構造がレトロウイルスの影響や突然変異などで変化すると強いチロシンキナーゼ活性を示し，常に増殖のシグナルを送り続けて癌化することがあると考えられている13）．ゲフィチニブはEGFRチロシンキナーゼを選択的に阻害し腫瘍細胞の増殖能生を低下させる．EGFRの遺伝子変異は本症例同様，女性，非喫煙者，東洋人，腺癌に多く認められることが知られている．現在，ゲフィチニブは非小細胞癌においてfirstlineにおける有用性および安全性は確立されていないため，secondline以降の既治療患者に投与されている．しかし実地医療においては，全身状態不良の理由から従来の化学療法が困難な症例や，患者本人・家族の希望によりゲフィチニブが投与され改善する症例も経験されている．本症例も，前述したようにEGFR遺伝子変異が同定されており通常の化学療法より強い抗腫瘍作用が期待されることや，間質性肺炎など重篤な副作用などのインフォームド・コンセントを十分に行ったうえで，本人・家族および呼吸器内科医の協議によりfirstlineでゲフィチニブ投与を行った．肺癌脈絡膜転移例は，2009年までの過去12年間で，本症例を含め19例報告されており6,7,11,12），ゲフィチニブ投与は2例のみと眼科領域におけるゲフィチニブの知見はいまだ乏しく，firstlineでゲフィチニブを投与した例およびEGFR遺伝子変異を同定しえたものは本症例が初めてあった．本症例ではゲフィチニブ投与後，原発巣および脈絡膜転移の改善を認めたが，ゲフィチニブを含む化学療法のみ脈絡膜転移の改善を認めたものは7例中6例であった．本症例を含めたゲフィチニブ投与2例はともに原発巣，脈絡膜転移に対して奏効した．本症例において視野異常がゲフィチニブ投与数日で改善を認めたことは，脈絡膜へ転移した腫瘍細胞にもEGFRが発現しており，その腫瘍の縮小とともに網膜.離が改善したためと思われる．また，19症例の生存期間中央値をみても12カ月とStephensら5）の5.2カ月より長く，これは新規抗癌剤やゲフィチニブなどの効果によるものと考えられる．転移性脈絡膜腫瘍に関して内科医との十分な連携を行い症例によっては今後，肺癌患者の増加や遺伝子変異検索の普及などに伴いその結果次第で，ゲフィチニブ投与は保存的療法の有力な選択肢となると考えられ，適切な投与法が確立されることで眼底所見の改善などにおいて治療効果を推定でき，そうすることにより精神的不安の多い肺癌患者の心的ストレスを少しでも軽減できるのはないかと考えられる．本論文における症例は，文献14）と同症例であり，多大なご協力をいただいた坂口真之先生，磯部和順先生らに感謝するとともに，ゲフィチニブの眼科領域における知見がいまだに乏しく長期経過例の報告も少ないことや，また呼吸器内科との連携の重要性にご考慮いただき眼科臨床の立場から同症例を報告させていただいたことに深謝いたします．文献1）石川徹，今澤光宏，塚原康司ほか：化学療法により他萎縮した転移性脈絡膜腫瘍の1例．眼科44：97-101,20022）BlochRS,GartnerS：Theincidenceofocularmetastaticcarcinoma.ArchOphthalmol85：673-675,19713）ShieldsCL,ShieldsJA,GrossNEetal：Surveyof520eyeswithuvealmetastasis.Ophthalmology104：1265-1276,19974）KreuselKM,WiegelT,StangeMetal：Choroidalmetastasisindisseminatedlungcancer：frequencyandriskfactors.AmJOphthalmol134：445-447,20025）StephensRF,ShieldsJA：Diagnosisandmanagementofcancermetastatictotheuvea：astudyof70cases.Ophthalmology86：1336-1349,19796）ChongJT,MickA：Choroidalmetastasis：casereportsandreviewoftheliterature.Optometry76：293-301,20057）AbundoRE,OrenicCJ,AndersonSFetal：Choroidalmetastasesresultingfromcarcinomaofthelung.JAmOptomAssoc68：95-108,19978）折居美波，中川純一，江原正恵ほか：血清KL-6高値を示し，Gefinibが著効した肺腺癌の4例．肺癌44：644,20049）矢野真知子，小田逸夫ほか：転移性脈絡膜腫瘍53例の検討．臨眼45：1347-1350,199110）ShieldsJA,ShieldsCL,EagleRCJr：Choroidalmetastasisfromlungcancermasqueradingassarcoidosis.Retina25：367-370,200511）木村格，児玉俊夫，大橋裕一ほか：肺癌を原発とした脈絡膜転移癌にゲフィチニブが奏効した1例．眼紀56：360-367,200512）金谷靖仁，吉澤豊久，鈴木恵子ほか：肺癌の脈絡膜転移1症例と文献的考察．眼紀48：1216-1224,199713）門脇孝，戸辺一之：チロシンキナーゼ1．チロシンキナーゼ癌遺伝子産物と増殖因子受容体．豊島久眞男，秋山徹編：癌化のシグナル伝達機構，p26-40,中外医学社，199414）坂口真之，磯部和順，浜中伸介ほか：ゲフィチニブが奏効した肺癌脈絡膜転移の1例．肺癌48：123-129,2008</p>
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