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視覚障害認定に用いる8 方向視野角度総和の代替指標探索 ─ 仮想Goldmann 視野I/4e イソプターに対するImageJ 形状解析

2026年8月31日 月曜日

《第14回.日本視野画像学会.原著》あたらしい眼科43(8):1013.1019,2026c視覚障害認定に用いる8方向視野角度総和の代替指標探索 ─ 仮想Goldmann視野I/4eイソプターに対するImageJ 形状解析増田敬翔生杉謙吾黒沢恭花高野玲紋間瀬陽子山下修人永嶋竜之介 加藤久美子近藤峰生三重大学医学部附属病院眼科CExploringSurrogateIndicesforthe8-DirectionVisualFieldAngleSumUsedinVisualImpairmentCerti.cation:ImageJShapeAnalysisofVirtualGoldmannI/4eIsoptersKeitoMasuda,KengoIkesugi,KyokaKurosawa,RemonTakano,YokoMase,ShutoYamashita,RyunosukeNagashima,KumikoKato,MineoKondoCDepartmentofOphthalmology,MieUniversityHospitalC目的:視覚障害認定で用いられるC8方向視野角度総和(CΣθ)の代替指標となりうるCImageJ形状指標を探索し,さらにC8方向視野角度の標準偏差(SDCθ)との関連も検討した.対象と方法:大規模言語モデルCChatGPT-4oでCGoldma-nn視野CI/4eイソプターを模した仮想視野C120例を作製した.8方向の視野角度からCΣθおよび標準偏差CSDCθを算出した.ImageJでCarea,perimeter,major/minoraxis,angle,circularity,aspectratio,roundness,solidityのC9指標を測定し,Σθ・SDCθと各指標のCPearson相関係数を求めた.結果:ΣθはCperimeter(r=0.985)をはじめ,area(r=0.974),majoraxis(r=0.964),minoraxis(r=0.980)ときわめて強い相関を示した.SDCθはCmajoraxis(r=0.883)との相関が最大で,aspectratioやCroundnessとも有意に関連した.結論:PerimeterはCΣθの有力な代替指標となりうる.ImageJによる形状解析は従来の角度法と整合しつつ,視野の広さと非対称性の定量化に有用である可能性がある.本研究は仮想視野を用いた方法論的検討であるため,今後は実臨床の視野データで妥当性検証が必要である.CPurpose:ThisstudyaimedtoexploreImageJ-derivedshapedescriptorsthatmightserveassurrogateindi-cesforthesumofeight-directionvisual.eldangles(CΣθ)usedinvisualimpairmentcerti.cationandexaminetheirassociationsCwithCtheCstandardCdeviationCofCtheeight-directionCangles(SDCθ).Subjects and Methods:UsingCtheClargelanguagemodelChatGPT-4o,wegenerated120virtualGoldmannvisual.eldI/4eisopters.Then,wecalcu-latedΣθandSDCθfromtheeight-directionvisual.eldangles.UsingImageJ,wemeasurednineshapedescriptors(area,Cperimeter,CmajorCaxis,CminorCaxis,Cangle,Ccircularity,CaspectCratio,Croundness,Candsolidity)C,CandCcomputedCPearson’sCcorrelationCcoe.cientsCbetweenCΣθ/SDCθandCeachCdescriptor.CResults:ΣθdemonstratedCveryCstrongCcorrelationswiththeperimeter(r=0.985)C,area(r=0.974)C,majoraxis(r=0.964)C,andminoraxis(r=0.980)C.CSDCθmoststronglycorrelatedwiththemajoraxis(r=0.883)andwassigni.cantlyassociatedwiththeaspectratioandroundness.Conclusions:PerimetermayserveasausefulsurrogateindexforΣθ.ImageJ-basedshapeanalysisiscompatibleCwithCtheCconventionalCangle-basedCmethodCandCmayChelpCinCquantifyingCtheCextentCandCasymmetryCofCvisual.elds.Asthismethodologicalstudyusedvirtualvisual.elds,validationusingclinicalvisual.elddataiswar-ranted.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)C43(8):1013.1019,C2026〕Key words:Goldmann視野検査,イソプター,視野角度.ImageJ,ChatGPT.Goldmannperimetry,isopter,vi-sual.eldangle,ImageJ,ChatGPTC〔別刷請求先〕生杉謙吾:〒C514-8507三重県津市江戸橋C2-174三重大学医学部附属病院眼科Reprintrequests:KengoIkesugi,M.D.,DepartmentofOphthalmology,MieUniversityHospital.2-174Edobashi,Tsu-city,Mie514-8507,JAPANCはじめに視野検査は眼科診療において不可欠であり,緑内障をはじめとする多くの疾患の診断や経過観察に広く用いられている1,2).視野測定法には,固定検査点の閾値を評価する静的視野検査と,等輝度・等サイズの指標を移動させて境界を描出する動的視野検査がある.動的視野計の代表であるCGold-mann視野計は,1945年にCHansGoldmannにより開発され3),静的自動視野計の普及後も周辺視野の把握や小児・低視力例などで重要な役割を担っている2).