提供コンタクトレンズセミナーコンタクトレンズ処方はじめの一歩監修/下村嘉一6.屈折検査(1)オートレフケラトメータ,梶田雅義梶田眼科視野・眼底検査オートレフラクトメータとオートケラトメータの機能を備えた装置がオートレフケラトメータである.最近の新しい検査装置は自動制御で,作働もスピーディになっており,データ取得に要する時間も非常に短くなっている.●オートレフラクトメータ部分オートレフラクトメータ(以下,オートレフ)のデータを読むときに注意しなければならないのは,生体の眼の屈折は常に動いており,動きの中の代表値として結果を記録しているということである(図1).安定したデータが取得できれば,円柱度数の信頼度は高いと考える.球面度数には必ず調節が介入していると考えて,次の自覚的屈折検査に進むことが大切である.従来の自覚的屈折検査は,球面レンズで最小錯乱円の屈折を求めてから,乱視矯正を行う手順であるが,オートレフが普及した現在では,オートレフの値を参照して円柱レンズ度数と円柱軸を先に決めてから球面度数を求めると,検査の能率がアップする.そのために,図2に示すようなフローチャートの利用をお勧めしたい.もちろん,自覚的屈折検査で求めた屈折値は,片眼で最良視[D]-638歳女性-5-4測定結果-3-3.50D-2-10[sec][D]時間-622歳女性-5-4測定結果-3-4.75D-2-10024681012[sec]時間図1屈折値の揺れ無限遠視標を見ているときの屈折値を12秒間記録したものである.上段の38歳女性では屈折値の揺れは少なく屈折値は比較的正しい値が記録されているが,下段の22歳女性では屈折値の揺れが大きく屈折値もかなり近視寄りの値で記録されていることがわかかる.(67)0910-1810/14/\100/頁/JCOPY0屈折値屈折値24681012力が得られる最弱屈折値を求めただけで,その値が,眼鏡やコンタクトレンズの度数にして快適である保障はまったくない.必ず,両眼同時雲霧法1)を用いて,両眼視で適切な矯正度数を求めて,矯正用具を処方して欲しい.●オートケラトメータ部分角膜曲率半径はハードコンタクトレンズの処方に必要なデータである.かつてのオフサルモメータによる測定では,そのままハードコンタクトレンズのベースカーブに使用できるデータが得られた.しかし,眼内レンズの普及に伴い,術後予測屈折値を決定するために角膜中心部分の曲率をさらに正確に測定する必要がでてきた.そのため,オフサルモメータでは直径4.5mm程度で測定したのが,ケラトメータでは直径3.0mm程度で測定が行われるようになった.白内障術後予測屈折値の精度は上がったが,ハードコンタクトレンズの処方には利用しにくい値になっている.ハードコンタクトレンズの処方に必要なデータは直径5~6mmの角膜曲率半径である視力値1.0以上スタート球面度数に+0.75Dを加える円柱度数オートレフの円柱値より小さい自覚的乱視検査オートレフの円柱1.0未満球面度数に-0.25Dを加える値より大きい円柱度数に-0.50Dor-0.25Dを加える球面値がオートレフ未満で視力値球面値がオートレフ値に達しても視力値1.0未満1.0未満のとき視力値1.0以上あるいは球面・円柱ともに完全矯正に達したとき終了図2自覚屈折測定のフローチャートスタート地点では,円柱度数はオートレフで得られた円柱度数から0.75D減じた値で,軸度はオーレフの値に10°ステップで近似させる.球面度数はオートレフの値から.0.75Dを減じた値を検眼枠に装入する.一度は1.0未満の視力になる屈折値を導き出し,そこから測定をするのがポイントである.あたらしい眼科Vol.31,No.11,201416331634あたらしい眼科Vol.31,No.11,2014(00)ため,フルオレセインによるフィッティング検査が重要になってきている(図3).ソフトコンタクトレンズの処方にはそれよりもさらに周辺の曲率半径が必要であるため,オートケラトメータの測定値はある程度参考にはなるものの信頼度は低い.レンズのセンタリングが良いこと,瞬目ごとに適切な動きが認められること,レンズ周辺部分が浮き上がったり,角膜や結膜を圧迫していないことなどのフィッティング確認が非常に大切である.特にサークルレンズやカラーコンタクトレンズはクリアレンズに比べてベースカーブの曲率半径は小さく設計されている.日本人の角膜曲率半径は欧米に比べて大きくなっており,現在市販されているカラーコンタクトレンズのベースカーブでは3割くらいの人で,フィッティング不良が生じている.フィッティング不良は眼障害の原因になるので,フィッティング確認を忘れてはならない.正しくフィッティングできない場合には希望があっても処方すべきではない.●眼底検査コンタクトレンズ診療は眼疾患の発見に絶好の機会である.眼底疾患は視神経乳頭と上耳側動静脈と下耳側動静脈で囲まれる血管アーケードと呼ばれる部分に異常が出やすいので,初診時には観察しておくことが望ましい.また,網膜裂孔は網膜最周辺部に起こりやすいので,飛蚊症の自覚がある場合などには散瞳を行い周辺網膜まで検査を行うことが望ましい.網膜裂孔があることに気づかないで,コンタクトレンズ装用練習のため眼球を強く押したりすることが原因で網膜.離に発展することもある.●視野検査自覚症状がなくても眼底検査で視神経乳頭陥凹拡大などの視神経乳頭に異常が確認できる場合には,視野検査を行うことが望ましい.視野検査はGoldmann視野計で行う動的量的視野とHumphrey視野計などで行う静的量的視野検査がある.動的量的視野検査では検査に対する熟練が必要であるが,静的量的視野検査は自動音声まで内蔵されており,装置のマニュアルに沿って操作を行えば,適切に検査が遂行されるようになってきている.コンタクトレンズ診療で緑内障や視路疾患が発見されることも少なくない.文献1)梶田雅義,山田文子,伊藤説子ほか:両眼同時雲霧法の評価.視覚の科学20:11-14,1999ZS936角膜曲率半径(水平方向7.72mm,垂直方向7.52mm)HCL(7.50/-3.00/8.8)HCL(7.60/-3.00/8.8)HCL(7.70/-3.00/8.8)HCL(7.80/-3.00/8.8)SteepSteepGoodFlat図3ハードレンズのフィッティングオートケラトメータの値は角膜の中心部分の曲率を測定しているので,ハードレンズのフィッティングには参考程度の値にしかなっていない.フルオレセイン染色で,適切なフィッティングが得られるベースカーブを決定することが必要である.スティープなときにはレンズの周辺辺部が角膜に強く当たっている(矢印の内側).フラットなときにはレンズの中央部分が角膜に強く当たっている.直径6mm径内くらいが角膜に均等に接触するフィッティングが良好である.