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ヘッドマウント型自動視野計における2 種のプログラムの検査 結果の比較および検査時間に関する患者報告アウトカムの調査

2021年9月30日 木曜日

《第31回日本緑内障学会原著》あたらしい眼科38(9):1090.1096,2021cヘッドマウント型自動視野計における2種のプログラムの検査結果の比較および検査時間に関する患者報告アウトカムの調査北川厚子*1堀口剛*2清水美智子*1山中麻友美*1*1北川眼科医院*2京都府立医科大学大学院医学研究科生物統計学CComparisonofTwoDistinctScanPatternsinaHead-MountedPerimeterandPatient-ReportedOutcomesAtsukoKitagawa1),GoHoriguchi2),MichikoShimizu1)andMayumiYamanaka1)1)KitagawaEyeClinic,2)DepartmentofBiostatistics,GraduateSchoolofMedicalScience,KyotoPrefecturalUniversityofMedicineC対象と方法:2019年C1月.2020年C2月にヘッドマウント型視野計アイモ(クリュートメディカルシステムズ)を用いC24Cplus(1-2)とC24Cplus(1)(ともにCAIZE-Rapidモード)の両検査が正確にできた緑内障症例C65例C86眼の平均偏差(MB),パターン標準偏差(PSD),グレースケール,パターン偏差プロット・検査時間を比較した.また,別集団のC188人に検査の「しんどさ」について聞き取り調査を行い,得られた回答を評価した.結果:MDの中央値は24Cplus(1-2),24Cplus(1)で各.3.5,.3.1,PSDはC4.3,4.4であり大きな差はなく,検査点ごとのグレースケールおよびパターン偏差プロットの重み付きカッパ係数は,0.84(95%信頼区間C0.81.0.86),0.66(0.61.0.70)と高い一致度を示した.片眼検査時間は中央値C3.3分,1.8分とC24Cplus(1)が有意に短かった.聞き取り調査では,24Cplus(1)に「しんどい」と回答した割合が低い傾向が示された.CPurpose:Toreportthecomparisonoftwodistinctscanpatternsinahead-mountedperimeterandpatient-reportedoutcomes.SubjectsandMethods:ThisstudyinvolvedtheIMOdataof86eyesof65glaucomapatientscollectedCbetweenCJanuaryC2019CandCFebruaryC2020CviaCaChead-mountedCperimeterCusingCtwoCdistinctCscanCpat-terns:(a)IMO24Cplus(1-2)and(b)IMO24Cplus(1),bothinAIZE-Rapidmode.Measurementresultswerecom-paredCwithCrespectCtoCGlobalCIndex,CgrayscaleCimage,CasCwellCasCpatternCdeviationCplotCandCscanCtime.CResults:CWithrespecttoGlobalIndex,nosigni.cantdi.erenceswerefoundbetweenthetwoIMOscanpatterns.Measure-mentsCofCtheCgrayscaleCimageCandCpatternCdeviationCplotCforCtheCtwoCIMOCscanCmodesCallCshowedCaCveryChighCdegreeCofCagreement.CMeasurementCtimeCwasCsigni.cantlyCshorterCforCthe24Cplus(1)scan.CConclusions:Nosigni.cantCdi.erencesCwithCrespectCtoCGlobalCIndexCandCgrayscaleCimageCmeasurementsCwereCfoundCbetweenCtheCIMO24Cplus(1-2)andIMO24Cplus(1)scanmodes,yetmeasurementtimewassigni.cantlyshorterfortheIMO24Cplus(1)scan.