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アカントアメーバ角膜炎19 眼の治療期間と予後

2022年10月31日 月曜日

《原著》あたらしい眼科39(10):1403.1407,2022cアカントアメーバ角膜炎19眼の治療期間と予後田中万理*1佐々木香る*1嶋千絵子*1出田真二*2髙橋寛二*1*1関西医科大学眼科学教室*2出田眼科病院CDurationofTreatmentandPrognosisin19EyeswithAcanthamoebaKeratitisMariTanaka1),KaoruAraki-Sasaki1),ChiekoShima1),ShinjiIdeta2)andKanjiTakahashi1)1)DepartmentofOphthalmology,KansaiMedicalUniversity,2)IdetaEyeHospitalCアカントアメーバ角膜炎(AK)の長期治療遂行に必要な平均的な治療期間と予後について検討する.対象は,AKと診断されたC18例C19眼.男性C11例,女性C7例,平均年齢C32C±14.8歳.病期は初期群がC8眼,進行群(移行期+完成期)がC11眼であり,発症前にステロイド点眼,アシクロビル眼軟膏が投与されていたものは各々C13眼,8眼であった.平均.爬回数は初期群C2.6回,進行群C3.3回と有意差なく,進行群では表層角膜切除がC3眼に施行されていた.治療期間の中央値は初期群でC3カ月,進行群ではC5カ月であったが,進行群のうち約半数でC1年前後と長期の治療期間であった.最終矯正視力で(0.8)以上を得たものは初期群では転帰不明のC1例を除いたC7例(100%)で,進行群でもC8眼(73%)であった.進行群の視力不良例では血管侵入をきたしていた.これらの治療期間と予後を伝えたうえで,患者の希望にあわせた治療の選択が必要であると思われた.CPurpose:ToCinvestigateCtheCaverageCtreatmentCdurationCandCprognosticCinformationCrequiredCtoCcarryCoutClong-termCtherapyCofCAcanthamoebakeratitis(AK)C.CMethods:ThisCstudyCinvolvedC19CeyesCofC18CAKcases(11males,7females;meanage:32C±14.8years)C.Ofthose19eyes,8were‘early-stage’AKand11were‘advanced-stage’AK.Priortodiseaseonset,13eyesweretreatedwithsteroideyedrops,while8weretreatedwithacyclovireyeointment.Results:Intheearly-stageandadvanced-stagegroups,themeannumberofperforationswas2.6MandC3.3M,Crespectively,CwithCnoCsigni.cantCdi.erence,CandCtheCmedianCtreatmentCperiodCwasC3CmonthsCandC5Cmonths,Crespectively.CHowever,Capproximately50%CofCtheCadvanced-stageCeyesCunderwentCaClongerCtreatmentCperiodCofCaboutC1Cyear.CFinalCcorrectedCvisualCacuityof(0.8)orCbetterCwasCachievedCinC7patients(100%)inCtheCearly-stagegroup(excludingC1CpatientCwithCanCunknownoutcome)C,CandCinC8eyes(73%)inCtheCadvanced-stageCgroup.CInCtheCadvanced-stageCgroup,C8eyes(73%)hadCvascularCinvasion.CConclusion:InCpatientsCa.ictedCwithCAK,itisnecessarytoinformthemabouttreatmentdurationandprognosisinordertoselecttheoptimaltherapy.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)C39(10):1403.1407,C2022〕Keywords:アカントアメーバ角膜炎,角膜感染症,角膜表層切除,治療期間,治療予後.AcanthamoebaCkerati-tis,cornealinfection,super.cialkeratectomytreatment,duration,treatmentprognosis.Cはじめにわが国でアカントアメーバ角膜炎(Acanthamoebakerati-tis:AK)が初めて報告されて以来1),多くの症例報告がなされてきた2).一般的にCAKの治療は長期間に及ぶとされている.