特集●学童の近視進行予防アップデートあたらしい眼科33(10):1427?1433,2016近視進行と環境要因ProgressionofMyopiaandItsEnvironmentalFactors四倉絵里沙*鳥居秀成*はじめに近年,近視人口はアジアを中心として世界的に増加傾向にあり,特筆すべきはこのわずか数十年で近視人口が急増1)していることである.近視は遺伝因子と環境因子により発症,進行すると考えられており,この短期間での近視人口急増の原因は,遺伝因子の変化というよりも何らかの環境因子の変化による影響とみるのが妥当であると思われる.近視と関連する環境因子は多岐にわたり,これまで代表的なstudy,すなわちOrindaStudy2,3),SingaporeCohortStudyoftheRiskFactorsforMyopia(SCORM)4,5),SydneyMyopiaStudy6,7)で報告されている近視進行の要因としては,都市部に住むこと,勉強などの近業時間が長いこと,屋外活動時間が短いこと,学歴やIQが高いことなどがあげられる.そのうちコンセンサスが得られている環境因子には,近業作業と屋外活動があげられ2,3,5,6),それぞれ近業時間が長いほど近視化し,屋外活動時間が長いほど近視が抑制されるといわれている.本稿では,現在報告されている近視に関連するさまざまな環境因子について取り上げる.I環境因子の変化最近数十年間で変化したと思われるわれわれを取り巻く環境因子として,明らかに変化したと思われるものには,テレビ,パソコン,携帯電話やスマートフォン,携帯用/家庭用ゲーム機などのデジタル機器の登場と普及がある.それらによる近業時間や屋外活動時間,食事内容や睡眠時間,運動量の変化など,われわれを取り巻くライフスタイルのさまざまな変化が,近視人口の増加に関係している可能性がある.本稿ではそれぞれの可能性について解説する.1.近業時間の増加Buckschら8)は11歳,13歳,15歳におけるテレビを見る時間とパソコンを行う時間の合計近業時間を,2002年,2006年,2010年で経時的に比較検討した.その結果,11歳男児では平日の平均近業時間が2002年では3.93時間/日であったのが,2010年では5.33時間/日に増加しており,このような近業時間の増加傾向は,他の年齢でも,女児においても同様に認められた.また,近業時間の内訳として10年前はテレビが多かったが,最近では子供たちにもスマートフォンやパソコンなどのデジタル機器が普及してきているため,それを反映した結果も報告されている9)(図1).パソコンに焦点を絞った研究においても,米国の高校生を対象に,平日3時間以上パソコンを見ている割合を調べたところ,2003年は22.1%だったが,2011年は31.1%と増加傾向にあることがわかった9)(図2).これらの報告は欧米のものであるが,近年の近業時間の増加はわが国を含むアジアでも同様の傾向なのではないかと思われる.このように近業時間の増加と内訳が近年変化してきているが,近業と近視については多くの有名な既報から関連性が指摘されてきた.SydneyMyopiaStudyでは,11~14歳の小児2,339人において,性別,年齢,人種,両親の近視の有無,屋外活動時間の交絡因子を調整したところ,近業作業時間が長くなるほど屈折値が有意に近視寄りになることを報告している6).とくに30分以上連続して読書する小児は,連続読書時間30分以下の小児と比較し1.5倍近視になりやすく,また読書をする距離が30cmよりも近い場合,30cm以上離して読書をする場合と比較し,2.5倍近視になりやすいことが示された.さらに,SCORMでは,7~9歳の小児1,005人を対象とし,1週間に2冊以上の本を読む小児はそうでない小児と比較し,3倍以上近視になりやすいことが報告されている4).しかし,近視発症以前の近業時間や屋外活動時間を,近視群と非近視群で比較したJones-Jordanら10)の報告によると,近視発症以前の近業時間の程度は両群間で有意差はなかったと報告されており,近業と近視の関係に否定的な論文もある.また,Roseら7)は,近業時間の多少にかかわらず,屋外活動時間が長ければ近視のリスクが低くなることも報告しており(図3),近業と近視の関連性については今後もさらなる詳細な検討が必要と思われる.2.屋外活動時間の減少近年近業時間の増加だけではなく,屋外活動時間の減少も報告されている.Hofferthら11)は1997~2003年の6年間に,6~12歳のスポーツをしている時間と屋外にいる時間がそれぞれ,5時間54分/週から3時間47分/週に,36分/週から25分/週に減少していることを報告した.