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)38(9):1090.1096,C2021〕Keywords:緑内障,視野,アイモC24Cplus(1-2),アイモC24Cplus(1),疲れ.glaucoma,visual.eld,imo24Cplus(1-2),imo24Cplus(1),fatigue.Cはじめに野の異常にも注意を払う必要があると考えられる.眼科診療において緑内障をはじめ神経内科・脳神経外科疾従来,視野検査は高い集中や緊張を強いるものであるゆえ患の診断に視野検査はきわめて重要である.また,高齢者にに,それらが困難な患者には敬遠されがちであった.しかよる自動車運転事故の一因として,視力はもちろんのこと視し,機器の開発が進み検査時間の短縮が図れるようにな〔別刷請求先〕北川厚子:〒607-8041京都市山科区四ノ宮垣ノ内町C32北川眼科医院Reprintrequests:AtsukoKitagawa,KitagawaEyeClinic,32Kakinouchi-cho,Shinomiya,Yamashina-ku,Kyoto-City607-8041,CJAPANC1090(108)り1.3),患者・検査する側双方に恩恵がもたされるようになってきている.今回,視野検査時間の短縮が可能なヘッドマウント型自動視野計アイモ(クリュートメディカルシステムズ)4,5)について,そのオリジナルプログラムであるC24plus(1-2)と24Cplus(1)の検査結果を比較した(調査1).また,別集団において,検査の「しんどさ」に関する患者報告アウトカム調査を行った(調査2).両調査の結果から緑内障診療におけるアイモの特徴や有用性を検討した.なお,この臨床研究は倫理委員会の承認(ERB-C-1782)を得ている.CI調査1の対象および方法1.対象対象は,2019年C1月.2020年C2月にC24Cplus(1-2)AIZE-RapidとC24Cplus(1)AIZE-Rapidがともに正確にできた緑内障症例で,期間内に臨床的に明らかな変動のないC65例C86眼である.年齢はC15歳以上,未成年については親の同意を得た.また,固視不良はC20%以内とし,偽陽性・偽陰性が10%以上のもの,また網脈絡膜疾患のあるものは除外した.C2.診断機器2015年にわが国において開発されたアイモ(imo)は,ヘッドマウント型で両眼同時ランダム検査ができる.Hum-phrey自動視野計(HumphreyCFieldAnalyzer:HFA)と同じ条件で視野検査を行うが,プログラムはCHFA同様の30-2,24-2,10-2以外にオリジナルプログラムとして24Cplus(1-2),24Cplus(1)を搭載している.またCAIZE(AmbientInteractiveZippyEstimationofSequentialTest-ing:ZEST)のアルゴリズムを搭載し,検査時間の短縮が図られている.さらに,AIZEに加え検査点の結果を隣接点により強く反映させ,収束条件を変更,偽陽性/偽陰性/固視監視に関しては追加の刺激を行わないことで,検査時間の短縮を図ったCAIZE-Rapidも搭載している.なお,検査はスタンド型で行った.アイモのオリジナル検査配列を図1に示す.24Cplus(1-2)では,6°間隔にC54点,2°間隔にC24点,計C78点を配し,24plus(1)では,30°内の重要な36点を配している.C3.評価24Cplus(1-2)AIZE-RapidとC24Cplus(1)AIZE-Rapidの検査結果を比較するために,以下の指標について評価を行った.①視野全体の指標(グローバルインデックス)としての平均偏差(meandeviation:MD)およびパターン標準偏差(patternstandarddeviation:PSD)6).②C36個の検査点ごとの指標としてのグレースケール,パターン偏差およびトータル偏差.パターン偏差については,偏差量の統計学的な有意性をもとにC5カテゴリ(0:p≧5%,1:p<5%,2:p<2%,3:p<1%,4:p<0.5%)に分類した変数(パターン偏差プロット)に関しても評価した.③片眼の検査時間(分).C4.統計解析24Cplus(1-2)AIZE-Rapid(以下,AIZE-Rapidを省略する)とC24Cplus(1)AIZE-Rapid(以後CAIZE-Rapidを省略する)の検査結果を比較するために,以下の解析を行った.