特集●わかりやすい緑内障薬物のお話あたらしい眼科29(4):457.466,2012特集●わかりやすい緑内障薬物のお話あたらしい眼科29(4):457.466,2012プロスタグランジン関連薬・b遮断薬系のジェネリックGenericDrugsforGlaucomaTreatment─ProstaglandinsandBeta-blockers岩瀬愛子*I後発医薬品(ジェネリック)とその評価について後発医薬品(以下,後発品)は,先発医薬品(以下,先発品)と有効成分が同一であり,かつ用法・用量が同一であるものをいい,先発品の特許が切れると承認申請可能であるため,それ以降発売され始める.後発品は,従来からもあったが最近になって,医療費増加を阻止するため,政策的に後発品の使用が推奨されていることで使用者が増加している.平成24年4月の診療報酬改定においては,「後発品が存在する医薬品について,薬価基準に収載されている品名に代えて,一般的名称に剤形及び分量を付加した記載の処方箋を交付すること」が奨励されている(「一般名処方加算」の算定).ジェネリック医薬品とは,「医薬品の一般名」のことであり,一般名処方の場合は,患者は,先発品からすべての後発品までのなかから選択する自由がある.この政策が成功すれば,今後,今まで以上に後発品の普及が進むものと思われる.ここで注意がいるのは,米国では後発品は,主成分・添加物ともに先発品と同一であることが求められているが,日本では,主成分だけが同一であれば後発品として許可され,まだ米国のような評価体制は確立していないことである.米国では,FDA(米国食品医薬品局)が承認医薬品と治療同等性評価のランキングを公表しており(オレンジブック)評価環境が整備されているので,安全性・有効性についての情報が得られることの意味は大きい.日本では,先発品の承認申請時に必要であるさまざまなデータは,後発品には不必要とされ,「規格および試験方法」「安定性(加速試験)」「吸収,分布,代謝,排泄に関する資料(生物学的同等性)」のみの提出が義務づけられている1)(表1).現状では,わが国の承認方法により「同等である」と判断されても,長期使用における「臨床効果」や「安全性」についての情報が不十分である.後発品にのみ使用されていて,先発品での証明が得られていない「添加物」(表2)2)についての情報がないことは,特に緑内障治療などのように,長期連用する場合に影響は大きいと考える.後発品の承認のための3項目のうちの一つである「生物学的同等性の評価」については,通常の薬物では血液を採取し,AUCt(血中濃度時間曲線下面積)およびCmax(最高血中濃度)を評価パラメータとして,バイオアベイラビリティ(未変化体または活性代謝物が体循環血中に入る速度と量または作用部位に到達する速度と量)を比較するとされる.この評価のガイドラインは,平成9年12月22日の医薬審第487号,平成12年2月14日医薬審第64号,第67号,平成13年5月31日医薬審第786号,平成18年11月24日薬食審査発第1124004号,そして平成24年2月29日付けの各「生物学的同等性試験ガイドライン」3)で示されてきたものの,点眼薬については平成18年11月24日薬食審査発第1124004の「局所皮膚適用製剤の後発医薬品のための生物学的同等性ガイドライン」4)に従うという記載の*AikoIwase:たじみ岩瀬眼科〔別刷請求先〕岩瀬愛子:〒507-0033多治見市本町3-101-1クリスタルプラザ多治見4Fたじみ岩瀬眼科0910-1810/12/\100/頁/JCOPY(23)457表1先発品と後発品の承認申請に必要な書類の違い添付資料先発医薬品後発医薬品起源または発見の経緯および外国における使用状況などに関する資料起源または発見の経緯外国における使用状況特性および他の医薬品との比較検討など〇〇〇