0910-1810/10/\100/頁/JCOPY害を,神経麻痺による麻痺性眼球運動障害と対比して,拘束性眼球運動障害という.甲状腺機能亢進症(Basedow病)に合併するBasedow眼症がよく知られているが,甲状腺機能低下症(橋本病など)や甲状腺ホルモン値に異常がない状態(euthyroidという)でも発症する.甲状腺ホルモンそのものが外眼筋に異常をひき起こしているわけではないので,内科における甲状腺機能異常の病状と眼症状は必ずしも一致しないという点は注意したい.もちろん内科的な状態を改善させる必要があるが,そうすれば必ず眼もよくなるわけではない.そのぶん診療におけるわれわれ眼科医の役割が重要になってくる.2.臨床診断のポイント.内転/上転障害が多い.Forced-ductiontestで拘束性障害を確認.眼球突出や瞼裂開大を伴うことが多い眼球突出や瞼裂開大を伴う無痛性の眼球運動障害が最も特徴的な所見である.すべての外眼筋が障害されうるが,頻度として内直筋>下直筋>上直筋≫外直筋の順に障害されやすいため,それらの筋が伸びにくい状態,すなわち外転および上転障害が多くなる.水平性だけでなく垂直性の複視も訴える場合はまず鑑別するべき疾患である.通常痛みを伴うことはない.眼窩深部痛や眼球運動痛を伴う場合は外眼筋炎を鑑別する必要がある.病態は拘束性障害(筋肉の伸展障害)なので,診断にはforced-ductiontestが重要である.たとえば,右眼はじめにさまざまな全身疾患によって多様な眼底所見が生じるように,さまざまな全身疾患によって多様な眼球運動障害がひき起こされ,複視として自覚される.一方,特徴的な眼底所見を端緒にしてその背景にある全身疾患が診断されるように,複視を主訴とした特徴的な眼球運動障害をきっかけにして,全身疾患が診断されることもある.疾患によっては,診断の遅れが予後を左右することもあるので,たとえ治療はそれぞれの専門診療科に委ねるとしても,ある特定の全身疾患に特徴的な複視の症状や眼球運動障害を理解し的確な診断を下せるようにしておくことは,日常臨床においても大変重要と考えられる.本稿では,特徴的な複視・眼球運動障害をきたす全身疾患として,比較的遭遇する頻度の高いと思われる甲状腺機能異常(甲状腺眼症)と眼筋型筋無力症について,また頻度は少ないものの臨床医としてぜひ知っておきたいフィッシャー(Fisher)症候群とウェルニッケ(Wernicke)脳症について,その特徴と通常診療における診断のポイントについて解説したいと思う.I甲状腺眼症1.どんな病態?甲状腺機能異常に伴って産生される何らかの抗体により外眼筋に自己免疫反応による炎症を起こし,外眼筋が腫脹,後に線維化することで,筋が伸展しなくなり眼球が動きにくくなる.外眼筋の伸展障害による眼球運動障(57)917*HogaraTaguchi:大阪赤十字病院眼科〔別刷請求先〕田口朗:〒543-0027大阪市天王寺区筆ヶ崎町5-53大阪赤十字病院眼科特集●物が二重に見えるあたらしい眼科27(7):917.923,2010複視と全身疾患DiplopiaCausedbyGeneralDisorders田口朗*918あたらしい眼科Vol.27,No.7,2010(58)後退することにより露出しやすくなる(Darlymple’ssign).また,下方視させると,上眼瞼が下がりにくいために上方強膜の露出が顕正化する(vonGraefe’ssign,lidlagともいう)(図2).眼球突出がはっきりしない症例においても,しばしばlidlagは陽性になるので,眼球運動障害の症例をみたら,下方視をさせて上方の強膜露出が誘発されないか確認するのがよいだろう.もちろん,体重減少・発汗過多・心悸亢進・甲状腺腫大・手のふるえなどの内科症状の有無を確認することも(機能亢進症の場合は)診断の一助となる.3.検査では何を調べる?