0910-1810/10/\100/頁/JCOPYに関するオルソKの安全性と有効性も,一方では危険性と無効性も科学的に検証されていない.さらに,20歳未満の適応に関連して,オルソKの近視進行抑制効果,すなわちmyopiacontrolのエビデンスも究明中の段階にある.したがって,現時点での近視抑制効果を謳っての露骨な広告は,客観的事実であることを証明することができない誇大広告として医療法施行規則第1条の9に抵触する可能性もある.上記のごとく,オルソKの臨床には明らかにすべき問題が残されている.そこで,すでに日本よりも一足早くにオルソK臨床を行っている諸外国における現状,処方者の考え方や社会的なニーズを知ることにより,今後のオルソKの日本における方向性の参考とし,本レンズに対する正しい理解の一助となることを目的に,世界のオルソKの状況を調査したので報告する.その概略を表1に示す.I米国,カナダにおけるオルソK米国は,オルソK発祥の地である.効果と予測性が不安定であった第一,第二世代を経て,現在の第三世代のオルソKは,より洗練されたリバースジオメトリーレンズデザイン,高酸素透過性素材の採用,トポグラファーによる的確な治療効果の判定などにより,40年以上の経過を経て効果,予測性,再現性,即効性,安全性に格段の進歩がみられた.現在,米国(含むハワイ),カナダにおけるオルソKはじめに―日本におけるオルソケラトロジーの現状2009年4月,治験での有用性が認められ,アルファコーポレーション社製のオルソケラトロジー(以下,オルソK)レンズ,a-オルソRKが,日本で初めて「角膜矯正用コンタクトレンズ」として厚生労働省の承認を得た.ときを同じくして同年4月,日本コンタクトレンズ学会は,わが国におけるオルソKの健全な発展に資することを目的にガイドラインを発布した1,2).その後,2010年8月,9月と立て続けにボシュロム社・ボシュロムオルソケーR,テクノピア社・マイエメラルドRが承認された.ガイドラインは,承認の根拠となった治験結果をもとに作成されたため,適応年齢は20歳以上,適応矯正屈折度数は近視度数.4D以下,乱視度数は.1.50D以下となっている.しかし,承認以前から裁量権により個人輸入で本レンズを処方していた医師のなかには,かねてからこの適応を超えて処方している者も多く,ガイドラインの内容に戸惑いの声が聞こえることも事実である.一方で,ガイドラインの適応の項には,「今後は,我が国における処方後成績の集積が不可欠であり,これらの結果をもとに適応および矯正量などについては再検討されるべきである」とあり,そして,ガイドラインの最後には,「本ガイドラインは,本レンズが厚生労働省の承認を得たのちに蓄積される臨床データを解析することにより,再検討するものである」と結ばれている.すなわち現時点では,20歳未満への処方や.4D以上の矯正(47)1529*KenichiYoshino:吉野眼科クリニック〔別刷請求先〕吉野健一:〒110-0005東京都台東区上野1-20-10風月堂本社ビル6F吉野眼科クリニック特集●オルソケラトロジー診療を始めるにあたってあたらしい眼科27(11):1529.1533,2010諸外国におけるオルソケラトロジー診療の動向TheCircumstancesofOrthokeratologyAbroad吉野健一*1530あたらしい眼科Vol.27,No.11,2010(48)表1世界のオルソケラトロジー事情国名承認時期製造会社名メーカー所在国輸入業者名年齢制限矯正度数制限備考アジア日本2009.4.28.Alphacorporation日本N/A(.)*(.)**日本コンタクトレンズ学会は,20歳以上,.4.00D以下2010.8.23Contex米国B+LJAPAN(.)*(.)*への処方を提唱している.2010.9.1EuclidSystem米国Technopia(.)*(.)*中国2009E&E米国E&E(.).6.00D★2001年までの非医療機関における未承認レンズ,杜撰なレンズケアによる失明に至る重症角膜感染症の発生.★レンズ装用人口56万人.**実際は8歳から盛んに処方されている.2008EuclidSystem米国ShanghaiKSabove18**.4.00D2008Autek中国N/Aabove12**.5.00D台湾2008EuclidSystem米国HolyVisionabove18.4.00D2010TMVC/Hiline台湾N/A(.).6.00D韓国1998.5Contex***米国C&B(.)