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多施設による緑内障患者の実態調査2024 年度版 ─高齢患者と若年・中年患者

2025年12月31日 水曜日

多施設による緑内障患者の実態調査2024年度版─高齢患者と若年・中年患者井上賢治*1國松志保*2富田剛司*1,3石田恭子*31)井上眼科病院2)西葛西・井上眼科病院3)東邦大学医療センター大橋病院眼科Multi-InstitutionalSurveyofGlaucomaPatients2024:SeniorvsYoung,Middle-AgedPatientsKenjiInoue1),ShihoKunimatsu-Sanuki2),GojiTomita1,3)CandKyokoIshida3)1)InouyeEyeHospital,2)NishikasaiInouyeEyeHospital,3)DepartmentofOphthalmology,TohoUniversityOhashiMedicalCenterC目的:緑内障患者の実態調査から高齢患者と若年・中年患者の相違を検討する.対象および方法:本調査の趣旨に賛同したC82施設に,2024年C3月C10日.16日に外来受診した緑内障,高眼圧症患者C6,323例C6,323眼を対象とし,使用薬剤を調査した.65歳以上の高齢患者(4,223例)とC65歳未満の若年・中年患者(2,100例)に分けて病型,使用薬剤を比較した.さらに前回調査の結果と比較した.結果:両群ともに正常眼圧緑内障(NTG),原発開放隅角緑内障(POAG)が多かった.POAG,続発緑内障が高齢患者,NTG,PPGが若年・中年患者で多かった.使用薬剤数は高齢患者C1.9C±1.4剤が若年・中年患者C1.7C±1.3剤に比べて多かった.単剤例は両群ともにCFP作動薬が最多だった.EP2作動薬が若年・中年患者で多かった.2剤例は両群ともにCFP/Cb配合点眼薬が最多だった.前回調査より両群ともに単剤例はCFP作動薬が減少し,EP2作動薬が増加した.2剤例では両群ともにCFP/Cb配合点眼薬が増加し,CAI/Cb配合点眼薬が減少した.結論:高齢患者,若年・中年患者ともにCFP作動薬,FP/Cb配合点眼薬が多く使用されていたが,病型,使用薬剤の種類に違いがあった.前回調査より単剤例ではCEP2作動薬が,2剤例では配合点眼薬が増加した.CPurpose:ToCinvestigateCglaucomaCmedicationsCinCpatientsCfromCmultipleCinstitutionsCandCtheCdi.erenceCbetweenagegroups.SubjectsandMethods:Atotalof6,323patientsfrom82institutionswithglaucomaorocularhypertensionwereanalyzedforpatientcharacteristicsandmedicationuse,including4,223elderlypatientsaged65yearsCorColderCandC2,100Cyounger/middle-agedCpatientsClessCthanC65CyearsCold.CMedicationCuseCwasCcomparedCbetweenCtheCgroupsCandCwithCpreviousCstudies.CResults:ElderlyCpatientsCusedCmoremedications(1.9C±1.4)thanyounger/middle-agedpatients(1.7C±1.3)C.ProstaglandinF(FP)analogswerethemostfrequentlyusedmonothera-pyCinCbothCgroups,CwhileCE-prostanoidCsubtype2(EP2)agonistsCwereCmoreCcommonCinCyoungerCpatients.CFP/b.xedCcombinationsCwereCtheCtwoCmostCusedCmedications.CComparedCtoCpreviousCstudies,CFPCagonistsCdecreasedCwhileCEP2CagonistsCincreasedCinCmonotherapy.CFP/b.xedCcombinationsCincreased,CcarbonicCanhydraseCinhibitor(CAI)/Cb.xedCcombinationsCdecreasedCinCtwoCmedications.CConclusion:MedicationCpatternsCwereCalmostCsimilarCbetweenthegroups.FPanalogsandFP/b.xedcombinationswerethemedicationsmostcommonlyused.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)C42(12):1577.1583,C2025〕Keywords:緑内障,薬物治療,高齢患者,若年・中年患者,配合点眼薬.glaucoma,medication,elderpatients,youngerormiddleagedpatients,.xedcombinationeyedrops.CI緒言ある1).総人口は年々減少しているが,65歳以上の人口は現在のところ増加している.現在のC65歳以上の人口はC3,625日本の総人口はC2024年C9月C15日現在C1億C2,376万人で万人で,総人口に占める割合(高齢化率)はC29.3%である.〔別刷請求先〕井上賢治:〒101-0062東京都千代田区神田駿河台C4-3井上眼科病院Reprintrequests:KenjiInoue,M.D.,Ph.D.,InouyeEyeHospital,4-3Kanda-Surugadai,Chiyoda-kuTokyo,101-0062,JAPANC0910-1810/25/\100/頁/JCOPY(99)C1577ふじた眼科クリニックそが眼科クリニックサンアイ眼科苫小牧しみず眼科明大前西アイクリニックさいき眼科有楽町駅前眼科ほりかわ眼科久我山井の頭通り林眼科医院アイ・ローズクリニック広沢眼科のいり眼科クリニック飯田橋藤原眼科小滝橋西野眼科クリニック石井眼科クリニック中山眼科医院いなげ眼科やながわ眼科白金眼科クリニック眼科松原クリニックふかさく眼科高輪台眼科クリニックしらやま眼科クリニックたじま眼科・形成外科小川眼科診療所赤塚眼科はやし医院やなせ眼科もりちか眼科クリニック氷川台かたくら眼科母心堂平形眼科鈴木眼科えぎ眼科仙川クリニックヒルサイド眼科クリニック良田眼科西府ひかり眼科さいはく眼科クリニック駒込みつい眼科東小金井駅前眼科藤原眼科赤羽すずらん眼科後藤眼科ふじもと眼科クリニック菅原眼科クリニックおがわ眼科大原ちか眼科うえだ眼科クリニック綱島駅前眼科かわぞえ眼科クリニック江本眼科眼科中井医院いまこが眼科医院えづれ眼科市ヶ尾眼科槇眼科医院的場眼科クリニックさいとう眼科むらかみ眼科クリニック錦糸町おおかわ眼科クリニックあおやぎ眼科川島眼科江戸川のざき内科眼科本郷眼科鬼怒川眼科医院あいりす眼科クリニック吉田眼科お茶の水・井上眼科クリニックかさい眼科のだ眼科麻酔科医院井上眼科病院みやざき眼科みやけ眼科西葛西・井上眼科病院はしだ眼科クリニック高根台眼科大宮・井上眼科クリニックにしかまた眼科大島眼科医院札幌・井上眼科クリニック久が原眼科おおあみ眼科田宮眼科いずみ眼科クリニック一方,2019年C10月のC65歳以上の人口はC3,589万人で,高齢化率はC28.4%であった2).社会の高齢化に伴って眼科診療においても高齢患者は今後も増加すると予想される.緑内障治療の第一選択は点眼薬治療で3),点眼薬には効果と副作用がある.副作用には全身性と眼局所性があり,全身性の副作用では他の疾患を引き起こしたり悪化させたりする危険がある.そこで身体機能が若年・中年患者に比べて低下している高齢患者では,全身性の副作用を誘発する可能性のある点眼薬は使用しづらい.高齢患者では安全性を重視した薬剤の選択が求められる.緑内障薬物治療においてはアドヒアランスが大切であるが,眼局所副作用が出現するとアドヒアランスの低下を引き起こす可能性がある.眼局所の美容的な副作用(結膜充血,眼瞼色素沈着,上眼瞼溝深化,眼瞼下垂など)が出現する点眼薬の使用は,とくに容姿を気にする若年・中年患者ではアドヒアランスの面からの配慮が必要である.アドヒアランスに関しては,緑内障点眼薬使用状況のアンケート調査では年齢が若いほど指示どおりの点眼ができておらず,点眼忘れは若年者に多くみられた4,5).また,認知症もアドヒアランスに関与すると考えられる.わが国における年齢階層別の認知症推計有病率の報告によると,65歳以上の認知症者はC2012年時点でC462万人,有病率はC15%である6).年齢とともに認知症の有病率は増加している.認順不同・敬称略知症患者は決まった時間に決まったことをすることが困難で,また正確な病状把握もむずかしい.このような状況を考えると,高齢患者,若年・中年患者ともにアドヒアランスを考慮して点眼薬の選択が行われるべきである.そして高齢患者と若年・中年患者での緑内障の治療方針は異なると推測される.緑内障患者の薬物治療の実態を知ることは,今後の緑内障治療の参考になると考えて,筆者らはC2007年より定期的に緑内障患者の実態調査を行っている7.10).その中で年齢による緑内障治療の相違を調査する目的で高齢患者と若年・中年患者の実態の比較を行ってきた7.10).今回,緑内障患者の実態調査を再度行い,高齢患者と若年・中年患者での使用薬剤の違いなどを再検討した.さらにC2020年に行った前回調査7)の結果と比較することで,経年的変化を検討した.CII対象および方法この調査は,調査の趣旨に賛同した眼科病院あるいは眼科診療所C82施設において,2024年C3月C10日.16日に行った(表1).この調査期間内に調査施設の外来を受診した緑内障および高眼圧症患者全員のC1例C1眼を対象とした.総症例数はC6,323例(男性C2,765例,女性C3,558例),年齢はC69.2C±13.3歳(平均C±標準偏差,年齢分布5.100歳)であった.第6回緑内障実態調査第6回緑内障実態調査施設整理番号性別M:男性・F:女性年齢歳診断名右・左1:POAG2:NTG3:PPG(前視野緑内障)4:PACG5:続発緑内障(落屑緑内障含む)6:高眼圧症7:小児緑内障1:無手術既往歴2:有(術式)1:レクトミー2:ロトミー(眼内法,眼外法含む)3:GSL4:チューブシャント5:エクスプレス6:IStent7:プリザーフロマイクロシャント8:その他()レーザー既往歴1:無2:有(術式)1:LI2:SLT(ALT)3:その他()1:無〈b遮断薬〉1:チモロールマレイン酸塩(チモプトール)2:チモロールマレイン酸塩持続性(チモプトールXE)3:チモロールマレイン酸塩無応答(リズモンTG)4:カルテオロール塩酸塩(ミケラン)5:カルテオロール塩酸塩持続性(ミケランLA)6:ベタキソロール塩酸塩(ベトプティック)7:レボプノロール塩酸塩(ミロル)〈a1b遮断薬〉8:ニプラジロール(ハイパジール)緑内障処方薬剤2:有〈イオンチャネル開口薬〉9:イソプロピルウノプロストン(レスキュラ)〈FP受容体作用薬〉10:ラタノプロスト(キサラタン)11:トラポプロスト(トラバタンズ)12:タフルプロスト(タプロス)13:ピマトプロスト(ルミガン)〈EP2受容体作用薬〉14:オミデネパグイソプロピル(エイベリス)〈点眼CAI〉15:ドルゾラミド塩酸塩(トルソプト)16:プリンゾラミド塩酸塩(エイゾプト)〈経口CAI〉17:アセタゾラミド(ダイアモックス)⇒裏面に続く緑内障⇒表門より続き〈a1遮断薬〉18:プナゾシン塩酸塩(デタントール)〈a2刺激薬〉19:プリモニジン酒石酸塩(アイファガン)〈ROCK阻害薬〉20:リパスジル塩酸塩(グラナテック)〈FP受容体作用薬+b遮断薬配合剤〉21:ラタノプロスト/チモロールマレイン酸塩配合(ザラカム)22:トラポプロスト/チモロールマレイン酸塩配合(デュオトラバ)23:タフルプロスト/チモロールマレイン酸塩配合(タプコム)24:ラタノプロスト/カルテオロール塩酸塩配合(ミケルナ)処方薬剤2:有〈CAI+b遮断薬配合剤〉25:ドルゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合(コソプト)26:ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合(アゾルガ)〈a2刺激薬+b遮断薬配合剤〉27:ブリモニダン酒石酸塩/チモロールマレイン酸塩配合(アイベータ)〈CAI+a2刺激薬配合剤〉28:ブリモニダン酒石酸塩/プリンゾラミド塩配合(アイラミド)〈ROCK+a2刺激薬配合剤〉29:ブリモニダン酒石酸塩/リパスジル塩酸塩配合(グラアルファ)〈その他〉30:ピロカルピン塩酸塩(サンピロ)31:その他()緑内障の診断と管理は緑内障診療ガイドライン3)に則り,各施設の医師の判断で行った.