特集●OCTを使いこなす2016あたらしい眼科33(2):197.204,2016特集●OCTを使いこなす2016あたらしい眼科33(2):197.204,2016網膜血管疾患OCTFindingsinEyeswithRetinalVascularDisease長谷川泰司*はじめに網膜血管は網膜動脈・網膜毛細血管・網膜静脈で構成される.さまざまな網膜血管疾患に伴った出血,浮腫,網膜白濁などの形態学的変化を理解する際には,網膜のどの層に変化が生じているかを意識して診察をすると,その病態を理解しやすい.OCT所見を読影する際にも病変の深さを意識することで,OCT所見への理解が深まりやすくなる.本稿では疾患頻度の多い糖尿病網膜症・糖尿病黄斑浮腫,網膜静脈閉塞症,網膜動脈閉塞症,黄斑部毛細血管拡張症を取り上げ,OCT所見の特徴,また最新の知見について述べる.I糖尿病網膜症・糖尿病黄斑浮腫糖尿病網膜症(diabeticretinopathy:DR)は毛細血管などの微小血管障害が病態の主をなしている.そのおもな病態は,①網膜毛細血管の透過性亢進による網膜浮腫,②毛細血管瘤形成,③網膜毛細血管閉塞による無灌流領域の形成,④網膜虚血による血管新生である.血管透過性亢進による糖尿病黄斑浮腫(diabeticmacularedema:DME)はDRのどの病期にも合併し,視力低下の原因となる難治な病態である.また,無灌流領域が広範に及ぶと,網膜虚血によって発現される血管内皮増殖因子(vascularendothelialgrowthfactor:VEGF)濃度が上昇し,新生血管が発生する.その結果,視神経乳頭および網膜新生血管からの硝子体出血や牽引性網膜.離,血管新生緑内障を生じ,視機能を著しく低下させる.1.OCT所見の特徴a.糖尿病黄斑浮腫DMEのOCTでは黄斑浮腫による.胞様腔内や,毛細血管瘤周囲に多数の高反射点がみられ,Bolzらはこの高反射点をhyperreflectivefociと命名した1).これらは血管外に漏出したリポ蛋白で,硬性白斑の前駆状態と考えられている.OCTで外境界膜(externallimitingmembrane:ELM)が不整になっていると,このhyperreflectivefociが視細胞層に沈着しやすく,視力予後が不良になることが報告されている2)(図1).ELMは視細胞とMuller細胞間の接着帯によって構成されており,リポ蛋白などの高分子に対してバリアの役割を果たしているため,ELMが破綻するとhyperreflectivefociが視細胞層へ沈着しやすくなり,視細胞障害を生じると考えられている.視力予後を考えるうえで中心窩網膜厚,つまり黄斑浮腫の丈の高さよりもELMやellipsoidzoneなどの網膜外層構造がどれだけ保持されているかのほうが重要な所見であり,浮腫の増減のみに注目するのでなく,網膜外層構造を常にチェックする必要がある.抗VEGF療法,ステロイド局所治療などに抵抗性を示すDME症例では内境界膜.離併用硝子体手術が有効な治療法であるが,硝子体手術前にhyperreflectivefociがすでに網膜外層に沈着していれば視力予後は不良*TaijiHasegawa:東京女子医科大学眼科学教室〔別刷請求先〕長谷川泰司:〒162-8666東京都新宿区河田町8-1東京女子医科大学眼科学教室0910-1810/16/\100/頁/JCOPY(37)197ab図1糖尿病黄斑浮腫(DME)a:フルオレセイン蛍光眼底造影では黄斑全体からのびまん性の蛍光漏出がみられる.b:抗VEGF療法を繰り返すが,浮腫の消失はえられず,網膜下腔にhyperreflectivefoci(→)が多くみられる.c:硝子体手術後に黄斑浮腫は軽減したが,中心窩下にhyperreflectivefociが集積しており,中心窩のellipsoidzoneは消失している.