(.)***夜間装用承認未2005.11.LucidKorea韓国N/A(.).5.00D2005.2.EuclidSystem米国MedicalTech(.).5.00D2007.9.Paragon米国WooJeonMedical(.).6.00D?GPSpecialist/C&E米国GPSpecialist??北米米国カナダ2002.6.Paragon米国N/A(.)****.6.00D****VST(BostonOrthokeratologyShapingLenses)の承認に当たっては公式年齢規制はなかったが,FDAは2009年12月にParagon社の市販後調査のデータを概説するまで,子供への処方を活発に進めることを控えるよう要求した.したがって,VSTのラベルには,「青少年に対する安全性と効果は,臨床的に検証されていない」と記載されている.2006.11.Paragon米国N/A(.)****.6.00D2004.8.AuthorizedBostonLabsthathavebeencertifiedforVST米国N/A(.)****.5.00Dヨーロッパオランダ2003Procorneaオランダ(.)(.)★Ortho-Kレンズに対し特定の承認上の制約はない.一旦製造工場がCE認証をとれば,レンズデザインの安全性はメーカーの責任の下で販売される.近視矯正度数制限:★大部分のメーカーは.4.50D以下への処方を薦めているが,最終的には処方医の判断に委ねられている.★ひとつのイタリアのメーカーは,最大.6.00Dまでの矯正が可能であるとしている.★英国Orthokeratology協会によって出されるガイドラインと専門誌からのデータによると,近視は.4.50Dまで,乱視は.1.50D未満が適当と考えられている.2006HechtContactlinsenドイツMBVision(.)(.)2003NKLオランダ(.)(.)2004NKLオランダ(.)(.)2008NKLオランダ(.)(.)2009NKLオランダ(.)(.)ドイツ2006ProcorneaオランダMPG&E(.)(.)2006HechtContactlinsenドイツ(.)(.)2005TechnolensスイスTechnolensGermany(.)(.)2006GalifaスイスGalifaGermany(.)(.)スイス2006ProcorneaオランダConil(.)(.)2006HechtContactlinsenドイツASCONSwitzerland(.)(.)2005Technolensスイス(.)(.)2006Galifaスイス(.)(.)イタリア2006HechtContactlinsenドイツASCONItaly(.)(.)2006TSLentiaContattoItaly(.)(.)2007HorusItaly(.)(.)2010HorusUS/ItalyHorus(.)(.)フランス2007Precilensフランス(.)(.)2005TechnolensスイスTechnolensFrance(.)(.)オーストリア2006ProcorneaオランダBilosa(.)(.)2006HechtContactlinsenドイツMillerOptik(.)(.)英国2006No.7contactlenses英国(.)(.)2007DTCLUS/UKDTCL(.)(.)スペイン2007HechtContactlinsenドイツConoptica(.)(.)2007InterlencoSpain/USInterlenco(.)(.)イスラエル2006HanitaLensesオランダ(.)(.)2007SoflexUS/IsraelSoflex(.)(.)スウェーデン2006ProcorneaオランダNordiska(.)(.)ベルギー2004Procorneaオランダ(.)(.)セルビア2009ProcorneaオランダOptix(.)(.)ロシア2005Doctorlens-ContexRussiaDoctorlens(.)(.)オセアニア豪州N/AN/AN/AN/A(.)(.)★コンタクトレンズ自体に国の承認制度が存在しない.ニュージーランドN/AN/AN/AN/A(.)(.)