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	<title>あたらしい眼科オンラインジャーナル &#187; 白内障術後</title>
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		<title>各種プロスタグランジン系緑内障点眼薬が水晶体上皮細胞に及ぼす影響について</title>
		<link>https://www.atagan.jp/article/20161026.htm</link>
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		<pubDate>Sun, 30 Oct 2016 15:26:29 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[記事]]></category>
		<category><![CDATA[塩化ベンザルコニウム]]></category>
		<category><![CDATA[水晶体上皮細胞]]></category>
		<category><![CDATA[白内障術後]]></category>
		<category><![CDATA[緑内障点眼薬]]></category>
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		<description><![CDATA[《原著》あたらしい眼科33（10）：1518?1523，2016c各種プロスタグランジン系緑内障点眼薬が水晶体上皮細胞に及ぼす影響について茨木信博＊1三宅謙作＊2＊1いばらき眼科クリニック＊2眼科三宅病院TheInflu [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>《原著》あたらしい眼科33（10）：1518?1523，2016c各種プロスタグランジン系緑内障点眼薬が水晶体上皮細胞に及ぼす影響について茨木信博＊1三宅謙作＊2＊1いばらき眼科クリニック＊2眼科三宅病院TheInfluenceofVariousProstaglandinGlaucomaEyedropsonLensEpithelialCellsNobuhiroIbaraki1）andKensakuMiyake2）1）IbarakiEyeClinic,2）MiyakeEyeHospital目的：これまでに，緑内障点眼薬で白内障手術後に黄斑浮腫が発症する原因は，水晶体上皮細胞の炎症性サイトカイン産生促進であることを報告した．今回は，点眼液による水晶体上皮細胞の炎症性サイトカイン産生促進効果と細胞障害性を各種プロスタグランジン（PG）系緑内障市販薬間で比較した．方法：培養水晶体上皮細胞株の細胞形態と培養上清中のIL（インターロイキン）-1a，IL-6，PGE2を計測した．製剤は，キサラタン（X），ラタノプロストPF（L），ルミガン（Lu），タプロス（T），トラバタンズ（Tr）で，10?1,000倍希釈を培地に添加した．結果：Xでは1,000倍希釈でも細胞形態に異常を示したが，L，Luでは300倍希釈，T，Trでは100倍希釈で細胞は正常な形態であった．サイトカインはX，L，Lu，T，Trの順で多く産生された．結論：緑内障点眼製剤による水晶体上皮細胞の細胞障害とサイトカインの産生促進は，塩化ベンザルコニウムの含有濃度や種類により差があること，非含有でも他の添加剤で生じることが明らかとなった．Purpose：Wehavereportedthatmacularedemaaftercataractsurgerywithuseofglaucomaeyedropsiscausedbystimulatorycytokineproductionoflensepithelialcells.Inthisreport,wecomparetheinfluenceofvariousglaucomaeyedropsonlensepithelialcells.Methods：Humanlensepithelialcellswereculturedwithvariousdrugs：Xalatan,LatanoprostPF,Lumigan,TapulosandTrabatans.Eachdrugwasdiluted10to1000timesandaddedtothemedium.CellmorphologywasobservedandcytokinesIL-1-alpha,IL-6andPGE2intheculturesupernatantweremeasured.Results：LumiganandLatanoprostPFat