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ビルベリーエキス含有食品摂取による眼精疲労改善効果 ─ランダム化二重盲検プラセボ対照試験─

2016年12月31日 土曜日

《原著》あたらしい眼科33(12):1795?1800,2016cビルベリーエキス含有食品摂取による眼精疲労改善効果─ランダム化二重盲検プラセボ対照試験─堀江幸弘*1片山詩野*1所茉利奈*1董震宇*1小齊平麻里衣*2大野重昭*3石田晋*3北市伸義*1,3*1北海道医療大学病院眼科*2(株)オムニカ*3北海道大学大学院医学研究科眼科学分野EffectofBilberryExtractonEyestrain─ADouble-blindRandomizedClinicalTrial─YukihiroHorie1),ShinoKatayama1),MarinaTokoro1),DongZhenyu1),MarieKosehira2),ShigeakiOhno3),SusumuIshida3)andNobuyoshiKitaichi1,3)1)DepartmentofOphthalmology,HealthSciencesUniversityofHokkaido,2)OmnicaCo.,Ltd.,3)DepartmentofOphthalmology,HokkaidoUniversityGraduateSchoolofMedicineアントシアニンはブルーベリーなどに豊富に含まれ,古来眼症状への好影響が伝承されている.今回筆者らは機器を用いて眼疲労を他覚的に評価するとともに,VisualAnalogScale(VAS)スコアを用いた自覚的検査で標準ビルベリー抽出物ミルトアルゴスRの眼疲労抑制効果を検討した.健康成人男女31名を参加者とし,無作為にプラセボ群,ビルベリーエキス160mg摂取群,3倍量ビルベリーエキス480mg摂取群の3群に分けて評価した.その結果,ビルベリー群では2群とも経口摂取1時間後に血漿中アントシアニン濃度が上昇した.摂取群では他覚検査トライイリスにて瞳孔緊張率が有意に改善し(p<0.05),VASスコアでも自覚症状が有意に改善した(p<0.05).標準ビルベリー抽出物はVDT作業や近見作業などによる眼の調節改善と疲労感軽減への有用性が期待された.Theeffectofanthocyaninoneyestrainhasbecomeafocusofattention.Inthisstudy,weexaminedtheeffectoneyestrainoftakingstandardbilberryextract(SBE),MyrtArgosR,asevaluatedobjectivelyandsubjectivelybyophthalmologicexamination(TriIRIS)andvisualanalogscale(VAS)score.Participatinginthisstudywere31healthyadultvolunteers,randomlydividedinto3groups,whotookplacebo,160mgofSBEor480mgofSBE.PlasmaanthocyaninconcentrationswerequantifiedafteranhourofMyrtArgosRingestion.IntakeofMyrtArgosRraisedbloodanthocyaninconcentration.Objectivepupilstrainandsubjectiveeyefatiguewerebothsignificantlyimproved(p<0.05)byoralSBEintake.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)33(12):1795?1800,2016〕Keywords:ビルベリー,アントシアニン,眼疲労,トライイリス,VASスコア.bilberry,anthocyanin,eyestrain,TriIRIS,VASscore.はじめに携帯端末スマートフォンなどの普及により,近年は日常的に近業VDT(visualdisplayterminals)作業に従事する時間が増加している.