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周術期2%レバミピド点眼液による白内障術前後の眼表面保護効果

2016年4月30日 土曜日

《原著》あたらしい眼科33(4):589〜593,2016©周術期2%レバミピド点眼液による白内障術前後の眼表面保護効果今野公士*1,2山田昌和*2重安千花*2近藤義之*1*1近藤眼科*2杏林大学医学部眼科学教室Effectof2%RebamipideOphthalmicSolutiononOcularSurfaceafterCataractSurgeryKimihitoKonno1,2),MasakazuYamada2),ChikaShigeyasu2)andYoshiyukiKondo1)1)KondoEyeInstitute,2)DepartmentofOphthalmology,KyorinUniversitySchoolofMedicine目的:低侵襲白内障術後でも,角膜上皮障害(SPK)を呈する症例を認める.2%レバミピド点眼液を術前後28日間併用し,眼表面の状態と自覚症状を検討した.対象および方法:無作為抽出した32例47眼(平均年齢76.4±4.9歳,男性13例女性19例)を対象に2%レバミピド点眼液を併用した群(A群)と併用しなかった群(B群)に分けて検討した.Schirmer変法第1法,涙液層破壊時間(BUT),SPKの程度を評価し,自覚症状をDEQS質問表で調査した.結果:Schirmer値は両群に有意な変化を認めなかったが,BUTはA群で術後1週,2週において術前と比較して有意に延長した(p<0.01).SPKスコアはA群で術前と比較して術後1週で有意に減少していた(p<0.01).DEQSは両群ともに術前と比較して術後1週で有意に減少した(A群:p<0.01,B群:p<0.05).考察:DEQSが白内障術後に両群で改善したのは視機能の改善によるものと考えられた.2%レバミピド点眼液を白内障周術期に併用すると,BUTが延長し,SPKの改善に効果があり,周術期の眼表面管理および保護に有用と考えられた.Purpose:Toevaluatetheprotectiveeffectsof2%rebamipideeyedropsonocularsurfacedamagecausedduringandaftercataractsurgery.CasesandMethod:Randomlydividedintotwogroupswere47eyesof32cases(13malesand19females,averageage76.4±4.9yrs)whounderwentcataractsurgery.ThepatientsinGroupAwereprescribed2%rebamipideeyedropsfor28daysaroundtheperioperativeperiod;thepatientsinGroupBdidnotreceiverebamipide.Schirmer’stest,tearfilmbreak-uptime(BUT)andfluoresceincornealstainingscore(FCS)bythescaledNationalEyeInstitutemethodwereexamined.Ocularsymptomswerealsoevaluatedineachpatientbeforeandaftersurgery,usingtheDryEyerelatedQualityofLifeScore(DEQS)questionnaire.Results:TherewerenosignificantdifferencesinSchirmer’stestlevelbetweenthepreoperativeandpostoperativephases,thoughtheTBUTvaluesofGroupAatweeks1and2weresignificantlyextendedincomparisontothepreoperativeperiod(p<0.01).FCSscoresinGroupAweresignificantlylowerthaninGroupBatweeks1and2(p<0.01).DEQSwassignificantlyimprovedcomparedtothevaluebeforedrugadministrationinGroupA(p<0.01)andGroupB(p<0.05).Conclusion:Itisconsideredthat2%rebamipideimprovesBUTandfacilitateshealingofsuperficialpunctatekeratopathycausedbycataractsurgery.Therefore2%rebamipidesolutionhasefficacyforocularsurfaceprotection.