これまで,治療期間や最終視力について明記された症例報告はいくつかみられ,石川ら3)や,佐々木ら4)をはじめとする初期症例の報告では,治療期間はC1.5カ月程度とされている.また,移行期以降の症例については,住岡ら5)や武藤ら6)の報告で,治療期間はC2.55カ月までと幅が広く,そのC56%がC6カ月以上の治療期間を要している.このようなAK角膜炎の長期に及ぶ治療期間は,患者の社会生活を損ない,精神的負担,経済的負担は重いと推測される.一般的にCAKの治療には,まず角膜.爬とともに薬物治療が行われ,治療抵抗性の場合や重症例では角膜移植などの外科的加療が選択されるが,アカントアメーバはシスト,栄養体とその形態を変化させるため,投薬が奏効したかどうかの判別は臨床所見からはむずかしく,外科的治療の時期決定がむずかしい.〔別刷請求先〕田中万理:〒573-1010枚方市新町C2-5-1関西医科大学眼科学教室Reprintrequests:MariTanaka,M.D.,Ph.D.,DepartmentofOphthalmology,KansaiMedicalUniversity,2-5-1Shin-machi,HirakataCity,Osaka573-1010,JAPANCかかる状況において,治療に対する患者の前向きな姿勢を維持するため,また治療方針決定に際して患者の意思も尊重するためには,治療期間および予後を明言することが必要と考えられる.しかし,多数例を解析して病期別に治療期間について,明言した報告はない.そこで,今回,18例C19眼のCAKの自験例を介入のない後ろ向き観察研究として,初期群と,移行期と完成期を合わせた進行群のそれぞれの平均治療期間を明確にするべく予後とともに検討した.CI対象および方法対象はC2007年C11月.2019年C9月に,関西医科大学眼科・永田眼科医院・JCHO星が丘医療センター眼科で培養・塗抹・PCR・臨床所見にてCAKと診断されたC18例C19眼で,年齢はC17.64歳(平均C32C±14.8歳),男性11例,女性7例であった.石橋らの分類1)に従い,2人の医師により患者情報なしにカルテ記載と前眼部写真によって,初期群と進行群に分類した.治療期間は病勢が安定し抗アメーバ薬点眼(0.02%クロルヘキシジン点眼)がC1日C2回となった時期までとし,最終受診時の視力を最終視力とした.なお,本研究は関西医科大学倫理審査の承認(No.2020225:多施設共同研究)を得て行った.また,ヘルシンキ宣言に則り行った.CII結果病期は偽樹枝状病変を示す初期群がC8眼,進行群はC11眼に分類された.初期群および進行群の症例一覧を表1,2に示す.治療はいずれの群でも,0.02%クロルヘキシジン点眼,0.1%ピマリシン眼軟膏,角膜.爬(一部表層切除)による加療を基本とし,AKの診断が確定したのち必要に応じてステロイド点眼を併用した.発症前にステロイド点眼が投与されていたものはC13眼,アシクロビル眼軟膏が投与されていたものはC8眼であった.平均.爬回数は初期群,進行群の順に2.6回,3.3回であり,進行群では外科的加療として表層角膜切除がC3眼(症例C7,10,11)に施行されていた(2例は治療開始後C6カ月目,1例はC10カ月目に施行).治療期間の中央値は初期群ではC3カ月であったのに対し,進行群ではC5カ月であり,有意に長いことがわかった(paired-tCtestCp=0.0095).また,進行群の約半数でC1年前後(12C±2カ月)に及んだ..爬回数の平均値については初期群(2.2回)と進行群(3.3回)で有意差は認めなかった(p=0.8452)が,進行群では.爬後に角膜混濁の増強を認めた(図3).最終矯正視力が(0.8)以上であったものは,初期群ではC100%,進行群ではC73%であった.進行群のなかで矯正視力が(0.8)以下であった症例では,角膜内に多数の血管侵入を認めていた.初期群と進行群の代表症例を示す.[初期群代表例:症例1]20代女性.主訴:右眼痛,充血,流涙.既往歴:特記事項なし.現病歴:普段から頻回交換型ソフトコンタクトレンズ(softcontactlens:SCL)を装用していた.20XX年C9月初旬より主訴が出現.近医を受診した.0.1%フルオロメトロン点眼,0.1%ヒアルロン酸点眼,1.5%レボフロキサシン点眼で治療開始したが,症状改善しないため発症C10日後に関西医科大学附属病院(以下,当院)を紹介受診した.経過:初診時に偽樹枝状病変を認め,初期CAKと判断した(図1).0.02%クロルヘキシジン点眼,0.1%ピマリシン眼軟膏,角膜.爬による加療で,所見はすみやかに改善し,3カ月後には点眼終了し,最終矯正視力は(1.2)まで改善した.[進行群代表例:症例2]50代,女性.表1初期群の一覧表症例年齢診断前投与ステロイド診断前投与アシクロビル.爬回数治療期間最終矯正視力C164歳不明不明不明1.5カ月C1.0C225歳0.1%CFLMC○5回(前医含む)3カ月C2.0C316歳不明不明不明3カ月C1.2C427歳0.1%CFLMなし1回3カ月C1.2C528歳不明不明不明3カ月C1.0C659歳0.1%CFLMなし3回3カ月C0.9C720歳なしC○1回4カ月C1.2C821歳0.1%CFLMなし1回5カ月C1.0平均C32.5±17.2歳C2.2±1.6回(不明例除く)3カ月(中央値)FLM:フルオロメトロン.C表2進行群の一覧表症例年齢診断前投与ステロイド診断前投与アシクロビル.