★O.D.が処方する限りにおいて,年齢,適応度数等の制限もない.(49)あたらしい眼科Vol.27,No.11,20101531輸入品だけが扱われていた.しかし,その後PMMA(ポリメチルメタクリレート)素材を用いた中国製のオルソKレンズが出現し,2000年頃から眼科とは無関係の店で無軌道に販売されるようになった.粗雑なレンズであったこと,適切な処方が行われなかったことばかりか,ケア用品に至っては中国の水道水が保存液と称して販売されていたことなどが原因と考えられている.2001年7月,中国国家食品薬品監督管理局(SFDA:StateFoodandDrugAdministration)の規制が強化され,現在では医療機関以外での処方および販売は規制されている.公式な適応基準である12歳または18歳以上,.4Dまたは.6D以下に対し,実際は8歳以上の児童に盛んに処方されるに至り,現在その装用者は56万人に及ぶと推定されているが,その後,感染症の報告は激減している.確かなレンズ品質,正しい処方技術,適切な装用指導が重要であることを物語るエピソードといえよう.香港においても,対象は中国や東アジア圏の子供たちで,白人への処方はほとんど行われていない.適応年齢も処方者や親の意向次第では6歳以上の子供にまで引き下げられ処方が行われている.適応矯正度数は,通常.5D未満で良好な結果が得られると考えられているが,それ以上の近視矯正を試みる処方者も存在する.Myopiacontrolに関しては,オプトメトリスト(O.D.)やO.D.を雇用している眼科医の間では前向きに考えられているが,通常,眼科医自身はコンタクトレンズを処方せず,むしろ屈折矯正手術を推奨している.IIIヨーロッパにおけるオルソK英国をはじめとしたEU諸国においても,オルソKの適応年齢や矯正度数に公式な規制はない.しかし,BritishOrthokeratologySocietyが発布したガイドラインや学術専門誌に報告されたデータから,近視は.4.50Dまで,乱視は.1.50D未満が適当と考えられている.その根拠は,3.5mmの瞳孔径に対し有効な矯正は,.4.50が限界であるとするMunnerlynの公式に基づいている.視力を向上させるという意味においては,より強い近視に対する矯正も可能ではあるが,この公式によると,それを達成するためにはオプティカル・ゾーン治療の対象は,ほとんどが中国,韓国,台湾といった在住のアジア系の子供たちである.近視進行や近視そのものを心配した保護者が,myopiacontrolに期待して治療を受けさせている.一方,白人の場合は,myopiacontrolへの関心は増しつつあるものの,屈折矯正手術を躊躇する,または眼鏡やコンタクトレンズが不向きなアスリートなどの成人が対象になっている.米国,カナダにおけるオルソKの主流ブランドは,Paragon社のCRT(CornealRefractiveTherapy)とボシュロム社のVST(VisionShapingTreatment)である.VSTブランドは,エメラルドレンズをはじめとしたボシュロム系のレンズ素材を用いて作成されたオルソKメーカー6社(Emerald,BERetainer,CKR,ContexOK-ESystem,DreamLens,NightMove)を統括したものである.オルソKの適応として,公式な年齢制限は12~18歳以上とされているが,若い年齢層におけるmyopiacontrolの効果を期待して,実際には保護者の十分な管理のもと7歳以上の子供への処方が適応外使用(off-label)として行われている.VSTの承認時においても公式な年齢制限はなかったが,FDA(米国食品医薬品局)は2009年12月に,Paragon社の市販後調査のデータを概説するまで子供への処方を活発に進めることを控えるよう要求した.したがって,現時点のVSTの添付文書には,「青少年に対する安全性と効果は,臨床的に検証されていない」と記載されている.適応となる公式な矯正度数は,VSTは.5Dまで,CRTは.6Dまでとされているが,一部ではoff-labelレンズを用いてそれ以上の屈折矯正も行われている.IIアジアにおけるオルソK韓国は,1998年,世界に先駆け最も早くオルソK(Contex)を承認した国である.しかし,その承認条件は夜間装用レンズとしてではなく終日装用としてであった.