特集●病的近視あたらしい眼科32(10):1409~1418,2015特集●病的近視あたらしい眼科32(10):1409~1418,2015病的近視の緑内障TheClinicalFeatureofOpen-AngleGlaucomawithPathologicMyopia新田耕治*I近視性視神経症でも視野障害出現の可能性あり近視眼では,若年期の眼軸長の延長に伴い視神経の乳頭の傾斜が生じ,さらに40歳ごろには後部ぶどう腫とよばれる眼球後部の一部分のみ拡張する変化が出現する.Curtinは後部ぶどう腫を10タイプに分類し,基本型であるI~Vと混合型のVI~Xがある1)(「後部ぶどう腫と網膜脈絡膜萎縮」の項,p.1391,図4参照).Hsiangらは,日本人では後極部を中心に後部ぶどう腫が出現するが,乳頭より鼻側には後部ぶどう腫が出現しないタイプIIがもっとも多く,さらに,50歳以降の症例ではtypeIXの後部ぶどう腫のタイプがもっとも多いことを報告した2).さらに,Ohno-Matsuiは,3DMRIで撮影した眼球の外観と眼底所見と組み合わせて,Curtin分類のtypeIをwide,macularstaphyloma,typeIIをnarrow,macularstaphyloma,typeIIIをperipapillarystaphyloma,typeIVをnasalstaphyloma,typeVをinferiorstaphylomaと後部ぶどう腫の形態を新たに分類した(図1).最近では,病的近視眼では黄斑部のみ前方へ突出したdome-shapedmaculaといわれる特殊な眼球後部形状や,intrachoroidalcavitation(ICC)という脈絡膜内のcavityが乳頭下方や黄斑部にみられることが報告されるようになり,強膜内のコラーゲン線維や弾性線維の変化によってさまざまな後部ぶどう腫の形態が存在する可能性があることがわかってきたので,この新分類ではCurtin分類のtypeVI~XはすべてtypeIに含めている.その結果,病的近視眼の50.5%で後部ぶどう腫が存在し,その74%がwide,macularstaphylomaで,14%がnarrow,macularstaphylomaであった3).眼球形態が変化することにより,さまざまな黄斑疾患や周辺部網膜病変が生じる.このような病態を病的近視とよび,病的近視の眼底所見には,後部ぶどう腫以外にBruch膜lacquercrack(ひび割れ),黄斑部出血,近視性牽引黄斑症,近視性網脈絡膜萎縮(chorioretinalatrophy:CRA),近視性コーヌス,格子状変性などがある.それぞれの特徴は成書にゆずるが,近視眼では,篩状板支持組織の脆弱化や視神経周囲の構造的変化による力学的不均衡が生じ,視神経乳頭の形態にも重大な影響を与えると考えられている.この形態変化によって,上述の病的近視眼の眼底所見を生じていなくても視野障害を生じることがある4).正常眼を対象にした筆者らの解析において,Humphrey視野の測定部位別に網膜感度と眼軸長の相関を調べると,全52部位のうち眼軸長が延長するにつれて網膜感度が有意に低下する部位をshortwave-lengthautomaticperimetryで25部位,standardautomaticperimetryで13部位に認めた5).非緑内障病的近視眼を10年以上観察すると,13.2%で視野異常が出現し,6割以上で視野障害が進行し,視野障害の進行に有意に関与する因子は唯一視神経乳頭耳側に出現したscleralcurvatureであったとの報告があ*KojiNitta:福井県済生会病院眼科〔別刷請求先〕新田耕治:〒918-8235福井県福井市和田中町舟橋7-1福井県済生会病院眼科0910-1810/15/\100/頁/JCOPY(37)1409TypeIwide,macularstaphylomaTypeIInarrow,macularstaphylomaTypeIIIperipapillarystaphylomaTypeIVnasalstaphylomaTypeVinferiorstaphyloma図13DMRIにより撮影された眼球外観と眼底所見を組み合わせた後部ぶどう腫の新分類TypeIはwide,macularタイプの後部ぶどう腫でもっとも高頻度.TypeIIはnarrow,macularタイプ,TypeIIIはperipapillaryタイプ,TypeIVはnasalタイプ,TypeVはinferiorタイプの後部ぶどう腫.