爬回数外科処置治療期間最終矯正視力C132歳CRDC○3回3カ月C1.2C247歳CFLMなし1回3カ月C1.5C325歳CRDなし3回4カ月C1.5C425歳CRDなし5回4カ月C1.0C531歳なしC○4回5カ月C1.2C638歳CFLMC○2回5カ月C1.2C755歳CFLMなし5回(前医含む)CLK10カ月C0.2C817歳なしなし2回(前医含む)10カ月C0.7C917歳CFLMC○4回11カ月C0.8C1051歳CFLMC○3回CLK15カ月C1.0C1123歳CFLMC○7回(前医含む)CLK15カ月C0.6平均C32.8±12.2歳C3.3±1.8回5カ月(中央値)RD:0.1%ベタメタゾンFLM:0.1%フルオロメトロンLK:lamellarkeratectomy.図1症例1(初期例)の左眼細隙灯顕微鏡によるscleralscattering撮影耳側に偽樹枝状病変を認めた.主訴:左眼充血,疼痛.既往歴:卵巣.腫.現病歴:1年前からC1日使い捨てCSCLを装用していた.20YY年C2月末より主訴が出現し近医を受診した.角膜ヘルペスとしてアシクロビル眼軟膏,0.1%ベタメタゾン点眼で治療開始したが,症状が改善しないためC2カ月後に当院を紹介受診した.経過:初診時は強い毛様充血と,角膜中心部に広範囲な輪状浸潤と放射状角膜炎を認め(図2),臨床所見から進行期AKと判断し,0.02%クロルヘキシジン点眼,0.1%ピマリシ図2症例2(進行例)の1回目の角膜.爬後の前眼部所見角膜浮腫が強く,.爬した部位を中心としてびまん性に不均一な浸潤を認めた.ン眼軟膏,角膜.爬による加療を開始した.後日,角膜擦過物から培養でアメーバが検出された.初診時からC3カ月間はアメーバに対する治療を行ったが,3回目の角膜.爬の後,角膜混濁と充血の増強,角膜浮腫が高度となったため(図3),薬剤毒性を疑いC2週間抗アメーバ療法を中止した.その後,抗アメーバ療法を再開しステロイド点眼や内服などの消炎治療も併用したところ,毛様充血は軽減したが角膜浮腫は継続した.治療開始C5カ月後に前眼部光干渉断層計(opticalCcoherencetomography:OCT)を施行したところ,角膜浮腫は実質表層C1/2に限局し,実質深図3症例2の3回目の角膜.爬後角膜混濁はC2回目よりも増悪し遷延性上皮欠損を認めた.上方からの血管侵入を強く認める.図5症例2の白内障手術後の前眼部所見(治療開始15カ月後)AKの再燃がないことを確認し,白内障手術を実施した.術後も上皮化は安定し矯正視力(1.0)を得た.層が比較的健常であることが確認され,250Cμmの深さで角膜表層切除を実施した(図4).その後はレバミピド点眼を追加し,角膜内に侵入した血管を消退させるためにステロイド点眼と内服を行った.治療開始C14カ月で角膜上皮が安定したところで(図5)白内障手術を実施し,治療開始C15カ月後には最終矯正視力(1.0)を得た.CIII考察今回,初期群CAKと進行群CAKの治療期間に大きな差があることが明らかとなった.初期群では治療期間が約C3カ月であったのに対し,進行群では約半数でC1年近い治療期間が必要であり,改めて早期診断の必要性が再確認された.初期図4症例2の治療開始5カ月後の前眼部OCT(角膜表層切除前後)a:術前.角膜厚はC961Cμmと肥厚している.角膜実質浅層C1/2層に高度な浮腫を認め(.),実質深層C1/2は比較液健常であることが確認できる.Cb:術後.角膜浮腫の部分は切除され,角膜厚はC525Cμmとなった.AKの角膜上皮病変については,放射状角膜神経炎,偽樹枝状病変の観察の重要性が知られており7,8),これらの特徴的な角膜上皮病変を確実に診断すれば,AKの初期病変は予後が比較的良好である9).しかし,移行期以降は円板状の浮腫や輪状の浸潤を呈し,ヘルペスやその他の感染症との鑑別が困難となり,確定診断に時間を要する.さらに今回の検討から,たとえ診断がついたとしても治療期間が長期化することが明らかとなった.受診までにかかった時間や,治療開始までの抗ヘルペス療法やステロイド治療の有無など,それぞれの経過背景も治療期間に影響すると思われるが,今回はこれらの背景を含めたうえでの,初期群と進行群の比較検討を行った.一般的に角膜感染症の治療薬は徐々に漸減され,また治癒と考えられたとしても予防的な投与期間があるため,実際のエンドポイントの設定がむずかしい.とくにCAKでは,治癒したあとにも上皮下浸潤や充血の再燃を認めることがあり,ステロイド点眼が投与され,あわせてクロルヘキシジン点眼の予防投与再開がなされる場合があった.これらを含めて最終的に,投薬を終了する前提でクロルヘキシジン点眼が1日C2回となった時点をエンドポイントとした.そのため,今回の検討では,治療期間が長期化している可能性はあるが,既報でもC10カ月あるいはC14カ月と報告され,やはり重症例ではその治療が長期にわたることが示唆される10).治療期間がC6カ月を超えて長期に及ぶと,精神的な問題を惹起する可能性が高くなることが顎関節症の報告11)でも示唆されており,実際に筆者らが経験した進行群の症例でも,治療開始からC6カ月経過した時期には強い不安を訴えることが多かった.