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広義原発開放隅角緑内障におけるカルテオロール/ラタノプロスト 配合点眼剤単独への変更による1 年間の長期眼圧下降効果

2022年6月30日 木曜日

《原著》あたらしい眼科39(6):830.834,2022c広義原発開放隅角緑内障におけるカルテオロール/ラタノプロスト配合点眼剤単独への変更による1年間の長期眼圧下降効果杉本識央白鳥宙中元兼二西尾侑祐飛田悠太朗中野優治山崎将志大石典子武田彩佳高野靖子高橋浩日本医科大学眼科学教室COne-YearClinicalE.cacyofCarteolol/LatanoprostFixedCombinationinPrimaryOpenAngleGlaucomaandNormalTensionGlaucomaShioSugimoto,NakaShiratori,KenjiNakamoto,YusukeNishio,YutaroTobita,YujiNakano,MasashiYamazaki,NorikoOhishi,AyakaTakeda,YasukoTakanoandHiroshiTakahashiCDepartmentofOphthalmology,NipponMedicalSchoolC目的:広義原発開放隅角緑内障(POAG)におけるカルテオロール/ラタノプロスト配合点眼剤(以下,CAR/LAT)単独への変更によるC1年間の眼圧下降効果を後ろ向きに検討する.対象および方法:プロスタグランジン関連薬(以下,PG)単剤または異種のCPG/b遮断薬配合剤(以下,PG/b)単独からの切り替えで,CAR/LATを新規に処方した広義POAG患者のうち,緑内障手術歴のない連続C65例を対象とした.変更前と変更C1カ月後,3カ月後,6カ月後,12カ月後の眼圧をそれぞれ比較した.結果:PGからの変更では,眼圧(平均±標準偏差)は,変更前C14.9±3.2CmmHgに対して変更C12カ月後C12.8±2.1CmmHgで,変更前と比べて変更後のすべての時点で有意な眼圧下降を認めた(p<0.05).異種のCPG/bからの変更では,有意な変化はなかった(p=0.30).結論:広義CPOAGにおいて,PG単剤からCCAR/LATへの変更では,1年間有意な眼圧下降が得られ,また,異種のCPG/b単独からの変更では有意な眼圧変化はない.CPurpose:ToCinvestigateCtheClong-termCintraocularpressure(IOP)-loweringCe.ectCofCswitchingCtoCcarteolol/Clatanoprost.xedcombination(CAR/LAT)onlyinpatientswithprimaryopenangleglaucoma(POAG)ornormaltensionglaucoma(NTG).Methods:Inthisretrospectivestudy,themedicalrecordsof65patients(65eyes)withPOAGorNTGwhowerenewlyprescribedCAR/LATafterswitchingfromprostaglandinanalogue(PG)orpros-taglandinanalogue/beta-blocker(PG/b)timolol.xedcombination.IOPwascomparedbetweenatbaselineandat1-,3-,6-,CandC12-monthsCpostCswitch.CResults:IOPCwasCsigni.cantlyCdecreasedCatC12-monthsCpostswitch(12.8±2.1mmHg)inCcomparisonCwithCthatCatCbeforeCswitchingCfromPG(14.9±3.2mmHg)(p<0.05).CHowever,CnoCsigni.cantdi.erenceinIOPwasfoundbetweenpreandpostswitchfromPG/b(p=0.30).CConclusion:IOPwassigni.cantlydecreasedafterswitchingfromPGtoCAR/LATandwasmaintainedafterswitchingfromPG/bfor1year.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)39(6):830.834,C2022〕Keywords:カルテオロール/ラタノプロスト配合点眼剤,眼圧,変更,原発開放隅角緑内障.carteolol/latanoprost.xedcombination,intraocularpressure,switching,primaryopenangleglaucoma.Cはじめに現在,緑内障治療における視野維持効果についてエビデンスに基づいた唯一確実な治療法は眼圧下降であり,薬物治療が第一選択となる1).