(文献3から引用)長眼軸長正常眼データーベース図2眼底に病的近視所見を合併している病的近視眼緑内障視神経乳頭はやや蒼白でHumphrey視野にて上方弓状感度低下および下方のMariotte盲点拡大,さらに下方の耳側固視点近傍を回避した視野障害を認めた.正常眼データーベース長眼軸長正常眼データーベース図3非緑内障病的近視症例屈折は等価球面度数で右眼軸長は26.88mm.正常眼データベースで解析した黄斑部網膜内層解析では,黄斑上方に弓状に神経節細胞複合体(ganglioncellcomplex:GCC)の菲薄化領域を認め,緑内障性変化と紛らわしいが,長眼軸長正常眼データベースを活用して再解析すると,GCCの菲薄化領域を認めなかった.あたらしい眼科Vol.32,No.10,20151413(41)障(primaryopen-angleglaucoma:POAG)眼における近視による影響を明確に解析するために,近視群を等価球面度数≦.6Dあるいは眼軸長≧26.0mmとし,非近視群を等価球面度数≧.1Dとし,この2群について検討した.対象として選択されたのは近視群が107例107眼,非近視群が120例120眼であった.初診時年齢は近視群が52.2±9.5歳で非近視群(62.4±10.2歳)視力が0.3以下に低下する症例は近視型乳頭で有意に高率とされている9).これは,長期的に近視を伴う緑内障症例を経過観察していくと,比較的早期から中心視野が障害される場合があることと関連している可能性がある.通常の緑内障の自然経過は,ブエルム領域や鼻側階段から視野障害が出現し,それらが拡大融合し,徐々に中心部にまで視野障害が及んでいくことが多い.そのような障害パターンでは中心視野にまで視野異常が及ぶには発症からかなりの時間が経過してからのことが多い.一方,強度近視眼緑内障は,Bruch膜lacquercracks(ひび割れ)・黄斑部出血・近視性牽引黄斑症・CRAなどの後極部病的近視病変を合併していない場合でも,その40%以上に初期から乳頭黄斑線維束欠損を認め,非近視眼緑内障と比較して有意に高率であるとの報告がある10).また,強度近視眼緑内障では篩状板部分欠損を高率に認め,篩状板部分欠損は,楕円率,傾斜率などの乳頭の形態を示すパラメータと関連し,その形成には,篩状板における眼軸の伸長に伴う視神経乳頭の水平方向へのストレスが関与しているとの報告や,篩状板部分欠損を認める症例に乳頭黄斑神経線維束欠損を呈する症例が多いとの報告がある11,12).これらのことが強度近視眼緑内障で早期から固視点近傍の中心視野障害に陥りやすい理由の一つであると考えられる.とくに強度近視眼緑内障は中心5°以内の下耳側に視野障害が多いと報告されており,強度近視眼緑内障の特徴の一つであると考えられる13).OCTなどで確認される構造的変化は,視野検査で判明する機能的変化に先がけて観察されることが多いので,乳頭黄斑線維束欠損を認める近視眼緑内障では,固視点近傍の視野が障害されやすいと考えて,機能的障害(視力障害や視野障害)が出現する前に管理を強化すべきである.また,中心視野障害の進行はqualityofvisionの低下に直結するので,初期から固視点近傍に暗点が出現する症例では,Humphrey視野で中心30-2でのみ経過観察するのではなく,中心10-2と30-2を交互に測定するようにすべきである.そうすれば中心視野障害の進行に迅速に対処できると思われる.V近視眼緑内障の長期臨床像筆者らは正常眼圧緑内障を含む広義原発開放隅角緑内豹紋状眼底にてNFLDの有無が不明ab図4近視眼緑内障の網膜神経線維層欠損カラー眼底写真にて乳頭出血を確認できるが,近視性豹紋状眼底のため網膜神経線維層欠損(NFLD)の存在や境界は明瞭に確認できない.青成分のみ(無赤緑色)抽出変換した白黒眼底写真では,2本の楔状NFLDを明瞭に確認できる(矢印).豹紋状眼底にてNFLDの有無が不明ab図4近視眼緑内障の網膜神経線維層欠損カラー眼底写真にて乳頭出血を確認できるが,近視性豹紋状眼底のため網膜神経線維層欠損(NFLD)の存在や境界は明瞭に確認できない.青成分のみ(無赤緑色)抽出変換した白黒眼底写真では,2本の楔状NFLDを明瞭に確認できる(矢印).1414あたらしい眼科Vol.32,No.10,2015(42)図5乳頭黄斑神経線維束に沿って網膜神経線維層欠損が出現しやすい強度近視眼緑内障両眼の強度近視眼緑内障症例,屈折は等価球面度数で右眼は.7.25D.下方黄斑近傍の網膜神経線維層欠損(NFLD)は黄斑側に拡大し,乳頭黄斑神経線維束に沿って出現したNFLDと融合した.