特集●視野検査の最前線あたらしい眼科31(7):929.936,2014特集●視野検査の最前線あたらしい眼科31(7):929.936,2014視野計の仕組みと基本的な使い方1.Humphrey視野計HowtoUsePerimetry(BasicOperation):HumphreyFieldAnalyzer川瀬和秀*はじめに現在,ほとんどの視野検査は静的視野計で測定されている.これは,検査員が比較的簡単に短時間でかつ鋭敏に測定できるからであると考えられる.確かに,マニュアルに従って入力して,片眼に眼帯を着け,検査眼に近見レンズを装着してスタートすると10分前後で自動的に視野が測定される.動的視野計で異常が検出されたときにはすでに約50%もの神経線維が消失しているが,静的視野計では10dBで40%,5dBでは20%の神経線維の消失を検出できるとされている.さらに,検査結果が数字で表現され,年齢や全体の感度から統計処理されて自動的に判断されている.しかし,検査データを鵜のみにするとアーチファクトによる誤診断,過剰診療や初期徴候を見逃すことも考えられる.さらに,視野検査にはいくつかの測定パターンやプログラムがあるため,医師と検査員が,それぞれのプログラムの仕組みや使い方,正しい測定方法および偽陽性や偽陰性,アーチファクトや日々変動など多くのことを理解していないと,疾患の診断や障害進行の判断に誤解を生じる.最初にHumphrey視野計について知識を整理しておこう.I視野検査の仕組み1.網膜感度閾値,実測値網膜感度閾値は,視標に対して反応のある輝度と反応のない輝度の間に存在し,通常50%応答が得られる輝度を閾値(FOSC:視覚確率曲線,frequency-of-seeingcurve)としている.一定の輝度の背景上に刺激光を示したときの限界明度識別輝度としてdB(デシベル)で表示される.刺激強度asb(アポスチルブ)は小さいほど感度は高い.dBは各機器の最大輝度からの指数関数的変化の単位であり相対的数字である.網膜感度10dB,20dB,30dBの低下は,それぞれ刺激強度が1/10,1/100,1/1,000となったことを意味する.つまり実測値としてプリントアウトに表示されている値は,.dB=10log最高輝度/知覚輝度であり,0dBは最も明るい視標(10,000asb),40dBは最も暗い視標(1asb)が認識できた点で絶対暗点は<0となる.2.検査プログラムと測定パターンHumphrey視野計の検査プログラムは大きく閾値測定とスクリーニングに分けられる.それぞれに多くの測定パターンがある(表1).視野検査が診断に重要な疾患として,緑内障,視神経疾患,頭蓋内疾患,黄斑疾患などがある.これらの疾患はそれぞれ特徴的な視野障害を示す.視交叉以降の疾患では左右の半盲が特徴的である.このため,垂直経線を挟んで15°の範囲の耳鼻側差を比較する.緑内障では鼻側水平線を挟む15°の領域の上下の閾値差が重要となる.黄斑変性や視神経炎では中心20°以内の感度低下の有無が重要である.すなわち,病巣診断のポイントは垂直,水平,中心の3点で,かつ両眼の関連性を見る.閾値プログラムの検査点パターンは6種類あり,緑内障診療で使用される中心30-2では*KazuhideKawase:岐阜大学医学部眼科学教室〔別刷請求先〕川瀬和秀:〒501-1194岐阜市柳戸1-1岐阜大学医学部眼科学教室0910-1810/14/\100/頁/JCOPY(3)929表1Humphrey視野計のプログラム閾値測定プログラム名称検査範囲検査点適応平均検査時間(分)全点閾値SITA-StandardSITA-Fast中心10-210°68黄斑部疾患,視神経疾患,緑内障10.126.84.6中心24-224°54緑内障,網膜疾患,視路疾患,一般10.126.84.6中心30-230°76緑内障,網膜疾患,視路疾患,一般12.157.95.7周辺60-430.60°60網膜疾患,緑内障12.15黄斑部4°16黄斑部疾患8.10鼻側階段鼻側50°14緑内障2.3スクリーニング測定プログラム名称検査範囲検査点適応平均検査時間(分)(2段階測定法)中心40点30°40全般的スクリーニング2.4中心64点30°64全般,緑内障,視路疾患3.4中心76点30°76全般,緑内障,視路疾患3.5中心80点30°80全般的スクリーニング3.5アーマリー中心30°84緑内障5.6周辺60点30.60°60全般,緑内障,視路疾患5.6鼻側階段鼻側50°14緑内障2.3アーマリー全視野50°98緑内障7.8全視野81点55°81全般,網膜疾患,緑内障,視路疾患6.7全視野120点55°120全般,網膜疾患,緑内障,視路疾患6.8全視野135点87°135全般的スクリーニング7.8全視野246点60°246全般的スクリーニング14.15〔眼科プラクティス15視野(文光堂,2007年)のp101より引用.