監修=大橋裕一連載⑯MyboomMyboom第16回「高村佳弘」本連載「Myboom」は,リレー形式で,全国の眼科医の臨床やプライベートにおけるこだわりを紹介するコーナーです.その先生の意外な側面を垣間見ることができるかも知れません.目標は,全都道府県の眼科医を紹介形式でつなげる!?です.●は掲載済を示す連載⑯MyboomMyboom第16回「高村佳弘」本連載「Myboom」は,リレー形式で,全国の眼科医の臨床やプライベートにおけるこだわりを紹介するコーナーです.その先生の意外な側面を垣間見ることができるかも知れません.目標は,全都道府県の眼科医を紹介形式でつなげる!?です.●は掲載済を示す自己紹介高村佳弘(たかむら・よしひろ)福井大学医学部感覚運動医学講座眼科学領域私は,福井大学眼科に平成8年に入局後,おもに糖尿病眼合併症の研究や臨床を行ってきました.平成15年から2年8カ月の間,米国のネブラスカ大学に留学し,水晶体の抗酸化作用について研究しました.ネブラスカ州の知名度は低いと思われますが,古き良きアメリカを感じさせる雄大な土地柄で,世界一大きな動物園などもあり,家族とプライベートを満喫するには最適でした.帰国してからは硝子体手術を中心に,ときにその再発に悩まされつつも硝子体出血や網膜.離と日々格闘しています.臨床のMyboom前述したように,眼科医になってから,一貫して糖尿病眼合併症を専門にしてきました.アルドース還元酵素(aldosereductase:AR)に起因するポリオール説に関連した研究をおもに行っています.ARの発現量の多いラットに糖負荷を行うと,白内障や角膜症が起きます.また,ラットよりも寿命が長いイヌに長期間,糖負荷を行うと糖尿病網膜症に類似した病変を誘導できます.そして,これらの病変の進行をAR阻害剤はほぼ完全に抑制することができます.この劇的な効果を研修医時代に初めて目の当たりにしたときは感動すら覚え,それ以来研究を続けている次第です.臨床研究においては,今は糖尿病患者の白内障術後の合併症である前.収縮や角膜浮腫,黄斑浮腫の抑制につ(81)0910-1810/13/\100/頁/JCOPYいて調べています.また,抗VEGF抗体を硝子体投与した後の糖尿病黄斑症の再発をいかに抑制するか,という研究課題にも力を入れています.抗VEGF薬は確かに有効ですが,効果が一時的であり,複数回の投与を患者さんに強いる傾向にあります.それをやむを得ないとせず,なんとかその効果を持続できる方法はないものかと考えています.最近,糖尿病網膜症の研究を中心とする“若手DRの会”に参加させていただくようになり,研究の視野が広がったように思います.各専門領域で先端を走っておられる先生たちとのディスカッションが非常に有意義なものであることはもちろんですが,なにより自分にとって楽しく刺激的です.手術は増殖糖尿病網膜症を中心に硝子体手術を行っています.最近コンステレーションを導入して,手術のストレスがさらに減りました.裂孔を作らずに増殖膜をいかに取りきるか,という点がmyboomですが,広角眼底観察システムを用いて最周辺まできっちりと光凝固を行うことにもこだわっています.趣味のMyboom:その1(写真1)趣味で水草を育てています.大学生時代からなのでかれこれ20年になります.120cm水槽に小さな魚が1匹だけ泳いでいて,あとはエビだけの水槽なのですが,繁茂した水草の間に小さな稚エビが繁殖しているのを見ると,ついうれしくなってしまいます.手入れが大変そうとよくいわれますが,水槽を立ち上げて半年もすると水質が安定して,さほど水換えをしなくてもコケも生えない状態を保つことができます.新緑をぼーっと見ていますと,気持ちがのんびりして,良い気分転換になります.ちなみに別の水槽では60cmほどのアジアアロワナがのんびりと泳いでいます.高価な魚といわれていますが,他の方から格安で下取りさせていただきました.あたらしい眼科Vol.30,No.5,2013659〔写真1〕上:わが家で飼っているアロワナとエンドリという魚です.お互いに仲良しでいつも寄り添っています.下:水草水槽.右側の放射状に伸びた水草はもう18年くらい枯れずにいます.これまた仕事の合間にぼーっと眺めながら,研究のあれこれに思いをめぐらすのが私の貴重な日課となっています.趣味のMyboom:その2(写真2)2年前から薪ストーブを導入しています.これが実に暖かいのです.雰囲気も良く,薪のはぜる音を聞き,炎の揺らぎを見ていると心が安らぎます.福井の寒さを楽しみに変えることができます.朝暗いうちから起きだして,火を起こし,部屋を暖めるのが私の役目になっています.空気口を開放すると炎は上がるのですがストーブが温まらず,絞るとおき火となって温度が上がり,薪も長持ちします.程良くいかに空気を調節するかがmayboomとなっています.薪ストーブは料理にも使えます.といってもピザや鳥の手羽先を焼く程度ですが,おき火でじっくり焼き上げるので,どこの居酒屋で出されたものより美味しいと自負しています.薪は自分で割って用意したいところですが,手を怪我して手術に支障をきたすわけにもいかず,なかなかの出費ですが購入しています.それでも十分に楽しむ価値があると思います.〔写真2〕薪ストーブを使い出して2年目で,火つけも上手になりました.横面のリスのリレーフが気に入っています.この原稿を書いていて,今の趣味はいずれもぼーっと和むための道楽ということに気付きました.日々忙しく働けているので,つい癒しを求めているのかもしれません.学生の頃は,テニスやバドミントンに汗を流し,一方ではバンドを組んでベースを弾いたりしていましたが,前述したようにすっかりインドア派となってしまい,運動不足が心配される今日この頃です.今後は,体を動かすようにせねば!とは思うのですが,このたび新車を購入して納車待ちとなっており,どこにドライブに行こうか楽しみにしているあたり,自分の体を動かすのはまだ先になりそうです…….次回のプレゼンターは九州大学の吉田茂生先生です.吉田先生は私もご一緒させていただいている若手DRの会のメンバーのお一人で,ダンディーなオーラを身にまといつつ臨床に研究にとてもアクティブな活動を展開しておられます.よろしくお願いいたします.注)「Myboom」は和製英語であり,正しくは「Myobsession」と表現します.ただ,国内で広く使われているため,本誌ではこの言葉を採用しています.☆☆☆660あたらしい眼科Vol.30,No.5,2013(82)