———————————————————————-Page10910-1810/06/\100/頁/JCLS投与がしにくいBeh?et病やステロイド薬の投与が基本となる遷延型原田病,または重症の急性前部ぶどう膜炎や中間部ぶどう膜炎においても,免疫抑制薬が第一選択となることはまずない.免疫抑制薬の適応は,Beh?et病の治療でコルヒチン無効例か,遷延型原田病でステロイドの反応性が悪く,投与してもすぐ再発してしまう場合に限られる.これは,免疫抑制薬の効果もさることながら,第一選択薬とするには副作用が強いことが原因の一端である(これについては後ほど述べる).免疫抑制薬を第二選択薬として使用したが,あまり効果があがらなかった場合,ステロイド薬やコルヒチンと併用して免疫抑制薬が使われることになる.1.シクロスポリンa.わが国におけるシクロスポリンの使用状況わが国において,免疫抑制薬はシクロスポリンを中心に使用されている.他にアザチオプリン(イムラン?,アザニン?),シクロフォスファミド(エンドキサン?)も用いられることがあるが,その使用頻度は保険の適用となるシクロスポリンに比べたらわずかである.1987年から用いられてきたシクロスポリン(サンディミュン?)は,最近マイクロエマルジョン製剤(ネオーラル?)への切り替えが進んできている.その理由として,ネオーラル?のほうがサンディミュン?に比べて血液中の薬物動態パラメータのばらつきが少なく,実際,食事や胆汁分泌に影響されにくく安定した吸収ができる2~4).またはじめに眼科領域,特にぶどう膜炎で免疫抑制薬をよく使用するようになったのは,シクロスポリンからである.活動性の眼病変のあるBeh?et病に対して,1987年に厚生省の認可を得て以来,諸外国で用いられた種々の免疫抑制薬はあまり使用されることはなく,シクロスポリン(サンディミュン?)が投与されてきた.また,2000年にはより効果的と考えられているシクロスポリンのマイクロエマルジョン製剤であるネオーラル?が認可された.わが国のぶどう膜疾患で免疫抑制薬を用いざるをえなくなるのは,Beh?et病と頻度は少ないが遷延型原田病の難治例に対してである.これらの疾患に対してシクロスポリンがどのように用いられているかを中心に述べていきたいと思う.ぶどう膜炎の薬物療法における免疫抑制薬の位置づけぶどう膜炎(内眼炎)は,免疫応答の亢進によってひき起こされる疾患であり,比較的軽症な虹彩毛様体炎から重症な汎ぶどう膜炎に至るまでいろいろなパターンがあり,それぞれの治療選択肢を考えなければならない1).基本的にはステロイド薬の点眼療法から始め,ステロイド局所投与,全身投与を行うことが多い.Beh?et病に限っては,長期間にわたるステロイド薬の全身投与を行うと,ステロイド減量中に大きな眼炎症発作を起こしやすくなるため,禁忌とされている.ステロイド薬の全身(19)????*TakeshiKezuka:東京医科大学眼科学教室〔別刷請求先〕毛塚剛司:〒160-0023東京都新宿区西新宿6-7-1東京医科大学眼科学教室特集●非感染性ぶどう膜炎治療の最先端あたらしい眼科23(11):1403~1408,2006免疫抑制薬????????????????????????毛塚剛司*———————————————————————-Page2????あたらしい眼科Vol.23,No.11,200610mg,25mg,50mgと細かな用量調節ができるというメリットもある.シクロスポリン治療は,副作用の観点から,5mg/kg/dayから開始することになっている.これを1日2回に分けて食前または食後に服用し,しばらくの間継続することになる.ついで,次回投与直前のシクロスポリン血液濃度(トラフレベル)を月1回程度調べることで薬効と副作用に対する安全性を確認することができる5).通常全血中濃度が50~200ng/m?になるようにシクロスポリン量を調整する.このとき,グレープフルーツジュースによりシクロスポリン血中濃度が上昇することや,ステロイド薬との併用により血中濃度が高く維持されることを注意すべきである.気候が安定した時期なら,経過をみながら0.5mg/kg/dayを1~2カ月かけて減量するようにし,最終的に2.5~3.0mg/kg/day程度になるようにする.この過程において,トラフレベルが50ng/m?をきることもあるが,眼症状が安定していれば差し支えないと思われる.シクロスポリンの血中濃度と薬効は,個々の症例で異なり少量でも非常に効果的な場合や,逆に相当濃度をあげても効果が薄い症例もある.このときは臨床効果をみながら徐々に増減し副作用の発現をできるかぎり抑えていかなければならない.減量のタイミングとしては季節の変わり目や冬場は,眼発作が起こりやすいので,性急な減量は控えるべきである3).