特集●眼の先制医療あたらしい眼科33(4):535〜541,2016眼のサルコイドーシスOcularSarcoidosis丸山和一*はじめにぶどう膜炎は大学病院外来診療の2%を占める.そのなかでサルコイドーシスによるぶどう膜炎は比較的多くみられる疾患であり,診断がつけば治療方針や経過を予測することが可能な疾患である.しかし,他の眼疾患と同様,同じ疾患でも個人間では様相が変化し,さまざまな病態が絡み診断が困難である症例が多々ある.サルコイドーシスは原因が未だ究明されておらず,治療法も現在までステロイド投与などの対症療法しか存在していなかった.しかし近年,眼内液・眼内組織解析により直接的に眼内液の病原体DNA,浸潤細胞分画を確認することで,病態の把握を行い診断する方法が確立されてきている.これらの検査法の発達により,サルコイドーシスぶどう膜炎の原因と考えられる候補が浮上してきた.筆者らはその候補病原体に対する免疫反応をもとに診断・治療を試みている.Iサルコイドーシスの病態と分類サルコイドーシスは,眼・心・皮膚・肺など全身の組織または臓器に非乾酪性肉芽腫を作り,多彩な臨床所見を呈する原因不明の疾患である.肺においては胸部両側肺門リンパ節腫脹(bilateralhilarlymphadenopathy:BHL)を呈し,また肺の線維化を誘導し,間質性肺炎を発症することがある.皮膚では特徴的な痛みを伴わないサルコイドーシス皮膚結節を発症する.心臓においては肉芽腫の伝導障害による不整脈や心室中隔に発症する肉芽腫により,心室中隔の菲薄化が起こり,その結果,大動脈弁閉鎖不全による心不全を誘発することがある.サルコイドーシスによるぶどう膜炎は,全身における炎症の活動性や重症度が低くても,重度なぶどう膜炎を呈することがあり,眼科所見よりサルコイドーシスと判明することもしばしばある.実際,ぶどう膜炎を発症するサルコイドーシスは40~60%とされている.サルコイドーシスの発症率は年齢分布において二峰性であり,好発年齢は20~30代(若年者発症)と50~60代(中高齢者発症)であり,男女比では女性にやや多く,とくにぶどう膜炎を発症する中高齢者発症の多くが女性であることが特徴的である.筆者らは眼所見が主体のものに対してはInternationalWorkshoponOcularSarcoidosis(IWOS)基準1)を使用し,眼サルコイドーシスを分類している.網膜血管炎や硝子体混濁は年齢に関係なく認められるが,筆者らは,若年者発症の場合,前眼部の肉芽形成,視神経肉芽腫や網膜後極部を中心とした血管炎を特徴とするが,それに対して中高年齢発症では,前眼部の肉芽形成は少なく,硝子体混濁が主で網膜周辺部の滲出斑や網膜血管炎を呈する(図1)ことを見いだした.このため年齢により,ぶどう膜炎発症の機序が異なることも示唆される.現在,筆者らはサルコイドーシス患者の眼内液(前房水・硝子体液・摘出した網膜前膜)などの解析を行い,病態の把握を試みている.IIぶどう膜炎の診断法ぶどう膜炎で外来受診する約30%が原因不明に分類されることは,大黒らの報告で明らかになっている2).しかし近年,ぶどう膜炎に対する診断技術や薬物療法・手術療法の向上により,それまで原因不明とされていたぶどう膜炎の原因が究明されてきている.近年の注目すべき眼内液診断法として,眼内液multiplexPCR検査3),サイトカイン解析4),硝子体細胞解析5~8),摘出した組織(黄斑前膜)の解析があげられる.これらはぶどう膜炎研究のなかでは画期的な診断法である.MultiplexPCR(polymerasechainreaction)検査は感染性ぶどう膜炎には有用である.臨床所見のみでは診断に苦慮し,対症療法を施行している症例のなかには,本法により診断結果を得ることがあり,適切な治療へ速やかに移行することができる症例も存在する.実際,筆者らは今までに150例ほど前房水の解析を行ってきたが,今回初めて活動性の高いサルコイドーシス患者の前房水からPropionibacteriumacnes(P.acnes)のDNAを高コピー数で検出した(図2).硝子体手術時に施行される硝子体細胞解析(サイトカイン測定を含む)は,硝子体内に存在する細胞群を解析することで,その疾患の大まかな病態を推測できる.とくにサルコイドーシス内眼炎とその他のぶどう膜炎の診断には有用であると報告されている7,8).以前に筆者らは硝子体手術で得られたサンプルをフローサイトメトリーで解析した結果,サルコイドーシス診断のために施行される肺胞洗浄検査(bronchoalveolarlavagefluid:BALF)で得られるのと同様の検査データを得られることを報告した.BALFでは,炎症が存在する局所にてCD4陽性T細胞の分画がCD8陽性T細胞と比較すると明らかに増加し,CD4/CD8比が高値であることが報告されており,その値が3.5より高値であるならサルコイドーシスと診断される.