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若年発症2型増殖糖尿病網膜症の予後不良例

2016年1月31日 日曜日

1246101,23,No.3《第20回日本糖尿病眼学会原著》あたらしい眼科33(1):124.128,2016cはじめに近年,増殖糖尿病網膜症(proliferativediabeticretinopa-thy:PDR)に対する硝子体手術は,手術機器の進歩や手術手技の向上に伴い手術成績が向上している1).また術前の抗血管内皮増殖因子の硝子体内注入などにより,手術の安全性も向上している2).しかし一方で,なお治療困難例や予後不良例が存在することも事実である.2型糖尿病患者においては,40歳未満の若年者のPDR例は比較的少ない.今回筆者らは,PDR発症時年齢および初回手術時年齢が40歳未満の2型糖尿病患者で,PDRに対し複数回の手術を施行したが,予後不良であった症例を4例経験したので報告する.I対象および方法対象は2007年1月.2012年2月の6年間に,2型糖尿病によるPDRに対し初回硝子体手術を行い,PDR発症時年齢および初回手術時年齢が40歳未満の連続症例4例8眼である.全症例とも初回硝子体手術後,経過観察が可能であり,複数回の追加手術を要した.手術はすべて同一術者が施行した(ND).白内障手術および硝子体手術は,アキュラス(日本アルコン社)もしくはコンステレーションビジョンシステム(日本アルコン社)を使〔別刷請求先〕藤原悠子:〒892-0824鹿児島市堀江町17-1公益財団法人慈愛会今村病院眼科Reprintrequests:YukoFujiwara,DepartmentofOpthalmology,FoundationJiaikai,ImamuraHospital,17-1Horie-cho,Kagoshima892-0824,JAPAN若年発症2型増殖糖尿病網膜症の予後不良例藤原悠子*1,2土居範仁*1坂本泰二*2*1慈愛会今村病院眼科*2鹿児島大学大学院医歯学総合研究科眼科PoorOutcomeofProliferativeRetinopathyCasesamongYoungInsulin-independentDiabeticsYukoFujiwara1,2),NorihitoDoi1)andTaijiSakamoto2)1)DepartmentofOphthalmology,JiaikaiImamuraHospital,2)DepartmentofOphthalmology,KagoshimaUniversityGraduateSchoolofMedicineandDentalScience若年発症の増殖糖尿病網膜症は,活動性が高く治療困難例も少なくない.多くは1型で,若年発症2型糖尿病患者の治療成績や転機についての報告はほとんどない.筆者らは2型糖尿病の指摘時年齢および初回硝子体手術時年齢が40歳未満で予後不良であった症例を4例経験した.糖尿病診断時年齢は平均21歳.4例中3例で長期間(平均5.8年)無治療放置期間があり,当科初診時には全例両眼とも増殖糖尿病網膜症であった.平均手術回数は6.1回.8眼中6眼は最終的に増殖硝子体網膜症となり網膜復位が得られなかった.最終視力は,0.1以下が4眼,光覚を失ったものが4眼であり,きわめて予後不良であった.Amongyounginsulin-independentdiabeticpatients,asignificantnumberdevelopthesevereformofdiabeticretinopathy,althoughtheyaremoreoftenreportedastype1(insulin-dependent)diabetesthanastype2(insulin-independent)diabetes.Wedescribe4patients(8eyes)diagnosedastype2diabeticswho,whentheyunderwentinitialvitreoussurgerybeforetheageof40,hadfinalvisualacuityrankedaspoor.Theiraverageageatdiabetesdiagnosiswas21years.In3ofthe4,duringalongperiodoftimetheyreceivednotreatment.AllwerediagnosedwithPDRatfirstvisittoourdepartment,andrequiredanaverageof6.1surgeriesduringthecourse.Ofthe8eyes,6eventuallydevelopedproliferativevitreoretinopathy,withnorepairofretinaldetachment.Finalvisualacu-itieswere0.1orlessin4eyesandnolightperceptionin4eyes;allpatientshadextremelypooroutcomes.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)33(1):124.128,2016〕Keywords:増殖糖尿病網膜症,早期発症2型糖尿病,硝子体手術,予後.proliferativediabeticretinopathy,ear-ly-onsettype2diabetes,vitreoussurgery,prognosis.124(124)0910-1810/15/\100/頁/JCOPY《第20回日本糖尿病眼学会原著》あたらしい眼科33(1):124.128,2016cはじめに近年,増殖糖尿病網膜症(proliferativediabeticretinopa-thy:PDR)に対する硝子体手術は,手術機器の進歩や手術手技の向上に伴い手術成績が向上している1).また術前の抗血管内皮増殖因子の硝子体内注入などにより,手術の安全性も向上している2).しかし一方で,なお治療困難例や予後不良例が存在することも事実である.2型糖尿病患者においては,40歳未満の若年者のPDR例は比較的少ない.今回筆者らは,PDR発症時年齢および初回手術時年齢が40歳未満の2型糖尿病患者で,PDRに対し複数回の手術を施行したが,予後不良であった症例を4例経験したので報告する.I対象および方法対象は2007年1月.2012年2月の6年間に,2型糖尿病によるPDRに対し初回硝子体手術を行い,PDR発症時年齢および初回手術時年齢が40歳未満の連続症例4例8眼である.全症例とも初回硝子体手術後,経過観察が可能であり,複数回の追加手術を要した.手術はすべて同一術者が施行した(ND).白内障手術および硝子体手術は,アキュラス(日本アルコン社)もしくはコンステレーションビジョンシステム(日本アルコン社)を使〔別刷請求先〕藤原悠子:〒892-0824鹿児島市堀江町17-1公益財団法人慈愛会今村病院眼科Reprintrequests:YukoFujiwara,DepartmentofOpthalmology,FoundationJiaikai,ImamuraHospital,17-1Horie-cho,Kagoshima892-0824,JAPAN若年発症2型増殖糖尿病網膜症の予後不良例藤原悠子*1,2土居範仁*1坂本泰二*2*1慈愛会今村病院眼科*2鹿児島大学大学院医歯学総合研究科眼科PoorOutcomeofProliferativeRetinopathyCasesamongYoungInsulin-independentDiabeticsYukoFujiwara1,2),NorihitoDoi1)andTaijiSakamoto2)1)DepartmentofOphthalmology,JiaikaiImamuraHospital,2)DepartmentofOphthalmology,KagoshimaUniversityGraduateSchoolofMedicineandDentalScience若年発症の増殖糖尿病網膜症は,活動性が高く治療困難例も少なくない.