《第36回.日本緑内障学会.原著》あたらしい眼科43(6):679.685,2026cプリザーフロマイクロシャント挿入術の早期成績遠藤誠子徳田直人佐浦里奈山田雄介豊田泰大塚本彩香金成真由北岡康史聖マリアンナ医科大学眼科学教室CResultsofPreserfloMicroShuntImplantationintheEarlyPostoperativePeriodAkikoEndo,NaotoTokuda,RinaSaura,YusukeYamada,YasuhiroToyoda,AyakaTsukamoto,MayuKanariandYasushiKitaokaCSt.MariannaUniversitySchoolofMedicineDepartmentofOphthalmologyC目的:プリザーフロマイクロシャント(PMS)挿入術の術後早期成績について検討する.対象および方法:広義の原発開放隅角緑内障(POAG)または落屑緑内障(PEG)に対してCPMS挿入術を施行し,術後C12カ月間経過観察可能であったC21例C33眼(67.4歳)を対象とした.PMS挿入術施行前後の眼圧推移,緑内障点眼スコア,術前後の角膜内皮細胞密度の変化,術後合併症について検討した.結果:PMS挿入術後,眼圧は術前C18.4CmmHgが術後C12カ月で12.2CmmHgと有意に下降した.緑内障点眼スコアは術前C4.5点が術後C12カ月でC0.6点と有意に減少した.術後合併症は角膜内皮細胞密度の減少(1.3%/年),前房出血,脈絡膜.離,浅前房などが認められた.なお,PMS挿入部付近の角膜内皮細胞密度が角膜中央部の角膜内皮細胞密度よりも減少している症例が存在した.結論:PMS挿入術は開放隅角緑内障に対して有効だが,PMS挿入術特有の合併症にも注意を要する.CPurpose:ToevaluatetheearlypostoperativeoutcomesofPreserFloMicroShunt(PMS)(SantenPharmaceu-tical)implantationCinCpatientsCwithCprimaryCopen-angleglaucoma(POAG)C.CPatientsandMethods:ThisCstudyCinvolved33eyesof21POAGpatients(meanage:67.4years)whounderwentPMSimplantationandwhowerefollowedCforC12-monthsCpostoperative.CChangesCinCintraocularpressure(IOP)C,CglaucomaCmedicationCscore,CcornealCendothelialCcellCdensity,CandCpostoperativeCcomplicationsCwereCanalyzed.CResults:FromCpreCsurgeryCtoCatC12-monthsCpostoperative,CtheCmeanCIOPCandCglaucomaCmedicationCscore,Crespectively,ChadCsigni.cantlyCdecreasedCfrom18.4mmHgto12.2mmHgandfrom4.5to0.6(p<0.05)C,andthemeanreductionincornealendothelialcell(CEC)densitywas1.3%.SomepatientsshowedlocalizedCEClossneartheimplantationsite.Postoperativecom-plicationsCincludedChyphema,CchoroidalCdetachment,CandCaCshallowCanteriorCchamber.CConclusions:PMSCimplanta-tione.ectivelyreducedIOPandglaucomamedicationuseinPOAGpatients,however,carefulpostoperativemoni-toringisrequiredduetospeci.ccomplicationsassociatedwiththisprocedure.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)C43(6):679.685,C2026〕Keywords:プリザーフロマイクロシャント,低侵襲緑内障手術,MIBS,角膜内皮細胞.PreserfloMicroShunt,minimallyinvasiveglaucomasurgery(MIGS),minimallyinvasiveblebsurgery(MIBS),Cornealendothelialcell.Cはじめに昨今,緑内障手術は低侵襲化が進み,低侵襲緑内障手術(minimallyCinvasiveCglaucomasurgery:MIGS)1)とよばれる緑内障術式が広く行われるようになった.