平均検査時間はCarlZeissMeditech社の資料による〕30°以内に6°間隔で76点呈示するが,10°以内には12点しかない.このため,中心10-2は10°以内に2°間隔で68点呈示され,黄斑近傍の暗点の検出に有用である(図1).3.測定方法視野計にはいくつかの測定方法が組み込まれており,症例に適した測定方法を選択する必要がある.緑内障診療においてはSITA-Standardが,測定時間が短く信頼度も高いため一般的に使用されている.しかし,緑内障に特化した測定方法であるため他疾患への使用は信憑性を損なう可能性があることに留意すべきである.a.スクリーニングテスト2段階法(想定された視野丘より6dB明るい視標を呈図1網膜神経線維走行と中心30.2(6°間隔)と中心10.2(2°間隔)の測定ポイント〔眼科プラクティス15視野(文光堂,2007年)のp16より改変して引用〕930あたらしい眼科Vol.31,No.7,2014(4)示して応答ありを○,応答なしを■で示す)と3段階法(2段階法で見えなかった部位に最高輝度の10,000apsの視標を呈示して応答ありを×とする)がある.b.Fullthreshold(全点閾値)決められた4点で閾値を測定し,これを被検者の感度レベルとして,4dB毎に輝度を下げていき,反応がなければ2dBごとに輝度を上げて反応があるまで視標を提示する(図2).c.FastpacFullthresholdの検査時間短縮版で,視標輝度が3dB間隔のみとなり,視標が閾値と1回交叉した時点で終了するため反対方向への視標呈示を行わない(図2).検査時間を全点閾値の約60%に短縮できる.d.SITA(SwedishInteractiveThresholdAlgorithm).Standard1)緑内障に特化したアルゴリズムで,Full視標thresholdと同じく輝度間隔が4dBと2dBで行う上下法であるが,視標呈示輝度を正常者と緑内障患者の年齢別感度パターンに照らし,被検者の期待される閾値に近い輝度から開始される.さらに閾値周辺のFOSC,隣接検査点間の相関に基づいたモデルを使用することで検査開始輝度の基準が順次更新されていき,最小限の視標呈示回数で閾値を測定する.検査時間を全点閾値の約50%に短縮できる.e.SITA.FastSITA-Standardの検査時間短縮版で,視標輝度が4既定の4点高検査点FullthresholdFastpac①④Fullthreshold①Fastpac暗①①③②②②被検者想定②⑤正常網膜感度曲線④視標輝度網膜感度③③④被検者網膜感度曲線既定の4点の初回視標呈示輝度は25dB○:反応なし○:反応ありdB間隔のみとなり,Fastpac同様に視標が閾値と1回交叉した時点で検査が終了する.検査時間をFastpacの約50%に短縮できる.II検査結果の表示検査結果は8つのゾーンで表示される(図3).1.患者データ,検査データ以下の4つの部位に12項目が表示される.検査パターン:閾値テストとして,中心30-2,中心10-2の他に黄斑部,中心24-2,中心60-4,鼻側階段がある.また,スクリーニングテストとして中心40点,中心80点,アーマリー中心,鼻側階段,全視野81点,全視野246点など計12のパターンがある.さらに,スペシャルテストには視野障害等級判定用の4つのパターンがある.固視監視方法:固視をgazetrack法(視野計のアイ低最後に見えた輝度レベルが感度図2FullthresholdとFastpacの測定アルゴリズム明〔眼科プラクティス15視野(文光堂,2007年)のp53より引用〕図3HFA単一視野解析のプリントアウトのゾーン分割(5)あたらしい眼科Vol.31,No.7,2014931モニターにより固視状態や瞬目の有無を経時的に監視)とHeijl-Krakau法(被検者が中心固視している際に存在するはずのMariotte盲点部位に全呈示視標の5%の頻度で強光刺激を行い,固視を確認)により監視している.固視点:中心,小ダイヤモンド,大ダイヤモンド,下方がある.中心視力良好例では中心を用いるが,中心視力不良例や中心暗点を有する症例では小ダイヤモンドあるいは大ダイヤモンドを用いる.