一方,医療現場でも電子カルテ,レセプト電子申請などのデジタル化が進みVDT作業に従事する時間が長くなっている.ビルベリー(Bilberry)はツツジ科スノキ属(Vaccinium)に分類されブルーベリーの原種であり,スカンジナビア半島などヨーロッパ北部に自生している.その果実・果皮はアントシアニン(anthocyanin)を多く含み,眼に関連する健康食品に広く利用されている1).そのなかでもビルベリー由来アントシアニン(Vacciniummyrtillusanthocyanin:VMA)を含有するビルベリーエキス(Bilberryextract:BE)に関しては,これまで多くの報告がされてきたものの,多くのランダム化試験においてはプラセボと実際に対比されている被検物はVMAではなく,VMAを一部含有する生薬としてのBEであった2,3).BEは多数市販されているが,産地や抽出法により含有する各種アントシアニンのばらつきが大きく,それぞれの摂取効果を比較することは適切ではない.筆者らはVMAを機能性関与成分と推定したうえで,特定の生薬である標準ビルベリーエキス(Standardizedbilberryextract:SBE)を用いた一連のランダム化試験を行い,SBE経口摂取による介入が調節時における眼精疲労の軽減あるいは緩和に有効であることを検証・報告してきた4,5).SBEはVMAとしての薬物体内動態が観察されているため,評価対象として適切であると考えられている6).すなわち,SBE摂取によりアントシアニンの血漿中濃度が上昇し,血漿中アントシアニン濃度が十分確保されることで臨床的有効性が得られる.今回筆者らは日常的に近見作業が多い者を対象に,新たな近見負荷をかけない前向き臨床試験を行い,試験食品の摂取量,血漿中濃度,他覚的瞳孔緊張率,自覚症状を無作為前向きに検討した.I方法1.調査対象および投与方法本研究では日常的に7時間/日以上パソコン作業や近業作業に従事し,眼の疲労症状を自覚し,かつ他の眼疾患を有しない健康成人男女を対象にした.標準ビルベリー果実抽出物「ミルトアルゴスR」(オムニカ)を4週間連日経口摂取して眼疲労に対する有効性を検討した.調査はプラセボ摂取群(P群),ミルトアルゴスR160mg摂取群(B1群),3倍量のミルトアルゴスR480mg摂取群(B3群)の3群の並行群間比較試験とした.それぞれの群におけるアントシアニン含有量はP群で0mg,B1群で59.2mg,B3群では177.6mgである.3群とも大きさも形も同様のものを一度に3カプセル摂取することとした.1カプセルの内容物はミルトルゴスのほかデキストリン49mg,デンプン125mg,ステアリン酸カルシウム18.75mg,微粒酸化ケイ素3.75mgが含まれる.アントシアニン摂取用には容量の異なる2種類のカプセルを作製した.プラセボ用カプセルはミルトアルゴスの代わりにカラメル色素50mgを加えて外見上での識別を不可能にした.本試験における機能性関与成分としてのビルベリー由来アントシアニンとは,Vacciniummyrtillus果実を由来とし,エタノール抽出物を吸着脱着による精製する製法にて,化合物としてのアントシアニン配糖体組成が標準組成率で15種類,約37%含有される規格のエキス全体と定義した.参加者には事前に説明同意文書により本試験の内容を説明し,参加に同意した者で事前検査(理学的検査,医師診察,血液検査など)を行った.次項の選抜基準(a,b)に適合し,除外基準(a?i)に該当しない健康成人男女を参加者とした.本調査は2重盲検試験とし,各群への割付けは割付責任者の指示のもと,割付担当者が試験食品のいずれかを無作為に3群に割付けた.摂取方法は試験食品を28日間,1日1回(原則として朝食前または昼食前の空腹時)3カプセルをコップ1杯の水,またはぬるま湯とともに摂取した.なお,摂取0日目,14日目,および28日目の来院日は血中ビルベリー濃度を測定するため,各種試験終了後に試験担当者の指示に従って一斉に試験食品を摂取した.本試験は北海道医療大学個体差医療科学センター倫理委員会の承認を得て行った(第2014-006号,UMIN000015253).<選抜基準>a)器質的眼疾患がなく眼疲労を自覚している者,VDT作業に1年以上従事している者,または日常的に自宅でTVゲームやコンピュータを使う者で,かつb)矯正視力両眼1.0以上とした.