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眼科単科病院を受診する糖尿病患者の網膜症に対する説明

2016年4月30日 土曜日

《原著》あたらしい眼科33(4):613〜618,2016©眼科単科病院を受診する糖尿病患者の網膜症に対する説明吉崎美香*1安田万佐子*1大須賀敦子*1井出明美*1荒井桂子*1大音清香*2井上賢治*2堀貞夫*1*1医療法人社団済安堂西葛西・井上眼科病院*2医療法人社団済安堂井上眼科病院Nurses’ExplanationtoDiabeticPatientsIsEffectiveinEducationRegardingSeverityStageofDiabeticRetinopathyMikaYoshizaki1),MasakoYasuda1),AtsukoOosuga1),AkemiIde,KeikoArai1),KiyokaOohne2),KenjiInoue2)andSadaoHori1)1)NishikasaiInouyeEyeHospital,2)InoueEyeHospital目的:糖尿病眼手帳(以下,眼手帳)を活用し,看護師が糖尿病網膜症(以下,網膜症)病期の説明を行うことにより,患者の網膜症に対する知識を高め,定期受診を促す効果を調べること.対象および方法:平成26年6~10月に当院を受診し同意の得られた糖尿病患者で,医師が記載した眼手帳をもとに看護師が網膜症について説明した946名と,再診時(説明後1~4カ月後)に看護師により再度アンケートを実施した199名に対して聞き取り調査を行い,医師による眼底検査で診断された網膜症病期と比較した.対象者は外来を受診した糖尿病患者を無作為に抽出し,医師が記載した糖尿病眼手帳を基に同意の得られた患者とした.井上眼科病院倫理委員会の承認を得て実施した.結果:眼手帳説明時の調査で,当院の患者は,罹病期間は6年以上が77.3%を占め,5年未満の患者は22.2%で長期間罹病患者が多かった.手帳に関して内科用手帳(連携手帳)に比べ眼手帳を知っていると回答した患者は19%と少なかった.自分の網膜症病期を知っていると回答した患者は20.8%で,医師の所見と一致したのは18%であった.説明後再診時の調査が行えた199名のうち,自分の網膜症病期を覚えていた患者は53.7%,医師の所見と一致した患者は38.2%であった.このうち,眼手帳説明時に自分の病期を知っていたのは31名,再診時に病期を覚えていたのは80.6%,医師の所見と一致したのは71.0%,説明時に自分の病期を知らなかった168名のうち,再診時に覚えていたのは48.8%であった.医師の所見と一致したのは33.3%であった.また,自分の患者が網膜症病期を理解していると推測している医師は少なかった.結論:看護師による眼手帳を用いた網膜症病期の説明は,患者に自分の病期に対する関心をもたせる効果があることが示唆された.しかし,一度の説明では理解がむずかしいこともわかった.今後は再診時の調査を行い,再度の説明が必要になると思われた.Purpose:Toevaluatetheeffectofthediabeticeyenotebook(DEN)indeepeningdiabeticpatients’knowledgeofdiabeticretinopathy(DR)andencouragingthemtoreceiveperiodicophthalmicexaminations.SubjectsandMethods:Aninitialquestionnairesurveybynurseswasconductedon946consecutivediabeticpatientswhovisitedourhospitalbetweenJuneandSeptember2014.SeveritystageofDRandophthalmologicalinformation,includingvisualacuityandintraocularpressure,wereconcurrentlydescribedintheDENbyophthalmologists,andnursesexplainedtheseverityofDRineachpatient.After1-4months,asecondsurveywasperformedon199patientswhohadundergonetheinitialsurvey.Theywereaskedtheirseveritystageandwerecomparedtothosediagnosedbyophthalmologists.Results:DRdurationexceeded6yearsin77.3%ofpatients;20.8%ofpatientsansweredthattheyknewtheirownstage,and18.0%agreedwiththestagediagnosedbyophthalmologistsatthetimeofinitialsurvey.Aftertheexplanationbynurses,53.7%ofpatientsansweredthattheyrememberedtheseveritystageatthetimeofsecondsurvey,andtheansweragreedwiththatdiagnosedbyophthalmologistsin38.2%.TheexplanationbynurseswaseffectiveforthepatientsinunderstandingtheirDRstage,thoughitwasnotsatisfactoryenoughforidealpatienteducation.Conclusion:TheexplanationofDRandseveritystagewaseffectiveinenhancingpatients’interestintheirownDR.