日本の視覚障害認定では,Goldmann視野検査(Goldmannperimetry:GP)によるCI/4視標の周辺視野角度およびCI/2視標の中心視野角度の二つを用いたC8方向の角度測定と,その合計に基づく評価が基準として定められている.しかし,この角度法は紙面上でC8方向を定規で測定・集計する作業を要し,臨床現場で診断書を作成する医師・視能訓練士にとって時間的負担が大きい.加えて,境界の読み取りや測定手順の違いにより測定者間差が生じうる.したがって,角度法と整合性を保ちつつ,デジタル画像解析により簡便かつ客観的に算出できる代替指標があれば,実務の効率化と標準化に資する可能性がある.GPの定量化については,プラニメータを用いた面積測定を含めさまざまな手法が報告されてきたが,近年ではソフトウェアを利用したデジタル測定が普及しつつある.Zahidらは,AdobePhotoshopを用いたデジタル定量法が従来のデジタルプラニメトリーよりも再現性と効率に優れることを報告し4),また,視野体積を算出し疾患進行の指標として利用する試みなども行われている5,6).一方で,視覚障害認定で用いられるC8方向視野角度の総和(CΣθ)や角度分布のばらつき(SDCθ)と,汎用画像解析ソフトウェアCImageJにより得られる形状指標との関係を系統的に比較検討した結果は現在まで報告されていない.ImageJでは周囲長や形状指標を標準機能として測定できるため,条件を固定すれば手順の再現性を担保しやすい.近年では,ImageJのマクロ言語などを用いて視野角度を半自動的に算出するソフトウェアや独自の定量プログラムも報告されている7,8).実患者のCGPデータを用いて疾患・重症度・欠損形状の多様性を短期間で網羅しながら指標間の関係を広く検証することは,倫理的手続きやデータ整備の制約から必ずしも容易ではない.そこで本研究では,insilico(仮想データを用いた計算機上の検討)として,生成CAIにより仮想CGoldmann視野のCI/4eイソプター・データセットを構築し,視野角度(Σθ,SDCθ)とCImageJで算出される形状指標との幾何学的対応関係を明確化することを目的とした基礎的検討を行った.insilicoの枠組みは,倫理的・実務的制約が大きい状況であってもモデル化とシミュレーションにより検討を進め得る方法論として位置づけられており,指標探索の前段階として有用である9).本研究は,従来用いられてきた視野角度指標とCImageJから得られる形状指標を比較解析するための方法論的検討として位置づけられる.CI対象と方法OpenAI社の大規模言語モデルCChatGPT-4oを用い,Goldmann視野イソプターCI/4eを模した視野図を生成した.方位角はC0.360°をC15°間隔で等分割し,各方向について0.60°の範囲で視野角度を数値として出力,ランダム生成としつつ,正常視野,求心性視野狭窄,垂直半盲,水平半盲など多様な視野パターンが含まれるよう設定し,120例のイソプター画像を描画した.プロンプト指示は,「Goldmann視野のCI/4eイソプターを模した仮想視野をC120例作成.各症例について視野輪郭を極座標の半径(視野角度)で表し,0°からC360°までC15°刻み(計C24方向)の半径を数値で出力.【座標系】0°=右,90°=上,180°=左,270°=下(反時計回り).【半径の範囲】各方向の半径は0.60°.【含めるパターン】120例の内訳はつぎのC4群(各C30例)がすべて含まれる:A.ほぼ対称で広い(正常に近い)B.求心性狭窄C.垂直半盲様D.水平半盲様」とした.ただし,生成CAIは確率的出力を含むため同一指示でも出力が変動しうる.つぎに,24方向の角度テーブルから極座標プロットを作成し,I/4eイソプター輪郭を単一色で描画した.画像は背景を白とし,解析用にPNG形式で保存した.視覚障害認定の枠組みに準じ,各イソプターについてC8方向(0°,45°,90°,135°,180°,225°,270°,315°)の視野角度を用いた指標を算出した.8方向視野角度の総和を合計視野角度(Σθ)とし,さらに8方向視野角度の標準偏差(SDCθ)を算出して,視野角度の分布のばらつきを表す指標とした.ImageJソフトウェア(VersionC1.54p,CNationalCInstitutesCofHealth)を用いて,視野輪郭の形状指標を測定した.画像をCImageJに読み込み,8-bitへ変換後,輪郭内部が前景となるよう閾値処理により二値化,必要に応じて領域内部の欠損を補正した.二値化後の前景領域から関心領域(regionofinterest:ROI)を作成し,ROIManagerに登録した.ROIを対象としてCanalyze→setmeasurementsにて測定項目を設定し,表1に示すC9指標(area,perimeter,majoraxis,Cminoraxis,angle,circularity,aspectratio,roundness,solidity)を同一条件で出力した.得られた測定値は症例ごとに保存し,統計解析に用いた.視野形状の多様性を可視化するため,全C120例におけるCΣθおよびCSDCθの中央値をそれぞれ算出し(CΣθ中央値=150.94°,SDCθ中央値=5.62°),これらをカットオフとして以下のC4群へ分類した.Type1(広く対称):Σθが中央値以上かつCSDCθが中央値未満,Type2(求心性):Σθが中央値未満かつCSDCθが中央値未満,Type3(非対称):Σθが中央値以上かつCSDCθが中央値以上,Type4(狭小・不整):Σθが中央値未満かつCSDCθが中央値以上.統計解析にはCIBMCSPSSCStatisticsCversion30.0.0(日本IBM)を用いた.CΣθと各形状指標との関係について,Pear-sonの相関係数(r)を算出した.同様にCSDCθと各形状指標との関係についてもCPearsonの相関係数で評価し,有意水準は両側5%とした.本研究は,大規模言語モデルにより生成した仮想CGoldma-nn視野画像を解析対象としたCinsilico研究であり,実在の患者情報を使用していない.Insilico研究とは,コンピュータ上で仮想データなどを用いて行う計算機シミュレーション解析研究をさす.本研究では視野形状の幾何学的関係を仮想環境下で検討したものであるため,人を対象とする医学研究には該当せず,所属施設の倫理審査委員会による審査は不要と判断した.CII結果Σθは広範に分布し,正常視野に相当する広さから高度求心性狭窄,垂直半盲,水平半盲など多様な形状が含まれていた(図1).Σθの平均はC149.2C±62.4°,SDCθの平均はC8.77C±6.56°であった.