総説あたらしい眼科33(7):989?999,2016c第25回日本緑内障学会須田記念講演1人の臨床医として経験した緑内障点眼治療薬の変遷TransitionofEyeDropsforGlaucomaTreatmentExperiencedasaClinician富田剛司*はじめに今回,自身のこれまでの眼科医生活のとりあえずの総まとめをしたいという思いから,35年前に筆者が眼科医になってから現在まで,わが国で保険収載され,使用されてきた緑内障点眼治療薬の変遷をまとめることにした.現在,わが国で使用されている緑内障点眼薬は,実に29種類に上る.筆者はこれまで,ほぼすべての種類の点眼薬をそれなりの数の患者に使用した経験がある.今回,その主だったものに対し,自身が治療あるいは研究に参加した報告を中心としてまとめた.I点眼薬の種類筆者が大学を卒業し,眼科医としての修業を始めたのは1980年のことである.その翌年の1981年に,それまですでに使用されていたピロカルピンとエピネフリン(エピスタR)に加え,チモロールマレイン酸塩(以下チモロール,チモプトールR)の販売が開始された.その後,カルテオロール塩酸塩(ミケランR),ジピベフリン(ピバレフリンR),また,b1の選択的遮断薬(以下b遮断薬)であるベタキソロール塩酸塩(ベトプティックR)が販売開始された.1994年になって,現在はイオンチャンネル開口薬とされているイソプロピルウノプロストン(以下ウノプロストン,レスキュラR)が販売開始された.当時は日本で開発された世界で初めてのプロスタグランジン(prostaglandin:PG)関連薬ということで注目された.また,エポックメーキングな出来事として,1999年になって,ラタノプロスト(キサラタンR)と炭酸脱水酵素阻害薬(carbonicanhydraseinhibitor:CAI)の点眼薬であるドルゾラミド塩酸塩(以下ドルゾラミド,トルソプトR)が相次いで登場し,わが国で販売開始されたことである.1999年以降,ラタノプロスト(キサラタンR)の1日1回点眼の影響か,1回点眼のb遮断薬が多数市場に出てきた.2001年には,a1ブロッカーであるブナゾシン塩酸塩(デタントールR)が販売開始された.2002年には,ドルゾラミドと同じCAIであるブリンゾラミド(エイゾプトR)が販売開始された.2007年に入り,ラタノプロスト(キサラタンR)以降しばらく途絶えていたPG関連薬が,トラボプロスト(トラバタンズR),タフルプロスト(タプロスR),ビマトプロスト(ルミガンR)の順に販売開始された.さらに,ラタノプロスト/チモロール配合剤(ザラカムR),トラボプロスト/チモロール配合剤(デュオトラバR),タフルプロスト/チモロール配合剤(タプコムR)といったPG関連薬とb遮断薬との配合剤点眼薬(以下,PG/b配合剤),ならびに,ドルゾラミド/チモロール配合剤(コソプトR),ブリンゾラミド/チモロール配合剤(アゾルガR)といった,b遮断薬とCAIとの配合剤点眼薬(以下,b/CAI配合剤)がわが国でも使用可能となり販売開始された.また,海外では永らく使用されていたa2作動薬点眼薬のブリモニジン(アイファガンR)もわが国でも販売開始使となり,2014年末には主経路に作用する日本で開発されたROCK阻害薬点眼薬,リパスジル塩酸塩(グラナテックR)が世界に先駆けてわが国で販売開始された.ごく最近ではドルゾラミド/チモロール配合剤の防腐剤非含有1回使い切り製剤(コソプトミニR)が販売開始され,以上を合わせると,29種類となる(表1).ジェネリック製品も多数あるため,緑内障点眼治療薬は35年前の2種類から飛躍的に増加したことになる.II各種点眼薬の眼圧下降効果と視野維持効果1.8年間点眼治療のみで経過観察した症例の点眼薬数の変化と眼圧変化緑内障治療の原則は,眼圧を十分に下降させることにより患者の視機能を保全することにある.それではこれほど多数の緑内障点眼薬が使用できる現在,筆者は患者の眼圧を下げることができてきたのであろうか.そこで,筆者が東邦大学大橋病院に赴任してから現在までの8年間,点眼薬だけで経過をみている101人の患者の経過観察開始時の状態と現在の状況についてまとめてみた.初診時,PG関連薬1剤のみを使用は46例,PG関連薬とb遮断薬使用は33例,これにCAI点眼を加えた3剤使用は22例であった.経過観察を開始した2007年当時は,配合剤やa2作動薬,ROCK阻害薬などはまだなかった(表2).