———————————————————————-Page10910-1810/06/\100/頁/JCLS立って仕事をしている場合に適正なカロリー量で,同じ仕事をする成人女性では2,000kcalを摂取するとちょうどよいバランスになる.現在,動物レベルにおける「アンチエイジング」実験として最も確立された方法は「カロリー制限」であろう.たとえば,アメリカでは,実際に男女7名のボランティアにより,1日1,600kcalの制限食の実験も行われるなど,多くの興味ある研究が行われているが,このような「カロリー制限」と「寿命延長」の興味ある動物実験として,最近,ハツカネズミやサルを用いた「寿命延長」の研究の紹介があった2).たとえば,制限食を与えたハツカネズミの寿命は平均で45カ月(正常食では33カ月)という驚異的な延命であると紹介していたが,特に筆者が興味をもったのは,サルに制限食を与えた実験の結果であった.サルの一群に1日688kcalの正常食を与え,もう一方の群には477kcalの制限食を与えて比較した実験で,両者を比較すると,正常食のサルの体重は31ポンド,制限食の場合は21ポンドと約3分の2であった.体重における脂肪分の割合は,正常食では25%に対して制限食では10%,中性脂質は正常食169に対して制限食の場合は67という低値で,血圧も制限食では低く,血糖値も正常食の71に対して制限食56,特に,インスリンレベルは正常食93に対して制限食29という低値であった.これらの結果は,「カロリー制限」が「動脈硬化」や「糖尿病」の予防にもつながることを示唆している3).Iアンチエイジングと食生活生活習慣病の急増の原因として「ライフスタイル」,なかでも「食生活」が大きく影響し,とりわけ,食事の欧風化に伴うカロリーの摂取過剰が指摘されてきている.1976年に報告された世界39カ国の比較では,脂肪,特に動物性脂肪の摂取量と乳癌による死亡率の高い相関性が明らかにされている.1970年代になると,当時のニクソン大統領により,国家的なプロジェクトとして「食と発癌」の関連性を究明しようという研究予算案が署名されており,このような動きのなかで,アメリカ人の食事内容に警鐘が与えられ,それは1977年に,アメリカ上院のマクガバン委員会により「望ましい食事の取り方」の目標として提案されたが,理想とされたものは当時の日本人の食事の摂取パターンに非常に近いものであった1).当時のアメリカ人の平均の総カロリー摂取量は1日3,240キロカロリー(kcal)という高いもので,これを2,500kcalにまで減らそうというものであった.3,240kcalというのは,中肉中背の日本人の成人男性だと「強い生活活動強度」,すなわち,8時間の睡眠ののち2時間の激しいトレーニングか重い筋肉労働をし,4時間程度の歩行と5~6時間の立ち仕事をしてようやく消費できるカロリー量である.一方,2,500kcalというのは,中肉中背の日本人の成人男性が「中程度の生活活動強度」,すなわち,8時間の睡眠ののち,通勤,買い物や仕事などで2時間程度歩行をし,1日6~7時間は(21)????*ToshihikoOsawa:名古屋大学大学院生命農学研究科食品機能科学研究室〔別刷請求先〕大澤俊彦:〒464-8601名古屋市千種区不老町名古屋大学大学院生命農学研究科食品機能科学研究室特集●眼科におけるアンチエイジング医学の流れあたらしい眼科23(10):1263~1272,2006食べ物とアンチエイジング医学????-???????????????????????????????大澤俊彦*———————————————————————-Page2????あたらしい眼科Vol.23,No.10,2006しかしながら,このような「寿命延長」の実験に対して,正常食の場合は摂取カロリーの過剰で,本来動物のもっている寿命に至る前で死を迎えるにすぎないのではないか,という反論もある.確かに,これらの実験は,カロリー制限だけを行ったものでビタミンやミネラルなどの栄養素は同じように与えられ,あくまで「老化制御」の研究のために計画された研究アプローチであり,私たち人間の場合は,過食は問題であるがそれ以上にバランスのよい適度な栄養摂取が必要である,との指摘もされている.筆者の親しい友人であるメリーランド大学のSimic教授がとてもユニークな研究を発表している.私たちは,過剰に生成された「活性酸素」が常時,DNAに対して酸化傷害を与えつづけているが,私たちの体が健康なときには,この「酸化DNA」は「修復酵素」で正しい遺伝子の配列になるように修理されている.この「酸化DNA」の部分は尿に排泄されるので,この量を測定することでどれくらい酸化ストレスを受けているかがわかるというわけである.Simic教授は,自分自身を実験台に,図1に示したように,まず1カ月間,肉や乳製品中心の食生活で2,400kcalを摂取するという食生活を送り(A),次の1カ月間は同じ2,400kcalのカロリー摂取であるが,野菜や果物中心の食生活を過ごした(B).