シクロスポリン内服の中止の目安として,中川らは6カ月間まったく眼炎症発作がないか,3カ月間にわたりまったく眼炎症発作がなく,かつその前の6カ月間に軽度の眼発作が1~2回程度でおさまった場合を最低基準にするよう提唱している2).中止の時期が近くなると,低容量のシクロスポリン投与でトラフレベルが基準値より低くなるため,いきなり中止したりせずにゆっくりと中止したほうがよいと思われる.表1にシクロスポリンの用法と用量をまとめる.b.シクロスポリンの副作用コルヒチンに比べ,シクロスポリンは副作用が強く初回投与前および投与中に種々の全身検査が必要となる.トラフレベルが高いと副作用は起きやすくなる.以下に症状をあげる.1)中枢神経症状シクロスポリンの副作用として,最も問題となる.多くは頭痛が初発症状となり,手足のしびれ,振戦のこともある.疑わしい症例では神経内科医と連携をとり,緊急で頭部MRI(磁気共鳴画像),髄液検査を行いシクロスポリンは中止とする.Kotakeらは,Beh?et病における中枢神経症状の発現頻度を調査し,シクロスポリン投与症例で47例中12例に発現し,非投与症例では270例中9例にとどまったことから,シクロスポリンでは中枢神経症状が高頻度で起こることを示した6).また,シクロスポリンは,コルヒチン内服時にミオパチーが出現しやすいが,シクロスポリン単独でも出現することがある.このため,定期的に血清CPK(creatinephosphoki-nase)値を測定する必要がある.2)腎機能障害腎障害は,トラフレベルにかかわらず出現する可能性がある.血清クレアチニン値とb2?マイクログロブリンを測定し,異常値となれば30~50%減量するのが望ましい7).3)高血圧血圧は,収縮期165mmHg以上,拡張期95mmHg以上になるようなら減量を考える7).以上の副作用の発現をより早く知るために,初期には1カ月に1回,その後は1~2カ月に1回の割合で採血を行い末?血,生化学検査を行い,同時に血圧検査を施行するべきである.表2にシクロスポリン投与時の(20)表1Beh?et病におけるシクロスポリン(ネオーラル?)の用法と用量5)投与量および用法初期には5mg/kg/dayの投与を2回/dayで行う.継続期において,増量:初期投与量でも臨床効果が十分に得られず,またシクロスポリンのトラフレベルが基準値(150ng/m?以内)より低い場合に,1~2mg/kg/dayを1~2カ月ごとに施行.減量:以下のいずれかを満たす場合1)臨床効果が十分に得られた場合2)シクロスポリンのトラフレベルが高い場合3)副作用が出現した場合4)副作用の出現の恐れがある場合急激な減量は,重篤な眼炎症発作の再発をきたすことがある.再発した場合は,ステロイド薬の局所療法による対症療法を行う.———————————————————————-Page3あたらしい眼科Vol.23,No.11,2006????チェック項目を示す.c.シクロスポリンと他剤の併用シクロスポリンが,ぶどう膜炎の眼炎症発作を抑制する薬剤として登場する以前は,Beh?et病の眼発作に対する内服治療薬としてコルヒチンのみが用いられていた.このため,わが国においてぶどう膜炎(Beh?et病)のシクロスポリン導入に際してシクロスポリンとコルヒチンの二重盲検試験が行われた8,9).その結果,シクロスポリンはコルヒチンに比べ,有意に眼炎症発作が抑制できることが判明した8,9).Beh?et病の眼炎症頻度を下げるにはコルヒチンの内服加療が重要であるが,コルヒチンで眼炎症発作の頻度を押さえ込めないならシクロスポリン(ネオーラル?)への切り替えが必要となる8).導入量は5mg/kg/dayであるが,前述したように維持量として2.5~3mg/kg/dayまで徐々に減量していく.それでも眼発作が続くようなら,シクロスポリンとコルヒチンの併用療法を行う4)(表3).d.Vogt-小柳-原田病に対するシクロスポリン療法Vogt-小柳-原田病の治療には,基本的にステロイド大量療法を行うが,ステロイドで炎症を抑制できない場合,免疫抑制薬を用いることがある.導入量は5mg/kg/dayであるが,併用しているステロイドを徐々に減量していき,ステロイド薬を完全に中止してからシクロスポリンを減量していく10,11).当教室の経験では,シクロスポリンを5mg/kg/dayから用いてもBeh?et病に比べて副作用が出にくい傾向があった.その一方,Vogt-小柳-原田病では,最初に高用量のステロイド薬をシクロスポリンと併用したとき,ステロイド薬にシクロスポリンの血中濃度が高く維持する働きがあるため,思わぬほどにトラフレベルが上昇することがある12).