●シリーズ後期臨床研修医日記東北大学病院眼科学教室菊地明日香佐藤茉莉華鈴木哲章矢花武史外来当科の外来は曜日ごとに,網膜外来,緑内障外来,神経斜視外来,角膜ドライアイ外来と分かれています.研修医は2カ月ごとに手術日と外来日が入れ替わり,それぞれの専門外来をローテートするしくみになっています.1年目研修医はおもに他院からの紹介の新患を診察します.診察し,検査の指示を出し,検査結果をもとに自分で診断や方針を考えたうえで,その日の診断医にコンサルトします.必要に応じて,その後の外来での経過観察も自分で担当します.もちろん,まだまだ1人では何も決められないので,その都度,上級医に相談しながら経過観察を行います.そのほか,入院中に担当した患者の術後の経過も,同様に上級医に相談しながら診ていきます.1年目のうちは,忙しくなりすぎないように配慮されていて,1日に診る患者の数はあまり多くありませんが,2年目になると,新患や術後以外の経過が長い再診の患者もたくさん診るようになり,とても忙しそうです.1年後の自分たちが,あんなにテキパキと仕事をこなせるようになるなんて想像もつきません.また,外来日のうち1日は処置係になります.処置係の仕事としては,FA/IAのライン取りと撮影が主で,そのほか,眼圧測定,睫毛抜去,涙点プラグの挿入,硝子体注射,点眼作成などを行います.週2回ある網膜外来の日のFA/IAは鬼のように忙しく,研修医1人では手に負えないので,ベテランのORTさんが手伝ってくれ,とても助かっています.外来は9時から17時までで,外来の前には病棟の担当患者の診察,夕方には新入院患者の診察とムンテラを行います.また,曜日ごとに各専門分野のカンファレンスがあり,新患の振り返りや治療に迷っている症例について話し合いをします.外来患者が多かった日には,カンファレンスのあとで外来に戻り,新患返礼状などの仕事をして,長い1日がやっと終わります.(菊地明日香)病棟病棟では後期研修医1あたり常時6人前後の患者を受け持ち,1人の患者さんに対して上級医1人が指導医としてつきます.月曜から日曜日まで毎日診察をしますが,平日は外来業務や手術が始まる前までに診察を終えなければなりません.また毎週2回手術日の担当があり,その翌日は8時半から術後回診が始まります.起床時間はその時の受け持ち患者さんの人数によってかわりますが,6時半頃から診察を始めなければ間に合わないということもあります.しょぼくれた目を何とかこじ開けながら病棟へやってきますが,朝が苦手な夜型人間にとっては大変な試練となります.写真1仲良し同期4人後列左から時計回りに矢花,鈴木,菊地,佐藤.(79)あたらしい眼科Vol.31,No.4,20145570910-1810/14/\100/頁/JCOPY写真2業務に奮闘する研修医夜遅くまで指示入力やカルテ記載を頑張っています.7時半過ぎから朝食が配られ始めるため,誰から診察を始めるか,瞬時に仕事モードになって計画をたてます.しかも朝の診察室は大変混雑し,4台あるスリット台はほぼ満席です.患者さんを呼ぶ声や,「上見てくださーい,右上見てくださーい」という声が行き交い,診察室は早朝から大変にぎわいます.木曜日は朝8時半から教授回診です.皆サマリーを前日までにカルテに書き出し,データを見直したり教科書を読んだりして備えますが,教授からは予想できない鋭い質問が飛んできます.しかしそのおかげで,私たちは重要な点を見逃していたことに気づきます.教授回診は毎回新たな発見の連続で,大変勉強になります.さて,朝の診察が終わると研修医は外来や手術へ散り散りとなり,それらの激務終了後,病棟へ帰ってきます.この頃にはフラフラですが,それでも仕事は待ってくれません.状態が不安定な患者さんの診察や処置をしたり,手術のために入院してきた患者さんのムンテラや診察をしたり,翌日入院してくる患者さんの準備をしたり,各々の仕事にとりかかります.