自己紹介大野建治(おおの・けんじ)上野原市立病院眼科私は平成4年に東京慈恵会医科大学を卒業しました.平成9年から2年間,米国ミネソタ州にあるMayoClinicに角膜リサーチフェローとして留学しました.その後は,角膜の臨床を中心に行ってきました.以来,患者さんに満足していただくように,最良の医療をめざしています.それでも,見えなくなってしまう患者さんも出てきます.そういった理由もあり,ここ10年位はロービジョンに注目するようになりました.念願の視覚障害者用補装具適合判定医の研修会を平成21年に受け,目からウロコが落ちる体験をしました.それからは,角膜とロービジョンが私の診療の二つの柱になっています.人生も半世紀を超え,仕事と遊びのどちらも,自分がワクワクすることを続けていきたいと思っています.働く時間はしっかり働く.そして,勤務時間以外は遊びに専念し,家族との時間も大切にするというのが理想です.そのためには,時間が必要です.経済的な裕福さ以上に,自由度を優先して予定を組んでいます.地位,名誉,役職などには興味ありません.Myboom:視覚障害者スポーツロービジョンに関連して,一昨年(平成27年)の3月に国際視覚障害者スポーツクラシファイアという資格をとりました.約5年前から行っていた視覚障害者スポーツ分野での地道な活動が花開いた形です.どんなことをするのか,以下説明します.障害者スポーツには,「クラス分け」という特徴的なシステムがあります.障害が軽い選手と重い選手が一緒(103)0910-1810/17/\100/頁/JCOPYに競えば,軽い選手が有利に決まっています.なので,同じ位の障害程度の選手を選んで,競い合うグループ作りをします.それがクラス分けです.視覚障害のある選手たちのクラス分けをする国際資格が,国際クラシファイアです.パラリンピックを仕切っているIPCと国際的に視覚障害者スポーツを仕切っているIBSAから出されている資格です.現在,日本には4名,世界には約60名の視覚障害の国際クラシファイアがいます.世界各地で開催される視覚障害者のスポーツ大会があると,現地に呼ばれる可能性があります.その資格を取得してから,リトアニアと韓国のピョンチャンに行きました.来月はトルコのアンタルヤに行く予定があります.あまり,観光や国際学会で行かないような所に行かれるのも楽しみです.また,クラス分けに関連して,視覚障害者スポーツ団体を支援しているので,パラリンピックをめざしているコーチや選手たちと交流しています.医者と患者の関係性と違って,友人のような水平な関係で,コーチや選手と飲みながら話をするのが楽しみの一つです.Myboom:モス(写真1)ここ数年はまっている遊びがモスです.モスは一人乗りの小さなヨットですが,すごい特徴があります.それは,風の力だけで飛ぶヨットなのです.飛ぶというのは正確ではありませんが,水中翼船のように船体のほとんどが空中に浮かんでいるので,水の抵抗が少なく,すごいスピードがでます.初めてこのモスの動画を見たときは,あまりのすごさに自分がぶっ飛びました.ぜひYouTubeで「モス,ヨット」で検索して,動画を見てみてください.見たことがない先生は驚くはずです.モスは車でいえばF1のようなもので,乗りこなすのが難しい船です.風がある程度ないと,浮かないので遅くてマヌケな船です.一方で,風が強すぎると操船困難になり,初心者の私は乗れあたらしい眼科Vol.34,No.2,2017245写真1モスという名の1人乗りの小型ヨット風の力だけで宙に浮かぶ.船体への水の抵抗がないため,最初は恐怖を感じるほどのスピードが出る.ません.ただでさえ海に行く機会がそれ程ないのに,条件が合わず,ただボーっと陸から海を眺めているだけという時も多くあります.全然うまくなれませんが,それでも,楽しいのです.モスとは違いますが,大型のヨットレース,アメリカズカップでは,日本のソフトバンクチームが挑戦しています.これも動画で検索してみてください.今,ヨットは飛ぶ時代なのです.Myboom:スキー(写真2)これは,はまっているというか,ライフワーク化しています.中学高校とスキー部で競技スキーをしていました.それ以来,ずっとスキーは続けています.スキーシーズンになれば,週末は毎週スキーに行きたいのですが,仕事や学会,家族の行事もあり,隔週で行くくらいが精一杯です.スキーでは,何といっても楽しいのが深雪,新雪です.雪質がいい深雪を滑っているときは,脳内麻薬が出ているかのような快感があります.深雪滑走中の,雲の中にいるような浮遊感がたまりません.以前参加したカナダでのヘリスキーのツアーに,また行くのが目標です.「CMHへリスキー」で検索していただくと,すごい写真が出てきますよ.Myboom:シュタイナー教育と田舎暮らし私は3人の子供に恵まれました.3人ともシュタイナー教育という教育を受けています.神奈川県の藤野という相模湖の近くの田舎町に,そのシュタイナー学園があります.シュタイナー教育はドイツのルドルフ・シュ写真2志賀高原にて何年続けていてもスキーは楽しい.寒い季節になってくると,ワクワクしてくる.タイナーの人間観に基づいた教育で,その教育を実践するシュタイナー学校は世界中にあります.子供の発達段階に応じた,知性,感情,意思を育てるための芸術的な教育を行っています(短く説明できないので,もし興味あればこれも検索してみてください).親たちの集まりが多く,お父さんの集まりも盛んです.また,藤野はもともと芸術家が多く集まる町でした.古くから住んでいる人たちと新しく移住してきた人たちがフュージョンして,面白くて活気ある町になっています.ここでは,トランジション藤野(これもぜひネット検索を)という地域活動が行われています.この町で日常的に行われている会合,飲み会も楽しみの一つです.おわりに現在まで,人との出会いを大切にしながら,流れのまま忙しく生きてきましたが,ようやく最近,自分らしい生活が送れるようになってきました.今まで多くのすばらしい人たち,先生方と出会えたおかげで,今の自分があると思っています.その素晴らしい先輩の一人,吉田希望先生を紹介します.先生は秋田大館出身ではないのに大館に住み,大館の町の発展に尽力し,秋田の子供たちのために,貴重な小児眼科の診療も行っています.次回をお楽しみに.注)「Myboom」は和製英語であり,正しくは「Myobsession」と表現します.ただ,国内で広く使われているため,本誌ではこの言葉を採用しています.246あたらしい眼科Vol.34,No.2,2017(104)