———————————————————————-Page10910-1810/08/\100/頁/JCLS本稿では,シリコーンハイドロゲルレンズとMPSならびに点眼薬についての最近の知見を述べる.IシリコーンハイドロゲルレンズとMPS1.日本で販売されているMPSの特徴現在,市販されているMPSの消毒成分は塩化ポリドロニウムあるいはポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)である.MPSは1剤で消毒,すすぎ,洗浄,保存ができることから,誤使用がない,簡便であるがゆえにコンプライアンスが高いなどの特徴があるが,他の消毒法に比べて消毒効果が弱いという問題がある.各種化学消毒剤の微生物に対する消毒効果を図1に示す14).MPSはカンジダ,アカントアメーバ,アデノウィルスに対する消毒効果が弱いので,使用にあたっては十分なこすり洗いによって微生物を機械的に除去することが求められる.2.シリコーンハイドロゲルレンズの汚れとレンズケア従来素材の含水性SCLは蛋白質が付着しやすいため,通常のケアで除去できないような蛋白質については蛋白分解酵素による洗浄が必要である.一方,シリコーンハイドロゲルレンズは従来の親水性素材にシリコーンを重合させたものであるが,シリコーンそのものは疎水性であるため脂質を付着しやすい.図2,3は18歳の女性で,従来素材の含水性SCLとはじめに日本ではシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ(以下,シリコーンハイドロゲルレンズ)は,2004年にO2オプティクス(チバビジョン株式会社)が1カ月定期交換の終日装用タイプとして発売されて以来,2008年3月現在では,1週間頻回交換の終日装用あるいは連続装用タイプとして,ボシュロムピュアビジョンおよびピュアビジョン乱視用(ボシュロム・ジャパン株式会社),2週間頻回交換の終日装用タイプとしてアキュビューRアドバンスTM,アキュビューRオアシスTMおよびアキュビューRオアシスTM乱視用(ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社),2ウィークプレミオ(株式会社メニコン)が発売されている.ピュアビジョンあるいはO2オプティクスを連続装用しない限り,これらのシリコーンハイドロゲルレンズはケアを必要とする.シリコーンハイドロゲルレンズのケアにはマルチパーパスソリューション(MPS),過酸化水素製剤,ポビドンヨード製剤などの化学消毒剤(コールド消毒剤)が使用されるが,ソフトコンタクトレンズ(SCL)のケアの市場ではMPSが多くを占めている状況下,シリコーンハイドロゲルレンズとMPSの関係を考えることは意義深い.一方,コンタクトレンズ(CL)の装用時に点眼薬を使用することがある.シリコーンハイドロゲルレンズは含水性であるので点眼薬の成分が吸着する.これが臨床上問題になるかを確認することは重要である.(19)923眼眼眼75108721115眼特集●コンタクトレンズ・ここが知りたいあたらしい眼科25(7):923930,2008シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズとマルチパーパスソリューション,点眼薬MultipurposeSolutionsandEyeDropsforSiliconeHydrogelCantactLenses植田喜一*柳井亮二**———————————————————————-Page2924あたらしい眼科Vol.25,No.7,2008(20)ンズを装用すると痛い)と訴えた患者の上眼瞼結膜の所見と使用していたレンズである.上眼瞼結膜には乳頭増殖はなかったが,レンズは汚れていた.このレンズを15℃で7時間保管しておいた写真を図4に示す.低温時に白くなることから,この汚れは脂質と考える.図5,6は23歳の女性で,同様に従来素材の含水性SCLとMPSを使用しているときは問題はなかったが,シリコーンハイドロゲルレンズに変更してから,曇って見える,眼が痛いと訴えた患者の角膜所見と使用していたレンズである.