監修=大橋裕一連載⑳MyboomMyboom第20回「酒井寛」本連載「Myboom」は,リレー形式で,全国の眼科医の臨床やプライベートにおけるこだわりを紹介するコーナーです.その先生の意外な側面を垣間見ることができるかも知れません.目標は,全都道府県の眼科医を紹介形式でつなげる!?です.●は掲載済を示す(●は複数回)連載⑳MyboomMyboom第20回「酒井寛」本連載「Myboom」は,リレー形式で,全国の眼科医の臨床やプライベートにおけるこだわりを紹介するコーナーです.その先生の意外な側面を垣間見ることができるかも知れません.目標は,全都道府県の眼科医を紹介形式でつなげる!?です.●は掲載済を示す(●は複数回)自己紹介酒井寛(さかい・ひろし)琉球大学大学院医学研究科・医科学専攻眼科学講座東北大学の布施昇男先生からバトンを受けました.琉球大学眼科でおもに緑内障を担当しています.出身大学も琉球大学です.大学の学籍番号が87〇〇○でしたので,1987年に来沖していることになります.1993年に卒業し,以来沖縄で眼科医をしています.気がつけば,沖縄を離れたのは留学(シカゴ,イリノイ州立大学,BeatriceYue先生のラボにて)の2年半だけ.琉球大学在学中を含めると,ほぼ四半世紀を沖縄で過ごしています.1993年,というとTHEBOOMの「島唄」がリリースされ沖縄でも大ヒットしたのが眼科医になったこの年でした.この曲は県外人が沖縄民謡をモチーフに作った歌ということで,沖縄県内では批判的な意見もあったようです.奇妙なことに,典型的なナイチャーである私も共感してしまいます.今でもBEGINの「島人ぬ宝」(2002年)のほうが「本物」と感じる部分があります.同じような感覚は「さとうきび畑」(作詞・作曲:寺島尚彦)にも感じることがあります.森山良子が1969年にアルバム収録したこの曲は,父が聞くレコードで幼少時に良く聴いていました.悲しく胸に迫る叙情的な歌詞で,時代背景から反戦歌としても良く知られている名曲です.県内にも読谷村に歌碑があるようです.歌のイメージの沖縄戦は,ただ,なにか漠然として遠い場所に感じてしまいます.(81)0910-1810/13/\100/頁/JCOPY仕事のmyboom―閉塞隅角緑内障の診断沖縄で眼科医になってすぐに,閉塞隅角緑内障の診断の難しさを感じました.点眼で眼圧がそこそこコントロールされているけれども,ときに上昇するとしてフォローされていた方の隅角をみると非常に小さい周辺虹彩前癒着(PAS)があるだけ,もしくはPASはないけれど隅角は狭いという症例があり,その当時は(その後も),混合緑内障や開放隅角緑内障として治療されていました.その後,隅角鏡,UBM,OCTと械器の発明に伴い診断力は向上し,新しい知見も得られましたが,発症予測はできません.治療は,水晶体再建術の技術的な進歩から診断さえ早くつけばほぼ満足のいく結果がでると思います.発症してしまった緑内障(全般)の治療では,濾過胞感染を起こしにくい濾過胞を目指す工夫,トラベクロトミーと深層強膜切除術を下方象限で行ったり,エクスプレスシャントを使用したり,といったところが最近の工夫でしょうか.それなりに臨床の内容は変化しています.ブームは虫の羽音を語源とし,集まってくる虫の羽音から転じて大流行という意味.仕事でのマイブームは一過性の流行ではなくずっと閉塞隅角緑内障の診断だったと思います.もう少し,続きそうです.先日,シンガポールでAPACRSのサテライトミーティングとして開催されたアジア閉塞隅角緑内障クラブ(AACGC)にシンポジストとして参加しました.シンガポール1泊3日(機内1泊)という強行スケジュールでしたが,シンガポール,インド,マレーシア,香港,中国,台湾,タイ,韓国,UAE,米国などの先生方と「久しぶり」と声を掛け合いながら立ち話をしたり,昼食をとったり,夕食会でお酒を飲んだりと楽しい会でした.お題は,私のオリジナルネタの原発閉塞隅角緑内障に潜在する毛様体脈絡膜.離(uvealeffusioninprimaryあたらしい眼科Vol.30,No.9,20131281〔写真〕AACGCミーティングのFacultydinnerにて各国の先生方と(シンガポール)2013/7/11angleclosureglaucoma)とからめてOCTのenhanceddepthimagingを用いて発表された最近のデータをまとめたものでしたが,歴史とからめて話したところプレゼンテーションはすこぶる好評でした.また,学会中もどのセッションでもeffusionという言葉が連呼され,大分認知されてきたようで嬉しく思っています.今回は強行日程で無理でしたが,時間があれば海外の先生方と屋台でお酒を飲んだり,カラオケに行ったり,クラブで踊ったりなど遊びの部分も(おもにそっちがメインかも)大事にしています.日本の先生方との飲みニケーションも好きなほうです.これも,ブームではなく体と相談しながら続けていきたいと思います.趣味のmyboom―ヴァイオリン最近,学生時代に活動していたオーケストラで指揮者として指導していただいていた教育学部音楽科教授の先生の退官記念コンサートの準備をしています.留学時代には少し開けましたが,医者になってほとんど触っていなかったケースを開けて,ヴァイオリンの弦も弓も張り替えて弾いています.腕前は一人でお聴かせするには耐えられませんが,合奏している最中は非常に楽しいものです.ここ数カ月のことなので,これはマイブームかもしれません.社会人オーケストラにも誘われていますが,これは続けるかどうかは思案中です.オーケストラは合奏の練習も多くて大変です.その点,四重奏など室内楽は手軽にできるのですが,気の合うメンバーを集めるという大きな制約があり,これもなかなか難しいのですが,機会があれば挑戦したいという気持ちはあります.THEBOOMの「島唄」は,しかしながら,20年を経て沖縄民謡と流行歌を結びつけ全国に広めた先人として,今では県内でも評価されているようです.私も,長いブームで沖縄における緑内障診療に携わっていきたいと考えています.次回のプレゼンターは秋田大学の阿部早苗先生です.しばらく琉球大学に勉強(遊び)にきていた日本緑内障学会の若手のホープの一人です.よろしくお願いします.注)「Myboom」は和製英語であり,正しくは「Myobsession」と表現します.ただ,国内で広く使われているため,本誌ではこの言葉を採用しています.☆☆☆1282あたらしい眼科Vol.30,No.9,2013(82)