そこで彼は,尿中に出てくるDNAの酸化傷害バイオマーカー(8?ヒドロキシデオキシグアノシン)の量を測定したところ,同じ摂取カロリーでも野菜や果物の場合は半減するという結果であった4).この結果はとても示唆に富んでいる.私たちは,どうしても摂取カロリーの数値のみに目を向けがちであるが,同じカロリー摂取でも食事のメニューにより,酸化傷害の程度を半減させることができる,というわけである.ここで重要な役割を果たしたのが「栄養素」以外の色素や香り,辛味成分など「非栄養素」とよばれる成分であり,なかでも,「抗酸化成分」のもつ生理機能の重要性が認識されてきている5).最近の食生活の変化により,過剰なカロリー摂取や脂肪摂取過剰が問題となり,「メタボリックシンドローム」がジャーナリズムを賑わしている.特に,最近の厚生労働省,沖縄県の統計によると,25~50歳までの年齢層では,男性,女性ともに死亡率が全国平均より高く,女性はかろうじて全国一位の長寿を保っているものの,男性は26位と新聞に大きく報道されたことも記憶に新しい.最近の調査では,日本で肥満者とされるBodyMassIndex(BMI)の値が25以上の頻度の割合は,沖縄県では男性が42.7%(全国平均:27.5%)であり,女性でも28.4%(全国平均:18.9%)という高値であった.このままの状況が続くと,「世界最長寿」の看板も下ろさざるをえないと危惧され,特に,沖縄の伝統的な食生活から急激な欧米化への変化が問題視されている6).IIアンチエイジングと機能性食品因子このような背景で,アメリカでは,膨大な疫学研究のデータを背景とした「デザイナーフーズ:DesignerFoods」計画,すなわち,「植物性食品成分」(フィトケミカルズ:Phytochemicals)による癌予防」が1990年にスタートしている.特に注目されたのは,ポリフェノール類やイオウ化合物,テルペノイドやアルカロイド,カロテノイドなどの「非栄養素」とよばれる食品成分である.この研究の流れは,産官学を巻き込んだ「食と健康」研究の中心となり,ニューヨークやサンフランシスコで「デザイナーフーズ」に関する国際会議が開催され,筆者もオーガナイザーとして参加してきた.一方,日本では,1984年に「食品の機能性」に関する研究プロジェクトが世界に先駆けてスタートしている.このプロジェクトは,まったく新しいコンセプトのプロジェクトであり,特徴は,「栄養機能」である一次機能,「感覚機能」の二次機能に加えて食品研究の場に三次機能として「生理生体調節機能」という新しい概念(22)図1酸化ストレスが予防できるメニューの一例*キャベツ,ブロッコリー,アスパラガス,ニンジン,サツマイモ,リンゴ,オレンジ,プラムなど.00.20.40.6尿中に排出される遺伝子の酸化分解物(nmol/kg/日)01,0002,0003,000摂取カロリー(kcal/日)肉や乳製品中心の食事野菜・果物中心の食事*———————————————————————-Page3あたらしい眼科Vol.23,No.10,2006????が取り入れられた点である.当初,「機能性」の概念にあまり積極的でなかった欧米でも徐々に浸透し,「ファンクショナルフーズ」として定着しつつある.このような研究の流れで,筆者らは「食品因子」(フードファクター)の概念を創出し,筆者を会長とする「第1回国際フードファクター学会」が1995年に開催され,日本における「機能性食品因子」研究の大きな流れのきっかけとなった.現在,筆者が理事長をつとめる「日本フードファクター学会」(http://www.jsoff.com/)が創設され,2007年12月には,吉川敏一京都府立医科大学教授を会長として「第4回国際フードファクター学会」(4thInternationalConferenceonFoodFactors:ICoFF04)が企画されている.このように,国内における「機能性食品因子」の概念は,確実に広まり,また,定着しつつあるが,特に重要視されているのが,データベースの構築である.東京農業大学の荒井綜一教授を班長として2000年にスタートした「機能性食品因子」のデータベース構築研究には多くの研究グループが参加し,筆者らも,ゴマリグナン類やクルクミン類縁体,アントシアニン類など,ハーブやスパイス,香辛野菜を中心に200種以上の「機能性食品因子」のデータベース化を行ってきた.現在,この内容は,機能性食品因子データベース(http://www.life-science.jp/FFF/index.jsp)として公開されている.現在,「健康食品」ブームといわれ,国内市場は1兆円を超えており,今後,ますます増加の一途をたどるものと推定されている.一方,2001年の「保健機能食品制度」の創設により,ビタミン,ミネラルの一部は規格基準型の「栄養機能食品」の範疇で取り扱われるようになった.