多くは1型で,若年発症2型糖尿病患者の治療成績や転機についての報告はほとんどない.筆者らは2型糖尿病の指摘時年齢および初回硝子体手術時年齢が40歳未満で予後不良であった症例を4例経験した.糖尿病診断時年齢は平均21歳.4例中3例で長期間(平均5.8年)無治療放置期間があり,当科初診時には全例両眼とも増殖糖尿病網膜症であった.平均手術回数は6.1回.8眼中6眼は最終的に増殖硝子体網膜症となり網膜復位が得られなかった.最終視力は,0.1以下が4眼,光覚を失ったものが4眼であり,きわめて予後不良であった.Amongyounginsulin-independentdiabeticpatients,asignificantnumberdevelopthesevereformofdiabeticretinopathy,althoughtheyaremoreoftenreportedastype1(insulin-dependent)diabetesthanastype2(insulin-independent)diabetes.Wedescribe4patients(8eyes)diagnosedastype2diabeticswho,whentheyunderwentinitialvitreoussurgerybeforetheageof40,hadfinalvisualacuityrankedaspoor.Theiraverageageatdiabetesdiagnosiswas21years.In3ofthe4,duringalongperiodoftimetheyreceivednotreatment.AllwerediagnosedwithPDRatfirstvisittoourdepartment,andrequiredanaverageof6.1surgeriesduringthecourse.Ofthe8eyes,6eventuallydevelopedproliferativevitreoretinopathy,withnorepairofretinaldetachment.Finalvisualacu-itieswere0.1orlessin4eyesandnolightperceptionin4eyes;allpatientshadextremelypooroutcomes.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)33(1):124.128,2016〕Keywords:増殖糖尿病網膜症,早期発症2型糖尿病,硝子体手術,予後.proliferativediabeticretinopathy,ear-ly-onsettype2diabetes,vitreoussurgery,prognosis.124(124)0910-1810/15/\100/頁/JCOPY 用した25ゲージ(G)経結膜小切開硝子体手術を施行した.方法は3-portsystemによる経毛様体扁平部硝子体切除術(parsplanavitrectomy:PPV)で,初回硝子体手術時,全例後部硝子体未.離であったため人工的に後部硝子体.離を起こし,増殖組織を除去し,可能な限り周辺部まで硝子体を切除した後,眼内光凝固を行った.また周辺まで硝子体を切除するため,初回硝子体手術時に水晶体摘出を併施した.II結果表1~3に全症例の背景・結果を示す.4例中3例は男性,1例は女性.2型糖尿病診断時年齢は平均21歳.加療開始まで平均5.8年の無治療放置期間があり,4例中3例に治療中断歴があった.内科加療開始時の平均HbA1C(JDS)は11.5%であった.当科初診時年齢は平均29歳で,内科加療開始から平均1.75年後で平均HbA1C(JDS)は8.3%,4例中3例が血圧コントロール不良もしくは高血圧加療開始後であった(表1).当科初診時全例両眼ともPDRであり,8眼中3眼は血管新生緑内障(neovascularglaucoma:NVG)を併発していた.網膜光凝固術の既往があるのは8眼中2眼のみであったが未完成であり,それ以外の症例は硝子体出血(vitreoushemorrhage:VH)のため術前に網膜光凝固を施行することが困難であった.初回硝子体手術時,8眼中5眼表1全症例の当科初診時の全身状態背景症例性別診断時年齢(歳)加療開始までの期間(年)糖尿病加療中断の有無家族歴内科加療開始時HbA1C(%)(JDS値)内科加療開始からの期間(年)HbA1C(%)(JDS値)当科初診時HbCr血圧(mmHg)降圧薬内服の有無1M258.+9.909.915.70.6154/100.2M165++11.858.613.01.01160/92+3F1310+.12.619.012.60.39117/70.4平均M312105.8++11.611.511.755.68.312.11.8613.40.96128/79139/85+JDS:JapanDiabetesSociety.表2全症例の当科初診時眼状態および初回硝子体手術内容症例年齢(歳)DR病期当科初診時状態視力眼圧(mmHg)PRPの有無年齢(歳)手術適応所見術式初回硝子体手術タンポナーデの有無と種類増殖膜の象限数意図的・医原性裂孔の数レーザー数術中網膜1右眼左眼右眼33PDRNVGPDRNVGPDR0.5360.3220.713…343427NVGVHNVGVHVHSF62SF62.30401,5871,5711,400234平均左眼右眼左眼右眼左眼26243229PDRPDRPDRPDRNVGPDR0.5160.1180.01150.04270.81920.8…未完成未完成272424323229.3PPLPPVVHTRDVHTRDVHTRDNVGNVGTRDSO4.4SO4.3SO33.125002021復位1,8141,0461,0821,2591,3731,329DR:糖尿病網膜症,PDR:増殖糖尿病網膜症,NVG:血管新生緑内障,PRP:汎網膜光凝固術,VH:硝子体出血,TRD:牽引性網膜.離,SF6:六フッ化硫黄,SO:シリコーンオイル,PPL:経毛様体扁平部水晶体切除術,PPV:経毛様体扁平部硝子体切除術.(125)あたらしい眼科Vol.33,No.1,2016125 表3全症例の最終結果症例観察期間(月)手術回数(回)眼所見最終視力最終眼圧(mmHg)1右眼左眼8545293247.87695451126.1PVR・眼球癆PVR・眼球癆PVRPVRPVRPVRNVGNVG光覚なし光覚なし光覚弁光覚弁光覚弁光覚なし0.08光覚なし..991612151192右眼左眼3右眼左眼4右眼左眼平均PVR:増殖硝子体網膜症,NVG:血管新生緑内障.図1症例3の初診時所見24歳,女性.両眼ともに硝子体出血と牽引性網膜.離を伴う増殖糖尿病網膜症.網膜光凝固術の既往はない.はタンポナーデを要した(表2).平均観察期間は47.8カ月で,平均手術回数は6.1回であった.初回手術後,全症例で複数回の再手術を施行した.再手術内容は,網膜.離の再発または術後非復位に対しては,4眼にガスまたはシリコーンオイル(siliconeoil:SO)によるタンポナーデを用いたPPVを施行した.NVGに対しては,当科初診時にNVGを併発していた症例は3眼,経過観察中に中に発症した症例が1眼あり計4眼にPPVの際に毛様体光凝固を併施した.3眼に円蓋部基底結膜切開による線維柱帯切除術もしくはエクスプレス緑内障フィルトレーションデバイス(日本アルコン社)挿入を施行した.8眼中6眼は最終的に増殖硝子体網膜症(proliferativevitreoretinopathy:PVR)となり網膜復位が得られなかった.最終視力は,0.1以下が4眼でそのうち3眼は光覚弁,また光覚を失ったものが4眼で,きわめて予後不良であった(表3).III症例呈示〔症例3〕24歳,女性.13歳時に学校検診で尿糖を指摘され入院加療を受けるが,退院後通院していなかった.16歳時,下肢骨.