連続変数の要約統計量としては中央値(四分位範囲)を示した.MDおよびCPSDにおけるC24Cplus(1-2)とC24Cplus(1)の結果について,差の平均値とそのC95%信頼区間,および級内相関係数とそのC95%信頼区間を推定した.また,MDおよびCPSDにおけるC24Cplus(1-2)とC24Cplus(1)の関係につい24plus(1-2)6°間隔54点2°間隔24点>合計78点24plus(1)30°内の重要な36点図1各検査プログラムの配列MD〔24plus(1-2)〕MD〔24plus(1)〕PSD〔24plus(1-2)〕(dB)-(dB)PSD〔24plus(1)〕-MD4Mean+1.96SD20Mean-2Mean-1.96SD-4-25-20-15-10-50Mean(MD〔24plus(1-2)〕,-MD〔24plus(1)〕)(dB)PSD4Mean+1.96SD20Mean-2Mean-1.96SD-42.55.07.510.012.5Mean(PSD〔24plus(1-2)〕,-PSD〔24plus(1)〕)(dB)図2MDおよびPSDのBland.AltmanPlotてCBland-AltmanCplot7)を作成した.グレースケールおよびパターン偏差プロットについて,24Cplus(1-2)とC24Cplus(1)の結果の重み付きカッパ係数を検査点(共通する全C36点)ごとに算出し,それらの重み付きカッパ係数の平均および95%信頼区間を推定した.なお,重み付きカッパ係数の重みについては,二次の重みとした8).パターン偏差およびトータル偏差について,24Cplus(1-2)とC24Cplus(1)の結果の級内相関係数を検査点(全C36点)ごとに算出し,それらの級内相関係数の平均およびC95%信頼区間を推定した.検査対象が左眼の場合は左右を反転して解析を行った.片眼の検査時間については,検査プログラムごとに中央値と四分位範囲を算出し,箱ひげ図を作成した.また,24Cplus(1-2)と24Cplus(1)の検査時間についてCWilcoxon符号付き順位検定を行った.なお,両眼同時ランダム検査の場合,検査時間は両眼の検査時間の足し合わせとなるため,片眼検査同士として比較するためにC1/2に調整した.検定の有意水準は両側0.05とした.II調査1の結果24Cplus(1-2)とC24Cplus(1)の比較に関する対象の特性は,緑内障症例C65例C86眼(右眼C45眼,左眼C41眼),年齢はC15.88歳(中央値:70.9歳),男女比C27人:38人,屈折+3.50D.C.17.00D,乱視C0.25D.4.0D,矯正視力C0.15.1.5であった.また,視野検査の精度(信頼性指標の範囲)は,24Cplus(1-2),24Cplus(1)の各検査のすべてにおいて,固視不良はC0.20%,偽陽性はC0.8%,偽陰性はC0.6%であった.2種の検査の間隔はC0カ月(同一日に検査施行).12カ月であり,中央値C6.0カ月であった.C1.グローバルインデックス24plus(1-2)とC24plus(1)のグローバルインデックス(MD,PSD)を比較した結果,MDについてC24Cplus(1-2)では中央値.3.5(C.7.1.0.1)dB,24Cplus(1)では中央値C.3.1(C.7.5.0.4)dBであり,PSDについてC24plus(1-2)では中央値C4.3(2.5.14.1)dB,24plus(1)では中央値C4.4(2.6.9.2)dBであった.差の平均については,MDでC0.30(95%信頼区間C0.04.0.56)dB,PSDでC0.03(95%信頼区間C.0.27.0.34)dBであり,どちらも大きな差はなかった.級内相関係数は,MDでC0.98(95%信頼区間C0.97.0.99),PSDでC0.93(95%信頼区間C0.90.0.95)であり,どちらも一致度は高かった.Bland-Altmanplotを作成した結果,MD,PSDともに大きな偏りはなかった(図2).C2.検査点ごとの指標グレースケールおよびパターン偏差プロットについて,24Cplus(1-2)とC24Cplus(1)の重み付きカッパ係数を算出した結果,それぞれC0.84(95%信頼区間C0.81.0.86),0.66(95%信頼区間C0.61.0.70)であった.パターン偏差およびトータル偏差について,級内相関係数を算出した結果,それぞれ0.69(95%信頼区間C0.63.0.75),0.80(95%信頼区間C0.76.0.84)であり,高い一致度を示した.さらに各検査点の一致度について,グレースケールおよびパターン偏差プロットに対しては重み付きカッパ係数(図3a,b),パターン偏差およびトータル偏差に対しては級内相関係数(図3c,d)をそれぞれヒートマップで表した.