片眼のみの緑内障または高眼圧症患者では罹患眼を,両眼罹患している場合は右眼を調査対象眼とした.調査施設にあらかじめ調査票(表2)を送付し,診療録から診察時の年齢,性別,病型,使用薬剤(薬剤濃度は問わない),レーザー治療の既往,緑内障の手術既往を調査した.調査施設からのすべての調査票を井上眼科病院内の集計センターに回収し,集計を行った.なお,今回調査から病型に前視野緑内障を追加した.前視野緑内障とは,眼底検査や光干渉断層計(opticalCcoherencetomography:OCT)において緑内障性視神経乳頭所見や網膜神経線維層欠損所見などの緑内障を示唆する異常がありながらも,通常の自動静的視野検査で視野欠損を認めない状態である3).全症例での病型は,正常眼圧緑内障(normalCtentionglaucoma:NTG)2,882例(45.6%),(狭義)原発開放隅角緑内障(primaryCopenangleCglaucoma:POAG)2,088例(33.0%),続発緑内障C492例(7.8%),前視野緑内障C345例(5.5%),高眼圧症C280例(4.4%),原発閉塞隅角緑内障C223例(3.5%),小児緑内障C12例(0.2%)であった.レーザー治療はC312例(4.9%)に行われていた.内訳は選択的レーザー線維柱帯形成術C174例(55.8%),レーザー虹彩切開術C120例(38.5%)などであった.緑内障手術はC571例(9.0%)に行われていた.術式は線維柱帯切除術C300例(52.5%),線維柱帯切開術C111例(19.4%),iStent手術C87例(15.2%)などであった.今回,65歳以上の高齢患者C4,223例とC65歳未満の若年・中年患者C2,100例に分けて以下の解析を行った.患者背景(平均年齢,男女比,緑内障病型,レーザー治療既往,緑内障手術既往)および薬物治療におけるC2群間の相違を検討した(|2検定,Mann-WhitneyU検定).薬物治療では使用薬剤数,単剤例の薬剤,2剤例の薬剤のそれぞれを調査した.さらにそれぞれの結果をC2020年に行った前回調査の結果7)と比較した(C|2検定,Mann-WhitneyU検定).配合点眼薬はC2剤として解析した.本研究は井上眼科病院の倫理審査委員会で承認を得た.CIII結果患者背景では,平均年齢は高齢患者C76.8C±6.9歳,若年・中年患者C53.9C±8.7歳であった(表3).性別は高齢患者(男性C1,763例,女性C2,460例)と若年・中年患者(男性C1,002例,女性C1,098例)で同等だった(p>0.9999).緑内障の病型はCPOAG,原発閉塞隅角緑内障,続発緑内障が高齢患者(|2検定,Mann-WhitneyのCU検定)高齢患者(4,223例)若・中年患者(2,100例)年齢男女比レーザー既往有緑内障手術既往有病型正常眼圧緑内障原発開放隅角緑内障続発緑内障原発閉塞隅角緑内障高眼圧症前視野緑内障小児緑内障高齢患者4,223例若年・中年患者2,100例p値76.8±6.9歳C53.9±8.7歳<C0.00011,763:C2,4601,002:C1,098>C0.9999242(C5.7%)70(3C.3%)<C0.0001442(C10.5%)129(C6.1%)<C0.00011,885(C44.6%)997(C47.5%)<C0.051,474(C34.9%)616(C29.3%)<C0.0001377(C8.9%)115(C5.5%)<C0.0001192(C4.5%)31(1C.5%)<C0.0001164(C3.9%)116(C5.5%)<C0.01131(C3.1%)213(C10.1%)<C0.0010(0C.0%)12(0C.6%)<C0.00016剤,36例,0.9%5剤,189例,4.5%4剤,**p<0.001,*p<0.01(Mann-WhiteneyU検定)図1使用薬剤数に,NTG,前視野緑内障,高眼圧症,小児緑内障が若年・中年患者に有意に多かった(p<0.01,C|2検定).レーザー治療既往症例は高齢患者C242例(5.7%)が若年・中年患者C70例(3.3%)に比べて有意に多かった(p<0.0001,C|2検定).レーザー治療の内訳は高齢患者では選択的レーザー線維柱帯形成術C129例,レーザー周辺虹彩切開術C102例などであった.若年・中年患者では選択的レーザー線維柱帯形成術C45例,レーザー周辺虹彩切開術C18例などだった.レーザー周辺虹彩切開術は,高齢患者(42.1%)が若年・中年患者(25.7%)に比べて有意に多かった(p<0.05,C|2検定).緑内障手術既往症例は高齢患者C442例(10.5%)が若年・中年患者C1580あたらしい眼科Vol.42,No.12,20256剤,17例,0.8%5剤,7剤,77例,3.7%4例,0.1%4剤,133例,6.3%129例(6.1%)に比べて有意に多かった(p<0.0001,C|2検定).手術の内訳は高齢患者では線維柱帯切除術C214例,線維柱帯切開術C89例,iStent手術C76例など,若年・中年患者では線維柱帯切除術C86例,線維柱帯切開術C22例,iStent手術C11例などであった.線維柱帯切除術は若年・中年患者(66.7%)が高齢患者(48.4%)に比べて有意に多かった(p<0.001,C|2検定).一方,iStent手術は高齢患者(17.2%)が若年・中年患者(8.5%)に比べて有意に多かった(p<0.05,C|2検定).平均使用薬剤数は高齢患者(1.9C±1.4剤)が若年・中年患者(1.7C±1.3剤)に比べて有意に多かった(p<0.001,(102)7剤,2例,0.1%高齢患者若年・中年患者FP作動薬b遮断薬a2作動薬EP2作動薬炭酸脱水酵素阻害薬(点眼)ROCK阻害薬a1遮断薬その他1,093例306例12例92例38例47例4例59例**66.2%18.5%0.7%**5.6%*2.3%2.8%0.2%3.7%439例53.4%C170例20.7%C3例0.4%163例19.8%9例1.1%15例1.8%C2例0.2%21例2.6%合計1,651例822例**p<0.0001,*p<0.01(C|2検定)高齢患者(960例)若・中年患者(475例)FP+a2,21例,4.4%**85例,8.9%27例,5.7%**FP+点眼CAI,85例,8.9%**p<0.00(Mann-WhiteneyU検定)図2使用薬剤内訳(2剤例)Mann-WhitneyU検定).使用薬剤数別は,0剤では若年・中年患者C324例(15.4%)が高齢患者C415例(9.8%)に比べて有意に多かった(p<0.0001,C|2検定)(図1).3剤では高齢患者C588例(13.9%)が若年・中年患者C250例(11.9%)に比べて有意に多かった(p<0.001,C|2検定).単剤例の使用薬剤を表4に示す.FP作動薬と炭酸脱水酵素阻害薬(car-bonicCanhydraseinhibitor:CAI)点眼は高齢患者が若年・中年患者に比べて有意に多かった(p<0.0001,p<0.01,C|2検定).EP2作動薬は若年・中年患者が高齢患者に比べて有意に多かった(p<0.0001,C|2検定).2剤例の使用薬剤の組み合わせを図2に示す.両群ともにCFP/Cb配合点眼薬がもっとも多く使用されているが,若年・中年患者では高齢患者に比べてその割合は有意に高かった(p<0.0001,C|2検定).また,FP作動薬+CAIが高齢患者で若年・中年患者に比べて有意に多かった(p<0.05,C|2検定).もっとも多く使用されているCFP/Cb配合点眼薬の内訳は,高齢患者(506例)ではラタノプロスト/カルテオロール配合点眼薬C275例(54.3%),ラタノプロスト/チモロール配合点眼薬C124例(24.7%),タフルプロスト/チモロール配合点眼薬C65例(12.8%),トラボプロスト/チモロール配合点眼薬C42例(8.3%)であった.若年・中年患者(304例)ではラタノプロスト/カルテオロール配合点眼薬C176例(57.9%),ラタノプロスト/チモロール配合点眼薬C75例(24.7%),タフルプロスト/チモロール配合点眼薬C34例(11.2%),トラボプロスト/チモロール配合点眼薬C19例(6.3%)であった.使用割合は高齢患者と若年・中年患者で同等であった(p=0.094).今回調査とC2020年の前回調査7)の患者背景(表5)を比較すると,年齢は高齢患者では有意に上昇し(p<0.0001),若年・中年患者では同等であった(p=0.202).病型は高齢患者ではCPOAGが有意に増加し(p<0.0001,C|2検定),正常高齢患者3,534例若年・中年患者1,769例p値年齢C76.4±6.8歳C53.4±8.5歳<C0.0001男女比1,477:C2,057870:C899<C0.0001病型正常眼圧緑内障1,678(C47.5%)1,032(C58.3%)<C0.0001原発開放隅角緑内障1,148(C32.5%)490(C27.7%)C0.0004続発緑内障331(C9.4%)104(C5.9%)<C0.0001原発閉塞隅角緑内障199(C5.6%)26(1C.5%)<C0.0001高眼圧症177(C5.0%)109(C6.2%)C0.0819小児緑内障0(0C.0%)4(0C.2%)C0.0124レーザー既往症例189(C5.3%)31(1C.8%)<C0.0001緑内障手術既往症例278(C7.9%)88(5C.0%)<C0.0001眼圧緑内障,原発閉塞隅角緑内障,高眼圧症が有意に減少した(p<0.05,C|2検定).若年・中年患者ではCNTGが有意に減少した(p<0.01,C|2検定).レーザー治療既往症例は高齢患者では今回調査(5.7%)と前回調査(7.3%)で同等で(p=0.486),若年・中年患者では今回調査(3.3%)が前回調査(1.8%)に比べて有意に増加した(p<0.01,C|2検定).緑内障手術既往症例は高齢患者では今回調査(10.5%)が前回調査(7.9%)に比べて有意に増加し(p<0.0001,C|2検定),若年・中年患者では今回調査(6.1%)と前回調査(5.0%)で同等であった(p=0.123).使用薬剤数は高齢患者では今回調査(1.9C±1.4剤)が前回調査(1.8C±1.3剤)に比べて有意に増加し(p<0.01,Mann-WhitneyU検定),若年・中年患者では今回調査(1.7C±1.3剤)と前回調査(1.7C±1.2剤)で同等であった(p=0.251).高齢患者では単剤例,4剤例,5剤例は前回調査に比べて有意に増加し(p<0.001,p<0.01,p<0.01,C|2検定),若年・中年患者では単剤例は有意に減少した(p<0.0001,C|2検定).単剤例は高齢患者では前回調査に比べてCFP作動薬が有意に減少し(p<0.001,C|2検定),EP2作動薬,ROCK阻害薬が有意に増加した(p<0.05,C|2検定).若年・中年患者では前回調査に比べてCFP作動薬,Ca2作動薬が有意に減少し(p<0.001,C|2検定),EP2作動薬とCROCK阻害薬が有意に増加した(p<0.001,p<0.05,C|2検定).一方,2剤例では高齢患者,若年・中年患者ともに前回調査と比べてCFP/Cb配合点眼薬が有意に増加し,CAI/Cb配合点眼薬が有意に減少した(p<0.01,C|2検定).高齢患者ではCFP作動薬+b遮断薬とCCAI+b遮断薬が前回調査に比べて有意に減少した(p<0.0001,p<0.05,C|2検定).CIV考按今回調査の患者背景では緑内障病型で高齢患者と若年・中年患者の間に差がみられた.NTG,前視野緑内障が若年・中年患者で有意に多かったが,緑内障の早期発見,早期治療の啓発のためと考えられる.