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)33(4):589〜593,2016〕Keywords:2%レバミピド点眼液,白内障周術期,涙液層破壊時間,角膜上皮障害,眼表面保護.2%rebamipideeyedrops,cataractsurgery,tearfilmbreak-uptime,superficialpunctatekeratopathy,ocularsurfaceprotection.はじめに昨今の低侵襲の白内障手術においても,手術時の洗眼や開瞼による乾燥,術前後の点眼薬などにより術後に角膜上皮障害(superficialpunctatekeratopathy:SPK)を呈する症例を時おり認める1~4).白内障術後の矯正視力がそれほど改善しなかった症例,もしくは視力が改善していても不満をもつ症例は,術後のSPKが原因であることも多い.近年,2%レバミピド点眼液(ムコスタ点眼液UD2%,大塚製薬株式会社)は角結膜のムチン増加作用5,6)に加えて,結膜ゴブレット細胞の増加作用7)や角結膜上皮微細構造の修復作用8)などが報告されている.今回筆者らは,合併症のない白内障手術症例において2%レバミピド点眼液を周術期に計28日間併用し,術前後の眼表面の状態および自覚症状についてプロスペクティブに調査,検討したので報告する.I対象2014年6月24日~9月30日に近藤眼科にて白内障手術を施行し,無作為に組み入れを企図した症例42例60眼のうち,術中合併症がなく,10分以内に白内障手術を遂行した症例32例47眼(男性13例,女性19例,平均年齢76.4±4.9歳)を解析対象とした.これらの対象に対し,手術2週前より2%レバミピド点眼液を1日4回点眼併用かつ術後2週まで併用する群をA群とし,2%レバミピド点眼液を併用しない群をB群とに区分けした.今回の点眼投与方法は,従来のドライアイに対する一般的投与方法と同様に1日4回とし,これをレバミピド点眼加療として行った.A群は17例26眼(平均年齢:75.9±5.4歳),B群は15例21眼(平均年齢:76.8±4.5歳)である.術前にドライアイと診断され,人工涙液もしくはヒアルロン酸ナトリウム点眼,3%ジクアホソルナトリウム点眼液,2%レバミピド点眼液をすでに使用されていた患者,眼類天疱瘡,Stevens-Johnson症候群,Sjögren症候群,試験開始6カ月以内の眼手術の既往,コンタクトレンズの使用,試験期間中の放射線療法,前述以外に担当医が不適切と判断した患者は除外した.II方法術前洗眼は10%希釈PAヨードを使用した.白内障手術は2.4mmの角膜切開法を用い,水晶体乳化吸引術および眼内レンズ挿入法を施行した.術前点眼は0.3%トスフロキサシン(トスフロ点眼液0.3%,日東メディック株式会社)を術眼に術日3日前から1日4回使用した.術後点眼は,ジクロフェナックナトリウム点眼(ジクロード点眼液0.5%,わかもと製薬株式会社),レボフロキサシン点眼(クラビット点眼液0.5%,参天製薬株式会社),デキサメタゾン点眼(サンテゾーン点眼液0.1%,参天製薬株式会社)を使用した.検討項目は,Schirmer試験(第1法変法による),涙液層破壊時間(tearfilmbreak-uptime:BUT),SPKはNationalEyeInstitute染色スコアを用いて評価9)した(図1).スコアは点状染色を認めない正常を0点,点状のフルオレセイン染色が隣接せず疎な場合を1点,点状のフルオレセイン染色のほとんどが密に隣接している場合を3点として,1点と3点の中間を2点としてスコア化する.つぎにDryEyerelatedQualityofLifeScore(DEQS)質問票10)を用いて,眼の症状と日常生活への影響を含む自覚症状を解析した.DEQSは眼の症状6項目,日常生活への影響9項目の各々の頻度と程度を問う質問票であり,QOLスコアは,各項目の重症度スコア/有効回答項目数×25で算出する.術前(Pre),術後翌日(1D),術後1週間(1W),2週間(2W)でSchirmer値,BUT,SPKスコア,DEQSの経時的変化と2群間における比較を行った.統計学的検定にはWilcoxonsignedranktestを用い,有意水準は5%とした.III結果Schirmer値(以下,第1法変法の値)はPre:A群8.9±3.7mm,B群12.2±8.8mm,1W:A群8.0±3.8mm,B群10.9±5.9mm,2W:A群7.8±4.4mm,B群9.9±4.4mmで,両群ともに術前後で有意な変化を認めなかった.BUTはPre:A群4.3±2.1秒,B群4.8±1.5秒,1D:A群5.3±2.3秒,B群4.7±1.9秒で両群ともに術前と1Dでは変わらなかった.