硝子体内でも同様で,サルコイドーシスと診断可能であった患者から採取した硝子体内CD4/CD8比はかなり高値であった(図3)9).他のぶどう膜炎疾患ではこのような特異的な分画が存在せず,サルコイドーシス内眼炎に特異的な値であることが判明した.サルコイドーシス内眼炎ではCD4/CD8比が比較的高値である(つまりCD4陽性率が高い)ことは,サルコイドーシスの病態が反映しているものと考える.サルコイドーシスは全身に非乾酪性肉芽腫を呈する病態である.この肉芽腫形成に,細菌であるP.acnesとCD4陽性T細胞が関与している可能性がある.以前よりサルコイドーシスの発症には何らかの細菌感染(結核菌を含む)が関与していることが示唆されていた.Hommaらが報告したようにP.acnesは,局所のサルコイドーシス病変部位(とくにリンパ節)を採取し,細菌培養したところ,唯一高い確率で分離できた細菌である10).P.acnesは皮膚常在菌のグラム陽性桿菌であり,皮膚科領域では尋常性挫創,眼科領域では眼瞼炎や術後遅発性眼内炎との関連が示唆されている.P.acnesは,サルコイドーシス患者において組織学的に非乾酪性肉芽腫の中に存在していることが,多くの臓器・組織検査にて証明されている.サルコイドーシスの病態に関与する細菌でP.acnesとよく比較されているのがMycobacterium属の細菌(とくに結核菌)である.しかし,以前のInternationalCollaborativeStudyにおいて,結核菌DNAがサルコイドーシス患者では陽性率が約0~9%に対して結核患者のサンプルからは65~100%となっており,サルコイドーシスの病態に結核菌の関与は少ないと考えられている.さらに本国における大規模な研究においても,サルコイドーシス患者の組織サンプル培養において,約80%からP.acnesが分離され,Mycobacterium属の細菌は検出されていない.これらの研究は2度繰り返されており,さらには皮膚などのP.acnesの遺伝型と異なることを示していて,培養中のコンタミネーションは認めていないと報告されており,組織特異的なP.acnesの感染と考えられている.眼科領域では日本肉芽腫性疾患・サルコイドーシス学会にて,東京医科大学眼科学教室の後藤浩教授が硝子体手術時に得られた黄斑前膜より,肉芽腫とその中に存在するP.acnesを免疫染色にて検出しており11),サルコイドーシによるぶどう膜炎においてもP.acnesが関与していることが判明している.IIIP.acnesの同定Negiらは,P.acnesのmembrane-boundlipoteichoricacid(PAB)とribosome-boundtriggerfactorprotein(TIG)抗体で,P.acnesを免疫染色specificantibody(PABantibody)を用いてサルコイドーシス患者の肺組織とリンパ節を染色した12).その結果,PAB抗体による染色では,気管支生検によるサンプルからは48%,リンパ節からは88%と高い確率で染色されたのとは対照的に,結核患者やその他の肺疾患から得られたサンプルの染色ではまったく免疫染色の反応は認められなかった.このことから,PAB抗体はP.acnesに特異的な抗体であることがわかり,今現在もサルコイドーシスによる肉芽腫におけるP.acnesの存在を確認するため用いられている.IV宿主のP.acnesへの免疫反応ここまででサルコイドーシスの発症にP.acnesが強く関与していることは疑う余地はないが,ではなぜ常在菌であるP.acnesに免疫反応が起こるのかは疑問である.以前よりKveimtestがサルコイドーシスの診断に用いられているが,これはサルコイドーシス患者の肉芽腫を潰して加熱し滅菌した懸濁液を,サルコイドーシスを疑う患者の皮内に注射すると約70~80%の人に1週間以内に丘疹が出現し,4~6週間で最大となる反応である.この注射部分を採取し,サルコイドーシスに類似した肉芽腫の形成を認めれば,丘疹の出現がなくともKveim反応陽性と判定できる.これはIV型アレルギーの一種であるため,抗原が肉芽腫の中に存在しなければ本テストのように遅延型過敏反応は起こらない.このことから肉芽腫のなかには抗原であるP.acnesが存在していることが推測される.近年はサルコイドーシス患者の肉芽腫が入手困難となっているため,Kveimtestを施行する頻度が低下している.P.acnes抗原に対する過敏性の反応は誰にでも発生するものではなく,以前からサルコイドーシスではホストの要因が病因よりも重要であることが報告されている.