腫手術の際に糖尿病を指摘され,内科加療を再開したが自己中断した.2010年23歳時に倦怠感で近医を受診し,HbA1C12.6%(JDS値)と高値で加療を再開したが,不定期受診であった.2011年10月急に視力低下を自覚し,近医眼科を受診,両眼ともPDRを指摘され,網膜光凝固術を予定していたがVHを発症し,2011年11月28日当科紹介受診となった.初診時所見:VD=(0.1×sph.2.25D(cyl.2.25DAx5°),VS=0.01(n.c.),Tod=18mmHg,Tos=15mmHg.両眼ともにVH・牽引性網膜.離(tractionretinaldetachment:TRD)を伴うPDRであり光凝固の既往はなかった(図1).HbA1C9.0%(JDS値),血圧は117/70mmHgであった.初診後,内科加療を再開した.経過(右眼):網膜光凝固術はVHのため困難であり,2012年1月5日経毛様体扁平部水晶体切除術(parsplanalensectomy:PPL)+PPVを施行した.その後VHとTRDが再燃し,2012年1月12日硝子体手術+SO注入術を施行(126) 図2症例3の最終時所見両眼ともに網膜切除を要した.右眼は部分的な網膜.離が残存している.左眼は増殖硝子体網膜症となり,網膜復位は得られなかった.したが,その後も強固な増殖膜とTRDが再燃し,同年2月9日輪状締結術+PPV+網膜切除(耳・鼻側周辺2象限)+SO注入術,同年3月29日PPV+網膜切除(下方周辺1象限)+SO注入術を施行した.その後NVGとなるが,薬剤で眼圧コントロールが得られている.部分的な網膜.離は残存している.経過(左眼):右眼と同様,網膜光凝固術はVHのため困難であり,2011年12月13日PPL+PPV+SO注入術を施行した.その後も強固な増殖膜とTRDが再燃し,2012年2月2日PPV+網膜切除(下鼻側周辺1象限)+SO注入術を施行,その後も強固な増殖膜とTRDが再燃し,同年3月1日輪状締結術+PPV+網膜切除(上鼻側周辺1象限)+SO注入術,同年5月22日PPV+SO注入術,2013年2月19日PPV+網膜切除(耳側周辺1象限)+SO注入術を施行したが,増殖硝子体網膜症(PVR)となり,網膜復位は得られなかった(図2).IV考察若年発症PDRの報告は,1型糖尿病に比べて2型糖尿病では少ない.Steelら3)は血糖コントロールが良好であったにもかかわらず,2型糖尿病と診断されてから数年以内に急速にPDRに進行し,予後不良であった40歳未満の症例を報告している.同じ若年発症でも1型糖尿病は加療中断により身体症状を伴うのに対し,2型糖尿病は身体症状が発現しにくいため,内科加療開始が遅れやすく治療の自己中断にもつながりやすい.それに伴い眼科受診も遅れやすい.今回筆者らが経験した症例でも,糖尿病の診断から内科加療開始まで平均5.8年の放置期間があり,その後も症例1以外で治療中断歴があった.眼科定期受診もほとんど行われていない状況であった.当科初診時すでに全例がPDRで,網膜光凝固術の既往があるのは症例4のみであったが未完成であり,それ以外の症例はVHを認め術前に網膜光凝固を施行することが困難であった.また初回硝子体手術時8眼中7眼はNVGやTRDを併発しており,8眼中5眼は初回手術時にタンポナーデを必要とした.10代で糖尿病を発症した症例では,親の理解不足もあり内科加療が中断されていた時期があった.網膜光凝固術を勧められても拒否していた例もあり,コンプライアンス不良であることが網膜症進行を助長し,術後視力転帰に影響した可能性がある.30歳未満の若年発症2型糖尿病患者では,糖尿病罹患期間だけではなく,わずかな血圧上昇もPDRへの進行のリスクファクターであるとの報告がある4).筆者らの症例でも4例中3例が血圧コントロール不良もしくは高血圧加療開始後であった.本症例のうち2例は10代で糖尿病の指摘を受けている.欧米では小児の糖尿病のほとんどが1型糖尿病であり,20歳以下の2型糖尿病の発症は数%に過ぎないのに対し,わが国では小児期発症2型糖尿病患者が多い特徴がある5).2型糖尿病では,発症年齢が18.45歳未満の若年発症群のほうが,45歳以上の発症群と比較して,微小血管障害を2倍起こしやすいという報告がある6).また発症年齢が40歳未満群と40歳以上群では,40歳未満群のほうが糖尿病発症から10年後,20年後のいずれも有意に糖尿病網膜症の発症率が高かったという報告もある7).(127)あたらしい眼科Vol.33,No.1,2016127 小児期に糖尿病を発見する有用な手段として学校検尿検査での尿糖検査があるが,それでの2型糖尿病の発見は,1981年以前は1年間で10万人につき1.74人であるのに対し,それ以降は2.76人と1.5倍に増加している8).また15歳未満発症の2型糖尿病患者では,同年代の1型糖尿病患者と比較してPDRが多い傾向にあり,糖尿病治療の1980年代初診群と1990年代初診群の比較では,1990年代のほうがPDR発症頻度が増加している5).またRajalakshmiら9)は10.25歳に糖尿病を診断された若年発症患者では,視力に影響する糖尿病網膜症の罹患率は糖尿病発症から15年を超えると急増し,1型糖尿病では44.1%,2型糖尿病では52.5%と2型で多く,さらに1型糖尿病では発症から10年未満は同様の網膜症発症患者の罹患率は0%なのに対し,2型糖尿病では5年未満でも14.3%であったと報告している.これらから若年発症2型糖尿病患者は増加することが懸念されており,今回報告したような難治例が増加することが考えられる.今回経験した4症例は,いずれも当科初診時点で全例PDRであり,それ以前の眼科受診歴も乏しいものであった.若年発症例では,糖尿病発症時点で家族を含めた病気への理解を深める必要があるとともに,内科・眼科の連携がより重要であると思われた.利益相反:利益相反公表基準に該当なし文献1)鎌田研太郎,臼井嘉彦,坂本純平ほか:増殖糖尿病網膜症に対する早期硝子体手術の成績.臨眼101:385-390,20072)澤田英子,安藤伸朗:増殖糖尿病網膜症に対する硝子体手術後の視力経過.日眼会誌111:407-410,20073)SteelJM,ShenfieldGM,DuncanLJ:Rapidonsetproliferativeretinopathyinyounginsurin-independentdiabetics.BMJ2:852,19764)OkudairaM,YokoyamaH,OtaniTetal:Slightlyelevatedbloodpressureaswellaspoormetaboliccontrolareriskfactorsfortheprogressionofretinopathyinearly-onsetJapanesetype2diabetes.JDiabetesComplications14:281-287,20005)奥平真紀,内潟安子,大谷敏嘉ほか:80年代と90年代に初診した15歳未満発見糖尿病患者の合併症頻度の比較.糖尿病47:521-526,20046)HillierTH,PedulaKL:Complicationinyoungadultswithearly-onsettype2diabetes.DiabetesCare26:2999-3005,20037)SongSH,GrayTA:Early-onsettype2diabetes:highriskforprematurediabeticretinopathy.DiabetesResClinPract94:207-211,20118)岩本安彦,田嶼尚子,西村理明ほか:若年発症2型糖尿病調査研究委員会報告─若年発症2型糖尿病の実態に関する予備的調査─.糖尿病51:285-287,20089)RajalakshmiR,AmuthaA,RanjaniHetal:PrevalenceandriskfactorsfordiabeticretinopathyinAsianIndianswithyoungonsettype1andtype2diabetes.JDiabetesComplications28:291-297,201410)AhmadSS,GhaniSA:Floriddiabeticretinopathyinayoungpatient.JOphthalmicVisRes7:84-87,201211)LeNguyenTD,MilesR,SavagePJetal:Theassociationofplasmafibrinogenconcentrationwithdiabeticmicrovascularcomplicationsinyoungadultswithearly-onsetoftype2diabetes.DiabetesResClinPract82:317-323,2008***(128)