しかし,1W:A群7.3±2.0秒,B群5.4±2.3秒,2W:A群8.2±2.0秒,B群5.5±2.0秒であり,A群においてのみPreと比較して1W,2Wともに有意に延長した(いずれもp<0.01,Wilcoxonsignedranktest)(図2).SPKスコアはPre:A群3.1±2.4,B群2.3±2.1であり,1D:A群2.8±2.4,B群2.8±2.4,1W:A群1.3±1.8,B群1.8±1.6,2W:A群0.6±1.1,B群1.8±2.5であった(図3).A群においてのみPreと比較して1W,2Wでスコアは有意に減少した(いずれもp<0.01,Wilcoxonsignedranktest).自覚症状スコア(DEQS)は,Pre:A群20.6±19.5,B群11.7±13.2,1W:A群9.6±10.9,B群3.1±3.7,2W:A群4.9±7.3,B群2.6±3.4であった.両群ともに術前と比較して術後1W,2Wで有意に減少した(いずれもp<0.05,Wilcoxonsignedranktest).しかし,A群の2例に術前術後のDEQSがほとんど改善しない症例を認めた.うち1例は,検討項目の4の“眼が疲れる”と6の“眼が赤くなる”,14の“眼の症状のため外出を控えがち”がそれぞれ1点増悪していた.また,他の1例では7の“眼を開けているのがつらい”と,14の“眼の症状のため外出を控えがち”に,それぞれ1点増悪していた.IV考察白内障術後に発症するSPKには,抗菌薬やステロイド,非ステロイド性抗炎症薬など点眼薬の影響,角膜切開による角膜知覚神経の切断,術中の洗眼や開瞼維持による機械的・化学的侵襲,術後の炎症反応などさまざまな要因が関係すると考えられている.要因の多くは術中や術直後に生じるため,SPKも術後比較的早期に出現し,早期に収束に向かうといわれている4).近年普及した小切開白内障手術により,以前に比べて手術侵襲の軽減,手術時間の短縮,術後炎症の軽減が図られている.しかし,術中の合併症なしに短時間で手術を終了した症例においても,術後にSPKを認めることが少なくない.このことは,現代の白内障手術においても手術侵襲や周術期に使用する点眼液が角膜上皮に少なからず影響を及ぼすことを示している.涙液と眼表面上皮は一方が障害されると他方にも影響を及ぼす関係にあるため,手術によってどちらか一方が障害されると両者の関係に悪循環が生じやすくなる11,12).このように白内障周術期の眼表面は短時間でも悪循環が起きやすく,ドライアイに伴う視力低下や眼不快感が発生しやすいといえる.こうした術後ドライアイに対する点眼治療では,水分補給を目的とした人工涙液および水分保持作用をもつヒアルロン酸ナトリウム点眼液が一般に使用されてきた.しかし,人工涙液は水分と電解質を補給するという意味では有効であるが,その効果持続時間は5分程度と短く,症状を抑えるためには頻繁に点眼する必要がある13).ヒアルロン酸ナトリウム点眼液の主作用である保水効果も持続時間は15分程度であり,涙液量がきわめて少ない場合に頻回点眼すると,ヒアルロン酸ナトリウムが眼表面の少ない水分を吸収して,ドライアイがかえって増悪する可能性があるといわれている14).また,眼表面のバリア機能が低下しているドライアイの患者においては,ヒアルロン酸ナトリウム点眼液の多くに防腐剤として含まれているベンザルコニウム塩化物が,角膜や結膜に障害を与えると報告されている15,16).一方,ドライアイで角膜や結膜上皮の障害が生じると眼表面上皮のムチンが減少し,それによりムチンが涙液水層を安定化させる機能が障害され,眼表面の涙液層が不安定で均一に維持されない状態にもなる17).この涙液層の不安定化がさらなる角膜・結膜上皮障害をもたらすという悪循環を生じ,ムチン減少がドライアイの発症および悪化として注目されている18~20).ドライアイの発症は視機能にも影響することがわかっている21).このように近年,ドライアイではムチンの役割が重要視されており,ドライアイ患者の角膜および結膜で産生されるムチンを増加させることにより涙液の安定化を図る作用は,角膜・結膜上皮障害および自覚症状を改善する新たな治療につながると期待されている1).涙液の層別治療(tearfilmorientedtherapy:TFOT)という新しい概念22)が最近は提唱されており,それぞれの点眼薬の薬理作用を考慮したTFOTに基づいた治療が行われるようになってきている.レバミピドは,胃粘膜のムチンを増加させる作用があり,以前より胃潰瘍および胃炎の治療薬として承認され,広く臨床に用いられている.こうしたレバミピドのムチン増加作用に注目し,眼ムチン減少モデル動物で検討したところ,ムチンを産生する結膜のゴブレット細胞数を増加させ,角膜および結膜ムチンを増加させ,角膜・結膜上皮障害を改善することが報告されている23).レバミピドを有効成分とする点眼液は,ドライアイ患者の眼表面ムチンを増加させることによって涙液の安定化を図る作用がある.こうした一連のレバミピドの作用がSPKの改善に有効であったとの報告もあり8,24),本検討でもSPKはレバミピドを併用した群において有意に改善していた.また,レバミピド点眼液には防腐剤が入っていないため,薬剤起因性SPKを引き起こす可能性が少ない点も有利と考えられる25).しかし,レバミピドは涙液の増加には寄与しない.