先にも述べたがKveim反応は正常の人間や他疾患に罹患している人には起こらず,サルコイドーシス患者のみにみられる反応である.サルコイドーシス患者の炎症反応には,多くのT細胞(とくにCD4細胞)やマクロファージからのTh1型の炎症性サイトカイン産生が関与している.そのため,サルコイドーシス患者でP.acnes感染がサルコイドーシスの病態に関与しているなら,P.acnesに対するTh1反応が強く認められると考えられる.Ebeらはサルコイドーシス患者のみが免疫反応をしめすPropionibacterium属の抗原を探索し,RP35という蛋白をサルコイドーシス患者から見いだし,RP35がサルコイドーシス患者のPBMC(peripheralbloodmononuclearcell)の増殖を促進させることを報告した13).さらにFurusawaらはP.acnesの生菌を用いてサルコイドーシス患者のPBMCによるIL-2の産生について検討を行った結果,サルコイドーシス患者のPBMCからのIL-2産生が,コントロール群よりも有意に高い値であったことを報告している14).他の研究においても,サルコイドーシス患者より集めた気管支肺胞洗浄液をP.acnesで刺激したところ,IL-2の産生が増加したとの報告もある.実際サルコイドーシス患者の肺胞洗浄液よりP.acnesのDNAが確認されたのは70%にのぼり,コントロールの23%と比較すると有意な差があると考えられる.これらの結果より,やはりサルコイドーシスの病態にはP.acnesが関与していることが示唆される.Th1effector細胞はINF-gを産生し細胞内感染に対する免疫反応を誘導し,逆にTh17細胞はIL-17を産生し細菌感染に対する免疫反応から守る役割をもっている.サルコイドーシス患者では,PBMCからのIL-2の産生が増加しているため,Th17細胞の誘導が抑制されている(IL-2はTh17細胞の誘導を抑制)ことが考えられる.実際,サルコイドーシス患者ではTh17細胞の誘導が抑制されており,細菌感染に対する免疫反応が障害されていることが報告されている14).また,サルコイドーシス患者の肺胞洗浄液より採取したCD4陽性T細胞は,多くはTh1タイプのサイトカインであるIL-2やIFN-g,TNF-aを産生するが,いくつかはTh2サイトカインを産生することも知られている.サルコイドーシスの病態である肉芽腫形成にはこのTh1/Th2バランスが関与するとの報告がある.つまりTh2サイトカインである線維化を誘導するIL-4などが,Th1サイトカインであるIFN-gさらにはTNF-aにより抑制されていることがわかっている.V眼科領域(硝子体)における免疫反応筆者らは,現在までにサルコイドーシス内眼炎の硝子体液をフローサイトメトリーやmultiplexELISA(enzyme-linkedimmunosorbentassay)にて測定した値を報告してきた15).その結果,CD4陽性細胞が多く,種々の炎症性サイトカインがサルコイドーシス内眼炎における硝子体液中で高いことが判明した.そのなかでも硝子体中,血清中ともにコントロールと比較すると高値であったのがケモカインの一種であるIP-10である.IP-10は,以前からサルコイドーシスに罹患した患者血清で上昇することが知られている.働きとしては活性化Th1細胞に関連して,さらなるTh1細胞の遊走を促進する16).このことから,今後の診療でサルコイドーシス内眼炎を疑う場合,硝子体液や血清のIP-10を測定することが診断の補助になる可能性がある.しかし,他のぶどう膜炎でも硝子体内のサイトカイン濃度は上昇するため,さらに疾患を集めサルコイドーシスに特異的なサイトカインを探索する必要がある.残念ながら,現在のところ硝子体液よりバイオマーカーとなるサイトカインは発見されていないが,臨床所見と照らし合わせると.興味深い発見ができた.それは臨床所見と硝子体液中で上昇するサイトカインの種類を照らし合せ,病態におけるサイトカインの種類が,病期に関与する可能性である.ぶどう膜炎では視力予後に黄斑浮腫の有無が重要になる.黄斑浮腫が軽度のものでは,急性期サイトカインであるIL-1ra,IL-4,IL-8,IFNgamma,IP-10,MIP-1beta,RANTEsなどが高値を示すのに対し,黄斑浮腫が高度のものでは(図4),PDGFBB,IL-12,G-CSF,VEGFなど血管透過性亢進するサイトカイン濃度が高い傾向がみられる(図5)15).このことより,網膜血管が破綻する前に手術にて急性期の炎症性サイトカインなどを除去したほうがよいことが考慮される.