特集●役に立つ角膜疾患診療の知識あたらしい眼科32(1):59.67,2015特集●役に立つ角膜疾患診療の知識あたらしい眼科32(1):59.67,2015眼科におけるStevens-Johnson症候群の病型ならびに遺伝素因PhenotypeandGeneticPredispositionofOcularStevens-JohnsonSyndrome上田真由美*はじめに本項では,難治性眼表面疾患の一つであるStevensJohnson症候群について,以下の4項目,①重篤な眼合併症を伴うStevens-Johnson症候群(SJS),②皮膚科で診断されるStevens-Johnson症候群/中毒性表皮融解症(SJS/TEN)における眼科のStevens-Johnson症候群の位置づけ,③諸外国におけるSJS/TENのHLA解析の報告からわかってきたこと,④重篤な眼合併症を伴うStevens-Johnson症候群の遺伝子素因について記述する.I重篤な眼合併症を伴うStevens-Johnson症候群Stevens-Johnson症候群(Stevens-Johnsonsyndrome:SJS)は,突然の高熱,結膜炎,皮膚の発疹につづいて,皮膚・粘膜にびらんと水疱を生じる全身性の皮膚粘膜疾患である.発疹は,最初小さな数個の発疹で始まるが,急速に全身に拡大する.中毒性表皮壊死症(toxicepidermalnecrolysis:TEN)は,SJSの重症型を含んだ病型と考えられ,日本では皮疹の面積が10%未満のものをSJS,それ以上のものをTENと呼ぶ1).発症率は,1年あたり百万人に数人で,大変まれな疾患であるが,性差なく小児を含めあらゆる年齢に発症する.眼合併症を生じているSJSとTENの眼所見は類似し,急性期ならびに慢性期をとおして,眼所見より両者を鑑別することは困難である.SJS/TEN全体における重篤な眼合併症(偽膜ならびに角結膜上皮欠損の両方を認める)発生率は約40%であるが2),眼科では,瘢痕性角結膜上皮症に至った慢性期の患者を診ることが多く,SJSとTENを併せて広義のStevens-Johnson症候群(SJS)と呼称している3).SJS/TENは,薬物の投与が誘因となって発症することが多く,重篤な眼合併症を伴うSJS/TEN患者を対象に行った調査では,約8割の患者が感冒様症状を最初に自覚し,感冒様症状に対する薬物投与が誘因となって発症していた4).1.重篤な眼合併症を伴うSJS.TEN(SJS)の急性期の眼所見眼後遺症を残す重篤な眼合併症を伴うSJS/TEN(SJS)の急性期の眼所見の特徴は,皮疹,粘膜疹とほぼ同時に両眼性の重度の結膜充血,角結膜上皮欠損,偽膜形成を生じることである(図1).皮疹に気づく前に眼科を受診して,ウイルス性結膜炎と診断される患者も少なくない.SJSの結膜炎では結膜全体の充血,眼脂に加えて,眼瞼の発赤腫脹,広範囲な角結膜上皮障害,偽膜の形成,睫毛の脱落がみられる.広範囲な角結膜上皮欠損を生じる急性期の治療は,もっとも重要であり,患者の視力予後を決定すると考えらえる5).急性期に十分に眼表面の消炎がされないと急性期に角膜上皮幹細胞(輪部上皮の基底部に存在)が消失し,慢性期に角膜は結膜組織で被覆され混濁する(図2a).一方,急性期に十分に消炎ができて角膜上皮幹細胞が残存した場合には,角膜*MayumiUeta:京都府立医科大学大学院医学研究科視覚機能再生外科学〔別刷請求先〕上田真由美:〒602-0841京都市上京区河原町通広小路上ル梶井町465京都府立医科大学大学院医学研究科視覚機能再生外科学0910-1810/15/\100/頁/JCOPY(59)5960あたらしい眼科Vol.32,No.1,2015(60)*#abc図1眼後遺症を残す重篤な眼合併症を伴うSJS.TEN(SJS)の急性期の眼所見皮疹,粘膜疹とほぼ同時に両眼性の重度の結膜充血(a),角結膜上皮欠損(b),偽膜形成(c)を生じる.#:結膜上皮欠損,*:角膜上皮欠損.b.眼表面の上皮欠損が少なく角膜上皮幹細胞が残存した場合a.眼表面に広範囲の上皮欠損が生じ角膜上皮幹細胞が消失した場合図2急性期の角結膜上皮欠損と視力予後a:十分に眼表面の消炎がされないと急性期に角膜上皮幹細胞(輪部上皮の基底部に存在)が消失し,慢性期に角膜は結膜組織で被覆され混濁する.b:十分に消炎ができて角膜上皮幹細胞が残存した場合には,角膜はほぼ透明化する.