成人発症Still病に両眼の虹彩毛様体炎を発症した1例

2014年2月28日 金曜日

《原著》あたらしい眼科31(2):285.288,2014c成人発症Still病に両眼の虹彩毛様体炎を発症した1例平野慎一郎松田順子本庄恵沼賀二郎地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター眼科ACaseofAdult-OnsetStill’sDiseasewithBilateralIridocyclitisShinichiroHirano,JunkoMatsuda,MegumiHonjoandJiroNumagaDepartmentofOphthalmology,TokyoMetropolitanGeriatricHospital成人発症Still病(adult-onsetStill’sdisease:AOSD)に両眼性の虹彩毛様体炎を合併した症例を経験した.症例は65歳女性で,頭部の違和感,発熱を呈し,近医を受診した.感染症と診断され,種々の抗生剤を使用するも症状の改善を認めず,膠原病などが疑われた.眼科的自覚症状はなかったが,眼科受診時両眼に非肉芽腫性の虹彩毛様体炎を認め,ステロイドの点眼を使用したが炎症の改善はみられなかった.その後,AOSDと診断され,prednisolone(PSL)の内服を開始したところ,両眼虹彩毛様体炎が改善し,間欠熱,関節痛およびリンパ節腫脹などの全身症状も改善した.現在,徐々にPSL内服量を漸減中であるが,虹彩毛様体炎や全身症状の再燃は認めず良好に経過している.AOSDの眼合併症は,自覚症状が乏しく,見逃されてしまう可能性がある.また炎症が後眼部に生じ,長期化すると視力低下に至る例も報告されており,AOSDと診断された場合に眼科を受診することと,ステロイドの内服が推奨されると考える.Wereportacaseofadult-onsetStill’sdisease(AOSD)withbilateraliridocyclitis.Thepatient,a65-year-oldfemalewhovisitedalocalclinicforheaddiscomfortwithfever,wasdiagnosedwithinfectiousdiseasesandwasprescribedseveralantibiotics,butshowednoreliefofsymptoms;suchascollagendiseasewassuspected.Atourhospital,non-granulomatousiridocyclitiswasfound,withnoophthalmicsymptoms.Steroideyedropsdidnotimprovetheinflammation.WithdiagnosisofAOSD,oralprednisolone(PSL)wasinitiated,bilateraliridocyclitis,systemicsymptoms,lymphnodeswelling,intermittentfeverandjointpainimproved.WithgradualdecreaseintheamountoforalPSL,systematicsymptomsandiridocyclitishavenotrecurredthusfar.TheeyecomplicationsofAOSDwouldhavebeenoverlookedbypoorsymptoms.Visualdegradationhasbeenreportedinsomecasesoflong-terminflammationintheposteriorsegmentoftheeye.WhenAOSDisdiagnosed,ophthalmologistconsultationandoralsteroidprescriptionarerecommended.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)31(2):285.288,2014〕Keywords:成人発症Still病,眼合併症,虹彩毛様体炎,ステロイド治療,予後.adult-onsetStill’sdisease,ocularcomplications,iridocyclitis,steroidtherapy,prognosis.はじめに成人発症Still病(adult-onsetStill’sdisease:AOSD)は,1971年にBywatersらが報告して1)以来注目されるようになった疾患であり,若年性特発性関節炎(juvenileidiopathicarthritis:JIA)の一型であるStill病が16歳以上の成人に発症したものをいう.眼合併症を生じることは稀で,その報告は数例のみである.また報告例により臨床経過はさまざまであり,いずれも比較的眼症状は重症な症例が多い2.6).今回筆者らが経験したAOSDは,両眼性の虹彩毛様体炎を合併した症例であるが,過去の報告例と比較すると軽症であった.治療に関しては過去の報告と同様にステロイドの内服を必要とした.本報告はその臨床経過とステロイドの全身投薬の必要性について考察する.この報告に関しては対象に十分な説明を行い同意を得た.I症例患者:65歳,女性.主訴:頭痛,間欠熱.〔別刷請求先〕平野慎一郎:〒173-0015東京都板橋区栄町35番2号東京都健康長寿医療センター眼科Reprintrequests:ShinichiroHirano,DepartmentofOphthalmology,TokyoMetropolitanGeriatricHospital,35-2Sakaecho,ItabashikuTokyo173-0015,JAPAN0910-1810/14/\100/頁/JCOPY(125)285 表1内科入院時血液所見白血球13,110/μl↑(4,000.8,000/μl)CRP21.84mg/dl↑(0.3mg/dl以下)フェリチン718ng/ml↑(10.80ng/ml)RF6.6IU/ml(20IU/ml以下)抗ds-DNAIgG抗体陰性抗SS-A抗体陰性抗SS-B抗体陰性PR-3ANCA陰性MPO-ANCA陰性既往歴:13歳:急性虫垂炎(虫垂切除術),64歳:2型糖尿病,腺腫性甲状腺腫,高脂血症.生活社会歴:ペット(猫)の飼育歴あり,海外渡航歴なし.家族歴:父:肺癌,兄:糖尿病,腎不全.現病歴:2012年6月6日頃より悪心,嘔吐,下痢が出現したため,6月8日に近医を受診した.感染性腸炎と診断され,ノルフロキサシン,アセトアミノフェン内服で,消化器症状は改善したが,頭部の違和感が出現した.その後側頭部優位の疼痛と頭重感が生じ,夕方から夜間にかけて38℃台の発熱が続き,種々の抗生剤を投与するも改善しないため,膠原病などの精査目的で6月26日に当院内科へ入院した.眼科的自覚症状は認めなかったが,側頭動脈炎などを疑われ7月3日眼科を受診した.