現在,屋外活動時間の増加は近視進行抑制で世界中の研究者からもっともコンセンサスが得られている方法の一つであるため,屋外活動時間の減少傾向は近年の近視人口増加の一因であると思われる.OrindaLongitudinalStudyofMyopia(OLSM)では,右眼が小学3年生(8~9歳)の時点で近視ではない小児514人を対象として追跡調査を行った3).3年生時の屋外活動時間を調べ,4年生以後に調節麻痺下屈折値が?0.75Dより強い近視となった場合に近視発症と定義し,全体で21.6%にあたる111例が近視となった.全体の平均屋外活動時間は,近視にならなかった小児では週11.65時間(=約1時間40分/日)であったのに対し,近視になった小児では週7.98時間(=約1時間8分/日)(p<0.001)であった.また,屋外活動時間と両親の近視の有無を調整した結果,読書時間と近視発症に有意な関連性は認められなかったことも報告している.さらに遺伝の影響も考慮し,両親の近視の数別(両親とも近視=2,片親のみ近視=1,両親とも近視でない=0)に近視になる割合と屋外活動時間についても報告している(図4).この報告によると,両親とも近視だったとしても1日2時間以上の屋外活動時間で近視発症の割合を低くすることができ,反対に両親が近視でなかったとしても,屋外活動時間が1日1時間未満である場合,片親が近視である場合と同様の近視発症率となってしまう.ここからも近視が遺伝因子のみではなく,環境因子である屋外活動時間に強く影響を受けていることが示唆される.また,SydneyMyopiaStudyでは,スポーツもしくはレジャーにかかわらず屋外活動時間が長い(1日2.8時間以上)ほど,近視の有病率が低く,遠視の有病率が高いと報告された7).SCORMでも,11~20歳1,249人において,性別,年齢,人種,1週間の読書数,身長,両親の近視の有無を調整した結果,屋外活動時間が眼軸長,屈折値と有意に負の相関があったことを示した5).さらに,1日の屋外活動時間が1時間増加するごとに,屈折度は+0.17D遠視側になり,眼軸長は0.06mm伸長が抑制されると報告された.これらの研究を受けて,積極的に屋外活動時間を増やす介入をすることによって,近視進行抑制を試みる臨床研究も報告されている.たとえば,台湾では学校単位で平日の1日80分間,1週間で合計6~7時間の休み時間を屋外で過ごすプログラムを導入し,1年後に介入群において屈折度数の近視化を有意に抑制することができたと報告している(介入群:?0.25D/year,非介入群:?0.38D,p=0.029)12).また,中国のGuangzhouOutdoorActivityLongitudinalStudyでは,小学1年生1,903人に対し,平日に1日40分の屋外授業時間を追加で設けた介入群と非介入群とに分け,3年間追跡した研究が行われた13).その結果,眼軸長の伸長量は両群間に有意差を認めなかったものの,非介入群と比較し介入群では有意に近視進行が抑制され(介入群:?1.42D/3年,非介入群:?1.59D/3年,p=0.04),近視の有病率も有意に低い(介入群:30.4%,非介入群:39.5%,p<0.001)ことが示された.では屋外活動の何が近視を抑制しているのか,これについては現時点でコンセンサスのある結論は得られていない.屋外活動時間を構成する因子としては,光の照度,遠方視・軸外収差,運動(身体活動),ビタミンDなどの関与の可能性があげられている.a.光の照度光の照度別にヒヨコを3グループに分け90日間育て,屈折値と眼軸長を調べた報告がある14).屋外活動の照度は30,000~50,000luxといわれている14)が,照度を高照度群(10,000lux),中等度照度群(500lux),低照度群(50lux)に分けたところ,高照度群の近視進行抑制効果が認められた.90日後の平均眼軸長も,高照度群に比べ低照度群のほうが有意に伸長しており(高照度群:15.5mm,中等度照度群:15.6mm,低照度群:16.2mm),明るい屋外環境が近視進行抑制に効いている可能性がある.さらにKaroutaら15)は,40,000lux下でヒヨコを用いた動物実験を行い,近視の発症だけでなく進行もほぼ停止させることができたことを報告,網膜のTUNEL染色も行い40,000lux下で7日間ヒヨコを飼育しても視細胞のアポトーシスを起こさないことも示した.その他明るさと近視に関し,網膜ドーパミン系の活性と関連させたspeculativereview文献によると,光量の増加に伴い網膜ドーパミン系が活性化され近視が抑制され,同時にintrinsically-photosensitiveretinalganglioncells(ipRGCs)の関与の可能性も指摘している報告がある.