高眼圧症も若年・中年患者で有意に多かったが,高眼圧が長期間継続することで緑内障に移行する症例が多いことが原因と考えられる.小児緑内障も若年・中年患者で有意に多かったが,小児期からの緑内障のためと考えられる.レーザー治療既往症例,緑内障手術既往症例ともに高齢患者が若年・中年患者に比べて有意に多かったが,緑内障罹病期間が長くなるほどこれらの処置や手術を受ける患者が増加するためと考えられる.前回調査と比較すると高齢患者では平均年齢が有意に高くなったが,平均寿命の伸長が関与していると考えられる.緑内障病型は高齢患者,若年・中年患者ともにCNTGが減少したが,これは今回調査から緑内障病型に前視野緑内障を追加した影響と考えられる.前回調査のCNTGは高齢患者C1678例(47.5%),若年・中年患者C1,032例(58.3%)であった.今回調査のCNTG患者はC1,885例(44.6%),若年・中年患者C997例(47.5%)であった.これに今回調査の前視野緑内障の高齢患者C131例(3.1%),若年・中年患者C213例(10.1%)を加えると高齢患者2,016例(47.7%),若年・中年患者C1,210例(57.6%)となる.この合計値は前回調査のCNTGとほぼ同じ値である.若年・中年患者でレーザー治療既往症例が有意に増加したが,早い段階からの選択的レーザー線維柱帯形成術が行われている可能性がある.緑内障手術既往症例が高齢患者で有意に増加したが,白内障手術と同時に行うCiStent手術が増加したためと考えられる.今回調査では平均使用薬剤数は,高齢患者が若年・中年患者に比べて有意に多かった.高齢患者のほうが緑内障罹病期間が長いためと考えられる.単剤例ではCFP作動薬が高齢患者で有意に多く,EP2作動薬が若年・中年患者で有意に多かった.高齢患者は眼圧下降が,若年・中年患者では安全性,とくに美容的副作用12)が重視されていると考えられる.一方,CAIは高齢患者で有意に多かったが,点眼回数によるアドヒアランスが若年・中年患者では重視されていると考えられる.2剤例では,両群ともにCFP/Cb配合点眼薬がもっとも多く使用されており,若年・中年患者のほうがその割合は有意に多かった.一方,FP作動薬+b遮断薬は高齢患者のほうが有意に多かった.高齢患者では配合点眼薬が使用可能になる以前から単剤併用していた症例が多かったためと考えられる.次に今回調査と前回調査の薬物治療の結果を比較した.高齢患者では使用薬剤数は今回調査では前回調査に比べて有意に増加したが,その理由として前回調査からのC4年間に新規の配合点眼薬(ブリモニジン/ブリンゾラミド配合点眼薬,ブリモニジン/リパスジル配合点眼薬)が使用可能となり,これらの配合点眼薬が追加投与されて多剤併用症例となったためと考えられる.実際に高齢患者ではC4剤例,5剤例が前回調査に比べて割合が有意に多くなった.若年・中年患者では単剤例が前回調査に比べて割合が有意に少なくなった.単剤例では高齢患者,若年・中年患者ともにCFP作動薬が前回調査に比べて有意に減少し,EP2作動薬,ROCK阻害薬が前回調査に比べて有意に増加した.FP作動薬の美容的副作用11)を好まず,美容的副作用の出現の少ないCEP2作動薬12)が多く使用されたと考えられる.しかし,EP2作動薬は偽水晶体では使用禁忌で,また僚眼が偽水晶体の場合も使用禁忌なので,とくに高齢者では投与する際に注意が必要である.2剤例では高齢患者,若年・中年患者ともにCFP/Cb配合点眼薬,CAI/Cb配合点眼薬が前回調査に比べて有意に増加した.一方,高齢患者ではCFP作動薬+b遮断薬,CIA+b遮断薬が前回調査に比べて有意に減少した.点眼薬を処方する際に,とくに高齢患者ではアドヒアランスを考慮していると考えられる.今回の研究の問題点として,使用薬剤を主に解析を行ったが,アドヒアランスについては調査を行わなかった.アドヒアランスでは誰が点眼を管理しているか(たとえば本人,家族,あるいは入所施設の職員など)が判明すれば,より正確にアドヒアランスを推定できる.しかし,今回はアンケート調査が煩雑になると回収率が減ることが心配されたので,最小限の項目しか調査しなかった.今回の参加施設には,地域的な偏りがみられた.関東地方68施設C5,695例,九州地方C6施設C233例,中国地方C3施設144例,北海道C3施設C128例,東北地方C1施設C75例,東海地方C1施設C48例だった.地域を統一して調査を行うのが理想であるが,現実的には症例数を増やすためにそのような調整はできなかった.今回調査をまとめると,高齢と若年・中年の緑内障患者の実態としてCPOAG,原発閉塞緑内障,続発緑内障が高齢患者に多く,そのほかの病型は若年・中年患者に多かった.レーザー治療既往歴,緑内障手術既往歴は高齢患者のほうが多かった.また,薬物治療を比較すると,使用薬剤数は高齢患者のほうが多かった.高齢患者,若年・中年患者ともに単剤例では依然としてCFP作動薬が最多だった.2剤例では,高齢患者,若年・中年患者ともにCFP/Cb配合点眼薬がもっとも多かった.前回調査7)との比較では,使用薬剤数が高齢患者では増加した.単剤例は高齢患者,若年・中年患者ともにFP作動薬が減少し,EP2作動薬とCROCK阻害薬が増加した.2剤例は高齢患者,若年・中年患者ともにCFP/Cb配合点眼薬が増加した.今後ますます配合点眼薬の使用が増加すると予想される.新しい緑内障の点眼薬が開発され,上市されると思われるので,薬物治療は日々変化すると考えられる.今後も継続的に緑内障薬物治療の実態に迫りたい.利益相反:利益相反公表基準に該当なし文献1)総務省:令和C6年統計トピックスCNo.142統計からみた我が国の高齢者2)内閣府:令和C2年版高齢社会白書(全体版),第C1章高齢化の状況3)日本緑内障学会緑内障診療ガイドライン改訂委員会:緑内障診療ガイドライン(第C5版).日眼会誌C126:85-177,C20224)高橋真紀子,内藤知子,溝上志朗ほか:緑内障点眼薬使用状況のアンケート調査(第一報).あたらしい眼科C28:C1166-1171,C20115)高橋真紀子,内藤知子,溝上志朗ほか:緑内障点眼薬使用状況のアンケート調査(第二報).あたらしい眼科29:555-561,C20126)内閣府:平成C28年版高齢社会白書(全体版),第C1章高齢化の状況7)藤嶋さくら,井上賢治,國松志保ほか:多施設による緑内障患者の実態調査2020年度版-高齢患者と若年・中年患者-.あたらしい眼科39:219-225,C20228)増本美枝子,井上賢治,塩川美菜子ほか:多施設による緑内障患者の実態調査高齢患者と若年・中年患者.臨眼C63:1897-1903,C20099)野崎令恵,井上賢治,塩川美菜子ほか:多施設による緑内障患者の実態調査C2009年度版─高齢患者と若年・中年患者.臨眼66:495-501,C201210)井上賢治,塩川美菜子,岡山良子ほか:多施設による緑内障患者の実態調査C2012年度版─高齢患者と若年・中年患者─.眼臨紀10:627-633,C201711)InoueCK.CShiokawaCM,CHigaCRCetal:AdverseCperiocularCreactionsCtoC.veCtypesCofCprostaglandinCanalogs.CEye(Lond)5:1465-1472,C201212)InoueCK.CShiokawaCM,CKatakuraCSCetal:PeriocularCadverseCreactionsCtoCOmidenepagCIsopropyl.CAmCJCOph-thalmolC237:114-121,C2022

多施設による緑内障患者の治療実態調査2020 年版 ─正常眼圧緑内障と原発開放隅角緑内障─

2021年8月31日 火曜日

《第31回日本緑内障学会原著》あたらしい眼科38(8):945.950,2021c多施設による緑内障患者の治療実態調査2020年版─正常眼圧緑内障と原発開放隅角緑内障─朴華*1井上賢治*2井上順治*1國松志保*1石田恭子*3富田剛司*2,3*1西葛西・井上眼科病院*2井上眼科病院*3東邦大学医療センター大橋病院眼科MulticenterSurveyStudyofGlaucomain2020:Normal-TensionGlaucomaandPrimaryOpenAngleGlaucomaHuaPiao1),KenjiInoue2),JunjiInoue1),ShihoKunimatsu-Sanuki1),KyokoIshida3)andGojiTomita2,3)1)NishikasaiInouyeEyeHospital,2)InouyeEyeHospital,3)DepartmentofOphthalmology,TohoUniversityOhashiMedicalCenterC目的:緑内障患者の実態調査から正常眼圧緑内障(NTG)と原発開放隅角緑内障(POAG)患者の患者背景と使用薬剤を調査する.対象および方法:2020年C3月C8日.14日に本研究の趣旨に賛同したC78施設に受診したC5,303例5,303眼を対象とした.患者背景と使用薬剤を調査し,NTGとCPOAG患者を比較した.結果:NTGC2,710例(51.1%),CPOAG1,638例(30.9%)だった.使用薬剤数はCPOAG(2.2C±1.4剤)がCNTG(1.6C±1.0剤)より有意に多かった(p<0.0001).単剤使用例では両病型ともプロスタグランジン(PG)関連薬がもっとも多かった.2剤使用例では両病型ともCPG/b配合剤がもっとも多かった.結論:NTGがCPOAGより多く,PG関連薬は単剤使用例,PG/Cb配合剤はC2剤使用例で第一選択となっていた.NTGとCPOAGでは使用薬剤数に差はあるが,使用薬剤はほぼ同様だった.CPurpose:Toinvestigatethecharacteristicsandappliedmedicationsinpatientswithnormal-tensionglaucoma(NTG)orprimaryopen-angleglaucoma(POAG)C.PatientsandMethods:Thismulticentersurveystudyinvolved5,303NTG/POAGpatientsseenat78medicalinstitutionsinJapanfromMarch8toMarch14,2020.Patientchar-acteristicsandthemedicationsusedwereinvestigatedandcomparedbetweenNTG/POAG.Results:Ofthe5,303patients,2,710(51.1%)werediagnosedasNTGand1,638(30.9%)werediagnosedasPOAG.ThemeannumberofCmedicationsCadministeredCforPOAG(2.2C±1.4)wasCsigni.cantlyCgreaterCthanCthatCforNTG(1.6C±1.0)(p<0.0001)C.CAsCforCtheCmonotherapyCandC.xed-combinationCtreatments,prostaglandin(PG)analogsCandCPG/b-block-ers,Crespectively,CwereCtheCmedicationsCmostCfrequentlyCadministered.CConclusion:OurC.ndingsCrevealedCmoreCNTGpatientsthanPOAGpatients.PGanalogswereusedinthemonotherapyand.xed-combinationPG/b-block-erswereusedinthecombinedtherapyas‘.rst-choice’medications,andnosigni.cantdi.erencewasfoundinthemedicationsusedbetweenNTGandPOAG.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)C38(8):945.950,C2021〕Keywords:正常眼圧緑内障,原発開放隅角緑内障,薬物治療,多施設,配合点眼薬.normaltensionglaucoma,primaryopenangleglaucoma,medication,multipleinstitutions,.xedcombinationeyedrops.Cはじめに緑内障にはさまざまな病型があり,病型により治療方針は異なる1).