前述のとおりCΣθの中央値はC150.94°,SDCθの中央値はC5.62°であり,これら中央値をカットオフとした4群分類では,Type1(広く対称)8例,Type2(求心性)52例,Type3(非対称)52例,Type4(狭小・不整)8例であった.CΣθとC9指標の相関係数rおよび有意確率Cpはそれぞれ,perimeter:0.985,minoraxis:0.980,area:0.974,majoraxis:0.964(いずれもp<0.001),angle:0.315(p=0.001),Caspectratio:0.216(p=0.018),roundness:C.0.265(p=0.003),circularity:C.0.137(p=0.135),solidity:C.0.149(p=0.104)となった(図2).面積および楕円近似に基づく長軸・短軸,とくに周囲長がCΣθと非常に強い相関を示した.一方で,形状の円形度を表す指標であるCcircularityとCsolidi-tyは有意な相関を示さず,aspectratioおよびCroundnessは弱い相関にとどまった.4群分類(Type1.4)で表示した散布図において,ΣθとCperimeter/area/major/minoraxisの強い正の関連は,特定の群に偏って生じるものではなく各群にまたがって同方向の傾向として観察された(図2).なお,4群分類は視野形状の多様性を可視化する目的で導入したものであり,群間差の統計的比較は本研究の目的としていない.CSDCθと各指標の相関係数Crおよび有意確率Cpはそれぞれ,majoraxis:0.883,area:0.850,perimeter:0.844,minoraxis:0.812,angle:0.427,aspectratio:0.404,round-ness:C.0.429(いずれもp<0.001),circularity:C.0.016(p=0.861),solidity:C.0.095(p=0.303)となった(図3).表1ImageJで算出した9形状指標の定義と意味①area(面積,mm2)視野の広さ.大きいほど見える範囲が広い②perimeter(周囲長,mm)視野のまわりの線の長さ.ギザギザが多いほど長いC③majoraxis(長軸,mm)フィット楕円の長軸長C④minoraxis(短軸,mm)フィット楕円の短軸長⑤angle(角度,°)フィット楕円の長軸がCx軸に対してなす角度C⑥circularity(円形度)視野がどれくらい円に近いか.C1に近いほど丸い,=C4Cπ×area÷perimeter2C⑦aspectratio(アスペクト比)長軸C÷短軸,形の細長さ.数値が大きいほど細長く小さいほど丸いC⑧roundness(丸み)視野の形の丸み.1に近いほど円に近い=4×area÷(Cπ×majoraxis2)C⑨solidity(凹凸率)凸包充填率,凹みの少なさ.1に近いほど凸C=area÷その視野を囲む最小の凸包面積本研究でイソプターの定量に用いたC9形状指標について,定義と単位,およびそれぞれが表す視野形状の特徴を示す.CSDCθが大きいほどCmajor/minoraxisやCarea,perimeterは増大する傾向を示した.また,SDCθは細長い形状を表す指標であるCaspectratioおよび円形を表す指標であるCround-nessとCr=0.4程度の中等度の有意な相関を認めた.4群表示(図3)では,SDCθが中央値以上の群(Type3/Type4)において,majoraxisが相対的に大きく,roundnessが低い点が多く分布する傾向が観察され,SDCθが形状の異方性と関連することが視覚的に示唆された.CIII考按本研究では,視覚障害認定に用いられる視野角度と,ImageJにより得られる形状指標との関係を,人工知能(Arti.cialIntelligence:AI)のC1種である大規模言語モデルで生成した仮想CGP視野図を用いて検討した.その結果,多数の指標のなかで,perimeterがCΣθともっとも強い相関を示しarea,majoraxis,minoraxisも非常に強い相関を認めた.一方で,SDCθはCmajoraxisともっとも強く相関し,視野形状の非対称性と関連する形状指標(aspectratio,round-nessなど)とも有意に関連した.従来,GPの定量化はイソプターで囲まれた面積を中心に議論されることが多かった10,11)が,日本の視覚障害認定基準では,I/4eおよびCI/2eについてC8方向それぞれの視野角度を計測し,その総和によって定量が行われている.これは,イソプター面積を厳密に求めようとすると,曲線を追ってプラニメータを使う必要があり,診療実務上の負担が大きいた90°102030405060180°0°180°270°90°102030405060180°0°180°270°90°1020304050600°180°270°90°1020304050600°180°270°90°1020304050600°270°90°1020304050600°270°図1AIで生成した仮想視野の代表例大規模言語モデルChatGPT-4oにより生成したCI/4eイソプター(C―.―)仮想視野図の代表例を示す.極座標上にC0.60°の視野角スケールをとり,異なる視野パターンを描出した.め,紙カルテ上のCGPチャートと定規で完結することのできる視野角度が定量法として設計されたと推測される.GPチャート上でイソプター形状がおおむね円形.楕円形であると仮定すると,8方向視野角度の平均半径Cr_Cmean=Σθ/8を用いて,面積CAはCAC.π(Σθ/8)C2=(π/64)(Σθ)2と近似され,理論的にはCAはCΣθの二次関数となる.一方で,本研究で扱ったCΣθの範囲においては,CΣθとAの間に高い直線的関係(r=0.974)を認めた(図2).とくに視野が狭い例では,CΣθがイソプター面積の単調変換量として視野の大きさをよく反映する代理指標であると考えられた.さらに本研究でCΣθは,areaのみならずCperimeter,majoraxis,minoraxisと高相関(r=0.964.0.985)であり,想定した範囲の視野形状においてCΣθは視野の大きさをよく表現していると考えられた.飯田らはCImageJオリジナルマクロを用いて視野角度測定および解析を半自動化し,作業時間のC60%短縮と高い再現性を報告している7).このようなマクロを用いた視野角度の(半)自動化は,視野定量の効率化に大きく寄与する優れた手法であるが,一方で,ImageJには従来,面積や周囲長といった形状指標が標準搭載されており,専用マクロを構築することなく,これら既存指標を定量指標として活用する選択肢も考えられる.本研究でCΣθがCImageJで算出した面積や周囲長ときわめて高い相関を示したことは,視覚障害認定基準で採用されている視野角度法が,これら汎用的な形状指標と同程度の情報を有する,信頼性の高い視野定量指標であることを示唆している.