そして,8年が経過し,現在の点眼状況は表3のごとくになる.すなわち,PG関連薬1剤のみだった46例で現在も1剤使用であるのは11例であった.他の症例では,最大4剤まで増えていた.2剤使用していた症例も状況は似ており,3剤使用症例では,点眼ボトル数は3つで変わらないが,配合剤使用が増えているのがわかる.眼圧に関してみていると,初診時と比べて3群とも有意に低下していた(表4).近年報告された,UKGTSスタディ(TheUnitedKingdomGlaucomaTreatmentStudy)では,ラタノプロストとプラセボを無作為に割り付け,2年間経過観察し,視野進行あるいは光干渉断層計で確認した緑内障性構造変化の進行が抑制されたか否かが綿密なプロトコールのもと調査された.その結果,ラタノプロスト使用群の眼圧は,脱落例も含めた最終眼圧,プロトコールを完遂した例の視野進行側眼,いずれにおいても2年間,有意に低い眼圧を示し,かつラタノプロストを使用した群は,プラセボ点眼群に比して,視野進行の割合は有意に低く,ハザード率は0.44であったと報告されている1).したがって,緑内障点眼治療は患者の眼圧をよく下降させ,視野進行抑制効果もあるものと考えてよいと思われる.次項より,おもな緑内障点眼薬の眼圧下降効果と視野維持効果を検討した結果を示す.2.チモロール(チモプトールR)の眼圧下降効果正常眼圧緑内障(normal-tensionglaucoma:NTG)患者を対象として,チモロール点眼群31例とラタノプロスト点眼群31例に無作為に割り付け3年間経過をみた2).スタディデザインは非盲検法で,ラタノプロストは朝点眼とした.投与前眼圧は,ラタノプロスト群で15.0±1.6mmHg,チモロール群で15.9±2.0mmHgであった.3年間の経過観察中,トラフでの眼圧は2群とも下降しており,3年後の時点で眼圧はラタノプロスト群で12.9±2.6mmHg,チモロール群で14.0±2.3mmHgであり,眼圧値に群間での差はなかった(図1).さらに,Humphrey視野計の視野MD値でも,群内,群間で3年間差はなく,眼底三次元画像解析法にて解析した視神経乳頭リム面積にも3年間で変動はなかった.これは,少なくとも眼圧が低めのNTG患者においては,チモロールもラタノプロストとほぼ同等に眼圧を下降させ,視野維持効果もほぼ同等である可能性を示しているように思われる.3.ウノプロストン(レスキュラR)の眼圧下降効果次に,ウノプロストン点眼薬を検討した3).投与開始時に上方のみに視野欠損を有するNTG患者20例を対象に,ウノプロストンのみの点眼で3年以上経過観察した結果である.投与前眼圧は15.1±2.1mmHgで,最終眼圧は14.2±1.9mmHgであった.投与前に比して,値にして平均で1mmHg水銀柱弱ではあるが,眼圧は3年間有意に下降していた(図2).Humphrey視野結果においても,MD値の平均では変化はなかったが,トレンド解析とイベント解析で2例ずつ,全体で20%に視野の悪化を認めた.金沢大学からの報告においても,NTGに対するウノプロストン単剤使用4年後での視野の悪化を認めない確率は約80%としており,ほぼ同等の結果である4).4.炭酸脱水阻害薬(CAI)点眼薬の眼圧下降効果a.ドルゾラミド(トルソプトR)の眼圧下降効果CAI,すなわち,アセタゾラミド(ダイアモックスR)内服が眼圧下降に効果があることを始めて報告したのは,B.Beckerである5).その当初より,アセタゾラミドの点眼薬化の研究が進められてきたが,彼の報告後,40年以上の時を経て,ようやく,CAI点眼薬の姿がみえてきた6).その後,海外での点眼薬の実用化を経て,わが国でも1999年よりドルゾラミド点眼薬が使用可能となった.ただ,わが国で用いられているドルゾラミドの濃度は0.5%と1%であり,海外が1%と2%であるのとは異なっていることに注意する必要がある.また,チモロールとの比較試験により眼圧下降効果が劣性であったことから,第一選択薬ではなく,追加投与の局面でおもに使用されることになっている.そこで,PG関連薬を単独使用していた患者にドルゾラミド点眼追加後3年間経過をみた結果を示す7).対象患者は97例で,追加前の点眼薬は,ラタノプロストが80例,トラボプロストが9例,タフルプロストが7例,ビマトプロストが1例である.追加前眼圧の平均は17.5±3.1mmHgであった.