×××製造方法ならびに規格および試験方法に関する資料構造決定および物理的化学的性質など製造方法規格および試験方法〇〇〇××〇安定性に関する資料長期保存試験苛酷試験加速試験〇〇〇△×〇薬理作用に関する資料効力を裏付ける試験副次的薬理・安全性薬理その他の薬理〇〇△×××吸収,分布,代謝,排泄に関する資料吸収分布代謝排泄生物学的同等性その他の薬物動態〇〇〇〇×△××××〇×急性毒性,亜急性毒性,慢性毒性,催奇形性,その他の毒性に関する資料単回投与毒性反復投与毒性遺伝毒性がん原性生殖発生毒性局所刺激性その他の毒性〇〇〇△〇△△×××××××臨床試験の先生に関する資料臨床試験成績〇×表2添加剤と機能添加剤機能等張化剤緩衝剤防腐剤可溶化剤安定化剤懸濁化剤増粘剤浸透圧調整pH・緩衝力防腐力溶解化学的安定性物理的安定性結膜.内滞留性みであり,点眼薬独自の評価方法は,今のところ確立されていない(平成24年2月現在).したがって,各社の解釈がまちまちになっている.点眼薬は眼局所作用を評価すべきであり,血中・尿中物質の測定は,治療効果の指標にならないため,(1)薬力学的試験,(2)臨床試験による治療学的同等性の証明をすることになる.これらのガイドラインが出る以前は,すべて動物を対象とした薬458あたらしい眼科Vol.29,No.4,2012(H17.3.31薬食発0331013別表1,2より)理学的試験法により評価されていたが,これらのガイドラインでは,すべてヒトを対象にした試験が要求されている.また,「動物試験がヒトの生物学的同等性の結果との相関があり,かつ製剤間のバイオアベイラビリティの差を識別しやすい場合に,ヒトの試験の代替となり得ること」と記載されている.通常はヒトでの臨床検査で単回投与後の経過時間別の眼圧値(mmHg)の統計検定を行い,標準製剤と試験製剤を比較する指標の90%信頼区間が先発品の0.70.1.43の範囲に入っていることをもって同等と評価されている.動物を使用した場合は,同様に眼圧の時系列に得られた値の統計検定が実施されている.動物実験においては,ヒトではできない「房水中の薬物濃度測定」が可能であり,薬物動態学的評価が可能である.(24)IIプロスタグランジン関連薬の後発品(ジェネリック)プロスト系点眼薬のうち,後発品があるのはラタノプロストのみで23種類(平成24年2月時点)あり,主成分のラタノプロストは同じであるが,添加物はそれぞれ異なる4).併売品もあり,生物学的同等性試験が重複している(同じデータを使用している)ものがある.先発品のキサラタンRと同様の冷暗所保存(2.8℃)の貯蔵法温度のものは,先発品と同様の添加物を用いた結果であり,扱いやすい室温保存(1.30℃)を可能にしたものは,違った添加物によりそれを実現している.特に,先発品では塩化ベンザルコニウム(BAC)濃度は,主成分(0.005%)より濃い濃度(0.02%)のBACを含んでいる.このBACは,点眼薬を長期に無菌性を維持して使用するための防腐剤として添加されており,0.01.0.001%の濃度で広い抗菌力を有している5).また,ラタノプロストが油性であることから,水溶性の点眼液においては,界面活性剤として薬物の眼内移行を補助するといわれ,点眼薬におけるBACはおもに点眼後,角膜内移行,前房内移行し,眼内への拡散移行にあたって眼内動的薬理学的な意味もあるといわれる.ジェネリックのなかには,点眼瓶の改良で,BACFreeのものもあるので,BAC濃度が異なるこれらの後発品の臨床効果が,10.20人の正常人への使用による臨床効果判定による同等性検定でいいのかどうかが不明である.また,添加物の長期連用によるアレルギーや安全性の問題の解答もないため,今後使用した結果を待つしかない.後発品のメリットは先発品より薬価が安くなることである.薬価は2年ごとに見直され,先発品も安くなっていく.