開放隅角緑内障の薬物治療においては,プロスタグランジン関連薬(以下,PG)が眼圧下降効果と点眼回数,副作用の面で良好な忍容性により第一選択薬としてもっとも使用されており,続いてCb遮断薬も第一選択になりうるとされる1).単剤での効果が不十分であるときには併用療法を検討するが,併用療法の際には患者のアドヒアランスやCQOLも考慮すべきであるため,配合点眼の使用がすす〔別刷請求先〕杉本識央:〒113-8603東京都文京区千駄木C1-1-5日本医科大学眼科学教室Reprintrequests:ShioSugimoto,M.D.,DepartmentofOphthalmology,NipponMedicalSchool,1-1-5Sendagi,Bunkyo-ku,Tokyo113-8603,JAPANC830(134)められる1,2).カルテオロール/ラタノプロスト配合点眼剤(以下,CAR/LAT)はCPGとCb遮断薬の配合点眼剤(以下,PG/Cb)の一つであり,また,Cb遮断薬としてカルテオロールを含有する唯一のCPG/Cbである.他のCPG/Cbに含有されるCb遮断薬であるチモロールと比較して,カルテオロールには眼表面の麻酔作用がほとんどないためにドライアイを生じにくく3),呼吸器系および循環器系の副作用を引き起こしにくい4,5)などのメリットがあり,実臨床において広く使用されているが,1年以上の眼圧下降効果に関する報告は少ない.そこで今回,広義原発開放隅角緑内障(primaryCopenangleCglaucoma:POAG)を対象に,CAR/LAT単独への変更によるC1年間の眼圧下降効果を後ろ向きに検討した.CI対象および方法2017年C1月.2018年C12月に日本医科大学付属病院緑内障外来で,PG単独または異種のCPG/Cbからの切り替えでCAR/LATを新規に処方した広義CPOAG患者のうち,緑内障手術歴のない連続C65例を対象とし,カルテレビューにより後ろ向きに調査した.前投薬(PGまたは異種のCPG/Cb)からCCAR/LATに切り替えた際の,変更前の眼圧と,変更C1カ月後(C±1週間),3カ月後(C±1カ月),6カ月後(C±1カ月),12カ月後(C±1カ月)の眼圧をそれぞれ比較した.眼圧測定は全例CGoldmann圧平式眼圧計を用い,測定時間が同じ時間帯(C±2時間)の眼圧値を採用した.眼圧の比較は,全対象での検討,前投薬がCPGまたはCPG/Cbでの種類別の検討および前投薬がCPGの症例のなかで病型分類別の検討を行った.なお,前投薬からCCAR/LATへの切り替えの際,原則として夜点眼を指示した.解析はC1例C1眼とし,両眼点眼症例は,乱数表を用いて対象眼をランダムに選択した.眼圧比較には反復測定分散分析,HsuのCMCB検定を用いた.有意確率はCp<0.05(両側検定)とした.眼圧下降率は欠損値がある場合には当該症例を除いて計算した.副作用で脱落した症例はC4例で,脱落した時点で眼圧の解析からは除外した.なお,本研究は日本医科大学付属病院の倫理委員会で承認を得た(受付番号CR1-05-1135).CII結果対象はC65例C65眼で,患者背景を表1に示す.広義CPOAGにおいて,PG単剤からの変更例(n=40)では,CAR/LATへの変更前の眼圧C14.9C±3.2CmmHg(n=40)に対して,変更C1カ月後C12.9C±2.1CmmHg(n=21),3カ月後C13.2C±2.6CmmHg(n=36),6カ月後C13.1C±2.0CmmHg(n=35),12カ月後C12.8C±2.1CmmHg(n=32)で,変更前に対する変更C1カ月後,3カ月後,6カ月後,12カ月後の平均眼圧変化値(下降率)はそれぞれC.2.1±2.1CmmHg(14.0%),C.1.9±2.8CmmHg(12.8%),.1.5±2.7CmmHg(10.3%),.1.9±3.1CmmHg(12.8%)であり,変更前と比較して変更後のすべての時点で眼圧は有意に下降していた(図1).PG単剤からの変更例のうち病型分類が狭義CPOAGの症例(n=17)では,CAR/LATへの変更前C17.6C±2.3CmmHg(n=17)に対して,変更C1カ月後C14.0C±2.1CmmHg(n=9),3カ月後C14.6C±2.5CmmHg(n=17),6カ月後C13.8C±2.1CmmHg(n=14),12カ月後C13.6C±1.7CmmHg(n=13)で,変更前に対する変更C1カ月後,3カ月後,6カ月後,12カ月後の平均眼圧変化値(下降率)はそれぞれC.2.9±1.8CmmHg(17.2%),C.3.0±3.1CmmHg(17.1%),3.4C±2.6CmmHg(19.9%),.3.6C±3.3CmmHg(20.9%)であり,すべての時点において有意な眼圧下降効果を認めた(p<0.05).