《原著》あたらしい眼科42(8):1058.1063,2025cプリザーフロマイクロシャント挿入術単独とEXPRESS濾過手術単独の有効性と安全性永井浩平*1新田耕治*1立花学*2*1福井県済生会病院眼科*2国立病院機構金沢医療センター眼科CSafetyandE.cacyofPreserFloMicroShuntandEX-PRESSGlaucomaDrainageDeviceStandaloneImplantationfortheTreatmentofGlaucomaKoheiNagai1),KojiNitta1),GakuTachibana2)1)DepartmentofOphthalmology,Fukui-kenSaiseikaiHospital,2)DepartmentofOphthalmology,NHOKanazawaMedeicalCenterC目的:プリザーフロマイクロシャント挿入術(以下,PM)とCEXPRESS濾過手術(以下,EX)の有効性と安全性を比較検討した.方法:福井県済生会病院通院中の眼圧コントロール不良の緑内障患者のうちCPM単独手術を施行したC17例C20眼,EX単独手術を施行したC32例C32眼を対象に眼圧,眼圧下降率,点眼スコア,合併症について検討した.結果:術後眼圧は術前と比較し両群とも観察期間すべてで有意に低下していた.両群を比較すると術後眼圧は術翌日,1週はCPM群が有意に低値,3カ月,6カ月ではCEX群で有意に低値であった.合併症のうち低眼圧は有意差がみられなかったもののCPM群で多く(4眼,20%,p=0.408),遷延例には粘弾性物質で前房形成を施行した.結論:両群ともに術後有意な眼圧下降が得られ,術後眼圧は早期ではCPMが,3カ月以降ではCEXが有意に低値であった.PM術後は低眼圧に注意する必要がある.CPurpose:Tocomparethesafetyande.cacyofPreserFloMicroShunt(PM)(Santen)andEX-PRESSGlauco-maCDrainageDevice(EX)(Alcon)standaloneCimplantationCforCtheCtreatmentCofCglaucoma.CMethods:ThisCstudyCinvolvedC20CeyesCofC17CpatientsCwhoCunderwentCPMCimplantationCandC32CeyesCofC32CpatientsCwhoCunderwentCEXCimplantation.Inalltreatedeyes,intraocularpressure(IOP),IOPreductionrates,eye-dropusagescores,andcom-plicationsCwereCevaluatedCpostCsurgery.CResults:PostCsurgery,Csigni.cantCIOPCreductionCwasCobservedCinCbothCgroupscomparedtothepreoperativelevels;i.e.,itwassigni.cantlylowerat1-dayand1-weekpostoperativeinthePMgroupandat3-and6-monthspostoperativeintheEXgroup,andeye-dropscoressigni.cantlydecreasedinbothgroups.HypotonyoccurredmorefrequentlyinthePMgroup,althoughtherewasnosigni.cantdi.erencebetweenthegroups.Anteriorchamberreformationwase.ectiveinthehypotonycases.Conclusion:Bothproce-duresshowedgoodshort-termoutcomes,yetPMrequirescarefulfollow-upduetotheriskofhypotony.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)42(8):1058.1063,C2025〕Keywords:プリザーフロマイクロシャント,エクスプレス.PreserFloMicroShunt,ExPRESS.はじめにEXPRESS濾過手術(以下,EX)とプリザーフロマイクロシャント挿入術(以下,PM)はともにデバイスを用いた濾過手術である.EXはステンレス製のチューブを強膜弁下に前房内へ挿入し,眼圧下降をはかる濾過手術の一法である.