———————————————————————-Page1あたらしい眼科Vol.24,No.8,2007????0910-1810/07/\100/頁/JCLS京都府立医科大学の眼科では現在6名の前期専攻医が働いています.各疾患の専門グループの先生方の下,常に最新の医療に触れられるという,ありがたい環境で勉強させていただいています.そんな恵まれた病院で過ごす私たちの,てんやわんやの1週間を少しご紹介したいと思います.月曜日今日は月曜日.新たな1週間の始まりです!朝,8時から角膜カンファランスがあるので,それまでに入院患者さんの診察です.緑内障術後の患者さんの眼圧が高くて,必死でマッサージをしていると8時前!医局までダッシュ!!カンファランスの準備です.角膜カンファランスは,専攻医のためのレクチャーで始まります.毎週,角膜チームの先生がテーマを決めて,基本的な内容から最新の内容まで,充実の講義をしてくださいます.その後は,外来患者さんについての検討会です.まれな疾患の方も,ここではたくさん経験できます.角膜カンファランス終了後,病棟番の業務の開始です.点滴をしたり,翌日手術の方や予定入院の患者さんの指示出しをします.また,臨時入院も多く,角膜感染症や網膜?離,緑内障発作などの患者さんが緊急入院になります.白内障・緑内障・角膜移植・糖尿病網膜症・吹き抜け骨折など,万遍なくさまざまな疾患を担当できるようになっています.夕方や夜に患者さんの診察をして,さらに山積みの雑務と眠気と戦い1日の業務が終了です.(丹羽匡世)火曜日火曜日は手術番の日です.起きたらまずブラックコーヒーか栄養ドリンクを飲んで完全に目を覚まします.8時までに病棟の担当患者さんの診察を済ませて,手術室に向かいます.まずは顕微鏡・モニター・器械類のセッティングを行います.そうこうしているうちに患者さんが入室してこられます.火曜日は2部屋で手術を行っており,内容は白内障,硝子体手術,眼形成(眼窩壁骨折,眼瞼下垂,内反症など)とバラエティに富んでいます.白内障手術も,角膜疾患,虹彩炎後,内皮細胞数減少などの難症例が多く,一つひとつの症例がとても勉強になります.まだまだ不慣れなことも多く,白内障にしても,自分がセットした眼内レンズがちゃんと出てくるかドキドキしながら顕微鏡をのぞいています.緊急手術がなければ大体17時前後には手術が終わります.その後は病棟の患者さんの診察をしたり,術後の患者さんを訪問したり,翌日の水曜日の総回診のプレゼンテーションの準備をします.手術番の日は,普段よりも緊張状態が長く続くため疲労感が強いです.そのため火曜日はいつも帰宅するとベットに直行です…忘れずに目覚ましを3個セットしてから….(足立紘子)(81)後期臨床研修医日記●シリーズ①京都府立医科大学眼科学教室丹羽匡世足立紘子佐々木美帆奥島健太郎大塚斎史中村さや花(執筆順)▲医局カンファランスルームにて(向かって左側奥から中村・佐々木・大塚,右側手前から足立・丹羽・奥島)———————————————————————-Page2????あたらしい眼科Vol.24,No.8,2007水曜日水曜日も手術日です.この日は白内障の他,斜視や眼瞼下垂,結膜弛緩症の手術がありました.手術がすべて終了し片付けをしていたらもう17時前.17時からは当直が始まるので,病棟番から当直用PHSを受け取ります.いよいよ当直が始まったと思ったとたん,PHSが鳴ります.当院の救急外来を受診する患者さんは,結膜炎や角結膜異物などの比較的軽症の方から,外傷による眼窩壁骨折や網膜裂孔,?離など手術適応となる疾患や,なかには酸やアルカリ外傷など緊急の処置を要するケースもあります.まずは電話での情報から,「たぶん結膜炎かな」とか「眼窩壁骨折かもしれない.CTも必要かな.」など事前に予想を立てるのですが,何分経験の乏しい私たちであり,わからないことが多く患者さんが来院するまでに必死で本を調べたり,周りの上級医の先生に相談したりします.困ったら,宅直として待機しているスタッフの先生に連絡して指示を仰ぎます.救急受診で多いのは「液体が眼に入った」というもので,消毒液や洗剤からおもちゃの蛍光塗料まで実に多様であり,大抵は洗浄し軟膏を点入するのですが不安が残ります.軽症の症例であっても自分がした処置や処方が誤りでなかったか,また,患者さんが指示どおり再診してくれるかも気になるところであり,再診時に良くなっていたことを確認して,ほっとすることも多いです.このように冷や汗をかきながらも,当直をなんとか乗り切っています.(佐々木美帆)木曜日通常通りの病棟業務を行っていると,外来から連絡が入りました.昨日,角膜のご提供があり,本日は夕方5時から緊急の角膜移植が行われるのです.当大学病院ではこうした角膜移植が頻繁にあります.その患者さんを受け持つことができるという連絡でした.私たち前期専攻医の役割は非常に重要で,入院の準備,病棟での診察,手術の補助,術後管理などを一手に行います.