記念すべき第1回目を恥ずかしながら,書かせていただきます.ただ,もともと何にでも興味をもつ「好奇心」旺盛な人間です.何事も浅く広く取り組む傾向があり,myboomも常に変わり続けていますが,今回は「臨床」「研究」「交流」「プライベート」についてのmyboomを紹介したいと思います.自己紹介鈴木崇(すずき・たかし)愛媛大学医学部眼科私は,愛媛大学眼科に平成11年に入局後,おもに「眼感染症,角膜疾患」の研究や臨床を行ってきました.2008年から約2年半ボストンのスケペンス眼研究所に留学していました.留学中,抗菌薬関係の研究をしていました.プライベートでは家族とともにアメリカンライフも満喫したと思います.もともと,いろんな企画をするのが好きで,学生時代はワンダーフォーゲル部のキャプテンとして,山歩きはもちろん「無人島サバイバル合宿」や「四国医学部対抗雪合戦」などの企画をしてきました.臨床のmyboom;「聞いて聞いて聞きまくる」私は前述のように,眼感染症疾患に興味がありますが,顕微鏡で病原体を探すことによって自分自身で診断を行い,その診断にそって治療を行うことを心がけています.そのため,眼感染症は永遠のmyboomなのかもしれません.しかし,最近では,「検査をして診断を行う」点で類似している眼炎症疾患にも興味がありまして,愛媛大学でぶどう膜炎や強膜炎の症例を経験させていただいています.特に,原因がわからないぶどう膜炎(75)0910-1810/12/\100/頁/JCOPYに対して,病態を推測(ほぼ妄想ですが)しながら,治療をするように心がけています.そのなかでのmyboomは,かなりしつこい問診です.「職業は?」「好きな食べ物は?」など,ほぼ疾患に関係ないのかもしれませんが,少しでもヒントを得ようと聞いています.まるで探偵みたいですが.先日もステロイド薬に抵抗を示す強膜炎の症例を診察したときに,以下のようなやり取りがありました.鈴木:「職業は?」患者:「かつお節工場で働いています」鈴木:「かつお節!?発酵させていると思いますが,どんな真菌で発酵させていますか?」患者:「アスペルギルスです」鈴木:「アスペルギルス!?,鼻や口の症状はないですか?」患者:「鼻づまりがひどいです」って感じで,頭の中で「アスペルギルスとの接触→アレルギーとは異なる何らかの抗原抗体反応が粘膜組織で出現」なんて妄想しながら,ゴーグルやマスクの装用を勧めました.その結果,症状は軽快しました.こんな感じの外来が今は続いています.研究のmyboom;「クオラムセンシング」留学中は新規抗菌薬の開発を行っており,現在も新しい感染症治療を構築するために日々努力しています.そのなかで今最も興味があるのは「クオラムセンシング機構」です.クオラムセンシングについての詳細は成書に譲りますが,簡単にいえば「細菌同士のおしゃべり機構」で菌の病原性をコントロールしています.このクオラムセンシングを阻害することで,菌同士のおしゃべり(情報交換)を遮断し,病原性をシャットアウトできないかと思っています.抗菌薬を使えば必ず抗菌薬耐性になります.もし,菌を殺さず菌を無害化することで感染あたらしい眼科Vol.29,No.2,2012223〔写真1〕ボストン留学中の勉強会にて症の予防や治療ができれば,耐性化の問題もなくなるのではないかと思っています.主婦のおしゃべりを止めれば,変な噂が立たないのと同じような!?ものかもしれません.交流のmyboom;「Facebook」「OMIC」「いろんな世界と交流する」というのは,視野を広げるためには非常に重要で,私の永遠のテーマでもあります.そのため,学生時代から海外放浪の旅をしたり,いろんなサークルに顔を出したりしていました.眼科医になってもYOBC(YoungOphthalmologists’BorderlessConference;あたらしい眼科24巻p473-474)という若手眼科医の会を発足させたり,留学中の仲間を集めてボストン眼科勉強会(あたらしい眼科26巻p1517)を企画したり,いろんな交流をしてきました(写真1).その私にとって,今「Facebook」はmyboomです.今,日本で「Facebook」はひそかにboomになっていますが,アメリカでは1億5千万人が参加している(日本では360万人;2011年6月9日時点)SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)で,実名で,投稿し,知り合いと情報交換するものです.「実名」という点で日本のSNSである「ミクシー」とはまったく異なり,「実名」のもとに情報交換をするため,信憑性の高い情報を提供しやすくなります.このFacebook内の写真や記事などの投稿で,知り合いの近況を知ることができ,遠い距離でも,その関係性を失うことなく交流できます.留学中に知り合ったドイツ人やアメリカ人ともFacebookで交流を続けています.眼科医のなかでもFacebookはboomなようで,現在多くの眼科医とこのFacebookを通じて交流しています.また,最近では眼科微生物・感染症研究会(OcularMicrobiologyInfectionconfer-〔写真2〕アメリカで出家中?の写真ence;OMIC;オーミック)を立ち上げ,若手眼科医に眼感染症に興味をもってもらうように活動をはじめました.先日,スリーサムが開催されたときには第1回の研究会を行いました.研究会では,眼感染症についての討論や症例検討を行い,多くの先生方と熱い討論を交わしました.このように交流という観点ではいつも私の中にmyboomがあるのかもしれません.プライベートのmyboom;「キャンプ」「ひげ」もともとアウトドアが好きで,昔は「登山」や「釣り」に行っていました.ただ,子供がいる状況では休日があっても,なかなかアウトドアを楽しむ余裕がありませんでした.ところが留学中,ニューヨークに留学している学生時代の先輩に誘われて,家族でキャンプに参加して,「そうか!家族でアウトドアをすればいいんだ」ということに気づき,アメリカでキャンプセットを一式購入し,帰国後も時間を見つけては家族でキャンプしています.キャンプで子供と虫を探したり,ダッチオーブン料理にチャレンジしたりしています.そういうわけでキャンプはかなりのmyboomになっています.あと,留学中からいろんな髪型や髭を試しているのでそれもmyboomかもしれません.次のプレゼンターは京都の奥村直毅先生(同志社大)です.奥村先生は,YOBCの立ち上げを一緒にした仲間で,ワイルドで多趣味な先生です.よろしくお願いします.注)「Myboom」は和製英語であり,正しくは「Myobsession」と表現します.ただ,国内で広く使われているため,本誌ではこの言葉を採用しています.224あたらしい眼科Vol.29,No.2,2012(76)