そのなかで,生理・機能を表示できるのは,特定保健用食品,いわゆる「トクホ」だけであり,その機能性表示も限られているものの,2005年の時点で569品目が認可され,売り上げも6,299億円となっている.ところが,「トクホ」は限られた生理機能のみが表示できるが,今,日本国中至るところでみられる「健康食品」はもちろんのこと,「サプリメント」に関しても,用語上の定義も法令上は存在していない,というのが現状である.一方,欧米では,このようなビタミン,ミネラル,ハーブなどのもつ栄養性や生理機能に対する補助的な作用に着目し,アメリカでは「ダイエタリーサプリメント(DietarySupplements)」,ヨーロッパでは「フードサプリメント(FoodSupplements)」という用語が用いられてきている.しかし,これらの「健康食品」や「サプリメント」といわれる範疇に属する補助食品に対する考え方は必ずしも世界共通ではないのが現状であり,規格基準化と表示の国際的な統一の必要性が討議されるようになってきている.ヨーロッパでは,個々の国別の基準はあるものの,EUとしての統一された食品基準も必要となるために,グローバル化の必要性が検討されているが,日本の対応は大きく出遅れているのが現状である.今後,日本が孤立しないためにも日本でも真剣に国際的な食品規格の制定に積極的な関与が重要となり,さらに,産官学の連携が必要となる7).しかしながら,癌予防をはじめとする疾病予防機能をもつという「健康食品」のほとんどは,科学的な根拠(evidence-based)に基づいているとは言いがたいのが現状である.最近,国立健康・栄養研究所はウェブサイトにおいて「健康食品の安全性・有効性情報」に関するホームページ(http://hfnet.nih.go.jp/)を立ち上げ,現在市場に出回っている約250種類の「健康食品」の情報を公開しているが,十分な情報を網羅しているとは言いがたいのが現状であろう.もちろん,最も重要となるのはバランスの取れた基本的な「食生活」であり,疫学研究を背景にしたデータを基盤とすべきである.アメリカの「デザイナーフーズ」計画は疫学研究を基盤に,「癌をはじめ生活習慣病予防」という立場で40種の野菜や果物,香辛料や穀類,嗜好品などを取り上げた.筆者らは,「デザイナーフーズ」には,同じ科や類の食品群に共通する「機能性食品因子」が含まれていることに着目し,食品因子の効能に順位をつけるのではなく,科や類によって食品群のバランスを図ることを提唱した.そこで,「デザイナーフーズ」計画に取り上げられていなかった日本伝統の食品素材も含めて,12の食品群に分類してみたが,ここで強調したいのは,一つの分類の食品素材を大量に摂取するのではなく,できれば,1~2日の食事で12分類に含まれる食品をまんべんなく食べるように心がけたいと提案している(表1)8).(23)———————————————————————-Page4????あたらしい眼科Vol.23,No.10,2006IIIアンチエイジングが期待できる機能性食品素材最近,「フィトケミカル」による疾病予防へのアプローチは大きな注目を集めつつある.筆者らの研究グループも,子孫を絶やさず次世代に生命を残すための植物の生体防御機能をもつ多種多様な植物性食品素材に着目した.特に,色素や渋味,香り成分などが植物から高温や紫外線による酸化傷害から自身を保護しており,このような「抗酸化食品因子」を積極的に摂取することで「癌」をはじめ「生活習慣病」などの疾病の予防が期待されている.たとえば,黒米や黒豆,紫トウモロコシや赤ブドウなどに大量に含まれている赤色色素としてよく知られているシアニジングルコシドに関して,その強力な抗酸化性に関する研究を中心に進められてきたが,最近,このシアニジングルコシドが,高脂肪食を与えたラットで体脂肪の蓄積が抑制され,ラットの単離成熟脂肪細胞を用いたジーンチップによるmRNAレベルでの解析を行った結果,レプチンやアディポネクチンの上昇,????gの標的遺伝子の発現上昇や脂肪酸結合蛋白質4やホルモン感受性リパーゼなどについての変動を明らかにしている.最近,ヒト成熟脂肪細胞を用いた解析を進めており,図2に示したようなアディポサイトカインや脂質代謝,エネルギー代謝関連遺伝子については,リアルタイムPCR(polymerasechainreaction)による発現定量に成功しており,現在,蛋白質レベルでの解析を進めている.この結果は,ラットとヒトの個体差,また,肥満の抑制と生活習慣病の予防など,新しい展開ができるものと期待している.一般に,酸化ストレスに対する防御能の高い野生種の色は,有色タイプに多く含まれ,栽培種として私たちが日常食べている食品素材には含量が多くない.有色の野生種から長い間の交配・品種改良を進めた結果,自身の抗酸化的な防御機構は低下したと推定されているので,もう一度野生種のもつ機能性に目を向ける必要があるのではないかと考えている9).