また,動物実験だけでなく,実際の臨床データでも近視と日照時間の関係性を検討した研究が報告されている16).2008~2012年度の学校保健統計調査の視力データを用い,小学6年生時の裸眼視力0.7未満の者の割合を目的変数とし,身長,学習時間,テレビゲーム時間,睡眠時間,日照時間を説明変数とし,都道府県数(n=47)の単回帰分析および重回帰分析を行った結果,裸眼視力0.7未満の小児の割合と,年間日照時間に負の有意な相関が認められ,近視と日照時間の関連性が示唆された(表1).b.遠方視・軸外収差遠方視は,近視が進行するといわれている近業作業の逆であるため,近視進行抑制方向に作用していると考えられている.Flitcroft17)は,屋外活動では室内読書時と比べ,正視眼において軸外収差が遠視になりにくく(遠視性のボケが少なくなり),近視進行抑制効果が出る可能性を報告している.ただし軸外収差抑制で期待される近視進行抑制効果が得られなかったとする臨床報告18)もあるため,軸外収差の近視進行抑制効果については議論する必要がある.c.運動(身体活動)小児の屋外活動時間と身体活動時間は相関することが報告19)されているため,屋外活動時間の近視進行抑制効果は運動による可能性がある.しかし一方,屋外活動時間は身体活動量とは独立して近視と関連しているという報告20)や,屋外活動と近視の関係は光量が重要であるという報告21)もあり,身体活動以外の要素も近視抑制に関与している可能性が示唆されている.d.ビタミンD紫外線により血清ビタミンD濃度が上昇することは知られているが,ビタミンDと近視との関連性が近年いくつか報告22~24)されている.Yazarら22)は,屈折値が近視であることと血清ビタミンD濃度が低いことが関連していることを報告した.年齢,性別,人種,両親の近視の有無,教育歴,眼部の太陽光線曝露指標を調整したうえでも,血清ビタミンD濃度が50nmol/l未満では,50nmol/l以上に比べて2倍近視になりやすいと報告している.また,Choiら23)は近視学童では血清ビタミンD濃度が低いことを報告し,さらにTidemanら24)はオランダ在住6歳児2,666名を対象とした研究で,屋外活動時間などの交絡因子を調整しても血清ビタミンD濃度と眼軸長は有意に負の相関を示すことを報告した(図5).ビタミンDそのものに近視進行抑制効果があるかどうかはまだ不明であるが,今後の追試などにより証明される可能性がある.3.睡眠の質と睡眠時間GuangzhouOutdoorActivityLongitudinalStudyのひとつに,中国における小児の近視進行と睡眠の関係につき調査した研究がある25).平均年齢9.8歳の小児1,902人を対象とし,屈折値が?0.5Dかもしくはそれより強い近視である近視群と,?0.5Dより弱い非近視群に分けて,睡眠時間や睡眠の質を評価した.その結果,夜間睡眠時間は近視群で9.13時間,非近視群で9.06時間と両群間に有意差は認められなかったが(p=0.052),睡眠の質を評価するChildrenSleepHabitsQuestionnaire(CSHQ)scoreの点数が近視群で有意に低く,近視と睡眠障害に関連性があることを示唆した.ただし,近視があるため睡眠障害になるのか,睡眠障害があるため近視になるかなどその因果関係はまだ明らかとなっていない.また,韓国の12~19歳3,625人を対象とした横断研究26)では,性別,年齢,身長,学歴,世帯収入,身体活動量の交絡因子を調整した結果,睡眠時間が1時間増えるごとに屈折度数も+0.10D増加し近視になりにくくなることが示唆された.さらに9時間以上の睡眠時間をとれているほうが5時間未満の睡眠時間よりも近視になりにくいことを報告した(調整済みオッズ比0.59,p=0.006).以上より睡眠障害や睡眠時間の不足が近視人口の増加と関連している可能性が考えられる.4.食事近視進行を抑制するサプリメントに関する報告もある.動物実験にて,片眼の上下眼瞼を縫合し近視を誘導させたウサギやモルモットに,カフェイン生合成経路にある代謝産物の7-methylxanthine(7-mx)27)を投与した場合,後部強膜のリモデリングにより眼軸長の伸長が抑制されたとの報告がある28,29).また,Trierら30)は,平均年齢11.3歳の小児68人を対象に,7-mxを含有するサプリメントを用いた前向き無作為抽出二重盲検の結果を報告した.