そのため,Humphrey視野10-2では,右眼は固視点近傍に早期から感度低下を認め,しかも4年間に増悪していることがわかる.2012.8.82015.7.302010.8.252014.9.242011.11.92013.5.232008.8.20厚みマップ(ILM-IPL/INL)厚みマップ(ILM-IPL/INL)図5乳頭黄斑神経線維束に沿って網膜神経線維層欠損が出現しやすい強度近視眼緑内障両眼の強度近視眼緑内障症例,屈折は等価球面度数で右眼は.7.25D.下方黄斑近傍の網膜神経線維層欠損(NFLD)は黄斑側に拡大し,乳頭黄斑神経線維束に沿って出現したNFLDと融合した.そのため,Humphrey視野10-2では,右眼は固視点近傍に早期から感度低下を認め,しかも4年間に増悪していることがわかる.2012.8.82015.7.302010.8.252014.9.242011.11.92013.5.232008.8.20厚みマップ(ILM-IPL/INL)厚みマップ(ILM-IPL/INL)あたらしい眼科Vol.32,No.10,20151415(43)と比較して,近視群の初診時年齢は有意に若かった(p<0.0001).平均観察期間はそれぞれ10.6年,11.6年であった.屈折は非近視群が0.29±0.87D,近視群が.7.48±2.55Dで近視群は有意に近視であり(p<0.0001),眼軸長は非近視群が23.28±0.90mm,近視群が26.73±1.21mmで近視群は有意に長かった(p<0.0001).ベースライン眼圧は近視群が17.4±5.0mmHg,非近視群が16.6±5.6mmHgで有意差は認めなかった.観察期間中の平均眼圧は近視群が13.7±2.6mmHg,非近視群が12.8±2.3mmHgで非近視群は観察期間中の平均眼圧が有意に低値であったにもかかわらず(p=0.0058),眼圧の日々変動が非近視群では7.49±3.12mmHgと近視群(6.21±1.83mmHg)と比較して有意に変動が大きかった.視野進行速度を表すMDslopeは非近視群が.0.35±0.52dB/yearで,近視群(.0.18±0.29dB/year)と比較して有意に早かった(p=0.0021).Kaplan-Meier生命表解析を使用して累積視野進行確率を近視群と非近視群で比較したところ,非近視群(10年視野進行率:49.1±5.2%)で近視群(10年視野進行率:26.6±4.9%)と比べて視野障害の悪化を有意に高率に認めた(Log-rankp=0.0128).また,DHの出現回数は,非近視群が1.32±2.28回で,近視群(0.77±1.71回)と比較して有意に高頻度であった(p=0.0426).Kaplan-Meier生命表解析を用いてDHの累積出現確率を近視群と非近視群で比較したところ,非近視群(10年DH出現率:44.7±4.8%)では近視群(10年DH出現率:30.6±4.9%)と比べて有意にDHの出現を高率に認めた(Log-rankp=0.0453).これらの筆者らの検討から,近視眼緑内障を10年以上観察した場合にはDHの出現頻度が低く,視野障害の悪化率が低率である可能性が示唆された.VI近視性コーヌスと視神経乳頭周囲網脈絡膜萎縮の違い近視眼では視神経乳頭周囲網脈絡膜萎縮(parapapila-ryatrophy:PPA),いわゆる近視性コーヌスがとくに顕著であり,乳頭の傾斜の進行とともに,その面積は拡大することが知られている.近視眼緑内障でも同様に経過中にコーヌスが拡大する症例を認めることがある.自験例を呈示する.初診時年齢40歳,男性,視力:RV=0.06(1.2×.6.5D(cyl.1.5DA20°),LV=0.06(1.2×.5.75D(cyl.2.0DA175°),眼軸長:R=28.22mm,L=27.70mm.ベースライン眼圧:R=17.8mmHg,L=17.8mmHg.Humphrey静的視野のMD:R=.17.72dB,L=.12.78dB.両眼ともに点眼加療を施行し,MDslope:R=.0.16dB/y,L=.0.19dB/yと両眼ともに視野の進行速度は緩徐であるが,右眼の視神経乳頭周囲のコーヌスはとくに下方や鼻側で明らかに拡大している(図6).これは,近視性変化の一つとして眼球の傾斜などの形態が変化することにより視神経周囲構造の力学的不均衡が生じ,視神経乳頭の形態に影響を及ぼしていると考えられる.このような変化が視野障害の進行に関与するかは不明であり,今後のさらなる解析が待たれるところである.PPAに関する報告では,眼底所見などにより近視性コーヌスとPPAとを区別して論じることがあるが,混同されることも多い.Jonasらは,組織学的検討から両者を明確に鑑別できることを提唱した.すなわち,コーヌス部の網膜は網膜神経線維のみが残存し,その他の網膜各層は消失しており,網膜神経線維のすぐ外側に強膜が構成している萎縮であり,これをJonasはg-PPAと定義した.