ヒアレイン酸ナトリウム点眼液とレバミピドの両群における涙液分泌量をSchirmer検査を用いて測定したところ,両者とも有意な変化を認めなかったという報告がある24).本検討でもSchirmer値と変法の値を直接には比較できないが,レバミピド点眼中のSchirmer値に有意な変化は認めなかった.また,ドライアイ患者154例に2%レバミピド点眼液を1日4回52週間の期間使用したところ,フルオレセイン角膜染色スコア,リサミングリーン結膜染色スコアおよびドライアイ関連眼症状は点眼開始2週後より有意な低下を示し,BUTは点眼開始2週後より有意な延長を示し52週後まで維持できたという報告がある26).本検討例でもSPKとBUTはレバミピドの点眼によって有意に改善した.今回の白内障周術期の検討においても,レバミピド点眼でみられた眼表面検査の変化は薬剤の特性に沿った効果であったと考えられる.本研究では自覚症状についてDEQS質問票を用いて検討したが,両群ともに術後に有意に改善していた.これはドライアイのない白内障手術患者を対象にしており,術前のDEQSが低かったこと,白内障手術を施行することにより視機能が改善したため,術前に認めていた不定愁訴を含むさまざまな自覚症状が改善したものと思われる.よって,本研究ではレバミピドによる自覚症状の改善効果を比較検討することはむずかしいと思われた.なお,レバミピド点眼を使用することで“眼を開けているのがつらい”と“眼の症状のため外出を控えがち”らが増悪した症例があったことは,この点眼液の特性である白い粉の付着や点眼後に感じる苦みからくるもの26)と考察された.本検討から白内障術前術後にレバミピドを点眼することで眼表面の保護効果があることが確認できた.白内障手術2週間前から術後2週間までのレバミピド点眼の併用は,白内障周術期の管理において有用と考えられた.文献1)OhT,JungY,ChangDetal:Changesinthetearfilmandocularsurfaceaftercataractsurgery.JpnJOphthalmol56:113-118,20122)VenincasaVD,GalorA,FeuerWetal:Long-termeffectsofcataractsurgeryontearfilmparameters.ScientificWorldJournal10:643-7,20133)竹下哲二:白内障術後のドライアイに対するジクアホソルナトリウム点眼の効果.臨眼67:327-340,20134)ChoYK,KimMS:Dryeyeaftercataractsurgeryandassociatedintraoperativeriskfactors.KoreanJOphthalmol23:65-73,20095)FujiharaT,MurakamiT,NaganoTetal:INS365suppresseslossofcornealepithelialintegritybysecretionofmucin-likeglycoproteininarabbitshort-termdryeyemodel.JOculPharmacolTher18:363-370,20026)UrashimaH,OkamotoT,TakejiY:Rebamipideincreasestheamountofmucin-likesubstancesontheconjunctivaandcorneaintheN-acetylcysteine-treatedinvivomodel.Cornea23:613-619,20047)UrashimaH,TakejiY,OkamotoT:Rebamipideincreasesmucin-likesubstancecontentsandperiodicacidSchiffreagent-positivecellsdensityinnormalrabbits.JOculPharmacolTher28:264-270,20128)中嶋英雄,浦島博樹,竹治康広ほか:ウサギ眼表面ムチン被覆障害モデルにおける角結膜障害に対するレバミピド点眼液の効果.あたらしい眼科29:1147-1151,20129)LempMA:ReportoftheNationalEyeInstitute/IndustryworkshoponClinicalTrialsinDryEyes.CLAOJ21:221-232,199510)SakaneY,YamaguchiM,YokoiNetal:DevelopmentandvalidationoftheDryEye-RelatedQuality-of-LifeScorequestionnaire.JAMAOphthalmol131:1331-1338,201311)山田昌和:ドライアイ:新しい定義に基づいた疾患概念と病態.治療.日眼会誌113:541-552,200912)横井則彦:眼手術とドライアイ.IOL&RS23:189-194,200913)福田昌彦,下村嘉一:人工涙液.ドライアイ研究会編ドライアイ診療PPP.p194-197,メジカルビュー社,200214)高静花,渡辺仁:ドライアイ点眼治療のコツ.