特集●全身疾患と眼:これがホットなトピックス!あたらしい眼科33(7):963〜969,2016AIDSAcquiredImmunodeficiencySyndrome山本裕香*八代成子*はじめに1983年に後天性免疫不全症候群(acquiredimmunodeficiencysyndrome:AIDS)の原因がヒト免疫不全ウイルス(humanimmunodeficiencyvirus:HIV)感染症であると判明してからすでに30年以上が経過しており,当時死のウイルスと謳われた衝撃的なマスコミ報道を知らない若手医師が少なくない時代に突入した.HIVはレトロウイルス科レンチウイルス属に属する一本鎖RNAウイルスで,逆転写酵素をもち,二本鎖DNAに変換され宿主のなかで増殖する.HIVがCD4陽性Tリンパ球に感染すると,細胞性免疫が低下することによりさまざまな病気を引き起こされる.HIV感染症は,わが国では第5類感染症に指定されている疾患である.AIDSはHIV陽性が判明しただけでは診断には至らず,持続感染により細胞性免疫が高度に障害された状態をさす.わが国では,HIV感染者が「サーベイランスのためのエイズ指標疾患」(表1)のいずれかを発症することをAIDS発症と定義している1).本稿ではHIV感染症に合併した眼病変における概要について,診断のポイントを中心に概説する.IHIV感染症に関連する眼疾患HIV感染による細胞性免疫の低下が発症に関与する日和見眼感染症の代表として,サイトメガロウイルス(cytomegalovirus:CMV)網膜炎があることはよく知られているが,これ以外にも実に多くの眼疾患を合併することはあまり知られていない(表1).HIV感染症で興味深い点は,これらの疾患の発症や悪化は,宿主の細胞性免疫と深く関連していることである.細胞性免疫能はCD4陽性Tリンパ球数が指標となり,正常値は700~1,000/μlとされているなか,CD4陽性Tリンパ球数が200/μl未満になると多くの日和見感染症を発症する.逆に合併した眼感染症から,患者の免疫状態を推測することもできる.主たる網脈絡膜疾患と免疫能の指標であるCD4陽性Tリンパ球数との経時的な関係を図1に示す.以下,代表的な眼疾患について説明する.1.HIV網膜症HIV感染による細胞性免疫の低下が発症に関与する日和見眼感染症が存在することは理解できる.ではHIVが直接関与する眼病変はどのような疾患があるのかと問われると,多くの眼科医は回答に困るのが現状であろう.実はHIVに対する抗原抗体反応による微小循環障害により,網膜に点状出血や綿花様白斑を生じるHIV網膜症が最多の病変なのである(図2).発症率は報告により25~92%と差があるが2),傍中心窩に病変が存在しない限り自覚症状はなく,CD4陽性Tリンパ球数が高値であっても発症するため,健康診断などで発見され,糖尿病や高血圧,膠原病の精査を勧められるケースもある.若年男性の両眼に後極部を中心に軟性白斑が多発していた場合には,HIV感染症も鑑別の一つとしてあげていただきたい.数カ月以内に消失・再燃を繰り返し,HIV治療の基本である多剤併用療法によりウイルス量が減少すると眼所見は消退する.2.CMV網膜炎ヒトヘルペスウイルス(humanherpesvirus:HHV)5,一般名CMVは二本鎖DNAをもつヘルペスウイルス科最大のウイルスで,病理組織像ではウイルスが感染した細胞に“フクロウの眼”に類似した巨細胞封入体を連想する眼科医も多いのではないかと思う.近年ではCMV角膜内皮炎やPosner-Schlossman症候群の原因ウイルスとして健常者における感染が話題となったが3),本来は日和見感染をきたすウイルスとして広く知られており,代表的なエイズ指標疾患に含まれるウイルス感染症である.