強角膜切除や虹彩切除を必要とせず,線維柱帯切除術(trabeculectomy:TLE)と比べて術後の視力の回復が早く,低眼圧に伴う有害事象の発生率が低いと報告3)されている.PMはC2022年に国内で承認された新しいデバイスを用いた濾過手術である.中腹にフィンがついたチューブを結膜下から前房内に挿入することで人工的に房水流出路を作製し眼圧を下降させる4,5).理論上は低眼圧になりにくいように設計されており6),術後の眼圧調整が不要というメリットがあ〔別刷請求先〕永井浩平:〒918-8503福井市和田中町舟橋C7-1福井県済生会病院眼科Reprintrequests:KoheiNagai,M.D.,DepartmentofOphthalmology,Fukui-kenSaiseikaiHospital.Funabashi7-1,Wadanakamachi,Fukui-shi918-8503,JAPANC1058(124)る.強膜弁を作製しないという点でCEXよりもさらに低侵襲な術式といえる.眼圧下降効果については海外の報告7)によるとCTLEと比較して劣るとされているが,濾過手術であることから流出路再建術よりも優れた眼圧下降効果が期待される.EXとCPMはともにデバイスを用いた濾過手術という点で共通はしているが,両者の術後成績や安全性について比較した報告は筆者らの知る限りない.今回,福井県済生会病院(以下,当院)で行ったCEXとCPMの眼圧下降効果と安全性について後ろ向きに比較検討を行ったため報告する.CI対象および方法2022年2月1日.2023年9月30日に当院眼科を受診した眼圧コントロール不良な緑内障患者のうち,初回緑内障手術としてCPM単独手術またはCEX単独手術を施行し,半年以上経過観察できたC49例C52眼を対象に後ろ向きに検討した.術式選択には明確な基準がなかったが,患者背景,緑内障病期,目標眼圧などを総合的に考慮したうえで決定した.評価項目は術前,術翌日,1週,1カ月,2カ月,3カ月,6カ月の眼圧および眼圧下降率,術前および術後C6カ月の点眼スコア,術後有害事象とした.有害事象については低眼圧を眼圧C5CmmHg以下,浅前房を前眼部光干渉断層計(opticalcoherencetomography:OCT)で前房深度C2.0Cmm以下と定義した.点眼スコアは緑内障治療点眼の単剤をC1点,配合剤をC2点,炭酸脱水酵素阻害薬内服をC2点とした.手術はすべて同一術者が行った.手術方法はCPMではC2%リドカイン塩酸塩水和物(キシロカイン注ポリアンプ2%)でCTenon.下麻酔後,円蓋部基底結膜切開を行い,円蓋部までCTenon.を.離した.0.04%マイトマイシンCCをC90秒間塗布し,100Cmlの灌流液で洗浄した.プリザーフロマイクロシャントを外科的輪部外側から3Cmmでダブルステップナイフを使用して強膜浅層および前房内まで穿刺し,隅角鏡で線維柱帯を貫通していることを確認した.位置不良であれば違う場所から挿入し直した.位置に問題なければプリザーフロマイクロシャント遠位端からの房水流出を確認し,円蓋部へ後退したCTenon.を前転,Tenon.を結膜の裏打ちとしてC2重にしてC10-0ナイロン糸の丸針で閉創した.最後にデキサート結膜下注射を行った.EXはCPMと同様にC2%リドカイン塩酸塩水和物(キシロカイン注ポリアンプ2%)でCTenon.下麻酔後,円蓋部基底結膜切開を行い円蓋部までCTenon.を.離した.3C×3Cmmの強膜弁を作製後,0.04%マイトマイシンCCをC90秒間塗布し,100Cmlの灌流液で洗浄した.25CGポートナイフで強膜弁下の外科的輪部から虹彩に平行にエクスプレスを前房内に穿刺し,強膜弁下に固定した.強膜弁はC10-0ナイロン丸針で房水流出量をコントロールしながら通常C5糸でウォータータイトに結紮した.その後,円蓋部へ後退したCTenon.を前転し,Tenon.を結膜の裏打ちとしてC2重にしてC10-0ナイロン丸針で閉創した.最後にデキサート結膜下注射を行った.術後は術前に使用していたすべての緑内障点眼を中止し,ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム・フラジオマイシン硫酸塩液(点眼・点鼻用リンデロンCA液),1.5%レボフロキサシン点眼液(レボフロキサシン点眼液C1.5%「日点」)をC1カ月使用した.EXでは術後眼圧や濾過胞の状態をみて術者の判断でレーザー切糸(laserCsuturelysis:LSL)を行い,眼圧をC10前後に調整した.その後の経過観察中に眼圧上昇がみられた際は目標眼圧に応じてCLSLの追加,緑内障点眼再開,自己マッサージ指導を適宜行った.濾過胞の限局化がみられた場合はニードリングではなく開創して濾過胞再建術を施行した.