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	<title>あたらしい眼科オンラインジャーナル &#187; 遷延性角膜上皮欠損</title>
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		<title>ヘルペス性角膜炎における栄養障害性潰瘍の臨床像</title>
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		<pubDate>Tue, 30 Jan 2024 15:21:43 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
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		<category><![CDATA[カルシウム沈着]]></category>
		<category><![CDATA[栄養障害性潰瘍]]></category>
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		<category><![CDATA[角膜ヘルペス]]></category>
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		<description><![CDATA[《原著》あたらしい眼科41（1）：89.93，2024cヘルペス性角膜炎における栄養障害性潰瘍の臨床像石本敦子＊1佐々木香る＊1安達彩＊1嶋千絵子＊1西田舞＊2髙橋寛二＊1＊1関西医科大学眼科学講座＊2北野病院眼科CCl [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>《原著》あたらしい眼科41（1）：89.93，2024cヘルペス性角膜炎における栄養障害性潰瘍の臨床像石本敦子＊1佐々木香る＊1安達彩＊1嶋千絵子＊1西田舞＊2髙橋寛二＊1＊1関西医科大学眼科学講座＊2北野病院眼科CClinicalFeaturesofNeurotrophicUlcersinHerpesKeratitisAtsukoIshimoto1）,KaoruSasaki1）,AyaAdachi1）,ChiekoShima1）,MaiNishida-Hamada2）andKanjiTakahashi1）1）DepartmentofOphthalmology,KansaiMedicalUniversity,2）MedicalResearchInstituteKitanoHospitalC目的：ヘルペス性角膜炎に生じた栄養障害性潰瘍は，しばしば原疾患の再燃や真菌性角膜炎との判断が困難である．早期発見のため臨床像を明らかにする．方法：2012年C2月.2020年C10月に関西医科大学附属病院眼科，永田眼科で加療したC9例C9眼を後ろ向きに調べた．結果：原疾患が単純ヘルペス角膜炎のC8眼は複数回の上皮型・実質型の再発既往があり，帯状疱疹角膜炎のC1眼は遷延例であった．いずれも抗ウイルス剤軟膏を断続的に使用していた．膿性眼脂は認めず，3眼では樹枝状類似のフルオレセイン所見を，6眼では地図状類似の不整形上皮欠損を認めた．全例で病変部辺縁は直線状に隆起した白濁を呈し，潰瘍底はカルシウム沈着あるいは実質融解を認めた．潰瘍底.爬，抗ウイルス薬軟膏の減量，ステロイドによる消炎にて治癒した．結論：ヘルペス性角膜炎経過途中の栄養障害性潰瘍の早期発見には，膿性眼脂の有無，病変部辺縁の形状や潰瘍底の性状を確認することが必要である．CPurpose：NeurotrophicCulcersCarisingCinCherpeticCkeratitisCareCoftenCdi.cultCtoCdetermineCasCrelapseCofCtheCunderlyingdiseaseorfungalkeratitis.ThepurposeofthisstudywastoclarifytheclinicalfeaturesofneurotrophiculcersCforCearlyCdetection.CPatientsandMethods：InCthisCretrospectiveCstudy,C9CeyesCofC9CpatientsCtreatedCatCtheCDepartmentofOphthalmology,KansaiMedicalUniversityandNagataEyeClinicfromFebruary2012toOctober2020wereexamined.Results：Ofthe9eyes,8wereherpessimplexkeratitisastheprimarydiseasewithahisto-ryofmultipleepithelialandparenchymalrecurrences,and1wasaprolongedcaseofherpeszosterkeratitis.Anti-viralCointmentsChadCbeenCintermittentlyCadministeredCinCallCeyes.CThereCwasCnoCoccurrenceCofCpurulentCdischarge,Cyet3eyeshaddendritic-like.uorescein.ndingsand6eyeshadgeographicirregularepithelialdefects.Inallcas-es,themarginsofthelesionswerecloudywhiteandlinearlyraised.Theulcerbasesshowedcalciumdepositionorparenchymalmelting.Healingwasachievedbycurettageofthebottomoftheulcer,reductionofthedoseofantivi-ralCointment,CandCadministrationCofCanti-in.ammationCsteroids.CConclusion：ForCearlyCdetectionCofCneurotrophicCulcersCduringCtheCcourseCofCherpeticCkeratitis,CitCisCnecessaryCtoCcon.rmCnoCpresenceCofCpurulentCdischarge,CtheCshapeofthemarginsofthelesion,andthenatureoftheulcerbase.