わが国においてCMV網膜炎の診断基準は明確に示されていない.PCR(polymerasechainreaction)検査の普及に伴い,ルーチン検査のごとく前房水や硝子体液を採取しreal-timePCR法でCMVゲノムを病理組織学的に証明する傾向にあるが,網膜全層の浮腫と壊死を主体とする網膜病変は,一度経験すれば忘れられないほど特徴的な眼所見のため(図3)4),臨床的な診断が十分に可能な疾患である.光干渉断層計(opticalcoherencetomography:OCT)を用いて病巣部を観察すると,網膜全層は浮腫と同時に早期より壊死をきたしており(図4),診断の助けになる.米国ではAIDSClinicalTrialsGoup(ACTG)criteriaにおけるCMV網膜炎の診断基準(表2)が示されているが5),眼局所におけるPCR検査結果は項目に含まれていない.急性網膜壊死との鑑別診断に苦慮する場合などを除き,不必要な検査は患者の負担や医療経済を考える面でも避けるべきであろう.治療はガンシクロビルの点滴静注が第一選択となり,病巣の発症部位や大きさ,副作用の有無に応じてバルガンシクロビル経口投与やホスカルネットの点滴静注,ガンシクロビルまたはホスカルネットの硝子体内注射を単独あるいは併用する.裂孔原性網膜剝離を合併した場合は,外科的治療の適応となる.病巣の大きさや剝離の程度に応じて,硝子体切除術,眼内光凝固術,輪状締結術,長期滞留ガスまたはシリコーンオイル注入を組み合わせる.適切な時期に治療が施行されれば予後も急性網膜壊死ほど悪くない.3.免疫回復ぶどう膜炎かつては不治の病とされていたAIDSだが,90年代後半になると非核酸系逆転写阻害薬,プロテアーゼ阻害薬,インテグラーゼ阻害薬などを用いたHIVに対する多剤併用療法が出現し,患者の生命予後は劇的に改善した.そして,これら治療薬の出現により,HIV感染症に合併する日和見感染症のコントロールも容易になった.CMV網膜炎も例にもれず,抗CMV療法を中断するとCMV網膜炎の再発を繰り返していた患者が,多剤併用療法後にCD4陽性Tリンパ球数が増加すると,自己の免疫力によりCMVを鎮静化させることが可能となり,抗CMV療法中断後にも再発をきたすことなく網膜病変を鎮静化することができるようになった.まさに夢の治療と誰もが思った矢先に,鎮静化したCMV網膜炎既存眼に,多剤併用療法導入後数日~数カ月以内に硝子体炎が生じることが判明した6).発症機序は未だ解明されていないが,多剤併用療法によりCMV特異的T細胞の反応が回復すると,すでに鎮静化したCMV網膜炎病巣辺縁の細胞内でわずかに複製される残存CMV抗原が,免疫反応によりぶどう膜炎を顕在化させるとの説が有力である.たとえていえばウイルスと闘う力をもたずただただ侵略されていた網膜が,多剤併用療法という糧を得て闘う力を回復したがために炎症という戦争状態に陥った状態といえよう.後に黄斑浮腫や白内障を代表とする続発病変も含めて免疫回復ぶどう膜炎(immunerecoveryuveitis:IRU)とよばれるようになった.未治療で自然寛解するものから重篤な視力低下をきたすものまで,さまざまな重症度の病変が存在する.治療はわずかに残存する病原体に対する抗CMV療法が主体となり,必要に応じて多剤併用療法の一時中断やステロイド薬による免疫反応の抑制が主体となるが,基本的にはCMV網膜炎の治癒過程における好ましくない炎症反応である.眼科領域以外でも多剤併用療法導入後に既存の日和見感染症の悪化や新たな病変の出現などが出現し,免疫再構築症候群(immunereconstitutioninflammatorysyndrome:IRIS)とよばれるようになった.便宜上,多剤併用療法後に新たなCMV網膜炎がみられた場合にはIRISとよんでいるが,ウイルスが存在していたにもかかわらず検眼鏡的に病変が発見されなかったと考えれば,両者は同じ病態と考えられる.近年ではHIV感染患者以外におけるIRUの報告も散見される7).4.