このような状況において,平均治療期間や予後を提示し,経過の予測を伝え,また外科的処置選択を提示することは,患者にとって精神的な支えとなり,治療方針の決定に有用と思われる.患者の不安は日常生活の支障度や家族構成や家族の理解度によっても大きく影響されるため,治療を継続するうえで,患者背景を考慮することも必要であると思われた.視力予後に関しては,初期症例に比して悪化する症例があるものの,最終矯正視力(0.8)以上を得たものがC73%あり,細菌感染などに比して比較的アカントアメーバは組織破壊が少ない可能性が推測された.しかし,角膜への血管侵入はAKの視力予後不良因子の一つと報告されており12),今回の検討でも同様であった(進行群症例C7,8,11).今後,進行例におけるCAKの最終視力予後改善のためには,抗アメーバ療法とともに血管侵入防止も大切だと思われた.長期に及ぶCAK治療の途中で薬剤抵抗性が出現した場合や角膜穿孔を生じた場合には,角膜移植を選択する必要がある.一般的に感染症治療においてもっとも好ましいのは,完全に微生物が鎮静化してから角膜移植を行うことである.しかしCAKの場合,鎮静化させるまでの期間が長期に及ぶことや,病勢を臨床所見から推測することが困難であること,さらに移植後に再燃した場合は予後不良である13)ことが問題となり,手術時期決定がむずかしい.このような状況において,平均的な治療期間や予後を患者に伝えることは治療の過程で必要であり,外科的加療について患者が自分の意思を決定するうえでも重要な情報である.AKの外科的加療のうち治療的レーザー角膜切除(photo-therapeuticCkeratectomy:PTK)や角膜表層切除は全層や深層角膜移植に比して,①感染の足場となる縫合糸を必要としないこと,②万が一病原体が残存していても,局所に直接抗アメーバ薬点眼を投与できること,③ステロイドの増量の必要がないことなどの治療上の利点があげられる.AKにおいて全層角膜移植では予後不良が報告されているが13),深層角膜移植については治療期間を短縮させるという報告があり14,15),今回の症例でも治療期間を短縮できた可能性はある.しかし,代表症例C2では,実質浮腫が前眼部COCTにて表層1/2にとどまり,深層では実質構造が保たれていたことや,角膜厚そのものがC916Cμmと非常に厚かったことから,提供角膜を必要としない角膜表層切除を選択して良好な視力を得ることができた.それぞれの症例の病態によって,適切な外科的加療の方法を選択すべきである思われる.以上,AKの治療期間と予後について検討した.初期と移行期以降では治療期間が有意に異なり,この結果を患者の説明に提示することは,長期に及ぶ治療期間において,治療方針を決定するあるいは治療に前向きな姿勢を保つうえで,有用と思われる.謝辞:本論文統計処理に関して,指導いただきました関西医科大学数学教室・北脇知己教授に感謝申し上げます.文献1)石橋康久,本村幸子:アカントアメーバ角膜炎.あたらしい眼科5:1689-1696,C19882)鳥山浩二:アカントアメーバ角膜炎─最近の動向と診断法レビュー.あたらしい眼科33:1573-1579,C20163)石川功,武藤哲也,松本行弘ほか:ミカファンギン点眼とアゾール系抗真菌薬の併用で治療したアカントアメーバ角膜炎のC3症例.眼科52:1087-1092,C20104)佐々木香る,吉田稔,春田恭照ほか:アカントアメーバ角膜炎のC2症例から得られた知見.あたらしい眼科C21:C379-383,C20045)住岡孝吉,岡田由香,石橋康久ほか:早期診断にもかかわらず治療に難渋した両眼アカントアメーバ角膜炎のC1例.眼臨紀7:946-951,C20146)武藤哲也,石橋康久:両眼性アカントアメーバ角膜炎のC3例.日眼会誌104:746-750,C20007)佐々木美帆,外園千恵,千原秀美ほか:初期アカントァメーバ角膜炎の臨床所見に関する検討.日眼会誌114:1030-1035,C20108)篠崎友治,宇野敏彦,原祐子ほか:最近C11年間に経験したアカントアメーバ角膜炎C28例の臨床的検討.あたらしい眼科27:680-686,C20109)松本和久,原田勇一郎,木村章ほか:最近経験したアカントアメーバ角膜炎のC2症例.眼臨紀2:1154-1157,C200910)KaisermanCI,CBaharCI,CMcAllumCPCetal:PrognosticCfac-torsCinCAcanthamoebaCkeratitis.CCanCJCOphthalmolC47:C312-317,C201211)和気裕之:顎関節症患者の不安と抑うつに関する心身医学的研究.口科誌48:377-390,C199912)BouheraouaN,GaujouxT,GoldschmidtPetal:Prognos-ticCfactorsCassociatedCwithCtheCneedCforCsurgicalCtreat-mentsCinCacanthamoebaCkeratitis.CCorneaC32:130-136,C201313)KashiwabuchiRT,deFreitasD,AlvarengaLSetal:Cor-nealCgraftCsurvivalCafterCtherapeuticCkeratoplastyCforCAcanthamoebaCkeratitis.CActaCOphthalmolC86:666-669,C200814)大塩毅,佐伯有祐,岡村寛能ほか:福岡大学病院における最近C10年間のアカントアメーバ角膜炎の治療成績.臨眼C73:1291-1296,C201915)CremonaCG,CCarrascoCMA,CTytiunCACetal:TreatmentCofCadvancedAcanthamoebakeratitiswithdeeplamellarker-atectomyandconjunctival.ap.CorneaC21:705-708,C2002***