一方で,病型分類が正常眼圧緑内障(normalCtensionglaucoma:NTG)の症例での眼圧の推移は,CAR/LATへの変更前C12.8C±2.0CmmHg(n=23)に対して,変更C1カ月後C12.0C±2.4CmmHg(n=12)で,3カ月後C11.9C±2.1CmmHg(n=19),6カ月後C12.6C±1.8CmmHg(n=21),12カ月後C12.3C±2.2CmmHg(n=19)であり,変更前に対する変更C1カ月後,3カ月後,6カ月後,12カ月後の平均眼圧変化値(下降率)はそれぞれC.1.6±2.4CmmHg(11.0%),C.1.0±2.2CmmHg(7.8%),.0.2±1.9CmmHg(2.3%),C.0.7±2.5CmmHg(5.3%)であり,変更C1カ月後の時点では眼圧は有意に下降していた(図2).広義CPOAGにおける異種のCPG/Cbからの変更例(n=25)では,CAR/LATへの変更前C14.5C±2.5CmmHg(n=25)に対して,変更C1カ月後C13.8C±2.9CmmHg(n=10),3カ月後C13.3±3.2CmmHg(n=22),6カ月後C13.4C±3.0CmmHg(n=23),12カ月後C14.4C±3.1CmmHg(n=20)で,変更前に対する変更C1カ月後,3カ月後,6カ月後,12カ月後の平均眼圧変化値(下降率)はそれぞれC.0.3±2.1CmmHg(2.1%),.1.3C±2.6CmmHg(8.9%),.1.4±2.4CmmHg(9.5%),.0.7±2.3CmmHg(4.0%)であり,すべての時点で眼圧変化は有意ではなかったが(p=0.30),1年間にわたって同程度の眼圧下降効果を維持した(図3).中止・脱落した症例は,副作用があったC4例(6.2%)のみであった.その内訳は,変更後C1カ月までに喘鳴,眼瞼色素沈着,眼瞼炎がそれぞれC1例ずつ,変更C9カ月後に結膜充血がC1例あり,それぞれ投薬中止となった.喘鳴の症例はトラボプロストからの変更例であり,トラボプロストに戻したところ症状は消失した.眼瞼色素沈着の症例はラタノプロスト/チモロールマレイン酸塩配合点眼薬からの変更例であり,変更後C1カ月の時点で症状の進行の訴えがあり,ドルゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合点眼薬へ変更したところ症状は軽快した.眼瞼炎の症例はラタノプロスト/チモロール表1患者背景(平均値±標準偏差)C2014.9±3.2***p<*0.05年齢C61.7±12.5歳C18*13.2±2.612.9±2.113.1±2.0眼圧(mmHg)男性/女性30例/35例病型原発開放隅角緑内障(狭義):20例108n=40n=21n=36n=35n=32正常眼圧緑内障:45例6前投薬PG:40例42平均偏差+標準偏差ラタノプロスト35眼タフルプロスト3眼トラポプロスト2眼CPG/b:25例ラタノプロスト・チモロール12眼タフルプロスト・チモロール10眼トラポプロスト・チモロール3眼CMDC.3.9±5.3CdB中心角膜厚C559.1±47.6CμmCPG:PG関連薬.PG/Cb:PG/Cb遮断薬.MD:Humphrey視野プログラム中心C30-2SITA-standardによる平均偏差0変更前1M3M6M12M図1広義POAGにおけるPG単剤からCAR/LATへの変更例の眼圧の推移広義CPOAGにおいてCCAR/LATに変更後,眼圧はすべての時点で変更前より有意に下降していた(反復測定分散分析およびCHsuのCMCB検定,p<0.05).CNS14.4±3.11816眼圧(mmHg)141210864*p<0.05(n=17)20181620眼圧(mmHg)141210図3異種のPG/bからCAR/LATへの変更例の眼圧の推移8CAR/LATに変更後,すべての時点で有意な眼圧変化はなく,1C64年間にわたって同程度の眼圧下降効果を維持した(反復測定分散C2分析およびCHsuのCMCB検定,p<0.05)C0図2PG単剤からCAR/LATへの変更例の病型分類別眼圧の変更は同程度の眼圧下降効果を維持した.変更前1M3M6M12M推移CAR/LATに変更後,NTG群では変更C1カ月後で,狭義CPOAG群ではすべての時点で,眼圧は変更前より有意に下降していた(反復測定分散分析およびCHsuのCMCB検定,p<0.05).