上記の診察所見で甲状腺眼症が疑われる場合は,(もちろんその時点で専門医に紹介する方針でよいと思うが),血液検査や画像診断で診断を確定する.血液検査では,遊離トリヨードサイロニン(fT3),遊離サイロキシン(fT4),甲状腺刺激ホルモン(TSH)にて甲状腺機能をチェックするとともに,外眼筋腫大と関連が強いと考えられているTSAb(thyroidstimulatingantibody)をチェックする.画像診断は,眼窩部MRI(磁気共鳴画像)の水平断・冠状断および矢状断を行う.頭部ではなく眼窩部を,かつ水平断だけではなく必ず冠状断と矢状断を依頼するこに外転障害がある場合,麻痺性(外転神経麻痺など)の場合は右方視を指示した場合(随意的外転)よりも内直筋付着部を有鈎鑷子で外側に牽引した場合(徒手的外転)のほうがよく動く(拘束なし)ことになるが,甲状腺眼症の場合は徒手的に牽引しても動かないことになる(拘束性あり).眼球運動制限が顕著であるときは,クリニックでは有鈎鑷子の代わりに綿棒で押して評価してもよいだろう(図1).甲状腺眼症を疑う場合は,まず眼球運動障害が拘束性であることを確認することが最も大切である.眼球運動だけではなく,眼球突出や眼瞼の異常の有無にも注意して診察することも重要である.もともと眼窩内の容積は決まっているので,その中の構造物である外眼筋や眼窩脂肪の容積が増せば,当然眼球は前に押し出されて眼球突出を呈しやすくなる.眼瞼のMuller筋も異常収縮するため上下の眼瞼は後退し瞼裂は開大する.通常は露出することのない角膜上方の強膜が,上眼瞼が図1細隙灯顕微鏡下で綿棒を用いたforced.ductiontest随意的外転(上)よりも綿棒を用いた徒手的外転(下)のほうがよく動く場合は,forcedductiontest陰性(抵抗なし)と判断できる(写真は右外転神経麻痺の症例).判断がつきにくい場合は開瞼器をかけて有鈎鑷子で筋肉の付着部をつかんで牽引し抵抗の有無を確認する.図2甲状腺眼症の眼瞼所見正面視左固視で25Δ右下斜視を認め,左上眼瞼は挙上し12時の角膜輪部が露出(Darlymple徴候)している(上).下方視すると左上眼瞼にlidlagsignを認める(下).(59)あたらしい眼科Vol.27,No.7,2010919大する点が鑑別のポイントになる.外眼筋の炎症の活動性についてはMRIT2強調画像や脂肪抑制法であるSTIR(shortT1inversionrecovery)法での画像信号強度が参考になる1)(図4).4.治療は?厳密な適応基準はないが,炎症の活動性が強い場合,とがポイントである.水平断と冠状断を見比べながら評価することで,初めて外眼筋の腫大を3次元的に評価することができる.甲状腺眼症での外眼筋腫大の特徴は,眼球との付着部では筋の腫大は少なく,筋腹で腫大が顕著である点である.すなわち,水平断でみると,ちょうどコカコーラ瓶のような形状を呈する(図3).同じ外眼筋が腫大する外眼筋炎では,筋腹も付着部も棍棒状に腫図3甲状腺眼症における外眼筋肥大の特徴(眼窩部CT水平断)甲状腺眼症(左)では外眼筋の肥厚は眼球との付着部には認められず,筋腹に顕著となり,コカコーラ瓶様の肥大を呈する.一方,外眼筋炎(右)では付着部を含め棍棒状に肥大する.図4甲状腺眼症―外眼筋の炎症活動性の評価眼窩部MRI冠状断STIR法で評価すると,外眼筋の筋腹断面部の信号強度は治療前(左)に比べ,ステロイドパルス治療後(右)では減少していることがわかる.920あたらしい眼科Vol.27,No.7,2010(60)は眼症状で初発するため,眼科を初診する可能性が高い疾患である.眼瞼下垂がよく知られているが,眼瞼下垂のない眼球運動障害のみで発症する症例もあり注意が必要である.易疲労性であることと,休養により回復することが特徴的である.