最近,機能性食品素材として大きな注目を集めている素材は,ハーブ,スパイス類であろう.ハーブとは地中海沿岸地方で産出される植物素材から得られたものが多く,ヨーロッパを中心にそれぞれの国々で伝統的に用いられ現在に至っている.ヨーロッパの長い歴史のなかで,人々が調理に用いたり煎じて飲んだり,身に帯びて香りを嗅いだりすると,体調が良くなったり,気分が安定したり快活になるような「不思議な力をもった植物」を「ハーブ」と称して,長い伝統の過程で選びだされた,と考えられている.「ハーブ」に利用される植物を人類が使用した歴史は古く,5万年以上も前の狩猟民族の時代に遡る,といわれている.以来,古代エジプトの時代から中世,近世を経て現代に至るまで,人類の文化の発展とともに「ハーブ」の種類も使い方も多様化して(24)高脂肪食高カロリー摂取食事療法薬物療法脂質代謝異常・血中脂質上昇・インスリン抵抗性・脂肪細胞肥大化・インスリン分泌不全肥満,糖尿病,動脈硬化の発症・病態の進展環境因子食品因子図2食品因子による抗肥満の可能性未病診断と食品因子による抗肥満評価法に,ニュートリゲノミクスとともにプロテーム解析,特に「抗体チップ」による評価法が期待されている.(例:アディポネクチン,レプチン,mcp-1,PAI-1,IL-6,UCP2,ACOX1,PLNなど)表1生活習慣病予防が期待できる12の食品群ユリ科タマネギ,ニンニク,アサツキ,ニラアブラナ科キャベツ,ブロッコリ,カリフラワー,ダイコンカブ,メキャベツナス科トマト,ナス,ピーマン,ジャガイモセリ科ニンジン,セロリ,パースニップ,パセリ,セリウリ科キュウリ,メロン,カボチャキク科ゴボウ,シュンギクミカン科オレンジ,レモン,グレープフルーツキノコ類シイタケ,エノキ,マッシュルーム,キクラゲ海藻類ヒジキ,ワカメ,コンブ穀類・豆類油糧種子玄米,全粒小麦,大麦,亜麻,エン麦,大豆,インゲン豆,オリーブ香辛料ショウガ,ターメリック(ウコン),ローズマリー,セイジ,タイム,バジル,タラゴン,カンゾウ,ハッカ,オレガノ,ゴマ,シソ嗜好品緑茶,紅茶,ウーロン茶,ココア———————————————————————-Page5あたらしい眼科Vol.23,No.10,2006????きた.一方,「スパイス」の歴史も古く,「ハーブ」,「スパイス」の厳密な区分けはできないが,「スパイス」は,ヨーロッパを基点とする世界貿易が盛んに行われたために,インドや東南アジアなど熱帯,亜熱帯地方原産の素材が,アラビア人によりヨーロッパにもたらされてきた,とされている.このように,ヨーロッパで花開いた「ハーブ・スパイス」は,その多くは,歴史をたどると古く東洋で「アーユルヴェーダ」として用いられた植物素材に起源があり,その現代版として「アロマテラピー」が世界的に広まってきている.しかしながら,「アロマテラピー」に関しては,日本においては,薬事法や医師法の規制のために,医療としてではなく普及しているが,十分な科学的な根拠(evidence-based)に基づいているとはいいがたいのが現状である10).このような背景で,筆者らの研究グループが,特に注目している素材が,ゴマとターメリック(ウコン)である.ここでは,アンチエイジング食の応用の一例として,ウコンとゴマに焦点をあてて紹介してみたい.IV「クルクミノイド」と老化予防カレー料理をはじめインド料理に不可欠な香辛料,ターメリックの黄色の色素成分の一つであるクルクミンは,多くの注目が集められてきている.ターメリックは,秋ウコン(?????????????L.)の根茎を乾燥して粉末にしたもので,沖縄では,ウコン染めやウッチン茶として広く用いられている.ウコンは,古くから強肝利胆薬や健胃薬として広く用いられ,さらには疫痢,喘息,結核,子宮出血などに用いられてきた.ターメリックの主要な黄色色素,クルクミンは,皮膚の炎症を抑える効果が見出され,実際に,皮膚癌に対して強力な発癌プロモーションの抑制作用の発見に至った.最近,放射線医学研究所との共同研究で,g線照射による乳癌のモデルを用いて,「クルクミン」が乳腺腫瘍の形成を顕著に抑制することが明らかにされた.この「クルクミン」は,「イニシエーション」と「プロモーション」の両方の段階を抑制することが明らかにされたが,実際に血液や臓器中の「クルクミン」の存在量を測定してみても,「クルクミン」は「テトラヒドロクルクミン」の10分の1以下しか検出されなかった.筆者らの研究グループは,この「クルクミン」も経口で摂取すると腸管の部分で「テトラヒドロクルクミン」という強力な抗酸化物質に変わることを明らかにすることに成功しており,実際に,「テトラヒドロクルクミン」は,腸の細胞で吸収されるときに「クルクミン」が変化してできる物質で,体の中で実際に生理機能効果を示すのはこの「テトラヒドロクルクミン」であると推定している.