0910-1810/11/\100/頁/JCOPYIBRVOの黄斑浮腫1.自然経過BRVOの黄斑浮腫では出血の吸収や黄斑浮腫の自然軽快によって無治療でも視力改善がみられることはまれではない.1980年代に行われた多施設共同前向き無作為化試験であるBVOS(Branchveinocclusionstudy)1)では3カ月の経過観察が推奨されている.BRVOの黄斑浮腫の自然経過での視力予後は初診時の状態に大きく関係している.Rehakら2)のreviewによれば自然経過では初診時視力が20/50(0.4)以上のものでは最終視力が20/50以上であったものが約90%で,20/200(0.1)以下となったものは0~5%程度である.逆に初診時視力が20/200以下のものでは最終視力が20/50以上になはじめに網膜静脈閉塞症(retinalveinocclusion:RVO)では高率に黄斑浮腫を合併し,視力低下,変視症など視機能低下のおもな原因となる.RVOに合併した黄斑浮腫に対して長年にわたり,さまざまな治療が試みられてきたが,有効性が確実とされているのは網膜静脈分枝閉塞症(branchretinalveinocclusion:BRVO)に対する黄斑光凝固のみであり,それも十分満足な治療効果を上げているとは言い難く,いまだに治療方法は確立されていない.しかし,最近では硝子体手術,ステロイドや抗血管内皮増殖因子(vascularendothelialgrowthfactor:VEGF)薬など,新しい有望な治療が開発されてきている.光干渉断層計(opticalcoherencetomography:OCT)による黄斑浮腫の定量的診断が可能になったことも治療法の検討に大いに貢献している.本稿では,網膜静脈閉塞症黄斑浮腫の治療に関してのこれまでと現在の概要を述べる.いうまでもないことだが,RVOにはBRVOと網膜中心静脈閉塞症(centralretinalveinocclusion:CRVO)がある.BRVOとCRVOでは発症機序,自然経過,治療に対する反応などが異なるため,本来分けて考えるべきである.網膜静脈の上半分あるいは下半分が閉塞するhemi-CRVOとよばれる状態もあるが,閉塞部位と血流の状態によってBRVOあるいはCRVOに準じて扱えばよい.(29)183*MunenoriYoshida:名古屋市立大学大学院医学研究科視覚科学〔別刷請求先〕吉田宗徳:〒467-8602名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1名古屋市立大学大学院医学研究科視覚科学特集●黄斑疾患アップデートあたらしい眼科28(2):183.190,2011網膜静脈閉塞症黄斑浮腫の治療TreatmentforMacularEdemaDuetoRetinalVeinOcclusion吉田宗徳*表1BRVOにおける初診時視力と最終視力の関係最終視力20/200以下の症例の初診時視力著者>20/50<20/200c2検定(p<0.05)GutmanMagargal5%(1/20)0%(0/35)50%(6/12)83%(24/29)SignificantSignificant最終視力20/50以上の症例の初診時視力著者>20/50<20/200c2検定(p<0.05)GutmanMagargal90%(18/20)89%(31/35)33%(4/12)14%(4/29)SignificantSignificant最終視力は初診時の視力と強い相関を示す.(文献2より改変)184あたらしい眼科Vol.28,No.2,2011(30)を亢進させる因子を取り除き,術後も硝子体が房水に置換されることにより,それらの物質が蓄積しにくくなる,3)硝子体が房水に置き換わって硝子体腔の酸素分圧(PaO2)が上昇し,網膜血管を収縮させる,などの機序が考えられている.このような硝子体手術は有効であるとの報告が多くみられ2),筆者の経験でも有効例が多く存在する.しかし,今のところ症例数や無作為化などのスタディデザインに問題があり,十分なエビデンスの確立に至っていない.そのほかBRVOに対する硝子体手術として行われている手術に網膜動静脈交差部血管外膜切開術(A-Vsheathotomy)がある.動静脈交差部では動脈と静脈は外膜を共有しており,BRVOでは動脈硬化などによって外膜を介して静脈に変形が加わり,血栓が起こりやすくなっていると考えられる.A-Vsheathotomyは硝子体手術を行い,ナイフを用いて動静脈の外膜を切開し,動脈と静脈を切り離す手術である.一見大変むずかしい手術のようだが,コツをつかめばそれほど困難ではなく,合併症も少ない.