そのなかでも濾過手術の性質をもち,濾過胞を形成するものをCminimallyinvasiveblebsurgery(MIBS)と称し,識別するようになりつつある2).わが国で施行可能なCMIBSとしてプリザーフロマイクロシャント(PreserFloMicroShunt:PMS)(参天製薬)を用いたCPMS挿入術がある.PMSはわが国でC2023年に認可され,その後比較的多くの施設でCPMS挿入術が施行されている.聖マリアンナ医科大学病院(以下,当院)でも,正常眼圧緑内障(normalCtensionglaucoma:NTG)を含めた広義の原発開放隅角緑内障(primaryCopenCangleCglauco-ma:POAG),落屑緑内障(pseudoexfoliationglaucoma:〔別刷請求先〕遠藤誠子:〒C216-8511神奈川県川崎市宮前区菅生C2-16-1聖マリアンナ医科大学眼科学教室Reprintrequests:AkikoEndo.M.D.,St.MariannaUniversitySchoolofMedicineDepartmentofOphthalmology,2-16-1SugaoMiyamae-ku,Kawasaki216-8511,JAPANC表1対象の背景表2緑内障病型と手術既往年齢C67.4±11.0歳性別(男/女)C26/7術前眼圧C18.4±4.8CmmHg術前ClogMAR視力-0.15±0.4(少数視力)(C0.01-1.2)術前角膜内皮細胞密度C2,345±391Ccells/mm2眼軸長C26.7±1.4Cmm等価球面度数-3.0±2.7D術前薬剤スコアC4.5±1.5点MD値-13.5±9.4CdBMD:meandeviation.PEG),そして硝子体手術後の無硝子体眼もCPMS挿入術の適応と考え施行している.今回筆者らは当院でCPMS挿入術を施行した症例の術後短期成績について検討したので報告する.CI対象および方法本研究は診療録による後ろ向き研究である(聖マリアンナ医科大学生命倫理委員会C7079号).対象は2023年7月.C2024年9月に当院でPOAG(広義)またはCPEGに対してCPMS挿入術を施行し,術後C12カ月間経過観察可能であったC21例C33眼,平均年齢C67.4C±11.0歳(以下平均±標準偏差)である.対象の背景を表1に示す.検討項目はCPMS挿入術施行前後の眼圧推移と眼圧下降率〔(術前眼圧-術後最終診察時眼圧)C÷術前眼圧をC100倍したもの〕,緑内障点眼スコア(緑内障点眼薬C1剤C1点,緑内障配合点眼薬C2点として算出),術前後の角膜内皮細胞密度の変化〔スペキュラーマイクロスコープCellChek20-1(コーナン・メディカル)〕,術後合併症とした.眼圧の推移については,対象を緑内障病型,白内障手術既往の有無,硝子体手術既往の有無で分類(表2)し,それぞれについて比較検討した.なお,統計解析は眼圧,薬剤スコア,角膜内皮細胞密度の変化については対応のあるCt検定により検討した.PMS挿入術は以下の手順で施行した.まず結膜下にC2%キシロカインを注入後,鼻上側に円蓋部基底結膜弁を作製し,強膜止血後に眼科用マイトマイシンCC製剤〔マイトマイシン眼科外用液用C2Cmg(協和キリン)〕をC0.04%に調整した状態で結膜下に塗布し,3.C5分間留置(時間は症例のTenon.の状態で増減した)後,生理食塩水C100CmClで洗浄した.角膜輪部からC3Cmmのところにマーキングし,その部分から付属のダブルステップナイフで強膜トンネルを作製し,その後前房穿刺した.その部分からCPMSを挿入し,PMSの後端から房水が流れていることを確認後,結膜と緑内障病型原発開放隅角緑内障(POAG)15眼(C45.5%)落屑緑内障(PEG)12眼(C36.4%)PEGを除く無硝子体眼などの続発開放隅角緑内障(SOAG)6眼(C18.1%)白内障なし(有水晶体眼)10眼(C30.3%)手術既往眼内レンズ挿入眼23眼(C69.7%)硝子体なし(有硝子体眼)30眼(C90.9%)手術既往硝子体手術既往眼(無硝子体眼)3眼(C9.1%)POAG:primaryCopenCangleglaucoma,PEG:pseudoexfoliationglaucoma,SOAG:secondaryCopenCangleCglaucoma.Tenon.でCPMSを被覆し手術を終了とした.