●連載221監修=岩田和雄山本哲也221.さらに進歩した緑内障領域における新田耕治福井県済生会病院眼科COCTangiography非侵襲的に眼局所の血流動態を観察できるCOCTangiography(OCTA)をC2015年からわが国でも使用できるようになり,緑内障領域でもCOCTAによる新たな知見が増えている.しかし,artifactやトラッキングシステムの欠如による画質不良や位置ずれによる再現性の課題もある.本稿では,Optovue社のCRTVueXRAvantiを取りあげ,OCTAの緑内障領域における有用性と最新の機能について述べる.●OCTangiographyのartifactOCTangiography(OCTA)撮影にはさまざまなCarti-factが出現する1).CProjectionartifactは血管部のシグナル変化の対象となる血球が動くとそれに連動して動く影によるCartifactで,血管組織のない部位でもシグナル変化が抽出され,描出される可能性がある.このCprojectionartifactはとくに網膜色素上皮を光が通過した際に生じることが多く,血管を通過する光は常に変化し,その光の反射が血球の流れとよく似た影を別の層に映し出すことがある.Optovue社のCRTVueCXRAvantiのCOCTAソフトウェアCAngioVueの新バージョンでは,3DCprojectionCarti-factremoval(3DPAR)という新しいアルゴリズムによりCprojectionartifactの軽減が期待される.また,眼球が動いてもCmotionCcorrectiontechnologyにより画像ブレがかなり修正できるが,再現性の欠如した画像となることがある.眼球運動だけでなく,脈拍,呼吸,振戦などでも生じるが,新バージョンではその点を解決するためにトラッキングシステムを搭載したので,画質のさらなる向上が期待できる.良好なCOCTAの画質を得るためには強い強度のシグナルが必要となるが,シグナル強度の弱い領域では,ノイズの変動により一つの画像が次の画像と比較される際に,血流に関する誤った所見を生み出すCfalse.owarti-factを生じる可能性がある.網膜浮腫,萎縮,出血などのほかに,緑内障後期の乳頭周囲の撮像でも同様のことが起きる.このような画像はCsignalCstrengthCindex(SSI)が低く,40以下のことが多い.緑内障進行評価に際し血管密度も参考にするのであれば,SSIがC60以上の画像で比較することが望ましいと思われる.なお,新バージョンではCSSIは廃止され,ScanQuality(SQ)としてC10段階表示されるようになった.SQ7以上の画像にて評価することが望ましい.(63)C0910-1810/18/\100/頁/JCOPY●緑内障眼におけるOCTAの放射状乳頭周囲毛細血管評価当院にてC2015年C3月より使用しているCbバージョンでは,乳頭周囲は,nervehead(撮影画面上端.内境界膜C150Cμm下方まで),vitreous(撮影画面上端.内境界膜C50Cμm下方まで),radialperipapillarycapillaries(内境界膜.網膜神経線維層まで),choroid/disc(網膜色素上皮よりC75Cμm下方.撮影画像下端まで)のC4区画がセクターごとにデフォルトでCangioC.owdiscとして表示される(図1a).2018年C6月から使用している新バージョンでは,vitreous(画像の上部.内境界膜),super.cial(内境界膜.内網状層),radialCperipapillarycapillaries(内境界膜.網膜神経線維層),choroid/disc(内境界膜.画像の下部)が表示される(図1b).楔状網膜神経線維層欠損(nerveC.berClayerdefect:NFLD)を有する正常眼圧緑内障症例にCOCTAを乳頭中心に撮像してみると,いずれのバージョンの画像においても楔状CNFLDに一致して放射状乳頭周囲毛細血管(radialperipapillaryCcapillaries:RPC)の減少を認め,RPC密度低下領域と視野障害部位もほぼ一致していることがわかる(図1).OCTAを使用した報告では,緑内障眼では病期の進行とともにCRPCの血管密度がびまん性に脱落しており,前視野緑内障>初期緑内障>中期.後期緑内障の順に毛細血管は減少している2).そのほか,緑内障診断や進行評価にCOCTAを使用した解析報告が相次いでおり,その有用性が確認されてきている3.7).さらに新バージョンでは,RPC血管密度カラーマップと網膜神経節細胞複合体(ganglionCcellcomplex:GCC)mapが同時に表示され,しかもそれぞれのマップにセクター別のCGCC厚や血管密度が表示されるようになった(discquickvue表示,図2).これらを生かして新たに血管密度変化のtrendを解析できるようにもなった(disctrendAnaly-あたらしい眼科Vol.35,No.11,2018C1511a図1OCTAの各層における毛細血管の分布a:旧バージョンで撮影した緑内障眼.Cb:新バージョンで撮影した同一症例.Caでは,左からCopticCnervehead,vitreous,RPC,choroidの順に表示Cbされている.Cbでは,硝子体側から脈絡膜層へ順番に表示されている.いずれの画像においても楔状CNFLD部位に一致して乳頭周囲の浅層毛細血管が減少していることが確認できる.しかし,aよりCbが血管密度低下領域をより明瞭に表記できている().sis表示)ので,緑内障における治療強化の新たなツールとしてこれらが活用できる可能性がある.文献1)SpaideCRF,CFujimotoCJG,CWaheedNK:ImageCartifactsCinCopticalCcoherenceCtomographyCangiography.CRetinaC35:C2163-2180,C20152)YarmohammadiCA,CZangwillCLM,CDiniz-FilhoCACetal:CRelationshipCbetweenCopticalCcoherenceCtomographyCangi-ographyvesseldensityandseverityofvisual.eldlossinglaucoma.Ophthalmology123:2498-2508,C20163)RaoHL,PradhanZS,WeinrebRNetal:Acomparisonofthediagnosticabilityofvesseldensityandstructuralmea-surementsCofCopticalCcoherenceCtomographyCinCprimaryCopenangleglaucoma.PLoSOneC12:e0173930,C2017図2新バージョンのdiscquickvue表示新バージョンのCdiscCquickvue表示は,OCTAだけでなく,OCTによる乳頭周囲の網膜神経線維厚も同時に撮影し表示される.4)RaoCHL,CPradhanCZS,CWeinrebCRNCetal:VesselCdensityCandCstructuralCmeasurementsCofCopticalCcoherenceCtomog-raphyinprimaryangleclosureandprimaryangleclosureglaucoma.AmJOphthalmol177:106-115,C20175)MansooriCT,CSivaswamyCJ,CGamalapatiCJSCetal:RadialCperipapillaryCcapillaryCdensityCmeasurementCusingCopticalCcoherenceCtomographyCangiographyCinCearlyCglaucoma.CJGlaucomaC26:438-443,C20176)YarmohammadiCA,CZangwillCLM,CDiniz-FilhoCACetal:CPeripapillaryCandCmacularCvesselCdensityCinCpatientsCwithCglaucomaandsingle-hemi.eldvisual.elddefect.Ophthal-mology124:709-719,C20177)AkilH,HuangAS,FrancisBAetal:Retinalvesseldensi-tyCfromCopticalCcoherenceCtomographyCangiographyCtoCdi.erentiateearlyglaucoma,pre-perimetricglaucomaandnormaleyes.PLoSOneC12:e0170476,C20171512あたらしい眼科Vol.35,No.11,2018(64)