緑内障診療ガイドライン1)には緑内障の病型別治療が記載されている.日本での緑内障の疫学調査として多治見スタディがあげられるが,多治見スタディでの緑内障有病率は正常眼圧緑内障(normalCtensionglaucoma:NTG)3.6%,原発開放隅角緑内障(primaryCopenangleCglaucoma:POAG)0.3%であった2).緑内障診療ガイドラインではNTG,POAGの診断は「原発開放隅角緑内障(広義)は慢性進行性の視神経症であり,視神経乳頭と網膜視神経線維層に形態的特徴(視神経乳頭辺縁部の菲薄化,網膜神経線維層欠損)を有し,他の疾患や先天異常を欠く病型,隅角鏡検査で〔別刷請求先〕朴華:〒134-0088東京都江戸川区西葛西C3-12-14西葛西・井上眼科病院Reprintrequests:HuaPiao,M.D.,NishikasaiInouyeEyeHospital,3-12-14Nishikasai,Edogawa-kuTokyo134-0088,JAPANC0910-1810/21/\100/頁/JCOPY(97)C945正常開放隅角(隅角の機能的異常の存在を否定するものではない.)とした.NTGは原発開放隅角緑内障(広義)のうち眼圧が常に統計学的に規定された正常値(20CmmHg)にとどまるもの,POAGは原発開放隅角緑内障(広義)のうち眼圧が統計学的に規定された正常値(20CmmHg)を超えるもの」と定義している.筆者らはベースライン眼圧の違いにより患者背景や治療薬の使い方が異なるか疑問を抱いた.そこで臨床現場で通院中の緑内障患者の実態を知る目的で多施設での調査をC2007年に初めて行った3).続いてC2009年4),2012年5),2016年6)に再調査を行った.そのなかでCNTGとPOAGの患者背景や薬物治療の相違を検討した3.6).前回調査6)からC4年が経過し,その間に眼圧下降の新しい作用機序を有する点眼薬(オミネデパグイソプロピル点眼薬)や配合点眼薬(ラタノプロスト/カルテオロール配合点眼薬,ブリモニジン/チモロール配合点眼薬)が使用可能となった.そこで今回,再び緑内障患者の実態調査を実施した.そのなかでCNTG患者とCPOAG患者に対する患者背景と薬物治療の相違を検討した.また,経時的変化を合わせて検討した.CI対象および方法2020年C3月C8.14日のC7日間に本試験の趣旨に賛同した78施設に外来受診したすべての緑内障および高眼圧症の患者を対象とした(表1).総症例数はC5,303例C5,303眼(男性2,347例,女性C2,956例),平均年齢はC68.7C±13.1歳(平均値C±標準偏差,11.101歳)であった.調査は各施設にアンケート用紙を郵送し,記入してもらう方法で行った.アンケート項目は,年齢,性別,病型,緑内障使用薬剤(投薬数,使用薬剤),レーザー既往歴,手術既往歴である.回収したアンケート用紙からCNTGとCPOAG患者の年齢(対応のないCt検定),性別,レーザー既往歴,手術既往歴を比較した(Cc2検定).同様に使用薬剤数,単剤・2剤使用例の内訳を比較した(Mann-WhitneyU検定,Cc2検定).配合点眼薬はC2剤として解析した.なお,前回調査6)までは点眼薬は先発医薬品と後発医薬品に分けて調査していたが,今回調査では薬剤は一般名での収集とした.さらに,2016年に同様の方法で行った前回調査6)の結果と比較した(Cc2検定).本研究は井上眼科病院の倫理審査委員会で承認を得た.CII結果1.病型全症例ではCNTG2,710例(51.1%),POAG1,638例(30.9%),続発緑内障C435例(8.2%),高眼圧症C286例(5.4%)などであった.性別はCNTGでは男性C1,116例,女性C1,594例,POAGでは男性C798例,女性C840例で,NTGで女性が有意に多かった(p<0.0001).平均年齢はCNTGC67.5±13.4歳,CPOAGC69.5±12.6歳で,POAGが有意に高かった(p<0.0001).レーザー既往ありはCNTG28例(1.0%),POAG46例(2.8%)で,POAGが有意に多かった(p<0.0001).手術既往ありはCNTG30例(1.1%),POAG185例(11.3%)で,POAGが有意に多かった(p<0.0001).C2.使用薬剤数平均薬剤数はNTGC1.6±1.0剤,POAGC2.2±1.4剤で,POAGが有意に多かった(p<0.0001).NTGでは使用薬剤なしC160例(5.9%),1剤C1,452例(53.6%),2剤C657例(24.2%),3剤C302例(11.1%),4剤C109例(4.0%),5剤C27例(1.0%),6剤C3例(0.1%)であった.POAGでは使用薬剤なしC130例(7.9%),1剤C490例(29.9%),2剤C373例(22.8%),3剤C317例(19.4%),4剤C207例(12.6%),5剤C103例(6.3%),6剤C18例(1.1%)であった.1剤使用症例はCNTGが有意に多く(p<0.0001),3.6剤使用症例はそれぞれCPOAGが有意に多かった(p<0.0001).C3.単剤使用症例の薬剤(図1)NTG(1,452例),POAG(490例)ともにプロスタグランジン(prostaglandin:PG)関連薬が圧倒的に多く,NTGではC961例(66.2%),POAGではC363例(74.1%)であった.PG関連薬はCPOAGが有意に多かった(p<0.05).Cb(ab)遮断薬はCNTG,POAGともにCPG関連薬のつぎに多く,NTGではC328例(22.6%),POAGではC86例(17.5%)であった.Cb(ab)遮断薬はCNTGが有意に多かった(p<0.05).Ca2刺激薬はNTGでは59例(4.1%),POAGでは8例(1.6%)で,NTGが有意に多かった(p<0.001).C4.2剤使用症例の薬剤(図2)NTG,POAGともに,PG/Cb配合点眼薬がもっとも多く(NTG303例C46.1%,POAG166例C44.5%),ついでCPG関連薬とCb(ab)遮断薬の併用が多かった(NTG86例C13.1%,POAG53例C14.2%).Cb(ab)遮断薬とCa2刺激薬の併用はCNTGではC31例(4.8%),POAGではC3例(0.8%)で,NTGが有意に多かった(p<0.001).C5.前回調査と病型の比較今回調査ではCNTG2,710例(51.1%),POAG1,638例(30.9%)で,開放隅角緑内障が約C82%を占めており,前回調査のCNTG2,197例(51.2%),POAG1,232例(28.7%)と同等だった.C6.前回調査と使用薬剤数の比較(図3)平均薬剤数はCNTGでは前回調査C1.5C±1.0剤,今回調査C1.6C±1.0剤で,POAGでは前回調査C2.1C±1.3剤,今回調査C2.2C±1.4剤であった.POAGが前回調査よりも平均薬剤数が有表1協力施設および協力医師名協力施設協力医師都道府県協力施設協力医師都道府県ふじた眼科クリニック藤田南都也北海道眼科中井医院中井倫子神奈川県中山眼科医院余敏子東京都さいとう眼科斎藤孝司神奈川県白金眼科クリニック西野由美子東京都あおやぎ眼科青柳睦美千葉県高輪台眼科クリニック社本真紀東京都本郷眼科吉川みゆき千葉県小川眼科診療所加藤美名子東京都吉田眼科吉田元千葉県もりちか眼科クリニック森近千都東京都のだ眼科麻酔科医院野田久代千葉県中沢眼科医院中澤正博東京都みやけ眼科野崎康嗣千葉県良田眼科良田夕里子東京都高根台眼科奈良俊作千葉県駒込みつい眼科三井義久東京都谷津駅前あじさい眼科田中まり千葉県菅原眼科クリニック菅原道孝東京都おおあみ眼科今井尚人千葉県うえだ眼科クリニック上田裕子東京都いずみ眼科クリニック泉雅子茨城県江本眼科江本有子東京都サンアイ眼科伏屋陽子茨城県えづれ眼科江連司東京都さいき眼科齋木裕埼玉県とやま眼科外山茂東京都林眼科医院林優埼玉県おおはら眼科大原重輝東京都石井眼科クリニック石井靖宏埼玉県的場眼科クリニック伊藤景子東京都やながわ眼科柳川隆志埼玉県篠崎駅前髙橋眼科髙橋千秋東京都ふかさく眼科深作貞文埼玉県かさい眼科笠井直子東京都たじま眼科・形成外科田島康弘埼玉県みやざき眼科宮崎明子東京都鬼怒川眼科医院鬼怒川雄一宮城県はしだ眼科クリニック橋田節子東京都さくら眼科・内科岡本寧一埼玉県にしかまた眼科簗島謙次東京都やなせ眼科矢那瀬淳一埼玉県久が原眼科芹沢聡志東京都博愛こばやし眼科小林一博長野県あつみ整形外科・眼科クリニック渥美清子東京都ヒルサイド眼科クリニック土田覚静岡県そが眼科クリニック蘇我孟志東京都あつみクリニック渥美清子静岡県早稲田眼科診療所尾崎良太東京都さいはく眼科クリニック瀬戸川章鳥取県井荻菊池眼科菊池亨東京都藤原眼科村木剛広島県ほりかわ眼科久我山井の頭通り堀川良高東京都大原ちか眼科大原千佳福岡県小滝橋西野眼科クリニック西野由美子東京都かわぞえ眼科クリニック川添賢志福岡県いなげ眼科稲毛佐知子東京都図師眼科医院図師郁子福岡県赤塚眼科はやし医院林殿宣東京都いまこが眼科医院藤川王哉福岡県えぎ眼科仙川クリニック江木東昇東京都槇眼科医院槇千里福岡県なかむら眼科・形成外科中村敏東京都むらかみ眼科クリニック村上茂樹熊本県西府ひかり眼科野口圭東京都川島眼科川島拓宮崎県東小金井駅前眼科三田覚東京都ガキヤ眼科医院我喜屋重光沖縄県後藤眼科後藤克博東京都札幌・井上眼科クリニック清水恒輔北海道おがわ眼科小川智美東京都大宮・井上眼科クリニック野崎令恵埼玉県立川しんどう眼科真藤辰幸東京都西葛西・井上眼科病院井上順治東京都だんのうえ眼科クリニック壇之上和彦神奈川県お茶の水・井上眼科クリニック岡山良子東京都綱島駅前眼科芝龍寛神奈川県井上眼科病院井上賢治東京都NTG(1,452例)POAG(490例)a2刺激薬**点眼CAIa2刺激薬**点眼CAI*p<0.05,**p<0.001,c2検定図1単剤使用症例の薬剤(c2検定,*p<0.05,**p<0.001)CNTG(657例)POAG(373例)b(ab)**b(ab)4.8%PG+a26.7%CAI/b配合点眼薬7.3%PG+b(ab)*p<0.05,**p<0.001,c2検定13.1%図22剤使用症例の薬剤(c2検定,**p<0.001)CPOAG2020年2.2±1.4剤*2016年2.1±1.3剤(*p<0.05)0剤1剤2剤3剤4剤5剤6剤7剤0剤1剤2剤3剤4剤5剤6剤7剤■2016年■2020年*p<0.05,Mann-Whitney-U検定,c2検定■2016年■2020年図3前回調査と使用薬剤数の比較(Mann-WhitneyU検定,c2検定,*p<0.05)意に増加し(p<0.05),NTGでは前回調査と同等だった(pC7.前回調査と単剤使用症例の比較(図4)=0.0749).NTG,POAGともに前回調査よりもCPG関連薬の使用割合が有意に減少した(p<0.0001,p<0.05).****NTGPOAG■2016年■2020年■2016年■2020年*p<0.05,**p<0.001,***p<0.0001,c2検定図5前回調査と2剤使用症例の比較(c2検定,*p<0.05,***p<0.0001)NTGではCPG関連薬がC74.0%からC66.2%(p<0.0001)へ有意に減少し,b(ab)遮断薬,a2刺激薬,ROCK阻害薬が増加したが,有意な増加はなかった.POAGではCPG関連薬がC80.2%からC74.1%(p<0.05)へ有意に減少し,b(ab)遮断薬,炭酸脱水酵素阻害薬(car-bonicCanhydraseinhibitor:CAI)が増加したが,有意な増加はなかった.またCNTG,POAGともに前回調査5)では未発売であったEP2受容体作動薬が今回調査では各々C5.5%,3.3%だった.C8.前回調査と2剤使用症例の比較(図5)NTGではCPG/b配合点眼薬はC31.4%からC46.1%と有意に増加した(p<0.0001).PG関連薬とCb(ab)遮断薬の併用はC28.5%からC13.1%と有意に減少し(p<0.0001),PG関連薬とCa2刺激薬の併用はC11.7%からC6.7%と有意に減少(p<0.001)した.CAI/b配合点眼薬,およびCPG関連薬とCCAIの併用はそれぞれ前回調査と同等だった.POAGではCPG/b配合点眼薬はC29.2%からC44.5%と有意に増加し(p<0.0001),PG関連薬とCb(ab)遮断薬の併用はC28.9%からC14.2%と有意に減少した(p<0.0001).CIII考按今回調査での緑内障病型は多治見スタディ2)や前回調査6)と同様で,NTG,POAG合わせて全緑内障患者のC80%近くを占めていた.