一方,薬局では「後発医薬品調剤体制加算」が加わり,今回,処方施設側にも,「一般名処方加算」が加わるので,処方の仕方によっては,差額があまり発生しないこともありうる.眼科医として「一般名処方」をして,後発品を患者に選択させるからには,薬の安全性評価・臨床評価・長期連用で起こる事象についての情報,表3ラタノプロスト点眼薬比較(2010年5月添付文書より)ベンザルリン酸水素リン酸品名販売貯蔵法コニウム二水素塩化塩ナトリウムナトリウムキサラタンRファイザー2.8℃vvvラタノプロスト点眼液0.005%「センジュ」R千寿・武田2.8℃vvvラタノプロスト点眼液0.005%「わかもと」Rわかもと製薬2.8℃vvvラタノプロスト点眼液0.005%「キッセイ」Rキッセイ2.8℃vvvラタノプロストPF点眼液0.005%「日点」R日本点眼薬研究所2.8℃ラタノプロスト点眼液0.005%「NP」Rわかもと製薬ラタノプロスト点眼液0.005%「トーワ」R東和薬品2.8℃vvvラタノプロスト点眼液0.005%「ニットー」R日東メディック2.8℃vvvラタノプロスト点眼液0.005%「三和」R三和化学室温vvvラタノプロスト点眼液0.005%「マイラン」Rマイラン室温vvvラタノプロスト点眼液0.005%「ケミファ」R日本ケミファ室温vvvラタノプロスト点眼液0.005%「TOA」R東和薬品・日東メディック・ニプロファーマ室温vvvラタノプロスト点眼液0.005%「タカタ」R高田室温vvvラタノプロスト点眼液0.005%「日医工」R日医工室温vvvラタノプロスト点眼液0.005%「科研」R科研製薬室温vvvラタノプロスト点眼液0.005%「NS」R日新製薬・山形室温vvvラタノプロスト点眼液0.005%「サワイ」R沢井製薬室温vラタノプロスト点眼液0.005%「TS」Rテイカ製薬・アルフレッサファーマ室温vラタノプロスト点眼液0.005%「コーワ」R興和・興和創薬室温vラタノプロスト点眼液0.005%「ニッテン」R日本点眼薬研究所2.8℃ラタノプロスト点眼液0.005%「KRM」Rキョーリンリメディオ2.8℃vvvラタノプロスト点眼液0.005%「AA」Rあすか製薬・武田・バイオテックベイ2.8℃vvvラタノプロスト点眼液0.005%「イセイ」Rイセイ2.8℃vvvラタノプロスト点眼液0.005%「アメル」R共和薬品2.8℃vvv(25)あたらしい眼科Vol.29,No.4,2012459(表3つづき)塩化エデト酸トロメタポリオキシ安息香酸ポリソル品名ホウ酸エチレンナトリウムナトリウムモールヒマシ油ナトリウムベート80キサラタンRvラタノプロスト点眼液0.005%「センジュ」Rvラタノプロスト点眼液0.005%「わかもと」Rvvラタノプロスト点眼液0.005%「キッセイ」RvvラタノプロストPF点眼液0.005%「日点」Rvvvvラタノプロスト点眼液0.005%「NP」Rvvvラタノプロスト点眼液0.005%「トーワ」Rvvラタノプロスト点眼液0.005%「ニットー」Rvvラタノプロスト点眼液0.005%「三和」Rvvvラタノプロスト点眼液0.005%「マイラン」Rvvvラタノプロスト点眼液0.005%「ケミファ」Rvvvラタノプロスト点眼液0.005%「TOA」Rvvvラタノプロスト点眼液0.005%「タカタ」Rvvvラタノプロスト点眼液0.005%「日医工」Rvvvラタノプロスト点眼液0.005%「科研」Rラタノプロスト点眼液0.005%「NS」Rラタノプロスト点眼液0.005%「サワイ」Rvvラタノプロスト点眼液0.005%「TS」Rvvラタノプロスト点眼液0.005%「コーワ」Rvvラタノプロスト点眼液0.005%「ニッテン」Rvvvvvラタノプロスト点眼液0.005%「KRM」Rvvラタノプロスト点眼液0.005%「AA」Rvラタノプロスト点眼液0.005