監修=大橋裕一連載.MyboomMyboom第32回「福井正樹」本連載「Myboom」は,リレー形式で,全国の眼科医の臨床やプライベートにおけるこだわりを紹介するコーナーです.その先生の意外な側面を垣間見ることができるかも知れません.目標は,全都道府県の眼科医を紹介形式でつなげる!?です.●は掲載済を示す(●は複数回)連載.MyboomMyboom第32回「福井正樹」本連載「Myboom」は,リレー形式で,全国の眼科医の臨床やプライベートにおけるこだわりを紹介するコーナーです.その先生の意外な側面を垣間見ることができるかも知れません.目標は,全都道府県の眼科医を紹介形式でつなげる!?です.●は掲載済を示す(●は複数回)自己紹介福井正樹(ふくい・まさき)国立病院機構東京医療センター(NTMC)私は,平成17年に慶應義塾大学医学部(慶大)を卒業しました.学生時代に機能外科医を志望したのと,ポリクリで角膜移植後の乱視調整を見たときに,「均等な力で縫合できれば乱視調整は不要?」と思い眼科,とくに角膜移植に興味をもちました.卒後,NTMCで2年の初期研修後,平成19年に慶大眼科入局と同時にNTMCの後期研修を開始しました.そこで野田徹先生,山田昌和先生という2人の師匠に出会い,臨床・研究の基礎を学びました.平成22年4月に足利赤十字病院に移動し,眼科医長として2人の後輩と眼科を運営しました.平成23年10月に慶大眼科に帰室し,坪田フェローを1年強,角膜フェローを2年,角膜・ドライアイ・前眼部疾患を学びました.その後,平成25年10月に現所属のNTMCの眼科医として臨床・研究を行っております.臨床のMyboom:「目指せMr.Everything」私は角膜移植・屈折に興味があり,眼科医になりました.眼科5年目で慶大眼科に角膜フェローとして帰室し,角膜移植に携われるようになった時の嬉しさはひとしおでした.その後,全層角膜移植から始まり,深層層状角膜移植,層状角膜移植,角膜内皮移植と現在角膜移植で多様化した術式を経験しました.なかでもDALKは術中のデスメ膜表出の美しさと,表出までの緊張感・苦労から,私が‘はまっている’手術です.さらに私の(107)0910-1810/14/\100/頁/JCOPY眼科医としてのテーマ「角膜移植での屈折の制御」にもかかわります.私はSurgeonとして,結果が自分の手により左右される手術にやりがいを感じるようです.またNTMCに戻り,もう1つ臨床で取り組んでいることがあります.網膜・硝子体手術です.秋山邦彦先生,渡辺健先生という二人の偉大な先輩に指導・助言いただきながらですが,戦略の大切さ・緻密さを経験しております.研究のMyboom:「見えない物を見たい」私の研究は山田昌和先生からドライアイ研究,とくに眼表面ムチンの動態に関する研究をご指導いただいたことから始まりました.眼表面ムチンはジクアホソル,レバミピドの両ムチン関連薬の発売で注目されていますが,その動態評価は困難です.そこで,私たちはムチンを間接的に定量することで動態やドライアイとの関連を評価しています.まさに見えない物を何とか見たい・評価したいという気持ちを満たしてくれる研究です.写真1角膜移植手術を行っている様子あたらしい眼科Vol.31,No.9,20141355abc写真2第5回YOUSの会a:YOUSの会で熱弁を振るう私.b:YOUSの会世話人とともに.c:参加者とともに.教育のMyboom:「職場でも家でも」私の眼科医の原点NTMCは,非常に教育に力を入れています.三つ子の魂百までの言葉どおり,私がNTMCでの最初の3年の経験が今の私の眼科医療の基礎になっています.私はその恩返しをしたいと思い,NTMCで後輩教育に力を入れています.NTMCの教育は日々の病棟診療のほか,手術指導,外来指導にあります.手術はレジデントの技量を把握しやすいのですが,外来は医師と患者の1対1の場なので把握が困難です.NTMCでは初診チェックを毎週行い,レジデントはその週に診た全患者を提示し,チェックを受けています.これにより,外来状況を把握でき,レジデントにも眼科外来の進め方を共通認識としてもってもらえます.また,最初は症例提示もうまくいかない,検査・治療方針もままならないレジデントが数カ月で見違えるように成長していくのは指導医としても楽しいものです.また,私は学会などで知り合った他施設の眼科医とともに,「YOUS(YoungOphthalmologistUpdatingSeminar)の会」という眼科医1,2年目の先生を主な対象とした若手勉強会を年2回企画しています.2012年に始まり,今年は第5回を開催,参加者も50人を超える会になりました.会も教える会から皆で参加して学ぶ会に変わってきています.私たちにとっても若い先生の活気や熱意は刺激的です.1356あたらしい眼科Vol.31,No.9,2014写真3家の前で家族とともにもうすぐ完成です.このように眼科医として指導する私ですが,家では2児の父です.子供は勝手が違うのか,なかなか思うように教育できないのが悩みの種です.プライベートのMyboom:「Myboom,myhome!」本当にプライベートですが,現在家を建てています.いろいろなトラブルがあったことから時間もかかり,家の建て方,設備に興味をもつようになりました.また,建築業界独特の文化があることも知りました.この文が載る頃には竣工し,新たな生活をしていると思います.決して広くはありませんが,東京にお越しの際には是非お立ち寄りください.次回のプレゼンターは沖縄の親川格先生(ハートライフ病院)です.親川先生は角膜移植を勉強に千葉にいらしていたときに一緒に勉強をした仲間で,現在,沖縄の角膜疾患・角膜移植を一手に担う若手のhopeです.今年の角膜カンファランスでもお世話になりました.その穏やかな風貌からは想像できない情熱的な先生で,趣味も情熱的ではないかと楽しみにしております.よろしくお願いいたします.注)「Myboom」は和製英語であり,正しくは「Myobsession」と表現します.ただ,国内で広く使われているため,本誌ではこの言葉を採用しています.(108)