監修=大橋裕一連載MyboomMyboom第28回「難波広幸」本連載「Myboom」は,リレー形式で,全国の眼科医の臨床やプライベートにおけるこだわりを紹介するコーナーです.その先生の意外な側面を垣間見ることができるかも知れません.目標は,全都道府県の眼科医を紹介形式でつなげる!?です.●は掲載済を示す(●は複数回)連載MyboomMyboom第28回「難波広幸」本連載「Myboom」は,リレー形式で,全国の眼科医の臨床やプライベートにおけるこだわりを紹介するコーナーです.その先生の意外な側面を垣間見ることができるかも知れません.目標は,全都道府県の眼科医を紹介形式でつなげる!?です.●は掲載済を示す(●は複数回)自己紹介難波広幸(なんば・ひろゆき)山形大学医学部眼科学講座私は山形大学を卒業後,そのまま山形大学病院で2年間の初期研修を受け,山形大学眼科に入局しました.出身も山形県内なので,生粋の山形人ということになります.姓は「なんば」ですが,関西出身ではありません.ちなみに「難波」姓ですが,全国的には岡山県が断トツに多く(2,684世帯),山形県(274世帯)は4位となっております(電話帳調べ).その山形県274世帯のうち216世帯は私の出身地である山形県鶴岡市在住です.これは岡山県の3市町村に次ぐ世帯数であり,山形県鶴岡市はまさに「難波」の東のメッカといえるでしょう.完全に話がずれましたが,入局後は学位を修め,山下英俊教授のご厚意の元,前眼部・角膜分野を担当して角膜移植から感染,ドライアイまで広く診療を行っています.臨床のMYboom:「稀少症例と羊膜移植,学外連携」当教室では前眼部の担当医師が少なく,難症例はほぼお鉢が回ってきます.その中で世界的にも報告が少ない,珍しい症例に出会うことがここ数年,稀にあります.珍しいということ以上に,以前の自分であればその珍しさに気づかなかった症例もあり,成長を感じられるという意味で貴重な機会です.そして症例報告の準備をすることで,周辺疾患を含めて知識を深めることができますので,そこまで含めてmyboomといえるかもしれ(95)0910-1810/14/\100/頁/JCOPYません.またそういった紹介が増えたことも,前眼部専門医として県内で認知されてきた証であると嬉しく思っています.手術面では,羊膜移植を積極的に行っています.もちろん誰にでもというわけではなく,再発翼状片手術や結膜.の形成,角膜穿孔への対処など,他の治療と比較して優位性があると思われる場合です.その中でも山形県では,夏季に外傷,とくに草刈り機使用時の異物飛入による眼球穿孔が多くみられます.直接縫合や角膜移植での対応が必要になることもありますが,症例によっては羊膜移植のほうが励起乱視も大きくなく,望ましい場合もあります.角膜穿孔に対しての手術法については,雑誌に報告もさせていただきました.今年度から羊膜移植が保険適用になるということもあり,全国的な標準を意識しながら,症例を選んで今後も行っていこうと思います.繰り返しになりますが,当教室では前眼部の担当医師が少ないため,必然的に学会での情報収集,外部の先生との情報交換が重要になります.学会参加のほか,施設見学に行くこともありますし,最近はFacebookも活用しています.そして山下教授の人脈により,いろいろな先生方とお話しさせていただくことができました.やはり今考えるに,眼科入局を決めていた臨床研修2年目に,歩いてきた教授に「難波くーん,角膜やってみない?」と軽い口調で提案されたことが,私のターニングポイントであったことは疑いようがありません.今後は,角膜パーツ移植など今まで山形県で行われていない手術の導入もしていく必要があり,外部の先生方との交流がますます重要になると思います.研究のMyboom:「疫学統計」山形大学では「舟形町研究」として内科と共同で住民あたらしい眼科Vol.31,No.5,2014721写真1良き仲間,ライバルである同年代の先生方(京都府立大・加藤先生,富山大・宮腰先生)と健診を行っておりまして,私の現在の研究面での取り組みは,その検査データの統計解析をすることです.具体的には屈折,乱視ベクトル,高次収差に影響する年齢とそれ以外の眼科的・内科的検査所見の解析を行っています.加齢により倒乱視化が進むことはよく知られていますが,これまでの解析により,角膜・全眼球ともに高齢になるほど,その後の乱視量がより大きく変化することが示されました.また,年齢により全眼球,角膜の高次収差が増大することが示されています.これらは元の乱視量や屈折,眼軸長などの因子にかかわらず,独立して示されました.逆に年齢以外に関連する因子として乱視の変化量については眼軸長や角膜厚,血清アルブミン値など,高次収差については角膜厚などの他に,体重や血清クレアチニン値の関連も示されました.こういった解析は自分の実績という意味もありますが,統計上での収差データの取り扱い方とその歴史,統計解析法について学ぶことができたのが,いい経験になっていると思います.今後は経時変化についてさらに解析をすることと,臨床データに応用することを検討しています.プライベートのMyboom:「旧交」毎日の仕事に追われて連絡が途切れがちでしたが,最近,旧交を温めることがmyboomになっています.きっかけは母校である小学校が,合併に伴って移転することが決まったことです.懐かしい校舎を写真に残しておきたくなり,友人と見学会を企画したところ,発案者と写真2鶴岡市立朝暘第四小学校・校舎見学会にて(上段左が筆者)いうことで実行委員長に祭り上げられました.といっても私は事務能力が皆無に等しいですので,細かいプランニングは友人がすることになりましたが.多くの同級生に連絡し,見学会とその後の食事会は好評のうちに終了しましたが,その際の連絡に活用したのがFacebookやLINEです.今回数十人をグループ化することができたので,今後の同窓会などの連絡が楽になりましたし,十数年会わなかったような友人とも気楽に会話できるようになりました.その他に,今年は全国に散らばった大学時代の悪友たちとの再会を画策しています.われわれくらいの年齢になると結婚式の嵐が落ち着いて,会う機会も激減しています.お互い忙しい身なのでなかなか予定が合いませんが,ある程度(学生時代のように)強引に皆をまきこんで,定期的に会えるようなシステムを構築したいと思っています.次回のプレゼンターは京都府立医科大学の加藤弘明先生です.加藤先生には学会でお会いするたびに仲良くしていただいて,お世話になっています.横井則彦先生の元で,次世代のドライアイの鬼として研鑽を積まれています.よろしくお願いします.注)「Myboom」は和製英語であり,正しくは「Myobsession」と表現します.ただ,国内で広く使われているため,本誌ではこの言葉を採用しています.722あたらしい眼科Vol.31,No.5,2014(96)