%「イセイ」Rvラタノプロスト点眼液0.005%「アメル」Rvv品名モノステアリン酸ポリエチレングリコールステアリン酸ポリオキシル40クエン酸D-マンニトールグリセリンヒプロメロースホウ砂プロピレングルコールキサラタンRラタノプロスト点眼液0.005%「センジュ」Rラタノプロスト点眼液0.005%「わかもと」Rラタノプロスト点眼液0.005%「キッセイ」RラタノプロストPF点眼液0.005%「日点」Rラタノプロスト点眼液0.005%「NP」Rラタノプロスト点眼液0.005%「トーワ」Rラタノプロスト点眼液0.005%「ニットー」Rラタノプロスト点眼液0.005%「三和」Rラタノプロスト点眼液0.005%「マイラン」Rラタノプロスト点眼液0.005%「ケミファ」Rラタノプロスト点眼液0.005%「TOA」Rラタノプロスト点眼液0.005%「タカタ」Rラタノプロスト点眼液0.005%「日医工」Rラタノプロスト点眼液0.005%「科研」Rラタノプロスト点眼液0.005%「NS」Rラタノプロスト点眼液0.005%「サワイ」Rラタノプロスト点眼液0.005%「TS」Rラタノプロスト点眼液0.005%「コーワ」Rラタノプロスト点眼液0.005%「ニッテン」Rラタノプロスト点眼液0.005%「KRM」Rラタノプロスト点眼液0.005%「AA」Rラタノプロスト点眼液0.005%「イセイ」Rラタノプロスト点眼液0.005%「アメル」Rvvvvvvvvvvvvvvvvvv460あたらしい眼科Vol.29,No.4,2012(26)経済効果のすべてについて知識をもち,患者にも情報公ている.開したいと思っても,現状では十分な体制ができていなラタノプロスト点眼液についての情報を,先行品も含い.先行して使用してきている先発品か,ほぼ同じものめて表3に示す.また,写真掲載許可をとれたものの製を選択し,他の商品の評価を待つべきかと私的には思っ剤写真を図1に示す.ラタノプロストの後発品においBACFree製剤先発品センジュわかもとキッセイ日東メディックわかもと(NP)日点PFキサラタンR東亜ファイザーニッテンテイカサワイ三和KRM科研日新ラタノプロスト点眼液0.005%図1ラタノプロストの先発品と後発品(ジェネリック)掲載許可を得たもののみの写真.後発品には同じ製品の併売もあり,取扱う会社が発売以降ですでに変更されたものがある.わかもとは,一般名のあとに会社名表記ありと「NP」表記の2種.BACFree先発品テイカサワイ大洋日点日点レスキュラR2012.4.1からテバ参天・アールテックウエノイソプロピルウノプロストン点眼液0.12%図2イソプロピルウノプロストンの先発品と後発品(ジェネリック)大洋薬品は,2012年4月以降「テバ」に移行.(27)あたらしい眼科Vol.29,No.4,2012461て,同一薬の多数社の併売もあり,発売後短期間での取扱い会社の変更がある.これも,後発品の特徴である.プロストン系点眼薬である,イソプロピルウノプロストン(レスキュラR)の後発品は4社5種類があるが,このうち1社は取扱い会社名が2012年4月から変更になる(図2).IIIb遮断薬系の後発品(ジェネリック)最初に登場したチモロールマレイン酸塩(チモプトールR)は1981年の発売であり,1990年から後発品が販売されている.この頃の後発品の販売名称は,先発品を類推できる名前ばかりではなく,先発品とはまったく異なる名前もつけることができた.チモプトールRの後発品であるリズモンR,ファルチモR,チアブートRや,カルテオロール塩酸塩(ミケランR)の後発品であるリエントンR,ブロキレートR,メルカトアR(現時点では販売中止)などの例である.