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)33(4):613〜618,2016〕Keywords:糖尿病網膜症,糖尿病眼手帳,アンケート調査,病期説明,患者教育.diabeticretinopathy,diabeticeyenotebook(DEN),questionnairesurvey,explanation,patienteducation.はじめに糖尿病網膜症(以下,網膜症)の発症・進展予防には,内科・眼科の連携,患者自身の病識と定期的な受診が必要である.地域密着型眼科単科の中核病院である西葛西・井上眼科病院(以下,当院)では,糖尿病の患者が多く,緊急を要する場合,内科でのコントロール状況が把握できない状況で手術を行う場合がある.このような状況のなか,眼底検査をして初めて糖尿病と判明する患者や,術前検査で糖尿病が見つかる患者もおり,治療に当たり予期しない全身合併症を発症する場合がある.そこでコメディカルがチーム医療に貢献する準備として,前回,筆者らは当院を受診する糖尿病患者の実態調査を行った1).その結果,①眼合併症の詳しい知識をもつ患者は少なく,自分の網膜症病期を知っていると回答した患者は15%と少なかった.②糖尿病手帳を持っていて内科受診時に利用していた人は42%,眼科受診時に利用していた人は17%と少なかった.③手帳を利用していて自分の網膜症病期を正確に知っていたのは,知っていると回答した患者の30%(全体の約5%)ということがわかった.この結果を踏まえて,今回,医師が記載した糖尿病眼手帳(以下,眼手帳)をもとに,看護師が患者に網膜症病期の説明を行い,その後の再受診時に説明した内容を覚えているか,アンケート調査をしたので報告する.I対象および方法対象:平成26年6~10月に当院を受診し,医師が記載した眼手帳をもとに看護師が網膜症について説明した946名(男性:542名,女性:404名)で,年齢は65.9歳±11.4歳(平均年齢±標準偏差)であった.このうち199名に対し,再受診時(説明後1~4カ月)に看護師により再度アンケート調査をした.また,当院の医師10名に対し,眼手帳配布状況について調査した.調査項目:医師が記載した眼手帳をもとに看護師が説明を行ったときのアンケート(10項目)(表1)と再診時に行ったアンケート(5項目)(表2)の回答を患者から聞き取り,回答欄に看護師が記入した.また,当院の医師10名に対して6項目のアンケート(表3)を行った.さらに,医師による眼底検査で診断された網膜症病期と患者のアンケート調査の結果を比較したII結果1.眼手帳説明時のアンケート調査(表4)罹病期間は6年以上が77.3%,5年未満は22.2%で,長期間罹病患者が多かった.自分が糖尿病であることを認識していないと思われる患者も含まれていた.糖尿病罹患後眼科受診までの期間は1年以内がもっとも多かったが,10年以上を過ぎて初受診する患者も15%にみられた.眼科を受診して糖尿病を診断された患者が6.9%含まれていた.糖尿病と診断されてから眼科を受診し,今でも継続して受診している患者は90.4%であった.内科の糖尿病治療を中断したことのある患者は12.7%で,大部分は継続して治療を受けていた.眼手帳を知っていたのは19.0%,糖尿病連携手帳(以下,連携手帳:内科用)を知っていたのは46.1%,連携手帳を持っていたのは44.3%,このうち診察時に医師に見せていたのは75.2%(全体の33.3%)であった.また,自分の網膜症病期を知っていたのは20.8%,医師から自分の病期の説明を聞いたことがあるのは23.3%であった.2.説明後再診時の調査(表5)帰宅後眼手帳を見た患者は77.3%,自分の網膜症病期を理解できたのは69.8%,自分の病期を覚えていたのは53.7%,今後定期的に眼科受診をすると答えたのは99.0%であった.説明を受けた後の感想では,自分の病期に対する理解と今後の通院に対する積極性がみられた.3.当院の医師に対する質問(表6)眼手帳・連携手帳を活用しているのは9名(90.0%)で,全員に渡しているのは1名だけであった.網膜症が出たときに渡す場合が多く,眼手帳を必ず記入しているのは7人だった.自分の患者が網膜症病期を理解していると推測している医師は少なかった.自分の患者が網膜症病期を理解していないと思う理由として,①人によるが,糖尿病患者は糖尿病の病態をしっかりと理解できていない方が多い.②定期的に受診に来る患者が少ない.③自ら再来時期を指定してきてしかも○年後という患者もいる.という意見があった.4.網膜症病期:患者の申告と眼科医の診断との比較(表7)眼手帳説明時の調査で,自分の網膜症病期を知っていると回答した患者は946人中197人(20.8%)で,医師の眼底所見と一致したのは173人(18%)であった.