追加投与後半年で眼圧は平均15.1±3.0mmHgまで有意に下降し,3年目の時点で14.8±3.1mmHgであった(図3).眼圧下降率は,1~3年後まで,平均で13.6%と変化はなかった.b.ブリンゾラミド(エイゾプトR)の眼圧下降効果ドルゾラミドと同じCAI点眼薬であるブリンゾラミドの眼圧下降効果も示す8).症例は22例で,1年間の調査である.投与前眼圧が,17.0±2.2mmHgで,1年後は14.8±1.7mmHgであり,投与1カ月後から有意な眼圧下降がみられた(図4).眼圧下降率は平均で12%であったが,ほぼ差はないとはいえ,ドルゾラミドの13.6%に比べやや少ない感じもする.点眼回数がブリンゾラミドでは1日2回であるためかもしれない.5.PG関連薬の眼圧下降効果a.ラタノプロスト(キサラタンR)の無効例の調査ラタノプロストの眼圧下降効果と視野維持効果についてはすでにチモロール点眼薬の評価の項で触れたので,ここではラタノプロストが無効であった症例のレビューを行ってみたい9).対象は,原発開放隅角緑内障(広義)患者88例である.点眼開始6カ月後では,有意に眼圧は下降した.しかしながら,投与前眼圧別に眼圧下降率が10%未満であった例をみてみると,点眼前眼圧が21mmHgを超えていた例では無効率は約9%であったのに対し,16~20mmHgでは無効率が17%弱,15mmHg未満では37%であり,投与前眼圧が低いほど,眼圧下降率が低下することがわかる(表5).したがって,無治療時眼圧が15mmHg未満の症例では,ラタノプロストで期待できる眼圧下降量は2~2.5mmHgと考えたほうがよい.しかしながら,それでも眼圧は下降していることにも注目する必要がある.b.トラボプロスト(トラバタンズR)の眼圧下降効果76例のNTG患者を対象として,トラボプロスト点眼薬1剤で3年間経過をみた結果を示す10).図5にあるように,点眼開始前眼圧は16.8±2.6mmHgで,半年後には13.6±2.5mmHgまで有意に下降し3年間維持された.眼圧下降量は,3年後で平均2.9mmHg,下降率は平均17%であったが,1年目と3年目で眼圧下降率に有意な差はなかった.3年間で5例,うち1例は,トレンド解析とイベント解析両方で視野障害進行がみられた.一方,点眼の継続率では60.5%であった.脱落のおもな理由は未来院であった.c.タフルプロスト(タプロスR)の眼圧下降効果次にタフルプロストについて,NTG患者55例55眼を対象として単剤で3年間経過観察した結果を示す11).点眼開始前眼圧の平均は15.7±2.2mmHgで,点眼開始後から眼圧は有意に下降し,3年後の平均眼圧は12.8±2.8mmHgであった(図6).眼圧下降率は1~3年後までほぼ変化なく,平均で約15%であった.視野障害の進行はトレンド解析で4例,イベント解析で3例みられた.また途中,34.5%が脱落し,継続率は65.5%であった.d.ビマトプロスト(ルミガンR)の眼圧下降効果PG関連薬に関して最後にビマトプロストについて3年間の使用結果をまとめる.NTG患者62例を対象として,単剤で3年間経過観察した12).点眼開始前眼圧は,平均で16.8±2.4mmHgであった.点眼開始後から眼圧は3年間有意に下降し,3年目では平均13.6±3.1mmHgまで下降していた(図7).経過観察中の平均眼圧下降率は最大24.9%,最低18.6%で,3年後では19.4%であった.他のPG関連薬と比べて下降率はやや高いように思われた.途中,27例が脱落し,2例が視野の解析ができなかったため,3年まで視野の経過を解析できたのは33例であった.そのなかで,イベント解析で悪化がみられたのは4例,トレンド解析で悪化したのは1例であった.ただ,脱落例の内訳では,副作用による中止例が多い傾向にあった(17例,27.4%).点眼による充血などが原因となったのかもしれない.6.ブリモニジン(アイファガンR)の眼圧下降効果次に,海外では永らく使われているが,日本では3年前から使用されるようになった交感神経a2作動薬点眼薬のブリモニジンをみてみる.174例の原発開放隅角緑内障(広義)を対象として半年間経過を見た結果である13).すでに他剤を使用していて,そのアドオン効果を評価した.3剤以上使用していてそれにアドオンした症例が一番多く,114例であったが,追加点眼効果が有意に出ている結果となった(図8).