このようなときはまずステロイド薬の減量を行い,2週間ほどみてからまたトラフレベルが高いようならシクロスポリン濃度を下げるというように,交互に減量を行うことが望ましい.2.タクロリムスタクロリムス(プログラフ?)は,日本で初めに発見された?????????????????????????から分離された物質であり,以前FK506とよばれていた.現在ではおもに臓器移植に用いられており,プロトピック軟膏?としてアトピー皮膚炎にも使われている.作用としてはシクロスポリンと似通っており,T細胞の活性を弱めサイトカインの産生を抑制する1).以前に多施設共同臨床試験を非感染性ぶどう膜炎53例(80%がBeh?et病)に対して行ったところ,0.05~0.2mg/kg/dayでの調査では最も高い濃度で効果がみられた13~15).しかし,腎機能障害が28%に,神経障害が21%に,胃腸障害が19%に,高血糖が13%に各々みられた14).その後,イギリスなどでシクロスポリン無効例のぶどう膜炎に対してタクロリムスが使用され,一定の効果をみた16,17).しかし,現在のところぶどう膜炎に対して保険適用はなく,使用できない状況にある.(21)表2シクロスポリン(ネオーラル?)投与時のチェック項目5)眼科的一般検査:視力,眼圧,眼底検査?このとき,眼病変の臨床経過を追うことが望ましい.?眼炎症の有無など.全身検査項目:?血圧:165/95mmHg以上が続くなら,シクロスポリンの30~50%減量もしくは中止を検討し,対症療法を開始する.?血中シクロスポリン濃度(トラフレベル):50~200ng/m?を超えないようにする.開始初期は200ng/m?を超えないようにするが,投与期間が長くなる場合100ng/m?を超えないように調整する.測定は,投与開始はじめは2週間ごと,投与後1カ月以降は1カ月ごとに行う.投薬を増減した場合,その直後に測定する.?腎機能検査(血中クレアチニン,BUN,血中b2-マクログロブリン):トラフレベルが150ng/m?を超えると腎機能障害が起きやすくなるので,より期間を短くして測定する.可能なら副作用の発現も考え,この値以下のトラフレベルが望ましい.?肝機能検査(GOT,GPT,g-GTP)GOT:グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ,GPT:グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ,g-GTP:g-グルタミルトランスペプチダーゼ.表3Beh?et病眼炎症発作予防のためのシクロスポリン治療の選択4)第一選択:コルヒチン処方:コルヒチン?(0.5mg)2T/day分2(朝・夕食後)第二選択:シクロスポリン(ネオーラル?)処方:ネオーラル?(50mg)5T/day分2(朝・夕食後)第三選択:コルヒチンとシクロスポリン(ネオーラル?)の併用処方:コルヒチン?(0.5mg)1T/day分1(朝食後)ネオーラル?(50mg)4T/day分2(朝・夕食後)———————————————————————-Page4????あたらしい眼科Vol.23,No.11,20063.メソトレキセート最初は抗癌剤として使用されたメソトレキセートは,リウマチ性関節炎や他のリウマチ疾患にも用いられた.メソトレキセートは,その作用として葉酸代謝拮抗薬として働くが,少量用いることでサイトカイン産生抑制,細胞増殖抑制といった免疫抑制効果を生む1).難治性ぶどう膜炎に対して,欧米ではステロイド薬の全身投与の無効例に投与することがあるが,わが国ではシクロスポリンに比べてあまり使用されていない.Samsonらは,若年性関節リウマチ,HLA-B27関連ぶどう膜炎,サルコイドーシス,Beh?et病やVogt-小柳-原田病などによる多数のぶどう膜炎の症例で,ステロイド薬の全身投与無効もしくはステロイド薬の副作用をきたしたものに限り,メソトレキセート治療を行い検討した18).結果は,メソトレキセート治療(12.3mg/week)で76%が炎症を抑制できたが,7%において副作用のために中止せざるをえなかった18).副作用で最も一般的なのが嘔吐,下痢などの消化器症状であるが,肝機能障害,造血器障害,中枢神経障害,呼吸器障害も起きることがあり注意が必要である.また,他の報告では,若年性関節リウマチ患者に低濃度のメソトレキセートを投与したところ,7例中6例においてぶどう膜炎が軽快した19).さらなる報告では,ステロイド薬が無効なサルコイドーシス患者に低濃度のメソトレキセートを投与したところ,11例で炎症が抑制され,視力が改善した20).4.アザチオプリンアザチオプリン(イムラン?,アザニン?)