また,下方はスペシャルテストでの上方視野検査に用いる.視標サイズ:Goldmannの視標サイズI(0.25mm2).V(64mm2)に対応しており,視標サイズが1大きくなると視標面積は4倍となる.通常の視野検査ではサイズIII(4mm2)を用いている.背景輝度:視野ドーム内面の背景輝度はGoldmann視野計と同様,31.5asbに設定されている.測定方法:スクリーニングテストと閾値テスト(全点閾値,Fastpac,SITA-Standard,SITA-Fast)がある.瞳孔径:瞳孔径は視野検査結果に影響するため検査時に自動的に測定されて表示されている.視力,屈折,年齢:検査距離は30cmのため屈折異常や調節障害の場合は適切な近方矯正が必要となる.このため屈折値(等価球面度数)と年齢を入力すると適切な矯正レンズが算出される.2.信頼性,中心窩閾値固視不良:Hejil-Krakau法で視標を呈示した回数を分母に,それに対応した回数を分子として表示.まず,5回の呈示で3回応答すると警告音とともに×を表示する.応答が20%以上になると固視不良として××が表示される.偽陽性:本来認知していないのに認知したと応答することで,視標呈示の約30回に1回の割合で視標は呈示しないで作動音のみ発して偽陽性の有無を確認する.偽陽性の回数/視標呈示を行わず作動音を発した回数の比が33%以上になると××が表示される.偽陰性:本来認知できる刺激に反応しないことで,閾値がすでに決定している測定点に閾値より高輝度の刺激を再呈示して応答の有無を確認する.偽陰性の回数/高932あたらしい眼科Vol.31,No.7,2014輝度刺激の呈示回数の比が33%以上になると××が表示される.検査時間:検査時間が長くなると疲労で偽陰性率が高くなる.中心窩閾値:視野検査開始前に中心固視灯の下に小ダイヤモンドが点灯し,ダイヤモンドの中心に呈示される刺激視標に応答することで測定される.3.実測感度閾値光感度識別閾値(dB)は10log最高輝度(asb)/知覚輝度(asb)で表示される.Humphrey視野計の最高輝度は10,000asbであり,最も明るい視標は0dBとなり,最も暗い視標は40dBとなる.最も明るい視標でも感知できなければ0dB以下となり0<という表示になる.最も感度閾値が高い部位は中心眼窩閾値であるが40dBを超えることはない.4.グレースケール実測値を5dBごとに濃淡をつけて表示したもので患者への説明には理解が得られやすい.しかし,実際には1測定点を16分割して周囲の測定点との差を滑らかにする段階化や,垂直および水平線の両側の差を強調して半盲を認識しやすくしてあるため,判定には注意が必要である(図4).5.トータル偏差(totaldeviation:TD),トータル偏差確率プロット検査点ごとに実測値である閾値とその被検者の年齢に対応した正常値データの中央値との差を表示しており,視野を解釈するうえでの基本データとなる.確率プロットは,測定点ごとのTDの統計的な有意性を示している.つまり,検査点ごとの感度低下の確からしさをp<5%からp<0.5%の4段階のシンボルマーク(図5)とシンボルマークなしの5段階で示したものである.Andersonらによる視野欠損の程度分類はおもにTDの確率プロットを用いて定義されている.(6)図4グレースケールの段階化(1つの測定点を16分割して表示)図5確率プロットのシンボルマーク6.パターン偏差(patterndeviation:PD),パターン偏差確率プロット視野全体の感度の高さを補正したうえで,検査点ごとの閾値と年齢別正常値との差を表した数値である.たとえば,白内障を合併している症例や体調不良や検査条件の変化で視野全体に感度低下が加わった場合,多くの点が異常値となって局所的な感度低下の判断がむずかしく,TDの確率プロットでは統計学的には正常値と判断されてしまう可能性がある.このようなときは,TDだけでなくPDも参考にして判断する.PDの確率プロットはTDに前述のような補正を加えたPDをもとに判定されたものであり,PDの補正量が少ないとTDと同様の結果となるが,TDとの差が大きい場合はどのような補正がされているかを考慮したうえで判断する必要がある.7.視野の評価視野を統計解析した指数として,緑内障半視野テスト,VFI,グローバルインデックス(MD,PSD)が表示されている.図6GHT判定における10のセクター〔文献2)より引用〕a.