〔AtarashiiGanka（JournaloftheEye）C41（1）：89.93,2024〕Keywords：角膜ヘルペス，栄養障害性潰瘍，遷延性角膜上皮欠損，薬剤毒性，カルシウム沈着．herpeticsCkerati-tis,neurotrophiculcers,persistedcornealepithelialdefects,drugtoxicity,calciumdeposition.Cはじめに単純ヘルペスによる角膜ヘルペスは上皮型（樹枝状，地図状），実質型（円板状，壊死性），内皮型，そしてぶどう膜炎型に分類される1）．また，水痘帯状疱疹ウイルスによる眼部帯状疱疹も角膜には偽樹枝状病変から多発性角膜上皮下浸潤をきたす．これらは再発の都度，三叉神経麻痺を生じ，しだいに不可逆性の知覚低下を招く．この三叉神経麻痺は，角膜上皮細胞の増殖能低下，接着能低下をきたすことが知られており，容易に不整形の上皮欠損を生じる2.7）．上皮型の病変に上皮接着不全が生じた場合は遷延性上皮欠損となり，実質型に生じた場合は栄養障害性潰瘍として，とくに壊死性角膜炎によく併発する．遷延性上皮欠損ではCBowman層が保たれ，角膜実質の融解，菲薄化を伴わないが，栄養障害性潰瘍では角膜実質の融解，菲薄化，さらに長期の炎症によりカル〔別刷請求先〕石本敦子：〒573-1010大阪府枚方市新町C2-5-1関西医科大学眼科学講座Reprintrequests：AtsukoIshimoto,DepartmentofOphthalmology,KansaiMedicalUniversity,2-3-1Shinmachi,Hirakata573-1191,JAPANC図1代表症例1の前眼部所見a：ターミナルバルブをもつ典型的な樹枝状病変を認める．周囲には過去の上皮型を示す混濁を認める．Cb：当院初診時には直線的な白濁（）した縁どりをもつ角膜潰瘍を認めた．白濁部はやや隆起しており，その内部の潰瘍底は軟化していた．Cc：栄養障害性潰瘍として加療開始C1カ月後．瘢痕を残して上皮は修復を完了した．シウム沈着を伴い，難治となる．ヘルペスによる栄養障害性潰瘍が多発したC1990年代に，森・下村らはその臨床的特徴として，潰瘍になる直前の病型は実質型（円板状C65％，壊死性C35％）が過半数（56％）を占め，また栄養障害性潰瘍診断時に，IDU頻回点眼がなされていた（47％）ことを報告した8）．また，ヘルペスによる栄養障害性潰瘍の形成要因として，基盤である角膜実質の炎症による角膜上皮接着性の低下，およびCIDUの細胞毒性による上皮の修復障害，不適正なプライマリーケア（上皮型あるいは実質型ヘルペスに対する不適切なステロイドあるいは抗ウイルス剤の投与）を提示した8）．抗ウイルス薬がCIDU点眼からアシクロビル眼軟膏へと変遷し，細胞毒性は少なくなったとはいえ上皮細胞への障害は弱くはなく，角膜ヘルペスの上皮型や実質型が何度も繰り返され上皮細胞の脆弱化が生じた場合，やはり栄養障害性潰瘍を発症し，ステロイドの投与の可否含めて治療に難渋することが多い．ヘルペスによる栄養障害性潰瘍は，ヘルペスウイルスそのものの増殖による悪化との鑑別が困難で，抗ウイルス薬が増量され，その薬剤毒性によりさらに難治化させることが多い．今回，栄養障害性潰瘍の早期発見のため，その臨床的特徴を明らかにした．CI方法本研究は関西医科大学医学倫理審査委員会の承認のもと（承認番号2021254），ヘルシンキ宣言に基づき，診療録を参照し後ろ向きに検討した．2012年C2月.2020年C10月に関西医科大学附属病院（以下，当院）眼科，永田眼科に紹介されたヘルペスによる栄養障害性潰瘍症例を対象とした．症例は9例9眼（男性6例，女性3例），年齢は79C±12歳（50.92歳）であった．患者背景，前眼部の臨床所見，治療経過を検討した．II結果［代表症例1］患者：74歳，女性．既往歴：糖尿病性網膜症により硝子体茎切除術を施行されていた．現病歴：10年程前から数回，左眼角膜ヘルペスの上皮型・実質型の再発を繰り返し，その都度，近医にてアシクロビル（ACV）眼軟膏やステロイド点眼で加療されていた．今回，1カ月前に上皮型を再発し，ACV眼軟膏をC1日C5回使用するも，次第に悪化したため，ACV耐性株を疑われ，1カ月後に当院紹介となった．1カ月前の前医での前眼部写真を図1aに示す．初診時所見：当院初診時，左眼視力（0.2C×sph.5.0D（cylC.4.0DAx10°），左眼眼圧12mmHg（緑内障点眼下），地図状類似の角膜潰瘍がみられ，潰瘍周囲が白濁化，一部直線化していた（図1b）．潰瘍底では融解傾向で軟化した実質に一部カルシウム沈着があり，周囲には過去の上皮型病変による混濁がみられた．経過：栄養障害性潰瘍と判断し，紹介時に投薬されていたACV眼軟膏C5回，デキサメタゾン点眼C3回，緑内障点眼をすべて中止し，バラシクロビル（VACV）内服，プレドニゾロンC10Cmg内服，抗菌薬眼軟膏を処方した．