は,プリン合成を阻害しDNA合成やRNA合成ができず,生体内ではリンパ球減少やリンパ球増殖抑制,抗体産生抑制などの免疫担当細胞障害を起こす1).このため,臓器移植に対する免疫抑制薬としてよく用いられるが,わが国ではシクロスポリンに比べて,ぶどう膜炎に対してあまり用いられない.欧米での報告では,低濃度(1~3mg/kg/day)の経口投与を行うが,リンパ球減少と肝機能障害をきたすことがあるため,1カ月ごとのモニタリングが必要である1).Andraschらは,難治性の内因性ぶどう膜炎22例において,低濃度のアザチオプリン(2.0~2.5mg/kg/day)と低濃度のプレドニゾロン(10~15mg/kg/day)を併用した治療効果を検討した21).結果は12例で眼炎症が抑制されたが,10例で効果が認められなかったか,もしくは副作用のため中止せざるをえなかった21).当研究では,ステロイド薬の全身投与のみでは炎症が抑制できなかった症例に限っており,難治例が多かった可能性がある.Beh?et病に対してもトライアルはなされており,2.5mg/kg/dayのアザチオプリンでプラセボに比べ,有意に眼炎症発作の抑制効果が認められた22,23).また低濃度のステロイド薬とアザチオプリンを併用して用いた場合でも眼炎症発作の抑制に効果的である24).5.シクロフォスファミドシクロフォスファミド(エンドキサン?)は,ナイトロジェンマスタードのアナログで,正常細胞より細胞障害性細胞に効果的なアルキル化剤である.DNAとRNA機能抑制および合成障害をきたし,細胞周期にも影響しアポトーシスを誘導する1).実際リンパ球増殖抑制および抗体産生の抑制,遅延型過敏反応の抑制が起きる1).副作用も多く,リンパ球減少や好中球減少に代表される骨髄抑制が最も多くみられる1).このため日和見感染も多々みられ,投与中は他の免疫抑制薬と比べてきめ細かなモニタリングが必要である.Beh?et病の治療では,シクロフォスファミドと低濃度のステロイド薬との組み合わせで一定の効果がある25).一方,Beh?et病患者に対して,シクロフォスファミドとコルヒチンを組み合わせた治療とシクロスポリン投与とを比較したが,シクロスポリンのほうが有効であったという報告もある26).これらから考慮してもシクロフォスファミドは他の免疫抑制薬と比較して第一選択とはならないと思われる.6.ミコフェノール酸モフェチルミコフェノール酸モフェチル(mycophenolatemofetil,セルセプト?)は,プリンの???????合成に働きかけ,免疫抑制に働く.このため,欧米ではおもに臓器移植の拒絶抑制に用いられている1).筆者らが以前行ったラットぶどう膜炎におけるミコフェノール酸モフェチルの抑制効果は絶大で,ほぼ完全にぶどう膜炎の眼炎症を抑制(22)———————————————————————-Page5あたらしい眼科Vol.23,No.11,2006????した27).最も規模の大きいヒトぶどう膜炎治療の研究では,ステロイド薬の全身投与,または他の免疫抑制薬の単独療法では寛解の得られなかった54症例を選び,ミコフェノール酸モフェチルの投与を行っている28).ミコフェノール酸モフェチルの単独投与で眼炎症が沈静化したのは65%にのぼり,11%でシクロスポリンを追加投与することにより炎症が抑制された.しかし44%において消化器症状などの副作用が出現した28).このように効果が期待されるミコフェノール酸モフェチルは,現在わが国ではぶどう膜炎での適応がなく,眼科領域では使えない状況にある.以上に述べたシクロスポリン以外の免疫抑制薬について表4にまとめる.おわりにこれまで難治性ぶどう膜炎に対する種々の免疫抑制薬を述べてきたが,わが国でぶどう膜炎が適応疾患として認められている免疫抑制薬は,シクロスポリンのみである.このため,現在のところシクロスポリンの使い方を習熟することがより良いぶどう膜炎治療につながることになる.しかし,ステロイド薬の全身投与やシクロスポリンの無効例も少なからず存在し,他の免疫抑制薬を使わざるをえないこともありうる.このようなとき,どのような免疫抑制薬があり,どのような用量で用い,副作用の発現のモニタリングはいかにして行うかを知っておくことは有益なことだと思われる.文献1)OkadaAA:Immunomodulatorytherapyforocularin?ammatorydisease:Abasicmanualandreviewoftheliterature.???????????????????13:335-351,20052)中川やよい,春日恭照,多田玲ほか:ベーチェット病に対するシクロスポリンの長期投与.眼紀39:1786-1790,19883)藤野雄次郎:Beh?et病眼症に対するシクロスポリン治療.