この手術に関しては著効するという報告とほとんど効果がないという報告のどちらも存在し,いまだに決着していないが,筆者らは有効性を疑問視しており,最近では行っていない.c.薬物治療薬物治療はこの数年BRVOによる黄斑浮腫の治療で最も進歩した部分と思われる.特に硝子体への薬剤注入が行われる.ステロイドと抗VEGF薬の硝子体内投与は近年広く行われるようになってきていて,国内でも今後の市販化に向けての治験が続々と行われつつある.これらの薬剤が出そろってくるころにはBRVOの黄斑浮腫治療の主流になることが予想される.1)ステロイドステロイドではトリアムシノロンアセトニド(TA)が最も多く使用されている.TAの硝子体内注射は4.8mg程度が投与されることが多い.TAの硝子体内注射によって多くの症例で黄斑浮腫の軽減がみられ,視力も改善する(図1)ことが多いように思われ,実際そのような報告が多数存在する.しかし一方,SCOREstudyとよばれる多施設研究では411例に対して標準治療(黄斑光凝固あるいは経過観察)と1mgあるいはるものは14~33%であり,最終視力が20/200以下のものは50~83%である(表1).この結果から自然経過での改善,悪化率をいうことはできないが,おそらく初診時0.4以上のものは自然経過で極端な悪化をみることはまれであることがわかる.逆に初診時視力が0.1以下のものは自然経過では改善を期待することはむずかしい.どの時点で治療に踏み切ればよいかということは重要かつ困難な問題である.BVOSでいわれているように3カ月待つとすると,確かに自然軽快する症例も出てくるが,逆に悪化する例もあるし,よりよい視力予後を求めるのならばより早く治療を開始したほうがよいのではないかとの考えもある.今後の研究で明らかにされなければならない問題であり,今のところ筆者は初診時視力が0.5以上のものは3カ月経過観察とし,その間に改善のないものは治療,初診時視力が0.4以下のものは3カ月にこだわらず早めに治療を考えることを基本方針としている.2.黄斑浮腫の治療a.黄斑光凝固BVOSでは3カ月以上続いた黄斑浮腫で視力20/40(0.5)以下の症例で黄斑格子状(grid)光凝固が有効であったと結論している.光凝固を施行するにあたっては蛍光眼底造影を行い,視力低下の原因となる黄斑虚血や中心窩出血などがない場合漏出部位に対し光凝固を行うよう勧めている.しかし,この結果では視力2段階以上の改善率が治療群63%,非治療群36%で,治療群の視力改善度は平均1.33ラインであり,対照群の0.23と比べて有意差はあるが,十分なものとはいえない1).ここでいう光凝固とは,あくまでも黄斑への格子状光凝固であり,出血部位,もしくは虚血網膜への光凝固ではない.b.硝子体手術BRVOに対する硝子体手術は人工的後部硝子体.離を作製し,硝子体を切除する単純硝子体切除が基本である.さらにそれに内境界膜(ILM).離を併施する場合もある.硝子体手術が奏効する理由として,1)黄斑部への硝子体牽引が解除できる,2)硝子体中に高濃度で存在すると考えられるVEGFなどの炎症や血管透過性(31)あたらしい眼科Vol.28,No.2,2011185a:治療前.静脈閉塞領域および黄斑部に強い浮腫がみられる.b:TA4mg硝子体内注射後2カ月.浮腫はほとんど消失した.図1BRVOの黄斑浮腫に対するトリアムシノロンアセトニド(TA)の治療効果186あたらしい眼科Vol.28,No.2,2011(32)心窩網膜厚も有意に改善したと報告している7).抗VEGF薬の場合,ステロイドと比較すると眼圧上昇や白内障の合併は有意に少ないが,効果の持続がほぼ1カ月程度しかないため,再発を防ぐには頻繁に再投与を行わなければならないのが大きな欠点である.今後,再投与の時期や基準をさらに検討する必要があるだろう.ステロイドと抗VEGF薬のどちらを使用すべきか,現時点では決めることがむずかしい.治療効果にはさほどの差はないのではないかと考えると,眼圧上昇のリスクが高い患者,白内障を避けたい若年者では抗VEGF薬,治療回数が負担になる患者にはステロイドがよいかもしれない.3.網膜光凝固に関して黄斑浮腫の治療とは直接関係ないが,BRVOに対する光凝固に関して少し述べる.BRVOの治療では,従来静脈閉塞域に網膜光凝固が行われてきた.これは網膜の無灌流領域(nonperfusionarea:NPA)に対する治療として,あるいは浮腫の軽減,出血の吸収促進などの目的で行われたものであるが,早期の光凝固はあまり治療的には意味がないばかりか,レーザーが出血に吸収されて網膜内層を傷害するし,炎症を惹起してかえって黄斑浮腫を増悪させることがあるので行うべきではない.