アジアにおいて盛んにオルソKが行われている国は,中国(含む香港),台湾,韓国である.特筆すべきは,2000年頃の中国における角膜感染症の多発である.中国では,1998年頃のオルソK導入当初は,米国からの1532あたらしい眼科Vol.27,No.11,2010(50)ることができ,コンプライアンスを守れる環境にあるということのほうがむしろ重要であるとの意見もある.2.適応矯正度数世界的に合意の得られた矯正度数は近視度数.4.0D以下,乱視度数は直乱視で.1.5D以下の中等度の近視正乱視である.しかし,それ以上の矯正も,処方者の経験や考えから.6.0D以上の近視に行われている.オルソKの近視矯正メカニズムは,角膜中央部の上皮細胞をリバースカーブ部に相当する中間周辺部へ外方移動させることにより角膜中央部を扁平化させることにあるとされている.強度近視に対するさらなる矯正においては,角膜中央部のみならず周辺部の上皮細胞を中間周辺部へ内方移動させ,よりスティープな中間周辺部のリングを形成することで中央部の扁平化を強調することによりなされるとされている.この理論に基づけば,前述したMunnerlynの公式も適応されず,より強度の近視矯正も可能になる.しかし,このような変化は1枚のレンズで達成することは不可能であるし,また,過度の角膜上皮細胞層の再分配が角膜組織へ及ぼす影響については検証されていない.強度近視に対する矯正を,角膜中央部の上皮細胞の外方移動による理論のみで行うと,角膜中央部の糜爛や潰瘍,レンズ・ディセントレーション,小さなOZによる視力不良や夜間視力の低下といった合併症の原因となる.いずれにせよ,矯正度数が高くなればなるほど目的視力への達成率は低下する.3.Myopiacontrol「オルソKは近視の進行を遅延または停止する」というmyopiacontrolを証明するために,現在もいくつかの臨床治験が行われている.この種の臨床治験で問題となるのは,サンプル数の少なさ,不完全なコントロール群の設定,落脱例の多さ,試験期間の短さである.これらを比較的クリアーした信頼度の高い臨床治験としては,まず初めに2005年のChoらによる,7~12歳を対象にオルソK装用者と単焦点眼鏡装用者を比較したLORICstudyがある4).2年間のパイロットスタディの結果,眼軸長と硝子体深度の増加は眼鏡装用者群において2倍で有意差を認めた.オルソKのmyopiacontrol(OZ)がより小さくなるため,夜間視力の質の低下の原因となると考えられている.IV豪州,ニュージーランドにおけるオルソK両国では,コンタクトレンズはO.D.が処方をするという規定のみがあるだけで,コンタクトレンズ自体に国の承認制度が存在しない.したがってO.D.が処方する限りにおいて,年齢,適応度数などの制限も存在しない.Swarbrickは,2006年に豪州におけるオルソK装用者の角膜感染症に関する報告をした3).当時のオルソK装用者は成人白人女性が大半であったが,その後,若年者の近視進行に対するmyopiacontrolに関する報告がなされるにつれ,豪州のみなならず世界中でオルソKは注目されてきた.特に中国系の子供達への処方が盛んに行われるようになった.2006年当時に比し,現在はその対象年齢は若年化し人種間の偏りも少なくなっていると思われる.処方者のなかには子供への処方を躊躇するものもいれば,7~8歳の子供に積極的に処方するものもいるが,現在,Swarbrickが行っているmyopiacontrolstudyの対象は8歳からである.矯正度数にも法的な規制はないが,慎重で倫理的な処方を促す専門規定があり,安全な処方を行うための専門教育が継続的に行われている.Vその他の地域における現状南米,アフリカでは,オルソKの臨床は行われていない.VIまとめ1.適応年齢世界的にみて,公式にオルソKの適応年齢制限を設けている国はむしろ少ない.仮に中国や台湾のように年齢制限が設けられていても,後述するmyopiacontrolへの期待や,処方者や保護者の考えにより,実際には小学校入学後の10歳未満の学童への処方が行われている.適応年齢に関していえば,特定の年齢層への処方制限が問題を解決するというより,一連のオルソK装用に関するプロセスを理解できるだけの個々の子供の成熟度や,保護者がレンズケアの重要性を十分に理解し協力す(51)あたらしい眼科Vol.27,No.11,20101533明には至っておらず,今後も慎重に情勢を見守る必要がある.