レンズの表面だけでなく内面にも汚れが付着しており,これが原因で角膜上皮障害を生じたと考える.このような患者にはシリコーンハイドロゲルレンズ取り扱い時の手洗いの励行,化粧やハンドクリームの使用時の注意,MPSによるこすり洗いの励行を指導する.MPSを使用しているときは問題はなかったが,シリコーンハイドロゲルレンズに変更してから調子が悪い(レンズを使用して1週間ぐらいすると白く濁る,濁ったレ微生物減少値(log個m)細菌真菌アカントアメーバウイルス緑膿菌黄色ブドウ球菌セラチアフサリウムカンジダアカントアメーバアデノウイルス012345:ポビドンヨード製剤:過酸化水素製剤:塩化ポリドロニウム製剤:PHMB製剤図1化学消毒剤の微生物に対する消毒効果(文献3より)図2症例の上眼瞼結膜の所見図4シリコーンハイドロゲルレンズの白濁現象図3シリコーンハイドロゲルレンズの汚れ———————————————————————-Page3あたらしい眼科Vol.25,No.7,2008925(21)角膜ステイニングはPHMBを含有するMPSに発生しやすいといわれているが,商品によって発生頻度が異なる.塩化ポリドロニウムを含有するMPSでも認められる4,9).角膜ステイニングの発生には個人差があり,できれば脂質に対する洗浄効果のあるケア用品を選択することも大切である.脂質の付着はシリコーンハイドロゲルレンズの中のシリコーンの量だけでなく,表面処理によって異なることもあるので,脂質が付着しにくいレンズを選択することも重要である.3.MPSの使用による角膜上皮障害SCL使用者にMPSを使用すると角膜ステイニングが発生することから,従来素材の含水性SCLとMPSの適合性がこれまでにも問題視されていたが,新しい素材であるシリコーンハイドロゲルレンズにおいても同様の角膜ステイニングが高頻度に発現することが報告されている59).MPSで処理されたシリコーンハイドロゲルレンズを装用して短時間で角膜ステイニングが発生(図7)しても,その後数時間(多くは6時間)で軽微となることが多い8).MPSに含まれる消毒成分やその濃度,さらには他の成分などが角膜上皮細胞に影響を及ぼし,角膜ステイニングを生じたと考えられている4,8).水谷は従来素材の2週間頻回交換SCLとシリコーンハイドロゲルレンズの装用者にみられる角膜ステイニングを後ろ向きに検討し,従来素材の非イオン性高含水率のSCLでは塩化ポリドロニウムよりPHMBを含有するMPSを使用したときのほうが重度のステイニングがみられたのに対して,イオン性高含水率のSCLでは両MPSの間に有意差はなかった.さらにシリコーンハイドロゲルレンズでは両MPS間にステイニングスコアの差はみられなかったと報告している10).図6シリコーンハイドロゲルレンズの汚れ図5症例の角膜所見図8MPSによるアレルギー反応(文献11より)図7MPSを使用したシリコーンハイドロゲルレンズ装用者に生じた角膜ステイニング———————————————————————-Page4926あたらしい眼科Vol.25,No.7,2008(22)クス)を4種のMPS(オプティ・フリーRプラス,コンプリートR・モイストプラス,レニューRマルチプラス,フレッシュルックRケア),過酸化水素製剤(エーオーセプトR),ポビドンヨード製剤(クレンサイドR)で処理した後に,レンズの形状,外観,色調,直径,ベースカーブ(BC),頂点屈折力(パワー),含水率,光線透過率(視感透過率)を測定した.各測定値は厚生労働省告示第349号(2001年10月5日)と医薬発第1097号(2001年10月5日)の基準を満たしていた12)(表1).よって,MPSによるシリコーンハイドロゲルレンズの物理化学的な特性に対する影響はほとんどみられないと考えられた.IIシリコーンハイドロゲルレンズと点眼薬1.点眼薬の組成と特徴CLを装用したまま点眼薬を使用することについては,レンズ自体ならびに角結膜に対する影響を考えるとすすめられないという意見が多い1318).