筆者らは,国立がんセンターとの共同研究で,大腸の前癌細胞の形成を「テトラヒドロクルクミン」のほうが「クルクミン」よりも強く抑制し,さらに,京都大学医学部と共同で,腎臓癌の抑制に対しても「テトラヒドロクルクミン」のほうが「クルクミン」よりもはるかに強力な抑制効果が期待できることも明らかにし,その作用は「テトラヒドロクルクミン」の強力な抗酸化性に基づくものではないかと推定している(図3)11).ところが,最近の興味ある結果として,糖負荷させたラットやサルで生じる白内障の発症に対して,「クルクミン」,特に「テトラヒドロクルクミン」が強力な予防効果を有することを明らかにすることができた.4週齢雄SD(Sprague-Dawley)ラットの水晶体をキシロース,ガラクトース,グルコースなどのいずれかを含有する培地でクルクミン,テトラヒドロクルクミンの存在下で培養したところ,いずれも水晶体混濁度が有意に減少し,(25)生理機能クルクミン黄色テトラヒドロクルクミン無色透明抗酸化性解毒酵素・抗酸化酵素誘導作用乳癌抑制作用皮膚癌抑制作用大腸癌抑制作用腎臓癌抑制作用糖負荷による白内障抑制作用動脈硬化予防作用老化抑制作用○○◎◎○○○──◎◎─○◎◎◎◎◎◎:強い抑制作用,○:弱い抑制作用,─:未検討.クルクミンテトラヒドロクルクミンH3COOCH3H3COOCH3OOOOOHOHHOHO<腸上皮細胞中の還元酵素>図3クルクミン,テトラヒドロクルクミンの???????系における生理機能の比較———————————————————————-Page6????あたらしい眼科Vol.23,No.10,2006その効果はテトラヒドロクルクミンのほうが強力であった.しかしながら,ポリオール蓄積量には差がなかったことから,その機構は,アルドース還元酵素阻害作用に基づくのではなく,抗酸化作用による可能性が示唆された(図4)12).そのような背景のなかで最近特に注目を集めているのが,第2相酵素をはじめとする抗酸化酵素誘導作用である.グルタチオン(GSH)などを基質に「抱合体」を形成し,最終的には体外へ排泄されるが,この第2相酵素の誘導に「クルクミン」,特に「テトラヒドロクルクミン」に強力な「グルタチオン-S-トランスフェラーゼ」誘導作用があることが見出されている.また,「テトラヒドロクルクミン」は同じ第2相酵素であるNADPH?キノンリダクターゼを誘導するとともに抗酸化酵素であるグルタチオンペルオキシダーゼを誘導することを明らかにすることができた.これらの結果は,「クルクミン」,特に「テトラヒドロクルクミン」は過剰に産生された活性酸素を捕捉することで酸化ストレス傷害を防御するとともに,抗酸化酵素や第2相酵素を誘導することで生体防御能を高める,という新しい機能を明らかにすることができた.最近では,テトラヒドロクルクミンに動脈硬化予防作用も見出されており,酸化ストレス制御因子としてのクルクミノイドのもつ疾病予防の役割に関する研究の進展に大きな注目が集められている.特に,抗酸化因子による老化予防の試みとして,筆者らは,最近,木谷健一長寿医療センター前センター長との共同研究で,13週よりテトラヒドロクルクミンを投与したマウスにおいて,最大寿命は延長しなかったが,加齢に従っての生存曲線の低下が緩和されるという興味ある結果が得られた(図5)13).このデータは,「抗酸化食品因子」による老化制御の可能性としては,寿命延長ではなく,図6に示したような「理想的な死」と考えられる「健康死」に至る可能性を示したものである.(26)図4ガラクトース投与ラット白内障におけるクルクミン(U1),テトラヒドロクルクミン(THU1)の効果・普通食:MF飼料(オリエンタル酵母).・ガラクトース食:ガラクトース食25%ラクトース含有MF飼料.・ガラクトース+THU1食:25%ラクトース含有MF飼料+0.2%THU1.・ガラクトース+U1食:25%ラクトース含有MF飼料+0.2%U1.4週齢雄SDラット.肉眼的な白内障所見により発症眼球を計数した.各群n=8.写真は飼育終了後のラットの眼球(上段)および摘出水晶体(下段)の典型例を示した.普通食ガラクトース食ガラクトース+THU1食ガラクトース+U1食白内障発症眼球(%)週齢:U1:THU1:Gal0102030405060753マウスの年齢(月)131824303638100806040200***:Tetrahydrocurcumincontainingdiet(0.2%)fedgroup:Controlgroup生存率(%)*p<0.01(chi-sequaretest)図5C57BL/J6マウスの生存率に対するテトラヒドロクルクミンの投与の効果———————————————————————-Page7あたらしい眼科Vol.23,No.10,2006????今後,フリーラジカルとアンチエイジング,特に,酸化ストレス制御とアンチエイジングの関連性の研究の進展を期待したい.V「ゴマリグナン」とアンチエイジングゴマ種子中の主要なリグナン類は「セサミン」と「セサモリン」である.