眼窩悪性リンパ腫の組織分類と治療予後の検討

2019年9月30日 月曜日

《原著》あたらしい眼科36(9):1209.1212,2019c眼窩悪性リンパ腫の組織分類と治療予後の検討小橋晃弘*1,2渡辺彰英*1中山知倫*1山中亜規子*1外園千恵*1*1京都府立医科大学眼科学教室*2町田病院CHistopathologicalDiagnosisandTreatmentPrognosisofOrbitalLymphomaAkihiroKobashi1,2)C,AkihideWatanabe1),TomonoriNakayama1),AkikoYamanaka1)andChieSotozono1)1)DepartmentofOphthalmology,KyotoPrefectualUnivarsityofMedicine,2)MachidaHospitalC目的:眼窩悪性リンパ腫を病理診断に基づき分類し,その治療予後を検討する.方法:2009年C1月.2016年C12月に京都府立医科大学附属病院眼科にて眼窩腫瘍生検・摘出術を施行し,病理診断が悪性リンパ腫であったC60例について,病理診断をもとに組織型を分類し,眼窩内での局在部位と組織型,治療予後について検討した.結果:組織型はMALTリンパ腫(MALT)31例,びまん性大細胞型CB細胞性リンパ腫(DLBCL)18例,濾胞性リンパ腫C6例,マントル細胞リンパ腫C1例,NK/T細胞リンパ腫C1例,その他C3例であった.局在部位は涙腺部がC26%ともっとも多かった.当院で経過観察されたC37例の治療予後は,完全寛解率はCMALT60%,DLBCL83%,濾胞性リンパ腫C33%であり,放射線療法を使用した場合,MALT86%(化学療法のみではC71%),DLBCL100%であった.結論:眼窩悪性リンパ腫の組織型と局在部位の特徴は診断において有用となりうる.放射線療法の治療効果は高く,腫瘍が限局している早期の段階で治療を行うことが重要である.CPurpose:ToclassifyorbitalmalignantlymphomaaccordingtothehistopathologicaldiagnosisandinvestigatepatientCprognosis.CMethod:WeCretrospectivelyCinvestigatedC60CpatientsCwhoCwereCdiagnosedCwithClymphomaCatCKyotoPrefecturalUniversityofMedicinebetweenJanuary2009andDecember2016.Ofthe60patientswhowerefollowedupatourhospital,37wereinvestigatedastoprognosis.Result:Histopathologicaldiagnosesweremuco-sa-associatedClymphoidtissue(MALT)lymphoma(31cases)C,Cdi.useClargeCB-celllymphoma(DLBCL)(18cases)C,Cfollicularlymphoma(6cases)C,CmantleCcelllymphoma(1case)C,CNK/TCcelllymphoma(1case)andCotherCtypesCoflymphoma(3cases)C.CTheCmostCfrequentClocationCwasCtheClacrimalgland(26%)C.CTheCcompleteCresponseCrateCwas60%inMALT,83%inDLBCLand33%infollicularlymphoma.Conclusion:Thecharacteristicsofhistopathologyandlocationoforbitallymphomawereusefulfordiagnosis.Radiotherapywase.ectiveforearlystagelymphoma.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)C36(9):1209.1212,C2019〕Keywords:眼窩リンパ腫,組織分類,眼窩内局在,治療予後.orbitallymphoma,histopathologicaldiagnosis,or-bitallocation,treatmentprognosis.Cはじめに眼窩原発の悪性リンパ腫は頻度こそ少ないものの,生命を脅かす可能性もある疾患である.一般的に眼窩悪性リンパ腫ではCmucosa-associatedlymphoidtissue(MALT)リンパ腫が多く,予後は良好とされているが,眼窩悪性リンパ腫における他の組織型に関する報告は少ない.