統計学的な処理については,2群間の連続変数の比較にはマンホイットニーCU検定を,各群の眼圧推移にはCWilcoxonの符号順位検定を使用した.眼数の比較にはCXC2検定およびFisherの正確確率検定を使用した.本研究は当院の臨床研究審査委員会の承認を得たうえで実施した.書面によるインフォームドコンセントの代わりにオプトアウト方式を用いた.CII結果対象となったC49例C52眼の内訳は,PM群がC17例C20眼,EX群がC32例32眼であった.PM群の平均年齢はC72.3C±11.0歳,男性C9例であった.EX群は平均年齢C66.8C±12.2歳,男性C16例であった.患者背景は記載のすべての項目で統計学的な有意差を認めなかった(表1).術前眼圧〔中央値(範囲,四分位数)〕はCPM群ではC17(13.36,15.19)mmHg,EX群ではC18(7.41,15.24)mmHgであり,両群に有意差を認めなかった(p=0.515).術前点眼スコアにも有意差を認めなかった(p=0.100).術翌日,1週,1カ月,2カ月,3カ月,6カ月の術後眼圧〔中央値(範囲,四分位範囲)〕および眼圧下降率〔中央値(範囲,四分位範囲)〕はCPM群で,8(3.20,6.8)mmHg,57.1(28.6.81.3,50.0.66.7)%,8(3.12,6.9)mmHg,57.1(36.8.82.4,50.0.70.8)%,11(5.5.30,9.5.13)mmHg,38.5(7.1.66.7,20.0.47.1)%,12(8.30,10.13)mmHg,27.8(.6.7.62.5,15.4.47.1)%,12(8.21,10.13)mmHg,33.3(.10.5.58.3,15.4.50.0)%,13(7.39,11.13)mmHg,18.8(.10.5.63.2,7.7.42.1)%であった.EX群ではC16(8.40,11.19)mmHg,11.1(-37.9.63.0,-14.29.38.89)%,10(4.31,7.12)mmHg,50.0(.42.9.84.0,21.4.61.1)%,10(5.27,8表1患者背景PM群(C17例20眼)EX群(C32例32眼)p値年齢C72.5±11.5歳C66.8±12.2C0.128*1男性9例(5C2.9%)16例(C50.0%)C0.845*2右眼9眼(4C5.0%)17眼(C53.1%)C0.100*2点眼スコア3(0C-7,1C-4)4(0C-5,3C-4)C0.100*3眼内レンズ眼16眼(C80.0%)17眼(C53.1%)C0.115*2CHFA30.2MDC.15.72(C.21.4.C.12.80)CdBC.19.60(C.21.92.C.9.91)CdBC0.912*3病型C0.701*2原発開放隅角緑内障13眼(C65.0%)19眼(C59.4%)落屑緑内障7眼(3C5.0%)12眼(C37.5%)ステロイド緑内障0眼(0%)1眼(3C.1%)HFA:HumphreyCFieldAnalyzer,MD:meandeviation,*1:対応のないCt検定,*2:XC2検定,*3:Mann-WhitneyのCU検定..12)mmHg,46.7(.50.0.75.6,37.5.52.0)%,10(5.24,8.14)mmHg,45.8(0.73.2,33.3.53.8)%,10(6.24,8.12)mmHg,44.4(0.73.2,29.4.54.2)%,11(6.18,8.13),40.9(-14.3.75.9,29.4.59.3)%であった(図1).いずれの術式も術後すべての時点で有意な眼圧下降がみられた(Wilcoxon符号順位検定,p<0.05).両群を比較すると術後眼圧は術翌日,1週間ではCPM群で有意に低値であったが(p<0.01,p=0.02),3カ月,6カ月ではCEX群で有意に低値であった(p=0.02,p=0.03).眼圧下降率は術翌日でCPM群が有意に高率(p>0.01),6カ月でCEX群が有意に高率であった(p=0.03).術後C6カ月の点眼スコア〔中央値(範囲,四分位範囲)〕はCPM群C0(0.2,0.0),EX群0(0.3,0.0)と両群ともに術後有意な低下が得られ(p<0.05),両群間には有意差はみられなかった(p=0.852).術後有害事象はCPM群では低眼圧C4眼(20%),浅前房C4眼(20%),脈絡膜.離C3眼(15%),前房出血C5眼(25%),チューブ位置不良C1眼(5%),チューブ閉塞C1眼(5%)であった.EX群では低眼圧C3眼(9%),浅前房C1眼(3%),脈絡膜.離C5眼(16%),前房出血C1眼(3%),Seidel陽性C6眼(19%)であった.