すべての年齢層に発症しうるが,特に眼筋型は5歳以下の小児に発症しやすいことは留意しておくべきポイントである.全身的には胸腺腫の合併や,ごくまれに悪性腫瘍(肺小細胞癌)が異所性に抗体を産生する腫瘍随伴神経症として発症することが知られている(Eaton-Lambert症候群).2.臨床診断のポイント.日内変動のある複視,眼瞼下垂.疲労と,休息による回復.とにかく疑ってかかるべし筋無力症ではあらゆるパターンの眼球運動障害を起こしうるので,両眼性複視や眼球運動障害の症例に遭遇した場合は,まず筋無力症を念頭において,アナムネーゼを聴取することが大切である.その際重要なキーワードは,日内変動,そして疲労と休息による回復の有無である.1日のなかで朝と夜では違いがあるか?寝て起きた後は調子がよくなるか?などポイントを絞って質問してみよう.明確な回答が得られなくても,「日内変動(+/.)?はっきりしない」など聴取したという事実をカルテに記載しておくことが大切である.あるいは外眼筋肥大による圧迫性視神経症や著明な眼球突出を呈する場合は,ステロイドパルス治療の適応となる.メチルプレドニゾロン換算で1g点滴静注を3日間施行し,その後プレドニゾロン30mg内服を4日間行う.これを1クールとし,治療効果をみながら,3クール行う.治療効果は,臨床所見およびMRIでの信号強度で判定する(図4).ステロイド全身投与に際しては,急性期には心停止や消化管出血,血糖値の急激な上昇,精神疾患の増悪,肝不全,慢性期には骨粗鬆症などさまざまな合併症に対する配慮・対応が必要なので,基本的には経験のある内科医に管理を依頼し,眼科では臨床症状をモニターする方針が推奨される.残念ながら薬物治療だけで眼球運動障害が改善することは少なく,パルス治療の後,放射線治療を行い筋の炎症を抑制したうえで,正面視で複視が残る場合は,プリズム眼鏡装用による複視の軽減や,斜視手術(伸展障害のある筋の後転術)を行うことが多いのが現状である.II筋無力症1.どんな病態?横紋筋のニコチン性アセチルコリン受容体に対する自己抗体が産生されることによって,横紋筋の神経筋接合部での伝達が障害され,筋麻痺が起きる病態である.外眼筋や眼瞼挙筋,眼輪筋が障害される眼筋型と,骨格筋も障害される全身型がある.全身型の場合でも約90%正面視上方視上方視2分後図5筋無力症の眼瞼所見(疲労現象)9歳,男児.正面視で右眼瞼下垂を認め(左),上方注視(中)を持続すると2分後には右眼瞼下垂が増悪し(右),疲労現象陽性と判断できる.(61)あたらしい眼科Vol.27,No.7,2010921テンシロンテストは,エドロホニウム(アンチレックスR)を静注し,アセチルコリンを分解するコリンエステラーゼを阻害して,アセチルコリンを飽和させた状態にして症状の改善をみる検査法である.全身的には徐脈,失神など誘発されうるので,基本的には硫酸アトロピンをすぐ静注できるように用意しておく必要があるし,それらの対応が可能な(神経)内科医や小児科医の管理下で施行することが望ましい.ただし,その評価についてはわれわれ眼科医の積極的な関与が必要である.劇的に症状が改善する場合は誰が評価しても問題はないが,眼球運動障害の場合,肉眼的な評価では今ひとつ改善の有無がはっきりしないことがある(図6).また,テンシロンテストによる症状の改善は静注後1.2分で出疲労現象,特に眼瞼下垂については,診察室で比較的容易に確認することができる.眼瞼下垂がある場合は,上方注視を持続するよう命じて,眼瞼の状態を観察する.1.2分で下垂がひどくなる場合は,疲労現象陽性とみなす(図5).暗室で30分閉瞼して休んでもらい下垂の回復を評価するsleeptestや,10秒程度下方視させた後に急に正面を見させると眼瞼が一瞬挙がってピクピクと痙攣するlidtwitch現象も診断の補助となる.3.検査では何を調べる?