パターン偏差およびパターン偏差プロットにおいて,一致度の低い検査点がいくつかあったが,全体としては中等度から高度の一致を示した.C3.検査時間片眼の検査時間について中央値および四分位範囲を算出した結果,24Cplus(1-2)で中央値C3.3(2.9.3.8)分(検査点:78点),24plus(1)で中央値C1.8(1.6.2.1)分(検査点:36点)であり,箱ひげ図を図4に示した.また,検査プログラム間での検査時間の違いをCWilcoxon符号付き順位検定により検討した結果,24Cplus(1)の検査時間が有意に短かった(S=1870.5,p<0.001).a:グレースケール(重み付きカッパ係数)b:パターン偏差プロット(重み付きカッパ係数)c:パターン偏差(級内相関係数)d:トータル偏差(級内相関係数)図3各検査点の一致度重み付きカッパ係数および級内相関係数はC0.C1の範囲で値を取り,1に近いほど一致度が高いことを示す.なお,代表的なC3症例のC24Cplus(1-2)とC24Cplus(1)における各々グレースケール・パターン偏差・Defectcurveを図5に示す.症例C3においてはC24Cplus(1-2)の結果が中心C510°内の情報を詳細に検出している.4III調査2の対象および方法検査時間(分)31.対象患者報告アウトカム調査については,2020年C1月.20202年C6月にC24Cplus(1-2)とC24Cplus(1)の視野検査を行い,検査後に口頭で「しんどさ」について聞き取り調査を行った.なお,これは調査C1の対象とは別の集団における調査である.C2.評価患者報告アウトカムは,視野検査をしんどいと感じたか否かのC2値変数および両眼の検査時間(分)を評価した.C3.統計解析患者報告アウトカム調査において,「しんどい」と回答した人の例数とその割合,両眼の検査時間の中央値と四分位範124plus(1-2)24plus(1)n8686図4各検査プログラムの検査時間(片眼)囲を検査プログラムごとに算出した.しんどさと検査時間の関係について検査プログラムごとに帯グラフを作成した.また,しんどさ(2値)と検査プログラムの関連について,年症例1症例2症例3図5症例1,2,3の24plus(1.2)と24plus(1)におけるグレースケール,パターン偏差,およびdefectcurve齢と性別を調整したうえでロジスティック回帰分析を行った.検定の有意水準は両側C0.05とした.すべての統計解析はSASversion9.4を用いて行った.CIV調査2の結果アイモでの検査後,患者報告アウトカム調査をC188人に行った,その対象の特性は,年齢C18.88歳(中央値:71.0歳),男女比C64人:124人であった.内訳は,24Cplus(1-2)で検査を行った人がC54例,24Cplus(1)で検査を行った人が134例であった.そのうち,しんどいと回答した人は24Cplus(1-2)でC14例(25.9%),24Cplus(1)でC11例(8.2%)であった.両眼の検査時間は,24Cplus(1-2)で中央値C6.5(5.4.7.3)分,24Cplus(1)で中央値C3.5(3.0.4.2)分であった.しんどさと検査時間の関係について帯グラフを作成した結果,24Cplus(1-2)よりC24Cplus(1)のほうが検査時間が短い人が多く,それに伴いしんどいと回答した人の割合も24Cplus(1)のほうが低い傾向が示された(図6a,b).また,しんどさを応答変数,検査プログラムを説明変数,年齢および性別を共変量としたロジスティック回帰分析を行った結果,24plus(1-2)に対するC24plus(1)の調整オッズ比は0.26(95%信頼区間:0.10.0.63)であり,有意な関連が認められた(p=0.003,表1).CV考察今回,筆者らは通常の緑内障診療において同一症例にアイモのオリジナルプログラムC24Cplus(1-2)とC24Cplus(1)の検査をCAIZE-Rapidで行い,その検査結果を比較検討した.グローバルインデックス(MD,PSD)の比較においては,MDについてC24Cplus(1-2)で中央値C.3.5(C.7.1.0.1)dB,24Cplus(1)でC.3.1(C.7.5.0.4)dBであり,PSDについてはC24plus(1-2)でC4.3(2.5.14.1)dB,24plus(1)でC4.4(2.6.9.2)dBであった.差の平均についても,MDでC0.30(95%信頼区間C0.04.0.56)dB,PSDでC0.03(95%信頼区間C.0.27.0.34)dBであり,どちらも大きな差はなかった.