<除外基準>a)重篤な眼疾患の既往のある者または罹患者,b)眼精疲労の改善が期待される医薬品または健康食品などを常用している者,c)肝,腎,心,肺,消化器などに重篤な既往のある者(虫垂切除などは可)および罹患者,d)薬物および関与成分に関する食物アレルギーのある者,e)屈折異常があり,適切な矯正を行っていない者,f)神経性など調節性眼精疲労以外に疲労原因があると推測される者,g)試験期間中に妊娠を希望する者または妊婦(妊娠している可能性のある場合を含む)あるいは授乳中の者,h)他の臨床試験に参加中あるいは試験終了28日以内の者,i)その他試験責任医師が不適格であると判断した者を除外した.参加者には試験期間中の生活全般を試験開始前と大きく変化させないよう,かつ健康維持に努めるよう指導した.飲食および適量の飲酒・喫煙に関しては制限しなかった.2.調査項目および方法スクリーニング調査項目として,血液検査,一般眼科検査および眼底写真撮影,およびMPS-2(エムイーテクニカ)を用いた黄斑色素密度検査を行った.臨床試験開始後はドライアイ・スクリーニングソフトウェアTSASR(TearStabilityAnalysisSystem)(ニデック)を用いたドライアイ検査,トライイリス(TriIRIS)-C9000R(浜松ホトニクス)を用いた他覚的調節力検査(瞳孔緊張率),レーザースペックルフローグラフィー(Laserspeckleflowgraphy:LSFG,ニデック)を用いた眼底血流速度測定,各種アントシアニン濃度測定(HPLC法),VAS(VisualAnalogueScale)を用いた自覚的眼精疲労度アンケート調査6項目(目が疲れやすい,目がかすむ,物がちらついて見える,肩・腰がこる,頭痛が起きやすい,焦点がぼやける)を検討した.さらにすべての参加者に日誌を配布し,試験食品摂取時刻・自覚症状・特記事項を摂取期間中毎日記録させた.VASでは10cmの黒い線に右端を「まったくそうである」,左端を「まったく違う」と設定し,自覚症状の程度を参加者自身がマークする方法で評価した.各参加者の摂取開始日のVASスコアを0とし,各評価日のVASスコアとの差を変化量の実測値とした.検査当日のタイムスケジュールは,来院前日は21時以降絶食.翌朝,医師の問診→眼科各種検査→試験食品摂取→自覚症状アンケート→採血・採尿(試験食品摂取1時間後)とした.3.解析方法SAS9.3R(SASInstitute)を用いて統計解析を行った.有効性評価項目および安全性評価項目として摂取開始前と摂取14および28日後との比較は対応のあるt検定を行った.また,P群とB1群およびB3群との比較は,Bartlett法により等分散性の検定を行い,等分散の場合にはDunnett法により平均値の比較を,不等分散の場合はSteel法により平均順位の比較を行った.有意水準はBartlett法,t検定,Wilcoxonの符号付順位和検定,Dunnett法,Steel法では5%または1%とした.II結果1.対象者の試験前評価問診と事前検査を経て参加者36名(男性17名,女性19名)を選抜し,無作為にプラセボ群(P群),ミルトアルゴスR160mg群(B1群),ミルトアルゴスR480mg群(B3群)にそれぞれ均等に割り付けた.平均年齢は39.8歳(24?56歳),平均屈折値は?2.66D(+1.33D??9.58D)であった.試験期間中に屈折矯正手段を変更した者はいなかった.途中,本人都合,試験期間中の不適切な生活習慣(大量飲酒),試験カプセルの摂取忘れにより3名が脱落したが,すべて異なる群であり最終日まで検査を遂行できたのは各群11名,計33名(男性16名,女性17名)であった.トライイリス検査では左右眼の測定値を平均して個人の測定値とした.黄斑色素密度はプラセボ群(0.511±0.044),B1群(0.455±0.048),B3群(0.638±0.064)間で差はなかった.血液検査,眼底検査で重篤な疾患をもつ者はいなかった.調査開始時のベースラインにおける各群における参加者の性別,ドライアイ検査,黄斑色素密度,瞳孔緊張率(眼精疲労),自覚的な眼の疲労度に有意差はなかった.2.