300xdilutionandTapulosandTrabatansat100xshowednocytotoxicity,butXalatanat1000xdilutionshowedcytotoxicity.Intermsofcytokineproduction,Xalatan,Lumigan,LatanoprostPF,TapulosandTrabatansshoweddecreases,respectively.Conclusion：Glaucomaeyedropformulationswereantagonistictocytotoxicityinlensepithelialcells,andpromotedtheproductionofcytokines.Thedegreediffersdependingonthetypeandconcentrationofbenzalkoniumchlorideadded,andofotherpreservativesinthebenzalkoniumchloride-freetypes.〔AtarashiiGanka（JournaloftheEye）33（10）：1518?1523,2016〕Keywords：白内障術後，黄斑浮腫，緑内障点眼薬，塩化ベンザルコニウム，水晶体上皮細胞．aftercataractsurgery,macularedema,glaucomaeyedrop,benzalkoniumchloride,lensepithelialcells.はじめに?胞様黄斑浮腫（cystoidmacularedema：CME）は，種々の眼疾患や眼内手術後に生ずるが，その成因は不明である．白内障手術後に生ずるCMEについても，低眼圧，硝子体索引，炎症などが考えられている1）．さらに，白内障手術後に緑内障薬の点眼を行った場合に，CMEが起こることが報告されている．近年，プロスタグランジン製剤の白内障手術後の使用によるCMEが報告されているが2?5），緑内障治療薬によるCMEは以前より数多く報告されている．これまでに筆者らは，この白内障手術後の緑内障点眼薬によるCMEの原因を明らかにするために，ラタノプロスト，チモロール，防腐剤である塩化ベンザルコニウムの入らないチモロール，さらに，緑内障薬の主成分を含まない基剤のみと，さらにその基剤から塩化ベンザルコニウムを除いたものを使用し，白内障手術後早期眼において，CMEの発生が緑内障治療薬の主成分の関与よりも，添加されている防腐剤である塩化ベンザルコニウムが大きく関与していることを報告した6）．さらに，ヒト水晶体上皮細胞（humanlensepithelialcell：HLEC）を培養し，緑内障点眼薬の主成分であるラタノプロスト，チモロール，塩化ベンザルコニウムを添加し，各種炎症系サイトカインの産生を検討したところ，緑内障点眼薬の主成分よりも塩化ベンザルコニウムの添加によって，はるかに高濃度のサイトカインを産生することを明らかにした7）．今回は，実際に臨床で使用している各種プロスタグランジン系緑内障市販薬によるHLECに対する障害，サイトカインの産生について検討し，塩化ベンザルコニウム，ホウ酸などの防腐効果のある物の添加により，HLECが障害を受け，サイトカインの産生も増加すること，塩化ベンザルコニウム自体の改良や防腐剤の工夫によって障害やサイトカインの産生を抑えることが可能であることを見いだした．さらに，点眼容器の工夫によって防腐剤フリーとされている点眼薬について，塩化ベンザルコニウム以外の添加剤によって，高濃度のサイトカインが産生され，細胞障害も高度に生ずることが明らかとなったので報告する．I方法培養したHLECは，ヒト由来の水晶体上皮佃胞で株化されたもの（SRA01/04）8）を用いた．25mm2の培養フラスコに，70±5個/mm2の細胞密度となるように調整し，37℃，5％炭酸ガス，湿度100％で培養した．培養液は，DulbeccoMinimumEssentialMedium（Gibco,GlandIsland,NY）に5％ウシ胎児血清を添加したもので，抗菌薬や抗真菌薬の入らないものを標準培地として用いた．薬剤は，キサラタン（ファイザー：以下，X），タプロス（参天製薬：以下，T），トラバタンズ（日本アルコン：以下，Tr），ラタノプロストPF（日本点眼薬研究所：以下，L），ルミガン（千寿製薬：以下，Lu）を各企業より提供を受け使用した．それぞれの点眼薬を標準培地で10?1,000倍に希釈したもので細胞培養を行った．培養7日目に位相差顕微鏡で細胞形態を観察するとともに，培地を回収し細胞成分を除去した後に培地中の各種サイトカインを定量した．薬剤の希釈度によって生細胞数が異なるため，各々の培養フラスコ中の細胞数を計測し，105個の細胞に対するサイトカイン量を計算した．