初診時眼所見:矯正視力は右眼0.8(1.2×+0.5D(cyl.2.0DAx85°),左眼0.8(1.2×+1.25D(cyl.2.0DAx85°).眼圧は右眼12mmHg,左眼12mmHg.両眼の前房内にcell+が認められ,両眼虹彩毛様体炎がみられた.角膜裏面沈着物(KP)は認めず,両眼隅角および眼底に異常所見はみられなかった.両眼虹彩毛様体炎に対し,ベタメタゾン,フラジオマイシン合剤(リンデロンAR)点眼5回/日,モキシフロキサシン(ベガモックスR)点眼3回/日,トロピカミドとフェミレフリン塩酸塩の合剤(ミドリンPR)点眼1回/日を開始したが,炎症の改善はみられなかった.その後,発熱時にサーモンピンク色の皮疹が出現し,皮膚掻爬法で陽性で,フェリチンおよび白血球が上昇を認めたためAOSDの可能性が考えられた(表1).山口らの診断基準で,発熱,関節痛(顎関節),典型的皮疹,白血球増加の大症状4項目とリンパ節腫脹(頸部のリンパ節)の小症状1項目を満たし,AOSDと診断された7).7月13日より,prednisolone(PSL)25mg/dayの内服を開始し,間欠熱や頭痛,リンパ節腫脹などの全身症状も速やかに改善した.PSL内服開始1週間後に両眼虹彩毛様体炎も消失し,点眼薬をすべて中止した.8月15日,蛍光造影検査を行ったが,血管炎などの異常所見は認めなかった(図1).PSLは内服開始1カ月後より徐々に量を漸減し,現在6mg/dayを内服しているが,PSLの漸減中に虹彩毛様体炎286あたらしい眼科Vol.31,No.2,2014ab図12012年8月15日(眼科初診49日後)の蛍光眼底造影検査本症例の眼症状は軽症であるため,他の報告例で報告されているような乳頭浮腫,血管炎などの異常所見はみられない.a:右眼,b:左眼.や全身症状の再燃は認めていない(図2,3).II考按AOSDは,若年性特発性関節炎の全身発症型(Still病)か16歳以上の成人に発症したものである.わが国で以前まで若年性関節リウマチとよばれていたものは,現在ではJIAとよばれ,「16歳未満で発症した慢性特発性関節炎の総称」と定義される.JIAには,多関節型,少数関節型,全身型とよばれる3病型があり,多関節型は関節リウマチ(RA)と同じように慢性多発性関節炎をきたし,少数関節型は4カ所までの関節炎症にとどまる.全身型(Still病)は関節痛を伴うものの関節炎の程度は軽く,著明な発熱や一過性のサーモンピンクの皮疹,リンパ節腫脹や脾腫,心外膜炎などの臨床所見を特徴とする.JIAのぶどう膜炎の発症は1.6歳に多く,女児に多い.少関節型に多くみられ,少関節型の10.20%,リウマチ因子陰性例では5.10%に合併するとされる.リウマチ因子陽(126) abab図22013年4月19日の前眼部写真角膜後面沈着物,虹彩萎縮,瞳孔偏位などの虹彩炎,虹彩炎合併症を示す所見なく軽快した.a:右眼,b:左眼.性の多関節型,全身型ではぶどう膜炎の合併頻度は少なく,多関節型では約5%,全身型では通常発生しない.JIAのぶどう膜炎は,両眼性の非肉芽腫性の虹彩毛様体炎で,微細な角膜後面沈着物,前房に微塵な炎症細胞がみられ,線維素の析出や前房蓄膿がみられることもある.前房内のフレア値は高値を示すことが多く,虹彩後癒着は高度で全周にみられることが多い.また慢性化すると帯状角膜変性が生じ,隅角は周辺虹彩前癒着が全周性にみられることもある.硝子体にびまん性に微塵状の混濁が生じ,視神経乳頭炎がみられることもあり,これが長期化すると視神経乳頭上に新生血管が生じ,硝子体出血の原因になる.AOSDにぶどう膜炎が合併した症例は,国内,海外よりわずかに報告されているのみである.多田らの報告ではAOSDに合併した虹彩毛様体炎が肉芽腫性であったとしている一方,その他の報告では虹彩毛様体炎が肉芽腫性,非肉芽腫性のどちらであったかについて記載されていない2.6).AOSDに合併したぶどう膜炎で後眼部に異常を認めた症例では,視神経乳頭浮腫,網膜血管炎が共通して認められていた2.6).(127)白血球(×100)CRP(mg/dl)フェリチン(ng×10)体温(度)PSL(mg)160)(PSL内服開始34.53535.53636.53737.538020406080100120140白血球(×100)体温フェリチン(×10)CRP6月7月8月9月11月1月4月26日12日10日27日8日10日4日虹彩毛様体炎虹彩毛様体炎消失図3治療経過(2012年6月.2013年4月)AOSDが重症化すると,サイトカイン〔特にTNF(腫瘍壊死因子)-a〕が高値になり,マクロファージが異常活性化し,マクロファージ活性化症候群(macrophageactivationsyndrome)とよばれる病態を呈する8).多田らの報告では,AOSDに合併した肉芽腫性虹彩毛様体炎の角膜後面沈着物でマクロファージ系の炎症細胞の集簇を認め,PSL内服を行ったが治療に難渋したとされており,基礎にあるAOSDの重症度によって,合併する虹彩毛様体炎の病態が変化する可能性が推測される2).筆者らが経験した症例では,AOSDに両眼の非肉芽腫性虹彩毛様体炎を合併し,前房内所見は比較的乏しく,豚脂様角膜後面沈着物や虹彩後癒着などは認めず,後眼部も明らかな異常はみられなかった.内科でAOSDと確定診断される前に,虹彩毛様体炎に対してステロイドを含む点眼治療を行ったが,炎症の改善はみられず,AOSDの確定診断後PSLの内服で,両眼とも虹彩毛様体炎の改善を認めた.ステロイド点眼で前眼部炎症が改善せず,ステロイドの内服で炎症が改善するという経過は,他の報告と類似している2.6).これはAOSDの発症や症状の増悪にサイトカインが関与しているため,ステロイドの局所投与より全身投与を行ったほうが効果は高いと推測される.日本人におけるAOSDは,マクロファージ活性化症候群などの重篤な場合を除き,全般的に予後は良好で,後遺症を残すことは稀である9).しかしAOSDに併発した虹彩毛様体炎で,ステロイド内服を中止した後に再燃した例が報告されている2).そのため慎重にステロイド内服を漸減し虹彩毛様体炎の再燃に注意しながら経過観察する必要がある.本症例あたらしい眼科Vol.31,No.2,2014287 ではPSLの漸減中に虹彩毛様体炎の再燃は認めなかった.AOSDの眼合併症の発症機序はいまだ解明されていない.自覚症状に乏しい場合があり,後眼部に炎症が生じた場合や,ステロイド漸減中の炎症の再燃などで炎症が長期化すると視力低下に至る可能性があるため,AOSD患者の診断の際に眼科を受診することが推奨され,本例のような軽微な虹彩毛様体炎がみられた際にもステロイド点眼で軽快しなければ,ステロイドの全身内服が考慮されるべきと判断された.文献1)BywatersEGL:Still’sdiseaseintheadult.AnnRheumDis30:121-133,19712)JiangW,TangL,DuanXetal:Acaseofuveitisinadult-onsetStill’sdiseasewithophthalomologicsymptoms.RheumatolInt:2351-2357,20113)多田花代,川野庸一,園田康平ほか:成人発症Still病に両眼性ぶどう膜炎を合併した1例.眼紀54:447-451,20034)南場研一,津田久仁子,大西勝憲ほか:成人発症Still病に虹彩毛様体炎,乳頭浮腫,網膜血管炎が合併した1例.臨眼50:1687-1690,19965)野田聡美,池田史子,岸章治:乳頭浮腫と虹彩毛様体炎を合併した成人発症Still病の1例.臨眼65:1305-1308,20116)窪田光男,森岡美穂,浜田陽ほか:成人発症Still病に網膜中心静脈閉塞症型の乳頭血管炎を合併した1症例.眼臨94:1429-1431,20007)YamaguchiM,OhtaA,TsunematsuTetal:PreliminarycriteriaforclassificationofadultStill’sdisease.JRheumatol19:424-430,19928)StephanJL,ZellerJ,HubertPetal:Macrophageactivationsyndromeandrheumaticdiseaseinchildhood:areportoffournewcases.ClinExpRheumatol11:451456,19939)OhtaA,YamaguchiM,TsunematsuTetal:AdultStill’sdisease:amulticentersurveyofJapanesepatients.JRheumatol17:1058-1063,1990***288あたらしい眼科Vol.31,No.2,2014(128)

