———————————————————————-Page1あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007??0910-1810/07/\100/頁/JCLS(65)柴琢也東京慈恵会医科大学眼科写真セミナー監修/島﨑潤横井則彦272.Glistening(グリスニング)①②③④図2図1のシェーマ①:glistening,②:レンズ前面,③:瞳孔縁,④:前?縁.図1Grade3のglistening(76歳,男性)水晶体乳化吸引術+眼内レンズ(PEA+IOL)術後6カ月頃よりglisteningを認め,術後1年6カ月頃には写真のようにgrade3(200/mm3)まで増加した.既往歴にコントロール不良の糖尿病があり,術中合併症はない.図3Grade2のglistening(82歳,男性)PEA+IOL術後4カ月頃よりglisteningを認め,術後1年頃には写真のようにgrade2(100/mm3)まで増加した.既往歴は特記すべきことはなく,術中合併症はない.図4Grade1のglistening(71歳,女性)PEA+IOL術後6カ月頃よりglisteningを認め,術後2年を経過しても写真のようにgrade1(50/mm3)のままである.既往歴にコントロール良好の糖尿病と高血圧症があり,術中合併症はない.———————————————————————-Page2??あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007(00)10年ほど前よりアクリルソフト眼内レンズAcrySof?(Alcon?)の光学部に,小輝点が認められることが報告されるようになった1).この小輝点はglisteningとよばれており,術後しばらく経過してから観察される.Glisteningはアクリルレンズに認めることが多いが,他素材のレンズにおいても発生することが報告されている2,3).すべての症例にglisteningを認める訳ではなく,程度もさまざまであるため(図1,3,4),その発生にはさまざまな要因が関与していることが推察される.その要因の一つにmolding製法とよばれる鋳型製法があげられている.この製法で作製されたレンズ内には材質の不均一な部分があり,そこにmicrovoidとよばれる小間隙が形成される.このレンズが眼内に挿入されることにより,房水がmicrovoidに取り込まれてきらきらと輝いて見えるという説である1).また,温度がその発生に関与しているとする報告も多く,レンズを高温環境や温度変化が大きい環境に暴露すると発生しやすくなるとされている4,5).前の説で解釈すると,温度変化によってレンズ内の不均一性が増すことによりmicrovoidが形成されやすくなり,そのことがglisteningの発生につながると考えられる.したがって,アクリルレンズを温水に浸水させて折りたたみやすくすることは,glisteningを発生しやすくする可能性があるため行うべきではない.Glisteningは,古くはアメリカで発売されていたアクリパックとよばれるレンズケースとともに滅菌処理されることにより出現し,日本や欧州で発売された車輪型のケースでは出現しないとされていた6).しかし,車輪型のケースで包装されたAcrySof?においても高頻度にglisteningを生じるという報告もされている7).当初は,glisteningが視機能に影響を与えることはなく,美容的な問題とされてきた.しかし,glisteningが発生したことによってコントラスト感度が低下した症例1)や,後発白内障治療のためのYAGレーザーのターゲット光が集光しない症例8)などが報告されていることより,美容的な問題と簡単に処理してよいものかは疑問である.現在のアクリルソフト眼内レンズは,各メーカーの技術開発により従来のものに比べてglisteningが発生しにくくなっているが,完全になくなったわけではない.視機能に異常がないという報告があることに甘んじることなく,一生涯患者の水晶体として機能する人工臓器である以上は,glisteningのまったく発生しないフォルダブル眼内レンズが開発されることが望まれる.文献1)DhaliwalDK,MamalisN,OlsonRJetal:Visualsigni?-canceofglisteningsseenintheAcrySofintraocularlens.???????????????????????22:452-457,19962)MilauskasAT,KershnerRM,ZiembaSL:Siliconeintra-ocularlensimplantdiscolorationinhumans.????????????????109:913-915,19913)宮田章,内田信隆,中島潔ほか:シリコーン眼内レンズのグリスニング発生実験.日眼会誌106:112-114,20024)ShibaT,MitookaK,TsuneokaHetal:InvitroanalysisofAcrySofintraocularlensglistening.????????????????13:759-763,20035)宮田章,内田信隆,中島潔ほか:アクリルレンズに発生する輝点とその発生モデル.日眼会誌104:349-353,20006)OmarO,PirayeshA,MamalisNetal:InvitroanalysisofAcrySofintraocularlensintheAcryPakandwagonwheelpackaging.???????????????????????24:107-113,19987)三戸岡克哉:眼内レンズの変化グリスニング.眼科診療プラクティス52:66-67,19998)三戸岡克哉,柴琢也,常岡寛ほか:Glisteningにより視機能低下を認めた眼内レンズ挿入眼の1症例.眼科40:1501-1504,1998