いずれもゴマ種子中に0.3~0.5%という高含量に存在しているが,どちらもゴマ種子中では抗酸化活性をもたないことから,今までほとんど研究はされていなかった.ところが,最近,「セサミン」のもつ動物レベルやヒトに対する栄養学的な分野での生理機能が注目され,アルコールの代謝を促進し,コレステロール低下作用や乳癌細胞の増殖抑制効果,肝臓癌発生抑制作用,免疫機能の改善,さらには,肥満の抑制効果や運動における酸化傷害の抑制など,「セサミン」のもつ機能性はますます注目されてきている(表2)14).ところが,最近の研究の結果,ゴマ種子中に水溶性の「セサミノール配糖体」が大量に存在していることが明らかとなった.これらの「セサミノール配糖体」はそれ自身抗酸化性をもたないものの,食品成分として摂取したのち,特に,腸内細菌のもつb-グルコシダーゼの作用でアグリコンが加水分解を受けてから腸管から吸収され,最終的には脂溶性である「セサミノール」が血液を経て各種臓器中に至り,生体膜などの酸化的障害を防御するということも重要であるとの結論を得ることができた.このような「セサミノール配糖体」という新しい素材の実際の抗酸化物質として応用開発の可能性を調べるため,最終的には,ヒトを対象とした臨床研究が必要であるが,とりあえず,ウサギを用いた個体レベルでの検討を行ったが,セサミノール配糖体は,過剰な酸化ストレスの結果生体内で生成する活性酸素の捕捉作用とともに,最近注目を集めている解毒酵素誘導の作用も有していた.その内容は,高コレステロール負荷(1%コレステロール食)を与えたウサギにおけるゴマ脱脂粕の動脈硬化に対する抑制効果を検討したところ,大動脈内におけるコレステロールの沈着を有意に抑制しており,また,家族性高脂血症のモデルであるWHHL-ウサギへのセサミノール配糖体の投与実験でも動脈硬化の抑制効果とともに,第2相酵素として注目されているグルタチオン-S-トランスフェラーゼが誘導されるという,興味ある結果を得ている.解毒酵素誘導は,生体のもつ重要な抗酸化防御機構としても注目をされ,筆者らの研究室でもメカニズムの遺伝子レベルからの解明にも研究を進めている15)ので,この分野の研究の進展が注目されるとともに,「セサミン」に続いて「セサミノール配糖体」が機能性食品素材として利用される日も近いものと期待されている.VI新しいアンチエイジング食品素材開発に向けて今までに紹介したように,アンチエイジング食の開発に向けて,まず,目を向けたのは,植物自身のもっている「抗酸化的な生体防御機構」であり,野生種植物に多く含まれている「フィトケミカル」は魅力的な存在であった.一方,筆者らが機能性食品素材として注目してき(27)表2ゴマリグナン類の種類とおもな機能性セサミン・肝機能改善・乳癌抑制・コレステロール合成・吸収阻害セサミノール配糖体・脂質過酸化抑制・動脈硬化抑制・糖尿病発症における酸化ストレスの低減セサミノール・脂質過酸化抑制・LDLの酸化抑制・トコフェロールへの相乗作用セサモリン・生体内抗酸化・動脈硬化抑制図6ヒトの歴史と生存率の関係20406080100年齢(年)生存率(%)80604020理想的な老化による生存率アメリカ(1970年)ローマ(1100BC)ヨーロッパ(15000年前)アフリカ(50000年前)———————————————————————-Page8????あたらしい眼科Vol.23,No.10,2006たのは,日本の伝統的な発酵法による新しい食品素材開発である.微生物は古来より醸造や発酵食品といった食品加工に広く利用されており,わが国では,特に麹菌(???????????属)を利用したものが多く知られている.麹菌はさまざまな酵素を生産し,その多彩な作用により,原料にはみられない甘味や風味成分が付与されたり,栄養価が増大したりすることが知られている.筆者らは,同様な反応がゴマリグナン類でも起こることを明らかにすることができた.ゴマ脱脂粕に種々の麹菌を作用させたが,特に,黒麹(??????????????????)とともに白麹菌(???????????????????????????????????)で強力な抗酸化性の増強作用が確認された.種々の検討の結果,脂溶性のリグナンであるセサミンも,水溶性リグナンであるセサミノール配糖体も麹菌で代謝され,カテコール体に変換される,という興味ある結果を得ることができた16).筆者らは,すでに,レモン中に存在するエリオシトリンをはじめ,レモンだけでなくミカンをはじめとする柑橘類に多く含まれるヘスペリジンやナリンジンも,麹菌で発酵させることにより,6位や8位に水酸基が導入され,新しい抗酸化物質が生成することが明らかとなった(図7).これらの水酸化反応は,実際のレモン果皮の発酵の場合も起こって,発酵レモン果皮のもつ強力な抗酸化性に大きな役割を果たしているものと推定されたので,名古屋工業大学の下村吉治教授らとの共同研究により,発酵レモンフラボノイドを体重(kg)当たり2g投与して,16?