説明後再診時の調査が行えた199人では,自分の網膜症病期を覚えていると回答した患者は199人中107人(53.7%)で,医師の所見と一致したのは78人(38.2%)であった.手帳説明時に自分の病期を知っていると回答したのは再調査の行えた199人中31人,そのなかで再診時に病期を覚えていると回答したのは25人(80.6%),さらに医師の所見と一致したのは22人(71.0%)であった.説明時に自分の病期を知らなかった168人のうち,再診時に覚えていたのは82人(48.8%),さらに医師の所見と一致したのは56人(33.3%)であった.III考按眼手帳と連携手帳の併用により,患者にも参加してもらう内科・眼科連携が可能であり,それが網膜症の管理につながる.患者に糖尿病眼合併症の状態や治療内容を正しく理解してもらうための十分な情報提供をめざすならば,連携手帳に眼手帳を併用して経過観察すべきである7).といわれている.1.眼手帳説明時のアンケート調査今回の調査で,糖尿病罹病期間は6年以上が77.3%を占め,5年未満の患者は22.2%で長期間罹病患者が多かったが,内科用の手帳を知っていた患者437名(46.2%)に対して,眼手帳を知っていた患者は179名(18.9%)と少なかった.また,手帳を持っていた患者も半数以下と少なかった.網膜症病期の説明を聞いたことがある患者は,23.3%と少なかった.このことからも患者が眼手帳や連携手帳を利用する率は少なく病期を正しく理解できていなかったのではないかと推測される.2.説明後再診時の調査手帳説明後,99%の患者が,今後定期的に眼科を通院しようと思うと回答したことから,定期的な眼科受診の必要性は理解されたと思われ,放置中断を防止するきっかけになるのではないかと思われる.3.当院の医師に対する質問当院の医師に対する調査で,患者の眼手帳を渡しているかの調査で,8割の医師がA1以上になったときに渡すと回答し,また,自分の患者は網膜症病期を理解していないと思っている医師が7割で,医師に対する調査で理解していないと思う理由として,①人によるが,糖尿病患者は糖尿病の病態をしっかりと理解できていない方が多い.②定期的に受診に来る患者が少ない.③自ら再来時期を指定してきて,しかも○年後という患者もいる.という意見であった.患者に糖尿病眼合併症の状態や治療内容を正しく理解してもらうための十分な情報提供をめざすならば,連携手帳に眼手帳を併用してフォローすべきであるという既報の結論からすると,当院では実施できていなかったことから,正しい知識をもっていた患者が少なかったのではないかと推測される.4.網膜症病期:患者の申告と眼科医の診断との比較眼手帳を活用した網膜症病期の説明後,医師の所見と患者の回答した網膜症病期が一致したのは39.1%,最初自分の網膜症病期を知らないと回答した患者の48.8%が自分の病期を覚えていると回答し,医師の所見と一致した患者は56名,網膜症病期を知らないと回答した患者の33.3%が医師の所見と一致した結果であった.手帳を用いて説明を行ったことにより,自分の病期を知らないと回答した患者の33.3%が医師の所見と一致した病期を覚えていたことから,手帳を用いた説明は患者に関心をもたせるきっかけになったと思われる.今回手帳を配布するに当たり,眼手帳にカバーを付けて配布した.内科用の連携手帳を持っている患者には,眼手帳と内科用の手帳をカバーに挟んで合体させ,これを内科・眼科両方の医師に見せるように指導を行った.このようにして配布したことにより,連携手帳を持っていなかった患者のなかには,眼手帳を内科医に見せたことにより,内科医で連携手帳をもらった患者もいた.眼手帳に内科医がHbA1C値を記入してくれていた患者もみられた.このことからも眼手帳が内科・眼科の連携につながるきっかけになっていると思われた.以上の結果より,眼手帳と連携手帳の併用により,患者にも参加してもらう内科・眼科連携が可能であり,それが網膜症の管理につながると考えられる.患者に糖尿病眼合併症の状態や治療内容を正しく理解してもらうための十分な情報提供をめざすならば,連携手帳に眼手帳を併用してフォローすべきであるという既報の結論と一致する7).網膜症を診察していくうえで,内科医とは常に連絡が必要であり,連携手帳・眼手帳を持つ患者については眼科の診察結果を記録する.なかでもとくに密接な連携を必要とするのは,2型糖尿病の初診時,入院して血糖のコントロールをつけるとき,腎症悪化時,眼科手術時である.2型糖尿病の初診時は眼底検査が必要である.罹病期間が特定できないことも多く,内科初診時すでに増殖網膜症となっている場合も珍しくない.当院の調査でも,視機能低下の自覚があり眼科を受診して糖尿病と診断された患者が6.9%いた1).また,すでに重症単純網膜症や増殖前網膜症をきたしている場合は,血糖の急速な正常化により,網膜症の重篤な進行をきたすことがあるといわれている8).眼科医が眼手帳に記入し,内科医に見せてもらうことで,内科医での血糖コントロール時の指標になると思われ,正確に眼所見が内科医に伝わり連携をとれると考える.IV結論看護師による糖尿病眼手帳を用いた網膜症病期の説明は,患者教育に効果があることが示唆された.また,定期的な眼科受診の必要性も理解できた.しかし,一度の説明ではなかなか理解されないこともわかった.今回の調査は,まだ途中経過なので,今後病期説明後再診時の調査を長期にわたり繰り返し行い,再度の説明により患者教育の達成をめざしたい.