標準培地でのみ培養したものを対照とした．各々3個の培養を行い，平均値と標準偏差を求めた．炎症性サイトカインはインターロイキン1a（IL-1a），インターロイキン6（IL-6）とプロスタグランジンE2（PGE2）を測定した．IL-1aはEL1SA（enzyme-linkedimmunosorbentassay）キット（日本抗体研究所，高崎市），IL-6はCLEIA（chemiluminescentenzymeimmunoassay）キット（富士レビオ，東京），PGE2はRIA（radioimmunoassay）キット（NENLifeScienceProducts,Boston）を用いて測定した7）．II結果1.細胞形態Xは100倍希釈以上の高濃度で細胞は死滅し，300倍で少数の生細胞を，1,000倍で細胞伸展を認めた（図1）．Lu（図2），L（図3）は，30倍以上で細胞は死減，100倍で伸展，300倍未満で正常であった．T（図4），Tr（図5）は，10倍で細胞が死滅，30倍で伸展，100倍で正常であった．2.サイトカイン産生IL-1aの産生量は，対照が60.6±42.0pg/105細胞（平均値±標準偏差）に対し，300倍希釈のXが146.5±31.7pg/105細胞で，100倍希釈のLu，L，T，Trは各々50±26.8，21.1±9.0，11.3±5.3，4.0±0.6pg/105細胞であった（図6）．IL-6（図7）は，対照，300倍希釈のX，100倍希釈のLu，L，T，Trが各々378.9±228.5，2,011.5±338.7，1,154.7±296.6，362.3±106.8，222.6±33.9，148.6±15.8pg/105細胞，PGE2（図8）は，各々21.9±13.8，205.3±41.1，NA，71.3±35.3，8.3±0.3，10.3±3.7pg/105細胞であった．III考按これまでに筆者らは，白内障術後の緑内障薬によるCMEは，塩化ベンザルコニウムの関与の可能性が高いこと，その機序として白内障の手術後に残存した水晶体上皮細胞に，緑内障治療薬が作用することにより各種サイトカインが多量に産生されることを確認し，このサイトカインが網膜に作用するためではないかと考えた6,7）．防腐剤としての塩化ベンザルコニウムは，静菌や殺菌作用，保存効力が高いことから，点眼薬の約7割で使用されている．塩化ベンザルコニウムを添加することで，薬物の浸透性が亢進するという利点がある一方で，これまでに眼表面障害の問題がとりあげられている．おもに角膜上皮細胞に対する細胞毒性が報告されおり，これは防腐剤の界面活性作用によるもので，細胞膜の透過性が高まり，膜破壊や細胞質の変性によって生じる9）．塩化ベンザルコニウムなどの防腐剤が点眼薬に添付される意味は，点眼瓶を用いて繰り返し使用するために，開栓によって瓶内に細菌が混入し，増値することを防ぐためである．したがって，単回使用の点眼には通常防腐効果のある添加剤は添加されていない．また，その防腐効果を確認するために，種々の細菌を用いた保存効力試験が実施され，点眼瓶，点眼薬の汚染が生じないかを検討されている10）．今回使用したXとLu，Tにはそれぞれ塩化ベンザルコニウムが0.02％と0.005％，0.001％，TrとLには塩化ベンザルコニウムは含有されていないが，濃度は不明であるが，防腐剤としての亜鉛やホウ酸などの緩衝剤が添加されている．X，Lu，Tの順で，細胞障害が生じ，サイトカインの産生も多かった．これは，塩化ベンザルコニウムの濃度によって障害の程度が決まること7）と同様の結果であった．さらに，Tの塩化ベンザルコニウムは，塩化ベンザルコニウムの炭素鎖長が一定のものであり，他の製剤ではこの炭素鎖長が種々であるのに対し，より細胞毒生が少ないものを使用している．さらに，Tでは保存効力試験と角膜上皮細胞を用いた細胞毒性試験を行い，塩化ベンザルコニウムの至適濃度（0.0005?0.003％）を決定し，以前の0.01％から現在の0.001％に減量されている11）．LuのPGE2が検査不能であったが，これはLuが検査試薬と交差反応するものと考えられ，異常な高値を示したが，詳細は不明である．Trは，塩化ベンザルコニウムに代わる防腐剤として，ホウ酸の存在下で亜鉛イオンが細菌などのATP産生を阻害することで細菌などを死滅させる添加物が含まれている．これは，酸性下でもっともその効力が強力に出現することから，製剤の状態では酸性を示している．点眼することで，涙液によって緩衝され中性となることで，細胞毒性が減弱，消失するものと考えられている12）．今回の検討においても，Trを培養液に加えることで中性になり，添加物の細胞毒性が軽減したと考えられる．最後に，Lについては，塩化ベンザルコニウムを含まない点眼薬なので好結果を期待していた．