眼窩悪性リンパ腫の組織型を分類し,その部位や頻度などの特徴を把握すること,また各組織型の治療予後を理解することは,今後の治療方針を立てるうえでも有益である.今回,過去C8年間に病理診断の確定した眼窩悪性リンパ腫C60例を対象に,組織分類と治療予後について検討したので報告する.CI対象および方法対象はC2009年C1月.2016年C12月に京都府立医科大学附属病院(以下,当院)眼科にて眼窩腫瘍生検・摘出術を施行し,病理診断が悪性リンパ腫であったC60例(男性C30例,女性C30例,平均年齢C74.7C±9.5歳,年齢範囲C49.98歳)であ〔別刷請求先〕小橋晃弘:〒780-0935高知県高知市旭町C1-104医療法人旦龍会町田病院Reprintrequests:AkihiroKobashi,M.D.,MachidaHospital,1-104Asahi-machi,Kouchi-shi,Kouchi780-0935,JAPANC0910-1810/19/\100/頁/JCOPY(107)C1209る.これらの眼窩悪性リンパ腫症例の組織型,局在部位,治療開始前の病期,治療後の経過について,診療録をもとにレトロスペクティブに検討した.病期分類は,病理診断後に骨髄検査,PET(positronCemissiontomography)検査,CT(computedCtomography)検査などの全身検査を施行し,AnnArbor分類に基づいて決定した.腫瘍の局在部位は眼窩部CMRI(magneticresonanceimag-ing)において,眼窩内の筋円錐外を耳上側(涙腺部を含まない),涙腺部,耳下側,鼻上側,鼻下側のC5象限に分け,眼窩筋円錐内,涙.部と合わせてC7カ所のうち腫瘍の中心部が位置する部分とした.病期確定後の治療は当院血液内科が主体として行い,年齢,病期,組織型を基準に患者との相談により治療方法が決定された.治療方法は化学療法単独,放射線療法単独,化学療法+放射線療法,無治療で経過観察のC4通りが選択された.治療効果判定については治療終了後,造血器腫瘍ガイドラインC2013年度版に基づき行われ,PETを施行している症例ではCPETを加味した効果判定を,施行していない症例はCTのみ,PETを加味しないものとして効果判定を行った.腫瘍サイズは眼窩部CMRIにおいて腫瘍の水平断,冠状断,矢状断それぞれの最長径和が治療後にC30%以上減少したものを縮小とした.CII結果病理組織型はCMALTがC31例(52%)ともっとも多く,びまん性大細胞型CB細胞リンパ腫(di.useClargeCB-cellClym-phoma:DLBCL)がC18例(30%),濾胞性リンパ腫がC6例(10%),マントル細胞リンパ腫,NK/T細胞リンパ腫がC1例(1.7%),その他がC3例(5.0%)であった(表1).局在部位は全体では涙腺部がC16例(27%)ともっとも多く,鼻上側がC11例(18%)でC2番目,耳上側がC9例(15%)でC3番目に多かった.鼻下側はCMALT,涙.部はCDLBCLのみであった(表1).両側性はC5例のみで全例CMALTであった.治療前の病期分類ではCIE期がC28例(47%)ともっとも多く,IV期がC8例(13%)とC2番目に多かった.16例については精査途中や他院で経過観察となったため病期不明であった(表2).A,B分類は全例CA分類であった.当院で治療また経過観察となり,治療効果判定を施行できた症例はC37例(男性C20例,女性C17例,平均年齢C74.3C±8.2歳)であった.組織型はCMALTがC20例,DLBCLがC12例,濾胞性リンパ腫がC3例,NK/T細胞リンパ腫がC1例,マントル細胞リンパ腫がC1例であった.治療方法はC20例に化学療法,10例に放射線療法,3例に化学療法+放射線療法,4例が無治療経過観察であった.いずれの組織型においても化学療法がもっとも多く施行されていた.治療効果判定について(表3),37例の平均観察期間はC32.3C±22.9カ月(6.87カ月)であった.MALTではCcompleteresponse(CR)がC12例(60%)ともっとも多かった.また,PETを加味しない場合のステージングではCpartialresponse(PR)のC4例がCcom-pleteresponse/uncon.rmed(CRu)となり,CR+CRuはC16例(80%)となった.治療法別では放射線療法単独でCCRC4例(57%),PR2例(29%),転移C1例(14%),化学療法単独でCCR6例(55%),PR2例(18%),stabledisease(SD)2例(18%),死亡C1例(9%)であり,無治療経過観察のC2例はともにCCRであった.DLBCLではCCRはC10例(83%)で,初回治療後に転移を認めたC2例は再治療後にそれぞれCR,PRとなった.治療法別では放射線療法単独のC2例ともCR,化学療法単独でCCR5例(71%),PR1例(14%),死亡C1例(14%),化学療法+放射線療法のC3例ともCCRであった.濾胞性リンパ腫のCCRはC33%であった.治療法別の腫瘍が縮小した割合についてはCMALT,DLBCLともに放射線療法単独および化学療法との併用のいずれもC100%であった.