なお,術後低眼圧の予防として,PMS内部にナイロン糸を留置し,術後眼圧が上昇してからナイロン糸を抜去する方法があるが,これは本検討の最中には施行していない.CII結果まず,全症例のCPMS挿入術前後の眼圧推移について示す(図1).PMS挿入術施行後眼圧は速やかに下降し,術後C12カ月まで術前眼圧に比し有意な眼圧下降を維持した.眼圧下降率は,術後C12カ月の時点で平均C28.1%C±32.8であった.術後C1カ月以降に眼圧がC2回連続でC20CmmHgを超えた時点,またはCneedling以外の濾過胞再建術を行った時点を死亡とした場合に,術後C12カ月の累積生存率はC78.8%であった.つぎに対象を緑内障病型別,白内障手術既往の有無,硝子体手術既往の有無に分類し(表2),それぞれの眼圧推移を比較した.図2に緑内障病型別の眼圧推移を示す.各病型ともに生存症例については術前に比し術後C12カ月まで有意な眼圧下降を示したが,続発開放隅角緑内障(secondaryCopenangleCglaucoma:SOAG)症例のうちC1例,術後C2カ月の時点で眼圧がC52CmmHgまで上昇してしまったため標準偏差が大きくなっている.図3に白内障手術既往別CPMS挿入術前後の眼圧推移を示す.両群ともに術前に比し術後C12カ月まで有意な眼圧下降を示した.図4に硝子体手術既往別PMS挿入術前後の眼圧推移を示す.硝子体手術既往眼は3眼と少ないが,3例ともCPMS挿入術後良好な眼圧下降が維持された.緑内障点眼スコアについては術前C4.5C±1.5点が術後C12カ月でC0.6C±1.0点と術前に比し有意に減少した(図5).なお,(mmHg)30201006789101112観察期間(カ月)図1プリザーフロマイクロシャント(PMS)挿入術前後の眼圧推移PMS挿入術施行後,術後C12カ月まで各測定点において術前に比し有意な眼圧下降を認めた.(mmHg)40眼圧3020100術前術後123456789101112観察期間(カ月)図2緑内障病型別のPMS挿入術前後の眼圧推移PMS挿入術施行後,SOAG群のC1例で術後C2カ月の時点で急激な眼圧上昇が生じた.POAG:CprimaryCopenangleCglaucoma,PEG:pseudoexfoliationCglaucoma,SOAG:secondaryCopenCangleglaucoma.当院ではCPMS挿入術後には術前に使用していた緑内障点眼をすべて中止し,ガチフロキサシン点眼C1日C4回,ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム点眼C1日C4回とし適宜減量している.術前後の角膜内皮細胞密度は,術前C2,345C±391Cmm2が術後C12カ月の時点でC2,276C±447Cmm2と有意に減少した(pC=0.03).角膜内皮細胞密度の減少率としてはC1.6%(C±6.1)であった.表3にCPMS挿入術合併症について示す.おもな術後合併症としては,1Cmm以上のニボーを伴う前房出血C9例(27.3%),眼底検査でC1象限以上確認できる脈絡膜.離C4例(12.1%),低眼圧,浅前房がそれぞれC3例(9.1%)であった.CPMSに特有な合併症として,チューブ露出がC1例(3.0%)存在した.前眼部光干渉断層計(opticalcoherencetomogra-phy:OCT)のCCASIA2(トーメーコーポレーション)で術後のCPMSの位置を確認し,PMSの位置が角膜と虹彩のなす角度の中央部より角膜寄りに存在した症例がC1例C2眼(6.1%)存在した.前眼部COCT上,PMSが虹彩に接触していた(mmHg)3020100術前術後123456789101112観察期間(カ月)図3白内障手術既往別PMS挿入術前後の眼圧推移PMS挿入術施行後,両群ともに術後C12カ月まで各測定点において術前に比し有意な眼圧下降を認めた.(mmHg)30眼圧20100術前術後123456789101112観察期間(カ月)図4硝子体手術既往別PMS挿入術前後の眼圧推移PMS挿入術施行後,両群ともに術後C12カ月まで各測定点において術前に比し有意な眼圧下降を認めた.症例がC1例(3.0%)存在した.角膜中央部の角膜内皮細胞密度が術前に比しC10%以上減少した症例がC2例(6.0%)認められた.角膜内皮細胞の撮影を角膜中央のみならずCPMSが留置されている付近(当院の場合,全例鼻上側)でも行った.その結果,先に示したCPMSが角膜寄りに留置されたC1症例(2眼)の術後C12カ月時点での角膜内皮細胞密度は,角膜中央部において,右眼C2,339Ccells/mmC2,左眼C2,444Ccells/mmC2に対して,PMS留置付近では右眼C1,589cells/mmC2,左眼C656Ccells/mm2とかなり減少していることがわかった(図6).