あたらしい眼科Vol.33,No.2,2016199(39)浮腫時の中心窩ELM不整所見との間には有意な関連があり,リポ蛋白などに対してバリアの役割を果たすELMが黄斑浮腫によって障害され,そのELM障害部位を通ってリポ蛋白を含んだ滲出液が視細胞層へ通過・沈着した所見が高反射ライン(trackline)として観察されると考えられている6)(図3).b.網膜虚血黄斑浮腫のOCTで外網状層上縁に沿って高反射ラインがみられる場合がある.Koら7)はこれを網膜虚血を示唆する所見であるとしてmiddlelimitingmembrane(MLM)と命名し,MLMがみられた症例では時間の経過とともに網膜内層萎縮を生じると報告している(図4).MLMは組織学上の構造物ではなく,外網状層が網膜動脈支配と脈絡膜血管支配の境界部にあたり,もっとも虚血の影響を受けやすいために,外網状層レベルで高反射ラインが出現すると考えられている.III網膜動脈閉塞症網膜動脈閉塞症(retinalarteryocclusion:RAO)はその閉塞部位によって,網膜中心動脈閉塞症(centralRAO:CRAO)と網膜動脈分枝閉塞症(branchRAO:BRAO)に分けられる.網膜血流支配は網膜血管系と脈絡膜血管系の2つからなり,網膜内層は網膜動脈に依存しており,網膜外層は脈絡膜血管に栄養されている.そのため,網膜動脈の閉塞によって,とくに網膜が厚い後極部では網膜内層が虚血により壊死を起こし,網膜白濁を生じる.中心窩は網膜外層のみから構成されているため,網膜動脈閉塞の影響を受けず正常の赤褐色調を保っており,CRAOの眼底では周囲の網膜白濁によって中心窩の赤褐色が際立ち,cherryredspotを呈する.CRAOは一般的に視力予後が不良であるが,BRAOでは閉塞部位に対応した暗点が残るが,視力予後は比較的良好である.1.OCT所見の特徴a.急性期虚血による網膜内層の壊死部位は,細胞内浮腫や細胞崩壊を生じるため,OCTで網膜内層の肥厚,高反射を呈する.一方,網膜外層の構造は保たれているが,内層II網膜静脈閉塞症網膜静脈閉塞症(retinalveinocclusion:RVO)は高血圧,動脈硬化などの生活習慣病患者に多くみられる疾患である.網膜静脈は網膜神経線維層を走行しており,神経線維層に沿った火炎状,刷毛状の網膜表層出血を呈することが特徴的である.黄斑浮腫を合併しやすく,静脈閉塞によって血管透過性亢進作用をもつVEGF濃度が上昇し,網膜毛細血管の内側血液網膜関門が破綻して黄斑浮腫を生じる.1.OCT所見の特徴a.黄斑浮腫内側血液網膜関門の破綻によって黄斑浮腫を生じるため,網膜内の浮腫が主であり,OCTでは外網状層,内顆粒層を中心とした.胞様腔が観察される.滲出液は網膜内を経て網膜下に移動すると考えられ,漿液性網膜.離が単独で存在することはなく,網膜膨化や.胞様変化を伴う.多くの症例で抗VEGF療法により速やかな浮腫の消失が得られるが,他の黄斑疾患と同様に,治療前・治療後ともに中心窩の網膜外層構造がどの程度保たれているかが,視力予後を占ううえで非常に重要である.OCTで正常眼のellipsoidzoneは中心窩で隆起する形状(fovealbulge)を呈している.黄斑浮腫があってもfovealbulgeが確認できる症例は視細胞層へのダメージは少ないと考えられ,その状態で浮腫が消失すれば浮腫消失後にもfovealbulgeがそのまま保たれている症例が多く,視力予後は非常に良好である4)(図2).中心窩ELMの健常性も視力予後と関連する重要な指標である.OCTで.胞様黄斑浮腫のある症例を観察すると,.胞様腔直下から網膜色素上皮に対して垂直な高反射ラインがみられる症例があり,これは.胞様腔内の滲出液が移動した所見であると報告されている5).黄斑浮腫消失後にも網膜色素上皮に対して垂直な高反射ラインがみられる症例があり,この高反射ラインにはhyperreflectivefociが含まれていることが多く,高反射ライン消失後にその部位のellipsoidzoneは限局性に欠損していることが多い6).黄斑浮腫消失後の高反射ラインの出現と黄斑網膜静脈閉塞症(retinalveinocclusion:RVO)は高血圧,動脈硬化などの生活習慣病患者に多くみられる疾患である.