———————————————————————-Page1あたらしい眼科Vol.24,No.4,2007???私が思うこと●シリーズ④(75)交流テーマがフリーという本コーナーにおいて,何について書こうか悩みましたが,最近私が心がけていることがあるのでそれについてお話ししようと思います.それはさまざまな領域の方や年齢の異なる方との交流です.学生時代から,いろんなものに興味をもち,とりあえず自分が面白いと思うものはすべて,トライしていました.貧乏海外旅行,山登り,バレーボール,バイトなど.そのなかで,大変貴重な経験をしたと思っています.医師になってからも,なるべく「交流」するところまでいけません.しようとがんばっていましたが,しかし,勤務の忙しさなどからなかなか実行するところまでいけません.現在,地方在住の私にとって,交流しようと思っても,ある程度地理的条件により制限される場合が多いのが実際です.眼科のなかの「交流」はなおさらで,学会や研究会でしか他の大学の先生と話すことができないのが現状で,気軽に話し合う場がないかなあと日ごろから思っていました.YOBCの立ち上げそんなことを考えているときに,2つの大きなチャンスを得ることができました.まず,とある学会で,京都府立医科大学の小嶋健太郎先生,奥村直毅先生とお話しする機会があり,「大学間の壁を越えて,気軽にディスカッションできる場があったらいいねえ.」と意気投合するようになりました.そこで,若い先生(どこまでを若いとするかの定義は曖昧で,若いと自分自身で思っている先生)を中心に,ある議題について気軽に討論しあう会を作ろうと言う話になりました.そこで,「若手によるボーダレスな検討会」すなわちYOBC(YoungOphthalmologists?BorderlessConference)を立ち上げました.特に決まりは作らず,前向きに討論をするというものです.MVC-onlineへの登録同時期に,もう一つ私にとっては大きな出会いがありました.それは,大学時代の部活(ワンダーフォーゲル部に所属していました)の先輩から,「面白い医療人のネットサークルがあるから,登録しない?」と言うものでした.当時,m3やmixiなどのサイトの存在は知っていましたが,ネットで意見を開示するということに若干の抵抗がありました.しかしながら,せっかくの機会なので,紹介していただいたサイトに登録することになりました.それは特定非営利活動法人「MVCメディカルベンチャー会議」という医療実務の研究会(http://blog.goo.ne.jp/med-venture)が運営する診療科・所属を越え0910-1810/07/\100/頁/JCLS鈴木崇(??????????????)鷹の子病院眼科1974年愛媛県生まれ.愛媛大学医学部附属病院,市立宇和島病院を経て,現在,愛媛県松山市の鷹の子病院に勤務.専門は眼感染症領域全般で,バイキンと戦う日々を過ごしている.「度胸」でなく「愛嬌」を重視し,人と話をするのが大好きである.趣味は山歩き.最近,替え歌作りにも興味をもち,師匠である愛媛大学大橋裕一教授に手ほどきを受けている.(鈴木)Borderlessな交流を目指して図1MVC-onlineのホームページ———————————————————————-Page2???あたらしい眼科Vol.24,No.4,2007た,医療人限定,招待制の電子会議室(MVC-online)です(図1).MVC-onlineのモットーはFree,Friendly,Fair,Fine,Flatで,この5つのFは医師・歯科医師なら出身大学を問わず自由に参加でき(Free),友好的で(Friendly),実名で誹謗中傷なく(Fair),明るく建設的な議論をし(Fine),極力上下関係を作らない(Flat),という原則を表しています.この原則に非常に心打たれ,すぐにこの会議室を利用することにしました.このMVC-onlineはソーシャルネットワーキングサービス(SNS)という形式で運営されており,日記に加えて,意見を交換できるコミュニティーが存在し,学術はもちろんのこと,法律関係や趣味などさまざまな話題について,知識を共有できるというものです.このサイトは実名登録を原則としており,他のサイトでみられるような誹謗中傷が皆無で,純粋に知識交流を深めるという点においても気軽に参加しやすいと思いました.管理責任者は京都大学医学部眼科の武蔵国弘先生で,このサイトの登録後は,何度かメールで意見交換をさせていただきました.武蔵先生の「電子会議室が人的・知的交流を深め,誰もが予想しなかった出会いやアイデアが創出される」というお考えにとても共感しました.そこで,このサイトと連動し,YOBCの連絡や意見交換をすることにしました.ネットを用いるため,地理的制限に関係なく,多くの知識をリアルタイムに共有できる,幅広い「交流」が可能になりました.たとえば,愛媛と京都の間で,症例検討が可能になり,多くの眼科医の意見を聞くことができたのは,日常診療において大きな希望と励みになりました.第1回YOBC討論会の開催MVC-onlineに連動しながら,YOBCを運営し,ついに臨床眼科学会の開催に合わせて,10月6日に第1回のYOBC討論会を開くことができました(図2).参加者は約13人と決して多い人数ではないものの,さまざまな大学から参加していただき,第1回のテーマである「眼科領域の抗菌薬」に関して,日ごろ診療で感じている疑問などをぶつけ合いました.学会や研究会で得られにくい,Flatな討論が可能で楽しい時間を共有できました.討論会の後は,懇親会を開き,大いに「交流」したことは言うまでもありません.まったく違う環境で教育を受けていたこともあり,器具や道具の呼び方,カルテの記載など大学医局によって違いがあることにも驚きました.また,このとき,武蔵先生とはじめてお会いしたのですが,MVC-onlineでやりとりしていたこともあり,長い間付き合っている仲間のように感じ,それだけネットが「交流」のツールとして十分活用できていると思いました.私にとって,YOBCとMVC-onlineを通して,たくさんの「交流」をもてたことは大きな財産です.医療人はどうしても「知識を守ること」を重視しがちですが,ネットが普及し,素早い意見交換が可能になった今日,「知識を共有すること」もこれから重要になってくると思われます.今後も「交流」をどんどん進めていきたいと思います.YOBC・MVC-onlineに興味のある方は,私(suzuki@ehime-u.ac.jp)もしくはNPO法人MVCメディカルベンチャー会議代表理事の武蔵国弘先生(med-venture@goo.jp)にご連絡ください.MVC-onlineへの招待メールを送ります.そこには「交流」の場が待っていると思います.鈴木崇(すずき・たかし)1974年生まれ1999年愛媛大学医学部卒業,眼科学教室入局2002年岐阜大学大学院病原体制御学2004年愛媛大学医学部眼科学教室2006年市立宇和島病院2007年鷹の子病院(76)図2第1回YOBC討論会の集合写真