従来の視野角度による定量が,求心性狭窄など典型症例の重症度評価にはおおむね妥当であったことを裏づける一方で,今回はCImageJによる形状指標を併用することで,従来基準との互換性を保ちつつ,より直接的かつ情報量の多い定量評価へ移行し得る可能性が示された.実務上は現在もC8方向の情報を用いる点に変わりはないが,たとえば指標の一つperimeterはイソプター全周の情報をC1回の計測で反映し得る利点がある.ZahidらがCPhotoshopによる面積測定が従来のプラニメトリーより効率的であることを示したように4),将来的に視野画像C1枚を取り込むだけで周囲長や面積を自動算出する簡便なアプリケーションが普及すれば,「8回の視野角度測定」から「周囲長C1つの指標」への単純化が可能となり,CΣθをCperimeterに置き換えても本質的な情報損失はほとんどなく,計測負担の軽減につながると考えられる.また,視野輪郭の不規則性に着目すると,本研究でCSDCθは,majoraxisともっとも高い相関を示した.これは視野形状の方向性の偏りを数値として表現していると考えられる.この異方性についての定量評価を,視野の方向(上下,左右など)の情報とあわせて評価することで,ロービジョン者の読書や歩行安全性など日常生活機能を評価する新たな定area050100150200250majoraxisperimeter40030010001008060200050100150200250Σθ(°)Σθ(°)Σθ(°)Type4(狭小・不整)図2視野角度総和(Σθ)と9形状指標の相関ΣθとC9形状指標との関係を示す.横軸にCΣθ(°)を,縦軸に各形状指標(area:mm2,perimeter:mm,major/minoraxis:mm,angle:°,circularity・aspectratio・roundness・solidity:無単位)をとり,散布図と回帰直線,Pearsonの相関係数rおよびp値を併記した.非有意の指標には回帰直線を表示していない.点はCΣθおよびCSDCθの中央値に基づく幾何学的C4群分類(Type1.4)で色・点形状を変えて表示した.量指標となる可能性がある.ただし,本研究ではCΣθとCSDCθる.そのような場合に,circularityやCsolidityは評価に有効の間にも一定の相関が存在する可能性はあり,SDCθの情報な指標となる可能性がある.本研究のデータセットでは十分量をCΣθから独立して評価するためには,今後部分相関などに特徴づけられなかったが,臨床データに適用した際に特異を用いたさらなる検討が必要と考えられる.的なパターンを捉えうるかどうか,今後検討が必要であると本研究では,circularityやCsolidityはCΣθおよびCSDCθと考えている.の相関が乏しく,視野の大きさや単純な非対称性とは独立し本研究は,大規模言語モデルCChatGPTを利用してCGPのた輪郭の凹凸やくびれといった不規則性を反映している可能仮想データセットをランダムに作成し,insilicoで定量指標性がある.たとえば,1/4盲など局所的な凹型の視野欠損のの検討を行った点が特徴的である.仮想視野データセットを例では,perimeterによる評価では同程度の値であっても,用いることで,倫理審査やインフォームド・コンセントの手CΣθや実際の視機能と相関が得られにくいケースが想定され続きが不要であるだけでなく,多様な視野形状を短期間に網areamajoraxisperimeter40030000.02.55.07.510.012.515.017.520.01008060200.800は指示文(プロンプト)を入れても困難であったため,解析は行っていない.今後は患者の実データと組み合わせ,疾患特異的な形状指標の特徴を評価することでより理解が深まると考えられる.CIV結論本研究では,視覚障害認定で用いられるC8方向視野角度総和(Σθ)とCImageJ形状指標の対応関係をCinsilicoで検討した.その結果,perimeterはCΣθともっとも強い相関を示し,CΣθの有力な代替指標となりうることが示唆された.加えて,CSDCθはCmajoraxisなどと関連し,視野の広さに加えて非対称性の定量化にも寄与しうる.これらの臨床的妥当性および実務適用可能性は,つぎの段階として実患者CGPデータで検証する必要がある.謝辞:本研究を実施するにあたり,ご協力いただいた三重大学病院視能訓練士および眼科医師の皆様に深謝申し上げる.利益相反:利益相反公表基準に該当なし文献1)JohnsonCA,WallM,ThompsonHS:Ahistoryofperime-tryCandCvisualC.eldCtesting.COptomCVisCSciC88:E8-E15,C20112)SampleCPA,CDannheimCF,CArtesCPHCetal:ImagingCandCperimetryCsocietyCstandardsCandCguidelines.COptomCVisCSciC88:4-7,C20113)GoldmannH:FundamentalsCofCexactCperimetry.C1945.COptomVisSciC76:599-604,C19994)ZahidCS,CPeelerCC,CKhanCNCetal:DigitalCquanti.cationCofCGoldmannCvisual.elds(GVFs)asCaCmeansCforCgenotype-phenotypeCcomparisonsCandCdetectionCofCprogressionCinCretinalCdegenerations.CAdvCExpCMedCBiolC801:131-137,C20145)DeLucaAP,WhitmoreSS,TatroNJetal:UsingGoldma-nnvisual.eldvolumetotrackdiseaseprogressionincho-roideremia.OphthalmolSciC3:100397,C20236)ChristoforidisJB:VolumeCofCvisualC.eldCassessedCwithCkineticCperimetryCandCitsCapplicationCtoCstaticCperimetry.CClinOphthalmolC5:535-541,C20117)飯田悠人,秋元正行:ソフトウェアを用いた視覚障害認定用ゴールドマン視野結果の半自動解析.臨眼C74:637-640,C20208)TachibanaM,KannoJ,HashimotoMetal:Quanti.cationofCGoldmannCvisualC.eldsCduringCresolutionCofCtraumaticCopticCneuropathy.CCaseCRepCOphthalmolCMedC2024:C5560696,C20249)PappalardoF,RussoG,TshinanuFMetal:Insilicoclini-caltrials:conceptsCandCearlyCadoptions.CBriefCBioinformC20:1699-1708,C201910)NieselCP,CFlammerJ:CorrelationsCbetweenCintraocularCpressure,visual.eldandvisualacuity,basedon11yearsofobservationsoftreatedchronicglaucomas.IntOphthal-molC3:31-35,C198011)HartCWM,CYablonskiCM,CKassCMACetal:QuantitativeCvisualC.eldCandCopticCdiscCcorrelatesCearlyCinCglaucoma.CArchOphthalmolC96:2209-2211,C1978***