その他,術後Cneedlingなどの濾過胞再建術を施行した症例はC6例(18.2%),濾過胞炎を生じた症例がC1例(3.0%)存在した.CIII考按当院では,緑内障手術が必要であるものの,年齢が比較的若く,流出路再建術では眼圧下降効果が不十分と判断されるような場合にCPMS挿入術を選択している.また,PMS挿入術では線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)と異なり,前房穿刺時に眼球虚脱が生じないため,硝子体手術の既往がある症例にも施行している.水晶体再建術の同時手術については,結膜切開による白内障手術がトラベクレクトミーの濾過胞の生存率に影響するという報告3)があるため,PMS挿薬剤スコア(点)76543210術前術後123456789101112観察期間(カ月)図5PMS挿入術前後の緑内障点眼スコアの推移PMS挿入術施行後,術後C12カ月まで緑内障点眼薬数は有意に減少できた.入術についても白内障手術との同時手術は行っていない.PMSの添付文書や緑内障診療ガイドラインの適応に加え,筆者らの考えるこれらの基準をもとに症例選択をしたうえでのCPMS挿入術の術後成績についてまとめた.以下,結果について考察する.眼圧については既報4)と同様に全体的に良好な眼圧下降が得られた.術後の緑内障点眼薬についても減らすことができた.緑内障点眼薬の数が増えることでアドヒアランスが低下することが指摘されている5)ため,今回の結果はCPMSを肯定する理由になると考える.対象の背景による違いは,白内障手術既往の有無については術後C1年は統計学的に有意差を認めなかった.白内障手術既往眼は,PMSを前房穿刺する際にチューブの先端が水晶体に当たるリスクはないが,白内障手術が結膜切開で行われていた場合,濾過胞の生存率に影響が出ることが懸念されたが術後C1年においては影響がなかった.硝子体手術後の症例についてもC3例と症例数は少ないものの良好な眼圧下降が得られ,硝子体手術既往眼に対してPMSが有効である可能性が示唆された.緑内障病型については,PEGに対するCPMSの効果について賛否が分かれるなか,今回の検討については良好な眼圧下降が得られたため,PEG症例については今後もとくに注意深く経過観察する必要があると考える.角膜内皮細胞密度については,健常者においてもC0.6%/年で減少することが報告されている6).一方で,トラベクレクトミー後C1年で角膜内皮細胞密度が約C5%減少し,その後も減少することが報告されている7).PMSの先端が角膜付近に留置されることから,術後に影響が生じることが懸念されたが,角膜中央部における角膜内皮細胞密度減少率は平均表3PMS挿入術合併症合併症症例数前房出血(1Cmm以上のニボーを伴うもの)9例C9眼(2C7.3%)浅前房3例C3眼(9C.1%)チューブ異常(露出,角膜接触,虹彩接触など)露出:1例C1眼(3C.0%)角膜寄り:C1例C2眼(6C.1%)虹彩接触:C1例C1眼(3C.0%)角膜内皮細胞減少(中央部の内皮細胞減少率≧10%)2例C2眼(6C.0%)一過性眼圧上昇(術後C1カ月以内C25CmmHg以上)1例C1眼(3C.0%)低眼圧(5CmmHg未満)3例C3眼(9C.1%)脈絡膜.離(眼底検査でC1象限以上)4例C4眼(1C2.1%)needlingなど施行6例C6眼(C18.2%)濾過胞炎1例C1眼(3C.0%)1.3%と既報4)よりも少なかった.当院ではCPMS挿入術後に全例前眼部COCTでCPMSの位置を確認している.本検討において角膜中央部の角膜内皮細胞密度の減少率は高くなかったものの,PMSの位置が角膜と虹彩のなす角度の中央部より角膜寄りに存在した症例については,角膜内皮細胞への影響は拭い去れない.実際にCPMS挿入術後早期に角膜内皮細胞が障害されたという報告もある8).当院で使用しているスペキュラーマイクロスコープCCellChek20-1は中心C1点に加え,周辺部C6点も角膜内皮細胞の撮影が可能であるため,PMSが留置された部分(鼻上側)の角膜内皮細胞の撮影を行術前術後C12カ月術後C12カ月術後C12カ月角膜中央部角膜PMS周辺部前眼部角膜内皮細胞密度角膜内皮細胞密度角膜内皮細胞密度OCT所見右眼C2,372Ccells/mmC2左眼C2,031Ccells/mmC2右眼C2,339Ccells/mmC2左眼C2,444Ccells/mmC2右眼C1,589Ccells/mmC2左眼C656Ccells/mmC2右眼C10CmmHg左眼C11CmmHgPMS先端が角膜内皮に近い図6落屑緑内障に対してPMS挿入術を施行した症例(64歳,男性)術後CPMSの位置が角膜と虹彩のなす角度の中央部より角膜寄りに存在した症例である.