ビルベリーエキス摂取後血漿中アントシアニン濃度調査開始前には血漿中にアントシアニンは検出されなかった.試験開始後もプラセボ群(P群)ではいずれのアントシアニンも検出されなかった.摂取群ではB1,B3両群とも各種アントシアニン濃度が上昇しており,その濃度上昇は摂取用量依存的であった.血漿中の各種アントシアニン濃度は各群・各時点で一致しており,適切に摂取・吸収されていると考えられた(図1).3.他覚的検査結果他覚的眼精疲労評価ではトライイリスによる瞳孔緊張率変化量に有意な改善がみられた(p<0.05,図2).調査開始28日後,B1群では調査開始前と比較して瞳孔緊張率変化量は?7.07±2.42(n=11,p=0.011),B3群では?6.49±2.48(n=11,p=0.014)であり,P群と比較して両群とも有意な改善がみられた.一方,ドライアイ検査,眼底血流速度には有意な変化はみられなかった.4.自覚的眼精疲労度アンケート調査結果VASスケールを用いて自覚的眼症状を検討した.「目の疲れやすさ」「チラつき感」「頭痛」「目のかすみ」の各項目ではミルトアルゴス摂取群で有意な改善がみられた(図3).各評価日のP群のVASスコアを0とした場合,主要評価項目である「目の疲れやすさ」は28日目にB3群で?35.7±17.0と有意に軽減した(p<0.05).「チラつき感」は14日目のB1群,B3群でP群に対してそれぞれVASスコア?28.5±22.7,?44.9±18.9と有意に軽減し(p<0.05),28日目においてもB3群でP群に比較して?63.0±19.5と有意に軽減していた(p<0.05).「頭痛が起きやすい」では28日目でB3群がP群に比較してVASスコアは?49.0±25.8と有意に改善した(p<0.05).「目がかすむ」はB1群で?30.8±11.6,+11.6±24.4,?5.5±22.9(それぞれ開始前,14日目,28日目,以下同様),B3群で?0.02±9.6,+45.2±22.9,?22.1±17.9*(*p<0.05)であった.一方,「肩・首のこり」はB1群で?11.6±11.3,?3.9±19.1,?2.6±20.1,B3群で+4.0±6.4,+9.5±15.2,?13.5±16.0,「焦点のぼやけ」はB1群で+9.5±14.7,+22.5±21.5,+22.8±24.1,B3群で?0.6±14.9,?4.5±17.8,?16.4±16.3であり,両方の質問項目に対して高用量群で28日目に自覚症状が軽減傾向であったが,有意差はみられなかった.III考按ビルベリーの主要成分であるアントシアニンは抗酸化作用・抗炎症作用をもつ7?9).現在一般に販売されているブルーベリーはビルベリーの栽培種である.アントシアニンはこれまでに500種類以上の組成物が知られている10).ビルベリー/ブルーベリーの視覚への効果が広く注目されたのは,第二次世界大戦中に闇の中でも標的が見やすいとイギリス空軍兵士がブルーベリージャムを積極的に摂取したエピソード以降であるが,今日ではこれは戦時下における情報撹乱戦術の一環だったと考えられており,科学的根拠は不明確である11).戦後の1965年からビルベリー,あるいは主成分アントシアニンに対する眼症状の効果が改めて検証され始め,現在までに日本を含むさまざまな国で暗視力・視野の改善効果,眼精疲労改善効果,近視改善効果などが検討されている11?13).今回筆者らは標準ビルベリー果実抽出物であるミルトアルゴスRを経口摂取し,日常のVDT作業負荷に伴う眼精疲労に対する臨床効果を検討した.これまでアントシアニンの眼症状に対する効果に関しては,蛍光眼底造影検査や網膜電図14),中心フリッカー測定15,16),Schirmer検査17)などでの評価がある.今回筆者らはこれまで報告されていないトライイリスによる調節力,TSASRによる涙液安定性,LSFGによる眼底血流速度の評価を試みた.トライイリスによる他覚的調節機能評価では28日間摂取後に瞳孔緊張率が有意に低下・改善していた.トライイリスによる瞳孔緊張率変化量は眼精疲労の他覚的評価法の一つであり,瞳孔緊張率とは瞳孔横径を測定開始直後と終了時から算出し,眼精疲労の他覚的評価の指標として有用であると考えられている18).また,VASスコアによる自覚的眼疲労評価でも「眼疲労感」「目のちらつき」「頭痛」「目のかすみ」が有意に改善した.