あたらしい眼科20:17-22,200315)BursteinNL:Theeffectsoftopicaldrugsandpreservativesonthetearsandcornealepitheliumindryeye.TransOphthalmolSocUK104:402-409,198516)DeSaintJeanM,BrignoleF,BringuierAFetal:Effectsofbenzalkoniumchlorideongrowthandsurvivalofchangeconjunctivalcells.InvestOphthalmolVisSci40:619-630,199917)AlbertsmeyerA,KakksseryV,Spurr-MichaudSetal:Effectofpro-inflammatorymediatorsonmembrane-associatedmucinsexpressedbyhumanocularsurfaceepithelialcells.ExpEyeRes90:444-551,201018)丸山邦夫,横井則彦:環境と眼の乾き.あたらしい眼科22:311-316,200519)HikichiT,YoshidaA,FukuiYetal:PrevalenceofdryeyeinJapaneseeyecenters.GraefesArchClinExpOphthalmol233:555-558,199520)小野眞史:病態と診断.島崎潤,坪田一男編角膜診療ハンドブック.p34-46,中外医学社,199921)TounakaK,YukiK,KouyamaKetal:DryeyediseaseisassociatedwithdeteriorationofmentalhealthinmaleJapaneseuniversitystaff.TohokuJExpMed233:215-220,201422)横井則彦,坪田一男:ドライアイのコアメカニズム─涙液安定性仮説の考え方.あたらしい眼科28:291-297,201223)KinoshitaS,OshidenK,AwamuraSetal:RebamipideOphthalmicSuspensionPhase3StudyGroup:Arandomized,multicenterphase3studycomparing2%rebamipide(OPC-12759)with0.1%sodiumhyaluronateinthetreatmentofdryeye.Ophthalmology120:1158-1165,201324)高良由起子,高良俊武,高良広美ほか:レバミピド混濁点眼液の点状表層角膜症に対する影響.臨眼67:1217-1222,201325)福田正道,中嶋英雄,春田淳平ほか:レバミピド点眼液の角膜上皮に対する安全性に関する検討.あたらしい眼科30:1467-1471,201326)藤原豊博:眼ムチン産生促進およびゴブレット細胞数増加作用を併せもつ新規ドライアイ治療剤レパミピド懸濁点眼薬(ムコスタ点眼液UD2%)の基礎と臨床.薬理と治療40:1048-1070,2012〔別刷請求先〕今野公士:〒192-0081東京都八王子市横山町22-3メディカルタワー八王子近藤眼科Reprintrequests:KimihitoKonno,M.D.,KondoEyeInstitute,MedicalTowerHachioji,22-3Yokoyamacho,Hachioji-shi,Tokyo192-0081,JAPAN0910-1810/16/¥100/頁/JCOPY(107)589図1NationalEyeInstitute染色スコアを用いた角膜上皮障害(SPK)の評価角膜全体を5つに区分し,各々の領域で点状染色を認めない正常を0点,点状のフルオレセイン染色が隣接せず疎な場合を1点,点状のフルオレセイン染色のほとんどが密に隣接している場合を3点として,1点と3点の中間を2点としてスコア化する.右にスコア9点のSPKの1例を示す.590あたらしい眼科Vol.33,No.4,2016(108)図2BUTの術前と術後1D,1W,2Wの比較1Dでは両群とも術前と変わらなかったが,2%レバミピド点眼液を併用したA群の1W,2Wでは,術前と比較して有意に延長した(*Wilcoxonsignedranktest,p<0.01).2%レバミピド点眼液を併用しなかったB群は1W,2Wでも有意の変化はなかった.図3SPKスコアの術前と術後1D,1W,2Wの比較1Dでは両群とも術前と変わらなかったが,2%レバミピド点眼液を併用したA群の1W,2Wでは,術前と比較して有意に減少した(*Wilcoxonsignedranktest,p<0.01).2%レバミピド点眼液を併用しなかったB群は1W,2Wでも有意の変化はなかった.(109)あたらしい眼科Vol.33,No.4,2016591592あたらしい眼科Vol.33,No.4,2016(110)(111)あたらしい眼科Vol.33,No.4,2016593