山名眼科医院開院時から20年以上継続して受診している糖尿病患者の網膜症進行と視力障害の原因

2013年10月31日 木曜日

山名眼科医院開院時から20年以上継続して受診している糖尿病患者の網膜症進行と視力障害の原因山名泰生*1松尾雅子*1髙嶋雄二*1合屋慶太*2*1山名眼科医院*2こやのせ眼科クリニックDiabeticRetinopathy:Long-TermFollow-upofVisionLossandVisualAcuityYasuoYamana1),MasakoMatsuo1),YujiTakashima1)andKeitaGoya2)1)YamanaEyeClinic,2)KoyanoseEyeClinic山名眼科医院は1987年7月に開院して2007年で20周年を迎えた.この間の糖尿病患者の受診状況について,また2010年まで継続受診している糖尿病患者88名の網膜症と視力の変化や進行悪化の原因について調査した.開院時は総外来患者数6,824名に対して糖尿病患者数342名で糖尿病患者の割合は5%,2010年の総外来患者数は11,475名で糖尿病患者は1,783名,糖尿病患者の割合15.5%であった.20年間に糖尿病患者は増加したが,有網膜症は減少し,初診患者の増殖網膜症の比率は有意(p<0.001)に減少していた.20年以上経過観察できた88症例のうち単純網膜症からの寛解が1割にみられた.網膜症の進行は5割で,そのうち重症網膜症への進行は4割であった.視力0.6以下に低下した症例は2割であった.そのうち糖尿病網膜症による視力障害は5割であった.網膜症進行原因は,受診中断と血糖コントロール不良であった.無網膜症の6割は経年的に進行し,増殖前網膜症では5年以内に増殖網膜症に進行していた.網膜光凝固や硝子体手術の進歩により,重症網膜症患者も長期にわたり視力を保持できるようになった.Aim:Toreportindetailthelong-termfollow-up(over20years)ofvisionlossandvisualacuityindiabeticretinopathy.Subjects:Subjectswere88patientsexaminedattheYamanaEyeClinic,Fukuoka,Japancontinuouslyformorethan20years,fromJuly1987toDecember2010.Results:Ofallpatientsseenattheoutpatientclinicfrom1987to1988,atotalof5%presentedwithdiabetes;thisnumberincreasedto15%by2010.Thenumberofpatientswithretinopathydecreased,whilethenumberofnewpatientswithproliferativeretinopathydecreasedsigni.cantly(p<0.001).Atotalof10%achievedfullremissionfromsimpleretinopathy;another50%showedprogressionofretinopathy.Ofthe50%,atotalof40%progressedtosevereretinopathy.About20%showeddecreaseinvisualacuitybelow20/32;halfofthoseinvolvedvisuallossduetodiabeticretinopathy.Throughreti-nalphotocoagulationandvitreoussurgery,patientswithsevererretinopathywereabletosustainvisualacuityoverthelongterm.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)30(10):1451.1455,2013〕Keywords:糖尿病網膜症,長期経過観察,予後,視力障害,糖尿病網膜症の有病率.diabeticretinopathy,long-termfollow-up,prognosis,visualloss,prevalenceofdiabeticretinopathy.はじめにわが国での糖尿病患者数は開院時1987年と比較して著しく増加している.しかし,久山町研究では増殖前網膜症や増殖網膜症に進行した網膜症の比率は減少していると報告1)され,筆者も身体障害1級の糖尿病網膜症の発症は減少していることを全国臨床糖尿病医会(以下,全臨糖)の調査結果として報告した2).山名眼科医院(以下,当院)は1987年7月に開院して2007年で20周年を迎えた.開院時に眼鏡処方を希望してきた患者で,両眼に硝子体出血を伴う糖尿病増殖網膜症のため視力障害をきたした患者が受診してきた.この患者は,これまでに眼科を受診したことがなかった.この症例を経験して,糖尿病患者教育と地域での糖尿病診療連携の構築の重要性を認識して,この2つのことを目標に掲げ診療してき〔別刷請求先〕山名泰生:〒809-0022福岡県中間市鍋山町13-5山名眼科医院Reprintrequests:YasuoYamana,M.D.,Ph.D.,YamanaEyeClinic,13-5Nabeyama-machi,Nakama,Fukuoka809-0022,JAPAN0910-1810/13/\100/頁/JCOPY(107)1451I目的開院時(1987年7月から1988年)(以下,開院時)から1990年に初診して,2010年まで20年以上受診している糖尿病患者の網膜症・視力・眼治療法・視力低下原因・ヘモグロビン(Hb)A1C〔以下,HbA1CはNGSP値(国際標準値)で表記〕・内科治療法の変遷や当院での開院時と20年後の糖尿病患者の患者数や新患数,再来受診状況,受診患者の網膜症病期などの変化と網膜光凝固や硝子体手術などの手術治療の長期有用性を明らかにする.II対象および方法開院時に受診した患者6,824名のうち初診糖尿病患者342名のなかで,22.23年間継続受診糖尿病患者32名.1989年に受診した患者6,947名のうち初診糖尿病患者438名のなかで,21年間継続受診糖尿病患者33名.1990年に受診した患者7,452名のうち初診糖尿病患者579名のなかで,20年間継続受診糖尿病患者23名.この3年半の総受診患者21,223名のうち初診糖尿病患者1,372名のなかで,20年以上継続受診糖尿病患者合計88名を対象にカルテより調査した.III結果1.糖尿病患者の外来受診状況について開院時と2010年の糖尿病患者に占める糖尿病網膜症の有病率については,開院時は糖尿病患者342名(684眼)に対して網膜症のある眼数は684眼中270眼(39%),2010年は糖尿病患者1,783名(3,566眼)に対して網膜症のある眼数は3,566眼中1,841眼(52%)と網膜症の有病率は増加していた.