本稿の要旨は第20回日本糖尿病眼学会にて発表した.利益相反:利益相反公表基準に該当なし文献1)吉崎美香,安田万佐子,大須賀敦子ほか:眼科単科病院を受診する糖尿病患者実態調査.あたらしい眼科32:269-273,20152)若江美千子,福島夕子,大塚博美ほか:眼科外来に通院する糖尿病患者の認識調査.眼紀51:302-307,20003)菅原岳史,金子能人:岩手糖尿病合併症研究会のトライアル2.眼紀55:197-201,20044)小林厚子,岡部順子,鈴木久美子:内科糖尿病外来患者の眼科受診実態調査.日本糖尿病眼学会誌8:83-85,20035)船津英陽,宮川高一,福田敏雄ほか:糖尿病眼手帳.眼紀56:242-246,20056)中泉知子,善本三和子,加藤聡:患者の意識改革を目指す糖尿病教育の方向性について─患者アンケート調査から─.あたらしい眼科28:113-117,20117)大野敦:糖尿病眼手帳を活用した糖尿病網膜症の管理.日本糖尿病眼学会誌19:32-36,20148)有馬美香,松原央:糖尿病網膜症の管理における病診連携.眼紀51:283-286,2000〔別刷請求先〕吉崎美香:〒134-0088東京都江戸川区西葛西3丁目12-14西葛西・井上眼科病院Reprintrequests:MikaYoshizaki,NishikasaiInouyeEyeHospital,3-12-14Nishikasai,Edogawa-ku,Tokyo134-0088,JAPAN0910-1810/16/¥100/頁/JCOPY(131)613表1糖尿病眼手帳説明時アンケート調査調査日年月日NO.()ID氏名年齢()男・女担当医()1.糖尿病罹病期間2.糖尿病罹患後眼科受診したか3.罹病後眼科受診までの期間4.内科治療を1年以上放置したことがあるか5.糖尿病眼手帳を知っていたか6.糖尿病手帳(内科用)を知っていたか7.糖尿病手帳は持っていたか8.「7」で手帳を持っていると回答した方は,診察時に見せていたか9.自分の網膜症病期を知っていたか10.医師から自分の網膜症の病期の説明を聞いたか表2糖尿病眼手帳を説明し,次回受診後のアンケート調査調査日年月日手帳説明時からアンケート調査までの期間(週・カ月)医師の次回診察の指示は(週・カ月)指示通りに来院しているか1.帰宅後眼手帳を見たか2.自分の網膜症病期が理解できたか3.自分の網膜症病期を覚えていたか4.説明を受けて(手帳をもらって)どのように感じたか(複数回答)5.今後定期的に眼科を受診するか表3医師に対するアンケート調査1.糖尿病手帳・糖尿病眼手帳を活用しているか2.眼手帳を渡しているか3.2.で渡すと回答された方は,どのような患者に渡すか4.どのような時に渡していますか?5.眼手帳を記入するか6.自分の患者が網膜症病期を理解しているか614あたらしい眼科Vol.33,No.4,2016(132)表4眼手帳説明時の調査罹病期間人(%)21年以上26127.611~20年26227.76~10年208222~5年15616.51年以内545.7わからない40.4糖尿病ではない10.1はい(人)(%)いいえ(人)(%)2糖尿病罹患後に眼科受診・治療したか現在も通院中85590.4過去に自己中断歴があるか21525.164074.94内科放置したことがあるか1258215糖尿病眼手帳を知っていたか17919767816糖尿病手帳(内科)を知っていたか43746.150953.87糖尿病手帳を持っていたか41944.352755.78診察時に見せていたか31575.210424.89自分の網膜症病期を知っていたか19720.874979.110医師から自分の病期の説明をきいたか22023.372676.7罹病後眼科受診までの期間人(%)1年以内34538.22~5年17919.86~10年位12013.311~20年位13515覚えていない60.6眼科受診してわかった626.9糖尿病かどうかまだわからない161.8糖尿病ではない242.7(133)あたらしい眼科Vol.33,No.4,2016615表5説明後再診時の調査はい(人)(%)いいえ(人)(%)1帰宅後眼手帳を見たか15477.34522.62自分の網膜症病期が理解できたか13769.86231.13自分の網膜症病期を覚えているか10753.79246.24今後定期的に眼科受診するか1979920.1手帳の説明を受けてどのように感じたか(複数回答)人眼の状況が把握でき良かった111詳しいことがわかり不安になった28血糖のコントロールを頑張ろう86内科・眼科をきちんと通院しよう113表6当院の医師に対する質問はい(人)(%)いいえ(人)(%)1糖尿病眼手帳・連携手帳を活用しているか10100002糖尿病眼手帳を渡しているか9901103眼手帳を記入するか101004自分の患者が網膜症病期を理解しているか330770どのような時に眼手帳を渡すか人%初診時110網膜症発症時660患者にいわれた時330どのような時に手帳記入するか(複数回答あり)人%毎回記入763.6患者から提示された時327.2内科医に伝えたいとき10.9表7網膜症病期:患者の申告と眼科医の診断比較再診時に病期を覚えていた人医師の診断と一致した人人(%)人(%)説明時に自分の病期を知っている31人2580.62271説明時に自分の病期を知らない168人8248.85633.3計199人10753.87839.2616あたらしい眼科Vol.33,No.4,2016(134)(135)あたらしい眼科Vol.33,No.4,2016617618あたらしい眼科Vol.33,No.4,2016(136)