しかし,広範なNPAのある症例(目安として直径が5乳頭径以上)では高率に網膜新生血管を生じ,硝子体出血の原因となるため,その予防としての光凝固は考慮してもよい.一般にはNPAがあっても新生血管が生じるまでは経過をみてもよいとされているが,光凝固で新生血管のリスクは40%から20%と半分に下げられるので,特に高齢者などで頻繁に経過をみられない可能性がある場合には光凝固を考慮すべきではないかと考えている.先にも述べたが,あまり早期に光凝固をすることは害になるばかりである.新生血管が生じる時期は大半の例でBRVOの発症後6.12カ月してからなので,その間にまず黄斑浮腫をしっかりと治療し,一段落したところで光凝固を検討するのがよい.虚血部位の判定には蛍光眼底造影(FA)が必要だが,FAもあまり発症初期よりは少し出血が吸収してからのほうがNPAの判定が容易である.4mgのTA硝子体注射治療を比較している.それでは12カ月後の結果において3つの群の間に有意差はなかったとしている3).もう一つのステロイド薬として,デキサメタゾンの硝子体インプラントがある.これは水溶性ステロイドであるデキサメタゾンを基材と結合させ,固形のペレット状にしたもので,眼内で徐々に崩壊し,長期にわたって少しずつデキサメタゾンを放出する.この薬剤は22ゲージの太さをもつ専用の挿入器によって投与される.これは米国ではすでにOzurdexRとして市販されていて,わが国でも治験の最終段階を実施中である.論文になっている海外での治験(GENEVAstudy830例)の結果をみると,デキサメタゾンインプラントの投与(350μgあるいは700μg)によって,投与後30.90日において有意にシャム治療(注射のまねをする)に対して視力改善効果がみられ,視力悪化例は減少した.視力改善までの日数も短縮したとあり4),期待できるのではないかと思われる.どちらの薬剤を使用するにせよ,ステロイド硝子体内注射は合併症として白内障と眼圧上昇をかなりの割合で起こす.筆者らの施設でのTA4mg投与例での検討(対象はBRVOに限らない)では,中等度以上の眼圧上昇は21%の症例で起こった5).眼圧上昇は一時的で,ほとんどが点眼でコントロール可能であった.眼圧上昇は投与後1.2カ月してから起こることも多いので,経過観察は重要である.後.下白内障の進行は18%でみられ1年後に白内障手術が必要となった例が11%あった6).2)抗VEGF薬BRVOの黄斑浮腫に対して抗VEGF薬は効果があるとされる.ベバシズマブ(AvastinR)を用いた研究では視力改善,黄斑浮腫の軽減効果が報告されている2).ある報告によればその程度はTAとほぼ同等であった.ラニビズマブ(LucentisR)を用いたBRVOの黄斑浮腫に対する海外での治験第3相試験の結果が最近発表された.BRAVOとよばれるこの治験ではラニビズマブによる治療後6カ月のETDRS(EarlyTreatmentDiabeticRetinopathyStudy)視力が16.6文字あるいは18.3文字改善(それぞれラニビズマブ0.3mgまたは0.5mg投与)であって,自然経過の7.3文字よりも有意に改善し,中(33)あたらしい眼科Vol.28,No.2,2011187底造影で10乳頭面積以上のNPAがあるものを虚血型とすることが多いが,同じ虚血型でもNPAが広いもののほうがより予後不良である.虚血型CRVOの特徴として視力が悪い(0.1以下),出血が多い,黄斑浮腫が強い,求心性瞳孔反応障害(RAPD)陽性,ERG(網膜電図)のb波低下(60%以下),Goldmann視野計での視野異常などがあり,このような所見をみたらただちに蛍光眼底造影を行うべきである.初診時CRVOの3/4は非虚血型であるが,非虚血型CRVOのうち1/3は3年以内に虚血型に移行するので注意しなければならない(図2).虚血型CRVOではかなり高率(16.52%)に隅角・虹彩ルベオーシスを起こし,血管新生緑内障の危険がある.血管新生緑内障になると予後はきわめて不良である.3.黄斑浮腫の治療CRVOの黄斑浮腫の治療に関しては,BRVOとアプローチはほぼ同じであるが,結果はやや異なる.a.黄斑光凝固最も有名な研究であるCVOS(CentralVeinOcclusionStudy)によればBRVOとは異なり,CRVOでは黄斑部光凝固施行群と非施行群で治療後の視力に有意差はなかった.IICRVOの黄斑浮腫1.CRVOの自然経過CRVOの場合にも自然経過ではBRVOと同様に初診時の視力が最終視力と相関する.初診時視力が20/200(0.1)以下の症例では80%が最終視力も20/200以下にとどまる.