一方,網膜色素上皮以外の網膜各層が残存しているPPAをb-PPAとし,これにより両者は区別できるとしている(図7)14,15).SSADA(splitspectrumamplitudedecorrelationangiography)の原理を用いて眼底内の静止している部分(組織)と動きのある部分(血流)を判別し,網膜血管内の血流の様子を画像化した新しいOCTアンギオグラフィでは,蛍光眼底造影を用いなくても乳頭表面~篩状板における毛細血管網を定性的に評価できるようになったのでPPAの形状を血管密度の定性的に解析できる可能性がある.網膜の深層毛細血管網は内網状層および外網状層に分布しているといわれているので(図8),非緑内障近視眼でg-PPAを有する場合には,網膜神経線維層以外の網膜各層が脱落しているので,OCTアンギオグラフィのとくに脈絡膜モードでは毛細血管密度の低下が推察される.病的近視眼緑内障で確認してみると,図9の症例の眼底写真やOCTにて視神経乳頭周囲の構造を解析すると右眼は1416あたらしい眼科Vol.32,No.10,2015(44)b-PPA+g-PPAと思われ,OCTアンギオグラフィでは乳頭耳側の毛細血管網は十分に残存しているものの,g-PPAが主体と思われる左眼ではOCTアンギオグラフィにて乳頭耳側の毛細血管密度がかなり疎であることがうかがえる(図9).これがg-PPAが主体のいわゆるコーヌスによる近視性変化に起因するのか,篩状板での毛細血管網の脱落による緑内障性変化に起因するかは症例を重ねて検証していきたい.VII近視性視神経症と緑内障性視神経症のオーバーラップ(MON.GON仮説)近視眼緑内障は,近視特有の傾斜などで生じる構造的変化によりもたらされる視神経障害(近視性視神経症)と眼圧などの応力によって生じる篩状板の脆弱性による視神経障害(緑内障性視神経症)の両者がオーバーラップした病態と考えられ,近視性視神経症はDHの出現頻度は少なく,視神経症の進行速度が遅いのに対し,緑内障性視神経症はDHの出現頻度は多く,視神経症の進行速度が速いと考えられる.近視眼緑内障の発症や進行のメカニズムには,それぞれの占める割合によって視神経図7PPA分類Jonasらは,PPAを網膜各層のうち網膜色素上皮のみが欠落しBruch膜は存在する萎縮をb-PPA,網膜神経線維のみが残存し,その他の網膜各層やBruch膜が欠損して網膜神経線維のすぐ外側に強膜が構成している萎縮をg-PPAと定義した.βPPA.PPA図6コーヌスが拡大した近視眼緑内障右眼の視神経乳頭周囲のコーヌスはとくに下方や鼻側で明らかに拡大している.2005/9/222014/12/112014.7.22005.4.23図7PPA分類Jonasらは,PPAを網膜各層のうち網膜色素上皮のみが欠落しBruch膜は存在する萎縮をb-PPA,網膜神経線維のみが残存し,その他の網膜各層やBruch膜が欠損して網膜神経線維のすぐ外側に強膜が構成している萎縮をg-PPAと定義した.βPPA.PPA図6コーヌスが拡大した近視眼緑内障右眼の視神経乳頭周囲のコーヌスはとくに下方や鼻側で明らかに拡大している.2005/9/222014/12/112014.7.22005.4.23あたらしい眼科Vol.32,No.10,20151417(45)深層毛細血管網細動脈細静脈神経線維層神経節細胞層内網状層内顆粒層外網状層外顆粒層視細胞層網膜色素上皮層脈絡膜毛細血管板図8網膜における深層毛細血管網網膜10層のうち,深層毛細血管網は内網状層および外網状層に分布しているといわれている.3.00×3.00ScanSize(mm)3.00×3.00ScanSize(mm)Angio/OCT-Choroid/DiscAngio/OCT-Choroid/Disc図9病的近視眼緑内障のOCTアンギオグラフィ54歳,男性.病的近視眼緑内障.等価球面度数は右眼.8.25,左眼.9.25D,眼軸長は右眼26.61mm,左眼27.28mm.眼底写真やOCTにて視神経乳頭周囲の構造を解析すると右眼は網膜神経線維層以外に網膜各層が残存しb+g-PPAと思われ,OCTアンギオグラフィでは乳頭耳側の毛細血管網は十分に残存しているものの,g-PPAが主体と思われる左眼では乳頭耳側の毛細血管密度がかなり疎である.深層毛細血管網細動脈細静脈神経線維層神経節細胞層内網状層内顆粒層外網状層外顆粒層視細胞層網膜色素上皮層脈絡膜毛細血管板図8網膜における深層毛細血管網網膜10層のうち,深層毛細血管網は内網状層および外網状層に分布しているといわれている.3.00×3.00ScanSize(mm)3.00×3.00ScanSize(mm)Angio/OCT-Choroid/DiscAngio/OCT-Choroid/Disc図9病的近視眼緑内障のOCTアンギオグラフィ54歳,男性.