しかし,平成17年9月22日付薬食審査発第0922001号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知「医療用後発医薬品の承認申請にあたっての販売名の命名に関する留意事項について」6)より,当該通知発出以降に申請される後発品については,原則として,含有する有効成分に係る「一般的名称」を基本として,濃度と会社名をつける形になった.さらに,平成先発品チモプトールR参天・MSDリズモン0.25%・0.5%(わかもと)チモレート0.25%・0.5%(日点)チモロールT0.25%・0.5%(東亜・日東メディック)BACFreeファルチモ0.25%・0.5%(キョーリン)チモロール0.25%・0.5%(テイカ)チアブート0.25%・0.5%(日新)チモレートPF0.25%・0.5%(日点)図3チモロールマレイン酸塩の先発品と後発品(ジェネリック)チモプトールXER(参天・MSD),リズモンRTG(わかもと・キッセイ)は,チモロールマレイン酸塩製剤の先発品であり,まだ後発品は出ていないため写真掲載せず.462あたらしい眼科Vol.29,No.4,2012(28)23年12月27日付GE薬協会発第100号にあるように平成24年より,今後3年にわたって一般的名称に切り替えるための薬事法の製造販売承認(販売名変更代替新規)申請がされることになった.特に類似名による処方に危険があるもの,出荷量が多くシェアの高い後発品,医療関係者から一般名への変更要望の多いものとされている7)ので,今後,従来の点眼薬名が変更されてくると思われる.現時点でのb遮断薬関連の後発品を,先発品とともに図3.7に示す.なお,1900年代の後発品では,原則,生物学的同等性検定には動物が使用されてお先発品ブロキレート1%・2%(日点)ミケランR大塚・千寿BACFreeBACFreeカルテオロールT1%・2%リエントン1%・2%カルテオロール1%・2%ブロキレートPF1%・2%(東亜・日東メディック)(キョーリン)(わかもと)(日点)図4カルテオロール塩酸塩の先発品と後発品(ジェネリック)ミケランRLAは,先発品のみのため写真掲載せず.BACFreeBACFree先発品ハイパジールR,興和ニプラノールR,テイカニプラジロール0.25%サワイ日東メディック東亜日点わかもとニプラジロールPF0.25%日点図5ニプラジロールの先発品と後発品(ジェネリック)先発品2社は商品名が異なる.後発品は一般名表記で統一.(29)あたらしい眼科Vol.29,No.4,2012463表4.1国内で使用可能な緑内障治療薬ー先発品発売年一般名(有効成分)薬品名販売196719811984198819901992199419971998199920012002200320052007200820092010ピロカルピンチモロールマレイン酸塩カルテオロール塩酸塩ジピベフリンベタキソロール塩酸塩イソプロピルウノプロストンチモロールマレイン酸塩ラタノプロストドルソラミドニプラジロールニプラジロールチモロールマレイン酸塩チモロールマレイン酸塩塩酸レボブノロールブナゾシンブリンゾラミドカルテオロール塩酸塩トラボプロストタフルプロストビマトプロストラタノプロスト・チモロールマレイン酸塩配合剤ラタノプロスト・ドルゾラミド配合剤トラボプロスト・チモロールマレイン酸塩配合剤サンピロRチモプトールR点眼液0.25/0.5%ミケランR点眼液1%/2%ピバレフリンR0.04%/0.1%ベトプティックR点眼液0.5%レスキュラR点眼液0.12%キサラタンR点眼液0.005%トルソプトR点眼液0.5%/1%ハイパジールコーワR点眼液0.25%ニプラノールR点眼液0.25%チモプトールXER点眼液0.25%/0.5%リズモンTGR点眼液0.25%/0.5%ミロルR点眼液0.5%デタントールR0.01%点眼液エイゾプトR懸濁性点眼液1%ミケランLAR点眼液1%/2%トラバタンズR点眼液0.004%タプロスR点眼駅0.0015%ルミガンR点眼