初診時視力が20/50(0.4)以下の症例では視力が改善する率が19%であるのに対し,悪化率は37%に上る(表2).BRVOと同じく,視力0.5ぐらいが経過観察するかどうかの分かれ目になるだろう.また,両眼発症,若年発症例などでは糖尿病,過粘稠症候群,抗リン脂質抗体症候群などの全身疾患,緑内障,網膜血管炎などの眼科的異常の合併にも気をつける.2.虚血型と非虚血型CRVOCRVOは網膜虚血の強い虚血型CRVOとあまり網膜虚血の強くない非虚血型CRVOに分けられる.蛍光眼表2CRVOにおける初診時と最終視力の関係初診時視力最終視力<20/20080%が<20/200以下20/50~20/20019%改善44%不変37%悪化(文献8より改変)ab図2経過観察中に非虚血型から虚血型CRVOに変化した症例a:初診時.網膜無灌流域はみられない.b:6カ月後.広範な網膜無灌流域がみられる(矢印).188あたらしい眼科Vol.28,No.2,2011(34)し,篩状板,強膜輪の減張を行うのが目的である.その後の研究でRONの減張効果そのものが疑問視され,今ではあまり行われていない.c.薬物治療1)ステロイドSCOREstudyではCRVO271眼に対し,TA1mg,4mgを硝子体注射した群と標準治療(この場合は経過観察のみ)群を比較し,12カ月の時点で15文字以上の視力改善のみられた症例の比率を比較している.その結果は27%,26%,7%で,治療群で有意に改善率が高かった8).デキサメタゾンインプラントのGENEVAstudyではCRVO437例を対象とし,デキサメタゾンインプラントによる治療成績を検討しているが,やはり治療後30.90日では治療群で有意に改善がみられた4).2)抗VEGF薬ベバシズマブ,ラニビズマブで治療した結果はおおむb.硝子体手術BRVOと同じように単純硝子体切除+後部硝子体.離作製(+ILM.離)は黄斑浮腫の軽減に効果があると考えられる.しかし,視力の改善効果は限定的なようである.硝子体手術のオプションとして放射状視神経乳頭切開術(radialopticneurotomy:RON)がある.これは硝子体手術時にナイフを用いて視神経乳頭の一部を切開図3CRVOの黄斑浮腫に対するアバスチンの治療a:治療前OCT像.著明な黄斑浮腫がみられる.矯正視力VA=(0.06).b:治療1週間後.浮腫は明らかに軽減している.VA=(0.05).c:治療5週間後.浮腫が少し再発.VA=(0.1).d:治療8週間後.さらに浮腫が悪化傾向.再治療.VA=(0.09).e:再治療後1週間.浮腫が改善.VA=(0.2).f:再治療後5週間.浮腫変化なし.視力やや改善.VA=(0.3).abcdefあたらしい眼科Vol.28,No.2,2011189ね良好であることが報告されている.筆者らの経験でもベバシズマブは著効例が多かったが,頻回に再治療しないと再発してしまうのが問題である(図3).CRUISEstudyとよばれる研究では392例のCRVOによる黄斑浮腫症例を対象とし,ラニビズマブによる治療後6カ月の結果を報告している.この結果ではラニビズマブ0.3mg,0.5mg,シャム群において6カ月後の平均ETDRS視力がそれぞれ12.7文字,14.9文字,0.8文字の改善となり,治療により2.3段階程度の改善がみられたことになる9).現在,VEGF-trapeyeRとラニビズマブがCRVOの黄斑浮腫の治療薬としてわが国で認可を受けるべく治験が行われている.3)組織プラスミノーゲン活性化因子(tissue-plasminogenactivator:t-PA)t-PAはプラスミノーゲンを活性化し,生成されたプラスミンがフィブリンを溶解するため,血栓溶解の働きをもつ.最近t-PA,特に新世代のt-PAがCRVOの黄斑浮腫に対して有効であるとの報告がある.しかし,t-PAの作用機序には不明な点もあり,治療効果に関してもまだ十分なエビデンスがあるとはいえない4.その他の治療CRVOの黄斑浮腫に対するその他の治療として,網膜静脈に直接t-PAを注入する方法や,レーザーなどによって網膜と脈絡膜の静脈を吻合させる方法などがある.これらの治療は有効であるとする報告もあるが,わが国ではあまり行われていない.5.虚血型CRVOに対する光凝固についてこれも直接黄斑浮腫の治療とは関係ないが,大切なことなので述べておく.CVOSでは虚血型CRVOに対して汎網膜光凝固(PRP)を行っても完全には隅角新生血管を予防できないこと,隅角新生血管ができてしまってもすぐに光凝固を行えば新生血管が消退する例がかなりあり,結果的に予防的なPRPを行っても行わなくても血管新生緑内障(NVG)の発症率に有意差がないので,活動性のある隅角新生血管を認めたときのみ光凝固を行うのがよいと述べている10).