今回,筆者らはIL-2を測定しておらず,今後,硝子体液においてもIL-2の濃度を測定することが重要であると考える.VI動物実験モデルの検討病態の本質に迫るため,これまで研究者たちは,どのような疾患に対しても,動物実験を用いて病態やその治療法について検討してきた.サルコイドーシスも例外ではなく,現在までに多くの動物実験モデルを試している17).マウスモデルではP.acnesの静脈注射により肝臓の肉芽腫形成を誘導可能であるが肺の病変はみられていない.しかし,ラットやウサギでは静脈注射により肺の病変を誘導できることがわかっている.さらに(熱処理した)P.acnesやRP35の蛋白を用いて免疫をつけたモデルでは肺の肉芽腫をマウスでも観察できることを発見した.元来,正常の肺やリンパ節でもP.acnesがわずかに存在していることが知られている,このためすでにマクロファージ,T細胞などはP.acnesに暴露されておりP.acnesに対する免疫反応が誘導されていると考えられている.そのためP.acnesに感作されたCD4T細胞をnaïveマウスにadoptivetransferすることで,肺に肉芽腫が形成されることが報告されている.つまり常にP.acnesに感作されたT細胞を供給することで,肺に肉芽腫を形成することが可能と考えられる.しかし,未だに眼科領域のモデルはなく,今後種々の実験方法を改良し,ぶどう膜炎を誘導するモデルを作製することが重要であると考える.これらのモデルは治療法の探索にも用いられており,実際にアジスロマイシンやミノサイクリンを投与すると肉芽腫形成が妨げられることが報告されており,モデル動物ができれば治療法の発展に有効であると考える.VII治療法眼科領域では,サルコイドーシス内眼炎の治療にはステロイドを使用している.他の領域でも同様で,約50年にわたり,ステロイドを使用した免疫抑制療法を選択している.しかし,本稿でも述べたようにサルコイドーシスは細菌であるP.acnesの感染による免疫反応であるため,長期間のステロイド投与はさらにP.acnesの感染を増幅させる可能性がある.しかし,潜在的な感染であれば治療することが困難であり,いくら抗菌薬を使用しても炎症が再活性する可能性がある.そこで登場したのがミノサイクリンである.現在ミノサイクリンは尋常性乾癬(ニキビ)の治療に用いられ,有効性があることが報告されている.さらに日本のグループでは,Babaらがミノサイクリンとクラリスロマイシンを併用し,ステロイドで治療困難であった肺病変を改善したと報告している18).眼科領域でもParkらがサルコイドーシス眼瞼炎をミノサイクリンで治療が可能であったと報告しているが19),近年ではTheMarshallprotocolがあり20),これはミノサイクリンにアジスロマイシンまたはクリンダマイシンを使用した治療法であり,約62%のサルコイドーシス患者に有効であったと報告されている.しかし,未だ眼内病変に対する治療は報告されていないため,今後ステロイドにより炎症反応を抑制し,抗菌薬の使用も考慮する必要があるかもしれない.まとめサルコイドーシスによるぶどう膜炎は,種々の検査で診断が可能となってきた.そして近年,サルコイドーシスの発症に関与する可能性のある病原菌が探索された結果,候補となる病原菌を特定することができた.その病原菌がぶどう膜炎をも引き起こす可能性があるため,今後は詳細な検討を行い,サルコイドーシスによるぶどう膜炎の診断・治療に一石を投じたい.文献1)HerbortCP,RaoNA,MochizukiM:Internationalcriteriaforthediagnosisofocularsarcoidosis:resultsofthefirstInternationalWorkshopOnOcularSarcoidosis(IWOS).OculImmunolInflamm17:160-169,20092)OhguroN,SonodaKH,TakeuchiMetal:The2009prospectivemulti-centerepidemiologicsurveyofuveitisinJapan.JpnJOphthalmol56:432-435,20123)SugitaS,OgawaM,ShimizuNetal:Useofacomprehensivepolymerasechainreactionsystemfordiagnosisofocularinfectiousdiseases.Ophthalmology120:1761-1768,20134)NagataK,MaruyamaK,UnoKetal:Simultaneousanalysisofmultiplecytokinesinthevitreousofpatientswithsarcoiduveitis.InvestOphthalmolVisSci53:3827-3833,20125)DavisJL,ChanCC,NussenblattRB:Diagnosticvitrectomyinintermediateuveitis.DevOphthalmol23:120-132,19226)DavisJL,MillerDM,RuizP:Diagnostictestingofvitrectomyspecimens.AmJOphthalmol140:822-829,20057)DavisJL,VicianaAL,RuizP:Diagnosisofintraocularlymphomabyflowcytometry.AmJOphthalmol124:362-372,19978)KojimaK,MaruyamaK,InabaTetal:TheCD4/CD8ratioinvitreousfluidisofhighdiagnosticvalueinsarcoidosis.Ophthalmology119:2386-2392,20129)KojimaK,MaruyamaK,InabaTetal:TheCD4/CD8ratioinvitreousfluidisofhighdiagnosticvalueinsarcoidosis.Ophthalmology119:2386-2392,201210)HommaJY,AbeC,ChosaHetal:Bacteriologicalinvestigationonbiopsyspecimensfrompatientswithsarcoidosis.JpnJExpMed48:251-255,197811)後藤浩,馬詰朗比古,江石義信:眼サルコイドーシスの眼内病変におけるP.acnesの検出.日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌34:50-52,201412)NegiM,TakemuraT,GuzmanJetal:Localizationofpropionibacteriumacnesingranulomassupportsapossibleetiologiclinkbetweensarcoidosisandthebacterium.ModPathol25:1284-1297,201213)EbeY,IkushimaS,YamaguchiTetal:ProliferativeresponseofperipheralbloodmononuclearcellsandlevelsofantibodytorecombinantproteinfromPropionibacteri-umacnesDNAexpressionlibraryinJapanesepatientswithsarcoidosis.SarcoidosisVascDiffuseLungDis17:256-265,200014)FurusawaH,SuzukiY,MiyazakiYetal:Th1andTh17immuneresponsestoviablePropionibacteriumacnesinpatientswithsarcoidosis.RespirInvestig50:104-109,201215)NagataK,MaruyamaK,UnoKetal:Simultaneousanalysisofmultiplecytokinesinthevitreousofpatientswithsarcoiduveitis.InvestophthalmolVisSci53:3827-3833,201216)AgostiniC,CassatellaM,ZambelloRetal:InvolvementoftheIP-10chemokineinsarcoidgranulomatousreactions.JImmunol161:6413-6420,199817)EishiY:EtiologiclinkbetweensarcoidosisandPropionibacteriumacnes.RespirInvestig51:56-68,201318)BabaK,YamaguchiE,MatsuiSetal:Acaseofsarcoidosiswithmultipleendobronchialmasslesionsthatdisappearedwithantibiotics.SarcoidosisVas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