液0.03%ザラカムRコソプトRデュオトラバR参天製薬万有製薬(MSD),参天製薬大塚製薬,千寿製薬参天製薬日本アルコンアールテックウエノファイザー万有製薬(MSD)興和,興和創薬テイカ製薬万有製薬,参天製薬わかもと製薬,キッセイ薬品工業杏林製薬,科研製薬参天製薬日本アルコン大塚製薬,千寿製薬日本アルコン参天製薬千寿製薬,武田薬品工業ファイザーMSD,参天製薬日本アルコン2012アルファガン(予定)アイファガンR千寿製薬464あたらしい眼科Vol.29,No.4,2012(30)表4.2国内で使用可能な緑内障治療薬ー後発品発売年一般名(有効成分)薬品名販売196719811984198819901992199419971998199920012002200320052007200820092010チモロールマレイン酸塩チモロールR点眼液0.25%/0.5%「TS」チモロールマレイン酸塩チモレートR点眼液0.25%/0.5%チモロールマレイン酸塩リズモンR点眼液0.25%/0.5%チモロールマレイン酸塩ファルチモR点眼液0.25%/0.5%チモロールマレイン酸塩チアブートR点眼液0.25%/0.5%カルテオロール塩酸塩リエントンR点眼液1%/2%カルテオロール塩酸塩カルテオロールR点眼液T1%/2%カルテオロール塩酸塩ブロキレートR点眼液1%/2%チモロールマレイン酸塩チモロールR点眼液T0.25%/0.5%ベタキソロール塩酸塩ベタキールR0.5%点眼液ベタキソロール塩酸塩ベタキソンR点眼液0.5%カルテオロール塩酸塩ブロキレートRPF点眼液1%/2%<ジェネリック医薬品販売名は一般的名称を基本とする通達>ニプラジロールニプラジロールR点眼液0.25%ニプラジロールニプラジロールRPF点眼液0.25%ニプラジロールニプラジロール点眼液0.25%「わかもと」Rチモロールマレイン酸塩チモレートRPF点眼液0.5%R塩酸レボブノロールレボブノロール塩酸塩点眼液0.5%「ニッテン」Rカルテオロール塩酸塩カルテオロール塩酸塩点眼液1%/2%「わかもと」Rイソプロピルウノプロストンイソプロピルウノプロストン点眼液0.12%「テイカ」Rイソプロピルウノプロストンイソプロピルウノプロストン点眼液0.12%「タイヨー」Rイソプロピルウノプロストンイソプロピルウノプロストン点眼液0.12%「サワイ」Rイソプロピルウノプロストンイソプロピルウノプロストン点眼液0.12%「日点」RイソプロピルウノプロストンイソプロピルウノプロストンPF点眼液0.12%「日点」Rラタノプロストラタノプロスト点眼液0.005%「センジュ」Rラタノプロストラタノプロスト点眼液0.005%「わかもと」Rラタノプロストラタノプロスト点眼液0.005%「キッセイ」RラタノプロストラタノプロストPF点眼液0.005%「日点」Rラタノプロストラタノプロスト点眼液0.005%「NP」Rラタノプロストラタノプロスト点眼液0.005%「トーワ」Rラタノプロストラタノプロスト点眼液0.005%「ニットー」Rラタノプロストラタノプロスト点眼液0.005%「TS」Rラタノプロストラタノプロスト点眼液0.005%「科研」Rラタノプロストラタノプロスト点眼液0.005%「三和」Rラタノプロストラタノプロスト点眼液0.005%「マイラン」Rラタノプロストラタノプロスト点眼液0.005%「ケミファ」Rラタノプロストラタノプロスト点眼液0.005%「TOA」Rラタノプロストラタノプロスト点眼液0.005%「タカタ」Rラタノプロストラタノプロスト点眼液0.005%「日医工」Rラタノプロストラタノプロスト点眼液0.005%「NS」Rラタノプロストラタノプロスト点眼液0.005%「サワイ」Rラタノプロストラタノプロスト点眼液0.005%「コーワ」Rラタノプロストラタノプロスト点眼液0.005%「ニッテン」Rラタノプロストラタノプロスト点眼液0.005%「KRM」Rラタノプロストラタノプロスト点眼液0.005%「AA」Rラタノプロストラタノプロスト点眼液0.005%「イセイ」Rラタノプロストラタノプロスト点眼液0.005%「アメル」R塩酸レボブノロールレボブノロール塩酸塩PF点眼液0.5%「日点」Rテイカ製薬日本点眼薬研究所わかもと製薬キョーリンリメディオ日新製薬キョーリンリメディオ日東メディック・東亜日本点眼薬研究所日東メディック・東亜日東メディック・メディサ新薬日本点眼薬研究所日本点眼薬研究所日東メディック/東亜,わかもと製薬沢井製薬,日本点眼薬研究所日本点眼薬研究所わかもと製薬(NP容器)日本点眼薬研究所日本点眼薬研究所わかもと製薬(NP容器)テイカ製薬大洋薬品沢井製薬日本点眼薬研究所日本点眼薬研究所千寿製薬・武田薬品工業わかもと製薬キッセイ薬品工業日本点眼薬研究所わかもと製薬東和薬品日東メディックテイカ製薬・アルフレッサファーマ科研製薬三和化学マイラン日本ケミファ東和薬品・日東メディック・ニプロファーマ高田日医工日新製薬・山形沢井製薬興和・興和創薬日本点眼薬研究所キョーリンリメディオあすか製薬・武田・バイオテックベイイセイ共和薬品日本点眼薬研究所2012(31)あたらしい眼科Vol.29,No.4,2012465先発品ベトプティックR・ベトプティックエスR日本アルコンベタキソンRベタキールRベタキールR日点日東メディックサワイ東亜図6ベタキソロールの先発品と後発品(ジェネリック)後発品のうち同名なのは,併売同一薬.り,眼圧の時系列の有意差検定とともに,房水中薬物濃度を測定したものも多く,薬力学的評価と薬物動態学的評価が揃っているものが多い.さらに,先発品とともに歴史の長い後発品となっており臨床評価も定まってきていると考えられる.なお,容器の改善によりBACFreeの製剤も出てきており(PF製剤,NP容器製剤など),これは後発品扱いであるが,製剤の異なる1回点眼薬は,先発品扱いである(チモプトールXER,リズモンTGR,ミケランLARなど)(図3.7).国内での先発品に対しての後発品の発売時期などを一覧とする(表4-1,2).IV今後の展望今後,後発品(ジェネリック医薬品)については,米国のように評価方法の確立が必要であり,「日本ジェネ先発品レボブノロールR日点ミロルR日点科研図7レボブノールの先発品と後発品(ジェネリック)後発品は1社からのみ.リック医薬品学会」による「生物学的同等性データ」などを学会誌に公開している方法などは有益である.成分については,先発品と同じ成分であることを後発品の義務とすれば,後発品は,先発品の臨床上の有効性,安全性を引き継いだまま薬価が安くなることになる.特に,短期に使用する薬ではなく,緑内障においては,長期にわたる治療期間になるため,薬価が安くなるのは望ましいことではあるが,臨床効果が表れるのも長期使用後になるので,後発品に変更した場合は,先発品による経過観察以上の注意深い検査が必要と考えられる.文献1)薬食発0331013別表1,2,20052)河嶋洋一:点眼薬の処方設計.眼科診療プラクティス42,p76-79,文光堂,19993)薬食審査発0229第10号「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン等の一部改正について,20124)各点眼薬添付文書及びインタビューフォーム5)新家眞:眼科学大系,第3章B,p28-42,中山書店,19936)薬食審査発第0922001号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知「医療用後発医薬品の承認申請にあたっての販売名の命名に関する留意事項について」,20077)GE薬協会発第100号,2010466あたらしい眼科Vol.29,No.4,2012(32)