病的近視眼緑内障.等価球面度数は右眼.8.25,左眼.9.25D,眼軸長は右眼26.61mm,左眼27.28mm.眼底写真やOCTにて視神経乳頭周囲の構造を解析すると右眼は網膜神経線維層以外に網膜各層が残存しb+g-PPAと思われ,OCTアンギオグラフィでは乳頭耳側の毛細血管網は十分に残存しているものの,g-PPAが主体と思われる左眼では乳頭耳側の毛細血管密度がかなり疎である.GONMON速<視神経症の進行速度>遅緑内障性視神経症近視性視神経症近視眼緑内障緑内障性変化が強い近視性変化が強い眼圧などの応力によって生じる篩状板の脆弱性による視神経障害近視特有の傾斜などで生じる構造的変化による視神経障害βPPA.PPA多い<乳頭出血の頻度>少ない図10近視眼緑内障のMON.GON仮説近視眼緑内障は,近視特有の傾斜などで生じる構造的変化によりもたらされる視神経障害(近視性視神経症)と眼圧などの応力によって生じる篩状板の脆弱性による視神経障害(緑内障性視神経症)の両者がオーバーラップした病態と考えられる.障害の臨床的特徴が異なるのではないかと考えている(近視眼緑内障のMON/GON仮説)(図10).近視眼緑内障は,近視特有の傾斜などで生じる構造的変化によりもたらされる視神経障害(近視性視神経症)と,眼圧などの応力によって生じる篩状板の脆弱性による視神経障害(緑内障性視神経症)の両者がオーバーラップした病態と考えられる.いずれにしても,病的近視眼緑内障を管理するに際しては,単に視神経乳頭の陥凹の程度やNFLDを確認するための眼底写真の活用のみならず,OCTなどの補助的診断,視野障害のパターンなどを総合的に活用した診療が要求されると考える.文献1)CurtinBJ:Theposteriorstaphylomaofpathologicmyopia.TransAmOphthalmolSoc75:67-86,19772)HsiangHW,Ohno-MatsuiK,ShimadaNetal:Clinicalcharacteristicsofposteriorstaphlomaineyeswithpathologicmyopia.AmJOphthalmol146:102-110,20083)Ohno-MatsuiKyoko:Proposedclassificationofposteriorstaphylomasbasedonanalysesofeyeshapebythree-dimensionalmagneticresonanceimagingandwide-fieldfundusimaging.Ophthalmology121:1798-1809,20144)RudnickaAR,EdgarDF:Automatedstaticperimetryinmyopeswithperipapillarycrescents-PartI.OphthalmicPhysiolOpt15:409-412,19955)新田耕治,齋藤友護,杉山和久:乳頭周囲網脈絡膜萎縮の静的視野に及ぼす影響─眼軸長との関係─.日眼会誌110:257-262,20066)Ohno-MatsuiK,ShimadaN,YasuzumiKetal:Longtermdevelopmentofsignificantvisualfielddefectsinhighlymyopiceyes.AmJOphthalmol152:256-265,20117)JonasJB,BerenshteinE,HolbachL:Laminacribrosathicknessandspatialrelationshipsbetweenintraocularspaceandcerebrospinalfluidspaceinhighlymyopiceyes.InvestOphthalmolVisSci45:2660-2665,20048)KangSH,HongSW,ImSKetal:EffectofmyopiaonthethicknessoftheretinalnervefiberlayermeasuredbyCirrusHDopticalcoherencetomography.InvestOphthalmolVisSci51:4075-4083,20109)NakazawaT,FuseN,OmodakaKetal:Differenttypesofopticdiscshapeinpatients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