網膜静脈は網膜神経線維層を走行しており,神経線維層に沿った火炎状,刷毛状の網膜表層出血を呈することが特徴的である.黄斑浮腫を合併しやすく,静脈閉塞によって血管透過性亢進作用をもつVEGF濃度が上昇し,網膜毛細血管の内側血液網膜関門が破綻して黄斑浮腫を生じる.1.OCT所見の特徴a.黄斑浮腫内側血液網膜関門の破綻によって黄斑浮腫を生じるため,網膜内の浮腫が主であり,OCTでは外網状層,内顆粒層を中心とした.胞様腔が観察される.滲出液は網膜内を経て網膜下に移動すると考えられ,漿液性網膜.離が単独で存在することはなく,網膜膨化や.胞様変化を伴う.多くの症例で抗VEGF療法により速やかな浮腫の消失が得られるが,他の黄斑疾患と同様に,治療前・治療後ともに中心窩の網膜外層構造がどの程度保たれているかが,視力予後を占ううえで非常に重要である.OCTで正常眼のellipsoidzoneは中心窩で隆起する形状(fovealbulge)を呈している.黄斑浮腫があってもfovealbulgeが確認できる症例は視細胞層へのダメージは少ないと考えられ,その状態で浮腫が消失すれば浮腫消失後にもfovealbulgeがそのまま保たれている症例が多く,視力予後は非常に良好である4)(図2).中心窩ELMの健常性も視力予後と関連する重要な指標である.OCTで.胞様黄斑浮腫のある症例を観察すると,.胞様腔直下から網膜色素上皮に対して垂直な高反射ラインがみられる症例があり,これは.胞様腔内の滲出液が移動した所見であると報告されている5).黄斑浮腫消失後にも網膜色素上皮に対して垂直な高反射ラインがみられる症例があり,この高反射ラインにはhyperreflectivefociが含まれていることが多く,高反射ライン消失後にその部位のellipsoidzoneは限局性に欠損していることが多い6).黄斑浮腫消失後の高反射ラインの出現と黄斑(39)浮腫時の中心窩ELM不整所見との間には有意な関連があり,リポ蛋白などに対してバリアの役割を果たすELMが黄斑浮腫によって障害され,そのELM障害部位を通ってリポ蛋白を含んだ滲出液が視細胞層へ通過・沈着した所見が高反射ライン(trackline)として観察されると考えられている6)(図3).b.網膜虚血黄斑浮腫のOCTで外網状層上縁に沿って高反射ラインがみられる場合がある.Koら7)はこれを網膜虚血を示唆する所見であるとしてmiddlelimitingmembrane(MLM)と命名し,MLMがみられた症例では時間の経過とともに網膜内層萎縮を生じると報告している(図4).MLMは組織学上の構造物ではなく,外網状層が網膜動脈支配と脈絡膜血管支配の境界部にあたり,もっとも虚血の影響を受けやすいために,外網状層レベルで高反射ラインが出現すると考えられている.III網膜動脈閉塞症網膜動脈閉塞症(retinalarteryocclusion:RAO)はその閉塞部位によって,網膜中心動脈閉塞症(centralRAO:CRAO)と網膜動脈分枝閉塞症(branchRAO:BRAO)に分けられる.網膜血流支配は網膜血管系と脈絡膜血管系の2つからなり,網膜内層は網膜動脈に依存しており,網膜外層は脈絡膜血管に栄養されている.そのため,網膜動脈の閉塞によって,とくに網膜が厚い後極部では網膜内層が虚血により壊死を起こし,網膜白濁を生じる.中心窩は網膜外層のみから構成されているため,網膜動脈閉塞の影響を受けず正常の赤褐色調を保っており,CRAOの眼底では周囲の網膜白濁によって中心窩の赤褐色が際立ち,cherryredspotを呈する.CRAOは一般的に視力予後が不良であるが,BRAOでは閉塞部位に対応した暗点が残るが,視力予後は比較的良好である.1.OCT所見の特徴a.急性期虚血による網膜内層の壊死部位は,細胞内浮腫や細胞崩壊を生じるため,OCTで網膜内層の肥厚,高反射を呈する.