*#abc図1眼後遺症を残す重篤な眼合併症を伴うSJS.TEN(SJS)の急性期の眼所見皮疹,粘膜疹とほぼ同時に両眼性の重度の結膜充血(a),角結膜上皮欠損(b),偽膜形成(c)を生じる.#:結膜上皮欠損,*:角膜上皮欠損.b.眼表面の上皮欠損が少なく角膜上皮幹細胞が残存した場合a.眼表面に広範囲の上皮欠損が生じ角膜上皮幹細胞が消失した場合図2急性期の角結膜上皮欠損と視力予後a:十分に眼表面の消炎がされないと急性期に角膜上皮幹細胞(輪部上皮の基底部に存在)が消失し,慢性期に角膜は結膜組織で被覆され混濁する.b:十分に消炎ができて角膜上皮幹細胞が残存した場合には,角膜はほぼ透明化する.aabcdef図3重篤な眼合併症を伴うSJS.TEN(SJS)の眼後遺症重篤な眼合併症(重度の結膜炎,角結膜上皮欠損,偽膜)を生じたSJS/TEN患者ほぼ全例に重篤なドライアイ(a)ならびに睫毛乱生(b)が生じる.瞼球癒着(c,d)や眼瞼の瘢痕化(e)を認めることも多い.重症例では,眼表面が皮膚のように角化する(f).~62あたらしい眼科Vol.32,No.1,2015(62)症例のすべてが,重篤な結膜炎を発症するわけではない.外園らが,皮膚科医と共同で調べたところ,急性期に偽膜形成ならびに角結膜上皮欠損を伴う重篤な眼合併症(図1)を伴う症例は,SJS/TEN全体の約40%であった.このように,眼科で診療されるSJSには,皮膚科で診断されるSJSとTENの両方を含み,かつ,重篤な眼粘膜障害を伴った症例だけが含まれる(図4).III諸外国におけるSJS.TENのHLA解析の報告からわかってきたこと諸外国のSJS/TENのHLA解析の結果報告から,原因薬物によりその遺伝子素因が異なることがわかってきた.たとえば,抗てんかん薬であるカルマバゼピンによるSJS/TEN発症には,漢民族ではHLA-B*15:02とSJSと診断することが多い.もう1一つのポイントは,慢性期に眼科を受診するような重篤な眼後遺症を生じるSJS患者は,皮膚科でSJSあるいはTENと診断される患者のうちの一部であるということである.SJSとTENの厚生労働省研究班の診断基準を表1,2に示す.SJSの診断には粘膜病変は必須であるが,TENの診断には粘膜病変は必須ではない.さらに粘膜病変を生じる表1Stevens-Johnson症候群の診断基準1.概念38℃以上の発熱を伴う口唇,眼結膜,外陰部などの皮膚粘膜移行部における重症の粘膜疹および皮膚の紅斑で,しばしば水疱,表皮.離などの表皮の壊死性障害を認める.原因の多くは,医薬品である.2.主要所見(必須)1)皮膚粘膜移行部の重篤な粘膜病変(出血性あるいは充血性)がみられる.2)しばしば認められるびらん若しくは水疱は,体表面積の10%未満である.3)38℃以上の発熱がある.3.副所見1)皮疹は非典型的ターゲット状多形紅斑である.2)角膜上皮障害と偽膜形成のどちらかあるいは両方を伴う両眼性の非特異的結膜炎を認める.3)病理組織学的に,表皮の壊死性変化を認める.ただし,ライエル症候群(toxicepidermalnecrolysis:TEN)への移行があり得るため,初期に評価を行った場合には,極期に再評価を行う.主要項目の3項目をすべてみたす場合SJSと診断する.Stevens-Johnson症候群診断基準2005(厚生労働科学研究費補助金難治性.疾患克服研究事業重症多形滲出性紅斑に関する調査研究班)から引用表2中毒性表皮壊死融解症(TEN)の診断基準1.概念広範囲な紅斑と,全身の10%以上の水疱,表皮.離・びらんなどの顕著な表皮の壊死性障害を認め,高熱と粘膜疹を伴う.原因の大部分は医薬品である.2.主要所見(必須)1)体表面積の10%を超える水疱,表皮.離,びらん.2)ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)を除外できる.3)38℃以上の発熱がある.3.副所見1)皮疹は広範囲のびまん性紅斑および斑状紅斑である.2)粘膜疹を伴う.眼表面上皮(角膜と結膜)では,びらんと偽膜のどちらかあるいは両方を伴う.3)病理組織学的に,顕著な表皮の壊死を認める.