潰瘍の縮小がみられたため，抗ウイルス薬やステロイドを内服からCACV眼軟膏C1回，0.1％フルオロメトロン点眼C2回，抗菌薬眼軟膏へ変更した．当院での治療開始C2週間後，潰瘍は縮小したものの上皮.離の遷延化がみられたため，治療用コンタクトレンズを装用のうえ，ACV眼軟膏C1回，0.1％フルオロメトロン点眼C2回に，抗菌薬点眼C4回，ヒアルロン酸CNa点眼C4回を追加した．当院初診約C1カ月で，すみやかに角膜潰瘍は治癒し，消炎を得た（図1c）．図2代表症例2の前医での前眼部所見ab，cd，efのC3時点で，いずれも偽樹枝状様の所見を呈するフルオレセイン陽性の上皮欠損を認め，寛解増悪を繰り返していた．図3代表症例2の前眼部所見a：当院初診時には直線的な白濁したやや幅広い縁取りをもつ角膜潰瘍を認めた（）．潰瘍底は触診にてカルシウム沈着を認め，非沈着部位は実質底が軟化していた．Cb：フルオレセイン染色では，カルシウム非沈着部位が陽性を示し，あたかも樹枝状様の所見を呈した．しかし，ターミナルバルブは認めない．Cc：栄養障害性潰瘍として加療し開始C1カ月後．カルシウムは用手的に除去した．瘢痕を残して上皮は修復を完了した．［代表症例2］患者：92歳，男性．現病歴：1年前に眼部帯状疱疹を罹患し，右眼角膜炎，虹彩炎が遷延化した．ACV眼軟膏，ステロイド点眼で加療するも，樹枝状様の上皮病変が形を変えて何度も再燃し，難治性ヘルペス性角膜炎として紹介された．前医での前眼部写真を示す（図2a～f）．初診時所見：当院初診時，左眼視力C0.02（n.c.），左眼眼圧12CmmHg，不整形の潰瘍が認められ，潰瘍辺縁が白濁化，一部直線化していた（図3a）．潰瘍底は鑷子による触診にて，軟化した実質とカルシウム沈着が混在していた．フルオレセイン染色では，樹枝状のように見える上皮欠損が観察された（図3b）．経過：栄養障害性潰瘍を疑い，紹介時に投与されていたACV眼軟膏およびステロイド点眼を中止し，VACV内服，抗菌薬軟膏のみを処方した．しかし，厚いカルシウム沈着が途絶している部分が深掘れの潰瘍となり，上皮修復が困難であった．潰瘍底に沈着したカルシウムと実質軟化が上皮の創傷治癒を妨げていると判断し，27CG針で物理的にカルシウム沈着を.離除去し，実質底が平坦となるように軟化した実質を切除した．同時に治療用コンタクトレンズ装用のうえ，0.1％フルオロメトロン点眼C2回，ACV眼軟膏C1回，抗菌薬点眼C4回，ヒアルロン酸CNa点眼C4回を処方し，約C1カ月後に，上皮修復を得た（図3c）．表1全症例のまとめ症年齢虹彩毛原因紹介時緑内障角膜所見辺縁治療例性別前医からの紹介内容様体炎の既往ウイルスACV使用点眼上皮欠損の形状直線化白濁化血管侵入Ca沈着SCL使用C174歳，女性難治性ヘルペス角膜炎〇CHSV〇〇地図状類似〇〇C×〇〇C286歳，男性難治性ヘルペス角膜炎〇CHSV〇C×地図状類似〇〇〇〇C×385歳，男性遷延性角膜上皮欠損〇CHSVC×〇地図状類似C×〇C××〇C483歳，女性遷延性角膜上皮欠損〇CHSV〇〇地図状類似〇〇C××〇C578歳，女性難治性ヘルペス角膜炎〇CHSV〇C×樹枝状類似〇〇C×〇C×670歳，男性角膜潰瘍（ヘルペス角膜炎既往）〇CHSVC××地図状類似〇〇〇C×〇C792歳，男性難治性ヘルペス角膜炎〇CVZV〇〇樹枝状類似〇〇C×〇〇C883歳，男性遷延性角膜上皮欠損〇HSV疑〇〇樹枝状類似〇〇C×〇〇C950歳，男性角膜潰瘍（ヘルペス角膜炎既往）不明CHSVC××地図状類似〇〇C××〇代表症例C1は症例番号1，代表症例C2は症例番号C7を示す．［全症例まとめ］症例C1，2を含むC9症例の一覧表（表1）を示す．全例，複数回のヘルペス再発の既往を持ち，難治性ヘルペス性角膜炎，遷延性角膜上皮欠損や角膜潰瘍として紹介された．ウイルスの活動性上昇や耐性化の懸念から，紹介時にCACV眼軟膏をC3回以上投与されていたものはC9例中C6例と多く，虹彩毛様体炎の併発の既往があり，緑内障点眼をしていたものも約半数にみられた．すべて今までに単純ヘルペスウイルス（HSV）に典型的な上皮型や実質型を繰り返していた既往があり，ウイルスCPCR検査は施行していないが，臨床所見および経過からCHSVによる病態と判断した．なお，症例C7は眼部帯状疱疹の発症に続いて出現した遷延性上皮欠損であり，原因ウイルスをCVZVとした．角膜知覚低下は全例にみられた．角膜所見は，いずれもフルオレセイン染色で，樹枝状病変あるいは地図状病変に類似の所見を示した．全例，潰瘍縁の白濁化がみられ，潰瘍縁は一部直線化していた．角膜実質は浮腫のため膨化して融解傾向であり，約半数に潰瘍底にカルシウム沈着を認めた．このカルシウム沈着の範囲は，鑷子で触診することで確認が容易であった．また，カルシウム沈着部位と非沈着部位が混在することで，樹枝状あるいは地図状類似のフルオレセイン染色所見を呈していた．治療は，紹介時CACV軟膏を使用していた症例は全例中止し，バルトレックスC1日C2錠（分2）内服に変更，抗菌薬眼軟膏使用でガーゼ閉瞼を行った．虹彩炎の活動性があるものや血管侵入を伴う壊死型などはプレドニゾロンC1日C10Cmg内服あるいはフルオロメトロン点眼C2回を併用した．紹介時に細菌感染の併発が疑われたもの（9例中C2例）は，抗菌薬点眼を追加した．緑内障点眼を使用しているものは一度中止し，眼圧が高い場合は炭酸脱水酵素阻害薬の内服に切りかえた．抗ウイルス薬や緑内障点眼の中止と抗菌薬眼軟膏による保湿を2週間行っても上皮欠損が治癒しない症例は，DSCLを装用させた．既往に虹彩毛様体炎を複数回再発があり，リン酸ベタメタゾン点眼を繰り返し使用されているものはカルシウム沈着が強く，上皮欠損修復には物理的カルシウム除去が必要であった．栄養障害性潰瘍の診断後，治癒までの期間は平均約C1カ月であった．