副作用は半年間に約10%に出現した.3カ月くらい経過してからアレルギー症状の出るケースが3例あったが,使用しはじめて1カ月後の比較的早期に,血圧低下・除脈が1例,傾眠傾向が1例と全身症状が出た例もあったので,処方時には患者に注意喚起するなど,配慮が必要と思われる.7.配合剤の眼圧下降効果a.ラタノプロスト?チモロール配合剤(ザラカムR)の眼圧下降効果さてここで,2010年からやっと日本にも登場した配合薬のレビューをしてみたい.まず,ラタノプロスト/チモロール配合剤であるが,ラタノプロストとチモロールの2剤を使用していた162例を対象に,休薬期間を設けることなくそのままラタノプロスト/チモロール配合剤点眼に変更し,3年間経過をみた結果である14).変更前の眼圧は,平均15.2±3.3mmHgで3年後には14.3±3.0mmHgとなっており,有意差をもって眼圧は下がっているという結果になった(図9).ただ,3年後の時点で,約80%の症例は,眼圧変動は2mmHg以内であったが,10%で2mmHgを超える眼圧を示していた.3年間,ラタノプロスト/チモロール配合剤を使用し続けることのできた継続確率は61,7%であった.2.PG関連薬による眼瞼色素沈着と睫毛の伸長・剛毛化虹彩色素沈着と並んでPG関連薬の特徴的な副作用として,眼瞼色素沈着と睫毛の伸長や剛毛化があげられる(図14).片眼にのみPG関連薬を使用している症例を対象として,左右眼を比べて色素沈着と睫毛の変化を調査した21).この調査ではウノプロストンもPG関連薬として扱った.その結果,3人の検者による写真判定では,眼瞼色素沈着の割合はすべて10%未満で点眼薬の間でも差はなかったが,睫毛の変化については,トラボプロスト,タフルプロスト,ビマトプロストで40%を超える結果となった.一方,患者本人がアンケート形式で主観的に評価した結果において,睫毛の変化については写真判定と同程度であるが,眼瞼色素沈着に関しては,写真判定とは大きく異なり,その割合が最低でも20%と大変高くなっている(図15).外来で,筆者自身はそうは思わないのであるが,瞼が黒くなるから嫌だという患者を時々経験する.われわれ医師と患者のとらえ方に違いがあることに注意しなければならないと感じる.3.PG関連薬による上眼瞼溝深化(DUES)次に,最近話題になっている上眼瞼溝深化(deepeningofuppereyelidsulcus:DUES)に対する調査結果を示す22).片眼のみに点眼している患者の左右眼を写真判定で比較することにより判定した(図16).その結果,ビマトプロストで60%,トラボプロストで50%,ラタノプロストで24%,タフルプロストで18%にDUESが点眼側にみられるという結果になった.左右眼の比較ではなく,点眼開始後からDUESの発生頻度そのものをみた他の報告でも,6カ月間でラタノプロスト(6%)とタフルプロスト(14%)の頻度が逆転しているが,左右眼比較とほぼ同等の結果が示されている23).まとめ緑内障点眼薬はそれぞれに眼圧下降作用を有し,一定の割合で緑内障進行を予防する効果があると結論できる.一方で,緑内障点眼薬には,それぞれの薬に特有の副作用があり,これらを熟知することはより効果的な緑内障治療に結びつくものと考える.ただ,多くの点眼薬の出現により,眼圧下降治療そのものは随分と成功するようになってきた今日,眼圧下降以外の作用においても緑内障点眼薬の効果を評価することの必要性が増すと思われ,今後の緑内障治療の課題として重要であると考える.道程は長そうであるが,薬を作る方,使う方が力を合わせ,一体となって,この緑内障という,いわば巨大な怪物に立ち向かう覚悟が必要であることを改めて感じる.これからは,若い先生方の力も多いに期待したいところである.謝辞稿を終えるにあたり,筆者に緑内障を一からお教えいただいた恩師北澤克明先生,緑内障の診療,研究面で多くの機会を与えていただいた新家眞先生,名誉ある須田記念講演の講演者に指名していただいた第26回日本緑内障学会会長でかつ筆者の敬愛する同級生である岩瀬愛子先生に深甚なる感謝の意を表します.また,講演の座長の労をお取りいただいた日本緑内障学会理事長の山本哲也先生,多くの臨床研究を主導され,そのデータの使用を快く認めていただいた井上眼科病院グループ理事長の井上賢治先生ならびに医局の先生方,緑内障臨床を共に行い研究を行ってきた東京大学眼科の相原一先生ならびに医局の先生方,東京緑内障セミナーの先生方,東邦大学大橋病院眼科医局員に心より感謝申し上げます.