視神経炎の治療経過におけるGoldmann 視野の イソプター面積の変化

2025年12月31日 水曜日

《原著》あたらしい眼科42(12):1584.1589,2025c視神経炎の治療経過におけるGoldmann視野のイソプター面積の変化大原朱桜橘緑菅野順二井川佑郎西山友理石川弘篠田啓埼玉医科大学医学部眼科学教室CChangeintheIsopterAreaofGoldmannPerimetryintheCourseofTreatmentofOpticNeuritisAyaoOhara,MidoriTachibana,JunjiKanno,YuroIgawa,YuriNishiyama,HiroshiIshikawaandKeiShinodaCDepartmentofOphthalmology,SaitamaMedicalUniversityFacultyofMedicineC目的:視神経炎の治療経過におけるCGoldmann視野(GP)検査の結果の定量的評価を試みた.方法:2023年C4.12月の間に埼玉医科大学病院で視神経炎に対しステロイドパルス療法(SP)が行われ,初診時(T1),初回CSP直後(T2),最終経過観察時(T3)に視力とCGP検査が実施できたC10例C12眼(男性C2例,女性C8例,7.81歳)を対象とした.ImageJを使用しCGPのCI/2eおよびCI/3eの関心領域の平方度(deg2)を測定した.結果:T1,T2,T3のClogMAR視力はC1.33,0.34,0.15,視野面積(deg2)は,I/3eはC934.4,3,306.4,4,747.7,I/2eはC135.6,862.6,1,978.8で,いずれもCT1からCT2,T1からCT3で有意に改善していた.結論:視神経炎の治療経過において,GP検査で測定した面積の定量化により視力とは異なった視機能評価が可能であった.CPurpose:ToperformaquantitativeassessmentonGoldmannperimetry(GP)duringthetreatmentforopticneuritis(ON).SubjectsandMethods:Thisstudyinvolved12eyesof10patients(2males,8females;agerange:7.81years)whounderwentsteroidpulse(SP)therapyforONandGPexaminationsatthe.rstvisit(T1),imme-diatelyCafterCtheC.rstSP(T2),CandCatCtheC.nalfollow-up(T3)atCSaitamaCMedicalCUniversityCHospitalCbetweenCAprilandDecember2023.ImageJsoftwarewasusedtomeasurethearea(deg2)ofI/2eandI/3eisopterareainGP.Results:LogMARvisualacuity(VA),I/3earea(deg2),andI/2eareaatT1,T2,andT3was1.33,0.34,and0.15,and934.4,3306.4,and4747.7,and135.6,862.6,and1978.8,respectively.Allsigni.cantlyimprovedfromT1toT2andfromT1toT3.Conclusion:Quanti.cationofGPareaenabledevaluationonthedi.erentaspectofvisu-alfunctionfromVAduringONtreatment.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)42(12):1584.1589,C2025〕Keywords:Goldmann視野検査,Humphrey視野計,視神経炎,視野,ImageJ.Goldmannperimeter,Hum-phreyperimeter,opticneuritis,visual.eld,ImageJ.CI緒言視神経炎は中心暗点を呈することが多く,埼玉医科大学病院(以下,当院)では治療初期から経過観察時にわたり,Goldmann視野計(Goldmannperimeter:GP)を用いて視野の評価を行っている.静的視野測定は,視標の位置を固定し輝度を変化させ,各測定部位における感度を定量的に評価しているが,GP検査は視標の輝度を固定し,等感度曲線(以下,イソプター)を描く手法であり,一般的に定量的評価は行われていない.したがって,治療効果の判定においては視力値が有用であるが,GP検査の結果はおもに定性的な評価に用いられる.そこで,本研究においてはCGP検査のイソプターを視標輝度ごとに面積値とし定量的に評価することを試み,その結果を視力値と比較することで視機能評価としての有用性を検討した.〔別刷請求先〕大原朱桜:〒350-0495埼玉県入間郡毛呂山町毛呂本郷C38埼玉医科大学医学部眼科学教室Reprintrequests:AyaoOhara,DepartmentofOphthalmology,SaitamaMedicalUniversity,FacultyofMedicine,38Moro-Hongo,Moroyama-machi,Iruma-gun,Saitama350-0495,JAPANC1584(106)II対象および方法対象はC2023年C4月.同年C12月の間に当院で視神経炎に対しステロイドパルス(steroidpulse:SP)療法が行われ,初診時(以下,T1),1回目CSP直後(以下,T2),最終経過観察時(以下,T3)のC3時点で視力検査とCGP検査が施行されていたC11例C13眼とした.視野障害のパターンは中心暗点型がC10例C12眼,1例C1眼はCMariotte盲点の拡大であった.このうち中心暗点型のC10例C12眼(男性C2例,女性C8例,年齢はC7.81歳)に対して解析を行った.