点眼薬は主剤と賦形剤からなり,賦形剤は緩衝剤,防腐剤,可溶化剤,安定化剤,等張化剤,粘稠化剤などが含まれる19)(表2).点眼薬による角膜上皮障害は,主剤あるいは賦形剤による細胞毒性が直接かかわると考えられる.主剤としては,bブロッカーなどの抗緑内障薬,アミノグリコシド系などの抗生物質,ジクロフェナクなどの非ステロイド抗炎症剤などが問題になっている19).賦形剤ではとりわけ防腐剤が難治性の角膜上皮障害をひき起こす.塩化ベンザルコニウム,パラオキシ安息香酸エステル類(パラベン類),クロロブタノールなどが防腐剤として使用されている.発生する症例と発生しない症例,発生しても程度の軽い症例と強い症例がある4,9).中等度以上の角膜ステイニングが発生した場合には,消毒成分の異なるMPS,過酸化水素製剤やポビドンヨード製剤など,他の消毒剤に変更する必要がある.ただし,株式会社オフテクスは自社のポビドンヨード消毒剤であるクレンサイドRは,アキュビューRアドバンスTM,アキュビューRオアシスTMには使用できないと公表している.一方,MPSのアレルギーによって角膜上皮障害が発生する場合もある.図8は従来素材の含水性SCL使用者に認めた角結膜障害(輪部充血,角膜周辺部に多発する小さな角膜浸潤)であるが,明らかな原因がなく,両眼に同時に発生した.この角結膜障害はステロイドの点眼ですぐに治癒したが,MPSを使用すると同様の障害が生じたことからMPSによるアレルギー反応と考えられる11).シリコーンハイドロゲルレンズも含水性素材であるため,同様の障害が起こりうる.再発を防止するには他の種類のMPSに変更するか,過酸化水素消毒剤,ポビドンヨード消毒剤に変更する.MPSで消毒できない細菌の毒素に対するアレルギー反応が生じることもある.MPSによるこすり洗いを徹底させることや,消毒効果の高いMPSや他の消毒剤に変更する必要がある.4.MPSによるレンズの物理化学的変化MPSにはレンズに物理化学的な変化を及ぼさないことが求められる.物理化学的変化はレンズの光学性の変化,フィッティングの変化,装用感の悪化,角結膜障害につながる.筆者はシリコーンハイドロゲルレンズ(O2オプティ表1O2オプティクスに対する化学消毒剤の影響1.形状,外観,色調内部に気泡,不純物または変色がなかった表面に有害な傷または凹凸がなかったエッジが角膜に障害を与えるような形状になっていなかった2.直径直径の許容差;±0.20mm内であった3.ベースカーブベースカーブの許容差;±0.20mm内であった4.頂点屈折力(パワー)頂点屈折力の許容差;±0.25D内であった5.含水率含水率の許容差;±2%(絶対値)内であった6.光線透過率(視感透過率)視感透過率の許容差;±5%(絶対値)内であった———————————————————————-Page5あたらしい眼科Vol.25,No.7,2008927(23)2.点眼薬のCLへ及ぼす影響点眼薬がレンズに及ぼす影響として考えられるものとしては,主剤ならびに賦形剤のレンズへの吸着,着色,ベースカーブ(BC)や直径などの規格の変化などである.水谷は点眼薬のレンズへの影響を詳しく調べている.各種点眼薬(医家向け24種類,一般向け20種類)にガス透過性ハードコンタクトレンズ(RGPCL)と従来素材の含水性SCLを浸漬して,レンズの規格の変化,成分吸着,着色の有無を観察したところ,RGPCLではクロロブタノールによりBCに変化がみられ,塩化ベンザルコニウム,パラベン類,クロロブタノール,グルコン酸クロルヘキシジンの吸着あるいは取り込みがみられた.SCLでは界面活性剤によりBCに変化がみられ,塩化ベンザルコニウム,パラベン類,クロロブタノール,グルコン酸クロルヘキシジンの吸着あるいは取り込みがみられた.カタリンR,フラビタンRなど有色の点眼薬ではSCLの着色を認めたと報告している18).3.CL装用上の点眼薬使用小玉は従来素材の含水性SCLを装用したまま防腐剤を含む点眼薬を使用して,回収したレンズから放出される防腐剤を定量したところ,レンズの種類,点眼薬の種類,点眼方法によって塩化ベンザルコニウムの検出量に差が認められたが,微量あるいは検出限界以下であることから,1日34回程度の点眼回数であれば問題はないと報告している21).