眼科単科病院を受診する糖尿病患者実態調査

2015年2月28日 土曜日

《第19回日本糖尿病眼学会原著》あたらしい眼科32(2):269.273,2015c眼科単科病院を受診する糖尿病患者実態調査吉崎美香*1中井剛*1栗原恭子*1安田万佐子*1大須賀敦子*1藤谷欣也*1荒井桂子*1大音清香*2井上賢治*2堀貞夫*1*1西葛西・井上眼科病院*2井上眼科病院QuestionnaireSurveyonPatientAwarenessofDiabeticRetinopathyConductedatanEyeHospitalMikayoshizaki1),TakeshiNakai1),KyokoKurihara1),MasakoYasuda1),AtsukoOosuga1),KinyaFujitani1),KeikoArai1),KiyokaOhne2),KenjiInoue2)andSadaoHori1)1)NishikasaiInoueEyeHospital2)InoueEyeHospital目的:眼科単科病院において糖尿病患者の失明予防対策として患者の実態調査を行い,コメディカルがチーム医療に貢献できることは何かを検討した.対象および方法:2012年9月.2013年3月までの半年間に当院を受診し,同意の得られた糖尿病患者847名に22項目について看護師によるアンケートの聞き取り調査を行い,医師による眼底検査で診断された網膜症病期と比較した.この調査は井上眼科病院倫理委員会の承認を得て実施した.結果:6年以上の糖尿病歴をもつ人が74.3%と多く,96.3%が内科に定期的に通院し,1年以上中断した患者は比較的少なく,眼科に定期的に通院している患者は86.1%と内科通院に比べて低かった.眼合併症の詳しい知識をもつ患者は全体の24.4%と少なかった.自分の網膜症レベルを知っていると回答した患者は131名(15.5%)でほとんどの人が知らなかった.医師の眼底所見による網膜症病期分類は,網膜症なし36.4%,単純網膜症31.9%,増殖前網膜症5.9%,増殖網膜症25.4%であった.自分の網膜症レベルを知っていると回答した患者は131名のうち,正確に回答できた患者は84名(64.1%)であった.結論:糖尿病網膜症に関する知識をもつこと,自分の眼の病状を知ることが糖尿病網膜症による失明を予防するのに重要であるが,眼科単科病院では大学病院と比較して糖尿病に関する知識・認識ともに低かった.糖尿病網膜症の早期発見には,眼科医・内科医の連携が必要であり,患者の診療放置・中断をいかに防ぐかが大切である.眼科コメディカルとして,患者教育の介入,糖尿病連携手帳や糖尿病眼手帳の普及への働きかけが重要である.Purpose:Toinvestigatehowco-medicalstaffinterveneinteamtherapyfordiabeticpatientsbyassessingeachpatient’slevelofawarenessandunderstandingofdiabeticretinopathy(DR)throughanoralquestionnairesurveyinordertopreventblindness.SubjectsandMethods:Anoralquestionnairesurveywasconductedof847consecutivediabeticpatientswhovisitedoureyehospitalbetweenSeptember2012andMarch2013.Thesurveyconsistedofquestionson22itemsthatwereansweredbyeachpatientdirectlytonursesorclinicalassistants.Anophthalmologistexaminedbothfundiofeachpatientbyuseofanophthalmoscope,andtheretinopathystagewasthenjudgedonthemoresevereeye.Results:Mostofthepatientshadsufferedfromdiabetesforalongperiodoftime,and96.3%periodicallyvisitinganinternistwithrarelymorethan1yearbetweenvisits.Incontrast,86.1%periodicallyvisitedanophthalmologist.Lessthan24.4%ofthepatientsrespondedknowledgeablyastomeaningofDR,andalittlemorethanhalf(56.2%)ofthepatientshadreceivedDR-relatedinformationfromtheirdoctors.ThenumberofpatientswhoansweredtoknowtheirDRstagewas131(15.5%),andmostpatientsdidnotknowtheseverityoftheirDR.TheDRstageasassessedbyophthalmoscopywasasfollows