———————————————————————-Page1あたらしい眼科Vol.24,No.3,2007???0910-1810/07/\100/頁/JCLS●単一遺伝子による原発開放隅角緑内障(POAG)これまで約20のPOAG原因遺伝子座位が報告1)されている(表1).これら遺伝子座位より,3つの原因遺伝子,myocilin(????)2),optineurin(????)3),WD40-repeat36(?????)4)が同定されている.POAGのなかで単一遺伝子により発症する症例の頻度は多くないものと推定されるが,今後解析の進行に伴い,これら遺伝子座位より新たな原因遺伝子が同定されていくものと思われる.●多因子遺伝によるPOAGPOAG症例の多くは,単一遺伝子というよりむしろ複数の感受性遺伝子の関与により発症しているものと考えられる.これまでopticatrophy1(????)5)やtumorprotein53(???)6)など,約20のPOAG感受性遺伝子多型が報告1)されている(表2)が,その検索は不十分で(59)●連載?緑内障セミナー監修=東郁郎岩田和雄81.原発開放隅角緑内障感受性遺伝子間渕文彦山梨大学医学部眼科学講座緑内障発症,進行の原因として,高眼圧は重要な危険因子であるが,それ以外にも近視,加齢,篩状板の脆弱性による視神経の軸索輸送障害,免疫,循環障害や人種など,さまざまな要因が関与した多因子疾患と考えられている.これら要因のなかには家族歴も含まれており,遺伝要因もその発症に関与していると考えられる.緑内障のなかで最も頻度が高い広義原発開放隅角緑内障(POAG)には,1遺伝子(原因遺伝子)の変異により発症し,基本的に優性遺伝形式に従う単一遺伝子によるPOAGと,複数の遺伝子(感受性遺伝子:疾患を発症しやすくする遺伝子)の多型により発症し,原則的に優性遺伝形式に従わない多因子遺伝によるPOAGがあると考えられる.表1原発開放隅角緑内障発症に関与する遺伝子座位遺伝子座位遺伝子座原因遺伝子1q21-q31?????????2p14──2p16.3-p15?????─2cen-q13?????─2q33-q34──3p21-p22──3q21-q24?????─5q22.1??????????7q35-q36?????─8q23?????─9q22?????─10p12-p13──10p15-p14?????????14q11──14q21-q22──15q11-q13?????─17p13──17q25──19q12-q14──20p12?????─(文献1より改変)表2原発開放隅角緑内障感受性遺伝子の可能性が示唆される遺伝子遺伝子略名遺伝子名染色体上の位置?????AngiotensinIIreceptor,type2Xq22-q23????ApolipoproteinE19q13.2????Beta-adrenergicreceptors5q31-q32???????????Cyclin-dependentkinaseinhibitor1A6p21.2??????CytochromeP450,subfamilyI,polypeptide12p22-p21?-???E-cadherin16q22.1?????Endothelinreceptor,typeA4q31.2?????GlutathioneS-transferase,mu-11p13.3????Insulin-likegrowthfactorII11p15.5????Interleukin1-alpha2q14????Interleukin1-beta2q14?????Methylenetetrahydrofolatereductase1p36.3????NatriureticpeptideprecursorA1p36.2????Nitricoxidesynthase37q36????Oculomedin1q31.1????Opticatrophy13q28-q29????Paraoxonase17q21.3????Transporter,ATP-bindingcassette16p21.3???Tumornecrosisfactor6p21.3?????????Tumorprotein5317p13.1(文献1より改変)———————————————————————-Page2???あたらしい眼科Vol.24,No.3,2007あり,未知の感受性遺伝子が数多く存在していると推定される.また,これまでに報告されたPOAG感受性遺伝子のなかには人種差のあるもの,POAGへの関与を否定する遺伝子の報告も認められるため,多症例,多人種によるさらなる検討が望まれる.これら感受性遺伝子の検索により,POAGの発症,進行メカニズムが分子生物学的レベルでより明らかとなり,眼圧下降治療以外の新しい緑内障治療開発や,個々の症例の遺伝背景に合わせた治療の選択といったオーダーメイド医療を行うことも可能となるかもしれない.また,POAG感受性遺伝子のスクリーングチップを作製し利用することで,発症前診断や緑内障進行リスクの評価といった,早期発見,早期治療が重要と考えられている緑内障診療の一助となるなど,緑内障診断,治療を行ううえで有用な情報を提供できる可能性もあり,今後のさらなる検索が期待される.文献1)FanBJ,WangDY,LamDSetal:Genemappingforpri-maryopenangleglaucoma.????????????39:249-258,20062)StoneEM,FingertJH,AlwardWLetal:Identi?cationofagenethatcausesprimaryopenangleglaucoma.???????275:668-670,19973)RezaieT,ChildA,HitchingsRetal:Adult-onsetprimaryopen-angleglaucomacausedbymutationsinoptineurin.???????295:1077-1079,20024)MonemiS,SpaethG,DaSilvaAetal:Identi?cationofanoveladult-onsetprimaryopen-angleglaucoma(POAG)geneon5q22.1.?????????????14:725-733,20055)AungT,OcakaL,EbenezerNDetal:Amajormarkerfornormaltensionglaucoma:associationwithpolymor-phismsintheOPA1gene.?????????110:52-56,20026)LinHJ,ChenWC,TsaiFJetal:Distributionsofp53codon72polymorphisminprimaryopenangleglaucoma.???????????????86:767-770,2002(60)眼科学【監修】眞鍋禮三(大阪大学名誉教授)I.総論VIII.ぶどう膜XV.屈折・調節異常II.眼科診療室にてIX.水晶体XVI.光覚・色覚の異常III.眼瞼X.網膜硝子体XVII.全身疾患と眼IV.涙器(涙腺,涙道)XI.視路,瞳孔,眼球運動XVIII.眼のプライマリーケアV.結膜XII.眼窩XIX.眼治療学総論VI.角膜XIII.緑内障XX.付録VII.強膜XIV.斜視,弱視A.眼科略語集/B.眼科関連法律(法令)/C.リハビリテーション/D.主な眼科雑誌の紹介基礎と臨床との関連性を強く前面に打ち出し、単に眼科学の知識の羅列でなく、何故そうなるのかがわかる記載を心がけた。また、基礎編の記載でも必ず臨床を念頭においた書き方に努めることとした。教科書の内容になじまないトピックス的なものにも触れようと囲み記事として随所に配したが、勉強中の息抜きの読み物として楽しんでもらえれば幸いである。楽しみながら、そして考えながら「眼科学」を身につけることができる教科書として、広く親しまれることを願ってやまない次第である。(あとがきより)B5判2色刷り総674頁カラー写真・図・表多数収録定価23,100円(本体22,000円+税5%)メディカル葵出版〒113─0033東京都文京区本郷2─39─5片岡ビル5F振替00100─5─69315電話(03)3811─0544■内容内容■考える診療のために!あの名著が更にUp-To-Dateな情報を盛り込んで!待望の改訂版、登場!■疾患とその基礎■<改訂版>株式会社☆☆☆