本稿執筆にあたり,各国のオルソKのエキスパートに各国の状況につきメールでのアンケート調査を行った.稿を終えるにあたり,快く回答をいただけた下記の方々の友情に対しこの場をかりて感謝する.RandallSakamoto(米国・ハワイ),TungHsiao-Ching(米国・台湾),PaulineCho(香港),RichardWu(台湾),Yoon-SangLee(韓国),TrusitDave(英国),HelenASwarbrick(豪州).文献1)オルソケラトロジー・ガイドライン委員会:オルソケラトロジー・ガイドライン.日眼会誌113:676-679,20092)オルソケラトロジー・ガイドライン委員会:オルソケラトロジー・ガイドライン.日コレ誌51:S29-31,20093)WattKG,BonehamGC,SwarbrickHA:Microbialkeratitisonorthokeratology:theAustralianexperience.ClinExpOptom90:182-189,20074)ChoP,CheungSW,EdwardsM:Thelongitudinalorthokeratologyresearchinchildren(LORIC)inHongKong;apilotstudyonrefractivechangesandmyopiccontrol.CurrEyeRes30:71-80,20055)WallineJJ,JonesLA,MuttiDOetal:Arandomizedtrialoftheeffectsofrigidcontactlensesonmyopiaprogression.ArchOphthalmol81:407-413,20046)WallineJJ,JonesLA,SinnottLT:Cornealreshapingandmyopiaprogression.BrJOphthalmol93:1181-1185,20097)EidenSB,DavisRL,BennettESetal:TheSMARTStudy:Background,rationale,andbaselineresults.ContactLensSpectrum24:24-31,20098)SmithEL3rd,KeeCS,RamamirthamRetal:Peripheralvisioncanin.uenceeyegrowthandrefractivedevelopmentininfantmonkeys.InvestOphthalmolVisSci46:3965-3972,2005効果が確認されたが,一方で個体差があることも示された.つぎに,Wallineらによる2001年から始まったガス透過性ハードコンタクトレンズ(RGPCL)とソフトコンタクトレンズ(SCL)装用者を比較したCLAMPstudy5)のデータと,2004年から始まったオルソKレンズ(cornealreshapingCL)装用者とSCL装用者とを比較した2年間のCRAYONpilotstudyのデータから,オルソK群に比しSCL装用者群において硝子体深度は有意差をもって,年当たり0.10mm早く伸張したという報告がなされた6).また,Eidenらによる7~14歳を対象にしたオルソKレンズとシリコーン・ハイドロゲルSCLを比較した多施設における5年計画のSMARTstudy7)が現在進行中である.国や地域によって,オルソKに対する社会的なニーズや処方者の適応に関する考え方にも相違がみられた.また,オルソKのリスクに関しては,レンズデザインの特殊性や,就寝時装用,裸眼視力の向上といった使用方法,使用目的などの特殊性に起因するのか,子供への処方を考えた場合,特に問題となる適応年齢,目的矯正度数,ケア方法など,適応やコンプライアンスに起因するのかを今後も見きわめていく必要がある.特に子供への処方を考える場合,リスクとベネフィットを十分秤にかけて判断すべきであろう.Myopiacontrol効果を立証すべくいくつかの臨床治験が立ち上げられており,その可能性を示唆する報告も増えつつある.そして,そのメカニズムを傍中心窩網膜への視覚刺激が眼球の形状を制御しているというSmithらの報告8)をもとに説明する動きもある.しかし,エビデンスは積み重ねられつつあるものの,未だ確固たる証