主要3項目のすべてを満たすものをTENとする.○サブタイプの分類1型:SJS進展型(TENwithspots)*12型:びまん性紅斑進展型(TENwithoutspots)*23型:特殊型*1:SJS進展型TEN(TENwithspotsあるいはTENwithmacules):顔面のむくみ,発熱,結膜充血,口唇びらん,咽頭痛を伴う多形紅斑様皮疹.*2:びまん性紅斑型TEN(TENwithoutspotsあるいはTENonlargeerythema):発熱を伴って急激に発症する広汎な潮紅とびらん.○参考所見治療などの修飾により,主要項目1の体表面積10%に達しなかったものを不全型とする.Toxicepidermalnecrolysis(TEN)診断基準2005(厚生労働科学研究費補助金難治性.疾患克服研究事業重症多形滲出性紅斑に関する調査研究班)から引用びまん性紅斑進展型SJS進展型特殊型SJS眼粘膜病変合併型皮膚表皮.離の面積10%未満10%以上粘膜病変あり粘膜病変なし眼科で診療する広義のSJSSJSTEN図4皮膚科で診断されるStevens-Johnson症候群.中毒性表皮融解症(SJS.TEN)における重篤な眼合併症を伴うSJS.TEN(SJS)の位置づけ表1Stevens-Johnson症候群の診断基準1.概念38℃以上の発熱を伴う口唇,眼結膜,外陰部などの皮膚粘膜移行部における重症の粘膜疹および皮膚の紅斑で,しばしば水疱,表皮.離などの表皮の壊死性障害を認める.原因の多くは,医薬品である.2.主要所見(必須)1)皮膚粘膜移行部の重篤な粘膜病変(出血性あるいは充血性)がみられる.2)しばしば認められるびらん若しくは水疱は,体表面積の10%未満である.3)38℃以上の発熱がある.3.副所見1)皮疹は非典型的ターゲット状多形紅斑である.2)角膜上皮障害と偽膜形成のどちらかあるいは両方を伴う両眼性の非特異的結膜炎を認める.3)病理組織学的に,表皮の壊死性変化を認める.ただし,ライエル症候群(toxicepidermalnecrolysis:TEN)への移行があり得るため,初期に評価を行った場合には,極期に再評価を行う.主要項目の3項目をすべてみたす場合SJSと診断する.Stevens-Johnson症候群診断基準2005(厚生労働科学研究費補助金難治性.疾患克服研究事業重症多形滲出性紅斑に関する調査研究班)から引用表2中毒性表皮壊死融解症(TEN)の診断基準1.概念広範囲な紅斑と,全身の10%以上の水疱,表皮.離・びらんなどの顕著な表皮の壊死性障害を認め,高熱と粘膜疹を伴う.原因の大部分は医薬品である.2.主要所見(必須)1)体表面積の10%を超える水疱,表皮.離,びらん.2)ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)を除外できる.3)38℃以上の発熱がある.3.副所見1)皮疹は広範囲のびまん性紅斑および斑状紅斑である.2)粘膜疹を伴う.眼表面上皮(角膜と結膜)では,びらんと偽膜のどちらかあるいは両方を伴う.3)病理組織学的に,顕著な表皮の壊死を認める.主要3項目のすべてを満たすものをTENとする.○サブタイプの分類1型:SJS進展型(TENwithspots)*12型:びまん性紅斑進展型(TENwithoutspots)*23型:特殊型*1:SJS進展型TEN(TENwithspotsあるいはTENwithmacules):顔面のむくみ,発熱,結膜充血,口唇びらん,咽頭痛を伴う多形紅斑様皮疹.*2:びまん性紅斑型TEN(TENwithoutspotsあるいはTENonlargeerythema):発熱を伴って急激に発症する広汎な潮紅とびらん.○参考所見治療などの修飾により,主要項目1の体表面積10%に達しなかったものを不全型とする.Toxicepidermalnecrolysis(TEN)診断基準2005(厚生労働科学研究費補助金難治性.疾患克服研究事業重症多形滲出性紅斑に関する調査研究班)から引用びまん性紅斑進展型SJS進展型特殊型SJS眼粘膜病変合併型皮膚表皮.離の面積10%未満10%以上粘膜病変あり粘膜病変なし眼科で診療する広義のSJSSJSTEN図4皮膚科で診断されるStevens-Johnson症候群.