:noDR:36.4%;simpleDR:31.9%;pre-proliferativeDR:5.9%;andproliferativeDR:25.4%.TheratioofpatientswhoexactlyknewtheirDRstagewas84of131patients(64.1%).Conclusion:InordertopreventblindnesscausedbyDR,itiscriticalforthepatientstounderstandDRandtheirownstageofthedisease.However,thepatientssurveyedinoureyehospitalwerefoundtobelessknowledgeableaboutDRandtheirrespectivestageofthediseasethanthosesurveyedatotheruniversity-affiliatedhospitals.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)32(2):269.273,2015〕〔別刷請求先〕吉崎美香:〒134-0088東京都江戸川区西葛西5丁目4.9西葛西・井上眼科病院Reprintrequests:MikaYoshizaki,NishikasaiInouyeEyeHospital,5-4-9Nishikasai,Edogawa-ku,Tokyo134-0088,JAPAN0910-1810/15/\100/頁/JCOPY(97)269 Keywords:糖尿病網膜症,知識,実態調査,患者教育,失明予防.diabeticretinopathy,awareness,questionnairesurvey,education,blindness.はじめに糖尿病網膜症(以下,網膜症)の発症・進展予防には眼科・内科の連携と,患者自身の定期的な受診・病識が必要であると考えられる.地域密着型眼科単科の中核病院である西葛西・井上眼科病院(以下,当院)では,糖尿病の患者も多く,緊急を要する場合,内科での糖尿病のコントロール状況が把握できない状況下でも手術をしなくてはいけない場合がある.このような状況のなか,眼底検査をして初めて糖尿病と判明する患者や,術前検査で糖尿病が見つかる患者もおり,治療に当たり予期しない全身合併症を発症する場合もある.そこで筆者ら看護師・視能訓練士・薬剤師・管理栄養士は,コメディカルとしてチーム医療に貢献することを目的とし,その準備として,当院を受診する糖尿病患者のアンケートによる実態調査を実施したので報告する.I対象および方法対象:2012年9月10日.2013年3月9日までの半年間に当院を受診した糖尿病患者でアンケート調査の同意を得ることのできた847名(男性508名,女性339名)で,平均年齢は65.5±20.5(平均±標準偏差)歳.方法:看護師による聞き取りアンケート調査結果と,医師の眼底検査による網膜症病期診断を比較した.調査は井上眼科病院倫理委員会の承認を得て実施した.調査項目:眼合併症に対する質問11項目と内科の治療に関する11項目(図1).各質問項目を患者に聞き,回答欄に看護師が○を付け,後に集計を行った.西葛西・井上眼科病院糖尿病患者実態調査平成年月日記載者()ID氏名年齢男・女職業担当医家族構成(独居・同居)(初診・再診)I.糖尿病による眼の合併症に関する質問1.当院を最初に受診されたきっかけ(動機)は何ですか?2.糖尿病で診てもらっている内科の医師から「糖尿病と眼の病気」についての説明を聞いたことがありますか?3.糖尿病が原因で眼が悪くなる事を知っていましたか?4.「知っていた」と答えた方は,糖尿病から眼が悪くなることをどのようにして知りましたか?5.糖尿病と診断されてからこれまでに眼の検査や治療を受けたことがありますか?6.「受けたことがある」と答えた方は,眼の検査や治療を受けたきっかけは何ですか?7.「受けたことがある」と答えた方は,眼の検査や治療を受けたのは糖尿病と分かってからどの位ですか?8.糖尿病網膜症は,無網膜症・単純網膜症・増殖前網膜症・増殖網膜症に分かれますが,現在どの段階か知っていますか?9.糖尿病が原因で眼が悪くなることに対して,不安や心配がありますか?10.今後,糖尿病が原因で眼が悪くならないようにするにはどのような事をしたらよいと思いますか?11.当院で合併症について相談できる場があれば利用したいと思いますか?II.糖尿病治療に関する質問12.糖尿病又は血糖値が高いといわれてどの位になりますか?13.糖尿病の治療を1年以上の間放置してしまった事はありますか?14.今まで糖尿病が原因で入院した事がありますか?15.糖尿病手帳を診察の時に持っていきますか?16.内科の定期検診はどのようにしていますか?17.食事療法と運動療法についてお聞きします1)食事療法をしていますか?2)運動療法をしていますか?18.今までに栄養指導を受けたことがありますか?19.当院でも栄養指導を実施しています.希望しますか?20.薬物療法を行っていますか?21.「はい」の方は医師の指示通りに行えていると思いますか?22.ご自分の血糖コントロールはできていると思いますか?図1アンケート用紙270あたらしい眼科Vol.32,No.2,2015(98) II結果1.