今後,シリコーンハイドロゲルレ塩化ベンザルコニウムには水に溶けやすく,芽胞のない細菌や真菌に対し防腐効果を示す.塩化ベンザルコニウムはカチオン(陽イオン)界面活性剤で,各種アニオン(陰イオン)と配合するとイオン重合体を生じることがある20).認可市販されている点眼薬のうち,60%に塩化ベンザルコニウムが使用されているといわれており16),その濃度は0.0010.01%である14,15).ヒト結膜上皮細胞を用いた細胞毒性試験では塩化ベンザルコニウムは低濃度であっても細胞に障害を認めるため,通常濃度としては0.00250.005%が妥当であるとし,0.0025%でも頻回に点眼すると結膜障害を生じる可能性があると報告している13).一方,家兎眼に点眼した塩化ベンザルコニウムの涙液中の濃度は比較的速やかに低下し,角膜上皮の伸びに影響を及ぼさない程度であり,涙液動態が正常な症例では1日4回程度の点眼であれば角膜上皮に与える影響は少ないという報告もある16).パラベン類は広範囲の細菌,および真菌に対して低濃度で効力を発揮する20).通常2種またはそれ以上のエステル剤を併用すると抗菌作用に相乗効果と抗菌スペクトルの広がりがあらわれる20).パラベン類はアルキル基が大きくなるほど抗菌力は強くなるが,水への溶解性は減少し,脂溶性は増加する20).クロロブタノールは水に溶けやすく,グラム陽性菌,陰性菌および真菌に有効で,特に緑膿菌に対して強い抗菌性を有する.表2賦形剤の添加目的と種類賦形剤目的種類可溶化剤塩形成による溶解または溶解補助剤による有効成分の可溶化(塩形成)ナトリウム塩,カリウム塩(界面活性剤)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油pH調節剤至適pHへの調整水酸化ナトリウム,塩酸緩衝剤薬物や他の賦形剤の分解などによる経時的なpH変動の防止ホウ酸,リン酸,酢酸塩ソルビトール,マンニトール等張化剤浸透圧の調整塩化ナトリウム,塩化カリウム,ホウ酸,グリセリン安定化剤薬物の加水分解や酸化分解の防止(加水分解)エデト酸ナトリウム,クエン酸(酸化分解)亜硝酸ナトリウム防腐剤微生物汚染の防止塩化ベンザルコニウム,パラベン類,クロロブタノール(文献19より)———————————————————————-Page6928あたらしい眼科Vol.25,No.7,2008(24)ンズについても,同様の研究が行われることを期待する.シリコーンハイドロゲルレンズの一つであるO2オプティクスに防腐剤がどの程度吸着,あるいは放出するかを筆者が調べた結果を以下に記す.比較のため従来素材の含水性SCL(メダリストR,アキュビューR)の結果もあわせて示す.pHを調整したパラベン類(パラオキシ安息香酸メチル0.013%,パラオキシ安息香酸エチル0.008%,パラオキシ安息香酸プロピル0.007%,パラオキシ安息香酸ブチル0.004%)と塩化ベンザルコニウム0.005%にO2オプティクス,メダリストR(非イオン性高含水率レンズ),アキュビューR(イオン性高含水率レンズ)を浸漬した後にこれら防腐剤の吸着率を算出し,さらに生理食塩水液に浸漬した後に防腐剤の放出率を算出した.パラベン類についてはO2オプティクスはメダリストR,アキュビューRよりも吸着率が高かったが,塩化ベンザルコニウムについてはメダリストRより高く,アキュビューRよりも低かった.パラベン類はアルキル基(メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基)が大きくなるほど各レンズへの吸着率が高くなった(図9,10).パラベン類についてはO2オプティクスはメダリストR,アキュビューRよりも放出率が低く,塩化ベンザルコニウムについても放出率がこれらのレンズより低い傾向があった.