緑内障半視野テスト(GlaucomaHemifieldTest:GHT)2)水平子午線の上下で対応する検査点を比較するもので,解剖学的に網膜神経線維が上下で交わらないことを利用して,上下の半視野の対称性を比較することにより緑内障性視野異常を検出する方法である.上下半分視野それぞれを視神経線維に沿った5つのセクターに区分し,鏡像する各ゾーンを比較して緑内障性視野異常の有意性を評価したものである(図6).正常範囲外(outsidenormallimit:鏡像する1組のゾーンの感度差が健常人口の1%未満の確率,あるいは鏡像する2組のゾーンの感度差が健常人口の0.5%未満の確率の場合),境界域(borderline:ある1組のゾーンの感度差が健常人口の3%未満の確率の場合),全体的な感度低下(general(7)あたらしい眼科Vol.31,No.7,2014933表2VFI(visualfieldindex)の算出手順個々の測定点の実測値を,それぞれ以下の基準で0.100%にスケーリングし,集計して最終的なVFI値を求める.1)Patterndeviationにて正常判定されている測定点はすべて100%とする.2)実測値が0dBの測定点はすべて0%とする.3)Patterndeviationにてp<5%と判定された測定点は,同部位の年齢別正常値を100%とした場合における実測値の割合を%で求める(たとえば,正常値が22.5dB,実測値が13.5dBの場合は13.5/22.5=60%となる).4)MDが20dB以下の場合はすべてtotaldeviationにて判定する.5)視野を中心部から周辺部へ5つのゾーンに分け,網膜神経節細胞の分布密度を考慮しそれぞれ3.29,1.28,0.79,0.57,0.45の係数で重み付けを行う.reductionofsensitivity:正常範囲外や境界域の基準に適合しない場合で,健常人口の0.5%未満の確率で全体の感度が低下しているもの),異常な高い感度(abnormallyhighsensitivity:正常範囲外や境界域の基準に適合しない場合で,健常人口の0.5%未満の確率で全体の感度が上昇しているもの),正常範囲(withinnormallimit:上記の4つの基準のいずれにも適合しない)の5つで表示される.緑内障早期発見のために作られたプログラムであるため中.末期緑内障例では適切な判定が難しくなる.b.VFI(visualfieldindex)3)とくに患者のqualityofvision(QOV)を強く意識した指標で,MDと異なり一つの計算式で算出されるのではなく,いくつかのステップを踏んで求められる(表2).VFIは視野がまったく正常な場合を100%,視野完全消失で0%になるように%単位でスケーリングされている.また,白内障などのびまん性感度低下の影響を少なくするため,MDが.20dB以下の進行期を除きpatterndeviationを用いて計算されている.MDが.20dB以下の場合はtotaldeviationが用いられる.さらに,視野の中心部ほど重み付けがなされており,より実際の視機能に即したQOV評価に優れるとされている.c.グローバルインデックス視野全体を統計解析した指数として平均偏差(MD*meandeviation)とパターン標準偏差(patternstandarddeviation:PSD)とそれぞれの統計的有意水準(p934あたらしい眼科Vol.31,No.7,2014<0.5%)が表示されている.MDはTDプロット上のすべての数値の平均であり,年齢別正常者からの平均低下量を表す.パターン標準偏差は,年齢補正された正常者の視野の形状パターンからどの程度逸脱しているかを表す指標であり,数値が大きいほど視野の凸凹が大きい.通常,視野の全体的な感度低下はMDで判断し,感度低下の分布の不均一性(暗点や視野障害など)はPSDを基に判断する.しかし,びまん性障害や末期緑内障例ではMDは大きなマイナス値をとるが,全検査点が同程度に障害されているので感度低下の分布の不均一性はなくPSDはむしろ小さくなる.8.ゲイズトラッキング呈示されるすべての視標に対して患者の固視状態を追尾して記録する方法.第1段階として,赤外線LEDが発行され,赤外光は角膜に反射し,角膜反射光として赤外線感知カメラに記録される.第2段階として,2つの赤外線LEDが眼球全体を証明することにより瞳孔中心の位置が決定され,第1段階と第2段階の瞳孔中心の位置関係から固視が判断される.固視ずれの度合いは,中央の軸線から上方向に1°単位で10°まで表示され,シグナルが高いほど固視ずれが大きいことを示す.