コンタクトレンズセミナー監修/小玉裕司渡邉潔糸井素純コンタクトレンズ基礎講座【ハードコンタクトレンズ編】330.フルオレセインパターン判定法(4)今回は一般の眼科臨床医ではコンタクトレンズ(CL)の処方経験が少ないであろう円錐角膜,屈折矯正手術後について述べる.●円錐角膜円錐角膜と正常角膜で基本的なフルオレセインパターンの見方は大きく変わらない.正常角膜と異なるのは,トライアルレンズのベースカーブ(BC)選択にケラトメータが参考にならないこと,レンズ下方の浮きを重要視しないこと,上方のレンズエッジによる角結膜の圧迫に特に注意を払わなければならないことである.1.フルオレセインパターンの評価は必ず角膜中央部の位置で行う2.HCLの中央部,中間周辺部,最周辺部(ベベル部分)に分けて評価する(図1)円錐角膜では特に中間周辺部,最周辺部(ベベル部分)のフルオレセインパターンの評価が重要となる.筆者は領域ごとに重視する割合を中央部:中間周辺部:最周辺部(ベベル部分)=20:40:40と考えている.a.中央部原則としてアピカルタッチ(レンズ後面中央部が角膜中央部に接触した状態)で処方する.アピカルタッチで処方することにより,良好な矯正視力が得られ,オルソケラトロジー効果による円錐角膜の進行予防効果が期待できる.CL矯正視力が出にくい症例では,強めのアピカルタッチで処方すると視力向上が得られることがある.円錐頂点部の角膜上皮障害が強い場合は多段階カーブハードCL(HCL)を選択してパラレルで処方する.b.中間周辺部中間周辺部の評価は下方を除いた領域で行う.中間周辺部は,フラット,あるいはパラレルで処方する.レンズ下方の浮きは重要視しない(図2).c.最周辺部(ベベル部分)円錐角膜では最周辺部(ベベル部分)の評価はレンズ上方の四分の一に相当する部分が特に重要となる(図3).この部分のレンズエッジによる角結膜への圧迫が強いと,HCLは円滑に動かず,装用感が悪化し,長時間(49)0910-1810/11/\100/頁/JCOPY装用ができなくなる.ベベル幅,リフトエッジが十分確保され,ブレンドが良好であることを確認する.●屈折矯正手術後術後の角膜不正乱視により,他の矯正手段では視力矯正が困難なときにHCLの適応となる.RK(radialkeratotomy)手術,PRK(photorefractivekeratectomy)手術,LASIK(laserinsitukeratomileusis)手術,ICR(intracornealring)挿入術などの屈折矯正手術後に共通あたらしい眼科Vol.28,No.12,20111711図1フルオレセインパターンの評価中央部,中間周辺部,最周辺部(ベベル部分)に分けて部位別に評価する.図2円錐角膜のフルオレセインパターンの評価レンズの下方の浮きは重要視しない.図3円錐角膜のフルオレセインパターンの評価最周辺部(ベベル部分)はレンズ上方の四分の一に相当する部分の重視.糸井素純道玄坂糸井眼科医院図4LASIK術後に対する球面図5LASIK術後に対するリバースジ図6LASIK術後に対するリバーHCLの処方オメトリックデザインのHCL〔サスジオメトリックデザインのンコンマイルドEpi(ツインベルHCL(RoseK2IC)の処方LVCタイプ)〕の処方する角膜形状は,角膜中央部がフラットで,角膜周辺部が中央部よりもスティープなことである.本来,角膜は角膜中央部がスティープで,周辺部に向かうに従って徐々にフラットになる.それにより通常の球面HCLを処方しても良好なセンタリングが得られる.しかし,屈折矯正手術後の角膜形状は中央部と周辺部の関係が正反対となり,球面HCLでは良好なセンタリングが得られにくくなり,処方が困難となる.1.球面HCL角膜中央部のフラットなゾーンと,周辺部のスティープなゾーンに移行する境界部分でHCLを保持するように処方する.フルオレセインパターンとしては,中央部がアピカルクリアランス(レンズ後面中央部が角膜中央部に接触していない状態),中間周辺部がパラレル.ややスティープ,最周辺部はリフトエッジが高めの処方となる(図4).この場合,最周辺部よりも中間周辺部のフィッティングを優先する.良好なセンタリングが得られにくいときはレンズ前面の周辺部に溝加工を行うと,上眼瞼にレンズが保持され,良好なセンタリングが得られやすい.2.リバースジオメトリックデザインのHCLリバースジオメトリックデザインのHCLは,中央部のBCよりも周辺部(ベベル部分を除く)がスティープになったレンズである.屈折矯正手術後用レンズとしては,日本ではサンコンタクトレンズ社のサンコンマイルドII(ツインベルLVCタイプ),サンコンマイルドEpi(ツインベルLVCタイプ),日本コンタクトレンズのRoseK2ICの3つがある.屈折矯正手術後の角膜形状は角膜中央部がフラットで,角膜周辺部がスティープな形状となっており,リバースジオメトリックデザインのレンズの良い適応となり,良好なセンタリングが得られやすい.フルオレセインパターンは,中央部はツインベルタイプではアピカルタッチ.パラレル(図5),RoseK2ICではアピカルクリアランス(図6)となる.最も優先するべきは中間周辺部のフィッティングで,ツインベルタイプもRoseK2ICも同様で,レンズの動きを妨げないようにして,この部分でレンズを軽く保持するようなフィッティングで処方する(図5,6).最周辺部(ベベル部分)はベベル幅,リフトエッジが十分確保されていることを確認する.1712あたらしい眼科Vol.28,No.12,2011(00)