しかし，結果は塩化ベンザルコニウムが含まれている製剤と同等の結果であった．Lは，塩化ベンザルコニウムを含まなくても，複数回の点眼で容器内の細菌などの増殖を防御するために，点眼口にフィルターを付け，細菌などの混入を防御している．防腐剤を減らし，あるいは無添加にすることが可能な点眼瓶として，非常に有益なものと思われる．しかし，今回の良好な結果が得られなかったのは，保存効力試験を通すために，塩化ベンザルコニウムは非添加であるが，ホウ酸（濃度不明）が細菌などの増殖が生じないように添加されているためと考えられた．本来，フィルターを用いた点眼瓶に保存効力試験を行う必要はないので，塩化ベンザルコニウム以外の添加剤についても，その添加の目的，濃度などを検討すべきであると考えられた．今回の検討で，緑内障の点眼薬の実薬においても，水晶体上皮細胞の細胞障害や細胞のサイトカイン産生に及ぼす影響は，塩化ベンザルコニウム含有によって濃度依存的に強いことと，塩化ベンザルコニウム非添加でフィルター付き点眼瓶を用いた薬剤でも，塩化ベンザルコニウム添加の薬物と同等の影響があることが明らかとなった．白内障術後の緑内障点眼薬の使用については，塩化ベンザルコニウムの含有濃度に注意して使用すべきと考えられた．さらに，塩化ベンザルコニウム非添加であっても，他の防腐効果を期待した添加物を加えていることがあるので，点眼薬の添加物や保存効力試験の有無などもよく確認する必要があると思われた．文献1）GassJDM：StereoscopicAtlasofMacularDiseases；DiagnosisandTreatment.4thEd,p478-481,CVMosby,St.Louis,MO,19972）RoweJA,HattenhauerMG,HermanDC：Adversesideeffectsassociatedwithlatanoprost.AmJOphthalmol124：683-685,19973）FechtnerRD,KhouriAS,ZimmermanTJetal：Anterioruveitisassociatedwithlatanoprost.AmJOphthalmol126：37-41,19984）MoroiSE,GottfredsdottirMS,SchteingartMTetal：Cystoidmacularedemaassociatedwithlatanoprosttherapyinacaseseriesofpatientswithglaucomaandocularhypertension.Ophthalmology106：1024-1029,19995）MiyakeK,OtaI,MaekuboKetal：Latanoprostacceleratesdisruptionoftheblood-aqueousbarrierandtheincidenceofangiographiccystoidmacularedemainearlypostoperativepseudophakias.ArchOphthalmol117：34-40,19996）MiyakeK,OtaI,IbarakiNetal：Enhanceddisruptionoftheblood-aqueousbarrierandtheincidenceofangiographiccystoidmacularedemainearlypostoperativepseudokaias.ArchOphthalmol119：387-394,20017）GotoY,IbarakiN,MiyakeK：Humanlensepithelialcelldamageandstimulationoftheirsecretionofchemicalmediatorsbybenzalkoniumchlorideratherthanlatanoprostandtimolol.ArchOphthalmol121：835-839,20038）IbarakiN,ChenS-C,LinL-Retal：Humanlensepithelialcellline.ExpEyeRes67：577-585,19989）相良健：オキュラーサーフェスへの影響─防腐剤の功罪．あたらしい眼科25：789-794,200810）保存効力試験法．第十六改正日本薬局方．2044-2046,2011.3.24.厚生労働省11）浅田博之，七條優子，中村雅胤ほか：0.0015％タフルプロスト点眼液のベンザルコニウム塩化物濃度の最適化検討─眼表面安全性と保存効力の視点から─．