CIII考按栄養障害性潰瘍の形成要因には，角膜知覚障害，涙液減少，Bowman膜損傷，実質障害，抗ウイルス薬の毒性があるとされている2,8）．今回の症例でも，上皮型・実質型の角膜ヘルペスの再発繰り返しによる角膜知覚低下やCBowman膜，実質の損傷が潜在していたと考えられる．角膜ヘルペスの患者では角膜知覚の低下は角膜神経の密度と数に強く相関し，病気の重症度に相関して患眼の神経密度が低下する3,4）．発症からC3年程度経過すると，神経再生を認め，神経密度の回復の傾向がみられるが，健常者に比べ優位に低く，角膜知覚の低下は改善しない9）．基底細胞下神経叢の神経の形態と密度の低下は角膜ヘルペスの発症回数が多いほど，著明であり4,10），とくに壊死性角膜炎で強かった．以上より，角膜ヘルペスの再発の繰り返しが，より強い非可逆的な三叉神経麻痺を生じ，角膜上皮細胞の増殖能低下をきたし，栄養障害性潰瘍を引き起こしやすくなると思われる．加えて今回の症例で栄養障害性潰瘍へと悪化する原因として，虹彩毛様体炎や続発緑内障に対し投与された緑内障点眼やリン酸ベタメタゾン点眼による薬剤毒性やカルシウムが沈着が影響したと考えられる．森ら8）は，実質型の複数回既往が栄養障害性潰瘍の危険因子であると述べており，今回の検討でも，同様の傾向が確認された．ウイルスそのものの増殖による所見とウイルスに対する免疫反応による所見が混在するヘルペス性角膜炎の治療では，ACV眼軟膏とステロイド投与の適正なバランスを保つことが困難である場合が多いと考えられる．たとえば，今回の症例の既往歴でも上皮型と実質型を併発した角膜ヘルペスにおいて，ACV眼軟膏投与と同時にステロイドを急に中止し実質炎を誘発したり，上皮型が治癒した時点でステロイドを続行したままCACV眼軟膏を中止することで上皮型の再発を招くという現状が確認された．このような経過中，栄養障害性潰瘍を発症しているにもかかわらず，不整形の上皮欠損をウイルスの再燃と判断してCACV眼軟膏が増量もしくは漫然と継続されることで，さらに難治化させる例が多いことが明らかとなった．栄養障害性潰瘍の臨床所見として，実質炎再発や薬剤毒性により実質が融解し，上皮細胞の増殖や伸展が妨げられるため，潰瘍辺縁部で上皮細胞が滞るため盛り上がり，膨隆や白濁化があげられる．今回の症例では，潰瘍縁が一部直線化しているものが多かった．通常，微生物感染などによる上皮欠損は不整形を示すが，栄養障害性潰瘍の場合は，伸展が滞った上皮細胞が潰瘍辺縁で直線の形状を形成すると考えられる．また長期の炎症に加え，ACV眼軟膏やベタメタゾン点眼などにより潰瘍底にカルシウム沈着が生じ，さらに上皮欠損が難治化する傾向にあった．栄養障害性潰瘍の発症機序から，治療のポイントは①上皮の増殖・伸展を促すこと，②潰瘍底を平坦化し，健常な状態に近づけること，③適度な保湿と消炎，④眼瞼による摩擦軽減であると思われる．具体的には，角膜上皮の増殖能を低下させるCACV眼軟膏を中止し内服に変更することや，防腐剤フリーの点眼薬の選択，保湿のための生理食塩水点眼などがある．カルシウムを物理的に除去し，軟化した潰瘍底を切除することも必要であり，さらに安静のために抗菌薬眼軟膏と圧迫眼帯を行い，場合によって治療用コンタクトレンズ使用も検討する．消炎が必要なためステロイドを使用するが，既往歴における上皮型の再発頻度によって，再発がない場合は点眼を，多い場合には内服を選択した．ただしステロイド使用中は必ず，抗ウイルス薬を局所少量あるいは内服のいずれかを投与し，再発防止を図った．症例の所見に応じて，抗ウイルス薬とステロイドのバランスを決定し，症例の既往歴に応じて投与方法を決定する必要があると考えられた．今回の症例から，大部分の栄養障害性潰瘍は保存的治療で治癒する可能性があると思われた．角膜移植はステロイド長期使用を余儀なくされるため，ヘルペス性角膜炎の再発を惹起しうる．栄養障害性潰瘍を早期に鑑別できれば，保存的に治癒させることは容易であると思われる．CIV結論ヘルペスによる角膜炎の治療経過において，栄養障害性潰瘍に気づかず，難治性角膜ヘルペスとしてCACV眼軟膏を続行すると，さらに難治化させる．栄養障害性潰瘍の臨床的特徴に早期に気づき，患者背景，投薬内容をもとに，治療方針の方向転換を行うことが大切であると考えられた．利益相反：利益相反公表基準に該当なし文献1）大橋裕一：角膜ヘルペス─新しい病型分類の提案─．眼科C37：759-764,C19952）Ruiz-LozanoCRE,CHernandez-CamarenaCJC,CLoya-GarciaCDCetal：TheCmolecularCbasisCofCneurotrophicCkeratopa-thy：DiagnosticCandCtherapeuticCimplications.CaCreview.COculSurfC19：224-240,C20213）PatelCDV,CMcGheeCN：InCvivoCconfocalCmicroscopyCofChumanCcornealCnervesCinChealth,CinCocularCandCsystemicCdisease,CandCfollowingCcornealsurgery：aCreview.CBrJOphthalmolC93：853-860,C20094）NagasatoD,Araki-SasakiK,KojimaTetal：Morphologi-calCchangesCofCcornealCsubepithelialCnerveCplexusCinCdi.erentCtypesCofCherpeticCkeratitis.CJpnCJCOphthalmolC55：444-450,C20115）CruzatA,QaziY,HamraP：InvivoconfocalmicroscopyofCcornealCnervesCinChealthCandCdisease