写真セミナー監修/島﨑潤横井則彦364.サルコイドーシス永田健児京都府立医科大学眼科学教室図2図1のシェーマ図1サルコイドーシスの典型的な眼底(56歳,女性)眼底下方に.様の滲出斑を認める.サルコイドーシスでは,このような滲出斑は上方と比べて圧倒的に下方に多い.滲出斑が瘢痕化すると光凝固斑様の委縮病巣となる.図3サルコイドーシスの隅角所見(67歳,女性)隅角にはテント状周辺虹彩前癒着を認める.周辺の虹彩がテントのように引き上げられたような形で癒着するのが特徴的である.図4蛍光眼底造影検査(57歳,女性)静脈に竹の節のような形の過蛍光を認める.また視神経も過蛍光で,黄斑部にもリークを認める.(83)あたらしい眼科Vol.31,No.9,201413310910-1810/14/\100/頁/JCOPYサルコイドーシスは原因不明の多臓器疾患で,病理組織学的に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めることが特徴である.標的臓器としては肺,眼,リンパ節,皮膚が多く,その他種々の臓器に生じる.女性に多く,20歳代と50~60歳に多いとされるが,後者のほうが多い.眼病変としてはぶどう膜炎が多く,日本においては大学病院を中心とした疫学調査にて,ぶどう膜炎の原因疾患の中でもっとも多いことが報告されている1).眼病変としては,その特徴的な所見が多数あり,その多くは肉芽腫の形成を示唆する所見である.前眼部では豚脂様角膜後面沈着物や虹彩結節,隅角結節やその後の変化であるテント状周辺虹彩前癒着が認められる.したがって,テント状周辺虹彩前癒着のある部位には,かつて隅角結節が存在したことが示唆される.ただし隅角結節があったからといって,必ずしも周辺虹彩前癒着をきたすわけではなく,眼炎症がみられた場合は隅角検査も必ず治療開始前に行うことが重要である.後眼部の特徴的所見は雪玉状硝子体混濁,網膜血管周囲炎,.様網脈絡膜滲出斑やその後の変化としての光凝固斑様の網脈絡膜委縮病巣などが多く,とくに眼底下方周辺部に認められることが多い.また,視神経乳頭肉芽腫や脈絡膜肉芽腫がときにみられることもある.その他,黄斑上膜や黄斑浮腫を認めることも多いが,これらはサルコイドーシスに限ったことではなく,後眼部に炎症を伴うぶどう膜炎には認めることが多いものである.フルオレセイン蛍光眼底造影検査では静脈を中心に炎症がみられ,竹節状の網膜血管周囲炎を示す過蛍光がみられることが特徴的である.このような眼病変をみた場合,診断のためには全身検査が必須である.ACE活性やカルシウムをはじめとした血液検査,胸部X線やCTのほか,ツベルクリン反応も有用である.ツベルクリン反応はサルコイドーシスであれば陰性となることが多く,眼所見の似ている結核性ぶどう膜炎との鑑別にも有用である.また,皮膚病変の生検で診断できる場合も多く,顔面など皮膚病変の観察も忘れず行う2).さらには硝子体解析も診断に有用であることも近年わかってきた3).治療としては前眼部病変にはステロイド点眼,後眼部病変にはステロイドテノン.下注射や内服,場合によっては硝子体手術も奏効する.診断がつくまでは安易なステロイド全身投与は行わないことが原則である.文献1)OhguroN,SonodaKH,TakeuchiMetal:The2009prospectivemulti-centerepidemiologicsurveyofuveitisinJapan.JpnJOphthalmol56:432-435,20122)NagataK,MaruyamaK,SugitaSetal:Agedifferencesinsarcoidosispatientswithposteriorocularlesions.OculImmunolInflamm22:257-262,20143)KojimaK,MaruyamaK,InabaTetal:TheCD4/CD8ratioinvitreousfluidisofhighdiagnosticvalueinsarcoidosis.Ophthalmology119:2386-2392,20121332