化学療法単独ではCMALTがC11例中C7例(64%),DLBCLがC7例中C6例(86%)であった.経過観察中に死亡した症例はC2例で,1例はCIV期のMALTでリツキシマブ併用化学療法施行C6カ月後に心不全により死亡となった.もうC1例はCIE期のCDLBCLでリツキ表1組織型ごとの局在部位(人)局在部位耳上側涙腺部耳下側鼻上側鼻下側涙.部筋円錐内計CMALTC4C9C4C4C6C4C31CDLBCLC2C4C3C3C2C4C18濾胞性C2C3C1C6マントルC1C1NK/T細胞C1C1その他C1C2C3計C9C16C7C11C6C2C9C60MALT:MALTリンパ腫,DLBCL:びまん性大細胞型CB細胞リンパ腫,マントル:マントル細胞リンパ腫,NK細胞:NK/T細胞リンパ腫.C1210あたらしい眼科Vol.36,No.9,2019(108)表2組織型ごとの治療前病期(人)治療前病期CIECIIECIIIECIV不明計CMALTC20C3C2C6C31CDLBCLC5C2C2C4C5C18濾胞性C2C1C1C2C6マントルC1C1NK/T細胞C1C1その他C3C3計C28C5C3C8C16C60MALT:MALTリンパ腫,DLBCL:びまん性大細胞型CB細胞リンパ腫,濾胞性:濾胞性リンパ腫,NK/T細胞:NK/T細胞リンパ腫,マントル:マントル細胞リンパ腫表3治療効果判定結果CR(人)PR(人)SD(人)転移(人)死亡(人)計(人)CR率(%)CMALTCDLBCLC濾胞性Cその他C12C4C2C1C1C10C1C1C1C2C1C1C20C12C3C2C60C833350計C24C5C2C4C2C37C65CR:completeCresponse,PR:partialCresponse,SD:stableCdisease.MALT:MALTリンパ腫,DLBCL:びまん性大細胞型CB細胞リンパ腫,濾胞性:濾胞性リンパ腫,その他:NK/T細胞リンパ腫がCR,マントル細胞が転移.表4死亡した2症例の詳細組織型年齢性別局在部位病期治療経過観察期間死因CMALT75歳女性涙腺部CIVリツキシマブ併用化学療法6カ月心不全CDLBCL73歳男性筋円錐内CIEリツキシマブ併用化学療法14カ月不明MALT:MALTリンパ腫,DLBCL:びまん性大細胞型CB細胞リンパ腫.シマブ併用化学療法施行C14カ月後に死亡となり死因は不明であった(表4).CIII考按眼窩原発悪性リンパ腫の組織型については複数の既報があるが,MALTがもっとも多く,DLBCLや濾胞性リンパ腫がC2番目に多いといった報告1,2)が多く,今回の結果とも一致している.局在部位については,涙腺部がC27%ともっとも多く,鼻上側と耳上側も合わせると半数以上が上方に局在しており,過去の報告3,4)とも一致していた.組織型と局在部位の関連を検討すると,局在する割合がもっとも多い涙腺部ではC16例中C9例(56%)がCMALT,耳上側でもC9例中C4例(44%)がCMALTであり,涙腺部を含めた耳上側付近の悪性リンパ腫ではCMALTの可能性が高いと考えられる.筋円錐内ではMALTとCDLBCLはいずれもC9例中C4例(44%)と差は認めなかった.また,濾胞性リンパ腫は全例が上側あるいは涙腺部に局在していた.比較的悪性度の高い組織型の腫瘍は涙腺部以外に発生ことが多い傾向にあると考えられる.また,鼻下側はC6例全例がCMALT,涙.部はC2例ともCDLBCLであった.今回の検討ではこれらの部位で組織型がC1種類のみであり,鼻下側にCMALTが多いことは,眼窩内悪性リンパ腫の特徴であると考えられる.こうした眼窩原発リンパ腫の組織型と局在部位の関係性は診断における補助的な情報となる可能性がある.MALTの治療予後については,放射線治療単独やリツキシマブなどの化学療法を併用した報告が複数あげられており,放射線療法やリツキシマブ単独あるいは化学療法との併用でのCCR率はC82.99%5.7)と良好な結果が示されている.今回の検討ではCMALTのCCRがC60%と既報よりも低い結果であったが,病期がCIIE期以上の症例を含んでいることや治療効果判定にCPETの結果を加味しているため,骨髄浸潤が(109)あたらしい眼科Vol.36,No.9,2019C1211不確定であるがCPET陽性の場合,CRuがCPRとなっていることが要因とも考えられる.PETを加味しない場合,PRのうちC4例がCCRuとなり,CR+CRu率はC80%と既報に近い値となる.今回の検討では治療が行われたCIE期C14例においてCPETを加味した場合,放射線療法単独とリツキシマブを使用した場合のCCR率はいずれもC57%であったが,PETを加味しない場合CCR+CRu率は放射線療法単独がC86%,リツキシマブ使用でC71%と放射線療法のほうが良好な結果であり,腫瘍が眼窩部に限局している早期の段階では放射線療法が有用と考えられる.DLBCLの予後について,DLBCL単独のCCR率に関する報告が少なく比較は十分にできていないが,今回の検討ではCR率がC83%と高い結果であった.治療法は放射線療法単独あるいは化学療法と放射線療法の全例でCCRとなっており,DLBCLに放射線療法を治療に取り入れることは有効である可能性がある.しかし,現在の標準治療はCI期の場合,MALTや濾胞性リンパ腫では放射線療法,DLBCLやCT細胞系のリンパ腫ではCR-CHOPなどの化学療法であり,II期以上となればいずれの組織型でも化学療法が標準的治療である.