の傾斜を20m/minの速度で35分間走らせるという急激な運動負荷を行ったラットの肝臓で生じた酸化ストレスを測定した.評価方法は筆者が開発したもので,脂質過酸化反応の初期過程で生じる脂質ヒドロペルオキシドが蛋白質のリジン残基を修飾して生じるヘキサノイルリジン(HEL)に特異的なモノクローナル抗体を利用したELISA(enzyme-linkedimmunosorbentassay)法により測定する,という方法である.その結果,図8に示したように,安静の場合(sedentary)も運動負荷の場合(exercise)のどちらの場合でも,発酵レモンフラボノイド投与の場合に強い酸化ストレス抑制効果がみられた.レモンのみならず,ミカンやオレンジなど,大量の柑橘の果皮が廃棄物として生じるので,このような副産物を新たな機能性食品素材として利用しようとする研究開発は,今後,ますます多く試みられるようになるであろう.現在,機能性食品開発で重要なポイントは,科学的根拠に基づく「機能性食品」,いわゆる,“Evidence-basedFunctionalFoods”の開発であり,また,新たな機能性食品素材開発である.筆者らの研究グループは,前者については,すでに,酸化ストレスに特(28)図7発酵によるレモンフラボノイドの抗酸化活性増強効果0.090.010.020.030.040.050.060.070.080.0リノール酸メチル酸化抑制率(%)エリオディクティオールエリオシトリンヘスペリジンエスペレチン8-ヒドロキシ-へスペレチンナリンジンナリンゲニン8-ヒドロキシ-ナリンゲニン6-ヒドロキシ-ナリンゲニン0.20.160.120.080.040HEL-ELISA(Absorbanceat492nm)*SedentaryExerciseSedentaryExerciseSedentaryExerciseControl投与量運動負荷(2g/kg体重)4hr.(16°傾斜下り,20m/min,35min)Wistarrat(♂,10weeksold,n=7),mean±SE.*はcontrolに対して有意である(p<0.05)Lemon?avonoidFermentedlemon?avonoid図8急性運動負荷ラット肝臓の酸化損傷(HEL測定)———————————————————————-Page9あたらしい眼科Vol.23,No.10,2006????(29)異的な数多くのモノクローナル抗体の作製に成功しており,現在,酸化ストレスに特異的な「抗体チップ」の開発を進めている.新しい機能性食品素材開発のために,野生タイプの植物に存在する「フィトケミカル」成分に着目して多くの研究を進めてきたが,「日本に伝統的な食品製造技術である「発酵」という,伝統的な食品加工技術にも新たな光を当てることで,今後,新たな「機能性食品素材」開発へ大きな原動力となるであろう.欧米では,新しい「機能性食品」開発の巨大プロジェクトがスタートしており,このままでは,「機能性食品」開発のパイオニアである日本が大幅に遅れてしまうのではないか,と懸念されているのが現状である.このような背景で,研究分野の垣根を取り払って若い研究者が中心となって早急に産官学連携の体制を確立し,日本のリードによる新しい機能性食品開発の世界戦略を発足されることを期待したい.筆者らが,今,全力で研究しているのが,これらの酸化ストレスの程度を測定できる抗体を数センチ四方の1枚のチップにのせることで,1滴の血液や唾液,尿から酸化ストレスの進み具合を測定しようというプロジェクトである17).その目的は,抗肥満をはじめ,脳内老化制御,I型アレルギー抑制および抗肥満食品開発を目的とした機能性の科学的評価に必須なバイオマーカー(生体指標)のプロファイリング解析を一挙に可能にする「抗体チップ」の作製と定量法の確立であり,「特定保健用食品」(トクホ)もヒトレベルでの臨床データが認可の必須条件となっている.これらの傾向は,今後,いっそう強まり,国家レベルでの大規模介入試験の必要性が唱えられ,また,バイオマーカーに基づいた大規模な分子疫学研究の重要性も認識されてきている18).そのためにも,微量の血液や唾液,尿中に存在する「バイオマーカー」に着目し,筆者らが開発した「抗体チップ」を用いて,科学的根拠をもつ機能性食品の開発のための評価システムの開発が最終的な目標である.このプロジェクトは,科学技術振興機構(JST)による平成17年度「大学発ベンチャー創出推進事業」に選定されているので,数年のうちに,この「抗体チップ」を予防医学の分野に応用することで,未病診断を行い,各個人に適したテイラーメードの食指導が可能になるとともに,科学的根拠に基づく「機能性食品」,いわゆる,“Evidence-basedFunctionalFoods”の開発へのツールになるものと期待している19).