視力とCGPの検査結果は診療録より抽出した.抗ミエリンオリゴデンドロサイト(myelinColigodendro-cyteCglycoprotein:MOG)抗体陽性C2例C3眼,抗アポクリンC4(aquaporin-4:AQP4)陽性1例1眼,特発性6例7眼,多発性硬化症C1例C1眼であった.全症例で,中心暗点を呈していた.視野の定量は,米国国立衛生研究所(NationalCInstitutesCofHealth:NIH)から無料配信されている画像処理ソフトウェアCImageJを使用した.まず,ImageJを起動し,測定したCGPの検査結果の二次元画像を読み込んだ.その後,ポリゴンセレクションツールを使用して,I/3eとCI/2eおよび関連する暗点をトレースし,イソプターの関心領域(regionofinterest:ROI)を作成した.最後にCSetScale機能を使い,スケールをピクセルから角度に補正して暗点を除いた各イソプターの平方度を定量した.検討項目はCT1からCT2,T2からCT3の各時点における視力の推移と,ImageJを用いて定量したCI/3eとCI/2eのCT1からCT2,T2からCT3の各時点における面積の推移,視力と視野面積の関連性について検討した.統計学的分析は統計解析ソフトウェアCJMPにてC2群間の解析にはCWilcoxonCsigned-ranktest,3群間の解析にはCKruskal-WallistestおよびpostChoctestとしてDunn検定,相関の解析にはSpearman’srankcorrelationcoe.cientを行った.本研究は後方視的な研究であり,当院倫理委員会の承認を受けて実施した(承認番号:病C2024-011).ヘルシンキ宣言を遵守し,個人が特定されることがないよう注意した.CIII結果視力はClogMARで統計処理後に小数視力に換算した.指数弁はC2.10logMAR,手動弁はC2.40logMAR,光覚弁は3.00ClogMARとした1).各時点での視力は,T1:1.43ClogMAR,T2:0.37ClogMAR,T3:0.17logMARで(p<0.0001,Kruskal-Wallistest),T1からCT2(p=0.0076,Dunn検定以下同様),は有意に改善しており,T2からCT3(p=0.2063)では有意差はみられず,T1からCT3(p<0.0001)において有意に改善していた(図1).視力の変化量については,T1からCT2の視力の変化量は.1.06logMAR,T2からCT3の視力の変化量はC.0.21ClogMARであり,T1からCT2の改善度よりCT2からCT3までの改善度が有意に小さかった(p=0.006,Wilcoxonsigned-ranktest).ImageJを用いて定量した各イソプターの面積はCI/3eはT1:725.8CdegC2,T2:3247.6Cdeg2,T3:4,701.5CdegC2で(p=0.0003,Kruskal-Wallistest),T1からCT2(p=0.0096,Dunn検定以下同様)は有意に改善しており,T2からCT3では有意差はみられず(p=0.3579),T1からCT3は有意に改善していた(p=0.0001,図2).I/2eはCT1:125.1CdegC2,T2:815.1CdegC2,T3:1,964.2CdegC2で(p=0.0003,Kruskal-Wallistest),T1からCT2(p=0.0305,Dunn検定以下同様)では有意差はみられず,T2からCT3でも有意差はみられなかった(p=0.1262).T1からCT3(p=0.0001)は有意に改善していた(図2).視野面積の変化量は,I/3eはCT1からCT2はC2,522CdegC2,T2からCT3はC1,454CdegC2であり,T1からT2までの改善度よりもCT2からCT3までの改善度のほうが有意に悪い結果となった(p=0.0304,WilcoxonCsigned-ranktest).I/2eは,T1からCT2はC690CdegC2,T2からCT3はC1,149CdegC2であり,有意差はみられなかった(p=0.2252,Wilcoxonsigned-ranktest).T1およびCT2それぞれの視野面積とCT3時点での視力の関係を図3に示す.横軸を小数視力,縦軸を視野面積とし,視力およびCI/3e,I/2e面積を降順にプロットした.T2時点での視野面積とCT3の視力の関係では,視力C1.2の群である左からC9眼をみると,全例でCI/3eがC3,000CdegC2を超える結果となった.3,000CdegC2より下の右側のC4眼はC0.8,0.6,0.2,0.02であり,最終視力が不良群となった.本研究では,I/3eの面積において,3,000CdegC2のラインで視力予後が分かれる結果となったが,I/2eの視野面積については視力予後を予測できる境界線は定まらなかった(図3).また,T1時点での視野面積とCT3時点での視力の関係では,視力予後を予測できる境界線は定まらなかった.代表症例として,図4にCI/3eが約C3,000CdegC2の症例を示す.この視野における実際の定量結果はC3,155CdegC2であった.図5にCI/3e,I/2eのそれぞれで,T1の視野面積とCT3の視力の関係,T2の視野面積とCT3の視力の関係についてSpearman’srankcorrelationcoe.cientを求めたグラフを示す.T1の視野面積とT3の視力の関係では,I/3eとCI/2eの双方とも最終視力と視野面積に有意な相関は認められなかった.T2の視野面積とCT3の視力の関係では,I/3eとCI/2eの双方とも最終視力と視野面積に有意な相関を認め,1回目SP終了時の視野面積が大きいほどCT3時点での視力が良好であった(I/3ep=0.0001,rho=.0.824,I/2eCp=0.0026,Crho=.0.784,Spearman’srankcorrelationcoe.cient).(小数視力)(logMAR)-0.51.000.30.50.110.031.50.0122.5視力の推移**p<0.0001T1(初診時)T2(1回目SP後)T3(最終)図1T1,T2,T3の視力の推移T1からCT2,T1からCT3は有意な改善を認めた..は平均値,バーは標準偏差.*Dunn検定Cab(deg2)Ⅰ/3e視野面積の推移Ⅰ/2e視野面積の推移7,500(deg2)p=0.12625,5003,5001,500-5003,5002,5001,500500-500T1(初診時)T2(1回目SP後)T3(最終)T1(初診時)T2(1回目SP後)T3(最終)図2T1,T2,T3におけるI/3e,I/2eの視野面積の推移a:I/3e視野面積の推移.T1からCT2,T1からCT3は有意な改善を認めた.Cb:I/2e視野面積の推移.T1からCT3は有意な改善を認めた..