進行性網膜外層壊死1990年にFosterらはAIDS患者において急性網膜壊死(acuteretinalnecrosis:ARN)に類似するものの,ARNにみられる網膜出血や血管炎や前眼部および硝子体混濁といった炎症所見を伴うことなく,きわめて急速に網膜壊死が後極に向かって進行する予後不良な疾患を発見し,進行性網膜外層壊死(progressiveouterretinalnecrosis:PORN)と名付けた8).ARNと同様に起因ウイルスは水痘・帯状疱疹ウイルスおよび単純ヘルペスウイルスだが,免疫不全患者ではマクロファージを除き炎症細胞はほとんど惹起されないため,前房内や硝子体,網膜内層で炎症反応を生じることなく,ウイルスによる直接的な障害により網膜外層から急激に壊死が進行する(図5).起因ウイルスが同じでも,宿主の免疫能の違いにより臨床像に違いが出る点は非常に興味深い.しかし,実際の臨床の場において,明確にARNとPORNを分類することは困難で,両者の中間に位置する病変も多く存在する.帯状疱疹はエイズ指標疾患に含まれていないが,AIDS患者では健常者の15倍と高い頻度で合併する.PORNの多くは帯状疱疹が先行していることが多いため,帯状疱疹の既往歴があるAIDS患者では,常にPORNを念頭におく必要がある.ARNの治療はアシクロビルが第一選択となるが,帯状疱疹が先行したPORNでは,アシクロビルの長期投与により耐性が生じている可能性が高いため,CMV網膜炎に準じた治療を選択する.5.梅毒性ぶどう膜炎スピロヘータ属の一つであるTreponemapallidumの感染による全身性の感染症で,胎盤感染により生じる先天梅毒を除き,古くから知られている性感染症の代表的疾患の一つである.わが国では第5類感染症に指定されており,1987年をピークに感染者数は減少していたが,2010年以降とくに都市部のHIV非感染患者,とくに女性において急激な増加傾向がみられ,2016年の感染症派生動向調査週報でも「注目すべき感染症」として梅毒を取り上げている.世界的にも感染者数が増加しており,古くて新しい性感染症として認識せねばならない疾患である.エイズ指標疾患ではないがHIVとの混合感染も多く,合併すると重症化することが多いとされている.梅毒性ぶどう膜炎は多彩な眼所見を呈し,CMV網膜炎のように眼底検査を行えば臨床診断ができるといった類の疾患ではないが,虹彩炎,硝子体混濁,散在性網脈絡膜炎,網膜血管炎,視神経炎などがみられることが多い.とくに網膜動脈炎をきたす疾患はまれなため,血管炎のなかでも動脈炎がみられる場合には梅毒を疑う必要がある.予後は比較的良好だが,診断が遅れると視力予後に影響を与えるため9),早期診断が望まれる.診断は梅毒血清反応が必須となる.ぶどう膜炎以外にも眼科領域では,梅毒第I期には眼瞼・結膜の硬結,第II期には結膜炎や虹彩炎,第III期には眼瞼ゴム腫やArgyllRobertson瞳孔がみられる.皮疹は特徴的で,ばら疹や丘疹性梅毒疹,梅毒性乾癬などが第II期以降に出現する.腹部の診察は眼科医にとっても患者にとっても抵抗があるが,手指の診察は容易である.軽度の虹彩炎であっても手指に皮疹がみられた場合は,梅毒を疑い結膜充血や瞳孔異常の有無を確認し精査を行うべきである.治療は海外ではペニシリンGの筋注単回投与が一般的であるが,わが国では経口合成ペニシリン剤が用いられ,先天梅毒や神経梅毒を合併した場合にはベンジルペニシリンカリウムもしくはセフトリアキソン点滴静注が行われている.梅毒性ぶどう膜炎の治療にも,わが国では経口合成ペニシリン剤が用いられることが多いが,眼梅毒の多くは神経梅毒を合併しているため,米国疾病予防管理センター(CenterforDiseaseControlandPrevention:CDC)の提唱するガイドラインでは神経梅毒に準じた治療を奨励している10).6.