開院時,1997年と2011年の初診糖尿病患者の網膜症病期の変化を比較すると,無網膜症の患者は,開院時414眼(61%),10年後の1997年355眼(65%),24年後の2011年は204眼(73%)と初診時の無網膜症の比率は増加し,有網膜症は各病期とも比率は減少していた(表1).2.20年以上継続受診糖尿病患者について20年以上継続受診糖尿病患者88名の初診時と2010年の糖尿病治療法の変化については,食事療法のみが20%から3%に減少し,インスリン治療が7%から41%に増加した.経口剤は31%から38%とあまり変化はみられなかった.初診時と2010年の血糖コントロールの変化を初診時と現在のHbA1Cを用いて日本糖尿病学会の優良不可分類で表した.優(6.2%未満)が11%から6%,不可(8.4%以上)が62%から16%に減少し,良(6.2.6.8%)が3%から24%,不十分(6.9.7.3%)が5%から20%,不良(7.4.8.3%)が19%から34%に増加した.初診時と2010年の網膜症病期の推移については,20年以上継続受診糖尿病患者の全176眼のうち,無網膜症は98眼(56%)から44眼(25%)と半分に減少し,単純網膜症も48眼(27%)から36眼(21%)とやや減少した.増殖前網膜症は22眼(12%)から60眼(34%)と3倍近く増加し,また増殖網膜症は8眼(5%)から36眼(20%)と4倍に増加し表1糖尿病患者の初診時の網膜症病期別分類糖原病患者数無網膜症(眼)単純網膜症(眼)増殖前網膜症(眼)増殖網膜症(眼)開院時342名414(61%)140(20%)58(8%)72(11%)1997年259名335(65%)110(21%)42(8%)31(6%)2011年139名204(73%)47(17%)19(7%)8(3%)無網膜症比率は開院時から10年後の1997年には増加し,23年後の2011年にはさらに増加していた.反対に有網膜症は各病期とも比率は減少していた.特に増殖網膜症は有意に減少していた(p<0.001,c2独立性の検定m×n分割表).表220年以上継続受診糖尿病患者88名(176眼)の初診時と2010年の網膜症病期の変化2010年の網膜症病期無網膜症単純網膜症増殖前網膜症増殖網膜症初診時の網膜症病期無網膜症(98眼)39眼(40%)21眼(21%)22眼(22%)16眼(16%)単純網膜症(46眼)5眼(11%)12眼(26%)19眼(41%)10眼(22%)増殖前網膜症(24眼)0眼0眼22眼(92%)2眼(8%)増殖網膜症(8眼)0眼0眼0眼8眼(100%)20年経過して無網膜症は約半数に減少し,単純網膜症もやや減少した.増殖前と増殖網膜症は増加した.1452あたらしい眼科Vol.30,No.10,2013(108)初診時と2010年の網膜症病期の変化は,初診時無網膜症98眼のうち,単純,増殖前,増殖網膜症に進行したのは約2割ずつで,合計6割が有網膜症に進行した.単純網膜症48眼のうち,1割が無網膜症に軽快したものの,4割が増殖前網膜症に,2割が増殖網膜症に進行していた.増殖前網膜症22眼のうち,1割弱が増殖網膜症に進行した(表2).初診時よりも網膜症が進行した90眼の進行原因は,一時的な受診中断55眼(61%),血糖コントロール不良29眼(32%),急激なコントロールのため2眼(2%),その他が4眼(5%)であった.網膜光凝固が施行された眼数は,単純網膜症が2眼(1%),増殖前網膜症が59眼(34%),増殖網膜症36眼(20%)の合計97眼(55%)であった(表3).光凝固を施行した単純網膜症の2眼は,糖尿病黄斑症を発症していた.硝子体手術が施行された眼数は,176眼のうち11眼(6%)であった.硝子体手術が施行された11眼のうち,単純網膜表320年以上継続受診糖尿病患者88名(176眼)の眼科治療:網膜光凝固の有無無網膜症単純網膜症増殖前網膜症増殖網膜症光凝固施行0眼2眼(1%)59眼(34%)36眼(20%)光凝固なし44眼(25%)34眼(19%)1眼(1%)0眼網膜光凝固は97眼に施行されたが,半数弱は未施行であった.単純網膜症2眼は,糖尿病黄斑症に対して局所光凝固が施行されていた.症が1眼(9%),増殖前網膜症が3眼(27%),増殖網膜症が7眼(64%)であった.単純網膜症1眼および増殖前網膜症3眼は,糖尿病黄斑症に対して硝子体手術が施行されていた.白内障手術の施行の有無に関しては,64%(112眼)が片眼もしくは両眼に手術を施行していた.36%(64眼)が白内障手術を経験しておらず,その理由として視力良好(41眼,64%),白内障なし(14眼,22%),調査後に手術施行,手術希望なしなどがあった.2010年の視力不良の割合は,初診時からすでに視力不良が21眼(12%),初診時より視力低下が37眼(21%),視力安定(変化なし)が118眼(67%)であった.初診から2010年までの間で視力低下した37眼の視力低下の原因として,網膜症の悪化(4眼,11%),糖尿病黄斑症・黄斑浮腫のため(14眼,38%),黄斑疾患(加齢黄斑変性など)のため(5眼,14%),白内障のため(5眼,14%),緑内障のため(7眼,19%),その他(網膜中心動脈閉塞症など)(2眼,5%)があげられる.白内障は糖尿病によるものと加齢によるものとは区別がつかなかった.初診時より視力が低下した37眼の初診時の網膜症病期は,無網膜症が18眼(49%),単純網膜症が12眼(32%),増殖前網膜症が4眼(11%),増殖網膜症が3眼(8%)であった.2010年には,初診時無網膜症から増殖網膜症に進行した患者が19%と最も多かった(表4).初診時よりも網膜症が進行した割合は,176眼のうち90表42010年現在視力不良37眼の初診時と現在の網膜症病期2010年の網膜症病期全体無網膜症単純網膜症増殖前網膜症増殖網膜症初診時の網膜症病期無網膜症18眼(49%)4眼(11%)3眼(8%)7眼(19%)4眼(11%)単純網膜症12眼(32%)0眼3眼(8%)4眼(11%)5眼(14%)増殖前網膜症4眼(11%)0眼0眼4眼(11%)0眼増殖網膜症3眼(8%)0眼0眼0眼3眼(8%)2010年視力不良である眼の割合は,初診時に無網膜症で2010年に増殖前網膜症に進行した眼が最も高かった.表5初診時より網膜症の病状が進行した90眼(全体の51%)の網膜症の病状が安定した時期全体NDR→SDRNDR→PPDRNDR→PDRSDR→PPDRSDR→PDRPPDR→PDR1年.5年12眼(13%)1眼(1%)1眼(1%)05眼(6%)3眼(3%)2眼(2%)6年.10年21眼(23%)5眼(6%)04眼(4%)9眼(10%)3眼(3%)011年.15年15眼(17%)4眼(4%)6眼(7%)3眼(3%)1眼(1%)1眼(1%)016年以上42眼(47%)10眼(11%)15眼(17%)9眼(10%)5眼(6%)3眼(3%)0NDR:無網膜症,SDR:単純網膜症,PPDR:増殖前網膜症,PDR:増殖網膜症.初診時よりも網膜症が進行した90眼の網膜症が安定した時期を5年ごとに眼数で示す.無網膜症から単純網膜症へは年数につれて徐々に進行比率は高くなっており,無網膜症から増殖前網膜症と増殖網膜症へは10年経ってから進行比率が高くなっている.増殖前網膜症から増殖網膜症への進行は5年以内に起こっていた.(109)あたらしい眼科Vol.30,No.10,20131453初診時に無網膜症で2010年の視力が1.0以上の割合が最も高か初診時の網膜症病期無網膜症単純網膜症増殖前網膜症増殖網膜症2010年視力0.1未満2眼(1%)2眼(1%)2眼(1%)2眼(1%)0.1.0.63眼(2%)4眼(2%)7眼(4%)2眼(1%)0.7.1.014眼(8%)13眼(7%)10眼(6%)0眼1.0以上79眼(45%)27眼(15%)5眼(6%)4眼(2%)2010年の網膜症病期無網膜症単純網膜症増殖前網膜症増殖網膜症2010年視力0.1未満2眼(1%)2眼(1%)11眼(6%)5眼(3%)0.1.0.65眼(3%)3眼(2%)16眼(9%)12眼(7%)0.7.1.018眼(10%)17眼(10%)22眼(13%)12眼(7%)1.0以上19眼(11%)12眼(7%)13眼(7%)7眼(4%)った.