.COculCSurfC15：C15-47,C20176）EguchiCH,CHiuraCA,CNakagawaCHCetal：CornealCnerveC.berstructure,itsroleincornealfunction,anditschangesCincornealdiseases.BiomedResIntC2017：3242649,C20177）OkadaCY,CSumiokaCT,CIchikawaCKCetal：SensoryCnerveCsupportsepithelialstemcellfunctioninhealingofcornealepitheliuminmice：theroleoftrigeminalnervetransientreceptorCpotentialCvanilloidC4.CLabCInvestC99：210-230,C20198）森康子，下村嘉一，木下裕光ほか：ヘルペスのよる栄養障害性角膜潰瘍の形成要因．あたらしい眼科C7：119-122,C19909）FalconCMG,CJonesCBR,CWiliamsCHPCetal：ManegementCofCherpeticeyedisease.TransCOphthalmolSocUKC97：345-349,C197710）HamrahP,CruzatA,DastjerdiMHetal：Cornealsensa-tionCandCsubbasalCnerveCalterationsCinCpatientsCwithCher-pesCsimplexkeratitis：anCinCvivoCconfocalCmicroscopyCstudy.OphthalmologyC117：1930-1936,C201011）MoeinHR,KheirkhahA,MullerRTetal：CornealnerveregenerationCafterCherpesCsimplexkeratitis：AClongitudi-nalinvivoconfocalmicroscopystudy.OculSurfC16：218-225,C2018C＊＊＊</p>
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		<title>神経麻痺性角膜穿孔に対し羊膜移植術併用表層角膜移植術 が奏効した1 例</title>
		<link>https://www.atagan.jp/article/20210719.htm</link>
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		<pubDate>Fri, 30 Jul 2021 15:19:26 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
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		<category><![CDATA[神経麻痺性角膜症]]></category>
		<category><![CDATA[羊膜移植術]]></category>
		<category><![CDATA[表層角膜移植術]]></category>
		<category><![CDATA[角膜穿孔]]></category>
		<category><![CDATA[遷延性角膜上皮欠損]]></category>

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		<description><![CDATA[《原著》あたらしい眼科38（7）：821.824，2021c神経麻痺性角膜穿孔に対し羊膜移植術併用表層角膜移植術が奏効した1例曽田里奈＊1,2福岡秀記＊1岩間亜矢子＊1吉岡麻矢＊1,3奥村峻大＊1,3外園千恵＊1＊1京都 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>《原著》あたらしい眼科38（7）：821.824，2021c神経麻痺性角膜穿孔に対し羊膜移植術併用表層角膜移植術が奏効した1例曽田里奈＊1,2福岡秀記＊1岩間亜矢子＊1吉岡麻矢＊1,3奥村峻大＊1,3外園千恵＊1＊1京都府立医科大学眼科学教室＊2大阪府済生会中津病院眼科＊3大阪医科大学眼科学教室CACaseofAmnioticMembraneandSuper.cialCornealTransplantationforCornealPerforationwithTrigeminalNervePalsyRinaSoda1,2）C,HidekiFukuoka1）,AyakoIwama1）,MayaYoshioka1）,TakahiroOkumura1,3）CandChieSotozono1）1）DepartmentofOphthalmology,KyotoPrefecturalUniversityofMedicine,2）CNakatsuHospital,3）DepartmentofOphthalmology,OsakaMedicalCollegeCDepartmentofOphthalmology,OsakaSaiseikai目的：神経麻痺性角膜症による角膜穿孔後，急速に白内障が進行し，表層角膜移植術，羊膜移植術，水晶体再建術を同時に施行し経過良好な症例を経験したので報告する．症例：80歳，男性．既往歴は脳梗塞．左眼の角膜びらんと診断され，改善しないため京都府立医科大学病院を紹介受診した．当院初診時，遷延性角膜上皮欠損と角膜混濁を認めた．角膜知覚低下および著明な涙液減少を認めた．神経麻痺性角膜症と診断しドライアイの治療と，消炎にていったん上皮化を得たが上皮欠損と治癒を繰り返し角膜穿孔と続発白内障に至った．