標準ビルベリー抽出物でのVASスコア自覚的眼精疲労は他施設でも改善が報告されており19),今回の筆者らの結果と矛盾しない.ミルトアルゴスRに含まれるアントシアニンは摂取後約30分で最大血中濃度に到達し,摂取後2時間30分で半減することが確認されている6).本試験は問診→検査→試験食品摂取→採血という流れで行ったため,今回の各種眼科検査・評価は摂取前の血中濃度がトラフレベル状態である.涙液安定性試験やLSFGによる眼底血流速度に有意差がみられなかったが,経口摂取後に速やかに検査を施行すればこれらでも高い有効性が得られた可能性が残る.今後さらに検討が必要であると考えられた.IVまとめ特定条件の標準ビルベリー抽出物ミルトアルゴスRの28日間連日経口摂取は,血漿中アントシアニン濃度を上昇させ,VDT作業や近見作業などによる眼の慢性疲労軽減と調節改善に対して有用性が期待された.謝辞:本研究を行うにあたりご協力いただきました学校法人吉田学園医療歯科専門学校,同校の藤戸章子視能訓練士,ならびに北海道大学病院眼科視能訓練士の溝口亜矢子,阿部朋子,石垣さやか,橋本勇希,南陽子,長谷川裕香,竹下なみ,石川由梨,滝田亜かりの各氏に深謝いたします.利益相反:(株)オムニカF文献1)GopalanA,ReubenSC,AhmedSetal:Thehealthbenefitsofblackcurrants.FoodFunct3:795-809,20122)小出良平,植田俊彦:視機能に及ぼすホワートルベリーエキスの効果.あたらしい眼科11:117-121,19943)瀬川潔,橘本賢次郎,川田晋:VDT作業負荷による眼精疲労自覚症状および調節機能障害に対するビルベリー果実由来アントシアニン含有食品の保護的効果.薬理と治療41:155-165,20134)小齊平麻里衣,北市伸義:標準ビルベリー果実抽出物による眼疲労改善効果.薬理と治療43:397-403,20155)小齊平麻里衣,高尾久貴,葉山隆一ほか:ビルベリー果実由来特定アントシアニン摂取によるVDT負荷眼疲労の回復効果.薬理と治療43:1339-1346,20156)EidenbergerT:ComparativeHumanInVitroandInVivoBioavailabilityInvestigationofBilberryAnthocyaninsinDifferentComplexLigandswithDifferentCopigmentationStatus.Anthocyanins:Structure,BiosynthesisandHealthBenefits.NovaSciencePublishers,Inc,NY,p259-28,20127)MiyakeS,TakahashiN,SasakiMetal:Visionpreservationduringretinalonflammationbyanthocyanin-richbilberryextract:cellularandmolecularmechanism.LabInvest92:102-109,20128)YaoN,LanF,HeRRetal:Protectiveeffectsofbilberry(VacciniummyrtillusL.)extractagainstendotoxininduceduveitisinmice.JAgricFoodChem58:4731-4736,20109)ShirleyZS,TaharatY,ManashiBetal:Berryanthocyaninsasnovelantioxidantsinhumanhealthanddiseaseprevention.MolNutrFoodRes51:675-683,200710)WuX,PriorRL:Identificationandcharacterizationofanthocyaninsbyhigh-performanceliquidchromatography-electrosprayionization-tandemmassspectrometryincommonfoodsintheUnitedStates:vegetables,nuts,andgrains.JAgricFoodChem53:3101-3113,200511)北市伸義:眼と健康食品.