各病期で視力不良と視力良好の割合をみると,増殖網膜症以外の各病期では視力良好の割合が高いことがわかる.眼(51%)であった.初診時より網膜症が進行した原因として,一時的な受診中断が61%(55眼),血糖コントロール不良が31%(29眼),急激なコントロールのため2%(2眼),その他が5%(4眼)であった.初診時より網膜症が進行した90眼の網膜症の病状が安定した時期は,1.5年で安定が12眼(13%),6.10年で安定が21眼(23%),11.15年で安定が15眼(17%)で,16年以上で安定が42眼(47%)と最も割合が多かった.各網膜症病期が安定した時期を表5に示した.新しい出血,白斑,浮腫などの出現が半年以上みられないことを網膜症の病状が安定した時期とする.2010年の視力と初診時の網膜症病期は,2010年の視力が1.0以上の患者は,初診時に無網膜症が45%と多く,ついで単純網膜症が15%と多かった.視力1.0以上についで0.7.1.0未満が多くなっていて網膜症による差はなかった(表6).2010年の視力と網膜症は,0.7.1.0未満が比較的に多く,ついで1.0以上,0.1.0.6以下,0.1未満であり,視力良好では無網膜症が多く,進行した網膜症の比率は少なかった.視力が不良になるにつれて,網膜症病期は進行していたが大きな差ではなかった(表7).IV考察1.糖尿病患者の外来受診状況について網膜症は経年的に進行することが知られており,糖尿病網膜症の有病率は,一般的に20.30%と報告されている7).当院受診糖尿病患者でも開院時での網膜症有病率は39%であったが,2010年は54%と増加していた.久山町研究では重症網膜症は減少していると報告されている1)が,当院でも初診時の糖尿病患者に限ると開院時と2011年の網膜症病期別比率では無網膜症が増加しており,特に増殖網膜症は減少傾向であった(p<0.001)(表1).1,372名の糖尿病患者のうち20年以上当院を受診している患者は88名,継続受診率は6.4%であった.継続受診できた患者の比率は高くないが20年という期間と初診時の年2010年の視力と網膜症病期においては,無網膜症と単純網膜症では,視力不良の眼数に比べると視力良好が約5倍多いが,増殖前網膜症と増殖網膜症では,視力良好と視力不良の眼数はあまり差がなかった.齢,高齢化に伴う家庭的な事情など同一医療機関を受診できる患者は多くないと考えられる.実際に受診中断者に対する調査では連絡のつかない患者や,死亡,施設入所などで受診できない患者も多い8).2.20年以上継続受診糖尿病患者について内科的な治療状況について,血糖コントロールの指標であるHbA1Cが優と不可が減少し,ほどほどのコントロールに変化していた.食事療法のみの患者が減少して経口血糖降下剤やインスリン注射に移行し,経口剤はインスリンに移行した症例と差し引きでみかけ上は変化がなかった.罹病年数が長くなるにつれてインスリン注射の症例が増加していた.網膜症について,無網膜症は半数に減少し,増殖前網膜症と増殖網膜症は増加した.特に増殖前網膜症が3割に増加していた.一方,単純網膜症の1割は無網膜症になっていた.増殖前網膜症から増殖網膜症への進行は1割のみであった.病期が進行したのは約半数であった(表2).増殖前網膜症が増加しているにもかかわらず増殖網膜症への進行が少ない理由としては網膜光凝固により増殖網膜症への進行が防止されたからであると推測される.網膜症進行の時期は表5に示すように無網膜症からは経年ごとに進行がみられたが,増殖前網膜症から増殖網膜症へは5年以内に進行していたことは,眼科初診時に網膜症がすでに進行していたことと血糖コントロール不良が多いこととを合わせて病期が急速に進行した可能性が高いことを示している.初診時よりも網膜症が進行した原因として多いのは,一時的な受診中断であった.内科受診の中断は中石らによる全臨糖での調査結果では22%と報告され9),眼科では船津らによると病院受診患者では約20%,診療所受診患者では約45%とされ10),当院での受診中断も最近でも2割前後となっており3)糖尿病診療にとって受診中断防止は重要な問題である.視力について,本稿では矯正視力が0.7未満を視力不良とした.当院初診後に視力障害を起こしたのは2割しかなく,1454あたらしい眼科Vol.30,No.10,2013(110)約7割は視力が0.7以上で良好であった.2010年の矯正視力1.0以上の症例での初診時網膜症は無網膜症が半数弱と多かった(表6)が,現在の視力が良好であった群では網膜症病期による差はなくなり(表7),網膜症は進行しても光凝固や硝子体手術などの眼科的治療により長期にわたり視力を保持できるようになったということであると推定される.網膜光凝固は約半数に施行されていたが,20年の長期にわたっても半数は光凝固未施行のままですむ症例も多いことがわかった.開院時に光凝固をしていない患者85名のうちHbA1C値が確認できた患者37名のHbA1Cの平均値は9.1%であった.2010年に光凝固をしていない患者38名のうちHbA1C値が確認できた患者31名のHbA1C平均値は6.9%であった.糖尿病黄斑症に対しての光凝固は単純網膜症,増殖前網膜症,増殖網膜症に施行し(表3),硝子体手術は全体の1割弱に施行され,そのうちの6割は増殖網膜症で残りの4割は糖尿病黄斑症に対して施行されていた.白内障手術は約6割に施行されていたが,約3割はまだ手術の適応がなく,1割は調査時点で手術予定であった症例と手術希望がなかった症例であった.2010年に視力不良である37眼では初診時無網膜症から2010年に増殖網膜症に進行した症例での比率が高かった(表4).結果の項でも示したように,長期間になると加齢により発症する疾患も多くなり,視力低下は糖尿病網膜症のみではなくさまざまな疾患によることも明らかになった.糖尿病に関連する疾患については,毎回の診療時に眼科所見のみでなく糖尿病連携手帳で血糖コントロールや血圧などの全身状態を確認して患者にコメントすることも必要である.加齢黄斑変性症のように糖尿病とは無関係の眼科特有の疾患が発症してくることも念頭に置いて網膜のみならず前眼部,あるいは黄斑部や視神経乳頭の陥凹などにも注意して毎回の診療を行っていくことで上記の疾患に早期対応ができるように心がけていくことが重要である.利益相反:利益相反公表基準に該当なし文献1)安田美穂:糖尿病網膜症一次予防のエビデンス─久山町研究から─.あたらしい眼科24:1287-1290,20072)山名泰生,三木英司,清水昇ほか:糖尿病による視覚障害─全国臨床糖尿病医会施設における実態調査─.糖尿病50:365-372,20073)山名泰生,麻生宣則,板家佳子ほか:糖尿病診療連携の構築─内科と眼科,かかりつけ医と専門医.日本糖尿病眼学会誌16:26-30,20114)山名泰生:糖尿病眼合併症対策の努力チーム医療の重要性眼科の立場から.日本糖尿病眼学会誌3:43-46,19985)山名泰生,松尾雅子,纐纈有子ほか:眼科医院での糖尿病患者の網膜症─現状および対策とこれからの糖尿病診療.DiabetesJ36:162-166,20086)山名泰生,赤司朋之,麻生宣則ほか:福岡県における糖尿病診療連携と山名眼科医院における糖尿病診療.DiabetesHorizons─PracticeandProgress─2:1-6,20137)船津英陽,須藤史子,堀貞夫ほか:糖尿病眼合併症の有病率と全身因子.日眼会誌97:947-1954,19938)山名泰生,松尾雅子,纐纈有子ほか:糖尿病治療中断による危険な病態.眼科医の視点から..PRACTICE24:167-173,20079)中石滋雄,大橋博,栗林信一ほか:糖尿病治療中断者の実態調査.PRACTICE24:162-166,200710)船津英陽:医療連携による糖尿病放置・中断対策.眼紀55:10-13,2004***(111)あたらしい眼科Vol.30,No.10,20131455