表層角膜移植術，羊膜移植術，水晶体再建術を同時に施行した．羊膜移植後は前房内を透見可能であり，経過観察中羊膜は自然脱落したが術後半年経過し，上皮欠損なく経過良好である．結論：神経麻痺性角膜症は難治性な疾患であるが，表層角膜移植術，羊膜移植術，水晶体再建術の同時手術が有効であった．今後のさらなる治療技術の発展が期待される．CPurpose：ToCreportCaCcaseCofCcornealCperforationCdueCtoCneurotrophickeratitis（NK）thatCrequiredClamellarkeratoplasty（LKP）C,Camnioticmembrane（AM）transplantation（AMT）C,CandCcataractCsurgery.CCasereport：An80-year-oldmalewhohadbeendiagnosedwithcornealerosioninhislefteyefollowingastrokewasreferredtousduetotheconditionworsening.Slit-lampexaminationrevealedpersistentcornealdefectandopacity.Moreover,cornealsensitivityandtearsecretionremarkablydecreased.WediagnosedhimwithNK.Althoughre-epithelializa-tionwasachievedwithtreatmentfordryeyeandin.ammation,hisconditionrepeatedlyworsened.Sincecornealperforationandsecondarycataractoccurred,LKP,AMT,andcataractsurgerywasperformed.TheAMnaturallydissolvedwithnorecurrenceofcornealdefectfor6-monthspostoperative.Conclusion：WereportacaseofNK-relatedCcornealCperforationCinCwhichCLKP,CAMT,CandCcataractCsurgeryCwasCe.ective,CandCanticipateCfurtherCadvancementsinthetreatmentofthisrefractorydisease.〔AtarashiiGanka（JournaloftheEye）C38（7）：821.824,C2021〕Keywords：神経麻痺性角膜症，遷延性角膜上皮欠損，角膜穿孔，表層角膜移植術，羊膜移植術．neurotrophicCkeratitis,persistentcornealdefect,cornealperforation,lamellarkeratoplasty,amnioticmembranetransplantation.Cはじめに涙の促進，角膜上皮細胞への栄養供給の働きがあり，これに角膜は無血管で透明な組織であり，第五脳神経に由来するより角膜上皮の細胞増殖，恒常性の維持，創傷治癒に役立っ角膜知覚神経が上皮下実質浅層に密に分布している．角膜知ている1,2）．角膜知覚神経の機能不全が生じると，角膜上皮覚神経には，瞬目や神経伝達物質，成長因子の放出による流の恒常性が損なわれ，神経麻痺性角膜症を生じる．神経麻痺〔別刷請求先〕曽田里奈：〒530-0012大阪市北区芝田C2-10-39大阪府済生会中津病院眼科Reprintrequests：RinaSoda,M.D.,DepartmentofOphthalmology,OsakaSaiseikaiNakatsuHospital,2-10-39Shibata,Kita-ku,Osakacity,Osaka530-0012,JAPANC図1前眼部写真a：初診時，角膜中央部から下方に遷延性上皮欠損と実質混濁を認めた．b：上皮欠損の再発と治癒を繰り返していたが，初診からC1年経過後に角膜穿孔と虹彩嵌頓，膨化白内障を生じた．c：表層角膜移植術，羊膜移植術，白内障手術（水晶体乳化吸引術と眼内レンズ挿入）を同時に施行し，治療用ソフトコンタクトレンズを装着して終了した．手術翌日，羊膜に覆われた部位は，前房の深さなども観察可能な程度の透見性があった．d：手術C6カ月経過，羊膜は自然脱落し上皮化が得られた．上皮欠損の再発はなくよい臨床経過を得ている．性角膜症はきわめて難治な神経変性疾患であり，三叉神経核から角膜知覚神経終末までのいずれかのレベルに損傷を与える眼局所疾患もしくは全身疾患に伴って生じる．原因疾患としては，ヘルペス性角膜炎や外傷，前眼部手術後，聴神経腫瘍術後の顔面神経・三叉神経麻痺，糖尿病，多発性硬化症，脳腫瘍などがあげられる3,4）．臨床所見として，角膜上皮の不整，点状表層角膜症，遷延性角膜上皮欠損を呈し，重症例では角膜実質融解を伴う潰瘍，角膜穿孔を生じるが5,6），根本的治療が現在ないため非常に難治である．今回筆者らは，神経麻痺性角膜症により遷延性角膜上皮欠損を生じ角膜穿孔に至ったあとに急速に白内障が進行した症例に対し，表層角膜移植術，羊膜移植術，水晶体再建術を同時に施行し経過良好な臨床経過を得たので報告する．CI症例脳梗塞の既往のあるC80歳，男性．脳神経外科からの紹介で近医眼科を受診した．左眼の角膜びらんと診断され，ヒアルロン酸ナトリウム点眼とオフロキサシン眼軟膏で治療されたが角膜上皮欠損が拡大した．悪化傾向を認めたためヘルペス性角膜炎が疑われ，0.3％ガチフロキサシン点眼左眼C3回，0.1％ベタメタゾン点眼左眼C3回，アシクロビル眼軟膏左眼4回へ処方を変更されたが改善なく，徐々に視力が低下したため，初診からC1カ月経過後に京都府立医科大学病院眼科（以下，当院）へ紹介となった．