中毒性表皮融解症(SJS.TEN)における重篤な眼合併症を伴うSJS.TEN(SJS)の位置づけあたらしい眼科Vol.32,No.1,201563(63)うSJSに特異的な遺伝素因であることを示唆している15,16).これに続いて,韓国人,インド人,ブラジル人SJSサンプルを用いてHLA-A*02:06またはHLA-B*44:03との関連についての検証を行ったところ,韓国人SJSでは,HLA-A*02:06と関連があり,インド人ならびにブラジル人(とくに欧米系ブラジル人)SJSでは,HLA-B*44:03と強い関連が示された(表3)17).インド人は,民族的には欧米人と同じCaucasianに属することより,HLA-B*44:03との関連は欧米人でも認められる可能性が高く今後の解析が急がれる.筆者らが行った感冒薬関連SJSのHLA解析の結果からも,原因薬物によりSJS/TENの遺伝素因が異なることは明らかである(図5)18).さらに,筆者らは,HLAに加えて,重篤な眼後遺症を伴うSJSを対象に遺伝子多型解析を行った.重篤な眼後遺症を伴うSJS患者では,薬物投与の前にウイルス感染症やマイコプラズマ感染症を思わせる感冒様症状を呈することが多く,また,急性期・慢性期ともにMRSA・MRSEを高率に保菌し,眼表面炎症と感染症を生じやすい3,16).そのため,筆者らは,重篤な眼後遺症を伴うSJS発症の素因として自然免疫応答異常が関与している可能性を考え,自然免疫関連遺伝子を候補遺伝子とした解析を行った.その結果,ウイルス感染に対する生体防御に関係するTolllikereceptor3(ウイルス由来の二本鎖RNAの受容体)の遺伝子多型との有意な関連が確認できた19).驚くことに,HLA-A*02:06とTLR3rs3775296T/Tの両方をもつとオッヅ比は,47.7にまで上昇することから(図6),複数の遺伝子多型の組み合わせがこの疾患の発症に大きく貢献している可能性が示唆されている20).また,全ゲノム関連解析では,プロスタグランジン(PG)E2の受容体の一つであるEP3の遺伝子PTGER3の遺伝子多型との関連が確認できた4).ヒト眼表面結膜組織のEP3の免疫染色を行ったところ,正常結膜ならびに結膜弛緩症,翼状片,化学外傷患者の結膜組織において,このEP3は結膜上皮に蛋白発現が強く認められるのとは対照的に,SJS患者の結膜では著しくその蛋白発現は減弱していた(図7)21).また,マウスモデルを用いた解析により眼表面上皮細胞や表皮細胞に発現しているEP3が皮膚粘膜炎症を抑制しの関連8),日本人,欧米人ではHLA-A*31:01と関連することが報告されている9,10).また,抗痛風薬であるアロプリノールによるSJS/TEN発症には,漢民族11),欧米人12),日本人13)でHLA-B*58:01と強い関連があることが報告されている.興味深いことに,アロプリノールによるSJS/TENでは,重篤な眼後遺症を認めることは大変珍しい14).また,京都府立医科大学で診療するSJS/TEN患者のうち抗てんかん薬による発症は,わずか5%であった14).一方,慢性期に重篤な眼後遺症のために京都府立医科大学で診療されているSJS/TEN患者の約8割は,感冒様症状に対する投薬に関連して発症していることが,約200名の患者を対象とした問診から明らかとなっている2,4).つまり,眼科で診療することが多い,感冒薬に関連して発症したSJS/TENは,皮膚科から多く報告されているアロプリノールやカルマバゼピンによって発症したSJS/TENとは,その発症に関与する遺伝子素因は異なることが推測された.また,諸外国のSJS/TENのHLA解析の報告は,皮膚科医が中心となって行っており,重篤な眼合併症に着目した報告はない.筆者の所属する京都府立医科大学眼科では,世界で初めて重篤な眼合併症を有する広義のSJSを対象にHLA解析ならびに遺伝子多型解析を行い,有意に関連する疾患関連遺伝子を多数同定している.IV重篤な眼合併症を伴うStevens-Johnson症候群(SJS)の遺伝素因について筆者らは,重篤な眼後遺症を伴う感冒薬に関連して発症した日本人SJS患者151名ならびに健康コントロール639名を対象に,HLA解析を行った.その結果,HLA-A*02:06とHLA-B*44:03が有意に関連することが明らかとなった.