日本食品安全協会会誌11:1-8,201612)JayleGE,AubryM,GaviniHetal:StudyconcerningtheactionofanthocyanosideextractsofVacciniumMyrtillusonnightvision(ArticleinFrench).AnnOcul(Paris)198:556-562,196513)RouherF:“Isitpossibletoimprovethenightvisionofcardrivers?”AnnMedAccidentsTraffic:3-4,196514)RepossiP,MalagolaR,DeCadilhacC:Theroleofanthocyanosidesonvascularpermeabilityindiabeticretinopathy.AnnOttalmolClinOcul113:357-361,198715)ContestabileMT,AppolloniR,SuppressaFetal:ProlongedtreatmentwithhighdosageofVacciniummyrtillusanthocyanosides:electrophysiologicalresponseinmyopicpatients(ArticleinItalian).BollOculist70:1157-1169,199116)OzawaY,KawashimaK,OnoueSetal:Bilberryextractsupplementationforpreventingeyefatigueinvideodisplayterminalworkers.JNutrHealthAging19::548-554,201517)川田晋:ビルベリー果実エキス(ミルトセレクト(R)がドライアイおよび酸化ストレスに及ぼす影響.新薬と臨床60:2151-2161,201118)藤原篤之,田淵昭雄,藤原睦子ほか:TriIRISC9000における正常値の検討.日本視能訓練士協会誌36:67-72,200719)濱舘直史,松本祥幸,四倉磨美ほか:ビデオディスプレイ端末光への曝露に起因する眼精疲労自覚症状に対するビルベリー果実抽出物含有食品の保護的効果.ProgMed34:2041-2051,2014〔別刷請求先〕北市伸義:〒002-8072札幌市北区あいの里2条5丁目北海道医療大学病院眼科Reprintrequests:NobuyoshiKitaichi,M.D.,Ph.D.,DepartmentofOphthalmology,HealthSciencesUniversityofHokkaido,Ainosato2-5,Kita-ku,Sapporo002-8072,JAPAN0910-1810/16/\100/頁/JCOPY(117)17951796あたらしい眼科Vol.33,No.12,2016(118)図1各検査日における血漿中各種アントシアニン濃度(mean±SD,n=11)試験食品摂取1時間後に測定し,摂取量依存的に血漿中濃度が上昇した.試験期間中,血漿中アントシアニン濃度は各群とも安定しており,本抽出物は安定した吸収率を示した.(119)あたらしい眼科Vol.33,No.12,20161797図2他覚的眼疲労評価(トライイリス,mean±SD,n=11)ビルベリー摂取群では低用量群(B1群),高用量群(B3群)のいずれも28日目に瞳孔緊張率が有意に改善した(*p<0.05)図3自覚的眼疲労感に関するVASスコア(mean±SD,n=11)プラセボ群(P群)VASスコアとの比較値.A:「眼の疲れやすさ」,B:「チラつき感」,C:「頭痛」,D:「目がかすむ」の項目で,ビルベリー摂取群では28日目に自覚症状が有意に軽減しており,いずれも用量依存的であった(*p<0.05).一方,E:「肩・腰がこる」,F:「焦点がぼやける」の項目では,高用量群で低用量群より症状軽減傾向がみられたが有意差はなかった.1798あたらしい眼科Vol.33,No.12,2016(120)(121)あたらしい眼科Vol.33,No.12,201617991800あたらしい眼科Vol.33,No.12,2016(122)