医学のあゆみ215:95-98,20054)川島秀俊:Beh?et病の眼病変(病態・診断・治療).医学のあゆみ215:55-59,20055)大野重昭:ネオーラルによるベーチェット治療のガイドライン.厚生省厚生科学研究.ベーチェット病に関する調査研究班.20006)KotakeS,HigashiK,YoshikawaKetal:CentralnervoussystemsymptomsinpatientswithBeh?etdiseasereceiv-ingcyclosporinetherapy.?????????????106:586-589,19997)中村聡,石原麻美:ぶどう膜炎免疫抑制薬治療のEBM.臨眼55(増刊号):164-171,20018)FujinoY,JokoS,MasudaKetal:Ciclosporinmicroemul-sionpreconcentratetreatmentofpatientswithBeh?et?sdisease.????????????????43:318-326,19999)MasudaK,NakajimaA,UrayamaAetal:Double-maskedtrialofcyclosporinversuscolchicineandlong-termopenstudyofcyclosporininBeh?et?sdisease.??????8647:1093-1096,198910)WakatsukiY,KogureM,TakahashiYetal:CombinationtherapywithcyclosporinAandsteroidinseverecaseofVogt-Koyanagi-Harada?sdisease.????????????????32:358-360,198811)岩永洋一,望月學:Vogt-小柳-原田病(症候群)の診断と治療3.Vogt-小柳-原田病の薬物療法.眼科47:943-948,200512)稲用和也,藤野雄次郎:ぶどう膜炎の治療原田病の治療.眼科43:1307-1317,200113)MochizukiM,IkedaE,ShiraoMetal:PreclinicalandclinicalstudyofFK506inuveitis.????????????11(Suppl):87-95,199214)MochizukiM,MasudaK,SakaneTetal:AclinicaltrialofFK506inrefractoryuveitis.???????????????115:(23)表4シクロスポリン以外のぶどう膜炎に対する免疫抑制薬以下にあげる免疫抑制薬は,わが国ではぶどう膜炎に対して適応とされておらず,難治性ぶどう膜炎といえども使いにくい状況にある.しかし,欧米では豊富な使用経験があり,報告もされている.?タクロリムス(プログラフ?)シクロスポリン療法に反応しない難治性ぶどう膜炎に対して炎症抑制ができるかもしれない.しかしわが国における臨床治験ではBeh?et病に対して有意な有効性は認められていない.?メソトレキセート(メソトレキセート?)ステロイド薬の全身療法で無効か,もしくは副作用で使用できない場合に眼炎症の抑制可能である.低濃度の全身ステロイド薬と合わせて使用する場合もある.?アザチオプリン(イムラン?,アザニン?)多くのぶどう膜炎で有効性を認められている.低濃度の全身ステロイド薬と合わせて使用するとより良いと思われる.?シクロフォスファミド(エンドキサン?)難治性ぶどう膜炎や強膜炎で有効性が確認されている.しかし強い細胞毒性(骨髄抑制)があるため,他の免疫抑制薬の無効例に限り使用されるべきである.?ミコフェノール酸モフェチル(セルセプト?)ステロイド薬の全身投与で効果がなかった症例もしくは他の免疫抑制薬を用いても眼炎症が抑制できない症例に用いる.———————————————————————-Page6????あたらしい眼科Vol.23,No.11,2006763-769,199315)IshiokaM,OhnoS,NakamuraSetal:FK506treatmentofnoninfectiousuveitis.???????????????118:723-729,199416)KilmartinDJ,ForresterJV,DickAD:Tacrolimus(FK506)infailedcyclosporineAtherapyinendogenousposterioruveitis.???????????????????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