とくにHLA-A*02:06では,p値2.7×10.20,オッズ比5.6と強い関連が確認された15,16).大変興味深いことに,HLA-A*02:06とHLA-B*44:03のSJSとの有意な関連は,同じ感冒薬に関連して発症していても,重篤な眼合併症を伴わない症例では関連を認めず,また,感冒薬以外の薬物による発症症例でも関連を認めなかった.このことは,HLA-A*02:06とHLA-B*44:03のSJSとの有意な関連は,感冒薬に関連して発症した重篤な眼合併症を伴表3重篤な眼合併症を伴う感冒薬関連SJSとHLAとの関連(文献15,16を改変して転載)a.日本人の重篤な眼合併症を伴う感冒薬関連SJSと健常コントロールとの比較保持者頻度(%)HLAgenotype重篤な眼合併症を伴うOddsratio感冒薬関連SJS健常コントロールp(95%CI)A*02:0671/151(47.0%)87/639(13.6%)2.72E-205.63(3.81-8.33)B*44:0339/151(25.8%)95/639(14.9%)0.001251.99(1.30-3.05)b.国際サンプル(インド,ブラジル,韓国)を用いた検証HLA-A*02:06EthnicgroupCarrierfrequency(%)DominantmodelanalysisCM-SJS/TENwithSOCControlpOddsratio(95%CI)Indian1/20(5.0%)3/55(5.5%)0.9380.91(0.09-9.31)Brazilian0/39(0.00%)0/134(0.00%)──Korean11/31(35.5%)14/90(15.6%)0.01813.00(1.18-7.57)HLA-B*44:03EthnicgroupCarrierfrequency(%)DominantmodelanalysisCM-SJS/TENwithSOCControlpOddsratio(95%CI)Indian12/20(60.0%)6/55(10.9%)1.07.E-0512.25(3.57-42.01)Brazilian10/39(25.6%)15/134(11.2%)0.02362.74(1.12-6.71)Korean6/31(19.4%)18/90(20.0%)0.9380.96(0.34-2.69)BrazilianCaucasian.6.15(40.0%).6.62(9.6%).p=0.0037,OR=6.22SJS/TEN眼・粘膜障害無型では関連なし眼・粘膜障害無眼・粘膜障害有(眼科のSJS)カルバマゼピン漢民族でHLA-B*1502欧米人・日本人でHLA-A*31:01カルバマゼピンと強い関連アロプリノール漢民族,欧米人,日本人でHLA-B*58:01と強い関連感冒薬HLA-A*02:06日本人で強い関連,韓国人で関連HLA-B44:03欧米系ブラジル人,インド人で強い関連日本人でも関連(抗てんかん薬)アロプリノール(抗痛風薬)感冒薬(NSAIDsなど)被疑薬No.1図5原因薬物によりSJS.TENの遺伝素因が異なる64あたらしい眼科Vol.32,No.1,2015(64)オッズ比01020304050HLA-A*02:06+-+-+-+-+-+-TLR3SNPs図6SJS発症にかかわる遺伝子間相互作用HLA-A*02:06とTLR3rs3775296T/Tの両方をもつとオッズ比は,47.7にまで上昇する.結膜弛緩症患者の結膜慢性期化学外傷患者の結膜EP3isotypeEP3isotype慢性期SJS患者の結膜亜急性期SJS患者の結膜図7SJS患者の眼表面組織におけるEP3蛋白発現の減弱結膜弛緩症,化学外傷患者の結膜組織においてEP3蛋白は結膜上皮に強く認められるのとは対照的に,SJS患者の結膜では著しくその蛋白発現は減弱している.(65)あたらしい眼科Vol.32,No.1,201565図8SJSの発症機序についての仮説発症の遺伝素因がない人では,何らかの微生物感染が生じても,正常の自然免疫応答が生じ,薬物服用後に解熱・消炎が促進され,感冒は治癒する.しかし,発症の遺伝素因がある人に,何らかの微生物感染が生じると異常な自然免疫応答が生じ,さらに薬物服用が加わって,異常な免疫応答が助長され,SJSを発症する.–