病型ではCNTGで女性が男性より有意に多かった.若い女性のほうがコンタクトレンズ診療などでCNTGが発見されるケースなどが多いためと考えられる.平均年齢はCPOAGがCNTGに比べて有意に高かった.POAGは眼圧が高く,治療継続が良好な高齢者が多い可能性が考えられる.レーザー既往,手術既往はCPOAGがCNTGに比べて有意に多かった.使用薬剤数はCPOAGがCNTGと比べて有意に多かった.眼圧が高いCPOAGでは眼圧を下げるために薬物治療,レーザー,手術がより多く行われている可能性がある.前回調査との比較では病型は変化なかった.使用薬剤数はCPOAGで有意に増加,NTGでは同等だった.使用薬剤数は今回調査ではCNTGはC1剤がC53.6%で,前回調査(56.0%)と同様にC1剤使用例が過半数を占めていた.POAGではC1剤が今回調査C29.9%で,前回調査6)34.9%に比べて有意に減少し,4剤以上は今回調査C4剤C12.6%,5剤C6.3%と前回調査6)4剤C8.9%,5剤C4.5%よりも有意に増加した(p<0.05).配合点眼薬の使用促進により,点眼回数を増やすことなく薬剤の追加が可能になった.点眼ボトル数や点眼回数を減らすことにより,良好なアドヒアランスを保つことができると考えられる.単剤使用症例では,POAGがCNTGに比べてCPG関連薬が有意に多かった.POAGではCNTGよりも強い眼圧下降を期待するためと予想される.NTGではCPOAGと比べてCa2刺激薬が有意に多かった.NTG患者へのCa2刺激薬投与による視野障害進行速度が抑制されたという報告7)より神経保護効果を期待したことが原因と考えられる.一方,Cb(ab)遮断薬がCPOAGで有意に少ないのは,Cb(ab)遮断薬は全身性副作用出現の心配があり,循環器系,呼吸器系疾患を有する患者や高齢者では使用しづらい点が考えられる.実際にPOAG患者ではCNTG患者より有意に年齢が高かった.PG関連薬が今回調査ではCNTG66.2%,POAG74.1%で,前回調査(NTG74.0%,POAG80.2%)に比べて有意に減少した.新しい作用機序をもつCa2刺激薬,ROCK阻害薬やC2019年11月より使用可能になったCEP2受容体作動薬などの出現により点眼薬の選択肢が増えたことが原因と考えられる.2剤使用症例ではCb(ab)遮断薬とCa2刺激薬の併用がNTGがCPOAGに比べて有意に多かった.PG関連薬を使用できないケースでは,Ca2刺激薬の神経保護作用7)を期待してとくにCNTGで使用されたと考える.NTG,POAGともに前回調査と比べてCPG/Cb配合点眼薬が有意に増加し,PG関連薬とCb遮断薬の併用が有意に減少した.アドヒアランス向上を目的として,配合点眼薬の使用が増加した影響と考えられる.NTGではCPG関連薬とCa2刺激薬の併用例は前回調査と比べて有意に減少した.PG関連薬への追加投与としてCROCK阻害薬など新しい作用機序の薬剤との組み合わせが増加したためと考えられる.今回調査から薬剤は一般名でデータを収集した.もっとも多くの症例を集めた井上眼科病院とお茶の水・井上眼科クリニックC1,474例(27.8%)ではC2018年C10月より配合点眼薬を除くほとんどの薬剤を一般名として処方することにした.そのため患者が先発医薬品あるいは後発医薬品のどちらを使用しているかは診療録からは判別できなくなった.そこで収集方法を変更した.このため前回調査との比較では正確な解析が行えていない可能性もある.今回調査をまとめると使用薬剤数がCPOAGでCNTGに比べて有意に多かった.使用薬剤の内訳はほぼ同様であったが,POAGでCPG関連薬,NTGでCb(ab)遮断薬,Ca2刺激薬の使用がやや多い傾向がみられた.今後も新しい配合点眼薬や眼圧下降の新しい作用機序を有する点眼薬が使用可能になると予想される.薬物療法はさらに複雑化するので,今後も定期的に多施設で緑内障患者実態調査を行い,緑内障薬治療の実態把握に努めたい.謝辞:今回の実態調査の協力施設およびご協力いただいた先生を表C1へ記載する.この調査に参加していただき,診療録の調査,集計という,とても面倒な作業にご協力いただいた各施設の諸先生方に,深謝いたします.利益相反:利益相反公表基準に該当なし文献1)日本緑内障学会緑内障診療ガイドライン作成委員会:緑内障診療ガイドライン(第C4版).日眼会誌122:5-53,C20182)IwaseA,SuzukiY,AraieMetal:Theprevalenceofpri-maryopen-angleglaucomainJapanese.TheTajimistudy.COphthalmologyC111:1641-1648,C20043)塩川美菜子,井上賢治,森山涼ほか:多施設による緑内障患者の実態調査─正常眼圧緑内障と原発開放隅角緑内障.臨眼C62:1699-1704,C20084)添田尚一,井上賢治,塩川美菜子ほか:多施設における緑内障患者の実態調査C2009年度版─正常眼圧緑内障と原発開放隅角緑内障.臨眼C65:1251-1257,C20115)新井ゆりあ,井上賢治,富田剛司:多施設における緑内障患者の実態調査C2012年度版─正常眼圧緑内障と原発開放隅角緑内障.臨眼C67:673-679,C20136)新井ゆりあ,井上賢治,塩川美菜子ほか:多施設における緑内障患者の実態調査C2016年度版─正常眼圧緑内障と原発開放隅角緑内障.臨眼C71:1541-1547,C20177)KrupinT,LiebmannJM,Green.eldDSetal:Arandom-izedtrialofbrimonidineversustimololinpreservingvisu-alfunction:resultsCfromCtheCLow-PressureCGlaucomaCTreatmentStudy.AmJOpthalmolC151:671-681,C2011***

多施設による緑内障患者の実態調査2016年版─薬物治療─

2017年7月31日 月曜日

《第27回日本緑内障学会原著》あたらしい眼科34(7):1035.1041,2017c多施設による緑内障患者の実態調査2016年版─薬物治療─永井瑞希*1比嘉利沙子*1塩川美菜子*1井上賢治*1石田恭子*2富田剛司*2*1井上眼科病院*2東邦大学医療センター大橋病院眼科CurrentStatusofTherapyforGlaucomaatMultipleOphthalmicInstitutionsin2016MizukiNagai1),RisakoHiga1),MinakoShiokawa1),KenjiInoue1),KyokoIshida2)andGojiTimita2)1)InouyeEyeHospital,2)DepartmentofOphthalmology,TohoUniversityOhashiMedicalCenter緑内障患者の治療に関する実態を2012年に引き続き行い,前回調査と結果を比較した.本調査の趣旨に賛同した57施設を2016年3月7.13日に外来受診した緑内障,高眼圧症患者4,288例4,288眼を対象として,緑内障病型,手術既往歴,使用薬剤を調査した.病型は,正常眼圧緑内障51.2%,原発開放隅角緑内障28.7%,続発緑内障8.8%などであった.使用薬剤数は平均1.7±1.2剤で,無投薬10.4%,1剤44.6%,2剤21.7%,3剤13.9%などであった.1剤使用例はプロスタグランジン(PG)関連薬73.9%,b(ab)遮断薬20.8%などであった.2剤使用例はPG/b配合剤28.7%,PG関連薬+b(ab)遮断薬28.4%,PG関連薬+a2刺激薬10.9%などであった.前回調査と比較し,1剤使用例はPG関連薬が有意に増加し,2剤使用例はPG/b配合剤が有意に増加し,PG関連薬とb遮断薬の併用が有意に減少した.Weinvestigatedthecurrentstatusofglaucomatherapyat57ophthalmicinstitutions.Atotalof4,288patientswithglaucomaandocularhypertensionwhovisitedduringtheweekofMarch7,2016wereincluded.Theresultswerecomparedwiththoseofastudyperformedin2012.Patientswithnormal-tensionglaucomacomprised(51.2%),primaryopen-angleglaucoma(28.7%)andsecondaryglaucoma(8.8%).Monotherapywasindicatedin44.6%,2drugsin21.7%and3drugsin13.9%.Monotherapycomprisedprostaglandin(PG)analogin73.9%,b-blockersin20.8%.Inpatientsreceiving2drugs,acombinationofPGandb-blockers.xedwasusedin28.7%,combinationsofPGandb-blockersin28.4%andcombinationsofPGandalpha-2-stimulantin10.9%.PGinmonotherapywasunchangedthemostfrequentlyused.CombinationofPGandb-blockers.xedwasincreasedandcombinationsofPGandb-blockersweredecreasedin2-drugtherapy.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)34(7):1035.1041,2017〕Keywords:眼科医療施設,緑内障治療薬,実態調査,配合点眼薬.ophthalmicinstitutions,glaucomamedication,investigation,.xedcombinationeyedrops.はじめに2003年に日本緑内障学会より緑内障診療ガイドラインが制定され,2006年に第2版,2012年に第3版が発表された1).われわれ眼科医は,緑内障診療ガイドラインを参考にして緑内障の診断,病型分類,治療を行っている.緑内障において唯一根拠が明確に示されている治療は依然として眼圧下降であり,その第一選択は薬物治療である2.5).新たな眼圧下降の作用機序を有する点眼薬や配合点眼薬,さらに後発医薬品の発売などで,緑内障薬物治療の選択肢は近年,大幅に広がっている.このため,緑内障診療を行ううえで,緑内障病型の発症頻度や薬物治療の実態を把握することは重要である.緑内障薬物治療の実態調査は過去にも報告されているが,いずれも大学病院を中心に行われており6.8),眼科専門病院やクリニックで行われたものはなかった.このため井上眼科病院では眼科専門病院やクリニックにおける緑内障患者実態調査を2007年に開始した9).その後,プロスタグランジン関連薬の種類が増加した後の2009年に第2回緑内障患者実態調査10),配合点眼薬発売後の2012年に第3回緑内障患者実態調査11)を施行した.〔別刷請求先〕永井瑞希:〒101-0062東京都千代田区神田駿河台4-3井上眼科病院Reprintrequests:MizukiNagai,M.D.,InouyeEyeHospital,4-3Kanda-Surugadai,Chiyoda-ku,Tokyo101-0062,JAPAN0910-1810/17/\100/頁/JCOPY(119)1035表1研究協力施設(57施設)北海道札幌市ふじた眼科クリニック板橋区江戸川区世田谷区荒川区世田谷区八王子市さわだ眼科クリニック篠崎駅前髙橋眼科社本眼科菅原眼科クリニックそが眼科クリニック多摩眼科クリニック宮城県仙台市鬼怒川眼科医院茨城県ひたちなか市日立市いずみ眼科クリニックサンアイ眼科さいたま市石井眼科クリニックさいたま市さいき眼科葛飾区とやま眼科埼玉県吉川市たじま眼科・形成外科文京区中沢眼科医院幸手市さいたま市ふかさく眼科やながわ眼科東京都中央区品川区小金井市荒川区江東区台東区新宿区千代田区江戸川区中山眼科医院はしだ眼科クリニック東小金井駅前眼科町屋駅前眼科みやざき眼科もりちか眼科クリニック早稲田眼科診療所お茶の水・井上眼科クリニック西葛西・井上眼科病院千葉県千葉市山武郡船橋市松戸市千葉市船橋市習志野市あおやぎ眼科おおあみ眼科高根台眼科のだ眼科麻酔科医院本郷眼科みやけ眼科谷津駅前あじさい眼科千葉市吉田眼科横浜市鎌倉市眼科中井医院清川病院板橋区赤塚眼科はやし医院杉並区新宿区井荻菊池眼科いなげ眼科神奈川県横浜市大和市さいとう眼科セントルカ眼科・歯科クリニック荒川区うえだ眼科クリニック川崎市だんのうえ眼科クリニック調布市えぎ眼科仙川クリニック横浜市綱島駅前眼科東京都足立区足立区葛飾区国分寺市清瀬市えづれ眼科江本眼科おおはら眼科おがわ眼科清瀬えのき眼科静岡県伊東市ヒルサイド眼科クリニック福岡県遠賀郡福岡市いまこが眼科医院図師眼科医院熊本県宇土市むらかみ眼科クリニック国分寺市文京区後藤眼科駒込みつい眼科沖縄県沖縄市ガキヤ眼科医院そして今回,a2刺激薬やROCK阻害薬,2種類の配合点眼薬増加後の2016年に第4回緑内障患者実態調査を施行し,緑内障治療の実態を解明した.