こうして手術が終了して術後の指示を出し終えた22時ごろ,今度は献眼の連絡が入りました.本日はアイバンク当直であったため,大急ぎで準備に取り掛かり,すぐに摘出へ向かいました.アイバンク当直とは献眼のご意志がある方が亡くなられた際,時刻にかかわらず,眼球を摘出に行くというものです.タクシーで2時間半かかる自宅まで一人で向かいますが,大変貴重な献眼を扱うので責任の重大さに気が引き締まります.今回は自宅で亡くなられた方で,到着後,ご遺族に承諾を得て,角膜の状態を確認した後,角膜が乾燥しないように気をつけながら,開瞼器をかけ,結膜を?離した後,直筋に糸をかけ,眼球を脱臼させ,視神経や結合組織を切除し,摘出しました.ご遺体に義眼を入れ,ご遺族から書類をいただいた後,すぐに大学病院へ帰りました.摘出した眼球は,専門の医師に角膜移植できる強角膜片にしてもらうのです.こうして大変充実した一日を終え,深夜帰宅しました.(奥島健太郎)金曜日金曜日は外来付きの日です.前期専攻医は1年を通して1,2カ月ごとに,スタッフによる一般外来をローテートしています.木下教授は角膜が専門なので,外来にはさまざまな角膜疾患の患者さんが紹介受診されます.患者さんの人数が多いので診察台を4台駆使して外来が進行していきます.教科書でしか見たことがない珍しい疾患を実際スリットで見たときは,思わず感動してしまうこともあり,非常に充実感があります.一般外来のほか,さまざまな特殊外来があり,1年を通してそれらの外来もローテートしていきます.角膜,ドライアイ,緑内障,網膜,眼形成,ぶどう膜,屈折矯正,円錐角膜,斜視弱視,Stevens-Johnson症候群外来など,患者数の多い疾患からマニアックなものまで,計14種類の特殊外来があります.まだ,一部しか経験し(82)▲助手を務める足立(右)———————————————————————-Page3あたらしい眼科Vol.24,No.8,2007????ていませんが,専門の先生にじかに教えていただける場であり,一つひとつの症例を大切に勉強していきたいです.(大塚斎史)土曜日午前中の回診を終え,ほっと一息.土曜日は,上級医の先生方と一緒にゆっくりと患者さんを診察できる機会でもあり,一人では気づかなかった診察ポイントが見つかるチャンス.こうして,私たち6人の1週間は慌しく過ぎていくのですが,皆それぞれマイペースに仕事を楽しみながら頑張っています.大学病院という場所では,各分野の第一線で活躍される先生方とじかに接し,また特殊な疾患も含め,さまざまな疾患を受け持つことができます.入ってみてからわかったのですが,眼科医としての最初の1年をここで過ごせることは本当にラッキー!!です.つい先日眼科に足を踏み入れたばかりの私たちですが,たくさんの先生方,視能訓練士(ORT)さん,看護師さんなど多くの方々のお力添えをいただきながらも,早く一人前として働けるよう,これから日々研鑽を積みたいと思います.(中村さや花)(83)?プロフィール(50音順)?足立紘子(あだちひろこ)京都府立医科大学卒業,京都市立病院にて初期臨床研修,平成19年4月より京都府立医科大学眼科学教室前期専攻医.大塚斎史(おおつかよしふみ)京都府立医科大学卒業,社会保険神戸中央病院と京都府立医科大学附属病院にて初期臨床研修,平成19年4月より京都府立医科大学眼科学教室前期専攻医.奥島健太郎(おくしまけんたろう)島根大学医学部卒業,済生会中津病院にて初期臨床研修,平成19年4月より京都府立医科大学眼科学教室前期専攻医.佐々木美帆(ささきみほ)京都府立医科大学卒業,済生会吹田病院・京都府立医科大学附属病院にて初期臨床研修,平成19年4月より京都府立医科大学眼科学教室前期専攻医.中村さや花(なかむらさやか)京都府立医科大学卒業,京都第二赤十字病院・京都府立医科大学附属病院にて初期臨床研修,平成19年4月より京都府立医科大学眼科学教室前期専攻医.丹羽匡世(にわまさよ)京都府立医科大学卒業,京都第一赤十字病院にて初期臨床研修,平成19年4月より京都府立医科大学眼科学教室前期専攻医.指導医からのメッセージ「最初の3年が大事」やる気あふれる6名の新人を迎えることができて嬉しく思っております.入局して最初の3年はとても大事で,特に最初の2年で眼科医としての基本のほとんどが構築されます.たとえれば,赤ちゃんが生まれたときは何もできないのに,3歳になるまでに歩く,食べる,話すなど劇的な成長を遂げるようなものですね.医学的な面だけでなく,患者さんとの応対,あるいは事務的な面でも覚えることが多くて,とても大変な毎日ですが,すべては成果となって自分に戻ってくるので,健康に留意して頑張ってください.眼科のことがわかるほどに,さらに面白くなり,自分でできることが増えるほどに,やり甲斐を実感できることでしょう.皆さんの目が,だんだんと深い輝きを増しているのを感じながら,将来に期待して見守っていきたいと思います.京都府立医科大学眼科・講師外園千恵☆☆☆