YAKUGAKUZASSHI130：867-871,201012）LewisRA,KatzGJ,WeissMJetal：Travoprost0.004％withandwithoutbenzarkoniumchloride：acomparisonofsafetyandefficacy.JGlaucoma16：98-103,2007〔別刷請求先〕茨木信博：〒320-0851栃木県宇都宮市鶴田町720-1いばらき眼科クリニックReprintrequests：NobuhiroIbaraki,M.D.,IbarakiEyeClinic,720-1Tsuruta-machi,Utsunomiyacity,Tochigi320-0851,JAPAN0195110-81810/あ16た/（133）あたらしい眼科Vol.33，No.10，20161519図1キサラタン添加時の細胞形態7日目a：100倍希釈．ほとんどの細胞が死滅している．b：300倍希釈．わずかの生細胞を認めるが，細胞は伸展している．c：1,000倍希釈．ほぼ正常の細胞形態（バーは100μm）．図2ルミガン添加時の細胞形態7日目a：30倍希釈．ほとんどの細胞が死滅している．b：100倍希釈．細胞伸展を認める．c：300倍希釈．ほぼ正常の細胞形態（バーは100μm）．1520あたらしい眼科Vol.33，No.10，2016（134）図3ラタノプロストPF添加時の細胞形態7日目a：30倍希釈．ほとんどの細胞が死滅している．b：100倍希釈．細胞伸展を認める．c：300倍希釈．ほぼ正常の細胞形態（バーは100μm）．図4タプロス添加時の細胞形態7日目a：10倍希釈．ほとんどの細胞が死滅している．b：30倍希釈．細胞伸展を認める．c：100倍希釈．ほぼ正常の細胞形態（バーは100μm）．（135）あたらしい眼科Vol.33，No.10，20161521図5トラバタンズ添加時の細胞形態7日目a：10倍希釈．ほとんどの細胞が死滅している．b：30倍希釈．細胞伸展を認める．c：100倍希釈．ほぼ正常の細胞形態（バーは100μm）．図6IL?1aの産生（pg/105細胞）X：キサラタン，Lu：ルミガン，L：ラタノプロストPF，T：タプロス，Tr：トラバタンズ．図7IL?6の産生（pg/105細胞）X：キサラタン，Lu：ルミガン，L：ラタノプロストPF，T：タプロス，Tr：トラバタンズ．図8PGE2の産生（pg/105細胞）X：キサラタン，Lu：ルミガン，L：ラタノプロストPF，T：タプロス，Tr：トラバタンズ．1522あたらしい眼科Vol.33，No.10，2016（136）（137）あたらしい眼科Vol.33，No.10，20161523</p>
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		<title>白内障術後に発症した後部強膜炎の1例</title>
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		<pubDate>Tue, 30 Oct 2012 15:27:59 +0000</pubDate>
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		<description><![CDATA[《原著》あたらしい眼科29（10）：1419.1422，2012c白内障術後に発症した後部強膜炎の1例小池保志溝部惠子小林史郎京都第二赤十字病院眼科ACaseofPosteriorScleritiswithThicken [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>《原著》あたらしい眼科29（10）：1419.1422，2012c白内障術後に発症した後部強膜炎の1例小池保志溝部惠子小林史郎京都第二赤十字病院眼科ACaseofPosteriorScleritiswithThickeningofScleraafterCataractSurgeryYasushiKoike,KeikoMizobeandShiroKobayashiDepartmentofOphthalmology,KyotoSecondRedCrossHospital目的：後部強膜炎は前部強膜炎に比してまれであり多彩な臨床像を呈するため診断が困難なことも少なくない．今回，白内障手術術後に発症したため診断に苦慮した後部強膜炎の症例を経験したので報告する．症例：79歳，女性．両眼白内障手術の術後経過は順調であったが，術後3カ月後より右眼の鈍痛と飛蚊症が出現した．軽度の前房炎症に対して遅発性の眼内炎を念頭に置き治療を開始したが，右眼の眼瞼腫脹と結膜の充血浮腫が著明となり硝子体混濁も出現した．Bモードエコーとコンピュータ断層撮影スキャンを施行した結果，強膜肥厚像を認め，後部強膜炎と診断し，治療をステロイドの全身投与に切り替えた．ステロイド全身投与開始後，症状・所見は速やかに改善し治癒した．