なお,本総説は,第26回日本緑内障学会須田記念講演での発表内容に基づいて執筆いたしましたが,現在論文作成中のデータが発表に含まれていたため,内容の一部を割愛させていただきましたことをお詫び申し上げます.文献1)Garway-HeathDF,CrabbD,BuceCetal:Latanoprostforopen-angleglaucoma(UKGTS):arandomized,multicenter,placebo-controlledtrial.Lancet385:1295-1304,20152)TomitaG,AraieM,KitazawaYetal:Athree-yearprospective,randomizedandopencomparisonbetweenlatanoprostandtimololinJapanesenormal-tensionglaucomapatients.Eye18:984-989,20043)井上賢治,澤田英子,増本美枝子ほか:正常眼圧緑内障に対するイソプロピルウノプロストン3年間点眼の眼圧およびセクター別の視野に及ぼす影響.あたらしい眼科27:1593-1597,20104)齋藤代志明,佐伯智幸,杉山和久:広義原発開放隅角緑内障に対するイソウノプロストン単独投与による眼圧および視野の長期経過.日眼会誌110:717-722,20065)BeckerB:Decreaseinintraocularpressureinmanbyacarbonicanhydraseinhibitor:Diamox:apreliminaryreport.AmJOphthalmol37:13-15,19546)PodosSM,SerleJB:Topicallyactivecarbonicanhydraseinhibitorsforglaucoma.ArchOphthalmol109:38-39,19917)井上賢治,添田尚一,鬼怒川雄一ほか:ドルゾラマイド点眼薬のプロスタグランジン関連点眼薬への追加投与の長期経過.臨眼68:287-291,20148)井上賢治,小尾明子,若倉雅登ほか:ラタノプロストへのブリンゾラミド点眼追加療法.あたらしい眼科25:1573-1576,20089)井上賢治,泉雅子,若倉雅登ほか:ラタノプロストの無効率とその関連因子.臨眼59:553-557,200510)InoueK,IwasaM,WakakuraMetal:EffectofBAK-freetravoprosttreatmentfor3yearsinpatientswithnormaltensionglaucoma.ClinOphtalmol6:1315-1319,201211)InoueK,TanakaA,TomitaG:Effectsoftafluprosttreatmentfor3yearsinpatientswithnotmal-tensionglaucoma.ClinOphthalmol7:1411-1416,201312)InoueK,ShiokawaM,FujimotoTetal:Effectoftreatmentwithbimatoprost0.03%for3tearsinpatientswithnormaltensionglaucoma.ClinOphthalmol8:1179-1183,201413)中島佑至,井上賢治,富田剛司:ブリモニジン酒石酸塩点眼薬の追加投与による眼圧下降と安全性.臨眼68:967-971,201414)InoueK,OkayamaR,HigaRetal:Efficacyandsafetyofswitchingtolatanoprost0.005%-timilol0.5%fixedcombinationeyedropsfromanunfixedcombinationfor36months.ClinOphthalmol8:1275-1279,201415)InoueK,SetogawaA,HIgaRetal:Ocularhypotensiveeffectandsafetyoftravoprost0.004%/timololmaleate0.5%fixedcombinationafterchangeoftreatmentregimenfromb-blockersandprostaglandinanalogs.ClinOphthalmol6:231-235,201216)InoueK,ShiokawaM,SugawaraMetal:Three-monthevaluationofdorzolamidehydrochloride/timololmaleatefixed-combinationeyedropsversustheseparateuseofbothdrugs.JpnJOphthalmol56:559-563,201217)InoueK,SoedaS,TomitaG:Comparisonoflatanoprost/timololwithcarbonicanhydraseinhibitoranddorzolamide/timololwithprostaglandinanaloginthetreatmentofglaucoma.JOphthalmol2014:975429,201418)AiharaM,OshimaH,AraieMetal:EffectsofSofZiapreservedtravoprostandbenzalkoniumchloride-preservedlatanoprostontheocularsurface?amulticenterrandomizedsingle-maskedstudy.ActaOphthalmol91:e7-e14,201319)NakagawaS,UsuiT,YokooSetal:Toxicityevaluationofantiglaucomadrugsusingstratifiedhumancultivatedcornealepithelialsheets.InvestOphthalmolVisSci53:5154-5160,201220)Latanoprost-InducedIrisPigmentationStudyGroup:Incidenceofalatanoprost-inducedincreaseinirispigmentationinJapaneseeyes.JpnJOphthalmol50:96-99,200621)InoueK,ShiokawaM,HigaRetal:Adverseperiocularreactionstofivetypesofprostaglandinanalogs.Eye26:1465-1472,201222)InoueK,ShiokawaM,WakakuraMetal:Deepeningoftheuppereyelidsulcuscausedby5typesofprostaglandinanalogs.JGlaucoma22:626-631,201323)SakataR,ShiratoS,MiyataKetal:Incidenceofdeepeningoftheuppereyelidsulcusinprostaglandin-associatedperiorbitopathywithalatanoprostophthalmicsolution.Eye28:1446-1451,2014表11980年以降の各点眼薬の販売開始年月販売開始年月製品名配合剤有効成分一般名198109チモプトールR点眼液0.25%/0.5%日局チモロールマレイン酸塩198411ミケランR点眼液1%/2%カルテオロール塩酸塩198812ピバレフリンR0.04%/0.1%ジピベフリン塩酸塩199408ベトプティックR点眼液0.5%日局ベタキソロール塩酸塩199410レスキュラR点眼液0.12%イソプロピルウノプロストン199905キサラタンR点眼液0.005%ラタノプロスト199905トルソプトR点眼液0.5%/1%日局ドルゾラミド塩酸塩199908ハイパジールコーワ点眼液0.25%ニプラジロール199911チモプトールRXE点眼液0.25%/0.5%日局チモロールマレイン酸塩199911リズモンRTG点眼液0.25%/0,5%日局チモロールマレイン酸塩200102ミロルR点眼液0.5%レボブノロール塩酸塩200109デタントールR0.01%点眼液ブナゾシン塩酸塩200209ベトプティックRエス懸濁性点眼液0.5%日局ベタキソロール塩酸塩200212エイソプトR懸濁性点眼液1%ブリンゾラミド200707ミケランRLA点眼液1%/2%カルテオロール塩酸塩200710トラバタンズR点眼液0.004%トラボプロスト200812タプロスR点眼液0.0015%タフルプロスト200910ルミガンR点眼