治療法の選択や予後については個々の背景因子も考慮しながら慎重に検討すべきである.MALTのC5年生存率は病期や治療法によっても異なるが,83.100%と良好な予後が示されている6.11).一方でCDLBCLはC5年生存率9.43%12)とCMALTと比較すると予後は悪い.今回の検討では全体での平均観察期間がC32.3カ月と短いため,5年生存率について既報との比較はできなかった.経過中,MALTとCDLBCLでC1例ずつ死亡した症例を認めたが,死因は心不全と死因不明であり腫瘍死は認めなかった.眼窩CMALTリンパ腫は,とくに放射線治療の適応となる腫瘍が限局している状態で治療効果が高いとされる.今回の検討での死亡C2例のうちC1例は病期がCIV期であり,腫瘍死ではないが,化学療法の副作用といった腫瘍関連死の可能性はあり,早期発見・早期治療のために,各組織型の局在部位などの臨床的特徴を参考にしながら眼窩部CMRIや生検術を積極的に施行すべきである.今後は眼窩悪性リンパ腫の詳細な予後を検討するために,症例数を増やした長期の経過観察が必要である.また,MALT以外の組織型に関しては,過去の報告も少なく,多施設共同研究などを今後検討していく必要があると考えられた.文献1)FerryJA,FungCY,ZukelbergLetal:Lymphomaoftheocularadnexa;ACstudyCofC353Ccases.CAmCJCSurgCPatholC31:170-184,C20072)瀧澤淳,尾山徳秀:節外リンパ腫の臓器別特徴と治療眼・眼付属器リンパ腫.日本臨牀C73(増刊号C8):614-618,C20153)PriegoCG,CMajosCC,CClimentCFCetal:Orbitallymphoma:Cimagingfeaturesanddi.erentialdiagnosis.InsightsImag-ingC3:337-344,C20124)田中理恵,小島孚允:眼窩リンパ増殖性疾患C85例のCMRI画像の検討.臨眼67:1155-1159,C20135)KiesewetterB,LukasJ,KucharAetal:Clinicalfeatures,treatmentCandCoutcomeCofCmucosa-associatedClymphoidtissue(MALT)lymphomaCofCtheCocularadnexa:singleCcenterCexperienceCofC60Cpatients.CPLoSCONEC9:e104004C1-8,C20146)MaWL,YaoM,LiaoSLetal:ChemotherapyaloneisanalternativeCtreatmentCinCtreatingClocalizedCprimaryCocularCadnexallymphomas.Oncotarget8:81329-81342,C20177)GodaCJS,CLeCLW,CLapperriereCNJCetal:LocalizedCorbitalCmucosa-associatedClymphomaCtissueClymphomaCmanagedCwithprimaryradiationtherapy:e.cacyandtoxicity.IntJRadiatBiolPhysC81:e659-e666,C20118)岡本全弘,松浦豊明,小島正嗣ほか:眼付属器CMALTリンパ腫C10例の検討.臨眼C63:695-699,C20099)TanimotoCK,CKanekoCA,CSuzukiCSCetal:Long-termCfol-low-upCresultsCofCnoCinitialCtherapyCforCocularCadnexalCMALTlymphoma.AnnOncolC17:135-140,C200610)HasegawaCM,CKojimaCM,CShioyaCMCetal:TreatmentCresultsCofCradiotherapyCforCmalignantClymphomaCofCtheCorbitCandChistopathologicCreviewCaccordingCtoCtheCWHOCclassi.cation.CIntCJCRadiatCPncolCBiolCPhysC57:172-176,C200311)HashimotoCN,CSasakiCR,CNishimuraCHCetal:Long-termCoutcomeandpatternsoffailureinprimaryocularadnexalmucosa-associatedClymphoidCtissueClymphomaCwithCradio-therapy.CIntCJCRadiatCOncolCBiolCPhysC82:1509-1514,C201212)RasmussenPK,RalfkiaerE,PlauseJUetal:Di.uselargeB-cellClymphomaCofCtheCocularCadnexalregion:aCnation-basedstudy.ActaOphthalmolC91:163-169,C2013***1212あたらしい眼科Vol.36,No.9,2019(110)