結論：後部強膜炎はステロイド全身投与が著効することが多いため，非特異的炎症の際には後部強膜炎の可能性も念頭に置き，速やかに診断と治療を行うことが必要である．Itisdifficulttodiagnoseposteriorscleritisbecauseofvariousandnonspecificclinicalsymptoms.Weherereportacaseofposteriorscleritisaftercataractsurgery.Thepatient,a79-year-oldfemale,complainedofdullpainandfloatersinherrighteyeabout3monthsafterbilateralcataractsurgery.Becausemildiritiswasnotedinherrighteye,antibioticandanti-inflammatoryeyedropswereprovided.Despitethesetreatments,however,markedswellingandrednessoflidandconjunctiva,andvitreousopacityweresuddenlyobservedintherighteye.B-modeultrasoundscanandcomputedtomographyscanrevealeddiffusethickeningofthescleraoftheeye,whichledtoadiagnosisofposteriorscleritis.Aftertreatmentwithsystemiccorticosteroid,theposteriorscleritisimmediatelyreduced.Wemustconsiderthatanynonspecificocularinflammationpresentsthepossibilityofposteriorscleritis.〔AtarashiiGanka（JournaloftheEye）29（10）：1419.1422,2012〕Keywords：後部強膜炎，ステロイド治療，強膜肥厚，白内障術後．posteriorscleritis,systemiccorticosteroid,thickeningofsclera,cataractsurgery.はじめに後部強膜炎は1902年にFucks1）により初めて報告された疾患で，前部強膜炎と比べて比較的まれな疾患である．疼痛，視力障害，視野狭窄，眼球突出などの多彩な臨床症状を呈することが知られているが，特異的な所見に乏しいことから，しばしば確定診断が困難である．リウマチなどの膠原病や感染症などの全身性随伴疾患が強膜炎に合併することが知られている2）が，後部強膜炎が眼内手術術後に発症した報告はほとんどない．筆者らは，白内障術後に発症したため診断に苦慮した後部強膜炎の症例を経験したので報告する．I症例患者：79歳，女性．主訴：右眼の違和感，変視症，飛蚊症．既往歴：特になし．現病歴：2008年3月11日に左眼，3月18日右眼の白内障に対して超音波水晶体乳化吸引術および眼内レンズ挿入術（耳上側無縫合強角膜小切開）を施行した．術後視力は右眼が1.2（1.2×＋0.25），左眼が0.5（1.0×.0.5（cyl.0.5DAx180°）で，両眼とも経過は良好で3月22日退院し，近医で経過観察となった．白内障術後約2カ月の2008年5月2〔別刷請求先〕小池保志：〒602-8026京都市上京区釜座通丸太町上ル春帯町355-5京都第二赤十字病院眼科Reprintrequests：YasushiKoike,M.D.,DepartmentofOphthalmology,KyotoSecondRedCrossHospital,355-5Haruobicho,Kamigyo-ku,Kyoto602-8026,JAPAN0910-1810/12/\100/頁/JCOPY（103）1419日に事故で左前腕骨折したため近医整形外科で治療を受けていたが，5月16日頃より右眼の軽度疼痛と飛蚊症を自覚し始めた．症状が軽快しないため6月5日当院に再度紹介受診となった．2008年6月5日受診時所見：視力は右眼0.5（0.8×＋0.5（cyl.0.5DAx90°），左眼0.6（1.2×.0.5（cyl.0.5DAx100°），と右眼視力の軽度低下を認めた．右眼に軽度虹彩炎（わずかな前房細胞）を認めたが充血および眼球運動痛はなく，眼圧は右眼14mmHg，左眼17mmHgと正常で，眼底にも明らかな異常を認めなかった．遅発性の術後眼内炎を疑い，レボフロキサシンと硫酸フラジオマイシン・リン酸ベタメタゾン点眼を各々4回/日，ジクロフェナク点眼3回/日を右眼へ開始した．