一方,網膜外層の構造は保たれているが,内層あたらしい眼科Vol.33,No.2,2016199200あたらしい眼科Vol.33,No.2,2016(40)abcd図2網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)a:黄斑浮腫があってもfovealbulge(→)が確認できる.b:黄斑浮腫消失後もfovealbulge(→)は保たれており,視力も(1.2)と良好である.c:外境界膜に接した.胞様黄斑浮腫と漿液性網膜.離がみられる.d:視力は(0.8).黄斑浮腫消失後にellipsoidzoneは連続しているが平坦であり,fovealbulgeはみられない(→).abc図3網膜内の滲出液が通過した所見(trackline)a:.胞様腔直下から垂直な高反射ライン(→)がみられる.b:黄斑浮腫消失後も高反射ライン(→)が存在し,その中にhyperreflectivefociもみられる.c:高反射ラインがあった部位のellipsoidzoneは限局性に欠損している.abcd図2網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)a:黄斑浮腫があってもfovealbulge(→)が確認できる.b:黄斑浮腫消失後もfovealbulge(→)は保たれており,視力も(1.2)と良好である.c:外境界膜に接した.胞様黄斑浮腫と漿液性網膜.離がみられる.d:視力は(0.8).黄斑浮腫消失後にellipsoidzoneは連続しているが平坦であり,fovealbulgeはみられない(→).abc図3網膜内の滲出液が通過した所見(trackline)a:.胞様腔直下から垂直な高反射ライン(→)がみられる.b:黄斑浮腫消失後も高反射ライン(→)が存在し,その中にhyperreflectivefociもみられる.c:高反射ラインがあった部位のellipsoidzoneは限局性に欠損している.あたらしい眼科Vol.33,No.2,2016201(41)図4網膜中心静脈閉塞症(CRVO)a:.胞様黄斑浮腫があり,外網状層上縁に沿った高反射ライン(middlelimitingmembrane:MLM,→)がみられる.b:半年後には網膜内層の著明な菲薄化がみられる.ababcd図5網膜動脈閉塞症(RAO)a:網膜中心動脈閉塞症のために後極部の網膜は白濁し,cherryredspotがみられる.b:急性虚血のために網膜内層の高反射がみられる.網膜外層構造は正常だが,内層の高反射によるシャドーの影響で低信号となる.c:網膜静脈分枝閉塞症で中心窩上方に網膜白濁がみられる.d:網膜白濁と正常網膜の境界部では内顆粒層に限局した高反射がみられる.図4網膜中心静脈閉塞症(CRVO)a:.胞様黄斑浮腫があり,外網状層上縁に沿った高反射ライン(middlelimitingmembrane:MLM,→)がみられる.b:半年後には網膜内層の著明な菲薄化がみられる.ababcd図5網膜動脈閉塞症(RAO)a:網膜中心動脈閉塞症のために後極部の網膜は白濁し,cherryredspotがみられる.b:急性虚血のために網膜内層の高反射がみられる.網膜外層構造は正常だが,内層の高反射によるシャドーの影響で低信号となる.c:網膜静脈分枝閉塞症で中心窩上方に網膜白濁がみられる.d:網膜白濁と正常網膜の境界部では内顆粒層に限局した高反射がみられる.202あたらしい眼科Vol.33,No.2,2016(42)層毛細血管網に大別され,OCTで内顆粒層付近に限局した高反射像は深層毛細血管網の虚血を示す所見(図5)とされている.この内顆粒層付近に限局した虚血性変化は傍中心窩にみられることが多く,paracentralacutemiddlemaculopathy(PAMM)とよばれ,RAO以外にもRVO9)や鎌状赤血球網膜症10)などの循環障害でも生じることがあると報告されている.浅層毛細血管網のみの虚血がみられない原因として,浅層毛細血管網の灌流領域に比べて深層毛細血管網の灌流領域の組織内酸素分圧のほうが低く,深層毛細血管網のほうが虚血の影響をより早期から受けやすいためと考えられている11).