級内相関係数はどちらも一致度が高く,Bland-Altmanplotにおいてもともに大きな偏りはなかった.検査点ごとの指標について,グレースケール・パターン偏差プロットの重み付きカッパ係数,パターン偏差,トータル偏差の級内相関係数はC24Cplus(1-2)とC24Cplus(1)の間に一致度の低い検査点がいくつかあったが,全体としては中等度から高度の一致を示した.次に図5の実際の症例においてグレースケールやCdefectcurve,パターン偏差プロットに類似性がみられるが,症例3のC24plus(1)においては中心C10°内の情報が少なく,24Cplus(1-2)では得られたCqualityCofvision(QOV)に関しての判断が困難である.片眼の検査時間は検査点数の違いから当然ではあるが,24Cplus(1)AIZE-Rapidは短く,片眼中央値C1.8分であり,24Cplus(1-2)AIZE-RapidはC3.3分であった.調査C2におけるしんどさ調査の対象C188例については,一致度などの評価はなされていないため,研究限界と考えるが,24Cplus(1)のほうが検査時間が短く,それに伴いしんどいと回答する人の割合も低かった.a:24plus(1-2)100%80%60%40%20%0%2~33~4n01b:24plus(1)5066.773.373.310084.65033.326.726.715.4100%80%60%40%20%0%2~3n33c:全体100%80%60%40%20%0%2~3n333~4633~4644~55~66~77~86131515しんどいしんどくない4~55~66~77~8281000しんどいしんどくない4~55~66~77~834231515しんどいしんどくない8~10検査時間(分)4計548~10検査時間(分)0計1348~10検査時間(分)4計188図6しんどさと検査時間の関係また,188例全例について検査後の「しんどさ」と検査時間との関係を図6cに示す.検査プログラム(24Cplus(1-2),24Cplus(1))の違いにより,検査時間はC2.3分からC8.10分と多岐にわたっているが,時間が長くなるにつれて「しんどい」と回答する割合が増加している.とくにC8分を超えるとC50%の人が「しんどい」と回答した.また片眼遮閉検査(113)表1しんどさと検査プログラムの関連変数調整オッズ比95%信頼区間p値年齢性別男性女性検査プログラム24Cplus(1-2)(R)24Cplus(1)(R)0.980.95.C1.00C0.07710.470.19.C1.17C0.10410.260.10.C0.63C0.003と両眼開放検査について,HFAも経験している症例に「どちらがよいと思うか」の質問に回答の得られたC70名においてC62名C88.6%が「両眼開放検査がよい」と答えた.緑内障診療において視野検査はきわめて重要であるが,元来姿勢の保持や緊張集中の持続を要求される検査であるため,長時間を要した場合患者の疲労が蓄積され,検査の信頼性に疑いが生じる可能性がある9).また,患者のその辛い経験が視野検査を避ける原因となり,患者・医療者の双方にストレスを生じる結果となっている.現在広く行われているCHFAによる検査は,片眼でC24-2CSITACStandard6.8分,24-2CSITACFast4.6分,24-2CSITACFaster2.3.5分(緑内障眼)を要する2).一方,アイモC24Cplus(1-2)AIZE-RapidはC3.4分,24Cplus(1)AIZE-Rapidは約C2分であり,とくにC24Cplus(1-2)はC24-2の検査点に加えてC10°内も密に検査していることから,短時間に多くの情報を得ることができる.QOVに必要なC10°内の密な検査を必要とする近視眼緑内障や中等度以上の進行例は,10-2とC24-2あるいはC30-2両プログラムを検査する必要がある.アイモC24plus(1-2)AIZE-RapidとCHFA24-2SITA-Fast,HFAC10-2CSITA-Fastの比較においてアイモ24plus(1-2)とCHFA24-2のMD値・PSD値の差の平均に大きな差はなく,級内相関係数は一致度が高く,またパターン偏差・トータル偏差の級内相関係数はC24°内・10°内とも高い一致度を示しており,一度の検査で両プログラムを検査するC24Cplus(1-2)は有用である3).また,今後若年者の近視増多が予想されており,視神経乳頭所見・OCTなどで緑内障が疑わしい場合は,早期から視野検査が必要であるが,とくに強度近視眼では初期から乳頭黄斑線維束欠損を認めることも多く,10°内を密に検査するアイモC24Cplus(1-2)は有用であろう10,11).