眼合併症に関する質問1)当院を受診した動機では,内科医や眼科医からの紹介の患者が45.3%,視機能低下の自覚があったが28.5%,合併症が心配だから8.1%がおもな理由であった(表1).2)糖尿病と眼合併症の関連については,糖尿病から眼が悪くなることを知らない・詳しくは知らないとの回答が75.6%と,ほとんどの患者が糖尿病合併症についての知識がなかった(表2).詳しく知っていたと回答した患者がどのようにして悪くなることを知ったのか?に対しては,内科や眼科の主治医からや糖尿病教室に参加したとの回答が56.3%であった(表3).3)糖尿病と診断されてからこれまでに眼科の検査や手術を受けたことがあり,現在も通院を継続している患者は86.1%,眼科の検査を受けたことがなかった患者は7.9%みられた(表4).4)糖尿病と診断されてから眼の検査を受けるまでの期間は,1年以内28.3%,6年以上経過してから受診したのは35.7%で,眼科を受診し初めて糖尿病と判明した患者は6.0%みられた(表5).2.内科の治療に関する質問1)糖尿病罹病期間では,6年以上の人がほとんどで74.3表1当院を受診したきっかけは何ですか?内科からの紹介157人18.5%眼科からの紹介22726.8見えにくいと感じたから24128.5糖尿病合併症が心配698.1健康診断で異常を指摘435.1その他11013.0表3「詳しく知っていた」と回答した207人に対して:糖尿病から眼が悪くなることをどのようにして知りましたか?(複数回答)内科医から聞いた93人39.4%眼科医から聞いた3213.6糖尿病教室に参加した83.4メディアで知った7029.7友人・知人から聞いた145.9家族から聞いた104.2その他93.8%,そのなかでも11.20年くらいの人がもっとも多かった(表6).2)内科の通院に関しては,96.3%は定期的に通院していて,79.7%の患者は糖尿病の治療を中断したことがなかった(表7,8).3.眼底検査の所見今回の対象者847名の眼底検査による病期分類は,網膜症なし36.4%,単純網膜症31.9%,増殖前網膜症5.9%,増殖網膜症25.4%であった(表9).自分の網膜症レベルを知っていると回答した患者は131名15.5%であった.知っていると回答した患者の詳細は,網膜症なし61.1%,単純網膜症13.4%,増殖前網膜症6.1%,増殖網膜症19.8%であった.これらの患者の医師による眼底所見では,網膜症なし42.7%,単純網膜症26.7%,増殖前網膜症6.1%,増殖網膜症24.4%であった(表10,11).このうち網膜症がないと回答した患者80人の眼底検査の病期は,網膜症なし67.5%,単純網膜症25.0%,増殖前網膜症2.5%,増殖網膜症5.0%であった(表12).また,自分の病期を知らない患者は716名で,網膜症の病期分類は847名の全体の分布とほぼ同じであった(表13).また,糖尿病手帳(糖尿病連携手帳・糖尿病眼手帳含む)を持っていた患者は全体の56.3%で,診察時に手帳を持参していたのは全体の43.0%であった(表14,15).表2糖尿病が原因で眼が悪くなることを知っていましたか?詳しく知っていた207人24.4%知っていたが詳しくは知らない54964.8知らない9110.7表4糖尿病と診断されてからこれまでに眼の検査や治療を受けたことがありますか?受けたことがあり現在も通院中729人86.1%受けたことはあるが現在通院していない516.0受けたことがない677.9表5眼の検査や治療を「受けたことがある」と回答した患者に対して:検査や治療を受けたのは糖尿病とわかってどのくらいですか?糖尿病ではない41人5.3%糖尿病かどうかまだわからない283.61年以内22128.32.5年くらい16220.86.10年くらい15620.011.20年くらい8410.821年以上384.9眼科受診してわかった476.0覚えていない3(99)あたらしい眼科Vol.32,No.2,2015271 表6糖尿病または血糖値が高いといわれてどのくらいになりますか?糖尿病ではない・まだわからない4人0.5%1年以内435.12.5年くらい17120.26.10年くらい19422.911.20年くらい27132.021年以上16419.4表8糖尿病の治療を1年以上放置したことがありますか?ない675人79.7%ある17220.3表10糖尿病網膜症は無網膜症・単純網膜症・増殖前網膜症・増殖網膜症に分かれますがどの段階か知っていますか?知っている131人15.5%知らない71684.5表12網膜症がないと回答した患者80名の所見網膜症レベル医師の所見網膜症なし単純網膜症増殖前網膜症増殖網膜症54人202467.5%25.02.55.0表14糖尿病手帳を持っていますか?持っている477人56.3%持っていない37043.7III考按中村ら6)の報告では,東京女子医科大学糖尿病センターの内科(以下,大学病院)を受診した糖尿病患者の実態調査で,糖尿病罹病期間は,11.20年が32.2%,6.10年26.2%,2.5年19.2%と述べている.眼科単科の地域病院である当院を受診した患者の罹病期間も11.20年32.0%,6.10年22.9%,2.5年20.2%とほぼ同等の割合であった.眼合併症に対する知識としては,大学病院では「詳しく知っている」と回答した患者は54.4%に対して,当院の患者は24.4%,「詳しく知らない・または知らない」患者は大学病院では15.7%に対し,当院の患者では75.6%と大学病院の内科・眼科の連携の取れている病院を受診する患者と眼科単科の中核病院を受診する患者には眼合併症に対する知識に差がみられた.272あたらしい眼科Vol.32,No.2,2015表7内科の定期検診はどのようにしていますか?