経過：虹彩炎所見と右眼視力はほぼ不変のまま推移したが，6月13日から手術創口部強膜に充血を伴う炎症所見と上方角膜に樹枝状角膜炎を思わせる角膜上皮障害が生じた．同日の血液，生化学検査では，白血球数は8,700個/μlと正常で，C反応性蛋白質（CRP）も0.37と陰性，抗ストレプトリジン-O（ASO），リウマチ因子などの上昇も認めなかった．ヘルペス性角結膜炎もしくは遅発性眼内炎も否定できなかったため，硫酸フラジオマイシン・リン酸ベタメタゾン点眼を中止しアシクロビル眼軟膏5回/日とセフタジジム点滴2g/日を開始したところ，角膜炎は改善した．しかし虹彩炎は軽快せず，6月15日より急激な眼瞼腫脹，結膜の充血浮腫を認め，6月16日には強膜浮腫および脈絡膜.離，硝子体混濁を右眼に生じた（図1）．右眼視力は（0.2×.1.5）と著明に低下した．フルオレセイン蛍光眼底造影検査（fluoresceinangiography：FA）では軽度の黄斑浮腫と網膜血管からの軽度びまん性過蛍光を認めた（図2）．Bモード超音波断層検査と眼窩部コンピュータ断層撮影法（computedtomography：CT）検査で後部強膜の浮腫像と壁肥厚像を認め（図3，4），後部強膜炎と診断した．アシクロビル眼軟膏5回/日とセフ図1ステロイド全身投与前の前眼部写真左：正面からみた結膜全体の状態，右：上方の結膜・強膜の状態．右眼の強膜・結膜に著明な充血と浮腫を認める．図2ステロイド全身投与前のフルオレセイン蛍光眼底造影検査所見左：前期，右：後期．造影後期に軽度の黄斑浮腫とびまん性過蛍光を認める．1420あたらしい眼科Vol.29，No.10，2012（104）図3ステロイド全身投与前のBモード強膜の肥厚と壁の不整を認める（矢印）．図4ステロイド全身投与前の眼窩部CT検査所見右眼の後部強膜の肥厚像（矢印）を認める．タジジム点滴2g/日を中止し，6月17日朝からステロイド全身投与（リン酸ベタメタゾン6mg点滴）を開始した．1.0％硫酸アトロピン点眼1回/日，レボフロキサシン点眼4回/日，ジクロフェナク点眼3回/日の治療も併用した．リン酸ベタメタゾン点滴開始後2日目の6月18日からは眼瞼浮腫と強膜充血は著明に改善し，脈絡膜.離と強膜浮腫も改善傾向を認めた．6月19日には前房内炎症および硝子体混濁も完全に消失し（図5），6月20日のFAでは血管からのびまん性過蛍光はほぼ消失した．所見の著明な改善を認めたため，ステロイドを以後漸減し，20日からリン酸デキサメタゾン点滴を4mgに，6月23日から2mgに減少した．6月25日の眼窩部CT検査では強膜肥厚所見も改善を示し（図6），同日点滴を終了し，6月26日からプレドニゾロン内服20mgに切り替えた．6月29日には右眼視力（0.9×＋1.0（cyl.1.5DAx90°）と改善し退院した．退院後は1週間から2週間の間隔でステロイド内服量を漸減し，8月13日で内服は完全に終了した．ステロイド投与中止後も右眼視力（1.5×＋1.0（cyl.1.0DAx90°），動的視野検査でも明らかな視野異常は認めず，炎症の再燃もなく良好に経過した．（105）図5治療後の前眼部写真上：正面からみた結膜全体の状態，下：耳上側の結膜・強膜の状態．右眼の強膜・結膜の充血と浮腫は消失した．図6治療後眼窩部CT検査所見右眼の強膜の肥厚像と壁の不整像および，左右差は消失した（矢印）．II考按1976年にWatsonら3）が報告した後部強膜炎の診断基準には1）疼痛，2）視力低下，3）つぎのうち1つ以上a）眼底変化（滲出性網膜.離，網膜下腫瘤，黄斑浮腫，脈絡膜.離，網脈絡膜変化，乳頭浮腫），b）浅前房，c）視野変化，d）眼球突出，e）眼球運動制限，f）下眼瞼の後退，の各項目が記あたらしい眼科Vol.29，No.10，20121421載されている．本症例では当科初診時に視力低下を自覚しており，当科経過観察中に疼痛，網脈絡膜変化，視野変化などがみられ，上記の診断基準を満たしていた．一般に後部強膜炎は主病巣が後部強膜にあるため，病巣を直接観察することが困難な疾患である．過去には眼内腫瘍との鑑別に難渋したため眼球摘出に至った症例の報告もみられた4）．後部強膜炎は多様な症状を呈するにもかかわらず特異的な症状に乏しいため，実際の確定診断には画像検査が有用である．後部強膜炎の画像検査では，超音波断層検査では眼球後部の肥厚・平坦化や眼球壁後方の浮腫（いわゆるT-sign）など，CT検査では眼球壁の肥厚や不整など，磁気共鳴画像（magneticresonanceimaging：MRI）検査では病変部は脳実質と比較してT1強調画像で等信号から低信号を，T2強調画像で低信号を呈するなど，の所見が認められる．FAでは早期，後期とも過蛍光を示し，インドシアニングリーン蛍光眼底造影検査（indocyaninegreenangiography：IA）では低蛍光を示さず蛍光漏出を認める．