前房出血はCEX群で有意に少なく(p=0.026),Seidel陽性はCPM群で有意に少なかった(p=0.04)(表2).術後早期に介入を要したのはCPM群では粘弾性物質(ophthalmicviscosurgicaldevice:OVD)による前房形成を行ったものがC1眼,プリザーフロ留置位置が角膜に近く術後に位置修正を行ったものがC1眼,プリザーフロに虹彩が嵌頓したためCNd:YAGレーザーによる閉塞解除を行ったものがC1眼であった.EX群ではCLSL後に低眼圧が遷延したため経結膜的強膜弁縫合を行ったものがC4眼,経結膜的強膜弁縫合後も低眼圧が遷延したため開創して強膜弁の直接縫合を行ったものがC2眼であった.PM術後,過剰濾過により低眼圧・浅前房となった症例のうちC2症例を前眼部COCTの経過(図2,3)とともに提示する.症例1:術翌日の眼圧はC5CmmHgと低く,術後C8日目に浅前房,脈絡膜.離も出現した.しかし術後C11日目,浅前房の進行はなく経過観察としたところ,術後C1カ月で眼圧は9CmmHgに安定し,前房深度,脈絡膜.離は改善した.症例2:術翌日の眼圧はC5CmmHgと低眼圧であり,術後C2日目に浅前房化した.術後C3日目に浅前房がさらに進行したため,低眼圧遷延と判断し,前房内にCOVDを注入した.OVD注入の翌日に眼圧はC21CmmHgに上昇し,浅前房と脈絡膜.離は改善した.OVD注入から約C1カ月後,眼圧はC8mmHgと安定した.CIII考察まず,今回の代表的な結果を要約し,それぞれに対して考察する.PMの術後眼圧は既報7)と同様に早期にはやや低めに推移し,1カ月程度で安定していた.EXでは強膜弁をウォータータイトに縫合しており,翌日の眼圧は高めであったが,術後C1週間程度で眼圧C10CmmHg程度に調整され,その後安定していた.両群ともに術後C6カ月の眼圧は術前と比較して有意に低下し,点眼スコアも有意な低下が得られていた.術後眼圧は両群を比較すると術後早期はCPM群が有意に低値で,3カ月以降ではCEX群が有意に低値であった.PMとCTLEを比較した研究では,術後C6カ月でCTLEが眼圧および眼圧下降率において優れていたと報告7)されており,EXとCTLEの術後成績が同等であるという既報8,9)を考慮すると,本研究で得られた結果は妥当であるといえる.眼圧下降率(%)眼圧(mmHg)a454035302520151050PM単独EX単独術前術翌日術後1週術後1カ月術後2カ月術後3カ月術後6カ月100806040200-20-40-60b術翌日術後1週術後1カ月術後2カ月術後3カ月術後6カ月図1PM単独群,EX単独群の眼圧(a)および眼圧下降率(b)の推移.表2術後有害事象PM群(2C0眼)EX群(3C2眼)p値低眼圧4眼(20%)3眼(9%)C0.408*1浅前房4眼(20%)1眼(3%)C0.066*1脈絡膜.離3眼(15%)5眼(16%)C0.100*1前房出血5眼(25%)1眼(3%)C0.026*1Seidel陽性C06眼(19%)C0.040*1チューブ位置不良1眼(5%)C0C0.385*1チューブ閉塞1眼(5%)C0C0.385*1*1:Fisherの正確確率検定.術後8日術後11日術後17日術後30日図2症例1の前眼部OCTの推移術後に浅前房化したが進行はなく,経過観察したところ前房深度は徐々に深化した.術後1日術後2日術後3日術後30日図3症例2の前眼部OCTの推移術後に浅前房が進行し,OVDによる前房形成を施行したところ,術後C30日に前房は深化した.安全性に関しては,低眼圧に注目すると本研究では有意差はみられなかったが,PM群で多い結果であった.低眼圧の発生率は,初期の報告7)ではCPMがCTLEよりも有意に低率であった(PM26.3%vsTLE48.1%)とされているが,PMとCTLEを比較したシステマティックレビューC&メタアナリシスでは有意差なしとも報告10)されており,PMが安全面において優れるかどうかについては一定の見解は得られていない.低眼圧の原因としては,プリザーフロ刺入部のフィンからの房水漏出による一時的な過剰濾過が考えられている11,12).低眼圧への対応として定まったものはないが,報告されているものとしては経過観察,アトロピン点眼,前房形成,10-0ナイロン糸のチューブ内腔留置,チューブ抜去がある11.13).当院ではCPM術後に低眼圧となった症例に対してはCOVDを用いて前房形成を行った.低眼圧への対応として,EXでは経結膜的強膜弁縫合や開創しての強膜弁の直接縫合が可能である一方でCPMでは不可能であるため,外来でも簡便に行えるCOVDの注入が有用であると考える.