さらに,前回調査の結果11)と比較し経年変化を解析した.I対象および方法本調査は,緑内障患者実態調査の趣旨に賛同した57施設において,2016年3月7日から同13日に施行した.調査の趣旨は緑内障診療を行ううえで,緑内障病型の発症頻度や薬物治療の実態を把握することが重要であるためとした.調査施設を表1に示す.この調査期間内に外来受診した緑内障および高眼圧症患者全例を対象とした.総症例数4,288例,男性1,839例,女性2,449例.年齢は7.102歳,68.1±13.0歳(平均±標準偏差)であった.緑内障の診断と治療は,緑内障診療ガイドライン1)に則り,主治医の判断で行った.片眼のみの緑内障または高眼圧症患者では罹患眼を,両眼罹患している場合には右眼を調査対象眼とした.調査方法は調査票(表2)を用いて行った.各施設にあら(順不同・敬称略)かじめ調査票を送付し,診療録から診察時の年齢,性別,病型,使用薬剤数および種類,緑内障手術の既往を調査した.集計は井上眼科病院の集計センターで行った.回収した調査票より病型,使用薬剤数および種類,緑内障手術の既往について解析を行った.さらに前回の調査結果11)と比較した(c2検定).配合点眼薬は2剤として解析した.なお,前回調査11)では配合点眼薬を1剤として解析したので,今回調査と比較するにあたり,配合点眼薬を2剤として再解析を行い使用した.今回調査の各薬剤分布の比較にはc2検定,今回調査と前回調査の患者背景の年齢比較には対応のないt検定,使用薬剤数の比較にはMann-Whitney検定,男女比,手術既往症例の比較にはc2検定を用いた.有意水準はp<0.05とした.II結果病型は,正常眼圧緑内障2,197例(51.2%),原発開放隅角緑内障1,232例(28.7%),続発緑内障378例(8.8%),高眼圧症242例(5.6%),原発閉塞隅角緑内障234例(5.5%)な表2調査票緑内障処方薬剤の一般名:<b遮断薬>1:水溶性チモロール,2:イオン応答ゲル化チモロール,3:熱応答ゲル化チモロール,4:カルテオロール,5:持続性カルテオロール,6:ベタキソロール,7:レボブノロール.<ab遮断薬>9:ニプラジロール.<PG(プロスタグランジン)製剤>11:イソプロピルウノプロストン,12:ラタノプロスト,13:トラボプロスト,14:タフルプロスト,15:ビマトプロスト.<配合剤>17:ラタノプロスト/チモロール配合薬,18:トラボプロスト/チモロール配合薬,19:ドルゾラミド/チモロール配合薬,20:ブリンゾラミド/チモロール配合薬,21:タフルプロスト/チモロール配合薬.<点眼CAI(炭酸脱水酵素阻害剤)>22:ドルゾラミド,23:ブリンゾラミド.<経口CAI>24:アセタゾラミド.<a1遮断薬>25:ブナゾシン.<a2刺激薬>26:ブリモニジン.<ROCK阻害薬>27:リパスジル.<その他>28:ピロカルピン,29:ジピベフリン原発閉塞隅角緑内障その他234例5.5%5例0.1%高眼圧症242例5.6%続発緑内障378例8.8%図1病型の内訳表31剤使用薬剤内訳分類一般名例%ラタノプロスト54528.5タフルプロスト30515.9PG関連薬トラボプロストPG関連薬後発品23417412.29.1イソプロピルウノプロストン844.4ビマトプロスト723.8持続性カルテオロール1236.4イオン応答ゲル化チモロール904.7b遮断薬後発品402.1b遮断薬水溶性チモロールカルテオロール39392.02.0レボブノロール180.9熱応答ゲル化チモロール150.8ベタキソロール40.2ab遮断薬ニプラジロールab遮断薬後発品2551.30.3点眼CAIブリンゾラミドドルゾラミド2281.104経口CAIアセタゾラミド10.1a1遮断薬ブナゾシン180.9a2刺激薬ブリモニジン402.1ROCK阻害薬リパスジル90.5その他その他40.2PG:プロスタグランジン,CAI:炭酸脱水酵素阻害薬.どであった(図1).緑内障手術既往症例は270例(6.3%)であった.その内訳は線維柱帯切除術が230例(85.2%),線維柱帯切開術が12例(4.4%),線維柱帯切除術と線維柱帯切開術の両術式が6例(2.2%)などであった.使用薬剤数は,平均1.7±1.2剤で,その内訳は無投薬が445例(10.4%),1剤が1,914例(44.6%),2剤が929例(21.7%),3剤が598例(13.9%),4剤が277例(6.5%),5剤が99例(2.3%),6剤が24例(0.6%),7剤が2例(0.051038あたらしい眼科Vol.34,No.7,20175剤,99例,2.3%6剤,24例,0.6%7剤,2例,0.05%4剤,277例,6.5%図2使用薬剤数%)であった(図2).使用薬剤の内訳は,1剤使用例はプロスタグランジン関連薬が1,414例(73.9%),bおよびab遮断薬が398例(20.8%),a2刺激薬が40例(2.1%)などであった.使用薬剤の詳細を表3に示す.プロスタグランジン関連薬では,ラタノプロスト545例(28.5%)が最多で,タフルプロスト305例(15.9%),トラボプロスト234例(12.2%)などであった.プロスタグランジン関連薬の後発医薬品は174例(9.1%)で使用されていた.b遮断薬では持続型カルテオロール123例(6.4%),イオン応答ゲル化チモロール90例(4.7%),チモロール39例(2.0%)などであった.b遮断薬の後発医薬品は40例(2.1%)で使用されていた.2剤使用例の内訳は,プロスタグランジン関連薬/b遮断薬配合剤が267例(28.7%),プロスタグランジン関連薬とb(ab)遮断薬の併用が264例(28.4%),プロスタグランジン関連薬とa2刺激薬の併用が101例(10.9%),炭酸脱水酵素阻害薬/b遮断薬配合剤が93例(10.0%)などであった(図3).プロスタグランジン関連薬/b遮断薬配合剤の内訳は,ラタノプロスト/チモロール配合点眼薬が146例(54.7%),トラボプロスト/チモロール配合点眼薬82例(30.7%),タフルプロスト/チモロール配合点眼薬が39例(14.6%)であった.炭酸脱水酵素阻害薬/b遮断薬配合剤の内訳は,ドルゾラミド/チモロール配合点眼薬が64例(68.8%),ブリンゾラミド/チモロール配合点眼薬29例(31.2%)であった.3剤使用例の内訳は,炭酸脱水酵素阻害薬/b遮断薬配合剤とプロスタグランジン関連薬の併用が236例(39.5%),プロスタグランジン関連薬とb(ab)遮断薬と点眼炭酸脱水酵素阻害薬の併用が62例(10.4%),プロスタグランジン関連薬/b遮断薬配合剤と点眼炭酸脱水酵素阻害薬の併用が58例(9.7%),プロスタグランジン関連薬/b遮断薬配合剤とa2刺激薬の併用が51例(8.5%)などであった.今回の調査結果を2012年の前回調査11)と比較すると,年齢は前回調査67.4±13.2歳と今回調査68.1±13.0歳で今回(122)その他,89例,9.6%PG+ROCK,23例,2.5%PG+点眼CAI,267例,28.7%CAI/b配合剤,93例,10.0%PG+a2,101例,10.9%図32剤使用薬剤内訳PG:プロスタグランジン関連薬,b:b遮断薬,ab:ab遮断薬,a2:a2刺激薬,CAI:炭酸脱水酵素阻害薬,ROCK:ROCK阻害薬.12.00剤10.447.5*1剤44.622.12剤21.713.53剤13.94.3**■前回調査(n=3,569)4剤6.5■今回調査(n=4,288)0.7**5剤以上2.901020304050%図5前回調査との比較(使用薬剤数)**p<0.0001,*p<0.05(c2検定).調査のほうが有意に高かった(p<0.05).男女比は前回調査男性1,503例,女性2,066例と今回調査男性1,839例,女性2,449例で同等だった.病型は今回調査,前回調査ともに正常眼圧緑内障,原発開放隅角緑内障の順に多かった(図4).緑内障手術既往症例は今回調査6.3%,前回調査7.9%で今回調査のほうが有意に少なかった(p<0.05).平均使用薬剤数は前回調査1.5±1.3剤,今回調査1.7±1.2剤で有意に増加した(p<0.0001).使用薬剤数は今回調査は1剤が44.6%,2剤が21.7%,3剤が13.9%,4剤が6.5%,5剤以上が2.9%で,前回調査11)と比較すると1剤は有意に減少し(p<0.05),4剤と5剤以上は有意に増加した(p<0.0001)(図5).1剤使用例の使用薬剤は前回同様プロスタグランジン関連薬がもっとも多く,ついでb(ab)遮断薬であった.プロスタグランジン関連薬の使用は,前回調査70.4%に比べて今回調査73.9%では有意に増加し,一方b(ab)遮断薬の使用は前回調査26.5%に比べて今回調査20.8%では有意に減少した(p<0.05)(図6).2剤使用例の使用薬剤は,前回調査ではプロスタグランジ47.6%NS正常眼圧緑内障51.2%原発27.4%開放隅角緑内障28.7%原発7.6%閉塞隅角緑内障5.5%10.3%続発緑内障8.8%7.0%高眼圧症5.6%■前回調査(n=3569)■今回調査(n=4288)0.1%その他0.1%0102030405060%図4前回調査との比較(病型)70.4*PG関連薬73.926.5*b・ab遮断薬20.8■前回調査(n=3,569)1.5点眼CAI1.6■今回調査(n=4,288)01020304050607080%図6前回調査との比較(1剤使用例の薬剤)*p<0.05(c2検定).PG:プロスタグランジン,CAI:炭酸脱水酵素阻害薬.ン関連薬とb(ab)遮断薬の併用がもっとも多く,ついでプロスタグランジン関連薬/b遮断薬配合剤と続いたが,今回調査では,プロスタグランジン関連薬/b遮断薬配合剤がもっとも多く,ついでプロスタグランジン関連薬とb(ab)遮断薬の併用の順だった.順位の変動同様にプロスタグランジン関連薬/b遮断薬配合剤は前回調査16.9%に比べて今回調査28.7%では有意に増加,プロスタグランジン関連薬とb(ab)遮断薬の併用は前回調査49.3%に比べて今回調査28.4%では有意に減少した(p<0.0001).また,炭酸脱水酵素阻害薬/b遮断薬配合剤は前回調査6.7%に比べて今回調査10.0%では有意に増加,プロスタグランジン関連薬と点眼炭酸脱水酵阻害薬の併用は前回調査15.6%に比べて今回調査9.9%では有意に減少した(p<0.05)(図7).プロスタグランジン関連薬/b遮断薬配合剤と炭酸脱水酵素阻害薬/b遮断薬配合剤の合計の比率は前回調査23.6%に比べて今回調査38.8%で有意に増加した(p<0.0001).16.9**PG/b配合剤28.7PG+b(ab)28.449.3**6.7*10.0■前回調査(n=3,569)15.6CAI/b配合剤*■今回調査(n=4,288)PG+点眼CAI9.90.010.020.030.040.050.0%図7前回調査との比較(2剤使用例の薬剤)**p<0.0001,*p<0.05(c2検定).PG:プロスタグランジン関連薬,b:b遮断薬,ab:ab遮断薬,CAI:炭酸脱水酵素阻害薬.III考按今回調査の緑内障病型は,原発開放隅角緑内障(広義)が約80%を占めた.正常眼圧緑内障は51.2%,原発開放隅角緑内障は28.7%であった.2000.2001年に行われた多治見スタディ12)においても原発開放隅角緑内障(広義)が約80%を占めており,今回調査と同様であった.さらに,現在までに施行した緑内障患者実態調査9.11)とも同様で,その頻度が変わっていないことが判明した.