角膜中央部においては,術前後で角膜内皮細胞密度に大きな変化を認めなかったが,PMS挿入部付近で角膜内皮細胞の撮影を行うことで角膜内皮細胞の減少をより早期に確認できる.ったところ,角膜中央部では術前とほぼ変わりない状態であったが,PMS留置部付近の角膜内皮細胞は明らかに減少していた.本症例からCPMS挿入術後の角膜内皮細胞密度の経過観察の際には,角膜中央部のみならず,PMS挿入部付近も精査することの重要性が明らかになった.その他の術後合併症については,前房出血がC9例(27.3%)に認められたが,すべて術後C1週間以内に消失した.PMS後の前房出血は前房穿刺時に毛様体または強膜内の血管を損傷したことにより生じると考えるが術後成績に影響を及ぼすものではなかったといえる.脈絡膜.離がC4例(12.1%)に認められたが,そのうちC3例は自然に消失したが,1例はC4象限の脈絡膜.離と浅前房が遷延したため強膜開窓術を要した.PMS挿入術後C2カ月の時点でCPMSの後端が結膜から露出した症例がC1例に認められ,その症例については結膜被覆術を行った.術後Cneedlingなどの濾過胞再建術を施行した症例はC6例(18.2%)存在したがCneedling後に眼圧下降が得られた.PMS挿入術の場合,needlingで前房内まで到達することは不可能であるため,効果についてはあまり有効ではないと予想していたが,実際にやってみると眼圧下降が得られることが多いため,PMS挿入術後の高眼圧で濾過胞が維持されている症例については緑内障点眼薬を追加するよりも先にCneedlingを行う意義はあると考える.濾過胞炎を生じた症例は術後C1カ月までは経過良好であったが,術後C2カ月で突然眼圧がC52CmmHgまで上昇し,無血管な濾過胞の周囲は毛様充血が強く,濾過胞感染を疑うような状態であった.抗菌薬とステロイドの点眼で改善が得られたが,PMS挿入術も濾過手術である以上,濾過胞感染はつねに意識しておく必要があると考える.おわりに以上,PMS挿入術の術後早期成績について報告した.PMS挿入術はCPOAG,PEG,SOAGにも有効で,とくに無硝子体眼にも有効である可能性が示唆された.PMS挿入術後角膜内皮細胞密度の測定は角膜中央部のみならずCPMS留置付近についても精査すべきであることがわかった.本検討において,術者自身がまだ経験が浅かったことからチューブの留置位置に問題があった症例が存在したこと,症例数が少ないということ,コントロール群を作らずに検討していることなどが限界としてあげられるが,今後症例数を増やし,観察期間を延ばして,わが国におけるCPMS挿入術の有効性・安全性について検討していく予定である.利益相反:利益相反公表基準に該当なし文献1)SahebCH,CAhmedII:Micro-invasiveCglaucomasurgery:CcurrentCperspectivesCandCfutureCdirections.CCurrCOpinCOphthalmolC23:96-104,C20122)QidwaiU,JonesL,RatnarajanG:AcomparisonofiStentcombinedwithphacoemulsi.cationandendocyclophotoco-agulation(ICE2)withCtheCPreserFloCMicroShuntCandCXEN-45Cimplants.CTherCAdvCOphthalmolC14:25158414221125697,C20223)TakiharaCY,CInataniCM,COgata-IwaoCMCetal:Trabeculec-tomyCforCopen-angleCglaucomaCinCphakicCeyesCvsCinCpseu-dophakicCeyesCafterphacoemulsi.cation:aCprospectiveCclinicalcohortstudy..JAMAOphthalmolC132:69-76,C20144)YamaeT,SakataR,SuzukiHetal:Short-termoutcomesofCtheCPreserFloCMicroShuntCinCJapaneseCpatientsCwithCexfoliationglaucoma:aCcomparisonCwithCprimaryCopen-angleCglaucomaCusingCpropensit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