マレイン酸塩配合点眼薬で,眼瞼炎がありCCAR/LATに変更した症例であり,変更後も症状継続したため,投薬中止したところ症状は消失した.結膜充血の症例はラタノプロストからの変更例であり,タフルプロスト/チモロールマレイン酸塩配合点眼薬へ変更したところ症状は軽快した.CIII考按今回の研究では,広義CPOAGにおいてCPG単剤からCAR/LAT単独への変更はC1年間有意な眼圧下降が得られていた.NTGでは変更後C1カ月,狭義CPOAGではすべての時点で有意な眼圧下降があった.また,異種のCPG/CbからのPG単剤からCCAR/LATへの変更による眼圧下降効果に関する既報によると,広義CPOAG,高眼圧症を対象にした国内第CIII相試験6)ではラタノプロストからの変更前眼圧C20.1C±1.9CmmHgに対して眼圧下降幅は4週間後2.7C±0.2mmHg,8週間後C2.9CmmHgC±0.2CmmHgであった.中牟田らの広義POAG,続発緑内障を対象にした報告7)ではラタノプロストからの変更前眼圧C16.0C±2.8CmmHgに対して眼圧下降幅はC1カ月後C2.5C±1.4CmmHg,3カ月後C2.5C±1.7CmmHg,松村らの広義CPOAGを対象にした報告8)ではラタノプロストからの変更前眼圧C15.9C±2.9CmmHgに対して眼圧下降幅はC1カ月後C2.4±1.4mmHg,3カ月後C2.6C±1.7mmHg,6カ月後C2.3C±1.8CmmHg,12カ月後C2.3C±1.8CmmHgであった.本研究の広義CPOAGでの検討では,PG単剤からの変更で,変更前C14.9±3.2mmHgに対して眼圧下降幅はC1カ月後C2.1C±2.1mmHg,3カ月後C1.9C±2.8mmHg,6カ月後C1.5C±2.7mmHg,12カ月後C1.9C±3.1CmmHgであり,本研究の結果は既報に比(136)べやや眼圧下降が劣っていた.その原因として,まず既報と試験デザインおよび病型が異なることに加え,本研究では変更前眼圧が既報より低かったことが考えられる.また,本研究においても,NTGでは効果が弱いものの広義CPOAGとしては,その短期で得られた眼圧下降効果は変更C1年後まで維持されていた.このように,広義CPOAGにおいてCPG単剤からCCAR/LATへの変更は眼圧下降作用において少なくともC1年間にわたって有効といえる.ベースライン眼圧別のCCAR/LATの眼圧下降効果の検討に関して,国内第CIII相試験6)においてラタノプロストからの変更ではベースライン眼圧が高いほうが眼圧下降幅も大きかったことが報告されている.本研究においても,PG単剤からCCAR/LATへ変更後の病型分類別の眼圧下降幅は,狭義CPOAG(変更前C17.6C±2.3mmHg)では,変更C1カ月後2.9CmmHg,3カ月後C3.0CmmHg,6カ月後C3.4CmmHg,12カ月後C3.6CmmHgで,いずれも統計学的に有意な下降であったのに対し,NTG(変更前C12.8C±2.0CmmHg)では,変更C1カ月後C1.6mmHg,3カ月後C1.0mmHg,6カ月後C0.2mmHg,12カ月後C0.7CmmHgであり,変更C1カ月後を除き有意な下降はなかった.本研究のCNTG症例の変更前眼圧平均12.8CmmHgはかなり低い眼圧であるため,変更C1カ月後を除き有意な眼圧下降効果が得られなかった原因であると考えた.異種のCPG/CbからCCAR/LATへ変更による眼圧下降効果に関する既報は,髙田ら9)のトラボプロスト/チモロールマレイン酸塩配合点眼薬からの変更でC3カ月後まで同等の眼圧下降効果であったとの報告,Inoueら10)のラタノプロスト/チモロールマレイン酸塩配合点眼薬からの変更でC3カ月後まで同等の眼圧下降効果であったとの報告などがある一方で,勝部ら11)のラタノプロスト/チモロールマレイン酸塩配合点眼薬からの変更C6カ月後に平均C1.6CmmHgの有意な眼圧下降を認めたという報告もある.本研究では異種CPG/Cbからの変更C1カ月後,3カ月後,6カ月後,12カ月後のすべての時点で変更前から有意な眼圧変化はなく,1年間にわたって同様の眼圧下降効果を維持した.本研究でのCCAR/LATの副作用は,喘鳴,眼瞼色素沈着,眼瞼炎,結膜充血がそれぞれC1例ずつで,副作用出現率は6.2%であり,国内第CIII相試験6)でのC6.8%とほぼ同等であった.喘鳴の症例はCb遮断薬であるカルテオロールによる副作用と考えられ,トラボプロストへ変更したところ症状は消失した.当該患者は処方前の問診で喘息の既往歴はなかった.山野ら12)は,カルテオロールを開始後の喘息症状の出現率は,既往に喘息がある症例でC61.9%,既往に喘息がない症例でC1.2%であったと報告しており,問診で喘息の既往歴が確認されない場合にもCb遮断薬の全身性副作用にはあらためて留意する必要がある.