は平均値,バーは標準偏差.*Dunn検定CIV考按SakaiらはCHumphrey視野計を用いた視神経炎の視野改善の定量的検討を行い,視力と同様に視野においても治療初期に著明な改善が得られると報告している2).今回,視力は既報と同様の結果であった.面積にて定量評価を行ったCGP検査の結果においても,I/3eは初回CSP直後であるCT2時点で著しく面積が増加しており,視力と似た経過であった.一方CI/2eではCT2時点の面積の改善度よりもCT2からCT3までの改善度のほうがよい結果となった.今回は定量的検討をHumphrey視野計ではなくCGPで行ったため,視野の部位別感度が固定点か,そうではなくある範囲をもつ面積かという違いや,GPではC30°より周辺の視野変化も含んでいることなどから単純な比較はできないが,より中心を含むCI/2eと,加えて周辺も含むCI/3eでは回復期の経過が異なったことは興味深い.1992年に急性視神経炎の治療におけるコルチコステロイドの効果を評価したCOpticCNeuritisCTreatmentCTrial(ONTT)3)の解析から,Keltnerらは中心視野が周辺視野よりも障害が強く,また回復が早いと報告している4).これは,中心視野評価に用いたCHumphrey視野計が周辺視野検査に用いた動的視野検査よりも鋭敏であることと関係している可能性がある5).Fangらは,中心C30°の視野感度の回復を分析することによって,特定の神経線維群の関与を調査したが,損傷や回復の違いはみつからなかった6).また,Tsumuraらは視神経炎C59眼のステロイドパルス療aT1(初診時)視野面積とT3(最終視力)の関係bT2(1回目SP後)視野面積とT3(最終視力)の関係5,0007,0004,0006,000T1視野面積(deg2)5,0003,0004,0002,0002,0001,0001,000000.20.021.21.21.21.21.21.21.21.20.80.60.20.02T3(小数視力)図3T1およびT2時点でのGPの視野面積とT3の最終視力a:左側から最終視力のよい順で並べ,視力予後を予測できる境界線は定まらなかった.Cb:左側から最終視力のよい順で並べ,視力良好群である左側からC9眼の全症例でCI/3eがC3,000CdegC2を超える結果となった.1.21.21.21.21.21.21.21.20.80.6T3(小数視力)法前後の視力と中心フリッカ値(criticalCfusionfrequency:CFF)の関係を検討し,発症C1カ月後の視力とCCFFが予後予測に有用と報告している7).本研究では,T2時点での視力がよいほど,またCI/2eないしCI/3eの面積が大きいほど,最終視力が良好であるという結果であった.1回目CSP後の視力だけでなく,面積値も最終予後の予測因子となる可能性が示唆された.さらに,I/3eにおいてC1回目CSP後の視野面積がC3,000CdegC2を超えるものは最終視力がC1.2であった.今回のC3,000CdegC2がカットオフ値として適切か否かについては多数例での検討が必要であるが,1回目CSP後のCI/3eの視野面積が最終視力の予測に役立つ可能性がある.視野の定量評価は日常的にCHumphrey視野計が用いられているが,ほかにも平面視野計(digitalCplanimeter8),Ameri-canCMedicalCAssociation(AMA)Cscore9),微小視野計10)やCGP4,11,12)を用いた方法が報告されている.GPは広く普及した動的視野検査法で,輝度と大きさの異なる視標で定義される異なった感度閾値をもつ視野範囲の情報が表現されている.定量分析が可能であるものの,手間が煩雑であることや検者の技量の影響を受ける,使用する指標について統一された基準がないことなどから定量評価が困難と考えられる.Humphrey視野計に代表される自動視野計のほうが感度測定の精度が高いことも一因かもしれない.GPは周辺視野の情報を含み,その眼の視野全体について感度と面積といった両方の情報を有している.感度は高さ,面積は範囲で,本研究はこれらの量を全体として数量的に表現する試みである.したがって,定量的な指標を抽出することで,たとえば,周辺視野情報が重要なロービジョンケアや,視覚障碍者手帳の基準を考える場合や,運転能力の評価,種々の眼または中枢疾患による周辺視野障害の評価に役立つ可能性がある4,11,12).ONTTのサブ解析では,中心視野の評価にCHumphrey視野計が,周辺視野の評価にCGP検査のイソプター面積を定量指図4I/3eの視野面積が約3,000deg2の例28歳,男性.右眼視神経炎に対するステロイドパルス療法後.視力はC0.5,I/3e(オレンジ色の線で囲まれた範囲)の面積はC3,155Cdeg2であった.標として用いている4).筆者らは外傷性視神経症に対するステロイドパルス療法と視束管開放術の前後でCGP検査のイソプター面積を用いて治療経過を評価したC1例を報告した14).本研究にはいくつかの課題と限界がある.第一に,網膜は球面であるがCGPの検査用紙は平面であるため,周辺視野は引き延ばされている.視野面積を正しく計算するためには,周辺視野面積の補正が必要であろう13).第二に,神経節細胞の分布は周辺よりも中心の密度が高いので,細胞密度に対応した視野の定量を考慮する必要がある14,15).第三に,本研究ではCI/3eおよびCI/2eのみの検討であった.Keltnerら4)は中心視野の評価指標としてCHumphrey視野計の平均偏差(meandeviation:MD)値を,周辺視野の評価指標としてI/3eとCII/4eイソプター面積を用いているが,当院では視神ab1.51.5T3時点でのlogMARBCVA1.00.5T3時点でのlogMARBCVA1.00.50.00.001,0002,0003,0004,0000200400600800T1Ⅰ/3e視野面積(deg2)T1Ⅰ/2e視野面積(deg2)cd1.51.00.51.5T3時点でのlogMARBCVAT3時点でのlogMARBCVA1.00.50.00.001,0002,0003,0004,0005,0006,000T2Ⅰ/3e視野面積(deg2)05001,0001,5002,0002,500T2Ⅰ/2e視野面積(deg2)図5T1およびT2時点でのI/3e,I/2eの視野面積とT3での最良矯正視力(BCVA)の関係a,b:T1時点のCI/3eおよびCI/2e視野面積とCT3時点での最良矯正視力(bestcorrectedvisualacuity:BCVA)には有意な相関が認められなかった.T1でのCI/3e:p=0.572,rho=0.181,Spearman’srankcorrelationcoe.cient.T1でのCI/2e:p=0.193,rho=0.404,Spearman’srankcorrelationcoe.cient.Cc,d:T2時点のCI/3eおよびCI/2e視野面積とCT3時点のCBCVAには有意な相関が認められた.T2でのCI/3e:p<0.001,rho=.0.824,Spearman’srankcorrelationcoe.cient.T2でのCI/2e:p<0.01,rho=.0.784,Spearman’srankcorrelationcoe.cient.