伝染性軟属腫伝染性軟属腫はポックスウイルス科の伝染性軟属腫ウイルス(molluscumcontagiosumvirus)による感染症で,わが国では4型に分類される.いわゆる“水いぼ”とよばれるウイルス性皮膚疾患で,一般には幼児期から学童期の子供やアトピー性皮膚炎患者にみられる疾患だが,性感染症として陰部に発症することもある.HIV感染者の1~2割に合併し,CD4陽性Tリンパ球数が100/μl未満で多く発症する.健常者ではおもに四肢に発症し自然治癒があるのに対し,HIV感染患者の場合は難治性で顔面に多発することが特徴で,ときに巨大化または疣贅化し,尋常性疣贅との鑑別が困難になることもある.眼瞼部に多発することも多いため,日常診療で眼瞼を含む顔面に多発する“水いぼ”を診たときには,HIV感染症を疑い精査を勧めることも重要である.7.カポジ肉腫AIDSといえば痩せた体に多くの腫瘤を合併しているイメージがあるのではないだろうか?カポジ肉腫はAIDS患者の5~10%に合併し,エイズ指標疾患にあげられる重要な疾患の一つである.病因はヒトヘルペスウイルス8(humanherpesvirus8:HHV-8),一般名カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(Kaposi’ssarcomaassociatedherpesvirus)感染により生じる感染症の一つで,皮膚や口腔内粘膜,消化管などを中心に血管内皮細胞由来の腫瘍を形成する.健常者の1%はHHV-8陽性である.通常の免疫状態では発症しないが,CD4陽性Tリンパ球数が200/μl以下になると発症する.わが国でみられるカポジ肉腫のほとんどは男性間性的接触により感染するAIDS関連カポジ肉腫で,まれに臓器移植の際の免疫抑制薬使用中に発症する医原性カポジ肉腫も存在する.眼科領域ではまれに眼瞼や結膜に暗赤色隆起性病変を生じる.眼瞼に発症すると眼瞼皮下出血や霰粒腫に類似した形を呈する.結膜のカポジ肉腫は下眼瞼結膜円蓋部に好発するため,眼瞼を反転してはじめてわかることもある(図6).初期にはアレルギー性結膜炎や結膜下出血,拡大すると血管腫と誤診されることも多い.初診時にこれらをカポジ肉腫と診断することはまず不可能に近いが,所見が治療に抵抗し,経過とともに改善しない場合は,鑑別疾患としてカポジ肉腫を頭に浮かべてほしい.鼻尖部や口腔内にも病変が同時にみられることが多いため,診断に迷った場合は口腔内を診察させていただくことにより,疑いが確信に変わるかもしれない.治療はドキソルビシンのプロドラッグであるリポソーマルドキソルビシンが著効するが,CMV網膜炎と同様に,HIVに対する多剤併用療法による免疫能の改善だけで,軽い病変は消退することもある.8.その他の疾患トキソプラズマなどの原虫や,ニューモシスチスカリニ,クリプトコッカスなど真菌症はエイズ指標疾患に含まれるものの,眼合併症はわが国においてはまれなうえ,先進国においても多剤併用療法出現後の発症率は著明に低下した.一方,わが国における結核の有病率は他の先進国と比べ高く,HIVのウイルス量増加ともに加速度的に増加するため,粟粒結核合併例ではとくに結核性ぶどう膜炎の発症に注意を要する.また,結核はIRISを発症しやすい疾患の一つであるため,多剤併用療法導入後は注意深い経過観察が必要である.結核や非結核性抗酸菌症の治療薬であるリファブチンは薬剤性ぶどう膜炎をきたすことがあるため,使用にあたっては眼科医との連携が重要なことを内科医も認識する必要がある.非ホジキンリンパ腫はエイズ指標疾患に含まれ,HIV感染患者における発症頻度は健常者の60~200倍と高頻度に発症する.段階では非感染性の腫瘍性疾患に分類されるが,EBウイルス(Epstein-Barrvirus)が関与しているという説もある.