以上の臨床所見で筋無力症が疑われるときは,テンシロンテスト,抗アセチルコリン受容体抗体,筋電図などで診断を確定する.正面視下方視テンシロンテスト前下方視テンシロンテスト後図6筋無力症に対するテンシロンの評価(眼球運動の肉眼的観察)図5の症例の1年後,複視を主訴に再診.正面視で右固視左眼30Δ外斜25Δ上斜している(左).下方視時左眼の下転障害を認めるが,テンシロンテスト前後(中・右)では,著明な改善は認められないようにみえる.テンシロンテスト前テンシロンテスト後図7筋無力症に対するテンシロンの評価(眼位検査での評価)テンシロンテスト後で正面視の眼位ずれは右固視で左眼12Δ外斜10Δ上斜に改善している(右)ことから,テンシロンテスト陽性と判断できる.922あたらしい眼科Vol.27,No.7,2010(62)検出される.全身疾患であるギラン・バレー(Guillain-Barre)症候群の亜型と考えられている.複視を初発症状とすることが多いので,頻度はまれであるが,眼科を初診することが多いと考えられ,注意が必要である.2.臨床診断のポイントと治療複視を主訴に受診し,外眼筋麻痺が急速に進行する.眼球運動障害はある程度進行すると両眼性で左右対称性になるが,初診時には外転神経麻痺と診断されていることも多いようである.よくわからない眼球運動障害が急速に悪化する場合は,まず疑ってみるべき疾患の一つである.その際,歩行時のふらつきがあるかどうか,あれば,継ぎ足歩行や片脚立ちができるかどうかを検査室で確認してみよう.また,先行感染として風邪の症状(胃腸炎や上気道炎)がなかったか確認することがポイントである.診断にはIgG抗GQ1b抗体や脳脊髄液検査での蛋白細胞解離が有用であるが,これらは神経眼科専門医や神経内科医に任せてよいと考える.治療は,免疫吸着療法による抗体の除去が推奨されているが,進行例では神経線維自体が変性してしまい予後不良になることがある.早期診断と治療開始が大切な疾患である.IVウェルニッケ脳症1.どんな病態?ビタミンB1の欠乏による急性の栄養障害性脳症で,眼球運動障害,小脳失調,意識障害を三徴とする.古典的にはアルコール依存症に多いとされたが,最近は胃癌術後,経静脈栄養,妊娠悪阻,吸収不良症候群などによる報告が増えている.放置すれば17%は死に至るきわめて重要な救急疾患であるが,眼球運動障害による複視を主訴に眼科を初診することがあるため注意が必要である.2.臨床診断のポイント複視や霧視を主訴に眼科を受診し,水平注視障害(特に外転障害)や左右注視時の水平性眼振を指摘されることが多い.進行すると多彩な眼球運動障害を呈するので,やはりよくわからない眼球運動障害に遭遇したとき現し,5分.10分程度で消失してしまうため,評価の仕方に慣れていないとせっかくの検査をしても,偽陰性と判断されてしまうこともあるからである.正面視で複視がある症例では,テンシロンテスト前後に眼位検査を行うとよいだろう.テンシロテスト前後で水平ずれなら5Δ以上,上下ずれなら3Δ以上改善が認められる場合は,陽性と判断できる(図7).血液検査では,抗アセチルコリン受容体抗体を検査する.ただし,筋無力症の患者の約20%は抗アセチルコリン受容体抗体が陰性であると報告されており2),抗アセチルコリン受容体抗体以外の自己抗体3)による筋無力症が存在することを知っておく必要がある.小児の眼筋型筋無力症の抗アセチルコリン受容体抗体陽性率は64%と報告されている4).また,筋無力症の約10%に甲状腺機能亢進症を合併することも念頭におき,血液検査のみならず,眼瞼や眼球運動障害の評価を進めていくことが望ましいと考える.その他,生理検査として誘発筋電図検査,全身検査として胸腺腫の有無や肺小細胞癌の有無などは,内科医に依頼するのがよいだろう.4.治療は抗コリンエステラーゼ薬の内服,ステロイド内服,大量点滴静注療法などであるが,全身管理ができる神経内科医に治療を依頼して,眼科医は治療効果の眼科的判定に専念すべきであると考える.IIIフィッシャー症候群1.どんな病態?急性発症の外眼筋麻痺,小脳性運動失調,腱反射の消失を三徴とする自己免疫性の神経疾患である.発症の1.2週間前に先行感染として,80%に上気道炎,20%に胃腸炎に罹患する.その際の病原体(おもにCampylobacterjejuni:カンピロバクター・ジェジュニ)の菌体外膜の構成成分と,眼運動神経や小脳への入力神経線維の糖鎖(ガングリオシド,GQ1bなど)構造の一部が一致するために,病原体に対する抗体が神経を交差反応性に障害して発症すると考えられている5).患者の血清中には高頻度にIgG(免疫グロブリンG)抗GQ1b抗体があたらしい眼科Vol.27,No.7,2010923には念頭におくべき疾患である.ふらつきや,何となくぼんやりとした意識障害がある場合はなおさら疑わしくなる.アルコール依存症や前述した栄養吸収障害の有無を確認することが大切である.早急なビタミンB1の投与により,数時間で劇的に症状の改善徴候が現れるので,疑わしい場合はまずビタミンB1100mgを静注し,その反応性で診断する治療的診断が望ましい6).血中のビタミンB1値測定には通常数日かかる(が,その結果を待っていられない)こと,ビタミンB1投与により血中濃度が上がっても中毒症状はでないことより,早期に本疾患を疑ってビタミンB1投与を躊躇しないことが大切と考えられる.診断前のブドウ糖輸液やステロイド投与は,逆にビタミンB1を消費させ欠乏症状を急速に悪化させるため禁忌である.MRIでは第3脳室周囲にT2強調画像やDWI(拡散強調画像)で高信号を認めることが特徴で,急性の浮腫や微小出血性壊死を反映していると考えられている.おわりに以上,比較的遭遇する機会の多い甲状腺眼症から,救急救命疾患でもあるウェルニッケ症候群まで取り上げた.外来で遭遇するほとんどの眼科疾患と異なり,診断から外科的治療までをすべて眼科だけで完結させることができる疾患は一つもない.「じゃあ,どうせ眼科では治せないんでしょ」と思われるかもしれないが,病初期に的確な診断を下し原因である全身疾患を突き止めることができれば,患者さんに多大な利益を与えることができる.特徴的なアナムネーゼ,臨床所見を見逃さないよう,診療に役立てていくことが重要と考えられる.文献1)LaittRD,HohB,WakeleyCetal:Thevalueoftheshorttauinversionrecoverysequenceinmagneticresonanceimagingofthyroideyedisease.BrJRadiol67:244-247,19942)SolivenBC,LangeDJ,PennASetal:Seronegativemyastheniagravis.Neurology38:514-517,19883)HochW,McConvilleJ,HelmsSetal:Auto-antibodiestothereceptortyrosinekinaseMuSKinpatientswithmyastheniagraviswithoutacetylcholinereceptorantibodies.NatMed7:365-368,20014)KimJH,HwangJM,HwangYSetal:Childhoodocularmyastheniagravis.Ophthalmology110:1458-1462,20035)YukiN:Gangliosidemimicryandperipheralnervedisease.MuscleNerve35:691-711,20076)SquirrellD,ShipmanT,RennieI:Wernickeencephalopathy.ArchOphthalmol122:418-419,2004(63)