各レンズに吸着したパラベン類はアルキル基が大きくなるほど放出率が低くなった(図11,12).このようにO2オプティクスは従来素材の含水性SCLとやや異なる傾向を示すので,防腐剤の使用には注意を要する22).レンズへの防腐剤の吸着と放出については,多くの面から考える必要がある.レンズが親水性あるいは疎水性であるか,防腐剤が水溶性あるいは脂溶性であるかに加pH5.0pH6.0pH7.0pH7.4pH8.0100806040200BAK吸着率(%):O2オプティクス:メダリストR:2ウィークアキュビューR図9塩化ベンザルコニウムのレンズへの吸着率の平均値オプティクスリストウィークアー吸着率吸着率吸着率吸着率パラオキシ安息香酸メチルパラオキシ安息香酸エチルパラオキシ安息香酸プロピルパラオキシ安息香酸ブチル100806040図10パラベン類のレンズへの吸着率の平均値オプティクスリストウィークアー放出率放出放出放出放出放出図11レンズに吸着した塩化ベンザルコニウムの放出率の平均値———————————————————————-Page7あたらしい眼科Vol.25,No.7,2008929(25)えて,レンズならびに防腐剤の分子構造内の親水性の部分と疎水性の部分の相互作用や,これらが電荷を帯びているかなどが大きく影響すると推察する.従来素材の含水性SCLにおいてはイオン性モノマーを共重合させたイオン性含水ゲルが広く利用されている23).イオン性のSCLはメタクリル酸を含有するものが多く,カルボキシル基を有しているためマイナスに帯電している23,24).したがって,マイナスイオン性SCLは塩化ベンザルコニウムの吸着量が多く,いったん吸着されたものはなかなか放出されない.一方,O2オプティクスは脂溶性であるシリコーンを含有するためパラベン類の吸着量が多く,なかなか放出されない.このようにレンズの材質および防腐剤によって防腐剤の吸着率と放出率に違いがあることを十分に考慮して点眼薬の使用を検討する必要がある22).おわりにシリコーンハイドロゲルレンズの酸素透過性は飛躍的に高まり,酸素不足に伴う角結膜障害は減ると予想する.今後,さらに各メーカーから多くのレンズが提供されると,従来素材の含水性SCLの多くがシリコーンハイドロゲルレンズに移行するのもそう遠くないと考える.現在,市販されている多くのシリコーンハイドロゲルレンズはケアを必要とするが,MPSで十分であるという確信はもてない.MPSは簡便なレンズケアとして広く普及しているが,消毒効果が弱いことが問題である.アカントアメーバによる感染症が増えていることから,より効果的なMPSの開発が望まれる.従来素材の含水性SCLでは蛋白質の付着が問題であったが,シリコーンハイドロゲルレンズでは脂質の付着を抑えるケアシステムを考える必要がある.レンズとMPSとの組み合わせによる角膜ステイニングの発生や,MPS特有のアレルギー反応についても十分に注意して,定期検査を行うことが求められる.レンズの上からの点眼薬の使用については,なるべく防腐剤を含まないものをすすめる.多剤併用をしない,併用する場合には点眼の間隔をあけるなどの指導も大切である.文献1)柳井亮二,植田喜一,田尻大治ほか:細菌・真菌に対するポビドンヨード製剤の有効性.日コレ誌47:32-36,20052)柳井亮二,植田喜一,田尻大治ほか:アカントアメーバおよびウィルスに対するポビドンヨード製剤の有効性.日コレ誌47:37-41,20053)植田喜一,渡邉潔,水谷由紀夫ほか:従来型・定期交換図12レンズに吸着したパラベン類の放出率の平均値パラオシル累積放出率(%)放出回数(回)放出回数(回)放出回数(回)放出回数(回)放出回数(回)放出回数(回)放出回数(回)放出回数(回)放出回数(回)放出回数(回)放出回数(回)放出回数(回)パラオキシ安息香酸エチル累積放出率(%)パラオキシ安息香酸プロピル累積放出率(%)パラオキシ安息香酸ブチル累積放出率(%)012301230123pH5.0pH6.0pH7.0pH5.0pH6.0pH7.0012301230123pH5.0pH6.0pH7.0012301230123pH5.0pH6.0pH7.0012301230123100806040200100806040200100806040200100806040200:O2オプティクス:メダリスト?:2ウィークアキュビュー?