眼瞼色素沈着はラタノプロストの副作用と考えられ,眼瞼炎や結膜充血もそれぞれCCAR/LATの既知の副作用である.CAR/LATはカルテオロールとラタノプロストの配合点眼剤であるため,点眼回数やアドヒアランスの面でのメリットがある反面,使用時にはC2成分の副作用への注意が必要である.本研究におけるC1年間での脱落例はわずかC4例(6.2%)であり,CAR/LAT単独治療は高い継続率であった.本研究の限界は,後ろ向きな調査であるため,評価期間に眼圧が測定されていない欠測値が少なからずあることである.しかし,本研究は後ろ向きではあるものの連続症例での検討で,変更C1カ月後を除けばその他の測定時点ではC80%以上の症例数があった.また,中止・脱落症例はわずかC4例でいずれもCCAR/LATの副作用による中止で,眼圧下降効果が不良と判断されて中止となった症例はなかったことから,解析結果に大きな影響はなかったと考える.結論として,広義CPOAG患者において,PG単剤または異種のCPG/CbからCCAR/LAT単独治療への変更は,1年間有意な眼圧下降あるいは同程度の眼圧下降効果が得られ有用であった.文献1)日本緑内障学会緑内障診療ガイドライン作成委員会:緑内障診療ガイドライン(第C4版).日眼会誌C122:5-53,C20182)Oltho.CCM,CSchoutenCJS,CvanCdeCBorneCBWCetal:Non-compliancewithocularhypotensivetreatmentinpatientswithCglaucomaCorCocularChypertensionCanCevidence-basedCreview.OphthalmologyC112:953-961,C20053)YabuuchiY,HashimotoK,NakagiriNetal:Antiarrhyth-micCpropertiesCofC5-(3-tert-butylamino-2-hydroxy)pro-poxy-3,4-dihydrocarbostyrilhydrochloride(OPC-1085)C,anewlysynthesized,potentbeta-adrenoreceptorantagonist.CClinExpPharmacolPhysiolC4:545-559,C19774)NetlandPA,WeissHS,StewartWCetal:Cardiovasculare.ectsoftopicalcarteololhydrochlorideandtimololmale-ateCinCpatientsCwithCocularChypertensionCandCprimaryCopen-angleCglaucoma.CNightCStudyCGroup.CAmCJCOphthal-molC123:465-477,C19975)佐野靖之,村上新也,工藤宏一郎:気管支喘息患者に及ぼすCb-遮断薬点眼薬の影響:CarteololとCTimololとの比較.現代医療C16:1259-1263,C19846)YamamotoCT,CIkegamiCT,CIshikawaCYCetal:Randomized,Ccontrolled,CphaseC3CtrialsCofCcarteolol/latanoprostC.xedCcombinationCinCprimaryCopen-angleCglaucomaCorCocularChypertension.AmJOphthalmolC171:35-46,C20167)中牟田爽史,井上賢治,塩川美菜子ほか:ラタノプロスト点眼薬からラタノプロスト/カルテオロール塩酸塩配合点眼液への変更.臨眼C73:729-735,C20198)松村理世,井上賢治,塩川美菜子ほか:ラタノプロスト点眼薬からラタノプロスト/カルテオロール配合点眼薬への変更による長期投与.あたらしい眼科C37:467-470,C20209)髙田幸尚,宮本武,岩西宏樹ほか:他剤配合点眼からカルテオロール塩酸塩/ラタノプロスト配合点眼薬へ変更後の角膜上皮障害の変化.臨眼C72:1579-1584,C2018モロールマレイン酸塩配合点眼液からカルテオロール塩酸10)InoueCK,CPiaoCH,CIwasaCMCetal:Short-termCe.cacyCand塩/ラタノプロスト配合点眼液への切替え効果.臨眼C73:CsafetyCofCswitchingCfromCaClatanoprost/timololC.xedCcom-777-785,C20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