眼内悪性リンパ腫はぶどう膜炎に類似した所見(仮面症候群)を合併するため,免疫能の低下したHIV感染患者におけるぶどう膜炎では,鑑別疾患として念頭に置かねばならない.おわりに2014年末現在,世界のHIV陽性者数は3,690万人に達した.一方,わが国におけるHIV陽性患者数は2万人を超えた程度で,世界のHIV陽性者数と比較するとごく少数である.しかし,新規HIV感染者数は世界的には年間200万人と2000年と比べ35%も減少しているにもかかわらず,わが国では1,091人と,未だ過去3位の患者数を計上している.多くの先進国で新規HIV感染者数が著明に減少するなか,啓発活動にもかかわらずわが国では未だ横ばいに甘んじていることは大変遺憾である.わが国では2000年代に入り多剤併用療法(antiretroviraltherapy:ART)が治療の標準となると,生命予後が劇的に改善したことにより,慢性感染症としての問題点も浮上してきた.患者の高齢化による白内障の増加や,多剤併用療法の副作用である高血糖やリポジストロフィーによる糖尿病網膜症や網膜中心静脈閉塞症など,従来の日和見感染症とは異なる,ごく一般的な眼合併症の増加が懸念される.検診などを介して一般眼科医がHIV感染症を発見する機会も増加すると思われる.HIV関連眼疾患が実は身近な疾患となりつつある現状を,十分に認識する必要がある.文献1)厚生労働省エイズ動向委員会:サーベイランスのためのHIV感染症/AIDS診断基準.平成26年エイズ発生動向年報.20072)WhitcupSM:Acquireimmunodeficiencysyndrome.In:NussenblattRB,WhitcupSM:Uveitis-fundamentalsandclinicalpractice.3rdedition,p185-200,Mosby,Philadelphia,20043)KoizumiN,YamasakiK,KawasakiSetal:Cytomegalovirusinaqueoushumorfromaneyewithcornealendothelitis.AmJOphthalmol141:564-565,20064)八代成子:サイトメガロウイルス網膜炎.薄井紀夫,後藤浩編,眼感染症診療マニュアル.p278-285,医学書院,東京,20145)WohlDA,KendallMA,AndersenJetal:LowrateofCMVend-organdiseaseinHIV-infectedpatientsdespitelowCD4+cellcountsandCMVviremia:resultsofACTGprotocolA5030.HIVClinTrials10:143-152,20096)KaravellasMP,LowderCY,MacdonaldJCetal:Immunerecoveryvitritisassociatedwithinactivecytomegalovirusretinitis:Anewsyndrome.ArchOphthalmol116:169-175,19987)MiserocchiE,ModoratiG,BrancatoR:Immunerecoveryuveitisinaniatrogenicallyimmunosuppressedpatient.EurJOphthalmol15:510-512,20058)ForsterDJ,DugelPU,FrangiehGTetal:Rapidlyprogressiveouterretinalnecrosisintheacquiredimmunodeficiencysyndrome.AmJOphthalmol110:341-348,19909)TsuboiM,NishijimaT,YashiroSetal:PrognosisofocularsyphilisinpatientsinfectedwithHIVintheantiretroviraltherapyera.SexTransmInfect2016Apr4.