今回調査で前回調査に比べて多剤併用や平均使用薬剤数が増加したのは,a2刺激薬やROCK阻害薬など新しい眼圧下降の作用機序を有する薬剤が登場し,現行の処方に追加使用する症例が増加したためと考えられる.また,対象の年齢が今回調査のほうが前回調査に比べて有意に高かった.これは社会の高齢化や前回調査と同一の患者の経年変化などが考えられる.緑内障手術既往症例は今回調査のほうが前回調査に比べて有意に少なかった.これは新しい眼圧下降作用機序を有する点眼薬や配合点眼薬の開発により,手術ではなく多剤併用薬物治療を受ける患者が増えた結果と考える.1剤使用例の内訳はプロスタグランジン関連薬が73.9%,bおよびab遮断薬が20.8%,a2刺激薬が2.1%であった.現在までに施行した実態調査9.11)ともプロスタグランジン関連薬がもっとも多く,ついでb(ab)遮断薬の順であった.前回調査11)と比べてプロスタグランジン関連薬は有意に増加し,b(ab)遮断薬は有意に減少した.緑内障薬物治療の第一選択がますますプロスタグランジン関連薬となっていることが推測される.プロスタグランジン関連薬では,ラタノプロストが前回同様最多であった.発売から10年以上経過しており,その間に蓄積された使用経験により眼圧下降効果と安全性が多くの眼科医の信頼を得ているためと推察された.今回の調査では後発医薬品使用は11.4%と少なかった.わが国の後発医薬品は添加物の種類や濃度が先発医薬品と異なり13,14),後発医薬品の使用について慎重に考えている眼科医が多いと考えられた.また,今回調査ではa2刺激薬が3位となり,発売から時間が経過して新しく使用可能になったa2刺激薬やROCK阻害薬の使用が,今後増加する可能性がある.2剤使用例ではプロスタグランジン関連薬/b遮断薬配合剤が最多,ついでプロスタグランジン関連薬とb(ab)遮断薬の併用の順だった.順位の変動同様にプロスタグランジン関連薬/b遮断薬配合剤は前回調査よりも有意に増加,プロスタグランジン関連薬とb(ab)遮断薬の併用は前回調査よりも有意に減少した.また,炭酸脱水酵素阻害薬/b遮断薬配合剤は前回調査より有意に増加,プロスタグランジン関連薬と点眼炭酸脱水酵素阻害薬の併用は有意に減少した.前回調査よりも配合点眼薬使用が増加したのは,配合点眼薬の種類の増加,利便性・アドヒアランスの良さや併用と同等の眼圧下降効果が報告されている影響15)が示唆された.このため今後さらに配合点眼薬使用が増加すると考えられる.プロスタグランジン関連薬とa2刺激薬の併用が3位だった.a2刺激薬は全身性副作用が少なく高齢者にも使いやすい薬剤である.今後,プロスタグランジン関連薬への追加投与として,さらにa2刺激薬が使用される可能性も考えられる.また,眼圧下降の新しい作用機序を有するROCK阻害薬も全身性副作用が少なく高齢者にも使いやすい薬剤である.今後,プロスタグランジン関連薬への追加投与としてROCK阻害薬が使用される可能性も考えられる.3剤使用例では,配合点眼薬と単剤を併用している症例が多かった.このことからも配合点眼薬の利便性が使用増加に繋がっていると考えられる.今回調査は57施設4,288例,前回調査11)は39施設3,569例で行った.前回調査,今回調査ともに参加した施設は36施設であった.施設数や症例数も異なるため,両調査を直接的に比較することは妥当性がない可能性も考えられる.しかしなるべく多くの施設,多くの症例からデータを集めることで緑内障患者の実態がより判明すると考えて施設や症例を増加させて検討を行った.今回の緑内障患者実態調査をまとめると,眼科医療施設における緑内障患者は原発開放隅角緑内障(広義)が多い.使用薬剤数は1.7±1.2剤で,1剤使用例ではプロスタグランジン関連薬が依然として多く,前回調査と比較してプロスタグランジン関連薬が有意に増加し,b遮断薬が有意に減少した.2剤使用例ではプロスタグランジン関連薬/b遮断薬配合剤が多く,前回調査と比較してプロスタグランジン関連薬/b遮断薬配合剤が有意に増加し,プロスタグランジン関連薬とb(ab)遮断薬併用が有意に減少した.配合点眼薬の使用割合は,2剤使用の約39%で,前回調査と比べて有意に増加し,今後も増加する可能性がある.謝辞:本調査にご参加いただき,ご多忙にもかかわらず診療録の調査,記載,集計作業にご協力いただいた各施設の諸先生方に深く感謝いたします.利益相反:利益相反公表基準に該当なし文献1)日本緑内障学会緑内障診療ガイドライン作成委員会:緑内障診療ガイドライン第3版.日眼会誌116:5-46,20122)TheAGISInvestigators:TheAdvancedGlaucomaInter-ventionStudy(AGIS)7.Therelationshipbetweencontrolofintraocularpressureandvisual.elddeterioration.AmJOphthalmol130:429-440,20003)LichterPR,MuschDC,GillespieBWetal;CIGTSStudyGroup:InternclinicaloutcomesintheCollaborativeIni-tialGlaucomaTreatmentStudycomparinginitialtreat-mentrandomizedtomedicationsorsurgery.Ophthalmolo-gy108:1943-1953,20014)CollaborativeNormal-TensionGlaucomaStudyGroup:Comparisonofglaucomatousprogressionbetweenuntreatedpatientswithnormal-tensionglaucomaandpatientswiththerapeuticallyreducedintraocularpressure.AmJOph-thalmol126:487-497,19985)HeijiA,LeskeMC,BengtssonBetal:Reductionofintra-ocularpressureandglaucomaprogression:resultsfromtheEarlyManifestGlaucomaTrial.ArchOphthalmol120:1268-1279,20026)石澤聡子,近藤雄司,山本哲也:一大学附属病院における緑内障治療薬選択の実態調査.臨眼69:1679-1684,20067)清水美穂,今野伸介,片井麻貴ほか:札幌医科大学およびその関連病院における緑内障治療薬の実態調査.あたらしい眼科23:529-532,20068)柏木賢治,慢性疾患診療支援システム研究会:抗緑内障点眼薬に関する最近9年間の新規処方の変遷.眼薬理23:79-81,20099)中井義幸,井上賢治,森山涼ほか:多施設による緑内障患者の実態調査─薬物治療─.あたらしい眼科25:1581-1585,200810)井上賢治,塩川美菜子,増本美枝子ほか:多施設による緑内障患者の実態調査2009年版─薬物治療─.あたらしい眼科28:874-878,201111)塩川美菜子,井上賢治,富田剛司:多施設による緑内障実態調査2012年版─薬物治療─.あたらしい眼科30:851-856,201312)IwaseA,SuzukiY,AraieMetal:Theprevalenceofpri-maryopen-angleglaucomainJapanese.TheTajimistudy.Ophthalmology111:1641-1648,200413)吉川啓司:後発医薬品点眼薬:臨床使用上の問題点.日本の眼科78:1331-1334,200714)山崎芳夫:配合剤と後発品の功罪.眼科53:673-683,201115)内田英哉,鵜木一彦,山林茂樹ほか:カルテオロール塩酸塩持続性点眼液とラタノプロスト点眼液の併用療法とラタノプロスト・チモロールマレイン酸塩配合点眼液の眼圧下降効果および安全性の比較.あたらしい眼科32:425-428,2015***

正常眼圧緑内障患者の視野障害度と各種要因の関連

2014年6月30日 月曜日

《第2回日本視野学会原著》あたらしい眼科31(6):891.894,2014c正常眼圧緑内障患者の視野障害度と各種要因の関連井上賢治*1富田剛司*2*1井上眼科病院*2東邦大学医療センター大橋病院眼科VisualFieldDefectandVariousFactorsinNormal-TensionGlaucomaPatientsKenjiInoue1)andGojiTomita2)1)InouyeEyeHospital,2)DepartmentofOphthalmology,TohoUniversityOhashiMedicalCenter目的:正常眼圧緑内障(NTG)患者の視野障害度による各種要因の関連を検討した.対象および方法:NTG289例を対象とし,視野欠損の程度分類で初期群139例,中期群81例,後期群69例に分けた.全症例で視野のmeandeviation(MD)値と年齢,眼圧,屈折度数,緑内障罹病歴,使用薬剤数の相関を検討した.3群間で上記の因子と配合点眼薬使用率,角膜上皮障害の有無を比較した.結果:MD値と年齢(相関係数r=.0.263),使用薬剤数(r=.0.392),緑内障罹病歴(r=.0.165)に有意な負の相関を認めた.使用薬剤数は,後期群(2.0±1.0剤),中期群(1.3±0.7剤),初期群(1.1±0.7剤)の順に多かった.配合点眼薬使用率は初期群(3.4%)が中期群(12.8%),後期群(10.6%)に比べて有意に少なかった.結論:NTG患者では視野障害の進行に伴い使用薬剤数や配合点眼薬使用が増えていた.Purpose:Drugtherapybydegreeofvisualfielddefectinnormal-tensionglaucoma(NTG)patientswasinvestigated.SubjectsandMethods:Subjectswere289NTGpatients,classifiedinto3groupsbasedondegreeofvisualfielddefect:139earlystage,81middlestageand69finalstage.Correlationwasinvestigatedbetweenmeandeviation(MD)valueofvisualfieldandage,intraocularpressure,refractiondegree,glaucomahistoryandnumberofeyedropsused.Thesefactors,fixed-combinationeyedropusagerateandcornealepitheliumdisorderwerealsocomparedamongthe3groups.Results:SignificantnegativecorrelationwasrecognizedbetweenMDvalueandage(correlationcoefficientr=.0.263),numberofeyedrops(r=.0.392)andglaucomahistory(r=.0.165).Thenumberofeyedropswassignificantlygreaterinthefinalstagegroup.Therateoffixed-combinationeyedropswassignificantlylowerintheearlystagegroup.Conclusion:Thenumberofeyedropsandfixed-combinationeyedropsincreasedduetoprogressionofvisualfielddefect.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)31(6):891.894,2014〕Keywords:正常眼圧緑内障,視野障害,薬物治療,配合点眼薬,関連.normal-tensionglaucoma,visualfielddefect,drugtherapy,fixed-combinationeyedrop,relation.はじめに緑内障治療の最終目標は患者の残存視野の維持であるが,視野の維持に対して高いエビデンスが得られているのが眼圧下降である1).眼圧を下降させるために通常点眼薬を第一選択として使用するが,治療にあたっては目標眼圧を設定することが緑内障診療ガイドライン2)で提唱されている.