———————————————————————-Page8930あたらしい眼科Vol.25,No.7,2008(26)型ソフトコンタクトレンズのケア.日コレ誌45:206-216,20034)植田喜一,柳井亮二:マルチパーパスソリューション.あたらしい眼科24:747-757,20075)GarofaloRJ,DassanayakeN,CareyCetal:Cornealstain-ingandsubjectivesymptomswithmultipurposesolutionsasafunctionoftime.EyeContactLens31:166-174,20056)JonesL,MacDougallN,SorbaraGL:Asymptomaticcor-nealstainingassociatedwiththeuseofbalalconsilicone-hydrogelcontactlensesdisinfectedwithapolyaminopro-pylbiguanide-preservedcareregimen.OptomVisSci79:753-761,20027)AmosC:Performanceofanewmultipurposesolutionusedwithsiliconehydrogels.Optician227:18-22,20048)工藤昌之,糸井素純:シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズと消毒剤との相性.あたらしい眼科22:1349-1355,20059)植田喜一:化学消毒剤による角膜ステイニングの発生.日コレ誌49:181-186,200710)水谷由紀夫:ソフトコンタクトレンズ,シリコーンハイドロゲルレンズ装用者にみられる角膜ステイニング.日コレ誌49:228-237,200711)植田喜一:塩化ポリドロニウム(POLYQUADR)による角結膜障害が疑われた1例.日コレ誌42:164-166,200012)植田喜一:シリコーンハイドロゲルソフトコンタクトレンズと化学消毒剤との適合性.臨眼60:707-711,200613)高橋信夫,向井佳子:点眼剤用防腐剤塩化ベンザルコニウムの細胞毒性とその作用機序─細胞培養学的検討─.日本の眼科58:945-950,198714)高橋信夫,佐々木一之:防腐剤とその眼に与える影響.眼科31:43-48,198915)島潤:点眼薬の防腐剤とその副作用.眼科33:533-538,199116)中村雅胤,山下哲司,西田輝夫ほか:塩化ベンザルコニウムの家兎角膜上皮に対する影響.日コレ誌35:238-241,199317)水谷聡,伊藤康雄,白木美香ほか:コンタクトレンズと防腐剤の影響について(第1報)─取り込みと放出─.日コレ誌34:267-276,199218)水谷聡:コンタクトレンズとケア溶液,点眼薬─問題点とその対策─.日コレ誌37:35-39,199519)近間泰一郎,西田輝夫:点眼薬がもたらすオキュラーサーフェスへの影響.日本の眼科78:1471-1475,200720)植村攻:点眼薬と添加物製剤設計と添加剤.医薬ジャーナル36:2791-2798,200021)小玉裕司,北浦孝一:ソフトコンタクトレンズ装用上における点眼使用の安全性について.日コレ誌42:9-14,200022)植田喜一:ソフトコンタクトレンズへの防腐剤の吸着と放出.日コレ誌49:181-186,200723)本田幸子,谷川晴康,白銀泰一ほか:イオン架橋含水ゲルの特性.日コレ誌41:118-122,199924)白銀泰一,齋藤則子,宇野憲治ほか:ζ(ゼータ)電位法によるCL材料の表面電位測定.日コレ誌41:113-117,1999(2008年4月14日受付)