当院初診時の矯正視力は右眼C0.6，左眼C30Ccm手動弁，眼圧は両眼C17CmmHgで，角膜中央から下方に及ぶ広範囲の遷延性角膜上皮欠損と角膜混濁を認めた（図1a）．また，CCochetBonnet角膜知覚計を用いて測定した角膜知覚は右眼60mm，左眼C10mmと左眼の角膜知覚の低下を認め，Schirmer試験CI法にて右眼C3Cmm，左眼C0Cmmと著明な涙液減少を認めた．ヘルペス性角膜炎を疑う所見を認めなかったため，アシクロビル眼軟膏を中止し，ガチフロキサシン点眼左眼C4回，ベタメタゾン点眼左眼C4回を継続，オフロキサシン眼軟膏左眼C1回，人工涙液点眼左眼C3回を追加し，上下涙点に涙点プラグを挿入した．その後徐々に上皮化が得られ，感染徴候を認めなかったため，ガチフロキサシン点眼とベタメタゾン点眼を漸減し，治療開始C7カ月目にようやく上皮欠損の修復が得られた．その後，上皮欠損の再発と治癒を繰り返していたが，治療開始C12カ月目に左眼の視力低下を主訴に再診した．左眼角膜穿孔，虹彩嵌頓，前房消失を認めた．膨化白内障も進行し（図1b），表層角膜移植術，羊膜移植術，水晶体再建術を同時に施行した．図2手術手順a：単回使用組織生検用針デルマパンチにてC5Cmm径のパンチを行い，クレセントナイフとダイヤモンドメスを用いて角膜表層を切除した．Cb：凍結保存角膜を用いて表層角膜移植片を作製し，10-0ナイロン糸で単縫合を行った．c：嵌頓した虹彩を整復後，インドシアニングリーンで前.染色を行い前.切開を行った．d：透見性不良のためサージカルスリット下で水晶体乳化吸引術を行った．e：眼内レンズを挿入した．f：羊膜を移植部位（上皮欠損部位）を覆うように縫合を行い，余剰羊膜を切除し手術を終了した．手術はまず，単回使用組織生検用針デルマパンチにて5Cmm径のパンチを行い，クレセントナイフとダイヤモンドメスを用いて角膜表層から実質深層までを切除した後，凍結保存角膜を用いた表層角膜移植片を作製し，10-0ナイロン糸で単縫合を行った．嵌頓した虹彩を整復し，インドシアニングリーンで前.染色し前.切開を行ったあと，超音波乳化吸引，眼内レンズ挿入を行いアセチルコリン希釈液を注入した．最後に羊膜で角膜上皮欠損部位をカバーリングし，治療用ソフトコンタクトレンズ（softcontactlens：SCL）をのせて終了した（図2,図1c）．術後経過は良好で，ガチフロキサシン点眼左C4回，ベタメタゾン点眼左C4回を開始し，術後C2日目までベタメタゾンリン酸エステルナトリウムC1Cmg点滴を施行，術後C3日目よりベタメタゾン錠C0.5Cmg1錠内服C4日間へ切り替え，術後C8日目に退院となった．その後，治療用CSCL脱落に伴い羊膜は自然脱落したが上皮伸展は良好で，術後点眼は漸減とした．表層角膜移植後C6カ月経過後も上皮欠損の再発なく，ガチフロキサシン点眼左眼C1回，ベタメタゾン点眼左眼C1回を継続し経過観察中である（図1d）．CII考按神経麻痺性角膜症に対する従来の治療は，MackieがC1995年に提唱した神経麻痺性角膜症の重症度によるC3段階のステージ分類7）に基づいて選択されてきた．点状表層角膜症や角膜上皮の不整を生じるステージC1では，薬剤毒性を避けるため点眼薬の中止が推奨される8）．保存剤が添加されていない人工涙液点眼を使用し，上皮欠損を伴う場合は予防的な抗菌薬点眼の併用が考慮される．遷延性角膜上皮欠損を伴うステージC2の症例では，治療用コンタクトレンズの使用，眼瞼縫合，眼瞼挙筋へのボツリヌスCA毒素の注入が考慮される．羊膜移植術は被覆による摩擦の軽減に加えて，成長因子やサイトカインを放出することで角膜上皮の創傷治癒促進，眼表面の炎症抑制に効果的とされる9）．ステロイド点眼は炎症反応を抑制するが，同時に創傷治癒の遅延，ステロイド緑内障，ステロイド白内障のリスクがあり使用には注意を要する．角膜潰瘍や実質融解，角膜穿孔に至るステージC3の症例では，実質融解を防止するためコラーゲナーゼ阻害薬や眼瞼縫合が考慮される．角膜穿孔を生じた症例では表層角膜移植術や全層角膜移植術が必要である10）．近年，海外では神経成長因子点眼やCP物質/インスリン様成長因子などの神経の再生や免疫調整を直接刺激する薬剤が注目されており，いずれも神経麻痺性角膜症患者において高い治癒率が得られている11.13）．本症例では経過中に角膜穿孔が増悪し膨化白内障により前房も浅くなってきたため，緊急の角膜移植手術を実施した．透見性の維持という観点からは羊膜移植術は不利であるが，被覆による摩擦軽減のみではなく，創傷治癒促進，炎症抑制の効果が期待できる，とくに神経麻痺性角膜症においては，角膜知覚の低下，瞬目の減少，涙液分泌低下を伴っており，角膜移植術単独では上皮が伸展せず術後に遷延性上皮欠損を再発するリスクが高く14），角膜移植術と羊膜移植術の併施を行った．同時手術を行うことで，複数回手術を行うことと比較し患者負担が軽減することが期待される．今回の症例は，角膜穿孔部位の羊膜移植術による摩擦軽減，抗炎症作用などにより角膜上皮進展を得たが，術後も角膜知覚神経の機能不全の状態であることには変わりなく，一度上皮障害を発症すると再燃のリスクがあり綿密な経過観察が重要である．また，羊膜移植術は，複数術式をしても単独でしか算定できないため病院の負担となることがデメリットの一つである．また，角膜穿孔に伴って生じる合併症には，角膜実質混濁，白内障の進行，瞳孔膜形成，虹彩前癒着・後癒着，緑内障などがあり15）これらの疾患も同時に治療をする必要がある．本症例では角膜穿孔発症後に徐々に膨化白内障が進行したため角膜移植術，羊膜移植術施行時に水晶体再建術を同時に施行した．術後の前房炎症の程度の詳細な評価などが不可能になるのではないかと危惧されたが，実際は，羊膜に覆われた部位の透見性は細隙灯顕微鏡で眼内レンズ，前房の深さを観察することが可能であり問題は生じなかった．