経炎の視野評価にCHumphrey視野計ではなくCGPのみを用特徴的な暗点の面積の変化からも治療効果予測が可能かについることが多く,また一般的にCII/4eイソプターは記録していても検討の余地があると考える.第四に,本検討は症例数いないため,同一条件での比較はできなかった.より周辺視が少なく視神経炎の種類も多様であるため,今後はより多数野の機能評価のためにはCI/4eやCV/4eなど他のイソプター例で,年齢や視神経炎の種類を統一した症例群での検討が必についても検討が必要であろう.そして,両イソプターとも要であると考えられる.に中心視野も含んでいるため,中心と周囲の視野を重複なく分けて機能を評価する工夫も必要と思われる.さらに,今回CV結論はイソプターについての検討であったが,視神経炎の所見に視神経炎の治療経過において,GP検査のイソプターの視野面積の定量化により視力とは異なった視機能評価が可能であった.GPの視野面積から治療効果予測が可能であると考えられた.本論文の要旨は第C13回日本視野画像学会(2024年C6月C1日,2日;朱鷺メッセ新潟コンベンションセンター)にて発表した.利益相反:利益相反公表基準に該当なし研究費助成:本研究の一部はCJSPS基盤研究,多局所瞳孔視野計の開発(22K09838)の助成を受けた.文献1)MoussaG,BassiliousK,MathewsN:AnovelexcelsheetconversiontoolfromSnellenfractiontologMARincluding‘countingC.ngers’,‘handCmovement’,‘lightCperception’Cand‘nolightperception’andfocusedreviewofliteratureofClowCvisualCacuityCreferenceCvalues.CActaCOphthalmolC99:e963-e965,C20212)SakaiCT,CMatsushimaCM,CShikishimaCKCetal:ComparisonCofstandardautomatedperimetrywithmatrixfrequency-doublingtechnologyinpatientswithresolvedopticneuri-tis.OphthalmologyC114:949-956,C20073)BeckCRW,CClearyCPA,CAndersonCMMCetal:ACrandom-ized,controlledtrialofcorticosteroidsinthetreatmentofacuteopticneuritis.NEnglJMedC326:581-588,C19924)KeltnerCJL,CJohnsonCCA,CSpurrCJOCetal:ComparisonCofCcentralCandCperipheralCvisualC.eldCpropertiesCinCtheCopticCneuritisCtreatmentCtrial.CAmCJCOphthalmolC128:543-553,C1999C5)ArnoldAC:VisualC.eldCdefectsCinCtheCopticCneuritisCtreatmenttrial:centralvsperipheral,focalvsglobal.AmJOphthalmolC128:632-634,C19996)FangJP,DonahueSP,LinRH:Globalvisual.eldinvolve-mentCinCacuteCunilateralCopticCneuritis.CAmCJCOphthalmolC128:554-565,C19997)TsumuraCR,CHaradaCY,CChumanCHCetal:AssessingCtheCcorrelationCbetweenCvisualCacuityCandCcriticalCfusionCfre-quencyCinCacuteCopticCneuritisCbeforeCandCafterCsteroidCtherapy.CureusC15:e49965,C20238)LinstoneFA,HeckenlivelyJR,SolishAM:Theuseofpla-nimetryinthequantitativeanalysisofvisual.elds.Glau-comaC4:17-19,C19829)YanagisawaCM,CKatoCS,CKunimatsuCSCetal:RelationshipCbetweenvision-relatedqualityoflifeinJapanesepatientsandmethodsforevaluatingvisual.eld.JpnJOphthalmolC55:132-137,C201110)PfauM,JollyJK,WuZetal:Fundus-controlledperime-try(microperimetry):ApplicationCasCoutcomeCmeasureCinclinicaltrials.ProgRetinEyeResC82:100907,C202111)BersonEL,SandbergMA,RosnerBetal:NaturalcourseofCretinitisCpigmentosaCoverCaCthree-yearCinterval.CAmJOphthalmolC99:240-251,C198512)TachibanaM,KannoJ,HashimotoMetal:Quanti.cationofCGoldmannCvisualC.eldsCduringCresolutionCofCtraumaticCopticCneuropathy.CCaseCRepCOphthalmolCMedC2024:C5560696,C202413)TENCDOESSCHATEJ:PerimetricCchartsCinCaequivalentCprojectionCallowingCaCplanimetricCdeterminationCofCtheCextensionCofCtheCvisualC.eld.COphthalmologicaC113:257-270,C194714)可児一孝,黒住格:視野総和の数量表記についてC.視覚の積分表現.眼紀21:25,C197015)可児一孝:量的視野の概念.眼臨医77:1561-1565,C1983***