〔Epubaheadofprint〕10)WorkowskiKA,BolanGA:Sexuallytransmitteddiseasestreatmentguidelines,2015.MMWRRecommRep64:1-137,2016表1エイズ指標疾患およびHIV感染症に関連する眼疾患エイズ指標疾患HIV感染症に関連する眼疾患エイズ指標疾患に関連する眼疾患その他の眼疾患A.真菌症1.カンジダ症(食道・気管・気管支・肺)2.クリプトコッカス症(肺以外)3.コクシジオイデス症4.ヒストプラズマ症5.ニューモシスチス肺炎・カンジダ性眼内炎・クリプトコッカス網脈絡膜炎・ヒストプラズマ性網脈絡膜炎・ニューモシスチス脈絡膜症B.原虫症6.トキソプラズマ脳症7.クリプトスポリジウム症8.イソスポラ症・トキソプラズマ網脈絡膜炎C.細菌感染症9.化膿性細菌感染症10.サルモネラ菌血症11.活動性肺結核12.非結核性抗酸菌症・結核性ぶどう膜炎・非結核性抗酸菌症による網脈絡膜炎・梅毒性ぶどう膜炎・強膜炎D.ウイルス感染症13.サイトメガロウイルス感染症14.単純ヘルペスウイルス感染症15.進行性巣性白質脳症・サイトメガロウイルス網膜炎・角膜ヘルペス・進行性巣性白質脳症(視野異常)・免疫回復ぶどう膜炎・進行性網膜外層壊死/急性網膜壊死/眼部帯状疱疹・眼瞼伝染性軟属腫E.腫瘍16.カポジ肉腫17.原発性脳リンパ腫18.非ホジキンリンパ腫19.浸潤性子宮頸癌・眼瞼・結膜カポジ肉腫・眼内悪性リンパ腫F.その他20.反復性肺炎21.リンパ性間質性肺炎/肺リンパ過形成22.HIV脳症23.HIV消耗性症候群・HIV網膜症・HIV関連視神経炎・薬剤性ぶどう膜炎(シドフォビル・リファブチン)CD4陽性Tリンパ球数(/μml)仮面症候群(悪性リンパ腫)進行性網膜外層壊死感染後経過時間急性網膜壊死50020050図1HIV感染に伴う代表的な網脈絡膜疾患HIV感染後の時間経過によるCD4陽性Tリンパ球数の減少と発症する網脈絡膜疾患との関係.図2HIV網膜症後極部を中心に軟性白斑が多発している.図3急性期のCMV網膜炎(後極部血管炎型)網膜出血と浮腫を伴う黄色滲出斑を形成しており,樹氷状血管炎を伴う.(文献4より引用)図4急性期のCMV網膜炎(OCT画像)網膜全層は浮腫と同時に壊死をきたしはじめ,炎症細胞が硝子体内に多数みられる.表2ACTGcriteriaにおけるCMV網膜炎の診断【ConfirmedCMVretinitis】①白斑または灰白色の網膜壊死を含む典型的な病巣が存在する.出血の有無は問わない.②病巣部には不規則な固い顆粒状ボーダーが存在する.③硝子体の炎症はないか,あっても軽度.④経験豊富な眼科医による間接鏡を用いた眼底検査がなされている.⑤別の眼科医による眼底写真の読影がなされている.【ProbableCMVretinitis】⑤を除き①から④を満たすもの.図5進行性網膜外層壊死(PORN)網膜出血や硝子体混濁などを伴わずに白色病変が急速に後極に向かって進展している.図6下眼瞼に発症した結膜カポジ肉腫結膜円蓋部に暗赤色隆起性病変がみられる.*YuukaYamamoto&*ShigekoYashiro:国立国際医療研究センター病院眼科〔別刷請求先〕八代成子:〒162-0052東京都新宿区戸山1-21-1国立国際医療研究センター病院眼科0910-1810/16/¥100/頁/JCOPY(37)963964あたらしい眼科Vol.33,No.7,2016(38)(39)あたらしい眼科Vol.33,No.7,2016965966あたらしい眼科Vol.33,No.7,2016(40)(41)あたらしい眼科Vol.33,No.7,2016967968あたらしい眼科Vol.33,No.7,2016(42)(43)あたらしい眼科Vol.33,No.7,2016969