本症例では，超音波断層検査にて右眼後部強膜の肥厚像と周辺不整像を，CT検査にて右眼後部強膜の肥厚像を認め，FA所見でもぶどう膜炎様の過蛍光像がみられ，画像検査にて後部強膜炎に矛盾しない典型的な所見を呈した．後部強膜炎の多くには，慢性関節リウマチ，全身性エリテマトーデス（SLE）などの自己免疫疾患や，結核，ヘルペスといった感染症，などの全身疾患が随伴することが以前より指摘されている5,6）一方，特発性眼窩炎症の一型としての特発性のものも少なくない．今回の症例では全身疾患の合併は認めず，白内障手術の既往と後部強膜炎発症との関係についても不明であるため，発症の機序は不明である．感染，特にヘルペスの免疫応答による眼窩内の免疫反応7）が後部強膜炎をひき起こした可能性も否定できないが，感染の所見が軽微で感染に対する治療には無反応であったことなどから，感染による免疫反応による機序は否定的と考える．この症例はのちの2010年7月に左鼻皮膚に基底細胞癌が発生し，外科的治療を受けた．癌患者の腫瘍細胞と中枢神経系との間に生じた共通抗原に対する自己免疫機序がひき起こす悪性細胞随伴神経症が知られているが，それと同様の機序で後部強膜炎が発症したという報告もある8）．後部強膜炎治療の時点では基底細胞癌の存在は不明であったが，悪性細胞随伴神経症発症機序と同様の機序で今回の症例の右眼に後部強膜炎が発症した可能性も考えられる．今回の症例では，全身疾患の合併は認めなかったこと，白内障手術後3カ月で発症したこと，初期に角膜上皮炎も有したことなどから，術後遅発性眼内炎やヘルペス性角膜炎も否定できず診断・治療に苦慮した．急激な症状悪化で示された典型的症状によりはじめて後部強膜炎を疑い，画像診断にて確定診断できた．初期治療と診断は遅れたものの，診断後速やかに副腎皮質ステロイド全身投与を行ったことで完全治癒を得ることができた．後部強膜炎は眼球後方炎症の程度や随伴疾患によって多彩な臨床像を呈するものの，多くはステロイド反応性が良好で，ほとんどが0.5以上の良好な視力が保持でき，視力予後不良例（0.1以下）は20％未満といわれている9）．しかし，再発を繰り返す例10）や眼球摘出に至った例11）も報告されているため注意が必要である．今回の症例のように後部強膜炎の診断と治療に苦慮する例も少なくないが，早期診断と早期の副腎皮質ステロイドの全身投与が後部強膜炎の遷延化や再発の防止にも重要であると考えられているため，非特異的炎症の際には後部強膜炎の可能性も念頭に置いて臨床症状，検査所見，特に画像診断法などから速やかに診断を行い治療することが必要である．文献1）FucksE：Scleritisposterior.BerDtschOphthalmolGesHeidelberg30：71-77,19022）McCluskeyPJ,WatsonPG,LightmanSetal：Posteriorscleritis.Ophthalmology106：2380-2386,19993）WatsonPG：TheScleraandSystemicDisorders.p122130,WBSaunders,London,19764）南部裕之，高橋寛二，木内克治ほか：眼内腫瘍が疑われ眼球摘出に至った後部強膜炎の2例．眼科41：1593-1600,19995）BensonWE,ShieldsJA,TasmanWetal：Posteriorscleritis.ArchOphthalmol97：1482-1486,19796）荒木かおる，中川やよい，多田玲ほか：最近11年間における強膜炎75例の解析．臨眼41：1593-1600,19997）BhatPV,JakobiecFA,KurbanyanKetal：Chronicherpessimplexscleritis：characterizationof9casesofanunderrecognizedclinicalentity.AmJOphthalmol25：779-789,20098）田治えりか，小菅恵子，杤久保哲男：卵巣癌を伴った難治性後部強膜炎の1例．あたらしい眼科21：551-554,20049）若山久仁子，堀純子，塚田玲子ほか：日本医科大学附属病院眼科における強膜炎患者の統計的観察．あたらしい眼科27：663-666,201010）良藤恵理子，永木憲雄，半田幸子：パルス療法後の再発性後部強膜炎の1例．臨眼55：876-878,200111）小山ひとみ，廣渡崇郎，武田桜子ほか：著しい強膜肥厚を認めた後部強膜炎の1例．臨眼61：1289-1293,2007＊＊＊1422あたらしい眼科Vol.29，No.10，2012（106）</p>
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