すでに,欧米では,オランダにおける“FoodValley”のような新しい「機能性食品」開発の巨大プロジェクトがスタートしており,このままでは,「機能性食品」開発のパイオニアである日本が大幅に遅れてしまうのではないか,と懸念されている20).今後,新しい科学的根拠を基盤とした「アンチエイジング食品」が開発されることを期待する.文献1)大澤俊彦:癌.????????????????23:653-656,20032)WeindruchR:Caloricrestrictionandaging.??????274:46-52,19963)Hay?ickL:人はなぜ老いるのか─老化の生物学(今西二郎,穂北久美子訳),三田出版会,19964)SimicMG,BergtoldDS:DietaryModulationofDNADamageinHuman.????????????250:17-24,19915)大澤俊彦:食品因子による疾病予防.食品工業における科学・技術の進歩(X)(日本食品科学工学会編),p67-95,20036)大澤俊彦:生活習慣病とがん罹患リスク─肥満,脂質摂取など.医学と薬学55:311-321,20067)大澤俊彦監修:世界の機能性食品開発の動向とCODEXの指針.医薬ジャーナル41:96-103,20058)大澤俊彦:十二の食品群のバランスで健全な食生活.文藝春秋特別版7月臨時増刊号,p132-133,20039)寺尾純二,津田孝範,室田佳恵子:食用色素,生体内代謝産物の生理作用研究の将来性.色から見た食品のサイエンス(高宮和彦,大澤俊彦,グュエン・ヴァン・チュエン,篠原和毅,寺尾純二編),サイエンスフォーラム,200410)大澤俊彦:内外における新規機能性食品素材開発の近況.ジャパンフードサイエンス,p21-32,200411)大澤俊彦:ウコン.機能性食品ガイド,p300-305,講談社,200412)上野有紀ほか:抗酸化食品因子による糖尿病合併症の予防,食による動脈硬化予防の現状と展望.食と生活習慣病─予防医学に向けた最新の展開(菅原努監修),p157-165,昭和堂,200313)大澤俊彦:フリーラジカルとアンチエイジング.日本抗加齢医学会雑誌1:29-40,200514)大澤俊彦:ゴマリグナンの生化学と機能性.食の科学334:8-15,200515)中村宜督:野菜による解毒酵素誘導と生体内での抗酸化機能の向上.食の科学317:17-24,200416)大澤俊彦:発酵で高まる食品機能.??????????21:41-46,200517)大澤俊彦:酸化ストレスマーカーの免疫化学的測定法.臨床検査49:193-196,2005———————————————————————-Page10????あたらしい眼科Vol.23,No.10,2006(30)18)大澤俊彦監修:がん予防食品開発の新展開─予防医学におけるバイオマーカーの評価システム─.シーエムシー出版,200519)大澤俊彦:酸化ストレス制御因子含有植物素材の探索と評価システム.日本食品科学工学会誌52:7-8,200520)OsawaT:Chapter36:FunctionalFoods.inCriticalReviewsofOxidativeStressofAgingAdvancesinBasicScience,DiagnosticsandIntervention(edbyCutlerRG&RodriguezH),p612-623,WorldScienti?c,NewJersey,2003眼科学【監修】眞鍋禮三(大阪大学名誉教授)I.総論VIII.ぶどう膜XV.屈折・調節異常II.眼科診療室にてIX.水晶体XVI.光覚・色覚の異常III.眼瞼X.網膜硝子体XVII.全身疾患と眼IV.涙器(涙腺,涙道)XI.視路,瞳孔,眼球運動XVIII.眼のプライマリーケアV.結膜XII.眼窩XIX.眼治療学総論VI.角膜XIII.緑内障XX.付録VII.強膜XIV.斜視,弱視A.眼科略語集/B.眼科関連法律(法令)/C.リハビリテーション/D.主な眼科雑誌の紹介基礎と臨床との関連性を強く前面に打ち出し、単に眼科学の知識の羅列でなく、何故そうなるのかがわかる記載を心がけた。また、基礎編の記載でも必ず臨床を念頭においた書き方に努めることとした。教科書の内容になじまないトピックス的なものにも触れようと囲み記事として随所に配したが、勉強中の息抜きの読み物として楽しんでもらえれば幸いである。楽しみながら、そして考えながら「眼科学」を身につけることができる教科書として、広く親しまれることを願ってやまない次第である。(あとがきより)B5判2色刷り総674頁カラー写真・図・表多数収録定価23,100円(本体22,000円+税5%)メディカル葵出版〒113─0033東京都文京区本郷2─39─5片岡ビル5F振替00100─5─69315電話(03)3811─0544■内容内容■考える診療のために!あの名著が更にUp-To-Dateな情報を盛り込んで!待望の改訂版、登場!■疾患とその基礎■<改訂版>株式会社