しかし,CVOSのような条件で良い結果を得るにはかなり頻回に隅角検査をする必要があると思われる.日常診療では,特に高齢者など十分な頻度で隅角検査ができず,知らないうちに悪化させる可能性もある.しかも,いったんNVGになると予後が非常に悪い.有意差はないものの予防的光凝固を行ったほうがNVGの発症は少ないわけでもあり,虚血型と診断した時点で早めに予防的な光凝固を施行しておいたほうがよいのではないかと考えている.ただ,今後抗VEGF薬での治療が一般的になると,抗VEGF薬で治療を続ければ相当の虚血があっても隅角新生血管や血管新生緑内障に進展しない可能性もある.今後の研究結果が待たれる.おわりにRVOの黄斑浮腫の治療の現状をみてきたが,現時点ではまだ治療法が十分確立しているとはいえない.今後も薬物治療を中心に,治療方針にかかわるような新しいエビデンスの構築がなされていくのは確実であろう.しばらくはこの分野から目が離せない.RVOにおいて黄斑浮腫は視力障害のおもな原因であるが,黄斑浮腫の治療のみにとらわれることなく,RVOという疾患全体をしっかりケアすることも忘れてはならない.文献1)Argonlaserphotocoagulationformacularedemainbranchveinocclusion.BranchVeinOcclusionstudygroup.AmJOphthalmol98:271-282,19842)RehakJ,RehakM:Branchretinalveinocclusion:pathogenesis,visualprognosis,andtreatmentmodalities.CurrEyeRes33:111-131,20083)ScottIU,IpMS,VanVeldhuisenPCetal:Arandomizedtrialcomparingtheefficacyandsafetyofintravitrealtriamcinolonewithstandardcaretotreatvisionlossassociatedwithmacularedemasecondarytobranchretinalveinocclusion:theStandardCarevsCorticosteroidforRetinalVeinOcclusion(SCORE)studyreport6.ArchOphthalmol127:1115-1128,20094)HallerJA,BandelloFB,BelfortJrRetal:Randomized,sham-controlledtrialofdexamethasoneintravitrealimplantinpatientswithmacularedemaduetoretinalveinocclusion.Ophthalmology117:1134-1146,20105)永井博之,平野佳男,吉田宗徳ほか:硝子体内薬物注射に伴う合併症の検討.臨眼64:1099-1102,20106)吉村将典,平野佳男,野崎実穂ほか:トリアムシノロン局(35)190あたらしい眼科Vol.28,No.2,2011所投与後の後.下白内障の発症頻度.日眼会誌112:786-789,20087)CampochiaroPA,HeierJS,FeinerLetal:Ranibizumabformacularedemafollowingbranchretinalveinocclusion.Ophthalmology117:1102-1112,20108)TheCentralVeinOcclusionStudyGroup:NaturalHistoryandClinicalManagementofCentralRetinalVeinOcclusion.ArchOphthalmol115:486-491,19979)IpMS,ScottIU,VanVeldhuisenPCetal:Arandomizedtrialcomparingtheefficacyandsafetyofintravitrealtriamcinolonewithobservationtotreatvisionlossassociatedwithmacularedemasecondarytocentralretinalveinocclusion:theStandardCarevsCorticosteroidforRetinalVeinOcclusion(SCORE)studyreport5.ArchOphthalmol127:1101-1114,200910)BrownDM,CampochiaroPA,Sing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