の高反射によるシャドーの影響で低信号となる(図5).最近のYuら8)の報告では,RAO40眼における網膜白濁部位のOCT像を解析したところ,31眼(78%)では網膜内層全体が高反射を呈しており,9眼(22%)では内顆粒層付近のみに限局した高反射を呈していた.一方,網膜神経線維層・網膜神経節細胞層のみに限局した高反射を呈する症例はみられなかった.また,網膜内層全体が高反射であった31眼中7眼では,網膜白濁と正常網膜の境界部位のOCTで,内顆粒層付近のみに限局した高反射を呈していたと報告されている.網膜毛細血管網は網膜神経線維層・網膜神経細胞層に分布する浅層毛細血管網と内顆粒層の上下に分布する深ab図6黄斑部毛細血管拡張症Type1a:中心窩耳側に多数の毛細血管拡張と毛細血管瘤が存在し,旺盛な蛍光漏出がみられる.毛細血管拡張,毛細血管瘤が耳側縫線を超えて上下に存在することが特徴である.b:フルオレセイン蛍光眼底造影に対応した.胞様黄斑浮腫がみられる.ab図6黄斑部毛細血管拡張症Type1a:中心窩耳側に多数の毛細血管拡張と毛細血管瘤が存在し,旺盛な蛍光漏出がみられる.毛細血管拡張,毛細血管瘤が耳側縫線を超えて上下に存在することが特徴である.b:フルオレセイン蛍光眼底造影に対応した.胞様黄斑浮腫がみられる.あたらしい眼科Vol.33,No.2,2016203(43)b.慢性期網膜動脈から血流を受ける網膜内層の萎縮,層構造の不明瞭化を生じる.IV黄斑部毛細血管拡張症黄斑部毛細血管拡張症(maculartelangiectagia:MacTel)は黄斑部毛細血管拡張とそれに伴う視機能低下を特徴とする疾患群の総称である12).MacTelType1は男性に多く,片眼性である.中心窩耳側の毛細血管拡張・毛細血管瘤とそこからの滲出性病変を特徴とする.MacTelType2では性差はなく,両眼性である.毛細血管瘤,.胞様黄斑浮腫,硬性白斑などの滲出性変化は伴わず,Muller細胞の変性萎縮が主病像であり,毛細血管拡張は二次的な変化であると考えられている.日本人ではType1が多く13),白人ではType2が多いと報告されている.Type1とType2は同じ黄斑部毛細血管拡張症というカテゴリーに一括されているが,これらは異なる病態を背景とした疾患であることを知っておくことは重要である.1.OCT所見の特徴a.MacTelType1OCTでは多発性の毛細血管瘤からの滲出を反映した.胞様黄斑浮腫を認める(図6).しかし,糖尿病黄斑浮腫や陳旧性BRVOに伴った黄斑浮腫のOCT像も同様の所見をとりうるため,OCT所見のみから鑑別をすることはできない.MacTelType1では,中心窩耳側の毛細血管瘤や毛細血管拡張などの血管変化が,耳側縫線を超えて上下に存在することが特徴的である.DMEは両眼性で,毛細血管瘤の分布が全体に散在性にみられる.糖尿病歴の聴取も鑑別において重要である.陳旧性BRVOでは動静脈交叉部位を起点とした閉塞静脈を確認できる,毛細血管瘤などの血管変化が動静脈交叉部位を頂点とした分布をとるなどの特徴がある.b.MacTelType2OCT所見の特徴として,①網膜厚の増加はみられず,むしろ減少することが多い,②中心窩ellipsoidzoneの消失,③フルオレセイン蛍光眼底造影(fluoresceinangiography:FA)での蛍光漏出や貯留と一致しない網膜の萎縮,.胞様変化などがあげられる14)(図7).ab図7黄斑部毛細血管拡張症Type2a:中心窩耳側に蛍光漏出がみられる.b:中心網膜厚は菲薄化し,innerlamellarcystとよばれる.胞様変性所見がみられる.また,左眼ではellipsoidzoneの欠損もみられる.蛍光漏出と.胞腔の部位は必ずしも一致しない.ab図7黄斑部毛細血管拡張症Type2a:中心窩耳側に蛍光漏出がみられる.b:中心網膜厚は菲薄化し,innerlamellarcystとよばれる.胞様変性所見がみられる.また,左眼ではellipsoidzoneの欠損もみられる.蛍光漏出と.胞腔の部位は必ずしも一致しない.-