瞳孔膜や虹彩後癒着を生じた症例では白内障手術を施行する際に除去するが，瞳孔膜を残した症例では，虹彩後癒着を生じ瞳孔ブロックによる緑内障を発症した15）と報告されており，瞳孔膜の処理，虹彩癒着の解除も同時に行うことが緑内障の発症予防に重要である．角膜穿孔に至った症例では，角膜穿孔の原因，随伴する眼疾患の有無，炎症の程度，移植片のサイズ，拒絶反応の有無などさまざまな要因が影響するため，視力予後は症例により大きく異なる16）．神経麻痺性角膜症に対して現時点では根本的治療法がなく難治性な疾患であるが，今回の症例では，表層角膜移植術，羊膜移植術，水晶体再建術の同時手術が有効であった．今後のさらなる治療技術の発展が期待される．文献1）MullerCLJ,CMarfurtCCF,CKruseCFCetal：Cornealnerves：structure,CcontentsCandCfunction.CExpCEyeCResC77：253,C20032）ShaheenCBS,CBakirCM,CJainS：CornealCnervesCinChealthCanddisease.SurvOphthalmol59：263-285,C20143）HyndiukRA,KazarianEL,SchultzROetal：Neurotroph-icCcornealCulcersCinCdiabetesCmellitus.CArchCOphthalmolC95：2193-2196,C19774）KaufmanSC：AnteriorCsegmentCcomplicationsCofCherpesCzosterophthalmicus.Ophthalmology115：S24-S32,C20085）MastropasquaCL,CMassaro-GiordanoCG,CNubileCMCetal：CUnderstandingCtheCpathogenesisCofCneurotrophicCkerati-tis：theCroleCofCcornealCnerves.CJCCellCPhysiolC232：717-724,C20076）BoniniCS,CRamaCP,COlziCDCetal：NeurotrophicCkeratitis.Eye（Lond）C17：989-995,C20037）MackieIA：NeuroparalyticCkeratitis.In：CurrentCOcularTherapy,CPhiladelphia（FraunfelderCF,CRoyCFH,CMeyerSM,eds）C,WBSaunders,p452-454,19958）SacchettiCM,CLambiaseA：DiagnosisCandCmanagementCofCneurotrophickeratitis.ClinOphthalmol8：571-579,C20149）GomesCJA,CRomanoCA,CSantosCMSCetal：AmnioticCmem-braneCuseCinCophthalmology.CCurrCOpinCOphthalmolC16：C233-240,C200510）FogleCJA,CKenyonCKR,CFosterCS：TissueCadhesiveCarrestsCstromalCmeltingCinCtheChumanCcornea.CAmCJCOph-thalmol89：795-802,C198011）BoniniCS,CLambiaseCA,CRamaCPCetal：PhaseCICtrialCofCrecombinanthumannervegrowthfactorforneurotrophickeratitis.Ophthalmology125：1468-1471,C201812）BoniniCS,CLambiaseCA,CRamaCPCetal：PhaseCIICrandom-ized,Cdouble-masked,Cvehicle-controlledCtrialCofCrecombi-nantChumanCnerveCgrowthCfactorCforCneurotrophicCkerati-tis.Ophthalmology125：1332-1343,C201813）NishidaT,ChikamaT,MorishigeNetal：Persistentepi-thelialCdefectsCdueCtoCneurotrophicCkeratopathyCtreatedCwithCaCsubstanceCp-derivedCpeptideCandCinsulin-likeCgrowthfactorJpnJOphthalmolC51：442-447,C200714）SeitzB,DasS,SauerRetal：Amnioticmembranetrans-plantationCforCpersistentCcornealCepithelialCdefectsCinCeyesCafterpenetratingCkeratoplasty.CEye（Lond）23：840-848,C200915）HillJC：Useofpenetratingkeratoplastyinacutebacterialkeratitis.BrJOphthalmol70：502-506,C198616）StamateAC,T.taruCP,ZembaM：Emergencypenetrat-ingCkeratoplastyCinCcornealCperforations.CRomCJCOphthal-mol62：253-259,C2018＊＊＊</p>
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