下向きのシグナルは,患者の瞬きや上眼瞼が下がることなどにより固視判断不能であったことを示す.III視野障害進行の評価緑内障における視野障害は基本的に進行性であり非可逆性である.緑内障患者を管理するうえで視野障害進行の有無を評価することはきわめて重要であるが,視野検査の信頼性,長期変動などのさまざまな要因の影響を受けるなどにより視野障害の有無を的確に評価することはむずかしい.Humphrey視野検査にはさまざまなプログラムによって緑内障眼の視野障害進行の評価を行っている.1.オーバービュー(図7)単一視野検査で表示される各種データのうち,グレースケール,実測閾値,TDの確率プロット,PDの確率プロットの4項目が横一列に並べられ,各項目が検査日(8)図7オーバービューの順番に並べられる.1ページに6回分のデータが一度に表示される.2.チェンジアナリシス・ボックスプロット・MDスロープ(図8)チェンジアナリシスによる解析結果として,ボックスプロット,グローバルインデックス,短期変動(shortfluctuation:SF),平均偏差(meandeviation:MD)パターン標準偏差(patternstandarddeviation:PSD),(,)修正パターン標準偏差(correctedpatternstandarddeviation:CPSD)のグラフおよびMDの経時的変化を直線回帰分析したMDスロープが示される.3.GPA(GlaucomaProgressionAnalysis)Singlefieldanalysis-GPA(図9)とGPAsummary(図10)がある.Singlefieldanalysis.GPA:基本的なプリントアウトの右端にGPAサマリーボックスが表示される.その部分に,黒点:有意な変化なし,白抜き三角:p<0.05図8チェンジアナリシス・ボックスプロット・MDスロープ(9)あたらしい眼科Vol.31,No.7,2014935図9SingleFieldAnalysis.GPA(GlaucomaProgressionAnalysis)%で有意な低下,白黒半塗三角:連続した2回同一点での有意な低下(p<0.05%),黒塗り三角:連続した3回以上の同一点の有意な低下(p<0.05%),×:解析の範囲を超える変化あるいは有意な変化か否かの判定不能の5種類のマークで視野障害の進行を表示する.GPA.summary:ベースラインの2回の視野検査結果を表示し,最新の視野結果までのVFIのグラフを表示する.さらにこのままの経過観察で予想される5年後のVFIの数値を予測して表示する.下段には各プロットの進行解析結果を変化量と5種類のマークで表示している.おわりにHumphrey視野計は,緑内障を専門とする大学病院を中心に多く用いられてきた.これば,緑内障を診断,経過観察するためのソフトが充実していたこと,Humphrey視野計を使用した多くの緑内障診療の報告がなさ936あたらしい眼科Vol.31,No.7,2014図10GPA.summaryれたことによると考えられる.しかし,自動的に測定される視野計であるための測定時のアーチファクト(顔の位置や検査用レンズの位置など)と自動的に解析されるための解析時のアーチファクト(見やすくするための平坦化と緑内障を描出するための誇張など)を十分に理解して検査結果を判断することが大切である.可能であればさまざまなプログラム(中心10-2や周辺60-2など)や他の視野検査法(Goldmann視野計やFDT〔frequencydoublingtechnology〕,SWAP〔shortwavelengthautomatedperimetry〕など)さらには,眼底検査(眼底写真,OCT〔光干渉断層計〕など)との整合性を確認しながら判断する必要がある.文献1)BengtssonB,OlssonJ,HeijlAetal:Anewgenerationofalgorithmsforcomputerizedthresholdperimetry,SITA.ActaOphthalmolScand75:368-375,19972)AsmanP,HeijlA:EvaluationofmethodsforautomatedHemifieldanalysisinperimetry.ArchOphthalmol110:820-826,19923)BengtssonB,HeijlA:Avisualfieldindexforcalculationofglaucomarateofprogression.AmJOphthalmol145:343-353,2008(10)