一方,短時間での検査が望まれる人間ドック(眼ドック)・初めての視野検査,また姿勢保持の困難な例・集中や緊張の持続が困難な例・幼少児などにはC24Cplus(1)が適切である.アイモによる両眼同時検査後の患者報告アウトカム調査において,検査は理想的にはC4分以内に終了することが望ましいが,8分以内であればC70%以上の人が「しんどさ」を感あたらしい眼科Vol.38,No.9,2021C109593.990.589.31006.110.79.573.373.35093.990.685.391.3506.126.726.714.79.48.7じない結果となった.アイモはC24Cplus(1-2)においてもほとんどの例がC8分以内に終了しており,検査によるストレスはかなり軽減されている.またC88%以上の人が両眼開放による視野検査が好ましいと回答した.今回の研究により,アイモC24Cplus(1-2)AIZE-Rapidと24Cplus(1)AIZE-Rapidの検査結果に大きな差ははく,患者により検査時間を配慮しつつ適切なプログラムを選択することが可能となった.また,アイモによる視野検査は検査時間の短縮により患者に受け入れられやすくなった.さらに,24Cplus(1)AIZEとCHFA30-2SITA-Standardの比較においても緑内障病期,早期.中期の中年層においてはCMD値・PSD値・VFIの結果によい相関が得られており1),長年にわたる緑内障経過観察において臨床的な判断を行う際,MD値の変動(MDスロープ)に注目するが,HFA・アイモ各々の30-2・24C.2・24plus(1-2)・24plus(1)などのCMD値には,ある程度の互換性の可能性があり,その点からもアイモによる視野検査は緑内障診療において有用であることが示唆された.利益相反:利益相反公表基準に該当なし文献1)北川厚子,清水美智子,山中麻友美:アイモC24Cplus(1)の使用経験とCHumphrey視野計との比較.あたらしい眼科35:1117-1121,C20182)田中健司,水野恵,後藤美紗ほか:Humphrey視野計におけるCSITAStandardとCSITAFasterの比較検討.あたらしい眼科C36:937-941,C20193)北川厚子,清水美智子,山中麻友美ほか:ヘッドマウント型自動視野計と従来型自動視野計の検査結果および検査時間の比較.あたらしい眼科,印刷中4)後関利明,井上智,大久保真司ほか:最新機器レポート「ヘッドマウント型視野計アイモCR」.神経眼科C34:73-80,C20175)松本長太:新しい視野検査.日本の眼科C88:452-457,C20176)AndersonCDR,CPatellaVM:AutomatedCstaticCperimetry.C2ndedtion,p121-190,Mosby,St.Louis,19997)BlandCJM,CAltmanDG:ApplyingCtheCrightstatistics:Canalysesofmeasurementstudies.UltrasoundObstetGyne-colC22:85-93,C20038)FleissCJL,CCohenJ:TheCequivalenceCofCweightedCkappaCandCtheCintraclassCcorrelationCcoe.cientCasCmeasuresCofCreliability.CEducationalCandCPsychologicalCMeasurementC33:613-619,C19739)奥山幸子:測定結果の信頼性/測定結果に影響を及ぼす諸因子視野検査とその評価.松本長太(編)中山書店専門医のための眼科診療クオリファイC27:57-65,C201510)DeMoraesCG,HoodDC,ThenappanAetal:24-2Visu-al.eldsmisscentraldefectsshownon10-2testsinglau-comaCsuspects,CocularChypertensives,CandCearlyCglaucoma.COphthalmologyC124:1449-1456,C201711)KimuraCY,CHangaiCM,CMorookaCSCetal:RetinalCnerveC.berlayerdefectsinhighlymyopiceyeswithearlyglau-coma.InvestOphthalmolVisSciC53:6472-6478,C2012***