お腹が鳴りますが,仕事が終わるまでは我慢です.個人的には自炊がどうしても怠りがちになるのが悩みの種です.そしてすべての仕事が終わる頃には,病棟はすでに消灯後であり,ほの暗くなっています.(佐藤茉莉華)手術1週間のうち月曜と火曜,水曜,金曜日が手術日です.普段は2室を使って局所麻酔下の手術を行い,金曜日は558あたらしい眼科Vol.31,No.4,2014全身麻酔下の手術も行うので,3室並行で手術が進行します.患者さんは9時に入室するので,それまでに機材のセッティングや薬剤の準備など,事前準備を済ませておかなければいけません.きまって更衣室のロッカーはガラガラで,他のどの科の医師よりも早く手術室に向かいます.手術の内容は,外眼部手術,白内障手術,緑内障手術,硝子体手術とさまざまです.私たち後期研修医1年目は,最初に外回りの仕事を覚え,次に助手として手術に参加し,そして少しずつ手術操作を教わっていきます.一口に白内障手術といっても,術式一つとってもアプローチや創口の位置,使う器具など,執刀する先生によって細かな違いがあり,気が抜けません.おもに担当患者の助手に入り,それ以外では外回りをして定期手術は17時前後に終わります.(鈴木哲章)休日土曜日は朝8時30分から,金曜に手術をした患者さんの術後回診があります.この頃になると1週間の疲れもピークにあり,早起きがとても辛いですが,午後からゆっくりできるぞと最後の力を振り絞ります.術後回診,入院患者さんの診察,日曜入院の患者さんの指示だしを終えれば,その日の業務は終了です.午後からはそれぞれの時間を過ごします.また,土曜日は講演会や後期研修医向けの勉強会なども多く企画されており,まとまった知識を得るチャンスです.もちろん,その後のおいしいご飯やお酒が目当てであったりもします.日曜は普段より遅めに出勤し,入院患者さんの診察を〈プロフィール〉菊地明日香(きくちあすか)東北大学卒業,石巻赤十字病院で初期研修2年間終了後に眼科入局.佐藤茉莉華(さとうまりか)山形大学卒業,大崎市民病院で初期研修2年間終了後に眼科入局.鈴木哲章(すずきのりゆき)秋田大学卒業,雄勝中央病院で初期研修2年間終了後に眼科入局.矢花武史(やばなたけし)山形大学卒業,東北大学病院で初期研修2年間終了後に眼科入局.(80)行います.月曜日に手術の担当があれば,日曜入院の患者さんの診察も行います.それらを終えて長い1週間が終わります.眼科の知識や手技は特殊であり,覚えることも多く,日々の診療や学会発表の準備などなかなか忙しい日々を過ごしていますが,その一方で,頑張っている自分に充中澤徹先生が平成23年9月に主任教授に着任し,早いもので丸2年が経過しました.休む間もなく現在に至った感がありますが,東北大学眼科学教室では臨床,研究,教育においてさらに充実したシステムを確立し進めてまいりました.そのような中で,菊地,佐藤,鈴木,矢花の新人4人の先生方はすくすくと成長しており,例年にも増して,病棟,外来,研究とすべてに全力投球しており,本当に嬉しく思います.同窓会では,多数の先輩方の前での新人発表会も立派にこ指導医からのメッセージ実感も感じています.まだ眼科医になって間もないですが,たくさんの先生方や視能訓練士(ORT)さん,看護師さんに支えられながら,これからも切磋琢磨していきたいと思います.(矢花武史)なし,そのまま英語論文になるほどの内容のものも見受けられました.来年度にはすぐ次の新人が入ってきます.先生方は2年目になり新人に教え,また教えられながら,成長した自分を少しずつ実感できると思います.患者さんの視機能を常に考えながら,これからも共に良い仕事を行っていきましょう.(東北大学大学院医学系研究科神経感覚器病態学講座眼科学分野准教授・教育主任國方彦志)☆☆☆(81)あたらしい眼科Vol.31,No.4,2014559