液0.03%ビマトプロスト201004ザラカムR配合点眼液○ラタノプロスト日局チモロールマレイン酸塩201006デュオトラバR配合点眼液○トラボプロスト日局チモロールマレイン酸塩201006コソプトR配合点眼液○日局ドルゾラミド塩酸塩日局チモロールマレイン酸塩201205アイファガンR点眼液0.1%ブリモニジン酒石酸塩201310タプロスRミニ点眼液0.0015%タフルプロスト201311アゾルガR配合懸濁性点眼液○ブリンゾラミド日局チモロールマレイン酸塩201411タプコムR配合点眼液○タフルプロスト日局チモロールマレイン酸塩201412グラナテックR点眼液0.4%リパスジル塩酸塩水和物201506コソプトRミニ配合点眼液〇日局ドルゾラミド塩酸塩日局チモロールマレイン酸塩表2東邦大学大橋病院で7年以上点眼薬のみで加療されている患者の初診時治療薬点眼薬例数PG関連薬46PG関連薬+交感神経b遮断薬33PG関連薬+交感神経b遮断薬+炭酸脱水酵素阻害薬22PG:プロスタグランジン表4眼圧の変化(mmHg)初診時現在p値PG剤のみ(n=46)14.1±2.613.0±2.90.029PG+b(n=33)14.4±1.913.2±2.40.008PG+b+CAI(n=22)16.1±4.014.0±2.80.029PG:プロスタグランディン関連薬,b:交感神経b遮断薬,CAI:炭酸脱水酵素阻害薬点眼薬.平均値±標準偏差:対応のあるt検定表3最終観察時の使用薬剤初診時薬剤最終観察時薬剤例数PG(46)PG11PG/b4PG+b6PG+CAI5PG+b/CAI2PG+b+CAI2PG+b+a11PG+b+a21PG/b+CAI+a21PG+b/CAI+a22PG+b+CAI+a22PG+b+CAI+ROCK4PG+b(33)PG+b6PG+b/CAI5PG+b+CAI10PG+b+a22PG+b/CAI+a210PG+b+CAI(22)b+CAI1PG+b+CAI12PG+b+CAI+内服1PG+b+CAI+a22PG+b/CAI+a13PG+b/CAI+a22PG+b/CAI+ROCK1PG:プロスタグランジン関連薬,b:交感神経b遮断薬,CAI:炭酸脱水酵素阻害薬,a1:交感神経a1遮断薬,a2:交感神経a2作動薬,ROCK:ROCK阻害薬,PG/b:プロスタグランジン関連薬・b遮断薬配合薬,b/CAI:交感神経b遮断薬・炭酸脱水酵素阻害薬配合薬.図1チモプトールR,キサラタンRの点眼前後の眼圧値(トラフ値)図2レスキュラRの点眼前後の眼圧値図3トルソプトR点眼追加前後の眼圧図4エイゾプトR点眼追加前後の眼圧値図5トラバタンズR点眼前後の眼圧値図6タプロスR点眼前後の眼圧値表5ラタノプロスト投与3カ月後の投与前眼圧ごとのノンレスポンダーの頻度および眼圧下降率図7ルミガンR点眼前後の眼圧値図8アイファガンR点眼追加後の眼圧値図9ザラカムR点眼変更前後の眼圧値図10デュオトラバR点眼変更前後の眼圧値図11PG関連薬?b遮断薬配合点眼薬+CAI点眼薬とPG関連薬+コソプトRの眼圧下降効果の比較図12緑内障点眼薬多剤使用による角膜障害(東邦大学医療センター大森病院眼科堀裕一教授のご厚意による).図13PG関連薬点眼による虹彩色素沈着の一例図14PG関連薬点眼による眼瞼色素沈着と睫毛の変化図15患者の主観的評価によるPG関連薬点眼による眼瞼色素沈着と睫毛の変化図16片眼PG関連薬点眼により生じた上眼瞼溝深化(DUES)の1例(右眼)*GojiTomita:東邦大学医療センター大橋病院眼科〔別刷請求先〕富田剛司:〒153-8515東京都目黒区大橋2-17-6東邦大学医療センター大橋病院眼科0910-1810/16/\100/頁/JCOPY(63)989990あたらしい眼科Vol.33,No.7,2016(64)(65)あたらしい眼科Vol.33,No.7,2016991992あたらしい眼科Vol.33,No.7,2016(66)(67)あたらしい眼科Vol.33,No.7,2016993994あたらしい眼科Vol.33,No.7,2016(68)(69)あたらしい眼科Vol.33,No.7,2016995996あたらしい眼科Vol.33,No.7,2016(70)(71)あたらしい眼科Vol.33,No.7,2016997998あたらしい眼科Vol.33,No.7,2016(72)(73)あたらしい眼科Vol.33,No.7,2016999