最初の1年間7-mxサプリメントかプラセボを内服させ,2年目はすべての対象者に7-mxサプリメントを内服,3年目はサプリメントもプラセボも内服させず追跡調査したところ,7-mxの内服で近視進行が抑制されることがわかった.副作用も報告されていないため,食事から近視進行を抑制する有用な方法として今後の追試が期待される.5.成長と体格7~9歳を3年間追跡調査したSCORM31)では,多変量解析の結果から身長が1cm高くなると,眼軸長は平均0.032mm長くなり,屈折値は平均0.031D近視寄りになるとしている.同様にシンガポールで行われたTanjongPagarsurvey32)では,年齢40~80歳の中国人951人を調べ,身長が10cm高くなると眼軸長が0.23mm長くなると報告された.なお,これら2つ研究では超音波眼軸測定装置を用いての結果であり,より精度の高い光学式眼軸長測定装置を使用した結果が待たれる.また,体重やBMIについては,7~9歳を対象とした研究では,体重が重い傾向にあり,BMIが高いほうが遠視側の屈折値となる傾向があることをSawらが報告31)しているが,Rimら33)は5~18歳7,181人を対象とした研究で,近視有病率とBMIに有意な関連性は認められなかったと報告しており,近視と成長との関連性については同様の年齢層での今後の追試が期待される.おわりに近業時間,屋外活動時間,食事などわれわれを取り巻く環境はひと昔前と比べても劇的な変化を起こしている.また夜間の光環境も変わってきており,睡眠時間の減少や質の低下など概日リズムの変調をきたしている可能性も示唆される.このようにひとつだけではなく,いくつかの環境因子の複合的な変化が近視進行の要因となっている可能性が考えられるが,その因果関係を今後明らかにすることで,近視人口の世界的な急増に歯止めをかけられれば幸いである.文献1)DolginE:Themyopiaboom.Nature519:276-278,20152)MuttiDO,MitchellGL,MoeschbergerMLetal:Parentalmyopia,nearwork,schoolachievement,andchildren’srefractiveerror.InvestOphthalmolVisSci43:3633-3640,20023)JonesLA,SinnottLT,MuttiDOetal:Parentalhistoryofmyopia,sportsandoutdooractivities,andfuturemyopia.InvestOphthalmolVisSci48:3524-3532,20074)SawSM,ShankarA,TanSBetal:AcohortstudyofincidentmyopiainSingaporeanchildren.InvestOphthalmolVisSci47:1839-1844,20065)DiraniM,TongML,GazzardGetal:OutdooractivityandmyopiainSingaporeteenagechildren.BrJOphthalmol93:997-1000,20096)IpJM,SawSM,RoseKAetal:Roleofnearworkinmyopia:findingsinasampleofAustralianschoolchildren.InvestOphthalmolVisSci49:2903-2910,20087)RoseKA,MorganIG,IpJetal:Outdooractivityreducestheprevalenceofmyopiainchildren.Ophthalmology115:1279-1285,20088)BuckschJ,SigmundovaD,HamrikZetal:Internationaltrendsinadolescentscreen-timebehaviorsfrom2002to2010.JAdolescHealth58:417-425,20169)BassettDR,JohnD,CongerSAetal:TrendsinphysicalactivityandsedentarybehaviorsofUnitedStatesyouth.JPhysActHealth12:1102-1111,201510)Jones-JordanLA,MitchellGL,CotterSAetal:Visualactivitybeforeandaftertheonsetofjuvenilemyopia.InvestOphthalmolVisSci52:1841-1850,201111)HofferthSL:Changesinamericanchildren’stime-1997to2003.ElectronIntJTimeUseRes6:26-47,200912)WuPC,TsaiCL,WuHLetal:Outdooractivityduringclassrecessreducesmyopiaonsetandprogressioninschoolchildren.Ophthalmology120:1080-1085,201313)HeM,XiangF,ZengYetal:EffectoftimespentoutdoorsatschoolonthedevelopmentofmyopiaamongchildreninChina:Arandomizedclinicaltrial.JAMA314:1142-1148,201514)CohenY,BelkinM,YehezkelOetal:Dependencybetweenlightintensityandrefractivedevelopmentunderlight-darkcycles.ExpEyeRes92:40-46,201115)KaroutaC,AshbyRS:Correlationbetweenlightlevelsandthedevelopmentofdeprivationmyopia.InvestOphthalmolVisSci56:299-309,201516)枩田亨,横山連:政府統計による小学生の視力不良の経年推移と関係因子の解析.日眼会誌118:104-110,201417)FlitcroftDI:Thecomplexinteractionsofretinal,opticalandenvironmentalfactorsinmyopiaaetiology.ProgressinRetinalandEyeResearch31:622-660,201218)HasebeS,JunJ,VarnasSR:Myopiacontrolwithpositivelyaspherizedprogressiveadditionlenses:a2-year,multicenter,randomized,controlledtrial.InvestOphthalmolVisSci55:7177-7188,201419)CooperAR,PageAS,WheelerBWetal:PatternsofGPSmeasuredtimeoutdoorsafterschoolandobjectivephysicalactivityinEnglishchildren:thePEACHproject.IntJBehavNutrPhysAct7:31,201020)GuggenheimJA,NorthstoneK,McMahonGetal:Timeoutdoorsandphysicalactivityaspredictorsofincidentmyopiainchildhood:aprospectivecohortstudy.InvestOphthalmolVisSci53:2856-2865,201221)ReadSA,CollinsMJ,VincentSJ:Lightexposureandphysicalactivityinmyopicandemmetropicchildren.OptomVisSci91:330-341,201422)YazarS,HewittAW,BlackLJetal:MyopiaisassociatedwithlowervitaminDstatusinyoungadults.InvestOphthalmolVisSci55:4552-4559,201423)ChoiJA,HanK,ParkYMetal:Lowserum25-hydroxyvitaminDisassociatedwithmyopiainKoreanadolescents.InvestOphthalmolVisSci55:2041-2047,201424)TidemanJW,PollingJR,VoortmanTetal:LowserumvitaminDisassociatedwithaxiallengthandriskofmyopiainyoungchildren.EurJEpidemiol31:491-499,201625)ZhouZ,MorganIG,ChenQetal:DisorderedsleepandmyopiariskamongChinesechildren.PlosOne10:201526)JeeD,MorganIG,KimEC:Inverserelationshipbetweensleepdurationa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