症状がなくても通院816人96.3%都合がつけば通院80.9症状があれば受診151.8症状があっても受診しない10その他70.8表9アンケート調査を実施した847名に対する医師による眼底所見網膜症なし308人36.4%単純網膜症27031.9増殖前網膜症505.9増殖網膜症21525.4不明40.5表11網膜症レベルを知っていると回答した患者131名の所見網膜症レベル患者の申告医師の所見網膜症なし80人61.1%56人42.7%単純網膜症1713.43526.7増殖前網膜症86.186.1増殖網膜症2619.83224.4表13自分の網膜症レベルを知らないと回答した716名の医師による眼底所見網膜症なし252人35.2%単純網膜症23532.8増殖前網膜症425.9増殖網膜症18325.6不明40.6表15糖尿病手帳を持っている患者が診察時持参するか持参する364人76.3%持参しない11323.7また,眼科受診理由として「内科の主治医に勧められた」が,大学病院では66.4%,当院では18.5%,「眼の具合が悪いから」が大学病院では13.9%,当院では28.5%,「眼が悪くなることを知ったから(合併症が心配だから)」が大学病院では8.7%,当院では8.1%,「検診で異常を指摘された」が大学病院では2.8%,当院では5.1%,眼科からの紹介が当院では26.8%にみられた.内科・眼科併設の大学病院と,眼科単科の地域病院を受診する患者の動機には大きな違いがみられた.大学病院の糖尿病専門医のいる内科を受診した患者は,内科医より眼科受診を勧められており,眼合併症に対する教育もきちんとされているが,当院を受診する患者は,眼科から(100) の紹介患者が26.8%を占めており,眼科を受診し初めて糖尿病と判明した患者が6.0%みられることから,定期的に健康診断を受けていないか,糖尿病専門医にかかっていない,また内科医より眼科への通院の必要性の説明を受けていないか,聞いていても受診しない患者が多いのではないかと推測される.眼科通院歴に関しては,大学病院では「眼科受診歴があり現在も通院している」が61.8%,当院では86.1%,「通院歴があるが現在は通院していない」が大学病院では33.1%,当院では6.0%,「眼科受診したことがない」が大学病院では4.5%,当院では7.9%であった.当院を受診する患者は,大学病院の患者に比べ眼科に定期的に通院してはいるが,内科受診に関しては96.3%の患者が内科に定期的に通院しており,79.7%の患者が内科通院を1年以上中断したことがなかった結果と比較すると,当院の患者は眼科に定期的に通院しているのは86.1%と眼科通院に対する認識が内科通院に比べて低いと思われた.これは,内科は薬の処方があり,治療をしなくてはいけないという患者の認識があるが,眼科は自覚症状がなければ,自分は大丈夫という思いがあるのではないか,また網膜症の詳しい知識がないのではないかと推測される.眼科通院に対する必要性の教育が重要と思われる.また,当院の患者の眼科的知識としては,網膜症レベルを正確に知っている患者は少なく,自分には網膜症がないと思っている患者の32.5%に網膜症がみられ,眼底所見と患者の認識に差がみられた.認識の違いから今後,診察の放置・中断の原因につながる可能性が危惧される結果であった.また,糖尿病手帳を持っている患者は56.3%と少なく,そのうち23.7%の患者は診察時に手帳を持参していないことがわかった.手帳を診察時に持参していたのは全体の43.0%しかいなかった.大学病院の内科・眼科併設の糖尿病専門病院と眼科単科の地域病院を比較してみると,糖尿病に関する知識,認識ともに低い印象を受ける結果であった.これは,専門病院の内科できちんとした糖尿病教育を受けた大学病院の患者と,糖尿病専門医に受診していない場合もある当院の患者とでは,糖尿病に関する患者教育に違いがあるのではないかと推測される.今後治療・診察の放置中断を予防し,患者の糖尿病による眼合併症の認識を高める意味からも,コメディカルによる内科・眼科との連携の必要性や,糖尿病手帳の普及による患者教育の働きかけが重要と考える.コメディカルが協力し,糖尿病眼手帳の普及,糖尿病眼手帳を活用し,医師と協力し網膜症についての教育・定期的な眼科受診の必要性の説明などを実施していく予定である.利益相反:利益相反公表基準に該当なし文献1)若江美千子,福島夕子,大塚博美ほか:眼科外来に通院する糖尿病患者の認識調査.眼紀51:302-307,20002)菅原岳史,金子能人:岩手糖尿病合併症研究会のトライアル2.眼紀55:197-201,20043)小林厚子,岡部順子,鈴木久美子:内科糖尿病外来患者の眼科受診実態調査.日本糖尿病眼学会誌8:83-85,20034)船津英陽,宮川高一,福田敏雄ほか:糖尿病眼手帳.眼紀56:242-246,20055)中泉知子,善本三和子,加藤聡:患者の意識改革を目指す糖尿病教育の方向性について─患者アンケート調査から─.あたらしい眼科28:113-117,20116)中村新子,船津英陽,清水えりかほか:内科外来通院の糖尿病患者における意識調査.日眼会誌107:88-93,2003***(101)あたらしい眼科Vol.32,No.2,2015273