目標眼圧の設定は病期,無治療時眼圧,余命,視野障害進行,その他の危険因子を考慮すると記されている.岩田は視野障害と目標眼圧について報告し,(狭義)原発開放隅角緑内障ではI期(Goldmann視野正常)は19mmHg以下,II期(弧立暗点,弓状暗点,鼻側階段のみ)は16mmHg以下,III期(視野欠損1/4以上)は14mmHg以下,正常眼圧緑内障は12mmHg以下とした3).また正常眼圧緑内障では30%以上の眼圧下降により視野が維持された患者が有意に多かったと報告されている1).しかし臨床現場において患者の視野障害度に関連して点眼薬をはじめとした各種要因を調査した報告はない.そこで今回,正常眼圧緑内障患者を対象として,視野障害度と各種要因の関連を検討した.〔別刷請求先〕井上賢治:〒101-0062東京都千代田区神田駿河台4-3井上眼科病院Reprintrequests:KenjiInoue,InouyeEyeHospital,4-3Kanda-Surugadai,Chiyoda-ku,Tokyo101-0062,JAPAN0910-1810/14/\100/頁/JCOPY(117)891 I対象および方法2012年3月12日.18日に井上眼科病院を受診した正常眼圧緑内障患者で以下の条件を満たした289例289眼を対象として後ろ向きに調査を行った.対象の条件は,Humphrey視野検査を2011年12月以降に実施しており,固視不良が20%以下,偽陽性率33%以下,偽陰性率33%以下とした.両眼該当症例は右眼を,片眼該当症例は患眼を対象とした.白内障手術,緑内障手術を施行している症例は除外した.対象は,男性143例,女性146例,年齢は25.90歳で,平均年齢は61.1±12.5歳(平均値±標準偏差)だった.眼圧は13.6±2.2mmHg,8.21mmHgだった.Humphrey視野プログラム中心30-2SITA-Standardのmeandeviation(MD)値は.7.9±6.7dB,.29.5.+1.8dBだった.これらの症例をAndersonらによるHumphrey視野における視野欠損の程度分類4)を参考にして初期群,中期群,後期群の3群に分けた.具体的にはMD値>.6dBを初期群,.12dB≦MD値≦.6dBを中期群,MD値<.12dBを後期群とした.初期群は139例,中期群は81例,後期群は69例だった.全症例において視野のMD値と年齢,眼圧,屈折度数,緑内障罹病歴,使用薬剤数の相関を各々検討した(Spearmanの順位相関係数).初期群,中期群,後期群の3群間で年齢,眼圧,屈折度数,緑内障罹病歴,使用薬剤数,配合点眼薬使用率,角膜上皮障害の有無を各々比較した(ANOVA,Kruskal-Wallis検定).なお配合点眼薬は2剤として解析した.また,当研究は井上眼科病院の倫理審査委員会の承認を得た後に行った.II結果全症例においてMD値と年齢(相関係数r=.0.263),使用薬剤数(r=.0.392),緑内障罹病歴(r=.0.165)で各々有意な負の相関を認めた(p<0.01)(図1).一方MD値と屈折度数,眼圧には相関がなかった.初期群,中期群,後期群の3群間の比較では,年齢は後期群(66.7±11.4歳)が初期群(58.7±11.4歳),中期群(60.5±13.7歳)に比べて有意に高かった(p<0.0001)(表1).使用薬剤数は3群間に有意差があり,後期群(2.0±1.0剤),中期群(1.3±0.7剤),初期群(1.1±0.7剤)の順に多かった(p<0.0001).配合点眼薬使用率は初期群(3.4%)が中期群(12.8%),後期群(10.6%)に比べて有意に少なかった(p<0.05).眼圧,屈折度数,緑内障罹病歴,角膜上皮障害の有無は3群間で同等だった.III考按今回,正常眼圧緑内障患者の視野障害度と各種要因の関連を調査した.視野障害度(MD値)と年齢,緑内障罹病歴,使用薬剤数に負の相関を認めた.これらは若年者で,緑内障罹病歴が短く,視野障害が初期で,単剤使用の症例が多数含まれていたためと考えられ,緑内障の早期発見,早期治療の観点からは好ましい結果であった.使用薬剤数の結果は視野障害が進行すれば,たとえ眼圧が安定していても,さらに低い目標眼圧を設定し直すことになり,薬剤の追加が行われる状況を反映していた.一方,屈折度数や眼圧は全症例においても3群間(初期,中期,後期)の比較においても視野障害度との相関や視野障害度別の差がなかった.近視は緑内障発症の危険因子と報告されており5),今回も3群ともに屈折度数は近視を示していたが,視野障害度との関連はなかった.今回の調査では調査日測定の眼圧値のために,眼圧の変動については考慮されていない.また測定した眼圧がその患者の目標眼圧に到達しているかどうかも不明である.配合点眼薬使用率は初期群(3.4%)に比べて中期群(12.8%),後期群(10.6%)で有意に多かったが,使用薬剤数が関与していると考えられる.多剤併用症例ではアドヒアランスが低下するため6),配合点眼薬を使用することで点眼液数,総点眼回数を減らし,アドヒアランスの向上が期待できる.角膜上皮障害は使用薬剤数の多い中期群,後期群で出現しやすいと予想したが,3群間で有意差はなかった.今回は配合点眼薬を2剤として解析したが,角膜上皮障害の原因の一つである防腐剤は配合点眼薬では1剤分しか含有していないことが寄与したと考えられる.もし配合点眼薬を1剤として解析した場合は,今回の症例の使用薬剤数は初期群1.1±0.7剤,中期群1.2±0.5剤,後期群1.8±0.9剤となり差は縮まる.ただし角膜上皮障害は防腐剤だけではなく,基剤やドライアイなども関与するためにその原因の特定はむずかしい.正常眼圧緑内障患者を対象として視野障害度と各種要因の検討を行った報告は少ない7).NakagamiらはHumphrey視野のMD値を基準にして.6dB以上の初期群(29例),.6..12dBの中期群(34例),.12dB以下の後期群(29例)に分けて,背景因子を検討した7).年齢,性別,経過観察期間,屈折度,1日の最高眼圧,1日の平均眼圧,1日の最低眼圧,1日の眼圧変動幅,視神経乳頭出血の頻度のすべての因子において3群間で差がなかった.今回の結果とは異っていたが,その理由は不明である.一方,正常眼圧緑内障患者の視野障害進行に関連する因子については多数報告されている1,7.13).近視8),年齢9),性別(女性)10),視神経乳頭出血7,10,11),経過観察時の平均眼圧1,7,12,13)などが指摘されている.これらの報告では数年間の経過観察を行い,視野障害進行に関連する因子を抽出してお892あたらしい眼科Vol.31,No.6,2014(118) (119)あたらしい眼科Vol.31,No.6,2014893(歳)(dB)a:年齢(r=-0.263,p<0.0001)(剤)b:使用薬剤数(r=-0.392,p<0.0001)60-6-12-18-24-30-3660-6-12-18-24-30-3660-6-12-18-24-30-3660-6-12-18-24-30-3660-6-12-18-24-30-36(dB)(dB)(dB)0(歳)0020406080100012345c:緑内障罹病歴(r=-0.165,p=0.0048)(dB)510152025(mmHg)(D)d:屈折度数(r=0.0041,p=0.510)e:眼圧(r=-0.032,p=0.589)-20-15-10-50510510152025図1視野障害と各種要因の相関a:年齢,b:使用薬剤数,c:緑内障罹病歴,d:屈折度数,e:眼圧.MD値と年齢(相関係数r=.0.263),使用薬剤数(r=.0.392),緑内障罹病歴(r=.0.165)で有意な負の相関を認めた.MD値と屈折度数,眼圧に相関は認めなかった. 表1初期群,中期群,後期群間の各種要因の比較初期群中期群後期群p値例数1398169─年齢(歳)58.7±11.460.5±13.766.7±11.4<0.0001眼圧(mmHg)13.4±2.513.4±2.213.7±2.10.6241屈折度数(D).3.0±4.0.3.3±4.3.3.7±4.80.6256緑内障罹病歴(年)5.6±4.36.5±5.27.2±4.90.0542使用薬剤数(剤)1.1±0.71.3±0.72.0±1.0<0.0001配合剤使用率(%)3.412.810.6<0.05角膜上皮障害出現率(%)6.51.24.30.1944り,今回のようにある時点における比較とは異なる.今回の症例では,薬物治療で眼圧が十分に下降し,視野障害進行が抑制されている症例や,現在行っている薬物治療では眼圧下降が不十分で,視野障害が進行中の症例などが含まれていることがこれらの報告1,7.13)との相違の原因と考えられる.結論として,正常眼圧緑内障患者の視野障害度と各種要因の関連を調査したところ,視野障害の進行に伴い年齢や緑内障罹病歴が増加しており,また使用薬剤数や配合点眼薬の使用が増えていた.利益相反:利益相反公表基準に該当なし文献1)CollaborativeNormal-TensionGlaucomaStudyGroup:Theeffectivenessofintraocularpressurereductioninthetreatmentofnormal-tensionglaucoma.AmJOphthalmol126:498-505,19982)日本緑内障学会:緑内障診療ガイドライン(第3版).日眼会誌116:3-46,20123)岩田和雄:低眼圧緑内障および原発開放隅角緑内障の病態と視神経障害機構.日眼会誌96:1501-1531,19924)AndersonDR,PatellaVM:AutomatedStaticPerimetry,2ndedition,p121-190,Mosby,St.Louis,19995)WilsonMR,HertzmarkE,WalkerAmetal:Acase-controlstudyofriskfactorsinopenangleglaucoma.ArchOphthalmol105:1066-1071,19876)DjafariF,LeskMR,HarasymowyczPJ:Determinantsofadherencetoglaucomamedicaltherapyinalong-termpatientpopulation.JGlaucoma18:238-242,20097)NakagamiT,YamazakiY,HayamizuF:Prognosticfactorsforprogressionofvisualfielddamageinpatientswithnormal-tensionglaucoma.JpnJOphthalmol50:38-43,20068)SakataR,AiharaM,MurataHetal:Contributingfactorsforprogressionofvisualfieldlossinnormal-tensionglaucomapatientswithmedicaltreatment.JGlaucoma22:250-254,20139)DeMoraesCG,LiebmannJM,GreenfieldDSetal:Riskfactorsforvisualfieldprogressioninthelow-pressureglaucomatreatmentstudy.AmJOphthalmol154:702711,201210)DranceS,AndersonDR,SchulzerM:Riskfactorsforprogressionofvisualfieldabnormalitiesinnormal-tensionglaucoma.AmJOphthalmol131:699-708,200111)IshidaK,YamamotoT,SugiyamaK:Diskhemorrhageisasignificantlynegativeprognosticfactorinnormal-tensionglaucoma.AmJOphthalmol129:707-714,200012)中神尚子,山崎芳夫,早水扶公子ほか:正常眼圧緑内障の視野障害進行に対する薬物用法の効果.日眼会誌108:408-414,200413)中神尚子,山崎芳夫,早水扶公子:正常眼圧緑内障の視野障害進行に対する薬物療法と臨床背景因子の検討.日眼会誌114:592-597,2010***894あたらしい眼科Vol.31,No.6,2014(120)