また,浅前房が遷延すると前房が消失してCPMが虹彩と癒着し濾過効果が失われることがあるため,過剰濾過時の管理には注意を要する.本研究デザインには以下の限界がある.まず,患者の選択バイアスである.本研究は術式選択の時点で,目標眼圧がより低い症例で眼圧調整が可能なCEXが選択される傾向にあった可能性がある.これは,EX群で術後早期に眼圧上昇が起こった場合には,LSLや自己マッサージなどの眼圧下降処置や緑内障点眼再開が積極的に行われることを意味し,術後眼圧に有意差が生じる原因となりうる.二つ目は,緑内障病型を開放隅角緑内障に限定しなかったことである.このような研究デザインとした理由としては,実臨床の中で両術式を比較したいという思いがあったこと,対象から水晶体再建同時手術を除外したことにより症例数が想定を下回ったことがあげられるが,緑内障病型によっては術後成績が異なる可能性があり,本研究結果に影響したと考えられる.最後に,ラーニングカーブの問題がある.本研究の時点ではCPMは導入初期の段階であった.このため,手術手技および術後管理に習熟しているCEXと習熟していないCPMの間で術後成績および合併症の発生率に差が生じた可能性がある.結論として,両術式とも短期的には良好な眼圧下降が得られており,両群を比較すると術後早期はCPM,3カ月以降ではEXの眼圧が有意に低値であった.安全面においては術式間での有意差はみられなかったが,PM群では術直後に過剰濾過による低眼圧となる症例が高率にみられた.低眼圧が遷延した症例に対してはCOVDを用いた前房形成が有用であった.利益相反:利益相反公表基準に該当なし文献1)QinCQ,CZhangCC,CYuCNCetal:DevelopmentCandCmaterialCcharacteristicsCofCglaucomaCsurgicalCimplants.CAdvCOph-thalmolPractResC3:171-179,C20232)FujitaA,HashimotoY,MatsuiHetal:Recenttrendsinglaucomasurgery:anationwidedatabasestudyinJapan,2011-2019.CJpnJOphthalmolC66:183-192,C20223)Beltran-AgulloCL,CTropeCGE,CJinCYCetal:ComparisonCofCvisualCrecoveryCfollowingCex-pressCversusCtrabeculecto-my:resultsCofCaCprospectiveCrandomizedCcontrolledCtrial.CJGlaucomaC24:181-186,C20154)Burgos-BlascoCB,CGarcia-FeijooCJ,CPerucho-GonzalezCLCetal:EvaluationCofCaCnovelCAbCExternoCmicroshuntCforCtheCtreatmentofglaucoma.AdvTherC39:3916-3932,C20225)SadruddinCO,CPinchukCL,CAngelesCRCetal:AbCexternoCimplantationoftheMicroShunt,apoly(styrene-block-iso-butylene-block-styrene)surgicaldeviceforthetreatmentofprimaryCopen-angleCglaucoma:aCreview.CEyeCVis(Lond)6:36,C20196)GambiniCG,CCarlaCMM,CGiannuzziCFCetal:PreserFloCRMicroShunt:anCoverviewCofCthisCminimallyCinvasiveCdeviceCforCopen-angleCglaucoma.Vision(Basel)C6:12,20227)PanarelliCJF,CMosterCMR,CGarcia-FeijooCJCetal:Ab-ExternoCMicroShuntCversusCTrabeculectomyCinCprimaryCopen-angleCglaucoma:two-yearCresultsCfromCaCrandom-ized,CmulticenterCstudy.COphthalmologyC131:266-276,C20248)輪島良太郎,新田耕治,杉山和久ほか:EX-PRESS併用と非併用濾過手術の術後成績.あたらしい眼科C32:1477-1481,C20159)Kha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